2013年07月07日
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カテゴリ: NEWキネマPARADISE
whatsman@nnn

今日は久々に映画の話。

「桐島、部活やめるってよ」

シネマハスラーで高い評価を
受けていたので、
好事家HEDZ的には、
既にチェック済みか-(@D)
ってところかもしれんが、
オレとしては

DVDで嫁さんと鑑賞。

で、その感想。

まず思い出した。
ハッキリ言って、これしかねえ。

あの日の田中の涙。

マジで知るか、な話やろうが
これを書くしかねえ。

まずは田中について。

田中。

オレが通ってた高校の同級生にして、
野球部のキャプテン。


オレは別に野球に精通しているわけじゃないので
その実力の程はよう分からん。

身長が163くらいしかないので
プロに行くとか、
そういうレベルじゃないのは確かやろう。


オレの行ってた高校は
オレの地区では、一番の進学校。
まぁ所詮は田舎の高校なので、
そんな大したもんじゃないないが、
それでも、市内の勉強のできるヤツが集まるわけ。
文武両道みたいなこともあるが、
基本的には
進学校の野球部。
強いはずもねえ。

多分、同年代の野球部連中からしたら、
公式戦で対戦することになっても、
まず安泰、と思うようなレベルやったんやねえか。

野球部に知り合いが多かったわけじゃないが、
この田中とは2、3年と同じクラスで
それなりに仲は良かった。

身長が野球のスキルに直結するとは言わんが、
それでも上記の通り、163センチくらいの田中が
キャプテンに選出されたのは
そのひたむきさと人間性による部分が大きかったんやねえか、
と勝手に思っとる。

で、3年夏の甲子園予選。
最後の公式戦。
俺も一応、応援に行った。

相手はそこまでの名門でもなく、
たしかヤンキーが多いだけの高校で、
当時もそんな強いイメージはなかった。

が、結果は、ボロ負け。
大して強くない高校と戦ってボロ負け。

観に行った俺の感想としても、

あー、負けたか、
まぁ、そんなところやろ

って感じやった。

で、試合後、
帰りのバスに乗り込む野球部の中に
田中の姿があった。

「おー、田中、残念やったの-」

と声をかけようとして、やめた。
なぜか。


マジの号泣。

号泣と書いて、
ゴウナキと読ませるくらいの大泣き。

これを見た時のことを
今でも鮮明に覚えとる。

俺からしたら

弱小野球部で、別に甲子園を
目指して来たわけでもないだろうに、

って思いがあったから
まさかの号泣に一瞬たじろいだ。

が、そうじゃない。
田中はマジやった。

カリカリの坊主頭で
過ごした田中の三年間。
いろいろあった野球部の夏(@ZEE)。
甲子園とは縁のない野球部で
ひたすら泥にまみれた三年間を
勝手に想像した。
そりゃ、泣くよ。
号が付くくらい泣いて不思議がねえ。

そしてとにかく思った。

俺はここまで涙を流すほど
何かに打ち込んだことがねえ。

このことをひたすら思ったことを
今も覚えとる。

そして、嫉妬した。
俺もああいう涙をながすだけの
何かをしてみたい。

映画の話になるが、
別に俺が例の
イケてるグループみたいなのにいたわけでもない。
が、とりあえず、
シニカルに物事をみて、
クールを気取ってたし
目先の楽さを追いかけてた。

それって何か意味があるの?

みたいなことを劇中の
桐島の彼女が言ったりしてたが、
そういうスタンス。

この映画は、
田中の涙を見た
あの日の俺の気持ち
そのものやろう。

あの気持を忘れたわけじゃねえ。
今もたまに思う。

が、実際は、
今も、あの日の田中の涙を
俺は体験できてない。

大学に入った時のことを思い出す。
俺はあの日の田中の涙を求めて
体育会系の部活に入ろうと思ったりもしたが、
結局は、
サトルに誘われて
イケてる、と言われてるサ-クルに入った。
が、そこでも、俺は斜めに物を見て途中でやめた。

それなりに要領良くできる気がしてるし、
回りだけじゃなく、
俺の実力はこんなところやろ、
と、自分自身も冷めた目で見てきた。
そういうことに慣れてきた。

それをやって何の意味がある?

意味なんてねえ。
ただ好きだからやる。
それ以上も以下もない。
結局、それしかない。
熱い三流なら上等よ(@アカギ)

HIPHOPに関しては
そんな思いが強い。

来年40歳。

まだ田中の涙を味わってない。
今後も、あの涙はなかなか出らんやろう。

今回のこの映画を見て
何も思わない奴は、
田中タイプの奴か、
または何も考えて来なかった奴か。

とにもかくにもこの映画は
田中の涙を見たあの日の俺
という感想。

映画の解釈としては
桐島を出さないことによる効果、
学園カースト、
狭い価値観、社会での生活、
高校生ならでは友だちとの付き合い
とか、
いろんなことが語られてるので、
そのへんはネットでみてみれば分かるハズ。
わざわざ俺が書くことでもない。

とにもかくにも
最後のヒロキの涙が全て。


HIPHOPの視点から一つ。

俺の勝手な推測だが、
HIPHOPにやろうとする人間は
特にDJやダンスをやろうとする人間は、
基本的に
映画の中でいうところの
イケてるグループに属する奴らが多い。
個別には色いろあるのは知ってるから
決めつけるつもりはないが、
そういう連中は中身が薄いことが多い。

映画の中の、映画部の連中。
ああいう奴らに俺は好感を持つ。
あの辺の連中は濃い。

最近では、
HIPHOPの多極化が進み、
ああいう濃い連中が
リスナーに多いイメージもあるが、
昔ながらのスタイルな連中は
やっぱイケてる奴らっぽいイメージがある。

N9Nを聞いてくれるような人らは、
映画部のような連中と、
イケてるグループにいるけど、
何かしらを持ってるヤツら。
ただのハスラー気取りは
俺の音や言葉に興味はないハズ。
それでいい。
ギャングスタに用はない。

それと、
ちょっと書いたが、
HIPHOPが好きだから続ける。
ドラフトはねえのはしっとる。
それでも、面白いからやってる。
これでいい。

が、30歳くらいを境に、
どんどん人が消えていく。
現場に行けないのはよく分かる。
俺も行けてねえ。

が、だからと言って
やめる必要はない。
好きなら続けたらいい。

結果が出らんならやめる

それも一つかもしれん。
が、リリックを書く時、
ライブするとき、
DJをする時、
マジで面白かったハズ。
聞いてるだけでも面白かったハズ。

「それは…でも時々ね。
俺達が好きな映画と自分たちが撮ってる映画が
つながってるんだなぁと思って。
ほんとにたまになんだよ?
ほんとに。いや、それがこう、なんか…」

繋がってるハズ。
マイクを置くには、
レコードをしまうには
まだ早い。

今日はこのへんで。

ちなみに、
現在、田中は
母校で、野球部の監督(コーチかも)をしてる。
間違いない。

ピース。







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Last updated  2013年07月08日 00時42分39秒
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