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銀色の手紙@ Re:『お札を置きに……』&『メジロの観察……』(01/12) 小鳥と柿のお話、興味深く拝見させていた…
2005.08.08
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カテゴリ: 今日の出来事


「しまった、行っちゃった」
「あと1分早く出てればなー」
「ゴミ出してきたからあかんのや」

肩を落としながら考える。
「すぐは来ないよなー」
「でも、暑いしなー」

バス停の前で道路に出て後ろを振り返るが、バスの影は見えない。
「歩こうかなー」
「でも、暑いよなー」
駅まで歩いても5分。
それだけの距離でも汗だくになるのが嫌だった。

街路樹が作るわずかな木陰に立ってバスを待つ。
案の定バスはなかなか来ない。
「タクシー乗っちゃおうかなー」
あふれるばかりに通り過ぎる空車を眺めながら思ったが辛抱した。


待っていると、路地からおばあちゃんが孫のリサちゃんと現れた。
僕は、リサちゃんを知っているわけではない。
おばあちゃんがとにかくうるさく孫に話し掛けるから分っただけだ。
「リサちゃん、お昼何食べる」
「リサちゃん、こっち来てな」
(来なくていいよ、満員だよ、暑苦しいからやめて)
「リサちゃん、こっちは涼しい風が吹いてるよ」
(そこもここも同じやで、1メートルしか離れてないやんか)
「リサちゃん、ちゃんと座ってなよ」
(ええよ、だまっとき)
「リサちゃん、マクドナルドで食べる?」
「リサちゃん、チーズバーガー好きだよね」
「リサちゃん、ケンタッキー買って帰る?」
(家で作りなさいよ)
「リサちゃん、用事すぐすむからね」
とにかくリサちゃんリサちゃんってうるさい。
それも、僕が先客でいるわずかな木陰に入り込んでしゃべるから、僕の耳元で大きく聞こえる。
4歳くらいのひっ詰め団子頭の可愛い子だが、答えりゃいいのに、リサちゃんは何もしゃべらない。
「おとなしくしてるんだから、ほっときなさいよ」
言いたかったが言えない。

暑いし、うるさいし、イライラしだした時にリサちゃんが始めてしゃべった。
「おばあちゃん、タクシーで行こうよ」

「オイオイ、どういう教育してんだ」
「いくら可愛いからって、そりゃあかん」
「甘やかすから、ろくな大人にならへんねん」
「わしかて、我慢してんねんで、ったく」
怒りで体感温度が急上昇したのは僕だけだった。

「じゃー帰りはタクシーにしようね」
おばあちゃんは平然と言った。


憤懣やり方ない気分は、新幹線でシュウマイ弁当を食べてから昼寝をしたら忘れていた。
大阪で一仕事やっつけて、Mホテルにチェックイン。
翌日の行動を考慮して常宿ではない。
不慣れな場所で困るのが食事。
「どうするかなー、今日は飲めないしなー」
「ルームサービスはろくなのないしなー」
「食欲はあんまりないけど、暑かったよなー、ビール飲みたいなー」
「連れ合いには内緒にすればいいかなー」
なんて思いながら、3階の四川料理に足を運んだ。

その店は以前一度入ったことがあって、一人用のカワイイ冷菜3品を出してくれる。
生ビールで一人乾杯をして、ふと気がついた。
大人のリサちゃんがたくさんいるではないか。
客席を見渡せる要所要所に、ホール係りのオネエサンが5~6人立っている。
ベージュのズボンに濃紺のジャケット、警備員みたいにイヤホンを付けて。
そして、何故か皆一様にひっ詰め団子頭。
身長こそ多少の差はあるが、
「良くぞここまで美形のひっ詰めを揃えたな」
と、関心ばかりではいられない。
ひっ詰め団子頭を見て、バス停を思い出してしまった。
ひとしきり朝の怒りが再燃し、つられて更なる不満へと発展する。

「人件費ばかり掛けるから料金高いやんか」
「980円もとっといて、生ビールチョビットしかあらへんで」
「客よかオネエチャンの方が多いじゃんか」
「そんなにジロジロ見んといてーな、目障りやんか」
背筋をピンと伸ばした美人のオネエサンに監視されながら飲むビールは不味かった。
最後の一口を飲み込んで、グラスを置いた瞬間に
「いかがいたしましょうか?」
と、テーブルの脇で聞かれる。
徹底された従業員教育も理解するが、油断も空きも無い環境で食事をすることは苦痛だと言う事実も考慮して欲しいものだ。
この店に居心地を求めた僕が悪かったと反省している。
所詮僕には、居酒屋があっているようだ。





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Last updated  2005.08.11 16:53:27 コメントを書く
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