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身銭を切らないと私は愚鈍になる
スリルや楽しみは学びを助く。人間には2種類の脳がある。ひとつは身銭を切っているときの脳、もうひとつは身銭を切っていないときの脳。身銭を切ると、退屈な物事が急に退屈でなくなることがある。
企業への投資家であれば、財務諸表の脚注(真の情報が隠れている場所)を読むとかいう超退屈な作業が、あら不思議、それほど退屈でなくなる。
ここで、ひとつ告白を。私は身銭を切っていないと、たいてい愚鈍になる。
数学を初めて面白いと思ったのは、ウォートン・スクール在学中、友人から先ほど説明した金融オプションについて教わったときだった。
私は直感的に、従来のベル・カーブを用いた理論、テール(極端な事象)の影響を無視した理論に間違いがあると悟った。
リスクを背負ったとたん、私の第二の脳が目を覚まし、複雑に並んだ確率を難なく分析し、解読できるようになった。火事になると、人は誰よりも速く走れる。だが、実際に行動していないと、私はたちまち愚鈍な自分に戻ってしまう。

リスクを背負うという極限の状況や集中から得た知識は、ずっとあとまで手元に残る。鋭さこそ失うかもしれないが、誰もその教訓を奪い取ることはできない。

名馬は、遅い馬と競わせると負け、強敵と競わせれば勝つといわれている。 ストレスややりがいが欠如し、補償不足になっている状態、いわば”逆ホルミシス”の状態は、どんなに優れた者でも堕落させる。 。。多くの人は、初級の微積分学よりも上級の微積分学のほうが成績がいい。
ほとんどの人は暇な時間を無駄にしてしまう。暇な時間があると、人は機能が低下し、怠け、やる気をなくすからだ。忙しくなると、ほかの仕事もがむしゃらにこなすようになる。
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