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2017年03月22日
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テーマ: 本日の1冊(3717)

「トキワ荘の青春 ぼくの漫画修行時代」石ノ森章太郎 講談社文庫

この本の最初の単行本は1981年、トキワ荘が取り壊される時に書かれたらしい。だから、石ノ森の書き方もまだまだマンガは輝き続けるという感じで書かれている。私は90年代の中頃に、一度トキワ荘があったところに行ったことがある。もちろん外観は全然違う。私は、うら寂しいような私鉄の駅から歩いてそこにたどり着いた。その時に、石ノ森たちの「青春」をほんの少し感じ取れた気がした。



「転」の巻の、突然の長期外国旅行と最愛の姉の死をぐちゃぐちゃに書いた章は、おそらく石ノ森が一度は書いておきたかった「告白」なのだろう。私も初めて知った。石ノ森にとって姉の死は、やはり青春の転機だったのだろう。ただし終わりではない。なぜならば、「エピローグ」に書いているが、「マンガとは青春時代そのもの」だからだ。マンガは常に未完成。一つ生まれれば、直ぐにそれを破って新しいモノが生まれる。今はデジタルで描くのが当たり前になっている。やがてはアニメとマンガは融合して、どちらで呼ぶかわからなくなるだろう、となど、石ノ森が生きていた頃には想像できなかった世界が広がりつつある。

この本も「マンガ道」もマンガ読者には基本文献である。この本の中で、「幸いにも映画化の計画は頓挫した」と書いているが、この文庫化の数年後に正に「トキワ荘の青春」という題名で、石ノ森を主人公にではなく寺田ヒロオを主人公に見事な作品が出来上がった。私は、それもマンガ読者は基本文献として観ておくべきだと思う。

マンガは常に変わる、だからこそ、その始まりの世界を、マンガの読者は知っておくべきだとも思うのである。

2017年3月10日読了





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最終更新日  2017年03月22日 18時20分07秒
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