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「ほら手出して?」「うん……」 姉の指先に薬を塗ってやる。 男とは違う白くて華奢な指先に ちょこっと出来た赤いやけど「本当に大丈夫なのに……」「せっかく綺麗な指してるのに、痕になったら大変だろ?」 その台詞を聞いて姉は黙り込んでしまった。 薬を塗り終わり姉の顔を見ると真っ赤になっていた。 俺はまだ姉の手を持っている事に気付きぱっと離した。「ご、ごめん」「ううん。有り難う……」 姉はちょっと困ったような顔をして笑った。 まただ。最近の姉は俺が何かしてあげるとこんな顔をする。嬉しいのか何か悩んでいるのか複雑な表情だ。 そんな顔をされると俺も困ってしまう。 血は繋がっていないがずっと一緒に暮らしてきた。ホントの姉弟みたいなもんだ。姉の事は分かっているつもりでいた。 でも最近の姉は何を考えてるのか分からない時が有る。 知らない女の人みたいだ。 そんな時……。俺は姉にどう接していいのか分からなくなる。 気付かない振りをしなきゃいけないのか……。 ちゃんと話を聞かなきゃいけないのか……。 考えながら姉の顔を見つめる。 姉が不思議そうな顔をして見つめ返して来た。>>つづく
2006.11.20
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なんで!ロケット花火は宮内の方に入れたはずなのに!店員め!間違えたな! 姉はロケット花火が大好きだ。特に手に持ち俺にめがけて撃ってくるのが大好きだ。 ちくしょう!ドキドキして損した!結局姉は姉じゃないか!「に、庭だし近所迷惑だからロケット花火は止めとこうよ。な?」「うっふっふ♪さっすが健だねぇ。ちゃんと買って来てくれたんだぁ」 姉は俺の話なんか全然聞いちゃいなかった。 ライターでロケット花火に火をつけ……。 俺の方に向けた パン! ロケット花火は俺をめがけて飛んで来なかった。姉の手元で暴発したようだ。俺はちょっとほっとしたのだが……。「あつっ」 姉はロケット花火を放り出した。「火傷したのか!」「え?たいした事無いと思うけど」 俺は姉の言葉を聞かずに花火を持っていたのとは逆の手を握りしめ早足で歩き出した。「け、健?」 姉がビックリしたように俺の名前を呼ぶ。 そんな事はおかまい無しに俺はグイグイと姉をひっぱって行き、水道まで連れて来ると勢いよく水を出した。 姉の手を水に突っ込む。 突然の俺の行動に姉はビックリしているようだ。黙って従っている。 勢い良く流れる水で姉の手を冷やす。 薬も持って来た方がいいかな?確か救急箱に火傷の薬が有ったはずだ。「そのまま冷やしてろよ?今薬持って来るから」「薬なんて大げさだよ?ちょこっと赤くなってるだけだから」「いいから。言う事を聞きなさい」 まだ姉は何か言いたげだったが無視して俺は薬を取りに向かった。>>つづく
2006.11.12
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