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2007年08月10日
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カテゴリ: 行・道楽


色濃い緑陰に包まれた旅館など、興味深い建築物が点在していますが、
郡上八幡には、それほど名所があるわけではありません。
観光とは無縁の生活が息づいた、
幼い頃の、肌に懐かしい風景を思い出す、そんな所です。



こちらの染め屋さんでは、藍を発酵させる甕を、土間に埋め込んでありました。
紺屋さん.jpg
機械染めとは無縁の、手業が伺えます。
用水路で、お道具でも洗ったのでしょうか、
たわしが、ころん、と転がっています。



看板の「元祖踊下駄」の文字が、盆踊りで賑わうお土地柄。
履き物屋さん.jpg
「郡上踊」の手ぬぐいも売っておられましたが、
土産物というだけでなく、参加者には、必需品なのかもしれません。
商いには関係なく、色んな所で売られていました。



酒屋さんの前の道を右に行くと、昔の街並みが残っている「職人町」。
酒屋さん.jpg
木の看板は歴史を物語るので、今ではあちこちで大事にされていますね。
踊り強化月間(笑)に入ったのでしょう。
スクランブル交差点(車1台しか通れない)の上では、
大きな「郡上踊」の提灯を掲げる作業中でした。



町の中心にかかる18mもの高さを持つ新橋からは、
吉田川の大瀬(だいせい)と呼ばれる早瀬目がけて、
飛び込むのが夏の風物詩だそうです。
新橋飛び込み  未経験者が挑戦すると死にます。決して真似しないように!.jpg
郡上八幡の男の子達は、小さい頃から川原の飛び込み台で度胸を付け
次はこの岩、そのまた次はあの岩と、高い所へと挑戦していき、
極め付け、橋からの大飛び込みとなるのが、通過儀礼なのだそうです。
初心者用の跳び込み台から眺めても、
岩走る水面までは距離があり、私なぞは足が竦みます。



細い道でつながれて、軒が連なる郡上八幡は、デジャヴの迷路です。
しんとした昼下がり、水音を突いて聞こえたのは、風鈴でしょうか。
母の言いつけで被っていたはずの、麦わら帽子を背中にぶら下げ
捕虫網で鯉を突いたり、葉っぱの舟を浮かべたり、
じゃぶじゃぶと水を撥ねかし、遊んでる女の子は幼い頃の私。



梅雨の厚い雲が切れ、夏の日射しに一層、水しぶきが燦めきを増す頃、
ここの軒下、あそこの路地、あぶり出されたそちこちの濃い影から、
坊主頭にランニング、短パン姿の男の子達が、
わらわらと、起き上がってきました。
じりじり肌を焼く、夏休みの太陽の下、下駄やゴムぞうりを鳴らして
少年達は吉田川へと、我先に馳せ参じます。
新橋 二人連れがいるところが、初心者用の飛び込み台.jpg
事故がないよう目を光らせる子、銀鱗を燦めかせるかのように水に潜る子、
飛び込めなくて泣き出してしまう子も、きっといたに違いありません。
橋の上には、静かに見守る女の子も、声援を送る女の子もいたでしょう。
昭和の少年少女達の小さな失望、希望や憧れ。
世界がまだ、途轍もなく広く遠かったあの頃。
逆巻く水を見ている内に、すぐそこ、私が立っている川原から、
沸き立つ子供達の歓声が、確かに聞こえてくるようでした。












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Last updated  2007年08月10日 12時54分02秒
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