まりことリンリン~♪

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2026.01.12
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カテゴリ: 読書


マルセル【電子書籍】[ 高樹のぶ子 ]

<内容紹介より>
新聞記者の千晶は父が遺した取材ノートから、ロートレックの名画『マルセル』盗難事件の謎にのめりこみ・・・実在の未解決事件をモチーフに恋愛小説の名手が贈る、芳醇かつ極上の「絵画」ミステリ!!<目次>第一章 孤第二章 惑第三章 震第四章 迷第五章 想第六章 競第七章 結


久しぶりに高樹のぶ子さんの作品を読みました。
恋愛や風景を情緒豊かに描く作家というイメージだったので
ミステリー、それも実在の未解決事件を扱った作品とは意外。
でもそこは著者お得意の恋愛を絡めていて
真実に迫る!という緊迫感だけではなく、文章の柔らかさがあり、するすると読めました。

ひとつ気にとても引っかかったことがあります。
「絵画は本物だけが何十億もの価値を持つ。
そっくり写し取られたものが無価値で人の心を打たないなどと言えるのか。

絵画だけが非道な処遇をされている」
という台詞(少し端折ってます)がありました。
このような背景があるのだから贋作を作ることを容認、というか致し方ないという。
確かに価値という点ではそうかもしれないけれど少し曲解している気もする。
文学も音楽も、原作、原曲の良さを損なわず、更に魅力的に新しい解釈を加えたりして表現する。
あるいはその逆に全く別な解釈を提示して別な視点から光をあてる。
そこには作者への敬意があるとともに手を加えた人のオリジナリティ
(と言っていけないのならしいて言えば個性?)がある。

「ショパンの楽譜をショパンのように弾こうとするピアニストと較べて…」
という台詞もありました。
そう?今を生きる人の中にショパンが弾いているのを聴いたことがある人いる?

pp、ff、sf 等にしても、appassionato、molto ⅼegato 等にしても
表現の仕方は演者によってまるで違い、聴衆の好みもあれば好みを超越して素晴らしいと感じもする。
中には音を外したとしても聴衆を圧倒する演奏で名奏者と言われる人だっているでしょう。

原画と同じ、それ以上の技術を持つ絵描きがいて模写であれば問題ない。
パッと見のみならず絵の具の厚みや古色までつけ
本物として譲渡するから 贋作となり問題視される。
人を騙そうとして作られたものということよね。
そこが文学、音楽のコピーとアートの贋作との違いなのではないの?
と、ど素人には納得がいかない部分でした。

贋作作家としてむしろ本物より素晴らしいと名を馳せた人もいるらしい。
その技術をもってして、自身のオリジナルを描こうとは思わなかったのかな。
オリジナルを描いても多くの著名の画家のように生前は評価されないだろうから?
あるいは「〇〇(原作タイトル)に思いをよせて」とかにすれば?
なんて思うのは、アートの歴史を知らない浅はかな考えか。
長い年月が作り上げた根が深い問題なのだというのはよくわかりました。
それにしても、前述の台詞がしばらくは頭に残りそうです。





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最終更新日  2026.01.12 20:06:11 コメントを書く


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