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2026.04.19
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カテゴリ: 地球科学
 今、世界の耳目を集めるホルムズ海峡( 地図 )は、南北2方向から2つの大陸プレートが衝突している。



◎壮大な景観が造られた北方のザグロス山脈
 ホルムズ海峡の付近を眺めたり、どちらかの海岸近くを歩いたりすれば、大陸の衝突の痕跡をありありと見ることができる。
 北側では、地殻がプレートの力で圧縮され、せり上がったせいで、イラン南部のザグロス山脈の壮大な景色が生まれた( 写真 )。この山脈では、砂岩、頁岩(けつがん)、石灰岩などの堆積岩が層を成している。アレン博士によると、石灰岩は硬く、浸食にも強いので、何キロにもわたって1枚の石灰岩の上を歩ける場所もあるという。



 この一帯は、岩塩氷河(流れる岩塩)や岩塩ドームでも有名だ。このような地形は、大陸が衝突して地層が歪み、地中深くから岩塩が押し上げられると生まれる。アレン博士によると、岩石氷河(隙間に氷などがある舌状の岩屑堆積物)のように、実際に斜面を流れ落ちるような岩塩を見ることができる場所もあるという。

◎今も北進するムサンダム半島
 ホルムズ海峡の南側にあるムサンダム半島( 写真 )は、オマーンの北東沿岸に沿って延びるハジャル山脈の端にある。サール博士によると、この山脈は主にオフィオライトで出来ている。



 9500万年前~6000万年前、白亜紀後期に大陸が衝突した時に、テチス海の海洋地殻やマントルがアラビアに押し上げられたものだ。そして、ペルシャ湾を造り上げたのと同じプレートの力によって、ムサンダム半島は東に傾き、まるで海峡を閉じるような形になった( 写真 =プレート衝突で傾いた剥き出しになった岩盤層)。



 地質学的なスケールにおいてだが、ムサンダム半島は現在も活発に活動している。サール博士は同僚とともに2014年に発表した論文で、ムサンダム半島が今もザグロス山脈に向かって北に移動し続けていることを示した。

◎大陸衝突で蓄積された膨大な石油、天然ガス
 注目に値するのは、大陸の衝突によって、この一帯に膨大な石油が出来たことだ。
 やがてプレートが衝突すると、石油や天然ガスの貯留層がアラビアプレートの北側の地下に閉じ込められた。現在で言えば、イラン、イラクなどの湾岸地域、そしてシリアの一部に当たる地域だ。
 中東の凄いところは、その圧倒的な埋蔵量だ( 写真 =サウジアラビアのガワール油田、推定埋蔵量1700億バレルと世界最大の油田だ)。アレン博士は、広大な地域のあらゆる場所で、長い間にわたってそれが起きたので、埋蔵量は膨大だ。大規模に採掘しても、数年で枯渇してしまうようなことはなく、何十年も持続するほどという。



◎やがては閉じるホルムズ海峡、1000万年後だが
 しかし、そうして掘り出した石油や天然ガスを世界に運ぶには、まずムサンダム半島が突き出している場所、すなわちホルムズ海峡を通過しなければならない。それに目を付け、世界経済を混乱させているのがテロ国家イランなのだ。
 先に述べたように、ムサンダム半島は対岸のザグロス山脈に向かって今も移動し続けている。だからホルムズ海峡は、徐々に閉じていく。ただ完全に閉じるのは、早くても今から1000万年も後のことだ。その頃、人類は今も生き残っているか分からない。

昨年の今日の日記





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Last updated  2026.04.19 05:32:58


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