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今回は、福島第1原発がレベル7の事故をおこし、津波被害、停電による冷却機能喪失、炉心溶融、水素爆発、周囲への放射能漏れで大問題となっています。女川原発は、無事に停止することができましたが、いろいろ問題はあったようです。
2年前に、女川原子力PRセンターの秋祭りに行って、山の上から望遠でみた女川原発す。林が生い茂って分かりにくいですが、左側に事務建屋、真ん中に大きな排気塔、その右下にかすかにみえるのが3号機の原子炉建屋、その右には写ってないですが鉄塔があって送電線が真横に伸び、右端は海、だったと思います。
女川原子力PRセンターです。今回の本震の後に、近くの住民40人が避難してきたものの、電気と水がないため、原発の福利厚生施設の体育館に避難させたとのことです。少し離れたところにある女川町中心部が壊滅状態にあり、3月14日には避難者は360人まで増え、食料や毛布など提供され、現在も体育館には約130人が避難しています。
PRセンターの秋祭りの時には、こんにゃく、ソフトクリーム、わたあめ、抽選でミニバラの苗などもらえました。もちろん、無料、入館も無料、さらにおみやげまでもらえます。交付金や箱モノ補助といい、あめ玉政策のような気もしますが、女川町の場合、住民も原発の危険性はある程度受け入れ、その上でいろいろなご褒美を受けている気がします。
施設内にあった1号機 1/50模型です。
左側がタービン建屋、右側が原子炉建屋です。東日本は、沸騰水型軽水炉なので、福島原発も同じ構造です。
拡大すると、原子炉建屋の中には、だるま型の格納容器、その中にカプセルのような圧力容器、その上には燃料保管所と交換用のクレーンがあります。圧力容器には、給水管(青く光っている)が水を補給し、再循環経路(緑に光っている)で減速材としての水量を調節し、容器内の燃料の核分裂で発生した熱でできた蒸気が排気管(光っていない)を通ってタービン建屋まで達し、タービンを回して発電、その後、左下の覆水器で海水と熱交換して、蒸気を水に戻して、給水管へ戻る、閉鎖されたループになっています。それでも、ループ内の水は高濃度汚染されていますので、建屋内はそれなりの放射能はありますし、福島原発のように配管や容器から水が漏れたら建屋中が汚染され、作業の妨げになると思います。
熱交換した海水は、温排水として海に流され、放射能も極微量で、7度の水温上昇も希釈されるため、問題ないことになっています。
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ガンマ線遮蔽壁
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原子炉圧力容器
女川原発1/2原子炉模型です。
中にある金属の細長いボックスに入ったものが燃料集合体で、上のハンドルから下までで2.3m(本物は4.5m)あります。その隙間の制御棒(中性子を吸収する物質でできている)を抜くと、中性子で燃料のウラン235が核分裂して質量数140と95近くの二つの核分裂生成物に分かれ、質量欠損による大量の熱(E=mc 2
)と放射線と中性子が出ます。燃料の中心は約1800度となり、給水管からジェットポンプでシュラウド下に送り込まれた冷却水が約300度(70気圧)に温められて蒸気となり、上部の気水分離器で蒸気のみ取り出され、タービンを回して電気となります。
もともと、天然のウラン鉱山では、核分裂しやすいウラン235は0.7%程度で、他は分裂しにくいウラン238です。原子爆弾は、ウラン235が90%以上で核分裂で出る中性子で連鎖式にあっという間に全体の核分裂が生じ、膨大な熱で爆発がおこり、放射能の灰が広がるものです。対して、原発の燃料は、ウラン235が2~4%、ウラン238が96~98%で、反応が遅くなり、制御棒や冷却水で制御できるのです。100万kwの原発では一日でウラン235を3kg使用、それでも広島原爆の800gに比べると4倍近いです。全部で100トンのウラン燃料が充填され、1年に30トンずつ交換されます。
ちなみに、ウラン235が0.7%のウランを4%程度に濃縮する際に、ウラン238が余ってしまいます。これを利用したのが湾岸戦争などで使われた劣化ウラン弾で、ウランは元素で一番重いので戦車の鋼鉄をも打ち抜き、さらにその衝撃で発火して3000度以上の高熱となり爆発を引き起こしました。現地では劣化ウランの微粒子が舞い飛び、体内に取り込まれ、放射線を放出し、白血病などの癌が20倍増加したり、障害児の発生が増えたそうです。ウラン238の放射能の半減期は45億年です。
また、3%濃縮ウラン燃料1トン(ウラン235 30kg, ウラン238 970kg)は、使用後には、使用済み核燃料として、ウラン235 10kg、ウラン238 950kg、プルトニウム10kg(ウラン238に中性子が取り込まれできる)、核分裂生成物30kgとなります。ウラン、プルトニウムには放射能があります。核分裂生成物は、不安定で放射能を持ち、更に放射線を出して崩壊して安定なものに変わっていきます。今回の福島原発では、184度で気化するため拡散しやすく甲状腺癌の原因になるヨウ素131;半減期8日、水溶性で蒸気に含まれやすく土壌汚染と白血病の原因になるセシウム137;半減期30年、同様に水溶性で骨髄腫や白血病の原因になるストロンチウム90;半減期29年などが放出され問題となりました。使用済み核燃料は、このように放射能や崩壊熱があるために、ウランやプルトニウムを再利用のために取り出した後に、冷却30年と地中に数万年の保管が必要です。茨城県東海村、青森県六ヶ所村に、再処理施設があります。
さらに、模型を見て思ったのは、実際は圧力容器は高さ約20mと大きく、低合金鋼製で15cmと分厚いですが、こんな複雑な配管に高温・高圧の温水を通し続けて、減肉はするし地震も津波もあるし、故障があったらどうするのか、高放射能の中で修理できるのか、、これで耐用年数40年以上と言われると正直不安です。現に、配管の減肉で穴が開いて修理したこともありますし、炉心のシュラウドという5cmのステンレスの隔壁(燃料集合体を固定して、冷却水の流れをつくる)は、1号機、2号機で浅いヒビ割れが確認されるも動作には問題なしとなっています。(シュラウドの交換は被爆を伴う大仕事で、福島原発4号機はそのために停止していたんですね。)
圧力容器の中の上部分(パイプオルガンみたいなところ)は、気水分離器、一番上の矢印の部分は蒸気の排出口。青く光っているのは制御棒。ボタンを押すと、原子炉の動作から停止までの動きが分かります。
今回の地震では、女川原発では、
地震の揺れは、1号機540ガル(想定512ガル)、2号機607ガル(想定532ガル)、3号機573ガル(想定594ガル)と想定を超えました。1号機では、ボイラー用タンクが倒れ、原子炉建屋など20カ所で水漏れが発生、タービン建屋の地下で火災が発生しました。
福島では、2号機550ガル(想定438ガル)、3号機507ガル(想定441ガル)、5号機548ガル(想定452ガル)でした。
津波の想定は、女川で9.1mに対し、想定を超える13mの津波が押し寄せましたが、主要施設は14.8mにあり、地盤沈下1mの分を合わせて、あと80cmのところでした。2号機の原子炉建屋の地下3階が浸水程度でした。
福島では、想定5.6mに対し、14~15mの津波がきて、高さ10mの施設は4~5m浸水しました。設備に大被害が出ました。
電源は、女川では2系統の外部電源となる送電幹線のうち、1本は止まりましたが、もう1本は残っていました。1号機は変圧器の故障で外部電源が使えなくなりましたが非常用電源でしのぎました。原子炉は、なんとか100度以下に停止しました。
4月7日の余震では、外部電源3系統のうち、2系統は止まり、残りの1系統だけ給電が続き、停止状態のまま変わらずでした。ただ、揺れは想定を少し超え、使用済み燃料プールの水漏れが少量ありましたし、プールの冷却機能が1時間ほど失われていました。また、1号機の非常用電源2つのうち1つが故障していました。
福島では、送電鉄塔が地震で倒れ、外部電源は途絶し、非常用電源も水没し、電源が喪失し、冷却機能を失い、炉心溶融につながりました。
以上のように、福島原発と比べると、大きな差があって、結果的にはセーフでしたが、細かいところをみると、ぎりぎりセーフのような気がします。今回、福島原発を含め、いろんな原発について、考え直して対策を施すいい機会だと思います。
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