うたのおけいこ短歌の領分

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2023.10.18

坂本野原　聴き取った「きっと泣くのは私の方　だめね」のさびで検索をせり

カテゴリ：うたのおけいこ

昼飯を買おうと寄ったスーパーでひとつの歌に幽体離脱

スーパーの音場いとしき残響がちょうどいいんだ惣菜売り場

聴き取った「きっと泣くのは私の方　だめね」のさびで検索をせり

＊ＳＨＩＳＨＡＭＯ『夏の恋人』、アクースティック･ヴァージョン。

店員に聞いてBOØWYを見つけたる四十年前よそとせまえを思い出したり

ブギウギが花咲くまではまだ長し毎日泣いて見守る一代ひとよ

頼むから草彅剛君だけは巻き込まないでツヨポンだけは

実を結び食わせて種をばらまいて霜枯れてゆく植物の生

種落ちて真冬に発芽しないのはプログラミングされているから

娘たち我に教えきひと言でいうとはるかな「春化」なんだよ

仕事中短歌うたを詠んでる表情を好意を抱く女子に見られぬ

芸人としてはアンゴラ村長はかなりかわいい　福田麻貴もね

負けもせず勝ちもしないで自民党このまま政権担当だろう

この国に足りないものはそうないがしいてあげれば百恵の不在

じじばばがまたやらかした朝なさな交通事故のあきれたニュース

＊２首目、自分ではけっこう気に入っている。
日常的に行く場所の中で、スーパーマーケットは、「デッド」ではなく「ライヴ」な、残響の多い「音場」（いずれもオーディオ用語）であり、特にバラード系の曲だと美しく響く。
なお、結句は「珍味売り場の」（事実）から、「野菜売り場の」→「弁当売り場」→「惣菜売り場」へと若干推敲（虚構化）した。
敬愛する俵万智さんの（時には初稿の原型を全くとどめないぐらいの）よく知られた「魔の推敲」に比べれば、まだまだ全然甘いけれども。

なお、ちなみにこのスーパーは、栃木県上三川町インターパーク「ジョイフル本田」内に併設の大規模業務系スーパー「ジャパンミート」だった（・・・これはどうでもいいだろうけど）。

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