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2020年07月18日
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カテゴリ: 邦画(12~)
今月の映画評です。 「天気の子」

 異常気象が続いています。パンデミックのコロナ禍も続いています。平成に育った若者は、生まれた時からずっと、バブル崩壊、大震災、就職超氷河期、原発問題等々と不安の中で過ごしてきました。私のような還暦にもなろうする世代には違う世界が見えているのかもしれません。

 今回は、昨年の最大ヒット映画を紹介します。新海誠監督の前回アニメ「君の名は。」(250億円突破)は、私は若者受けする伏線回収方式を「あざとい」と思ってあまり評価しませんでした。監督は今回、その成功体験はバッサリやめて、ストレートに自分の世界観を出したようです。

 私のアニメ・マイベストは現在も、宮崎駿監督の「もののけ姫」です。「このままでは世界は滅亡する」という宮崎監督の独特の文明観を、当時の技術をぶち込んで、奇跡的にもストーリー的にきちんと着地させた傑作でした。

 新海監督の方は、既に文明は危機に溢れていて、その中でどう生きるのか、ということの方に関心があるのだな、と感じました。しかもその背後に、万葉集や柳田民俗学の教養が見え隠れします。その眼差しは、遠く過去から、そして宇宙にまで広がっていています。なんか、このままスクスク育っていって欲しいなと感じるアニメ作家です。そういうわけで、新海誠と言えば、絵の美しさや音楽の使い方に評価が集中しているようですが、その面があるから説得力があるのですが、私は別の見方をしました。

 さて、物語は今年のように大雨が続く東京で、100%晴れ女の異名を持つ陽菜が、家出少年帆高と共にいっときだけ晴れ間を見せるアルバイトを始めます。やがて天気の巫女たる陽菜が、異常気象を止めるには「ひと柱」にならなければならないことが判明します。ひとりの命か、大災害か。若い2人の選択は如何に?という話でした。

 新海監督は当然2年前の真備の大水害のことを知っていますから、「批判は当然」と思って公開に踏み切ったようです。画面には、東京都心の半分が水没しているような場面も出てきます。ある老女は言います。「東京のあの辺は元々は海だったんだよ。ほんの2百年前まではさ」。そう言えば、と私も思いました。古代吉備地域は元々は海か干潟でした。弥生時代から大雨が降って、それを克服して大きな都を作ったのです。この物語には、「もののけ姫」とはまた違う若者の未来があるのではないか、とも思ったのです。(2019年新海誠監督作品、レンタル可能)





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最終更新日  2020年07月18日 11時53分47秒 コメントを書く
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