(社説)日ロ平和条約 前のめり外交の危うさ
2018
年 9
月 14
日
長年の交渉の積み重ねをひっくり返す、横紙破りの提案と言うほかない。
ロシア極東での国際会合で、 プーチン大統領
が突然、日本との平和条約を年内に結ぶことを提案した。懸案の 北方領土問題
は先送りする内容だ。
中国の 習近平
(シーチンピン) 国家主席
や韓国首相らの居並ぶ公開の席上で、 安倍首相
に投げかけた。これに苦笑いだけで応じた首相の姿が露呈したのは、日ロ間の考え方の根本的なすれ違いである。
平和条約は戦後の両国間の最大の課題であり、その実現は望ましい。ただ、その締結には、 北方四島
の帰属の問題解決が伴うことを両国の歴代首脳が繰り返し確認してきた。プーチン氏の提案は、その原則を真っ向から否定している。
一般に「平和条約」は、戦争当事国が平和の回復を宣言し、賠償金などの条件を定め、領土を画定することが主な内容となる。大戦後の日ロの場合、領土以外は1956年の 日ソ共同宣言
で解決済みだ。
このとき条約を結べなかったのは 北方 領土問題
が残されたからだった。その解決が盛り込まれないような「平和条約」には意味がないと、日本政府は一貫して主張してきた。
過去22回にのぼる安倍氏とプーチン氏との会談も、その前提だったはずだ。今週も、交渉の着実な進展を強調していた安倍氏の説明は何だったのか。現状認識の甘さが浮き上がる。
菅官房長官
は従来の方針を変えない考えを示しているが、プーチン氏が口にした提案は、ロシア政府内では極めて重い意味を持つ。今後の交渉に影を落としかねず、日本側は発想の転換を迫られるかもしれない。
安倍政権
が打ち出した 北方四島
での共同経済活動は、合意から2年たっても進展せず、問題の解決につながる保証もない。その停滞の中でのプーチン氏の提案は、「自分の任期中に」と焦る安倍氏の前のめり姿勢が逆手にとられたともいえる。
日本政府は「年内」という時間枠にとらわれず、腰を落ち着けて対ロ政策を熟考すべきだ。日本の近隣外交全体を俯瞰(ふかん)し、揺らぐ国際秩序の安定にも資する日本なりのロシアとの向きあい方が求められている。
安倍氏はしばしば外国首脳との個人的な関係を実績として強調してきたが、今回の気まずい事例から教訓を学ぶべきだ。ゴルフを重ねてきたトランプ米大統領にしても、貿易問題の発言は厳しさを増している。
このプーチンのちゃぶ台返しに「反論すべきだった」と、与野党から批判が
あがっています。
あれでは、受け入れた、検討すると思われても仕方ないでしょう。
一方の当事者ですから静観はないですね。
領土交渉「失敗でしたとは言えない」
との見出しも見られました。
それにしても世界中にバラマキ外交を展開していた安倍首相ですが、
ロシアに対して慎重なのはどうしてでしょう。
トランプからも厳しいことを言われても、だんまりです。
国内では、安倍一強でも、外国に対してはものが言えないのでしょうか。
国際的には、日本の考えは米国と同じと見られていて、
考えをきかれたり意見を求められることはないそうです。
安倍首相は、いつまで 社交
を続けるつもりなのでしょう。
(参考)
総裁選討論会でもこの問題がとりあげられました。
リテラからです。
いまもっとも突っ込まれたくないあの話題だった。そう、プーチン大統領が「無条件で平和条約を結ぼう」と提案した問題だ。
質問した坪井氏は、安倍首相にこう切り出した。
「私、率直に言って、一昨日プーチン大統領が無条件で平和条約を結ぼうよと、あの場でおっしゃったのに驚きました。それはようするに、領土問題を確定して平和条約を結ぼうっていう日本政府の考え方をプーチンさんは理解していなかったのかと」
坪井氏がこう言うと、安倍首相はフッと笑みを浮かべたが、これはプーチン大統領に無条件の平和条約締結を切り出されたときに浮かべた笑いと同じ。つまり、安倍首相が余裕をなくしたときに出してしまう、いつもの癖だ。
実際、坪井氏の質問が終わると、安倍首相は身を乗り出して、まるで啖呵を切るように、こう反論した。
「これ、結構、専門家はですね、あなたとは結構違う考え方、もってる人多いんですよ(笑)。日露関係ずっとやってこられた方はね」
以前からプーチン自身が“いかなる領土問題も存在しない”という認識を示しており、その上、「無条件」と言い出したのだから、誰がどう考えても安倍首相があの場でコケにされたのはたしかだ。事実、あの産経新聞でさえ〈安倍首相は、プーチン氏の提案の直後に、「領土問題の解決なしに平和条約はない」と明確に反論すべきだった〉と断罪している。一体、どこに違う考え方の専門家がたくさんいるのか、名前を教えていただきたいものだ。
さらに安倍首相は、領土問題を解決して平和条約を締結するというのが日本政府の立場だとし、「プーチン大統領からの反応もあります。でもそれはいま、私、申し上げることはできません。交渉の最中でありますから」と思わせぶりにぶち上げたが、結論はこんな話だった。
「つまり、平和条約が必要だということについての意欲が示されたのは間違いないんだろうと思います」
それはみんな知ってるよ!と突っ込まざるを得ないが、つづけて坪井氏から「安倍首相は『自らの時代に何とかする』ということを言ってきていて、国民に非常に期待を持たせている。それが非常に無責任に聞こえてしまう」と追及されると、安倍首相はこうまくし立てた。
「それでは私の時代にはできませんと言ったほうがいいですか?」
「私が意欲を見せないかぎり動かないんですよ。いままで 1
ミリも動いていなかったじゃないですか。だから今回は長門会談によって共同経済活動を、スムーズにはいってませんが、ウニなどについて合意しましたよ!」
「私が意欲を見せたから動いた」と誇るくせに、その成果はウニ(苦笑)。山口での首脳会談前には「プーチン訪日で北方領土返還」「歯舞群島、色丹島の 2 島引き渡し」などというムードをさんざんつくり上げておきながら、その結果はウニだったとは、「期待をもたせすぎ」と言われて当然の話。だが、安倍首相は頑として聞き入れないのである。
http://lite-ra.com/2018/09/post-4251.html
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