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28日、京橋の映画美学校第一試写室にて「聴かれた女」のブロガー限定試写会に参加した。客入りは8割くらいで、60名くらいのブロガーが集まった、作品が作品だけあり男性が多めで、大分年齢層も高め。デジタルビデオ作品で、プロジェクターでの上映。そして何故か音声にホールの様なDSPのかかった不思議な音。 さて映画の話、引っ越したばかりのリョウは、隣室からもれる女の声に気づいた。電話の声、シャワーの音、そして、喘ぎ声。薄い壁越しに、見たことのない“隣室の女”を思い浮かべながら、次第にリョウの妄想は膨らんでいく。 この映画の主演は、AVからテレビや映画に進出をした蒼井そら、私は彼女の作品を見た事が無く、テレビ東京で放送していた『下北GLORY DAYS』を見たくらいで、顔や声を良く知らぬままこの作品を見た。[以下ネタバレを含む分ですので、これから見る人はネタバレ終わりまで飛ばしてお読みください] 蒼井そらの役は、主人公のリョウの隣に住む皐月。隣の壁から聞こえてくる声や音でリョウの妄想の世界が画面に描かれる、女の子らしいピンクの部屋にぬいぐるみ、ベットには薄いレースのカーテンのような物も架けてある。そこで描かれる皐月と恋人の雄太はリョウの妄想で、別の役者が演じていて、声は本物の皐月を演じた蒼井そらと雄太を演じた加藤祐人が吹き替えている。そう、この監督の仕掛けたトリックに気づかず、「あれっ、蒼井そらって、こんな顔だっけ?」なんてのん気に映画を見ていて、蒼井そら本人が出てきて初めて気づいたしだいである。[ネタバレ終わり] 映画の舞台は半分以上、このアパートの二部屋だけで描かれ、出てくる出演者も最小限、普段メジャー作品しか見ない私にとっては、逆に新鮮に感じた。 何とか、隣の音を聞きたいリョウは盗聴をする為に、盗聴器に始まり、ワイヤレスヘッドフォン、双眼鏡などのアイテムが次から次へと出てくるのだが、このアイテムを秋葉原などで入手するシーンがあると、盗聴に対しての観客へのHow To的で良かったのだが、映画にはそのシーンが出てこない。 それにしてもリョウを演じた大野慶太が旨い、盗聴というネガティブでストーカー的な犯罪行為をしながらも、盗聴相手の皐月に自然に振る舞い、セリフも滑らかで気負いの無い2面性のある人物を好演している。 2面性といえば、皐月の恋人雄太を演じた加藤祐人の好演も特筆している。皐月の前で見せる、やさしい営業マンが、裏では皐月をいたずら電話で震え上がらせ、皐月の部屋を盗撮&盗聴を続けるストーカー男を熱演している。 映画の感想 ごく小さい世界をピンポイントで描かれていて、男の妄想を旨く映像化している。妄想の世界の皐月の部屋と実際の皐月の部屋のギャップなど、だれでも一度は感じる男の妄想世界と、妄想で相手の部屋の中にたたずむリョウなど、斬新な映像トリックなど監督のアイディアが良い。そして男が恋人からストーカーに変貌して行く姿など、恐怖と笑いとサスペンスで山本政志監督の卓越した演出が冴えている。 上映後のサプライズ 映画が終わりスクリーン横の扉から一人の男が入ってきた。係の人かと思ったら「監督の山本です。」突然の監督の登場で一堂唖然となる、更に監督は「これから懇談会という飲み会を開くので、割り勘ですが参加できる人は参加してください。』との告知が。 参加したいのはヤマヤマだったのですが、何せバイクに乗って見に来たので飲酒運転はマズイシ、突然の事で心の準備が出来ていなかったので今回は辞退をさせていただいたけど、私も数多くの試写会に参加しているけど、こんな事は初めてでびっくりしました。 この試写会で飲み会まで行った人のコメントを頂ければ幸いです。宜しくお願いします。 「聴かれた女」の山本政志監督作品と、蒼井そらの関連商品はコチラをクリック。
2007.01.29
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25日、東芝エンタテインメント試写室にてポール・バーホーベン監督の最新作「ブラックブック」を鑑賞した。 この作品は「4番目の男』以来バーホーベンが23年ぶりに祖国オランダで撮られた作品で、前作「インビジブル」から6年ぶりの作品である。 映画の話 第2次大戦中のナチス・ドイツ占領下にあるオランダ。若く美しいユダヤ人歌手ラヘルは、何者かの裏切りによって家族をナチスに殺されてしまう。ラヘルは復讐のために名前・容貌を変え、スパイとしてドイツ諜報部の将校に近づくが、次第に彼を愛するようになる――。 映画を見る前は宣伝コピーの「スピルバーグの『シンドラーのリスト』ポランスキーの『戦場のピアニスト』そしてバーホーベンの『ブラックブック』遂に登場!」と書いてある文を読んで、「バーホーベンが小難しい戦争を舞台にした文芸作でも撮ってしまったのか。」と落胆をしたが、映画が始まりその不安は一瞬で吹き飛んだ。 オープニングから爆撃機で家は木っ端微塵になるし、ドイツ軍の容赦ない襲撃、スパイになった主人公の潜入活動、レジスタンスとドイツ軍の戦い、裏切り者の暗殺など、ハラハラドキドキの連続で、本作は戦争を舞台にした娯楽作という事に気づく。 とにかくバーホーベンの演出が冴えている、気を抜いたところに突然ドイツ軍が現れたりで、ハリウッドで身に着けたドハデなアクションとヒッチコックばりのサスペンスが偉観なく発揮されている。そしてバーホーベンお得意のエロスとヴァイオレンスも健在で6年間のブランクを感じさせない作品。 映画には、死体から金品を剥ぎ取るドイツ兵、路上の食べ物に群がる子供達、殺人の罪を苛まれるレジスタンス、ドイツからオランダに寝返る将軍と秘書など、実際に少年時代に戦争を体験した醒めた視線で反戦のメッセージも込められている、第一級のサスペンス・エンタテインメント作品。 早くも今年のベスト10入り間違えない作品に出会ってしまった。 映画「ブラックブック」のポール・バーホーベンの監督作品はコチラをクリック。
2007.01.27
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23日、有楽町朝日ホールにて「幸福な食卓」を鑑賞した。客入りは大分寂しい感じで4割から5割くらいで空席が目立つ。【送料無料選択可!】【初回仕様あり!】幸福な食卓 プレミアム・エディション / 邦画 映画の話 3年前、父が自殺未遂をしてから家族は変わった。母は家を出て、成績優秀だった兄は大学進学を拒否し、農業に従事していた。新学期が始まり、佐和子は転校生、大浦と親しくなる。志望校を目指すため、佐和子と友達になりたいと言う大浦。変わり者だが明るく男らしい大浦に影響を受け、佐和子も夏休みに予備校に通う。父は仕事を辞めて、大学に行くと言い出す。それぞれの道を歩き始め、家族は少しずつ形を変えていく。 崩壊した家族を描いた作品であるが、何処かほのぼのとした空気を感じる家族、映画は何度も食卓のシーンが出てくるのだが、食卓には父、兄、主人公の佐和子の3人が顔を揃えるが母の姿は無い、母は近所のアパートで別居生活をしている。それでも、今の世の中家族が顔を揃えての朝食シーンが珍しく少し古い映画を見ているような錯覚さえ覚える。食べているのもご飯が主食で、パンではないというのもこの映画のポイント。 そんな家族に変化が出てくる、父は大学受験を目指しながら塾の講師になり、兄には恋人ヨシコが出来て、佐和子には転校してきた大浦勉学というボーイフレンドが出来、一緒に高校受験に励む。この大浦勉学を演じるのは勝地涼、86年生まれの勝地が中学生から高校生を演じているのだが、違和感なく明るい大浦を好演している。 他人から見れば他愛無いような日常が淡々と描かれ、佐和子は大浦と共に同じ高校に合格をし楽しいはずの高校生活が、ある出来事で以外な方向に映画は向かう。主題歌はミスター・チルドレンの「くるみ」。 映画の感想 同じ日の昼にトゲトゲしい「Dear Friends」を見たせいか、凄くやさしい映画で何か心が癒される印象を受けた。何でもない日常の風景に主人公たちが旨く溶け込み、舞台になった地方の町の風景などのロケーションも良い。主人公の佐和子を演じた北乃きいのビュアな透明感がこの作品要であり、漂々とした兄を演じた平岡祐太も好演している。音楽の小林武史の美しいスコアと、ミスター・チルドレンの「くるみ」が映画用にニューアレンジをされ、新しい道を歩き始める佐和子の姿と共に、丸々一曲フルコーラスで流れ感動を誘う。 映画終了後には、主演の北乃きいさんの舞台挨拶があり、映画の中の佐和子より少し成長した可愛いきいさん。高校の制服のような服装で登場して、将来はアクション映画に出演したいと以外な一面も語ってくれました。 映画「幸福な食卓」の関連商品はコチラをクリック。
2007.01.25
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昨日、東映本社第一試写室にて「Dear Friends」のマスコミ試写会にJanJanの試写会記者として参加した。昨日はマスコミ向けの最終試写会だったので場内は満席。 さて映画の話、270万部を超える大ベストセラー「DeepLove」シリーズで、女子中高生のカリスマ的存在になった作家Yoshi総監修により完全映画化された作品で、主人公のリナに「ワイルドスピードX3 TOKYO DORIFT」でハリウッドデビューをした北川景子。リナを心底慕い、自暴自棄になっていくリナを励まし続けるマキに、NHKの朝ドラ「ファイト」の主役を演じた本仮屋ユイカ。 友達なんか必要ない。必要なときにだけ利用するもの”と言い放つ女子高生のリナ(北川景子)は、突然の病魔に侵されすべてに絶望して自ら命を絶とうとする。そんなリナの前に、親でもとりまきの友人たちでもない、彼女の記憶にさえない小学校時代の同級生マキ(本仮屋ユイカ)が突然現われる。彼女は自殺しようとするリナの代わりに、自らの胸にナイフを突き立てる。 まず、自己中心的で利己主義なリナに共感できず嫌悪感さえ覚える、リナの家族も父は娘に無関心、娘に対して他人の子供の様に接する過保護な母、崩壊してしまった家族関係。そんなリナに病魔が襲うのだが、医師や看護婦に対しても悪態をつき、検査の結果、本当の病名を知らされ絶望するリナを救うのが、リナの記憶にも無い小学校からの同級生マキ。しかし、このマキの掘り下げが無く唐突に現れ、都合よくリナの危機を救うのに違和感を感じる。ストーリーの都合上そうするべきであったのかもしれないけど、ちゃんとマキの人生や生き方を描かないと、どうしてマキが心底リナを慕うのかが判らない、後半にリナとマキの子供時代のエピソードが描かれるけど、それでも弱すぎる絆で納得いかない。マキの家族や生活を描かないと映画として駄目なのではないか。 映画はリナの闘病生活と、マキの辛い運命が描かれ終結を迎える。 映画の感想 映画は「友達は必要ですか?」と「友達」と言うキーワードを何度も投げかけてくる。ケータイのメモリ多さや、プリクラの数で友達の数を自慢する女子中高生の危うい生き方に疑問を提示している様にも感じた。リナの気持ちを表すかのように、過激なセリフ、映像、音楽が、場所が、映画が進むにつれて、音楽は大事な小道具のオルゴールや、場所は渋谷の町から海を見下ろす病院に辿り着く、何かリナの心の平穏を表しているようだ。 「美少女戦士セーラームーン」でセーラーマーズを演じ、お茶の間のチビッ子たちを熱狂させた北川景子の姿はこの映画には無い。友達を利用して、大人に悪態をつく今時の女子高生を体当たりで熱演している。この作品は彼女の代表作になる事は確かだ。 その反対に本仮屋ユイカは受身の演技で、先にも書いたがリナに比べて存在の薄い役なので、どうしても北川景子の印象が強く残ってしまう。 リナとマキの人生を対比させて描けば、二人の絆のつながりを感じられたのに、リナ優先に描いた為にマキという人間が最後まで見えてこなかったのが残念に思った。 [追記] インターネット新聞「JanJan」にて、私が試写会記者として投稿した「Dear Friends」の文が1月28日付けで掲載されています。あわせて御覧ください。「Dear Friends」の文字をクリツクするとページに飛びます。 映画「Dear Friends」の関連商品はコチラをクリック。
2007.01.24
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昨日、新宿の明治安田生命ホールにて、角川グループ連合試写会「どろろ」を鑑賞した。日曜日の昼の2時開場という事で少し早めの15分前に到着したが大して列は出来ていない、最終的に20代位の女性を中心に8割くらいの客入り。DVD どろろ 映画の話、昭和42年「週刊少年サンデー」で発表された手塚治虫の最高傑作とも言われている怪奇漫画を実写映画化したアクション時代劇。体の48か所を魔物に奪われた百鬼丸が、体を取り戻すために男装した泥棒“どろろ”とともに魔物退治の旅に出る。 私は「どろろ」の原作やアニメを見たことが無い状態での鑑賞である。 まず画面の色調が脱色したような色調で、コントラストが強く黒つぶれ気味の画像で、暗いシーンではかなりの微粒子状のノイズが現れる、ハイビジョンで撮影された物かは不明だが何か違和感を感じる。 百鬼丸を演ずるのは妻夫木聡。どこか感情を表に出さないような演技で「スターウォーズEP3」のアナキン・スカイウォーカーを思い起こされるキャラクターだ。かなりのスタントを妻夫木が演じているようだ。 どろろを演ずるのは柴咲コウ。コソ泥として生きてきて、両親を殺した影光(中井貴一)に復讐する事を生きがいにした少年(実は少女)。このどろろは男になりきっている少女で柴咲は男言葉で喋り、がに股気味に歩く。ただセリフの殆どが絶叫気味の甲高い声で何箇所かセリフが聞き取れない部分があったのが残念。 数々の妖怪との戦いが描かれるのだけれど、まず妖怪がCGと着ぐるみのミックス、着ぐるみはかなりチープな出来。アクションにはワイヤーワークを多様した立体的なアクション。日本映画でこれだけのワイヤーワークを使った作品は初めてでは。アクション監督は「HERO」「LOVERS」のチン・シウトン。主題歌はミスター・チルドレンの「フェイク」。 映画の感想 なかなか面白いのだが、映画から熱いものを感じられない。画面の色調も百鬼丸の体が人間に近づいてゆくのに伴い自然な色調になり色あいも段々濃くなってくる。 映画の時代設定も過去なのか未来なのか不明で、百鬼丸を人間として手術するシーンでは、フラスコやビニールのチューブなどが小道具として出てくるのだが、もう少し独創的な道具を使って欲しかった。 妻夫木&柴咲のコンビも上々、多宝丸を演じた瑛太が凛とした武将の息子を演じている。影光を演じた中井貴一は若い出演者との格の違いを見せる。 ニュージーランドでロケしたアクションシーンも見ものだが、画面がビスタサイズなのが惜しい気がした。 映画「どろろ」の関連商品はコチラをクリック。
2007.01.21
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昨日、京橋のメディアボックス試写室にて「ルワンダの涙」を見た。この試写会はブロガー限定の試写会で40名程のブロガーが集まった。 しかし、今日の試写会は液晶プロジェクターでの上映で、画面がベッタリとした感じで絵に奥行きが感じられず、画面の黒階調が悪く、画面全体が黒つぶれ気味で、音もスカスカのドルビーサラウンドと思われるビデオ上映。 映画の話 ルワンダの首都・キガリ。イギリス人のジョーは、クリストファー神父の運営する技術学校で英語教師として働いていた。ツチ族の少女マリーをはじめ、生徒たちと触れ合いながら日々を送るジョー。しかし彼はBBCのレイチェルから、フツ族がツチ族を虐殺している事を耳にする。そしてある夜、事態は急変。フツ族の大統領機墜落を機に、フツ族がツチ族の大量虐殺を始めたのだ。怯えるツチ族の人々は学校へ避難してくるが…。 私は、この「ルワンダ虐殺」事件を詳しくは知らない。「ホテル・ルワンダ」も未見なので初めて知る事ばかりで映画を見てショック状態でグッタリと疲労してしまった。 出演者もクリストファー神父を演じたジョン・ハート以外見たことの無い人ばかりで、赤く乾ききったルワンダの土地で次から次へと民族が違うという理由だけで何も罪の無い人々がナタで惨殺され無数の死体が路上に横たわる光景を見ていると、映画を見ている私の思考も停止してしまい、今、何を書いて良いのかも見当たらない。 この映画の原題は「Shooting Dogs」惨殺された死体に群がる犬を軍が機銃で殺そうとしたところを、クリストファー神父が軍の隊長に抗議をする。「犬が我々に襲い掛かってきたか?撃ち殺すなら襲ってからにしろ!」と言うセリフがある。このセリフこそが、この「ルワンダ虐殺」の本質を語っているように感じた。 そして本作はルワンダでオール・ロケで、「ルワンダ虐殺」で生き残った人々がスタッフとして参加していてエンドロールで、一人一人が写真付きで紹介される。 映画の感想 監督が「メンフィス・ベル」「ジャッカル」「氷の微笑2」で知られるマイケル・ケイトン・ジョーンズなので、もう少し映画的なものを感じさせる映画かと思ったが、映画的なものは極力排除したようなドキュメントドラマの様で、ハンドカメラを多様し、素早いズームイン&アウトで緊張感をかもし出している。 この映画を見て、人が人を殺して楽しめるのはホラー作品の中の世界であってジョージ・A・ロメロ監督の「ゾンビ」のように頭にナタが刺さって「スゲー!」と言う気分にはならない事が判った。 そして、「この映画をもう一回見たいか?」と、聞かれたら見るのが辛いので正直辞退させて頂きたい作品である。 同じ「ルワンダ虐殺」を描いた「ホテル・ルワンダ」と、マイケル・ケイトン・ジョーンズ監督作品はコチラをクリック。
2007.01.20
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昨日、丸の内の東商ホールにて日韓合作映画「あなたを忘れない」を鑑賞した。会場には若い女性を中心に満席の盛況ぶりに作品への期待を窺わせる。あなたを忘れない 映画の話 この作品は、2001年1月26日にJR新大久保駅のホームから線路に落ちた酔い客を救おうと線路に飛び込み列車に撥ねられ亡くなった3名の中の日本語学校留学生イ・スヒョンさんの半生をフィクションで描いた作品。 映画は1997年の韓国から始まる、兵役を終えたスヒョン、両親と妹の4人暮らしの家族、スポーツと音楽を愛するスヒョンをイ・テソンがさわやかに演じていて好感を持てる人物として描かれる。そしてスヒョンは家族に日本留学する旨を告げ、日本留学を決意する。 2000年、日本に留学してきたスヒョン、様々な東京の街を自転車で観光している途中に、トラブルに巻き込まれているストリートミュージシャンのユリを助けて、ユリとその仲間たちと仲良くなる過程が描かれるのだが、何故か違和感を感じた。この映画が何処までが事実で何処からがフィクションなのかが不明で、このストリートミュージシャンとのエピソードがスヒョンの性格から見ると浮ついている印象を受け、何か無理矢理恋愛ドラマに持ち込もうとする脚本の浅さを感じた。 ユリを演じたマーキーのセリフがイマイチ活舌が悪くダラダラ喋っている印象を受け、スヒョンの片言の日本語と共にセリフの聞き取りに神経を使う。 ユリの父親役を竹中直人が演じているのだけれど、登場しただけで会場から笑いが起きたのだが、恐ろしい父親役で直ぐに会場が凍りついたのを感じた。 その他、何時も女っぽい金子貴俊が久々に男っぽい役を演じている。それからバラエティで御馴染みの浜口順子がアッケラカンとした役を好演している。 2001年1月26日の新大久保、映画はライブに出演するユリと、仕事をこなし駅へと向かうスヒョンが平行して描かれる為に、事故については意外とアッサリと描かれるが、事故のシーンには判っているのだけれど涙がこみ上げてくる。 映画の感想、スヒョンを演じたイ・テソンの無色な透明感がこの作品の要であり、スヒョンの半生をじっくり描けば作品としてのクオリティが上がったと思うのだが、安易なストリートミュージシャンとの恋愛を絡めたのには下世話に感じたし、中途半端な印象を受けた。それから事故にあったもう一人の日本人関根史郎さんについて触れられていないのが残念に思った。エンドロールの後、会場から自然と拍手が沸きあがりました 「あなたを忘れない」の関連商品はコチラをクリック。
2007.01.20
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16日、科学技術館サイエンスホールにて、周防正行監督の11年ぶりの新作、そして初のシリアス作品の「それでもボクはやってない」を鑑賞した。客入りは7~8割くらい。 映画の話 フリーターの金子徹平(加瀬亮)は会社の面接のため、通勤ラッシュの満員電車に乗った。ホームに降りると女子中学生から「痴漢したでしょ?」と声を掛けられ、駅事務室に連れて行かれ、そのまま警察署へ。「ボクは何もやってないんだ」そんな訴えに耳を貸してもらえず、いわれもない罪を着せられた徹平の長い闘いが始まる。 まず東宝のロゴが写り、タイトルの前にいきなり「周防正行監督作品」とデカデカと画面に映し出され唖然とする、相当な自信の表れかと勘ぐりたくなる。 映画は導入部から二つのシーンが平行して描かれる、実際に電車の中で痴漢を行い逮捕される中年男と、痴漢に間違われ連行される金子。警察での取調べで早々と容疑を認め帰路に着く中年男に対して、容疑を否認して拘留される金子、対照的に二人の人物を描く事により、監督が日本の警察や法律に対して異議を申し立てているように感じる。それにしても役者の演技が皆オーバー気味で周防演出の健在ぶり感じさせる。 金子は留置場に入れられるのだが、留置場には先客の中年の詐欺師が金子の面倒を見てくれるのだが、この詐欺師を演じている本田博太郎が旨い、ネットリとしたイャらしい役柄を楽しそうに演じている。金子は当番弁護士からも容疑を認め罰金を払った方が楽だと勧めれるのだがそれも拒否し、高圧的な警察の取調べに耐えながらも、検察庁の横暴な検事から起訴されてしまう。 事件を知った母親と友人の協力を得て、ベテラン弁護士の荒川を主任弁護士にたてて無罪判決を信じて金子は裁判を受ける事になる・・・。 映画の感想周防監督の社会派作品という事で覚悟をして見たのだが、ここまで重たい内容とは思っていなかった、見た後は正直疲れた、それでも心地いい疲れである。映画は監督が徹底したリサーチに基づいて作られているらしく、警察の高圧的でアバウトな取調べと見込み捜査、留置場での生活、横暴な検察庁検事、判例主義で被告を信じない裁判官など、現在の日本の警察、検察、裁判に対して一石を投げ入れる内容で、同じ社会派エンターティンメントの先駆者伊丹十三監督の意思を継承しているように感じた。実際に周防監督は伊丹監督の「マルサの女」のメイキング『マルサの女をマルサする』を監督しているので影響は受け継いでいるはず。きっと天国にいる伊丹監督もこの作品を見たら『良くやったぞ!」と誉めてくれるのでは。新生、周防正行の誕生に拍手を送りたい。 映画「それでもボクはやってない」の関連商品と、周防正行監督作品はコチラをクリック。 『マルサの女をマルサする』を収録したお得な「マルサの女」コレクターズセットはコチラをクリック。
2007.01.18
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昨日JANJANの試写会記者として、築地のソニーピクチャーズ、ブルーシアターにて「フリーダムランド」を鑑賞した。 試写室に開映15分前に到着したのだが試写室には誰も居ない、結局開映時間に集まったのは私を含めて4名、私の試写会鑑賞歴で最少の客数、マスコミ試写というのは何時もこんな感じなのか? さて映画の話、ニュージャージー州の低所得者向け団地でカージャック事件が発生し、事件の被害者である白人女性ブレンダ(ジュリアン・ムーア)は、奪われた車の後部座席に幼い息子が眠っていたと打ち明ける。黒人刑事のロレンゾ(サミュエル・L・ジャクソン)は、犯人扱いされた住民たちと警官の間に走る緊張感を案じながら捜査にあたるが……。 私は作品を見る前はホラーか猟奇的な作品と思っていたが、チラシには「迷宮のヒューマンミステリー」と書いてある。 映画は導入部より様々な情報が入り乱れ展開して行く、「両手を血まみれにした白人女性」『カージャック」「消えた少年」『目撃者ゼロ』『痕跡ナシ」「唯一の手がかりは母親の証言だけ」見ているだけで頭が混乱してくる、映画の中の刑事ロレンゾも母親の証言を聞いて過呼吸のパニック状態に陥ってしまう。 子供を失った母親役を「フォーガットン』に続きジュリアン・ムーアが全編通してパニック状態という緊張感の強いられる高い要求の演技をこなしている。 この映画の舞台背景は、アフリカ系住民が大半を占めるニュー・ジャージー州の低所得者向け団地、事件が起こり団地は警察により封鎖され、容疑をかけられた住民たちが怒り、警察との一触即発の状態になってしまい、住民に慕われていたロレンゾも住民の敵になってしまい、住民、警察の板ばさみになり、更に被害者の母親も守らなければいけない暗礁状態の演技をサミュエル・L・ジャクソンが好演している。 事件は住民たちの抗議を浴びながら警察の捜査と平行して、行方不明の子供を捜すボランティア団体の協力を得て、フリーダムランドと呼ばれる養護施設の跡地へたどり着くのだが、誰もが予想しない意外な結末へと向かう・・・。 以後ネタバレあり この映画を見て思った事は、アメリカにはいまだに続く白人社会と黒人社会という人種問題が根強くあり、普段は均衡を保っているように見えるが、ある出来事でその均衡はもろく崩れてしまう、映画の中でも住民対警察の暴動に発展してしまう。 それにしても本作は、誘拐事件と人種問題という難しい話を二つも盛り込んでいるの為かどちらの話も掘り下げきれていない印象を受けた、特に最後の謎解きのシーンが俳優のセリフだけで大部分を語られる為、想像力の乏しい筆者にとってはセリフを頭の中で構築してシーンを組み立てるという高度な思考を強いられる為に、映画的な映像で見せるという醍醐味を味わえないのが残念だった。 それから、この作品は2005年に製作されてサミュエル・L・ジャクソンとジュリアン・ムーアという2大スターが出演しているのに公開がこれだけ遅れたというのは、昨年秋田で起きた「米山豪憲君事件」と事件の内容が酷似しているのではないかと勘ぐりたくなる。 最後に、話が話しなのでかなりのストレスを強いられる作品なので体調を万全にして挑んで欲しい。 映画「フリーダムランド」の関連作品はコチラをクリツク。
2007.01.17
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昨日、レンタルDVDで「アサルト13 要塞警察」を見た。 この作品は、1976年のジョン・カーペンター監督の劇場未公開作品「要塞警察」のリメイク作品である。 私も以前、この作品をテレビ東京で放送した物を見た記憶しているが、ストーリーや詳細は殆ど忘れてしまっている。それにしてもジョン・カーペンターは去年は「ザ・フォツグ」もリメイクされ生きながらに伝説の監督になってしまった。 突然に襲いかかる「絶体絶命」の夜!外部への接触99%不可能!ポニーキャニオン アサルト13 要塞警察 映画の話は、雪の舞う大晦日のデトロイト。潜入捜査の失敗によるトラウマからデスクワークに就いている元麻薬捜査官ローニックは、老朽化のため年内で閉鎖予定の13分署で残務処理を行っていた。TVでは暗黒街の大物マリオ・ビショップの逮捕が報道されている。そんな折、囚人護送中のバスから、吹雪で進めないので13分署に一時避難させてくれとの無線が舞い込む。バスに中には話題の大物ビショップの姿があった。一抹の不安を覚えつつ囚人たちを拘留するローニック。その不安は的中する。ビショップの命を狙って何者かが署内に侵入したのだ! 映画を見始めて「要塞警察」ってこんな話だったっけと頭を過ぎる、冒頭にローニックのトラウマの原因となった潜入捜査と仲間二人の殉職が描かれ、ビショップの知的で残酷な性格を描いた教会のシーンから逮捕に至るまで描かれる。多分本作は「要塞警察」の話の骨組みだけをなぞり、大分話をアレンジしているようだ。 この映画の背景は大晦日から新年にかけての数時間が話の中心なのだけれど、アメリカ映画はクリスマスを舞台にした映画は沢山あるけど、年末年始を描いた映画ってあんまり無いと思うのだけれど、唯一思い当たるのはキャサリン・ビグロー監督の「ストレンジ・デイズ」くらいかな。 話は戻り、護送の途中大雪の為に囚人を13分署に避難させると、ビショップを狙って13分署に武装した集団が進入してきて警察署の警官と、活き抜く為に囚人にも武器を持たせ、包囲した謎の集団との攻防戦になるのだが、その後製作されたフランス映画の傑作「スズメバチ」にソックリなことに気づくし、同じフローレン・エミリオ・シリ監督の「ホステージ」の他、包囲された建物に集団が押し寄せると言えばジョージ・A・ロメロの「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」や「エイリアン2」を思い出す。 しかしこの映画の難点は、敵の襲撃が断続的で連続性が無い事で、見ている私たちも緊張感が途切れてしまうし、現に映画の中の囚人たちも襲撃を受けた後も眠っているシーンがある、それでも銃撃を中心としたアクションは凄まじい物があるし、このレンタルのDVDは特典も入っていないせいか、ビットレートを音声に多めに費やしたのかドルビーデジタルの音声もDTS並みの迫力をかもし出している。 映画の感想、なかなか面白かった。ローレンス・フィッシユバーンが久々にカッコいい役、イーサン・ホークも良かった、この作品が出来るまで「スズメバチ」など見たせいか新鮮味は感じられなかったけどヴァイオレンスやガンファイトの好きな人にはおススメできるし、サラウンドマニアの方にも喜ばれる作品なのではないかと思った。 「アサルト13」のDVDと関連商品はコチラをクリック。
2007.01.11
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昨日DVDで吉永小百合主演の2001年の東映作品「千年の恋 ひかる源氏語物」を見た。 この作品は、紫式部が『源氏物語』の執筆からちょうど千年という節目に、豪華キャストで式部ワールドを描きだす大河ロマンなのだが、かなり珍妙な作品である。 映画の話は、才女として誉れ高い紫式部。時の権力者・藤原道長から娘の彰子の教育係を頼まれ京の都へおもむく。ライバル・清少納言へ闘志を燃やす一方、光源氏の恋愛遍歴をつづった自著「源氏物語」を彰子に説いていく。 この映画は、紫式部の人生と「源氏物語」の光源氏の二つの世界が交差しながら描かれ、時には「源氏物語」の世界に紫式部本人が入る、という複雑な構造で「源氏物語」の絵巻の世界観をSFXで再現するという荒唐無稽な作風で、話と話の間には松田聖子が扮する妖精のMTV風の映像が挿入されるという摩訶不思議な映画である。 それにしてもキャストが豪華である、紫式部に吉永小百合、藤原道長に渡辺謙、そして男である光源氏に天海祐希、この天海祐希のキャスティングがこの映画の要である、映画の中で光源氏は異母である藤壺(高島礼子)に始まり、10歳くらいの少女から役の上では57歳の岸田今日子まで複数の女性と肉体関係を結ぶというカサノバ的な人物であるが、宝塚で男役のトップスターの天海のおかげでエロさは感じられない様に出来ている。 映画の感想は、この作品を見るのはこれで二回目、映画の内容といい、豪華なキャストといい、お正月に見るには最適な作品であるが、映画としては珍品。話も二重構造で頭が混乱して来ることも多々ある。監督の堀川とんこうも劇場初作品で、あれやこれや詰め込みすぎで整理仕切れていないのも否めない。それでも見るべき点もある、それは富田勲の音楽だ、なんとも現実味の無い世界を富田の幻想的なシンセサイザーのオーケストラが作品を補っている。 なんだかんだ悪い点も多い作品であるが、現在東映のお正月作品の「大奥」よりずっと面白い作品だった。 『千年の恋 ひかる源氏物語』のオリジナル・サウンドトラック盤はコチラをクリック。
2007.01.06
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新年明けましておめでとうございます。 お正月休みもあっという間に終わり日常の生活に戻りつつあるmasalaです。 お正月は買い物に忙しく映画館に行けなかったので家で買いだめてあったDVDを鑑賞しました。 まず1月2日に「M:I-3」を見ました。この作品は私の2006年度の洋画部門の第一位に選出した作品。やっぱり何度見ても面白いのですが、家の28インチのTVで見る「M:I-3」は映画館で見た迫力が無く、ちょっと寂しい印象、やっぱりこの手の映画は映画館の大スクリーンで見るのに限ります。 そして昨日は「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」を鑑賞。 この作品は、劇場で見た時は大味であまりいい印象じゃなかったのですが、DVDで見たら「M:I-3」と反対に面白かった、映画館で感じた上映時間の長さもそれ程感じずジョニー・デップの演技もサイレント映画のようで面白く、お正月の緩んだ頭には丁度良い感じの作品。それにしてもビル・ナイが演じたデイビイ・ジョーンズをはじめクリーチゃーのデザインと造形が素晴らしい、ILMのSFXの出来が良くアカデミー賞にも絡んでくる予感を感じる。 このDISKは2枚組みで特典ディスクにはメイキングがかなり入っているらしいのだが、映画の製作段階からのメイキングで1時間位見てギブ・アップしてしまった。 さて今年も100本の映画を劇場や試写会で見ることを目標に、このブログに見た映画の感想を書き込みをして行こうと思っています、コメントの書き込み、トラックバックも大歓迎ですのでドンドン送ってください。 本年も「masalaの辛口映画館」を宜しくお願いします。
2007.01.05
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