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先延ばしの妙ーフェビアン戦略
ラテン語には、「ゆっくりと急げ」という表現がある。わざと遅らせる行為を尊重していたのは古代ローマの人々だけではない。中国の思想家である老子は、「無為」という原理を掲げた。これは、”何もすることなく成し遂げる”ことを意味する。
ほとんどの人々が理解していないことだが、先延ばしは、物事を自然の成り行きに任せ、反脆さを働かせる、人間の本能的な防衛手段なのだ。これは、何らかの生態的で自然主義的な知恵から生まれるもので、必ずしも悪いものではない。

先延ばしのメリットは医療行為にも当てはまる。自然のほうが科学者よりも間違いを犯しにくいという不都合な真実を考えれば、先延ばしによって自然に仕事を任せ、医療ミスから身を守ることができる。
「不合理」について研究する心理学者や経済学者たちは、人間には生命の危険がないときだけ先延ばしにする本能があることに気付いていない。私だって、ライオンが部屋に入ってきたり、隣の家の書斎で火事が起きたりしたら、ぐずぐずなんてしない。重傷を負ったら治療を先延ばしにしたりしない。先延ばしにするのは、不自然な仕事や治療だ。
私はかつて、腰にケガを負ったとき、脊髄の手術を先送りしつづけたことがあった。アルプス山脈でハイキング休暇を取り、ウェイト・リフティングを繰り返しているうち、腰の痛みは完治してしまった。
なのに、心理学者や経済学者たちは、選択的手術を先延ばしにしてリスクをなるべく抑えようという、私の自然主義的な本能(内なるたわごと発見器)を殺そうとする。それは人体の反脆さに対する冒涜だ。先延ばしは、人間の自然な意思が、やる気の低下という形で発した声なのだ。

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