2026
2025
2024
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
全2件 (2件中 1-2件目)
1
暗い部屋の中、一つの影が身じろぎもせずにベッドに寝ている。すでにこうし始めてから何時間たっただろうか。時間の間隔さえもわからなくなってきた。ウォードはちゃんと見つかったんだろうか……。セイラは何処にいるのか見当が付いてるみたいだったけど。私も探しに行きたい……。何で風邪をひいちゃったんだろ。ウォード……そのころ。ウォード、セイラ、リタ、琥珀の4人は古本屋の前で困っていた。「ねぇ……、どうする?ウォードたんの『あれ』。」「それもあるけど、まずは翠子のことというか、今回のことを何処まで説明したら……。」うーん、と悩むリタ。「普通にすべて話せばよいのではないか?」「ウォード、セイラにあなたを翠子が誘拐したっていったらどうなると思うの?」「む……。」「前回のこともあるし、またあの子が原因でしかも後遺症残して帰ってきたなんて言ったら……翠子を壊しに行きかねないわよ?」「ならどうするの、リタ?嘘を付くにしてもセイラって意外に鋭いよ?」「大丈夫、多分何とかなる。話せばわかるとおもう。」「その根拠は?」「私の勘!」「……。」呆然とリタを見つめるセイラとウォード。ともあれ3人はおじいさんに事情を説明しエレナの部屋の前に来た。エレナが風邪ひいた頭でぼんやりとしているとノックする音が。「はい。どうぞ。」起きあがって返事をすると、ドアを開けて入ってきたのはウォードとセイラと見知らぬ女の子だった。……あぁ、よかった、帰ってきた。目を潤ませて、ウォードの方を見る。ウォードはエレナの前に立ち、「エレナ、心配かけた。」そう、声をかける。エレナはウォードの手を取りほおに当てる。ぬくもりを確かめるように。そして、しばらくそのままで居たが、やがて手を離しセイラたちの方を向き、「で、一体何が起こったの?」と、問いかけた。リタは、自己紹介をした後、ウォードを見つけるまでのあらましを間接に説明した。翠子のことは伏せておいて。「と、言うことなんだけど。」セイラはしばし黙考した後、「……何かごまかしてない?」と、いぶかしげにリタに聞いた。そのときのセイラの動揺を見逃しては居なかったし、ウォードから変なけはいがしたのも気づかないはずがなかった。「何にも、ごまかしてなんか居ないわよ。どうしてそう思ったの?」「まず、その人形というのとウォードとの接点が見つからない。次に初対面の相手でウォードガ警戒しないはずはない。そして、ウォード魔力の残滓か何かを感じる。」「ウォードを手玉に取るような人形だったの、とんでもない奴なのよあいつは。あと、その感覚はウォードが操られていたときの名残だと思う。」「じゃあ、さっきセイラが反応したのは何?それに、ウォードや、セイラがさっきから兄も行ってこないのが気になる。リタ、本当に何か隠してない?私を謀ったらただじゃ置かないわよ?それに、その人形とやら絶対にお仕置きしてあげる。」リタは、ため息をつき。「あなたはどうしてもその人形にばつを加えたいの…?」「もちろん、ウォードをこんな目に遭わしたんだもの、それ相応の目にはあってもらわないと。」「エレナ私は……」と、ウォードが言いかけたとき。二人がぐるんとウォードの方を向き。『いいから!』「ウォードは!」「あなたは!」「静かにしてて!」「黙ってて!」二人同時に怒られた。ウォードの裏でセイラが、「うぅ、二人とも怖い……」と、完全にびびっていた。その後、1時間にわたってエレナとリタの戦いは続いた。すでにセイラとウォードは呆れている。「どうして……そこまで……そいつをかばうのよ……。」「友達だからに……決まってるでしょ……。」息を切らしながら二人はにらみ合った。しばらくにらみ合った後。二人同時にため息をつく。「はぁ、なんだかつかれた、何でこんな事で喧嘩してたんだろ。もうどうでもよくなってきた。」「ごめんね。あなたがそういきり立ってるときにほんとのこと話したら、バラバラに壊されちゃいそうな気がしたから。」「あなたの友達が?」「そう。」「わかった。今回のことはあなたに免じて無かったことにしてあげる。リタ。でも、翠子にはちゃんと反省してる?」「だいじょうぶ、翠子も反省してるから。って何でわかったの?」驚いた目をしてエレナを見るリタ。「ひみつ。」「なにそれ。教えてよ。」「秘密だって言ってるでしょ。今度二人の時にでも話してあげても良いけど。」「じゃあ、今度招待するわね。」「期待しないで待ってるわ。」何やらいつの間にか意気投合している二人。「それでエレナ、君はどうしてベッドで寝て居るんだ?」すかさずうれしそうにセイラが言おうとする。「ウォードたんそれはね……。」「セイラ!?言ったら怒るわよ!?」「良いじゃないの、減るもんじゃなし、あたしのかってでしょ。」「いろいろな意味で減るの!?良いから止めて!?」「ふふーん病人のエレナなんて怖くないもん、ウォードたんあのね?ごにょごにょ……。」と、ウォードの耳元にささやくエレナ。それを聞いたウォードは「エレナ、いくら行方不明になったからといって、雨の中探し回るのは止めてくれ、いくら死なないからと言ってけがや病気の苦しみは普通の人と変わらないのだから。」真剣に心配され、赤くなるエレナ。「ご、ごめん。気をつける。」素直に謝るエレナ。その後、セイラにさんざん冷やかされ、怒ったエレナはハリセンを振り回そうとするがウォードとリタに止められてすごく悔しそうにするのだった。
2005.01.24
コメント(0)
薄暗い部屋の中、蝋燭の明かりしかない部屋の中で二人の人影が話し合っていた。「では、第一回ウォード翠子専属ギャルソン化計画会議を始めます。」その部屋の一人、服装の所為か思わず人形と勘違いしてしまいそうな整った顔立ちの少女が、厳かに開始を告げた。「はーい♪うふふふふ、ウォードたんのギャルソン姿かぁ~、くぅぅぅ萌える!!」薄暗い雰囲気さえも、ぶちこわしそうなもう一人が勝手に萌えていた。「セイラさん、会議なのですからまじめにやってもらわなければ困りますわ。」その様子を見て、もう一人が嘆息する。「うん?それはそうだけど。どうするの?ウォードたん強いよ?」「強い強いと言いましても、どのくらい強いのですか?」「ん~、この翠子さん家のワルキューレさんじゃあ勝てないかも。」こともなげに答えるセイラ。「な、何故そこまでわかるのですか。私のワルキューレが弱いとでも?」ずずいっと詰め寄る翠子。「いやー、だってウォードたんの基本スペックいろいろ聞いて来ちゃったし。」「では、そのスペックとやらを教えてくださいな。さぁ!さぁ!さぁ!!」もうほとんどキスするくらいに顔を近づけてくる翠子。「わ、わかった、わかったから離れてよ!いい?ウォードたんはね?」ぼそぼそと興奮した面持ちで耳打ちするセイラ。別に聞き耳を立てている人物など居ないのだからそうする必要はないのだが、セイラなりになりきっていると見た方が良いだろう。「……そ、そんなに!?……一体どんな技術が!?……なるほど。」「ねっ!すごいでしょ!?すごいでしょ!?」人に話している間に自分が興奮してきたのかぴょんぴょんと跳びはねているセイラ。「……な、なかなか手強いですわね。となると正面から攫いに行っても返り討ちに合うのが関の山……セイラさん?」「ん?なに?」「彼の近くにいる人物に心当たりは?」「近くにいる人?エレナさんだねー、いつも一緒にいるよ?彼女なのかな?」それを聞いて翠子はほくそ笑んだ。「将を射んとすればまず馬を射よ……ですわね。おぉーほっほっほっほっほ!待ってなさいウォード!私が必ずあなたをギャルソンにして差し上げますから!!」翠子の声は部屋中に響き渡った。一方そのころ……ここは、ウォード達が働いている古書店。今はお昼休みの最中だ。二人は、一階の居間で仲良く休憩していた。「そう言えばエレナ。」と、唐突にウォードガ話しかけてきた。「ん?なに、ウォード。」「次の町に行く路銀はいつ頃貯まりそうだ?」「ん~、そうねぇ……。」必要な日数を指折り数える。「行くだけで良いなら次の給料日で良いかも、でも安全に行きたいなら来月の給料日まで待った方が無難ね。」行ってもすぐに仕事が見つかるわけではないのは言われなくてもわかっているので。「わかった、来月だな。」あっさりと答えるウォード。「……。」「どうしたエレナ。」「ん?何でもない。」予想に反した答えに少しとまどうエレナ。というより、急いでいたのは自分だけだったと言うことに気づいて顔を赤くする。「顔が赤いぞ?風邪か?」「だから何でもないってば。」「そうか。ならいいが。」何だか釈然としないながらもうなずくウォードだった。と、その情景を伺っている二つの影があった。言わずとしれた翠子さんとセイラちゃんである。「彼がそうなんですの?」「そうだよ!ねっねっ良い感じでしょ!」「でも、本当に彼人間じゃないんですの?どう見てもあれは……。」「ほんとだって!ロボの匂いがしたし、本人のそう言ってたんだよ?ほら!疑いようがない。」と、そのとき。セイラの背後から声がした。「匂いが当てになるのかどうかはいまいち疑問だけど。」翠子は驚いたように辺りを見回すが、誰もいない。「でもでも、私の鼻は世界一だよ?」「セイラさん?どなたに話しかけていらっしゃるの?」「え?翠子ちゃんにだけど。疑問だっていったじゃない。」「私はそんなこと言っておりませんわ。」「え?じゃあ一体誰が?……ってん?ロボの匂いがする……。」「そんなはずありませんわ、この世界には機械人形はウォードしか居ないはずでしょう。」セイラは、翠子の反論には全く耳も貸さず。「黙ってて。ウォードたんの匂いに似てるけど、ちょっと違う。兄弟とかそう言った感じ。あ、どこかに行っちゃった。」「ウォードの同型機がこの近くに居るんですの?」「うーん。そう言うのとはちょっと違うかも。なんて言うか……弟?」「……それはともかく。エレナさんのことは任せましたわよ?セイラさん。」「あー、うん。任せて。」何だか歯切れ悪く答えるセイラ。「何だか乗り気ではないようですけど、ウォードのギャルソン姿。見たくないんですの?」その一言にぴくんと反応し。「そうだよね、うん。ギャルソン姿。ギャルソン姿。うふふふ!」何だか怪しげに笑い出したセイラの姿に一瞬引きながらも。「じゃあ、私は先に行っておりますので、後はよろしく。任せましたわよ?」「任されました~♪」そういって二手に分かれる。そして、セイラは昼休みが終わり、ウォードが倉庫に戻るのを待ってエレナに話しかけた。「こんにちはエレナさん♪」昼休みが過ぎて一時間くらい下頃。おじいさんが倉庫に入ってきた。「ウォードさん。エレナさんを知りませんか?」「おじいさん、ここは寒い。いったん外に出ましょう。」ウォードはおじいさんを倉庫の外に出してから。話を聞く。「エレナに何かあったのですか?」「エレナさんの姿を30分前くらいから見ていないのです・トイレに行ったにしては長すぎますし、それにこんな手紙が。」差し出した便せんには、「ウォードさんへ」とだけ書かれている。ウォードは手紙を読んだ。「エレナさんは預かった、返して欲しくば地図に示した場所まで来なさい。一乗寺翠子。」「誘拐ですか。助けに行かなければ。」「いえ、あなたはここで待っていてください。警察にも連絡は入れずに。私一人で行きます。」「しかし…。」「大丈夫です。私を信じてください。」「わかりました。ちゃんと二人で無事に帰ってきてくださいよ?」「わかりました。」ウォードは手紙の場所に向かって歩き出した。(おそらく、セイラが関わっている。エレナは身を守ることに関してはきちんとしている。よっぽどのことがない限り攫われたりはしない。この世界に置いては、エレナと正体を知るものは少ない。だが、セイラだけでは動機に欠ける。一体誰が……)そんなことを考えながら歩いている間に、目的の場所に着いた。ここはすでに廃棄された石切場。閑散としたそこに、3人の少女と6体の人形が居た。「おーっほっほっほっほっほっほっほ……ごほごほ。ウォードよく一人で来ましたわね。褒めて差し上げますわ。」「そんなことより、エレナを返せ。」「そんなにこの女が大事ですの?」「当然だ。エレナは私にとって必要不可欠だ。」「良いでしょう。セイラ!」そう声をかけると、グルグル巻きにされて猿ぐつわをかまされたエレナを台車に乗せてセイラが運んできた。「ウォード、私のワルキューレと勝負なさい!勝っても負けてもエレナさんは自由にしてあげます。ただし!!」「ただし?」「あなたが負けた場合はあなたには私専属のギャルソンになってもらいます。」「勝負を受ければエレナは解放するんだな?」「えぇ。」「わかった。受けよう。」エレナがむぐむぐと何かを言っているがウォードは無視した。何となく言いたいことはわかっているが、聞いても仕方がないのであえて無視した。ワルキューレとウォードは、30M位離れて退治した。「このコインが落ちたら開始です。……行きます!!」翠子がコインを跳ね上げる。コインが地面に落ちた瞬間。ウォードは何かを空中に放り投げた。対して、ワルキューレ達は散開しウォードを取り囲んだ。(まぁ、当然か。相手の死角から攻撃するのは基本だ。お互いにな。)ワルキューレの一人が手に持ったレーザーライフルをウォードに向けたとき。どこからともなくレーザーが飛んできてライフルを打ち落とした。レーザーは独りでには曲がるわけもなければ反射もしない。ならば……と、あたりを警戒した瞬間に、ウォードは脚部のスラスターとタイミングを合わせたダッシュで包囲網を抜けた。慌てて、振り返った一人のワルキューレの胴体にウォードの膝蹴りが完全に入った。なすすべもなく吹き飛ばされ、沈黙する。(一体目……)引き続きレーザーを“真上”に打ち出すウォード。だがしかし、さすがにこれは見切られていたらしく、上空から飛んでくるレーザーを先読みで避けるワルキューレ達。お互いに立ち止まることなくレーザーを放ち続ける。ウォードは全周囲からのレーザーをレーダーからの情報だけで回避しつつ、ステップに紛れてナイフを放った。放ったナイフは正確に一帯のワルキューレの関節部分に命中し、右手首から先を切り落とされる。そして、目にもとまらぬ早さでナイフを投げ続け、その間に上にいた者を呼び戻した。迷わず、打ち落とそうとしたワルキューレ達だったが、これが決め手になった。飛んできたレーザーはこれはという正確さではねかえされ、ワルキューレ達の持っていた、レーザーライフルを破壊した。「ま、まさか……そんな……。」圧倒的な強さに、信じられず呆然とする翠子。「約束だ、エレナは返してもらう。」そう言って、エレナの縄などをほどいた。「ウォード!?大丈夫!?」解放されるなりぺたぺたとウォードの体を調べ始めるエレナ。「問題ない。さぁかえるぞ。おじいさんが心配している。」「うん、その前にちょっと待って。」そういってエレナはセイラの前に立った。「どうしてこんな事に手を貸したの?ウォードガ壊れちゃったらどうするのよ。」「でもでも。ウォードたんの強さからしたら、絶対に勝つってわかってたもん。」「え?わかってて、手を貸したんですの!?」あっけらかんとした答えに、エレナよりも翠子が驚いた。「絶対にウォードたんが勝ってわかってたし、傷一つ追わないこともわかってたから手を貸したの、だってウォードたんが戦う所なんてめったに見られないし。」そこに、紙袋を破裂させたような音が響く。「ばかっ!!不謹慎でしょ!!」「う……。」エレナの怒りように思うところがあったらしい。セイラはウォードに歩み寄ってぺこりと頭を下げた。「ごめんね?ウォーどたんが戦っている所って一度で良いから見てみたくって……。」「かまわん、確かに、戦闘機動もたまには行わないとさび付いてしまうだろうしちょうどよかった。」「うんうん。そうだよね!じゃあ、今日の戦いはちゃーんと録画してあるから後で送ってあげるね!!」「うむ。助かる。」そのやりとりを見ていたエレナと翠子は。「……何なんですの?あれ?私、無駄骨ですの?」「それを言うなら私は攫われ損よ?」そう言うと二人そろってため息をつくのであった。
2005.01.05
コメント(3)
全2件 (2件中 1-2件目)
1


