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昨日に引き続き、またしても三宅香帆さんの本を読んでしまいました。 いやあ、すっかり三宅ワールドに引き込まれていますね、私(笑)。今回手にとったのは、『「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか』という一冊です。タイトルからして魅力的ですよね。「話が面白い人」……なりたい!そんな下心丸出しで読み始めたわけですが、この本、もともとはある講座での「話していて面白い人になるには、どうすればいいのか?」という、受講生からの直球の質問に答える形で生まれたんだそうです。で、結論から言いますと、「話が面白い=トークスキルが高い」ではないんです。 ここ、重要です。話が面白い人というのは、流暢に喋る技術があるわけではなく、「面白い視点」や「知識のストック」という武器(ネタ)をしっかり持っている人のこと。 そして、そのネタを頭の中で瞬時に「編集」してアウトプットしている人のことなんですね。つまり、ただ漫然と本や漫画を読んでいるだけじゃダメ。「ふーん、面白かった」で終わらせず、それを「鑑賞」の域まで高めて自分の中に取り込む技術が必要なんです。本書の第1部では、その「鑑賞術」が非常にロジカルに解説されています。 三宅流・面白く語るための「5つの技術」がこちら。1.【比較】: 他の作品と比べる。過去の作品、外国の作品、似たジャンルの作品と比べる。「前作と違って今回はここが新しい」など。2.【抽象】: テーマを言葉にする。具体的なエピソードから、抽象的なテーマ(愛、孤独、権力など)を言語化する。変化や結末に注目。3.【発見】: 書かれていないものを見つける。 あえて「書かれなかったこと」や「描かれなかった視点」に注目する。4.【流行】: 時代の共通点として語る。同時代に流行している別のものと比較し、共通点や時代背景と結びつける。5.【不易】: 普遍的なテーマとして語る。時代を超えて通じる、普遍的な真理や人間ドラマを見つける。……とまあ、こう書くと「難しそうだな」と思われるかもしれませんが、ご安心ください。 第2部がすごいんです。第2部では、この5つの技術を使った「実際の書評」が載っているんですが、これがもう、文芸オタク・三宅香帆の面目躍如! とにかく紹介文が楽しそうで、熱量がすごい。「へえ、そんな読み方ができるのか!」と感心して読み進めるうちに、困ったことが起きました。 三宅さんの紹介が上手すぎて、私の「読みたい本リスト」の行数がとんでもない勢いで増えてしまったのです。 これ、全部読むのに何年かかるんでしょうか……(遠い目)。それにしても、さすがプロの文芸評論家です。 読書量の多さはもちろんですが、守備範囲の広さには驚きを隠せません。古典から最新のエンタメまで、縦横無尽に語るその姿には、ただただ脱帽です。「話がうまくなりたい」と思って読み始めましたが、読み終えた今、 「ああ、本を読むって、こんなに自由で、こんなに楽しいことだったんだな」 と、読書の素晴らしさを再発見した気分です。インプットの質が変われば、アウトプット(会話)も変わる。 明日からの読書が、ちょっと深くなりそうな予感がする一冊でした。みなさんも、積読(つんどく)が増える覚悟で、ぜひ手にとってみてください(笑)。「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか (新潮新書) [ 三宅 香帆 ]
2026.02.05
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皆さん、こんにちは。ここ最近、積読(つんどく)の山脈がさらに標高を増している今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。さて、久々に読書記事を書いていきたいと思います!今回取り上げるのは、本屋さんに行けば平積みされているあの話題作、三宅香帆さんの『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』です。三宅さんといえば、あの「ぶっちゃけ」本著者の三宅香帆さんといえば、私の中では5年ほど前に読んだあの本のイメージが強烈に残っています。 その名も『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』。(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法 (角川文庫) [ 三宅 香帆 ]タイトルからして最高じゃないですか? あの本は本当に楽しかった。「高尚すぎて意味不明……」となりがちな古今東西の名作を、「こう読めば面白がれるよ!」と、砕けた調子で伝授してくれた、私にとっての「読書案内の名著」でした。そんな三宅さんが2024年に世に放った『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』、遅ればせながら読みました。 これ、ものすごい話題になりましたよね。発売以来多くの賞を受賞しました! ・書店員が選ぶ ノンフィクション大賞2024 大賞・新書大賞2025 大賞・オーディオブック大賞2025 ビジネス書部門大賞などなど、三宅さんもマスコミに出まくっていらっしゃいました。 ずっと気にはなっていたんですが……ええ、「働いていて本が読めなかった」わけではない(と言い訳したい)ですが、ようやく読むことができました!■ 予想外の「ガチ新書」でしたで、読んでみた感想なんですが。 正直、前の「ぶっちゃけ本」のような、軽妙なエッセイ風の語り口を想像していたんです。ところがどっこい。ページを開いてみると、そこにあったのは、いかにも「新書」らしい、真面目で少々堅めの、ガチの論文的構成でした。「あれ? 思ってたのと違うぞ?」と背筋が伸びました(笑)。■ 映画『花束みたいな恋をした』の「麦くん」現象本書の執筆のきっかけとなったエピソードが、映画『花束みたいな恋をした』です。 あんなに本や音楽といったカルチャーが大好きだった主人公の麦くんが、就職した途端にパズドラしかできなくなり、本も音楽も映画も楽しむ余裕がなくなってしまった……あの切ない変貌ぶりです。三宅さん自身も、就職して麦くんと同じような状態になった経験があり、「なぜこうなるんだ?」と疑問を持ったことから、この力作が生まれたんだそうです。花束みたいな恋をした [ 坂元 裕二 ]そこからの展開がすごい。 なんと明治時代から現代に至るまで、「労働と読書の関係」がどう変遷してきたかを、社会情勢やその時代のベストセラーを例にとって徹底的に分析していくんです。これ、相当な労作ですよ。■ 「教養」が「ノイズ」になった現代特に唸らされたのが、読書の意味合いの変化についての分析です。かつて読書は、自分を豊かにする「教養」として機能していました。 しかし現代では、読書は「仕事の役に立つかどうか」という、恐ろしいほどシビアな「生産性の物差し」で測られるようになってしまったといいます。ビジネスマンにとって、読書は「情報」を得るためのツールとなり、かつての「教養」は単なる「ノイズ」になってしまった。だから、仕事に熱心になればなるほど、生産性を求めれば求めるほど、「ノイズ」である読書ができなくなってしまう……。 この分析は、さすがですね。■ 解決策は「全身全霊で働かない」こと!?では、どうすればまた本が読めるようになるのか。 三宅さんが提示した解決策は、ある意味で衝撃的、かつ本質的なものでした。それは、「全身全霊で働くことをやめる」こと。働きすぎない: 仕事に自分のすべてを投げ出さず、読書ができる「余白」を死守する。「ノイズ」を楽しむ: すぐに役立たない知識や、自分を惑わすような物語をあえて取り入れる。うーん、言われていることはよく分かる。分かるんですが…… 「全身全霊で働かない」、これが一番難しいんだよなぁー!! と叫びたくなりました(笑)。とはいえ、仕事だけで人生が埋め尽くされてしまっては、確かに「人間としての余白」がなくなってしまいますよね。なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書) [ 三宅 香帆 ]すぐに働き方を変えるのは難しいかもしれませんが、「ノイズ(=役に立たない物語)」を楽しむ余裕を持つこと。 これこそが、豊かな生活への第一歩なのかもしれません。あらためて、自分の読書スタイルと、日々の生活を振り返る素晴らしいきっかけをくれる本でした。 皆さんも、もし「最近本読めてないな……」と思ったら、まずはこの本を読んで、「働き方」の方から見直してみてはいかがでしょうか?
2026.02.04
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