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忘れられない顔がある。歳は60代半ば、角刈りの白髪頭、水色のシャツにノーネクタイ、薄いカーキー色のジャケット。80年代の円高不況の頃、だったと思う。お得意先の社長である、その人がひょっこりと事務所にやって来た。後ろには細君を伴って。会社社長といっても、小さな町工場のようなところである。私は当時勤めていた会社で、そこのカタログなどを作っていた。「社長、どうされました?今日はまた何か?」「いや、実はな・・・、今から夜逃げしますねん。」「えっ?」文字通り、私は言葉を失った。うちの会社には、その時点で20万円ほどの支払い残があり、言わば債権者である。夜逃げの挨拶に来るか、普通?そもそも挨拶してたら、夜逃げではないだろうに。。。「leleさんには、ご迷惑をおかけします、すんまへん。これからどこぞで、再起をかけてまた頑張りますわ」そのサバサバした表情。細い穏やかな目と一文字に結んだ口。歳月とともに私にとって忘れられない顔となった。今、この不況の最中にあって、業績を上げている会社社長を何人か知っている。けれど、その脂ぎった顔を私は好きになれない。人は負けた時にこそ真価が問われる。その社長とはそれが最後になった。あれから、どこでどんな暮らしをしたのだろう?年齢を考えれば、恐らくもうご存命ではないはず。O社長、あの日私を訪ねてきたのは何故ですか?他にも取引先を回られたのですか?だとしたら何のために?
April 29, 2009
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実はmixiもやっていて、ブログと同じ文面をそっちにも公開している。4月21日の日記に大塚まさじさんのことを書いた。数日後、mixiの“足跡”に初めて見る名前があった。なんとなく嫌~な予感がして、そこをクリックすると、「本名:大塚まさじ」って・・・うそっ、うそでしょ?やめて、やめて~~ぇ~~。まさか大塚さんがmixiやってて、しかもあの日記を読むなんて~~~。人間やってて、恥ずかしいことはいっぱいやってきた。というか、振り返れば恥ずかしいことばかりだ。でも、今回だけは恥ずかしすぎる~。「穴があったら入りたい」というけれど、“あったら”なんて悠長なことは言ってられない。「穴を掘ってでも入りたい」ぐらいだ!そりゃ、悪いことは書いてない、けれどほめすぎでしょ、本人を前にしては言えないほどに。なまじっか、面識があるだけ余計に恥ずかしい。しかも、文面から私であることは分かったはずだ。こうなったら、開き直るしかない。メッセージを送ったさ、大塚さんに。「ご無沙汰しております、leleでございます。この度はまことに・・・いやまったく、お恥ずかしい限りで・・・云々・・・」ってね。ウクレレ奏者とか、ウクレレ本の著者とかに読まれてしまうことはあったけど、面識ある人だと、こんなに恥ずかしいなんて・・・友さんとか、イサトさんとかまだまだ、書きたい人がいっぱいいるんだけど、もうやだっ。こんなの絶対やだっ。書くときは伏字にしよう・・・で、一日置いて、大塚さんから返事がきた。「こちらこそ、ご無沙汰です・・・県北の里山の村に引っ越したので、いつでも、遊びにきてください・・・」いいなぁ、里山の村かぁ、行ってみたいなぁ。大塚さんと一緒にいると、周りの景色まで違って見えるんだよ。不思議な人。
April 28, 2009
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「柔道部物語」(小林まこと)。高校に入ってから柔道を始めた、三五 十五(さんご じゅうご)が名前の通り、掛け算で上達し、高校柔道の頂点へ・・・というコミック。息子の愛読書でもある。さて、この春から高校生になったジュニア、入学間もないある日、ブーとふてくされて帰ってきた。理由を聞くと、「柔道部には女の部員が2人しかいない、男は0。これでは入部する気になれない」。ということだった。ぶつぶつ文句を繰り返すので、思いっきり叱ってやった。「何に怒ってるんだ、先輩の女部員に責任はないだろう?責めるべきは、そんなことで愚痴っている自分の弱さではないか?本当に柔道をやりたいんだったら、どんな環境でもやる。それが嫌だったら、他にやりたいことを見つける。2つに1つだ、文句を言ってる暇があったら、答えを探しなさい!」かなり強い口調だったので、どうかなとも思ったが、彼なりにふっきれたみたいで、しばらく、他の運動部を見学した後、柔道部に決めた、と。顧問の先生がかなり強いのと、3年生の女先輩もそこそこ強いのが分かって、やる気が出たみたいだ。部の練習だけでは足りないということで、出稽古にも出かけている。進学校なので宿題も多くて大変そうだが、最近、いい顔をしている。自分で覚悟して答えを出すことがいい経験になったんだなぁ、きっと。頑張れ!ジュニア。彼の「柔道部物語」は始まったばかりだ。父は、というと・・・グゥたれて、今日もウクレレを弾いているんだな、これが。
April 27, 2009
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阪神競馬場は先週で開催が終わって、今週から1ヵ月間はウインズ、つまり場外馬券売場となる。んな訳で、今日も交通誘導警備のお仕事。今日は朝から雨、嫌な天気やけど私は雨、大好き。自転車・バイクでのお客さんが少なくって、すご~くラクだから。た~ま~に~は~、ラクしたい。いやホントに。でも、あまり激しい雨だと、メガネが濡れて前が見えない。ワイパー付きメガネなんてないかな?
April 25, 2009
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クライアントさんのホームページに行ったら、去年制作した映像がアップされてた。藤井工業「動画で現場を見てみよう」をクリック。マンションの大規模修理工事の記録ビデオです。Flashムービーの普及とともに、webに映像というケース、増えてきましたね。でも、webに特化した映像だと、制作予算がびっくりするぐらい安い。厳しい時代になったなぁ。
April 23, 2009
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また写真が出てきた。今度は小学校低学年の頃のもの。もう、なんでこんなのが1枚だけポロッと出てきたりするんだろう、いかに整理整頓の苦手な人間であることか・・・小学校の校庭で人文字を作り、それを空撮する、というイベントがあって、その時に街全体を写したこの写真も買ったんだと記憶している。それにしても、古臭~い写真だこと。このどこかに、鼻水を垂らした小学生の私がいるはず・・・左上の白っぽいところは瀬戸内海。中央のマッチ箱のような構造物群は塩田。秋になると海が夕陽に照らされて“赤”く染まる。塩田のそびえ立つ“黒”いシルエットと合わせて、私の「原風景」である。この「赤と黒」を求めて、中学3年生の秋になった時、私は絵を描き始めた。
April 22, 2009
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90年代の初めの頃、うちの連れ合いは、フォーク系の人たちと頻繁に共演していた。私も一緒に出かけて行って、リハ~本番~打ち上げまで、楽しませてもらった。(暇だったんだな、この頃)特にお世話になったのは、以下の方々。(50音順、敬称略)有山じゅんじ、大塚まさじ、金森幸介、シバ、高田渡、友部正人、豊田勇造、中川イサト中でも、大塚まさじさんは、共演することがなくなっても、しばらくはCDをリリースする度、律儀に送ってきてくれていた。そうそう、少し前、朝の連続ドラマに牧師役で出演してましたね。先日あるコンサートで、大塚さんと久しぶりに共演して、CDを2枚もいただいた。「昼の月・夜の魚」は2002年に発売された、30周年記念の2枚組ベスト。「OSAKA LIVE」は2006年発売のライブ録音。普段のライブそのままの、しっとりとしたアルバム。日本中を旅しながら歌い続ける大塚さん。歌い方や曲へのアプローチも、以前とは少し変わっていて、なんとも味わい深い歌になっている。“円熟”と言ったら、「まだまだ、やで」と返されるかもしれないけれど、歳月を重ね、歌い続けることで歌は“生命”を宿すものなのだろうか。どんな旅をすれば、そこにたどり着けるのだろう?苦しい、辛い、悲しい、嬉しい、楽しい、そして怒りをこらえることもあったろう・・・ライブ盤を聴きながら、泣いちゃいましたね。カッコいいです、大塚さん。“春のはじまり”はジンと響いてくる“天王寺思い出通り”は今まで聴いた中でベストテイクだ。巷にあふれる歌とはまったく違う<歌>。例えば、いつも車で通り過ぎる道でも、ゆっくり歩くと別の発見がある。耳や目に入ってくるものがどれだけ豊かであるかを教えてくれる。風の音、草のにおい、虫や鳥の声・・・ギターと声だけのシンプルな音に、たくさんの思いが詰まっている。。。車を走らせ、人生を急ぎたい人には聴きとることができないほど、ひっそりと。「おき忘れた夢に 光がさしてたどり着きたい 大地が見えてきた人は生きて 悲しみを知り人は生きて 喜びも知る」(“一輪の花”より)
April 21, 2009
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●神競○場の2ヵ月続いた開催が終わり、恒例の打ち上げ会。約100名のうち、60名ほどが参加した。阪○●馬場では外部の警備会社、3社と契約を結んでいて、私はそのうちのある会社に所属している。この会社、人的警備の質の高さに関しては、関西ではNo.1(だと思う)、おそらく全国でもトップレベルだろう。警備員という仕事、本気でやってみると実は奥が深い。それが分かってきたら、少々しんどくても続けられる。私は班長の腕章を着けてはいるが、経験年数では、まだ中堅。ベテランの猛者たちのレベルはかなり凄い。視野の広さ、緊急時の対応など、いつも助けてもらっている。でも、普段はただのおっさん。休憩時にはスポーツ新聞のH欄を広げて、下ネタ全開の会話で盛り上がったりする・・・でもひとたび現場に立てば、十一面観音みたいに、同時に四方を見、千手観音みたいに、いろんな手が出てくる・・・そんなおっさんたちを私は大好きだ。素晴らしき仲間たちに。。。乾杯!
April 19, 2009
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今日はフランス語のナレ録り。長尺の作品ということもあって、朝10時から始めて終わったのは17時。この作品は、フランス語圏アフリカの医療従事者に向けた教育ビデオ。設備の整っていない環境でも、簡単な器具だけで、さまざまな菌を短時間で特定できる検査方法を説明したもの。この方法が広く普及すれば、感染症などの早期治療に役立つという。関係者の方によると、このビデオの実現は長い間の夢だったと。そして、このビデオを収録したCDはかなりの枚数が配布されるとも。監修に当たった方々から、こんなの初めて、というぐらい感謝された。現地の医療事情など、いろいろ聞かせていただき勉強にもなった上に、役に立てて嬉しい。さて、この仕事が終わると、編集中の仕事があと1本あるだけ。これも終わると・・・・・仕事がない!去年の今頃は5~6本の仕事を抱え、“大阪で一番忙しいディレクター”とまで言われてたのに・・・えらいことです。ギブ・ミー、お仕事!いや、マジでお願いします。タカハシウクレレ、キャンセルするはめになってしまう~。
April 16, 2009
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「何でこんなことをしたんだ?」「そ、それが、出来心でついフラフラと・・・」「ふん、男の性ってやつか・・・ま、分からんでもないな、写真で見ても、なかなか綺麗だし、器量もよさそうだ。それで色香に溺れたってとこか」「はぁ、お恥ずかしい限りです」「それにしても、自分の歳を考えろよ・・・まったくどうしょうもない、おっさんだな。前科も・・・あるじゃないか」「はぁ、でもその時は缶コーヒーで、色違いもなかったので、深入りしなかったんです」「そもそも、どうして手を出したんだ?こんな物に・・・」「あ、あの・・・i-podとかi-phoneにぴったりサイズだと聞いて」「しかしお前さん、i-podもi-phoneも持ってないじゃないか?」「他のメーカーの携帯プレーヤーとか、ウクレレ用のチューナーを入れようと思って・・・」「他には?他に入れたいものは?」「あ、ありません」「それなら、2つだけでよかったんじゃないのか?それをこんなに手を出しおって・・・まったく、サントリーの思う壺だな」・・・というわけで、「伊右衛門」のおまけに付いてる、巾着。全8色、揃えちゃいました。色もいいし、作りもしっかりしてるし・・・お茶が“おまけ”に見えてくる~。でも8つも集めて、何に使うんだ?自分。サントリーの公式ブログはこちら↓http://topics.blog.suntory.co.jp/001813.html
April 13, 2009
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さて、桜花賞。7万2千人、よく入りましたね~。にも関わらず、事故・クレームなく無事終了。でも、日焼け止めを持ってくのを忘れてしまったおかげで真っ黒だ。今日は早く寝ようと思ってたけど、疲れるとかえって眠れないもんで、心地よい疲労感をお供に、夜更かししちゃおうっと。先週のこと、ウクレレ関係の機材などが増えてきたので、収納スペースを確保するために、片づけをしてたら、何枚かの写真がでてきた。あらま、懐かし~。アップの写真はパスだけどこのくらいのサイズだったらいいかな?というわけで、ブログ初公開!正面からの私の写真。21才の秋。ジージャンが時代を感じさせますね~。初めての個展が終わったばかりのちょっとした休息の一こま。この時の作品がある評論家の目にとまり、関西アートシーンのニューウェーブとして一躍注目を浴びるも数年後には、すっかり落ち目になってしまうという、波乱万丈が待ち受けてるのだが、そんなことを知る由もなく、呑気に笑っとりますな~、という1枚。「最近の写真も見たいですぅ。」という書き込みが充分に予測されるので、その前に言っときます、「近影」は絶対に公開しません!それだけは、かんべんしてください。m(_ _)m理由も聞かないでください。m(_ _)m
April 12, 2009
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「土日は肉体労働」と今までさんざん日記に書いてきた。何をやっているのか隠す必要もないのだが、なんとなく秘密?のままになっていた。秘密のままの方が面白いのか、明かしてしまって、ネタを広げた方が面白いのか、それだけのことなんだけどネ。と言っても、ヒントになりそうなこともたくさん書いたので、気づいている方もいらっしゃるのでは?そう、J●A阪○競馬場で警備員という仕事をやっておるのです。場内警備もやってたけど、今はもっぱら周辺道路で交通誘導。これが実に楽しい。もちろんきついんだけど、基本的に現場大好き人間なんだろう。メインレースが終わると、精鋭メンバーを引き連れてC地区のもっとも難所とされる交差点に立つ。自転車、バイク、車両の誘導をするわけだが、この時の緊張感と終わった時の充実感がとても気持ちいい。4月から組織が変わって、立て直し中なので、交通誘導警備業務の資格を持っている班長で、現場に出れるのが、私しかいない。やむなく今開催、私は「難所」専門。ということで、とっても疲れがたまっておるわけです。週末は「桜花賞」。たくさんの入場者が予想される。そこで競馬ファンの皆様にお願い!公共の交通機関でご来場くださいませ。警備員若干一名、とても疲れておりまする。なんて言いながら、この日記、映像の編集室のパソコンを使って書いている。編集はオペレーター氏にまかせて。体力温存!
April 10, 2009
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先週、私と同じようなスタンスで仕事をしていた、フリーのディレクターが廃業、転職した。リーマンショック以来、ジワジワと押し寄せてくる。。。仕事が減った!!!去年の今頃とはえらい違いだ。私も何時まで続けられるか、見通しはかなり厳しい。仕事を選んでなんかいられない、できることは何でもやらなくては。。。というわけで、今やってるのは、展示会ブースの企画。写真、左は20数年来のお付き合い、デザイナーの I さん。右はベース用のシールドをくれた、N 君。手前は「私的お嫁さんにしたい度」急上昇中!の U さん。明日はwebサイトの打ち合わせの予定。もう何屋さんか、わけわからんようになってるし。。。
April 8, 2009
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我輩は猫である。名前は「ミィ」という。人間の年齢では80歳になるらしいが、そうゆうことはよく分からん。主人はこのところ、ウクレレなるものにうつつを抜かして、ちっとも構ってくれない。なので最近はジュニアと仲良くしておる。そのジュニアだが、明日は高校の入学式のるものがあるらしい。私学を蹴って、最寄の公立に通うとか、高校に入っても柔道を続けるとかで、主人は喜んでおる。(この柔道というスポーツは柔道着さえあればできるので、金がかからないという。それが理由で喜んでいるとは、なんともけち臭い主人である。)高校とか入学式とか、そんなことは我輩にはどうでもよろしい。春休みなるものが終わってしまって、昼間、ジュニアが家にいなくなるのが残念だ。せっかく、仲良くなったのに。。。そんな我輩の気持ちも知らんと、また「ハリーポッター」を読んどる。新しい本、買うてやれよ、主人!
April 7, 2009
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映画「レッドクリフ II」の世界共通主題歌とたまたま同じタイトルの。「久遠の河」MySoundでレッドクリフの主題歌と勘違いして、ダウンロード&再生した方々のヒンシュクを(たぶん)買いながら、とうとう、ジャンル別25位になりました。他の曲が852位とか、低迷している中、これは快挙というか怪挙でありましょう。もう、トップ10を目指すしかありません。さあ皆さん、是非アクセスを!「久遠の河」のページでも、曲が評価された訳でなく、ただの勘違いと分かってるから、何だかとっても空しいなぁ。MySoundの上位ランキングの曲って、すごくレベルが高いんだよな。。。
April 6, 2009
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「黒澤明 映画の世界DVD-BOX(20枚組/全17作品」なるものをヤフオクで買った。きちんとしたDVDなら1枚分!の価格。安いのには訳があって、香港、マカオ、中国大陸向という中国製品。中国語、英語の字幕スーパーが選択できる。もちろん、字幕なしの設定も可能なので、視聴する分には何の支障もない。1: 羅生門( 1950年作品 )2: 七人の侍( 1954 )(上、下巻)3:赤ひげ( 1965年作品 )4:蜘蛛巣城( 1957年作品 )5:悪い奴ほどよく眠る( 1960 )(上、下巻)6:生きる( 1952年作品 )7:野良犬( 1949年作品 )8:醉いどれ天使( 1948年作品 )9:醜聞( 1950年作品 )10:白痴( 1951年作品 )11:姿三四郎( 1943年作品 )12:續姿三四郎( 1945年作品 )13:虎の尾を踏む男達( 1945年作品 )14:隠し砦の三悪人( 1958年作品 )15:わが青春に悔なし( 1946年作品 )16:素晴らしき日曜日( 1948年作品 )17: 静かなる決闘( 1949年作品 )という、収録内容。手軽に「世界のクロサワ」を堪能できることとなった。だが、こんなにたくさんの作品、いつ観るんだ?、自分。
April 4, 2009
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映画やテレビはあまり見ない方だった。美術畑の私にとって、銀幕やブラウン管に映るものは、絵画や彫刻と違って実体のない、虚構でしかなかった。ひょんなことから、今の仕事をすることになり勉強のために映画やドラマを見るようになった。何しろ、ADの経験なくいきなりDをやらされたんだから、本当にあわてた。さて、『洲崎パラダイス・赤信号』(日活 白黒 81分)という映画。奇才、川島雄三監督が昭和31年に撮った作品である。東京・州崎遊郭へと繋がる橋のたもとにある飲み屋を舞台に、そこに出入りする人々の姿を決して飾ることなく、しかし温かい眼差しで描いたドラマ。オープニングとラストシーンが同じ場所。このこと自体、大したことではない。面白いのは、それぞれの天気の違い。天気が違えば、光も違う。この映画、実に光がきれいだ。(照明部さんグッジョブ!)モノクロで、フィルムだからなおさら、奥行きを感じる。今では再現不可能な究極の美しさである。無駄のない演出、精緻なカット割りも見ものである。世界に誇れる監督の一人であり、もっと評価されてもいいと思うのだが。いいかげん、露悪的、無責任、自虐的などと評される川島監督であるが、彼の本当は別のところにあるような気がしてならない。ダンディな風貌の中に隠し持っていたもの、それこそをカッコいいと、私は思う。「サヨナラだけが人生だ」「生きて行くと云う事は悲しいことです。恥しいことです」彼の遺した言葉は一つひとつが染みてくる。筋萎縮性側索硬化症という病に冒され、昭和38年に急逝した。享年45才。
April 1, 2009
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