再出発日記

再出発日記

PR

フリーページ

お気に入りブログ

「おすわり」2 New! ポンボさん

源氏物語〔12帖 須磨… New! USM1さん

角野隼斗 ピアノリサ… New! はんらさん

『イギリス断片図鑑… New! Mドングリさん

10/22-1:山形県:山… New! 天地 はるなさん

カレンダー

2018年12月20日
XML
テーマ: 韓国!(17312)
カテゴリ: 韓国旅行2012
11月28日(水曜)晴れ 4日目



朝8時に宿を出て、ソウル駅に向かう。そこで指紋認証のロッカーに荷物を預けて、トイレに行くと、ソウル駅のトイレは紙を便器に直接流せるようになっていた。ここは国際化したのだろうか?




案内所で、「ビッグイシューを買いたいけど、ネット情報の『서울(ソウル )수요 鉄道駅』の수요(ジュヨ)駅がわからない」と聞くと、地下鉄の行き方を教えてくれる。しばらくしてやっと意味があわかったのだが、これはソウル駅のジュヨという場所のことだったのだ。教えてくれた出口の2番ゲートに行ってみる。ホームレスがうようよしていた。まだ早いのでビッグイシュー販売者はいない。






ここは旧ソウル駅の前である。


1925年建築。東京駅を真似て作られている。今は使われていない。建物と土地が勿体ないなぁと思う。




地下鉄で目的地の南営に行く手もあるのだけど、ひと駅なので歩いて行くことにする。線路沿に歩けば迷わないだろう、と思いきや、突然他の地下鉄の入り口が出て来たので、路線の道を間違ったかと思い、見当方向に歩いている途中に思い返して戻った。そうか、途中まで地下鉄は同じ方向に向かい走っているのか。



朝食は屋台のサンドイッチ。


なんやかんやで南営駅を過ぎて直ぐにあるはずの朴鐘哲(박종철)記念館を捜す。それらしき警察の建物があるのだが、門の前の表示に박종철の文字がないのである。何回か、周りを行ったり来たりしていると、門番に咎められた。
「金鐘哲記念館は‥」
「朴鐘哲だろ。日本人か。この交通証を下げて、名前と日付を書いて。部屋は一階と四階五階だ」
と有無を言わせず入れてくれた。
あの…ちゃんと朴鐘哲記念館と表示して置いて欲しいんですけど。



これが、1987年1月14日逮捕されて拘束中のソウル大学生の朴鐘哲が拷問されて死亡した、当時の南営洞対共分室のあった建物である。五階は窓が極端に小さい。五階全てが取り調べ室だからだ。逮捕された人間の心理を圧迫するための設計らしい。今は目新しい看板は着いているが、それ以外の外観は30年前と全く変わらない。



現在この建物は、경찰청 인권 센터 (警察庁人権センター)になっている。一階は歴史とエントランス。其処に、入場者の感想を書くコーナーがあった。





日本人もつい最近来て感想を書いている。もう少し綺麗な字で書いて欲しいな。



本来の階段以外にも、このように秘密の階段がある。これは五階に直結している。


これは上から見たところ。裏の小さなドアから入り、螺旋階段を登り調査室に入れられて拷問される。これも心理を圧迫させる設計らしい。対共分室らしい構造。



ここは4階の歴史や教育関係の展示。


マグナ・カルタは、1215年6月15日に制定された。かつて、マグナ・カルタより前の各国の法律や憲法では、「国王は法に縛られない別格の上の存在」として扱われてきた。そんな、神の次に偉いような立場の国王に、初めて法的制限が設けられたのがマグナ・カルタである。「王といえども、法の下にあって、法を守る義務があり、権利を制限される」といった感じの内容が、明確に文書化されている(デジタルことば辞典より)。
うーむ、人権の始まりを「警察という権力の代表みたいな所の力を制限すること」から始めている。きわめて真面(まとも)だと思う。







そのあと、隣の記念館に入る。写真や新聞で時系列を追っていた。アカだと言われて逮捕された朴青年の死因は、映画にあるように、検察・記者・医者の連携で明らかになる。「水拷問途中 窒息死」と派手な見出しが踊る。これで調査警官2名が拘束された。しかし、本当に拷問したかはまだ明らかになっていない。頂上逮捕の決め手にはならない。映画では更に看守や市民運動家との緊迫した「連携」が描き出される。






また、それとは別に学生たちや市民は街頭に出て運動をして行った。この後で行く延世大学生の李韓烈もその1人だった。朴鐘哲拷問死が明らかになった後は、唯一世間に発表された朴くんの顔写真が、運動のアイコン(象徴)になった。大きなデモが何度も起きる。ソウルの明洞聖堂は「抵抗運動」の聖地にもなっていった。




「弾を撃たないでね」と警官にカーネーションを渡す市民の写真があった(時は李韓烈が催涙弾で撃たれた数日後)。かつて加藤周一は1968年のプラハの春を評して、「圧倒的な戦車の前に立ちはだかったのは、市民の圧倒的な言葉だった」という意味のことを言った。また、それは成功するあらゆる「革命」で表出する現象だろう。この写真を、権力の代表である警察庁が掲示していることの意味は大きい。



そして「1987・6月民主抗争」は、ときの盧泰愚大統領から、軍人の独裁政権から平和裡に、「直接大統領選挙」「金大中などの政治犯の即時釈放」などの成果を勝ち取った。




朴青年の愛用していたギターや家族写真、眼鏡や腕時計の展示があった。


その上の階を上がると、緑色のドアが続く取調べ室が続く。


その中の902号室だけは、朴鐘哲の亡くなった部屋ということで、少し加工されている。昔はこんなふかふかのベッドはなかったろうに。しかし、水責めをされた浴槽は、そのままらしい。



階下の資料室にも、後に浴槽を調べている写真が展示されていた。



確かにそのままだ。





他の部屋は、だいたいこんな感じ。
朴鍾哲記念展示室(警察庁人権保護センター)(박종철 기념 전시실(경찰청 인권보호센터):ソウル特別市 龍山区 漢江大路71ギル 37 (葛月洞 98-8))




記念館を出て右手方向に続く警察署の取調べ人が逃げるのを防ぐための鉄条網を張った壁は、映画「1987」の検察官と対共分室長が対決する場面で使われたらしい。出て直ぐの所か、



それともしばらく行って左に曲がったところなのか判断つかなかった。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2018年12月20日 11時34分16秒
コメントを書く
[韓国旅行2012] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

ヒフミヨは天岩戸の祝詞かな@ 自然数の本性1・2・3・4次元で計算できる) ≪…三角野郎…≫は、自然数を創る・・・  …
永田誠@ Re:アーカイブス加藤周一の映像 1(02/13) いまはデイリーモーションに移りました。 …
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
生まれる前@ Re:バージンブルース(11/04) いい風景です。 万引きで逃げ回るなんて…
aki@ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) 日本有事と急がれる改憲、大変恐縮とは存…
北村隆志@ Re:書評 加藤周一の「雑種文化」(01/18) 初めまして。加藤周一HPのリンクからお邪…
ななし@ Re:「消されたマンガ」表現の自由とは(04/30) 2012年に発表された『未病』は?
ポンボ @ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) お元気ですか? 心配致しております。 お…
むちゃばあ@ Re:そのとき 小森香子詩選集(08/11) はじめまして むちゃばあと申します 昨日…

バックナンバー

・2024年11月
・2024年10月
・2024年09月
・2024年08月
・2024年07月
・2024年06月
・2024年05月
・2024年04月

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: