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2018年09月22日
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カテゴリ: 旅の記録


ピースエッグ ​の合間に、せっかく来たので日本遺産であり国宝の閑谷学校を30分ほどで急いで観た。写真に撮れなかったところは、閑谷学校顕彰保存会が発行している「閑谷学校資料館図録」を元に説明する(この図録、博物館フェチとしては、私の専門外(江戸期)ですがとても力の入ったいい図録です。1540円)。



江戸時代初期の三大藩主に数えられる池田光政は、庶民の子供にも読み書き、算用及び孝悌の道を学ばさせるために、岡山城下及び領下に123もの手習い所を設置していたが、藩財政窮乏のために次第に統合され、光政の遺言で閑谷学校に統合される。家老津田永忠(ながただ)は18世紀初めに、閑谷学校を完成させる。それにより「日本最古の庶民のための公立学校」になる。写真は校門から見た楷の木及び聖廟。



学校全体を取り囲む765mにも及ぶ石塀は、創建当時のまま。





国宝である講堂遠景。



創建当時は茅葺きだったが、津田永忠が堅牢な「備前焼き瓦」に葺き替えた。





閑谷学校の見所は、何と言ってもこの講堂の「中」である。私は、おそらく中学校の時に、学校行事でここに来た。この講堂の板敷きに正座して座り、論語の講義を受けた(はずだ)。途中から痺れが切れて何を聴いたのか、まるで覚えていない。でもそのあと、数百人の生徒が一斉にこの板を乾拭きしたのは覚えている。300年前から、ずっと鏡のように見えるこの講堂に少しだけ貢献出来たようで、嬉しかった。もう40年以上前の話である。



まるきり変わらず、時が止まったように、今も鏡のような講堂がとても嬉しい。聞けば、今も月数回、研修生迎えて論語の講義があって、そのあと乾拭きしているらしい。



飲室。教師と生徒が湯茶を喫した休憩室。炉の火の始末は、とても厳しいものだった。



習芸斎。毎月3と8の日に五経と小学の講釈が行われていた。





池田光政は、教育を重視した。それは正しく、儒教に基づく仁政を理想としたのであって、現代福祉教育思想とは中身を異にしてはいる。この書は光政1678年元旦の試筆。




しかし、その理想主義が庶民教育を実現した。明治時代、福田英子等の英傑が城下から出たのは偶然ではない。また、この閑谷学校の経営を安定させるために、光政、津田永忠は近隣田畑を無税にして、その利を学校経営に当てた。



津田永忠は、建設と経営安定時期には、離れに家を建てて住み着いていたらしい。その跡が残っている。



資料館は、明治38年に建てられた閑谷中学校を使っている。この建物がそのまま重要文化財だ。



きちんと見るには、2時間ぐらい必要な、いい施設だったと思う。





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最終更新日  2018年09月22日 07時59分37秒
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