(天声人語)ふるさと喪失の責任
2017
年 9
月 23
日 朝日新聞
福島県
の詩人、若松丈太郎さんに「神隠しされた街」の一編がある。
〈四万五千の人びとが二時間のあいだに消えた
サッカーゲームが終わって競技場から立ち去ったのではない
人びとの暮らしがひとつの都市からそっくり消えたのだ〉
▼
チェルノブイリ
原発事故
の強制疎開に材を取り、1994年につづった。
不幸にも福島で現実になり、住民は近隣のまちへ他の県へと避難した。
そして
千葉県
に避難した人たちが訴訟を起こす。
問うたのは「ふるさと喪失」の責任である
▼原告の証言集には奪われたものが並ぶ。
人と人の結びつき、やりがいのある仕事、作物を育む日々、そして穏やかな暮らしである。
「事故さえなければ」の言葉がつらい
▼
千葉地裁
東京電力
に賠償金の支払いを命じた。
原告のうち避難先で亡くなった一人について
「生活基盤を全て喪失した」「その無念さは計りしれない」とした。
取り戻すことのできない暮らしが、命がある
▼「原子力に賛成か反対かだけでなく、政策のあり方を国会で深く議論して欲しい」。
原子力規制委員長だった田中俊一さんは退任にあたり、注文をつけた。
事故の反省でなく、忘却に基づくかのような政策が続いている。
時間を戻せない以上、教訓を未来へつなぐしかないはずなのに
▼若松さんの詩にはこんな一節もあった。
〈私たちの神隠しはきょうかもしれない/うしろで子どもの声がした気がする〉。
日常を破壊した力を何度でも思い起こしたい。
福島の詩人の詠んだ現実は、不幸にして福島で再現しました。
私には、予言のような気がします。
そして、その予言は田中委員長がOKを出した 原発再稼働
により、まだ生きています。
次は、大飯、川内それとも伊方。
あるいは、地震多い 柏崎刈羽
かもしれません。
7つも原子炉がある世界最大の原発です。
日本海は死の海と化すでしょう。
今年初めて 福島の桃
を食べました。
美味しかったです。
でも、福島のものはあまり食べたくありません。
会津ならいいかなと思いますが、浜通りはやはり嫌です。
避難している5万人の人が戻れることはないでしょう。
すでに避難先で亡くなられた方もいます。
国や東京電力には、しっかり責任をとってもらいたいと思います。
退任にあたって、田中委員長は再稼働に関して
国から圧力
があったことを明らかにしました。
安全審査が遅いとも非難されました。
退任後は、 飯館村
に住むそうです。
避難計画がないまま原発再稼働をOKした点について、きいてみたいです。
もう、本当のことを言ってもいいでしょう。
次の委員長も 原発ムラ
出身です。
詩人の予言が再度現実のものとならないことを祈ります。
若松丈太郎:1935年岩手県生まれ。福島大卒。福島県で高校教師。
写真は、https://www.bing.com/images/ より
賭けマージャン検事が、やっと弁護士に転… 2024.11.15 コメント(1)
松本人志5.5億円裁判提訴取り下げ 下 2024.11.13 コメント(4)
松本人志5.5億円裁判提訴取り下げ 上 2024.11.13 コメント(4)