直子の直筆

直子の直筆

2006年04月09日
XML
カテゴリ: 胆道閉鎖の三女
ドクターたちが手術室に戻ったあと、しばらくは腹帯作りも手につかず、時計の針を目で追うだけの時間が過ぎた。

かと言って、それほどの不安はなく、GICUに戻ってきた夫に、最初に何て声をかけようかと、今思えば、のんきなことばかり考えていた。

1時近くなると、GICUの面会時間が近づいたせいか、待機室はにぎやかになってきた。

眉をひそめてボソボソと話す家族もあれば、久しぶりに再会したらしい親戚と、うれしそうに話している家族もいる。

居心地の悪さを感じながら、自分のコートの毛玉をハサミで切ったり、思い出したように腹帯作りを再開したりした。


いつの間にか、面会の人の波は途切れ、待機室は朝のような静けさに戻っていた。

そこに突然現れたのは、三女が赤ちゃんのときからお世話になっていた病院のU先生だった。

U先生は、ここの大学の出身だったので、三女の手術の日は応援に来るというのは知っていた。

「今、○○ちゃんの肝臓を摘出したところで、お父さんの肝臓の切除を待っているところです。


そう言い終わると、U先生はいつもの笑顔を残して、手術室へ戻っていった。

U先生の顔を見たときの安堵感は、旅先で親戚に会ったような感じだった。

不意に、待機室の横を通り過ぎる職員の声が聞こえてきた。


「きょう、移植やってるんだ・・・」

「あぁ、そうみたいだな」



(この日記は、2月の手術の回顧録です)






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006年04月09日 14時56分59秒
[胆道閉鎖の三女] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: