北海道 0
四国地方 0
九州地方 0
商店街 0
全353件 (353件中 251-300件目)
たまたま酒場放浪記のHPを見たところ、巣鴨の以前から気になっていた酒場の放映予告が掲載されていました。毎週火曜日に翌週の予告が告知されるようで、これだけ眺めてわざわざ出向く人もそれほどは多くなかろう、番組を見て混み合う前に行っておきたいと思っていたところ、折よく最近登場の機会が増している上司T氏から誘われて軽く呑んで食事していこうと誘われたのでした。 この店のある路地はこのブログでも何軒かを報告していますが、駅前以外これといった呑み屋街のない巣鴨にあって10軒程が軒を並べていてまずまずの風情があることもあって、ちょくちょく立ち寄っていたのですが、今回目指す酒場は北海道料理の看板書きがあって、ぼくの懐具合ではいささかに心許ない。 そんなこんなでやって来たのは、「北海道料理 アラキ」です。カウンターに小上がり、奥には8名程度が囲める卓のある座敷もあって、そこではちょうど背広姿の中小企業のお偉いサンといった風貌の一群が今しも鍋に突撃寸前の様子でした。短冊の品書を見渡すわれわれですが単価の高さに早くも怯み気味です。長くお付き合いを続けるには低空飛行が重要と分かっていたもののさすがに高すぎたみたい。やむなく最低限の肴、お通しのゲソキュウリ、鰊の切込み、じゃがバタなどで誤魔化し誤魔化し呑むことになります。T氏の読みでは勘定はすでに5,000円を突破しているらしく、どう考えてもその半額と踏んだぼくは、長く会計マンを務めたとは思えぬ上司の勘違いを有効に利用。勘定を済ませて安ければ気分よく次の店に繋がるはず。上司は、店の方に聞こえるような声で高え高えを連呼していてこちらは気が気ではありませんでしたが、想定通りそこまでは高くなかったので案外機嫌良く店を出れたのでした。悪く書いちゃいましたが、味は良かったと思います。雰囲気も好みでした。もう少し安けりゃなあ。 久しく行ってなかったので「ときわ食堂 巣鴨店」に寄ってみることにしました。ピカピカでまるきり味のないお店ですがどうした訳か酒場好きにも好評なこのお店、この夜も食事だけの客に混じって、呑みの客もかなりお見掛けしました。上司は刺身定食で一杯、僕はアジフライで一杯、二杯いただきます。まだ呑み足りないですから。久々のこちらの料理、なかなか美味しい、アジフライもちょっと分けてもらった刺し身も切り身がでかく鮮度も良かったです。でもこの雰囲気で呑み続けるのは、全然気分が高揚せず、値段も案外しっかりしているのでそう長居する気分にはなれないのでした。
2015/02/12
コメント(0)
大塚のことを書くのは、正直もううんざりとしているのですが探せばまだまだ個性的な酒場があるものだからとりあえずは記録に留めることにしておきます。北口の呑み屋街の裏手の通りにも酒場が点々としています。ただメインの通りには、まっとうな居酒屋が多いのに対して、この裏通りには酒も肴もお座成りでありながらも、どこかより酒場らしいうらびれた雰囲気が漂うお店が多いようです。はっきり言えば夜の商売の女性と日雇い労働者の爺さんが半々といった客層となっているようで、それが一層侘びしさを掻き立ててきます。 「居酒屋 おおかわ」もそんなお店の一軒です。外見こそどこにでもありそうなごく一般的な居酒屋の風情ですが、店内に入ると一転してこの通りに馴染み深いムードに浸されます。店内の装飾は外観同様の取り立てて目立ったところなどないのですが、客層のもたらす一筋縄では行かぬ人生の悲哀をまとった様が店のムードを基調づけているかのようです。寒くないかとストーブをしきりと勧めてくるオバちゃんや若いわねえとわれわれーというのもこの夜はいつもの上司T氏が同行、この人もうじき60歳なんですけどねーに語り掛けるやはりオバちゃんなどなど4、5人のオバちゃんとこれは正反対にまったくの無口な爺さまがいるあたり、まさに界隈の典型的な酒場であると言えましょう。店主のオヤジは、ほぼ無口で黙々仕事をこなすばかりで客達には一切干渉しません。これはこちらのようなタイプの店でやっていくために身に着けた所作なのか、それとも持って生まれた性癖なのかは定かではありませんが、どちらでも構いません。でもこの夜のような状況で一人訪れて、オバちゃんたちに絡まれてしまってはおちおち呑んでるどころではなさそうです。うっかり酔っ払ってしまったら、意識が戻ってからギョッとすることになりそうです。ところて、値段はほどほどですが、味の方は悪くないというかなんだか結構旨い、どうってことないけど何故か美味しいのです。まあこの雰囲気がなければごくごく当たり障りない店に感じられたことでしょう。ああ、すっかり忘れていましたが、口煩いT氏もどうしたものか結構旨いを連呼してました。 続いては「秀吉 大塚店」に立ち寄ることにしました。財布が寂しい時にはしばしば利用するお店。スポンサーがいますが、長くお付き合いいただくには、安い酒場を織り交ぜるのが肝心。しっかりチケットを購入するとお得であることを吹き込んで、千円支払うと千百円分となるチケットを購入してもらうことに成功。無論これは使い切るつもり。天ぷらというよりフリッターに近い天ぷらをいくつか、他にも何品か注文したかな。特にどうも言うこともない肴でどれをつまんでみても、似たりよったりですが、まあ過不足はないといった程度。なのに注文にはやたらと迷ってしまうのは貧乏性ということか。2回目だか3回目のチケットを購入したはずてすが、記憶には定かではありません。翌朝財布を見るとチケットが千円近く残されていたのでした。 その後、「ヒーロー」と「ホープ軒」に立ち寄ったことは朧気に記憶してますが写真はないので以上で終了。
2015/02/06
コメント(0)
雑司が谷と書くと今では副都心線の雑司が谷駅を思い浮かべられることと思います。しかしこの夜は都電に揺られています。突然ですが池袋方面に縁のない方たちにとっては、雑司が谷って案外知られていないらしくて、霊園や鬼子母神のそばだと説明してもンと来ない人も多いのには意外の念を感じます。知ってるだけで行ったことのない人は、雑司が谷というと古い下町という印象があるようですが、実際に散策してみると雑司が谷界隈は、酒場とは縁薄い寂しい住宅街に過ぎません。 ともあれ荒川線の鬼子母神電停にて下車。目指すべきお店は決まっていますが、踏切待ちをしていると見覚えのない店ができていました。よくよく眺めると立ち呑みとあります。これは見逃すわけには行きません。「武蔵」というお店のようです。引き戸を開けると期待したわけではありませんが、真新しくてどうという事もない造りです。手前の小さなテーブルこそ椅子が用意されていますが、カウンターはちゃんと立ち呑みを貫いているのが立派な心がけです。どうやらここは日中は立ち食いそばをやっていて夜はその二毛作で立ち呑みをしているようです。最近この手のスタイルが多くなってきたのは歓迎すべきことです。入ってすぐの食券機で酒と肴ともに350円のチケットを購入します。うっかりミスして飲み物を二枚買ってしまったので覚悟を決めておつまみ券を買い足します。立ち呑みにしてはちょっと高いので一杯一品にすると、瞬時に判断したわけですが、指先は瞬間的な思考についていけなかったようです。先客は三名、すでに出来上がっていて陽気にお喋りしています。8時すぎになるとこの通りはほとんど人通りがなくなるのでここで客が入っていたのにはちょっと驚きました。ハイボールはギネス用のタンブラーみたいにムックリ膨れていて、やはりワンパイントほどあるんでしょうか、そこそこ呑みがいがあります。肴はカキフライ、やや油が重いものの身はふっくらジューシーでとてもうまかったです。夜に店のないこの辺りにとって貴重な酒場ですが若い店主がちょっと暗い雰囲気なのが気になりました。 さて、本当は鬼子母神そばのお気に入りに行きたいところですが、この時間ではあの絶品もつ焼も品切が多いでしょうから止めておくことにしました。それで何となく歩いていると池袋駅近くまで来ていました。それならもう何年も行っていない「大衆酒蔵 バッカス」にでも行ってみることにしようかな。ここは月曜と金曜には酒がお得なはずです。地下へ続く階段を降り、入った店内は記憶通り、以前とちっとも変わりありません。テーブル席が効率よく設定されている店の様子はいかにも大衆的で嫌いではありませんが、独りだとカウンター席がないのがやや残念なところ。お通しの春雨サラダはこれぞ定番という感じで、昔はこれを見るとウンザリした気分になったものですが、今では案外おいしいと感じられるのでした。雰囲気通りの客層でほぼサラリーマンのみですが入りがあまり良くないのがちょっと心配です。特にどうこう言うような店ではありませんが、こういうサラリーマンたちが毎夜上司の愚痴を語ってみたり、年長者が偉そうに説教や訓示を垂れているのを聞けるような環境がずっと残ってほしいものですー実はオヤジたちの説教臭いのを突っ込み入れつつ聞くのが案外好きなのでしたー。
2015/01/23
コメント(0)
大塚の駅前は、北口と南口ではかなり表情は違って見えますが、いずれも庶民向けの酒場に混じって毎夜通うにはとてもじゃないが懐が持たないような高級店もあって、それが外観からはそうと解らぬようなどうということもない店構えだったりするので、初めての酒場に飛び込むのはそれなりの気合が要求されます。そんな時に参考にするのが貼り紙ということも多くて、大塚の北口にもまた眩暈で立ちくらむほどの多種多様な貼り紙を見て取れます。そんな貼り紙に誘われるように1軒の酒場に吸い込まれてしまうのでした。 その酒場の貼り紙には、鳥の唐揚げ無料という内容と焼酎半額セールというものでした。これが真実であったなら随分安くなるではないかと、これまで幾度となく引っかかった罠に、またもや飽きもせず引っ掛かっていたのでした。「鳥超」というのが店の屋号。店に入ればわかるのですが、九州各地の料理を提供するお店。地下ということもあり変形の造りです。かつてはスナックだったのではなかろうか。ところで店内には割引らしき掲示はまるでなく、やむなくとり天ぷらをオーダー、これが凄まじい。旨いとか不味いとかいう以前に、とてもじゃないが噛み切れない揚げ具合なのでした。とりわけ添えられた春菊や舞茸、かき揚げの食感は痛すぎる、まるでカニを殻ごと食べたかのように固くて口腔内が激しく傷めつけられるのでした。それにくべると鶏はペラペラで味は全くしないものの固くはなく噛み切れる程度なのには救われます。やっとこすべてを嚥下する頃には、油のせいか非常に不快なムカムカ感に晒されますが、血の味のする口の中よりは状態は良さそうです。で忘れた頃に割引はどちらか一方適用となるとのこと。焼酎半額を頼みます。今更鳥の唐揚げを頼んでこれ以上口腔環境を悪化させたくないですから。不幸中の幸いでした。疑いが拭えぬままにレシートをチェックするとちゃんと値引きされてましたが、もともとの値段が強気だからなあ全然お得に思えないのでした。 当然ながら気分は全くの不完全燃焼。もう少しうろついてみることにしました。すぐにまだ入ったことのなかった居酒屋を見つけることができたのですが、店の前でしばし躊躇しました。というのも店の出すムードが カフェのようだったからです。洒落た外観のお店というのは、どんなにボロかったり不気味だったりする店より 敷居が高く感じられます。でもそういう店が珍しくも滿目に留まった以上は、何かの縁があったものとお邪魔しておくことに決めました。「大衆炭火酒場 やっとこ」と屋号は至って気さくです。テーブル席はカフェっぽくてどうにも馴染めませんが、カウンターはおっさん独り呑み客たちのみです。これならまあいいかとようやくホッとします。両隣は常連らしく店の礼儀正しい若者たちになんだか偉ぶって話し掛けるのは気に入りませんが、酒が入ってるからしょうがないか。一方は一人鍋をしていて、その量がすごい。最初はこの量さえ気にする風もなく果敢に摂取に励んでいたのですがそれも長くは続きません。といった様子を眺めながら呑むのですが、どうもあまり気勢が上がらない。上品すぎて活気がないからでしょうか。肴も悪くないし、何より店員さんの応対がいいのに残念です。最近多く見受けられますが便所のアメニティが充実してます。思わずめん棒を席に持ち帰って、呑みながら耳をほじったりしたのでありました。―うっかりしてましたが、2年前にも一度お邪魔していたようです。
2015/01/14
コメント(0)
都営荒川線の沿線でT氏と呑むといつも最後には、せっかくだから庚申塚に行くことに落ち着いてしまいます。T氏は王子で乗り換えるのが便利だし、ぼくも大塚で乗り換えることができるからてす。で、なんで庚申塚で下車するかといえばまあ何度となく書いてきたことの繰り返しになりますが、「庚申酒場」に立ち寄るからなのであります。到着した頃には、われわれはすでにいい具合に酔っ払っていて、それもこれも近頃しばらく休んでいた 「庚申酒場」の開店時間がますます遅くなり、どこかで呑んで行かざるを得ないのでした。店の前に立つと明かりが漏れ出ているので、やってるかと思いきや戸が開かず、声を掛けると休みだよとの答え。 やむなく近くにあった「酒処 大和家」という店に立ち寄ることにしたのでした。なんの変哲もないどこにでもありそうな居酒屋さんですが、酒場過疎地のこの界隈にあっては近隣の方にとっても貴重な憩いの場となっているらしくそこそこのお客さんが入っています。ぼくの印象だと周辺は高齢者率が高いように思われるのですが、こちらの客たちもやはり老人の姿が目立っています。酒も肴もごくごくオーソドックスで特筆することもなさそう、それでもいつも 「庚申酒場」に立ち寄る際に開店を待つのに難渋したことを考えると今後の時間潰しする酒場の候補にしてもよさそうです。ちなみにT氏は、この酒場に立ち寄ったことどころか、荒川線に揺られたことすら記憶にはなかったようです。そんな酔っ払いの辿り着く先は、さすがに気の毒でここに記すのは憚られるのでした。
2015/01/06
コメント(0)
巣鴨は刺抜き地蔵で知られる老人には人気の町、老人たちは眠れぬ夜を過ごす方が多いと聞きますが、どうしても夜が早くなるのは致し方ないところです。そのせいもあってか、夜になると人気はパッタリ途絶え、市場に向かう途中にある呑み屋街こそそれなりの活況ぶりを呈しているものの、千石方面の呑み屋街は風俗店の呼び込みばかりが目に付き、呑み屋さんは客が入ってるんだかどうもよく分からん。盲点だったのが、刺抜き地蔵通りを無視してひたすら線路に沿って歩くとやがて現れる呑み屋が何軒か。 その一軒が「定食居酒屋 きたや」です。取り立ててどうということのないお店ではありますが、巣鴨で初めての店となるとやはりわくわくするのを抑えられません。食堂と居酒屋の中間領域らしき定食居酒屋なんていうものを店名に冠していますが、こういう曖昧さで食事だけでも大丈夫と訴えるのはむしろ逆効果でしかないように思われます。どうあれ、食事をしたい人は居酒屋でも気にすることもなく食べるでしょうし、呑みたい人は夜昼関係なく食堂呑みに興じることでしょう。町の定食屋風の開放的なものを期待しましたが、実際のところは大衆割烹風の極めてオーソドックスな呑み屋さんです。独りぼっちのカウンターは、落ち着かずお尻がムズムズしますがせいぜい楽しまないともったいない。肴は丁寧に調理されていることが感じられ、良いのではないでしょうか。柔和な表情を浮かべる店主も感じがよく、思い出したらまたお邪魔してもいいかも。
2014/12/20
コメント(0)
タイトルにある悪くないっていう言い方、他人が口にするのを聞くとなんだかとても偉そうで不愉快になるのですが、今こうしてワープロソフトで文章を書いていて、「わ」を打った途端に勝手に「悪くない」と変換されるのを見ると我が事ながら恥ずべき日本語能力であると不快な気分になるのでした。そんなことはまあどうでもいいことで、とある夜、独り虚しく池袋の町をほっつき歩いていたのでした。 久しぶりに東口ではかろうじて戦後の佇まいを残す横丁を歩いて、なんとか虚しさでぽっかり空いた穴を埋めようと歩いてみます。どこも気乗りしません。横丁を抜けると見たことのない明るい店がガラス戸越しに一人の客もいないのはあからさまにしています。「梟小路」―これはよいセンスのネーミングです、いけふくろうに掛けているのですね。ホントの袋小路でないのが惜しい!―という蕎麦屋さんで、蕎麦などまだいらない腹具合ですが、明るいのに空虚なムードがこの夜の気分に合ってるなあと憂鬱な割には脳天気に店を決めてしまいました。蕎麦屋と言えども夜は酒場メニューも充実。おつまみ盛合せが500円とあります。こういうおトクそうなメニューがあると中身がなんだろうがつい頼んでしまいます。この晩は揚げたての揚げなす、温かい枝豆(レンジでチンかも)、もつ煮込(これもレンジでチン?)と十分すぎるほどに贅沢なものでした。味も良いなあ。時折独り客が訪れますが、みなそばを啜ると早々に帰っていきます。若い客が多いのはバイトの休憩がてらの腹つなぎのように見えます。こうして観察しながらのんびり過ごすと自分の小さなもやもやなど容易に消え去ります。 やけに立派な駐輪場になってしまった南口公園のそばの「ちょい飲 呑禅」が、知らぬ間に「Bar De Rico(バルデリコ)」になっています。東池袋駅に直結する巨大ビルの地下にオープンして以降、サンシャイン通りの裏などにも店を構え、最近はヤマダ電機の本店に近い飲食街の「ちょい飲 呑禅」も当の店になっていることを見ると人気の程が窺えると同時に、ここは洋風のバルを気取っているけれどもしかしたら池袋にその本拠地を置く例の居酒屋の系列ではあるまいかという懸念が芽生えます。だとすればそれはそれで間違いなく安価な店に違いない。もったいぶってしまいましたが、ここはやはり「清龍」の系列なのでした。この南口公園に近い店はやはりオープンしたばかりのようです。イベントに赤、白のワインにスパークリングワインも一杯200円と嬉しいサービスをしてくれているではないですか。一度位入ってみたいと思っていたので、この機会を逃すわけにはいかぬのです。さすがに素早く転身を遂げただけあって、造りは前とさほど変わりません。ちょっと窮屈すぎるカウンターに腰を掛けて早速スパークリングワインをオーダーします。店の人たちもなんとなく見た顔が混じっているようで、以前串焼きを焼いていたような人たちが、ピザを調理しているのにはちょっと滑稽さを感じます。真鯛のカルパッチョはそれらしく彩りに掛けただけに見えたバジルソースが案外効いていて、いずれ「清龍」でも出される予感。向かいの「サイゼリア」に太刀打ちできるかが見ものです。オシャレっぽくてこの夜こそ若い女性客が多いもののその実態は「清龍」ですからね。
2014/12/12
コメント(0)
書くべきか書かずにおくべきかひとしきり迷った末にやはり記録のために残しておくことを決心しました。何を物体つけているかといえば、今回お邪魔した池袋の二軒のお店は居酒屋ではないからということはもちろんのこと、日頃はケチ臭い注文ばかりなのにこの夜ばかりは麺類とは言え2人前を平らげていて、大食漢であると思われかねないー実際キッチリ完食したわけなので、やはり結構な食いしん坊ではありますーのが恥ずかしかったからです。こんなにも強烈な飢餓感に見舞われることなど滅多にないとお断りしておいてから、本編に進むことにします。 一軒目はかつて生活雑貨を手広く扱って重宝されたキンカ堂のそば、パチスロだかパチンコ店のフロアーの角に気付かぬうちにオープンしていて、何度か通りがかつてはいつも盛況なのでいずれ来ようと思っていたお店からスタートです。「嵯峨谷 池袋店」と食べログにあったのでどこぞやにも支店があるみたいです。それを知っていたらチェーン店なんてと行かず嫌いになっていたやもしれません。同僚とともに尋ねたのですが表から眺める運の良いことに数席開いているのが見て取れました。では入ることにしようと券売機でもりそばの食券を買うと嬉しいことに生ビールもありました。しかも値段が100円だか200円だか記憶は定かでないもののお手頃だったはずです。カウンターだけの店内奥の席について、生ビールをチビチビ呑みつつそばを待ちます。大盛りにしとけばよかったなどとちょっとしまったなと思いはするものの、初めての店でそのオーダーは愚かしいと思い直します。でも出されたそばはチェーンとは思えぬレベルの高さです。香りが素晴らしいだの喉越しが秀逸だのと言ってみても始まらないのでただ旨かったとだけ語っておきます。この夜はいきなりそばをすすってしまいましたが、次に来るときはきっと呑みの〆として利用することになりそうです。 先だって来た際には改装中で入れなかった「開楽 本店」に来てしまいました。このグリーン大通りの裏手の細い路地は闇市時代をかろうじて彷彿させる雰囲気が残されていて、池袋にしては味のある小路です。飲食店もあるにはあるのですが、それなりの雰囲気があるのは「バッカス」くらいのもので、それも看板では創業昭和××年とか書かれていますが、店内は至ってオーソドックスなもので、もう十年近く入っていないはずです。この十年ばかりで味わいが増すとも思えず敬遠していましたが、こう書いているうちににわかに入ってみたくなってきました。ドリンクがお得な月曜にでも向いてみることにしましょう。って本題から離れてしまいましたが、「開楽 本店」に話を戻すことにします。すっかり綺麗になってしまったこのお店に初めて訪れたのは新潟に住んでいた20年近く昔のことだったはずです。文芸坐だかシネマセレサだかACT-SEIGEI THEATERだったか今では記憶が定かではありませんが、何軒かの映画館をハシゴして、これは記憶が鮮明な池袋日勝文化で森崎東のオールナイトが始まるまでの合間に立ち寄ったはずです。老垢じみたすえた臭気の充満する老人だらけの小屋とともにこの店のことは思い出されます。その池袋日勝文化は、今はなく、この中華料理店も幾度かの改装を繰り返し全く当時の面影は止めていません。写真にはあんかけラーメンらしきものが写っていますが、ここの名物はジャンボ餃子です。どういう配慮からそうするのか、ラーメンを食べ終える頃を見計らったように届けられたそれに食らいつく瞬間だけは、ビールが大好きだった当時のことがふいに脳裏に浮上してくるのでした。
2014/11/13
コメント(0)
駒込に住む知人から最近あんたの好きな歴史ある大衆食堂の新店舗ができたとの情報を入手したので、早速出向くことにしました。 その大衆食堂は、みなさんよくご存知の「ときわ食堂」で、開店したばかりというだけあって真新しい看板が掲げられ、そこには「巣鴨 ときわ食堂 駒込店」とあったように記憶します。巣鴨の店は、町屋、浅草のお店とともに大衆食堂好きのみならず、居酒屋好きの人たちにもよく知られており、地蔵通り商店街に2店舗を構えるほどの人気店となっています。駒込にあるのに看板に巣鴨を冠するということは、その人気にあやかろうという狙いがあからさまですが、けして巣鴨の店が気に入っているわけではないぼくのようなへそ曲がりの客にとっては逆効果でしかありません。ともあれ店に入ってみることにします。しょうがないこととはいえ、店には味わいもへったくれもなく、とりあえず空いていた席に着きます。この時点で実のところ、もうゲンナリしてしまうほどに混み合っていて、その客層は多種多様で、サラリーマンのグループを中心に、主婦の二人連れや学生たちの姿もチラホラしています。ほとんどの人たちは、ここを居酒屋と認識しているようで、大変に騒がしい。とりわけ喧しい集団は、若者たちではなく背広姿のオヤジたち、それに準じるのが仲良しオバサングループと、とても日頃、近頃の若い連中と来たらなんてことを抜かしてる人たちとは考えたくありません。それにしてもどうしてここまで盛況なのか、確かに駒込は居酒屋が足りていないにしても、それにしたってそれなりにいい酒場もあるんだけどな。ときわ食堂系列では巣鴨を冠する3軒は、品数も多い方ではないし、価格もあまりリーズナブルとは思われず、これなら同じ駒込のアザレア通りにあるもう1軒のおばちゃんがややおっかない「ときわ食堂」もしくは道灌山まで歩いて昔ながらの風情が楽しい「ときわ食堂」をぼくは好むのでした。 ちょっと不満が残ったのでほぼ斜向かいにある「五妹包(ゴマイホー)」なる本場風の中華居酒屋にお邪魔しました。それにしても本場風のインド料理店とともにすごい勢いで増殖していて、居酒屋や喫茶店もないような土地にでもどちらかは必ずあってしかも値段も手頃と、このままでは日本の居酒屋は淘汰されるしかないなと暗澹たる思いに暮れることもある訳ですが、時々、劣悪なうま味調味料をこれでもかとふんだんに投入した中華が恋しくなるのでした。そんなこともあってもやしの担担風とかいうのを貰うと、これがまた大変な量で、きっと肉のハナマサなんかにおいてある1キロ入りの特大もやしを使っているに違いないのですが、それでも通常のひと袋分ほど使われているのではなかろうか。途中、突き出しの揚ピーナツを砕いて振り掛けてみたらこれがなかなか相性がよろしくて最後まで楽しんで頂いてしまったのでした。「ときわ食堂」さんもうかうかしてると負けちゃうかも。―実は、アップロード時に写真を確認したらぜんぜん違う店と気付きました。こちらは駅前ロータリーにある中華居酒屋の方でした。安さという面ではこちらのほうが一枚上手。味はともかく安く呑むのには重宝します。
2014/11/07
コメント(0)
突如思い立って池袋駅を目指します。いつでも池袋では呑めるのですがなかなかその気にならなりません。そうまでして来たくなったのはちゃんと理由があって、50歳にて酒デビューのオッサンがもっぱら立ち寄り先としているのが、高田馬場と池袋。普段行きつけの酒場を尋ねると、いろいろ言いたくなってしまったらしいのですね。馬場で呑むなら、××だろう。ブクロは、○○に行かんでどうするんだよ、なんて感じで講釈をたれた一軒が池袋、というか雑司ヶ谷のもつ焼の店なのでした。そう言ってから無性に気になるそのお店のこと、このブログでも何度か登場していますが、思い出したように足を運びたくなる一軒なのでした。 ご記憶の方もおられるでしょうが、そう「高松屋」のことです。明治通りを目白方面にひたすら歩いていくとやがて鬼子母神商店街の鳥居があるのでそれをくぐるとすぐに赤提灯が見えてきます。早くも店は常連で賑わっています。久々なのでその顔ぶれにも変化があるようです。ここはネットにもそれなりに情報が出ているのですが、概して評判がいまひとつよろしくない。というのも常連への気安い雰囲気と違ってはじめての客に対しては扱いがぞんざいであると云うのがその理由のようです。ところがぼくはそんな嫌な目には一度もあったことはありません。たしなみ良く店の様子を観察しながらゆっくり呑んで店の流儀を心得さえすれば客も店の方も不快になることなどないはずです。かつては7本でもいけていたここのもつ焼も、年を取って1本減り1本減りして今では、4本でお腹いっぱい。一気に食べることなどとても出来ないほど大振りなので、串から抜いていると、一欠片弾け飛んでしまいました。入口の特等席に着くおばちゃまたちからあらあ大変、でもシャツにびちゃっとならなくて良かったわねえ、初めてお越しなの、と矢継ぎ早のご質問。帰りにはまた来てねとお見送りされました。言われずともきますけど、この一言は嬉しいですね。 明治通りにいつの間にか新しい居酒屋がオープンしています。「ろばた焼 二豊」です。かつてはラーメン屋さんでそれがいつの間にか夜はカラオケもある呑み屋さんとなり、それが気が付くと居酒屋になってつい先頃開店したばかりのようです。大分の酒と肴をメインにしたいかにもな居酒屋さんで、ちょうど折りよく開店サービスで呑み物が普段より安くいただけるようです。ちょっと高級路線に見受けられたのでこの機会を逃しては行かずじまいということにもなりそうです。もともとがさほど広い店ではなかったので、カウンターが大きいのは独り客としては気兼ねがありません。炉端焼というのがカウンターを挟んで店の人とコミュニケートするというスタイルなのでそれは自然な選択だったのかもしれません。りゅうきゅうとかいうアジとかサバなんかを漬けにした大分では定番らしき肴を摘みながら、まだ不慣れな従業員たちの奮闘ぶりを眺めます。客たちもオープンしたての店の雰囲気を楽しんでいるようで、出足はまずまずのようです。ぼく個人としてはやはり想定したよりも高めだったので余程のことがなければまたの利用はなさそうですが、今でもそこそこお客さんが入っていたので健闘はしておられるようです。池袋の駅からはちょっと外れにあるので立地的には分が悪そうですが、長く続くことを期待します。
2014/10/24
コメント(0)
東長崎については、ほんのひと時ではありますがハマって通ったこともあり、その際も書いたと思いますが中華料理屋、そば屋、食堂の豊富さに比して酒場の数が圧倒的に不足しているということで、今になって思うと、ここ東長崎ではどうした経緯からそうなったのかは想像するしかありませんが、そうした飲食店がそのまま酒場になっているものと考えるのが良さそうです。ここでは酒は酒場で呑むものだなんていう自説を押し通そうなんてことは考えないほうが良いのかもしれません。そんなエゴをあくまで守ろうとするならこの町には来てもらわなくて構わないと言われているようでもあります。 そんなこだわりなどまるでない、と言うよりはかなり好みであるぼくは迷うことなく駅前からすぐのチェーンのラーメン店のようでありながら、そのくたびれた造作のいちいちが興味深い「中華 一しん」のぐるりと囲むように設けられたカウンターの一席に収まるのでした。出される料理はチェーンのものとさほど変わらないのでしょうけど、なぜだか一味違って感じられるのが、こうしたなんでもないけどどこか懐かしさを感じさせる店の取り柄といえるでしょうか。もう二度と行くことはないかもしれませんが、不思議と印象に残りました。
2014/10/11
コメント(0)
副都心とか呼ばれもする池袋から有楽町線でわずかに二駅目のえきであるにもかかわらず、千川駅は酔客の気分をガクンと萎えさせるに違いない町なのでした。夜、駅の出口を出ると大きなスーパーマーケットがある以外には、商店どころか人の姿さえあまり見られぬ暗闇が広がっています。 そんな町のわずかに残された商店、しかも飲食店はさらに限られ、さらに営業しているのは古さに風格さえ感じさせる「博雅」です。数少ない店がこの店でよかったと一安心で暖簾をくぐりました。長テーブルが数列並ぶ店内は、4人掛けテーブルが芸なく並ぶばかりの店が多い中、かつて繁盛していた頃の回転を高めるための工夫の名残りをみるようです。この日の入りは悪く、この時間帯が掻き入れ時なはずなのにと不安を感じずにはおられません。数少ない客の視線はみな入り口に向けられ、対話相手は天井から下がるテレビというのもこういうお店らしくって嫌いじゃありません。値段も味もそこそこなんじゃないかと思われますが、我が家のそばにこういう渋い店がないことを思えば羨ましく思われます。品書:ビール中:550,酒1合:500,ウーロンハイ:400,餃子:400,シュウマイ/オムレツ:450,ラーメン:420
2014/10/10
コメント(0)
ひどい豪雨が降り出して、歩くのにも難渋するほどなので、最寄りの駅になんとか辿り着いてもぐしょ濡れになるのは避けられそうもありません。面倒なのでいつか持ち駒ー行きたい酒場ーがなくなったらお邪魔しようと思っていた日本中の町という町を席巻している現地風中華料理店にお邪魔することにしたのでした。 「中華料理 宴客 駒込店」です。ここも歩いてみると豪雨の際にはしっかりと濡れそぼる程度の距離はあった訳ですがなんとかそれほどの被害もなく辿りつけました。こうした店のセットメニューは気を付けねばならぬの原則ーお得なセットと迂闊に注文してみたら実は単品で注文したほうがお得であったーを冷静に遵守、もやしの坦々風、豚足とサワー。以外やこれがうんざりするほどに食べごたえがあって、前者は180円、後者は260円くらいだったと思いますが、2、3人でシェアしてもちょうどいいくらいのボリューム。つい余計に呑みすぎてしまいました。素材の安全性への懸念は相変わらずですが、ぼくらのような昭和生まれにとって多少の添加物ーそれで済まぬようではありますがーやらは、気に掛けても手遅れと感じられるのでした。 店を出ると雨は一向に降り止む気配を見せずむしろ激しくなってしまったようです。以前から一度は行こう行こうと思いながらどうしても抵抗があって足を向けられなかったとあるお店に伺うことにしたのでした。何故行くことに躊躇っていたかといえば、いつも言ってることの繰り返しになって恐縮なのですが、そこがチェーンのお店だったからです。この豪雨が幸いしてようやくお邪魔することに自分なりの理由付けができたようです。駒込駅北口改札を出て、徒歩三十秒という絶好の立地にある「養老乃瀧 駒込店」です。席に着いてーカウンターもありますがここは相席必至の島テーブルにするべきでしょうー、それにしてもここの店内は純喫茶のムードを味わうに似た失われゆくものたちを愛おしむ視線が換気させる点で似たものを感じます。酒を注文するとすぐさま届くのが怪しげなお通し。かつては嫌で嫌で仕方なかったこの得体のしれぬシロモノが不思議に嬉しく感じられます。白滝にタラコを和えたものと梅の汁に漬けられた風の竹輪とキュウリの和え物。けしてうまくはありませんがまずくもないのは歳のせいではなさそうです。こちらはまぐろブツをはじめ300円の肴が日替わりで充実しています。チェーン店とはいえここのチェーンは「餃子の王将」のように店長の独自の品揃えや価格設定が認められているらしくー実際、店舗によってかなりの程度に肴のレベルに開きがあり、値段も養老ビール以外は差異がありそうですー、赤地に黒枠、墨文字の昔ながらの店舗を見ると心が揺るぎます。中国人らしきフロアー係の女のコ?がオーダーを読み上げると、店長らしきオッチャンがマイクを通して復唱するスピーカーからの音声に久しく触れていなかったためすっかり記憶からこぼれ落ちていた断片を取り戻すことが出来ました。今ではインターホンでこっそりと客の耳に届くことなく、そっと伝えられてしまうそうしたやり取りが店内に響き渡るのは愉快です。しかもそのオッチャンの声がたまらない味わいがあるのです。これを聞くためだけにも訪れて損はないとまで言い切りたくもなります。ところでこの店舗だけではなさそうですが、バクハイなんてものがあって、要は生ビールとウイスキーのカクテルなのですが、追加用火薬というホッピーでいうところの中が税込76円とお得なのです。他にもマッコリや山崎プレミアム、ジムビームブラックなどがあって財布に応じて楽しめます。ぼくは当然一番安いの。まだまだ語っておきたいことはありますが長くなったので今回はこれまでにしておきます。
2014/09/30
コメント(0)
気乗りしたわけではありませんが、上司のT氏に飯をくおうと誘われたので、池袋に下車しました。上司の脳裏にはラーメンが浮かんでいたらしく、好きなところでいいぞというので、かつて文芸坐で映画を見る前、懐に余裕があると立ち寄った「みんみん」に向かいましたがどういう訳か見当たらない。閉店したのか? やむなく「開楽 本店」に行くことにしたのですが、なんとこちらも改装中とのこと。こちらは10年くらい前にも改装していたはずですそんなに古びてなかったのに。何たることだ。 池袋からまたもや古い店が消えてしまいやけになって入ったのは一応以前から目を付けていた池袋駅東口の島地にある「135酒場 池袋店」です。この愛想のかけらもなく、ウィットがあるとでも思ったのか、なんだかよくわからん店名にげんなりする店に一人で来なかったのは正解でした。というのもキャバレー風の電飾が足元に伸びる階段を上った先には、広くテーブル席ばかりで独り客などいはしません。食事目当てなのでまあ構いやしませんが、思った以上に無造作な店内に池袋から和風中華料理店が姿を消してしまったのと時ほぼ同じくして、続々勢力を増す現地風の中華料理店の営業を感じずにはおられません。主に100、300、500円刻みで設定された料理の味は値段相応。ボリュームはかなりのもの、材料は大丈夫かと思うほど。店の方は中国人らしいのですが、ちょっと待ってくださ~いと言ってもなかなかやって来ないのはまあしようがないか。 そんな呑むつもりはありませんでしたが、気が向いて西口に移動しました。「花海」という地下の店があったので入ってみることにしました。そんな酔ったつもりはないのになぜか記憶にはあまり残っていません。みせのふんいきはなかなか結構ですがいかんせん何を食べたか呑んだのか、あまり記憶にありません。間違いなく先ほどの店の食べ過ぎが原因かと思われます。写真を見てもちょっといい雰囲気のようなので改めてお邪魔して報告できればと思いはするもののいつの事になるのやら。
2014/09/25
コメント(0)
今朝、立ちながらもうつらうつらと山手線に揺られながら車窓を眺めていたら、以前立ち呑み屋で閉店後はしばらくそのまま放置されていた店舗がなんだかけばけばしい装いでオープンしているのを見かけたので帰りがけによる店はこの時点で決まってしまいました。 その晩向かうべき酒場が明確になっていると仕事を終えると脇目も振らず一目散に酒場に向かうことができます。行き先も決まらずグズグズすることもままあるので非常に効率がいいです。北口の島地に以前は立ち呑み屋がありました。「まるさん」とか言いましたか。最近のことなのでしょうか、「炭火焼 ヒーロー」というド派手な看板を冠する新しい店が入っていました。店先にも屋台風にテーブルが置かれています。今度も立ち呑みと思っていましたが店内のカウンターにも椅子があります。品書きを眺めるとサテや羊肉などのインド風というかトルコ風というか、ちょっと変わり種の串焼やなぜかさつま揚げはタイ風だったりと大雑把に括ってしまうとエスニックな品があるのがうれしいところ。たまにはスパイシーなのもよかろうとこれらを注文。この3品以外はごくありふれているのも謎です。店の男女も東南アジアの方らしく、もう少し変わった肴を充実させても良さそうです。味はそこそこという程度ですが、手軽にエスニックをいただけるのはうれしいこと。ただ気をつけたほうがいいのはホッピー、席につくと何も考えずに生ビールというのがかつては定番でしたが、近頃はホッピーでスタートする方も多いようです。こちらのセット、なんと650円、しかも中が300円とサワーが300円なのを考えると破格なんじゃないでしょうか。それでも呑みたいというホッピー好き以外にはお勧めできません。それとも中がジョッキもしくはグラスの縁まで溢れんばかりなのでしょうか。 大塚駅北口は古い酒場は少ないと南口の店主たちも口々に語りますが、そんな中で、1軒古ぼけた居酒屋があることには気付いていました。ただどうも居酒屋を標榜しつつその実はスナックに違いないというオーラが漂っていて及び腰になっていたのでした。「酒処 香里」という女性の名を店名としているのもスナックっぽいのでした。アジア系の女性がママさんのようです。品書きを眺めると酒も肴も大抵が500円前後とスナックと居酒屋の中間くらいの価格帯です。ふと気になり財布を覗くとなんと千円とちょっとだけ小銭が入っているだけ。酸味が効いていて量も多く、アルコールも濃いレモンサワーが美味しく、ほとんど空いてしまっています。壁を見るとゆで卵があるようです。ゆで卵100円也を申し訳程度に注文したところで却って心象は悪くなったことでしょう。ところで落ち着いて考えてみれば、この界隈はピンサロを中心としたビンボー人向け風俗のメッカでもあります。もしかしたらママさんはぼくのこと、ピンサロ順番待ちの兄ちゃんと思ってるんじゃないだろうな、いやきっと思ってるに違いない。まあそう思われたんならばそれでも構わないんだけど、でも違います、ぼくは単に自分の財布にいくら入ってるかも知らぬ愚かもんなだけなのです。
2014/09/19
コメント(0)
駒込っていう町は、職場や自宅が近いとか、せいぜい通勤経路にあるとかしない限りは、普通は敢えて電車に乗ってまで出向くことはないと思いますが、ぼくの場合は通勤経路という条件下にあったので、都心部としては一風独特な雰囲気のある町で、その独特さを具体的に語る準備は今はありませんが、少なくともちょくちょく立ち寄りたくなる程度には好きな町であることは間違いありません。ただそれほど多くの居酒屋があるわけでもなく、気に入った店はいつしか無くなっているので、このところご無沙汰していました。 特に目当てがあるわけでもなかったのですが山手線の車窓から「かぶら屋」が開店しているのが見えたり、そのお隣にカレー屋が出来ていたりと変化の兆しを直感して、まずは北口改札を出ると霜降商店街へと繋がる駅前商店街を歩きました。早速チェーン店らしいのですが新しい居酒屋も開店しています。一度商店街が途切れ何度かお邪魔したことのある「逆転クラブ」とかいう立ち呑み屋の隣に「ゆずの里」という店を見掛けました。以前からあったような気がしますがあまり記憶にありません。店先の品書きを見るとホッピーがセット380円、中が190円と思ったよりお得らしいので入ってみることにしました。カウンター8席だけの小さなお店を実直そうな物静かなご夫婦でやっています。たまたまなのでしょうか、ぼく以外のお客さん3組全てが夫婦者でした。この辺が駒込らしさの一因となっているのかもしれません。土佐の味を売りものとしています。定番の酒盗に、姫かつお、にろぎなんかもあります。珍しいのでにろぎをいただくことにしました。知ったような顔をして注文しましたが、実は名前には見覚えあるもののどんなシロモノなのかはとんと記憶にありません。出されたのはヒラメとかカレイみたいな形ながらそのサイズは親指の先ほどの小魚の干物でありました。最近テレビで見た記憶があります。とまあ、ご主人が目利きした魚介を中心に休みの夜の夕餉を夫婦揃って過ごすのに良いお店でした。 アザレア通りを歩いてみるとこちらにも変化の兆しが見られます。できてみて気付きますが、これまで駅のそばにスーパーマーケットがありませんでした。ところがマルエツが突如として出現したのでした。知らぬうちに駒込はおおきく変貌を遂げようとしているようです。久々に裏手の呑み屋街の「ひで」にお邪魔しました。まだ開店2週間とのこと。店主と長男と二人でやってます。お客さんはいません。店主はこの長屋の大家さんということで一室空きが出たまんまとなっていたので、発起して脱サラして居酒屋のオヤジに転身したとのこと。親子揃って柔和でおしゃべり好きなのでいずれ常連もつくことでしょう。さすがに肴は種類も少なく、もうちょっと売りになる品を増やしたほうが良さそうです。難を言っては申し訳ないのですが、値段が不明瞭なのが気になります。ぼくの計算ではこれだとポテサラが700円ということになってしまいます。この辺りも考慮してもらえると通いたいという気にもなるのですが。
2014/09/18
コメント(0)
このところ夏の陽気に当てられ、陽の高さにも後押しされて、調子に乗ってぼくの行動範囲から大きく逸脱して、遠征ばかりしてしまったのですが、急激に秋めいてきて気分も落ち着いた、いやむしろ沈み込んできたので、仕事を終えてからの遠出が突如としてかったるく思えてきたので、久しぶりに大塚で下車することにしたのでした。 南口商店街のさんもーるを歩いていると、ひと夏超えただけなのにすでに見知らぬ酒場があるのでした。まずは「かとバル」にお邪魔してみます。以前は蕎麦屋だったはずですがいつの間にやら洒落た感じのバルに転身しています。あまり立ち寄らぬタイプのお店ですが、大塚らしくないのとーもっとも最近は似たようなお店が増えていますがー、どうやら立ち呑みらしい気軽な感じが後押ししてくれました。奥にだけは二人分の椅子席があってニヤけたオッサンと若い女性がごきげんに呑んでいます。若い店主にワインを注文、小さめのワイングラスになみなみと注いでくれます。これで350円ならまあ許容範囲と安心して呑み出します。エビやホタテ、マッシュルームなんかのアヒージョがここのお勧めらしいのですが立ち呑みであまり摘むのは好きではないので、手軽にピクルスを頂きました。ここのピクルスは野菜に事前に火を通しているようで、酸味を抑えていて食べやすかったです。しばらくして常連が来ても店主は無駄口を叩くでもなく、カップルも秘密めいて、ひそひそ話をしているので盗み聞きもできぬので程々でお暇したのでした。 次の新規オープン店は「とと勝」です。以前ここにどんな店があったのかまるっきり思い出せないので、実は以前からあったのかも。店は案外広くて、手前のスペースはカウンターもあり、外から見えない奥のスペースは宴会ができるくらいに広いようです。カウンターの隅っこに腰掛けて、メニューをじっくりとチェック。高くなく、安くもない無難な価格設定。魚介料理が中心のようで、アレンジメニューもあります。ちょっと変わったトマトのバクダンとかいう品を頼むと、それはミニトマトをすり身で包んで揚げた薩摩揚げのようなものでした。アツアツなので齧り付くわけにもいかず、ちまちま齧っていると汁がピュっと弾け飛びます。最初は空いていた店内にもやがてそこそこ客が入ってきました。この店にとって今が勝負時なのだなあ、頑張ってください。
2014/09/10
コメント(0)
ぶらりぶらりと飽き飽きした街を歩いていても思いがけぬチャンスが転がっていることがあるものです。いずれは訪れたいと思いながらも、なぜだか触手が伸びない店というのがあるものです。池袋駅東口、オフィスビルが立ち並ぶ味気ないグリーン大通りにおいては燦然たる存在感を放つ渋い2軒があります。何もないところにポツンとある酒場となれば、それこそ僕の大好物なはず、そこには何か近寄ってはならぬという予感でも働いていたようです。普段なら間違いなくいつものように見てみぬふりをしていたところですがこの夜は、ちょっと状況が違っていました。 もったいぶっていますが、その一軒は、「もつ鍋帝王 池袋東口店」であります。恐らく池袋に3店舗、あくまても池袋にだけ店舗展開しているらしい「ニュー東京」の系列とか掲示されている不可解なお店で、南口公園そばのー公園は縮小?して駐輪場と化しましたー店舗には何度かお邪魔しています。そちらが本店のようです。さて、一体何がこれまでこの店を忌避していたぼくの背中を後押ししたのでしょうか。答えは簡単、店頭で女のコが焼鳥を焼いていて、1串が100円とお得であったのも強気にさせる要因ですが、なにより店先で焼鳥を販売するというのがなんか特別なイベントをしているようで、思わぬサービスを受けられるのではないかと期待したのでした。ふらふらと店に入ると、テーブル席がメインでそこそこに客も入っています。もっとわびしい感じを想像していたのでちょっと意外の念です。もつ鍋の店なのでもつ鍋を食べるべきでしょうが、そういうマナーは無視して焼鳥を注文します。まあまあのお味。酒や肴のお値段はそこそこですが、まあ初めての訪問としては悪くありません。なんといっても本店ほどではないものの往年の居酒屋らしいムードが横溢しておりそれが気持ちいい。便所の入口のウェスタン扉もいい味です。さて、お勘定です。思いがけない値段を言われギョッとしてレジから吐き出されるレシートをチラ見するとなんとお通しが500円とは。プロ仕様の無理すれば一口程度のポテトサラダがなんと500円とは。最小限に被害を留められて幸いでした。ちなみに店の女のコたちはアジア系の人たちがほとんどで、たまたまかもしれませんが、短いパンツ姿の従業員が目立ちます。ここの制服なのでしょうか。お色気作戦であるようです。 しからば、お隣でも店先でイベントしています。お隣は、バー「The Bar Gentle」というお店です。以前から気になってはいたもののあまり噂にも聞かず来そびれていました。店先のイベントとは500円でオリジナルカクテルを振る舞ってくれるというもの。ジンをベースになんとかのリキュールとグレープフルーツジュースを併せたものであるとこちらは日本人に違いないバーテンダー服をまとった可愛い娘さんが教えてくれます。店内でも召し上がれますよとのことなので、この娘さんとお喋りすることを選ぶかしばし躊躇しますが、店内にお邪魔してみることにしました。店内はぐっとシックで、想像以上に広いのでした。見掛けはなかなかのオーセンティックなバーとなっています。さて、500円のプラコップの甘いカクテルをストローでチューチューしながらバーテンダーさんとお喋り。古くからあると思いきや、開店して14年とのこと。もともとはプリンスホテルのホテルバーで修業され、独立して開店した最初のお店とのこと。マジックがお得意とのことで、カードマジックを披露してくれました。そのネタもお土産にプレゼントしてくれました。これで注文せずに帰るのも憚られたため、マティーニなどを所望したところ、ご丁寧にアミューズ―りっつの上にクリームチーズ、その上にはリンゴのコンポート―まで出されて、後悔しますが後の祭り。お勘定は、思った以上にいい値段だったのがちょっと残念。やはり5年くらい前から始めて(お隣はそれに追従したようです)、屋外で1杯引っ掛けて帰るべきだったかなあとしばらくくよくよしたのでした。
2014/07/30
コメント(0)
飽き飽きしている町、池袋ですが新陳代謝も激しいので次から次へと新しい酒場が開店してはいつの間にやらなくなって、あまりの移り変わりの早さに以前ここはどういった店だったのか思い浮かべることすら許されないといった考えようによっては驚くべきアイデアで勝負してくれる店がもしかすると名乗りを上げるのではないかと、最近は悲観的に思うこともなく逆にこの流転の振りを楽しく眺めるようになりました。店の年季は、池袋にあってはもはやそれほど多くは期待できないであろうことは悟っているつもりです。そんなわけで池袋ではそれなりに古いお店からスタートするつもりだったのですが、まったく毛色の違った新しい店となっていてもさほど驚きもしませんし、ガッカリすることもありません。 新しく開店していたのは「そら」という何だかよく分からない店名のお店でした。一応立ち呑みを標榜していますが、ご多分に漏れず早くもスツールが置かれています。取り敢えず生ビールを頼むと暑さのせいか早くも品切れして酒屋さんに追加オーダー中とか。そしたらご機嫌悪くなったのがいつもの上司。まだ呑み始めたばかりだというのに、早くも次の店の選択を要求するのでした。だから肴もコロッケだけ。立ち呑みなのにちまちまっとしたお通しがつくのもお気に召さないようです。御機嫌を良くするため、スマホーお気づきだったでしょうが、先般、酔っ払って携帯を落っことしてしまったのを切っ掛けにとうとう乗り換えましたーでクーポンを取得、やたらと手の混んだポテトサラダをもらっても手を付けようともしないのでした。まあおいしかったから食べさせるのもったいなかったからちょうど良しです。確かにここは気の利いた肴を手頃にいただけるという意味では使い方次第で、便利な店ともなるでしょうけど、今のぼくの趣味とは遠い店でした。ところで壁に貼られた衛生管理の許可証を見ると、どうやら埼玉を本拠地とした外食産業が資本となっているようです。そのことを店の女の子に尋ねると、案の定でこれから店舗を拡大するんだねと聞くと、そのようですとのご回答。都内各地に出没するなんてことがないことを期待します。まあ、こんな気取った店を池袋から展開しようってなんか無理があるんじゃない、せいぜい「かぶら家」程度が池袋発祥ってのがお似合いじゃないのなんて考えるのでした。 さて、引きつった険しい表情を浮かべた上司を案内して、次なる酒場探しに歩き出します。生ビールがあるのが最低条件というのはさほど困難なものではありませんが、待たされるのが大嫌いな人なのでそれも考慮に入れておかねばなりません。何と言っても査定に関わりますからね、まあ夏のボーナスも出たことだし、さほど気にもしてませんけど。不思議なことに条件がつくとむしろ入店が危うい店を求めてしまうのでした。一軒目が久々の「ずぼら」に伺いますが、全然ダメ、お向かいの分店にも入る余地がなさそう。だからってこれまたすんなり入れるかちょっと怪しい「ふくろ 美久仁小路店」に向かうのは、我が事ながら戦略がなさ過ぎるってもんです。ところが運の良いことにカウンターに丁度2席の空きがありすんなり席につけてしまったのでした。あんまりあっさり落ち着けてしまうと詰まんなくなるのは、勝手なもんですが入った以上は存分に楽しみたいもの。ぼくが気分を奮い立たせようと西口よりこの美久仁小路の店舗が好きであることを熱く論じるのもどこ吹く風、上司は壁に貼られた生ビールが安く呑めるサービスウィークに視線が釘付けです。今日はまだその期間外なのにねえ。ようやく生ビールにありつけてーしかも安く呑めたと思ってるーご機嫌になった上司と次の査定もこれで大丈夫と思ってる脳天気なぼくは、その後、チューハイを大量摂取、翌朝は謎のラーメン屋のレシートに頭をひねるのでした。
2014/07/24
コメント(0)
北口行ったら翌日は南口に行っとくべきでしょう。なんてつい先日訪れたばかりで新鮮さにかける嫌いはありますが、仔細に眺めるときっとこれまで見えていなかったものが見えてくるに違いないと信じ込むことで、すでに歩き尽くした、知り尽くしたある意味退屈な町を無理矢理にも楽しもうとするその姿勢がいじましく感じられるのです。ちなみにここまでは呑みながら書いていたらしく、やたらセンテンスの長いばかりのくどいばかりで中身の薄い文章ですが、あえて放置します。 ともあれこの夜の一軒目は、「居食屋 炭旬 大塚店」です。都内を中心に10店舗あるようで、ぼくは以前綾瀬店に行ったことがあるようですがまるで記憶にありません。ワタミフードサービスの系列だったようです。知ってたら来なかったに違いありませんが、そう毛嫌いすることもないのでしょう。大塚のこの界隈もすっかり様変わりして、チェーン店が相次いで出店していますが、他の地域やおなじ大塚でも北口だったら間違っても入らなかったに違いありませんが、南口の商店街、サンモール大塚にあると不思議としっくりと町に馴染んでしまうのです。そこら辺をきっとチェーンの経営者たちも心得てるんだろうと考えると、踊らされているようで悔しい気もしないではありません。ここでは一言、はっきりとこの店のことはすっかり忘れてしまったと真実を語るに留めたいと思います。 チェーン店とは知らなかったとはいえ、いかにもそれらしい店に入ってしまったので、口直しに一度だけお邪魔したことのある店に立ち寄ることにしました。「みやぎ」というお店です。カウンターばかり10席ほどの狭いお店です。ところが店の構えは記憶と変わりなかったもののなんだか違和感を感じます。以前はぶっきらぼうなご夫婦二人のお店だったはずです。今は明るく親切なおばさんが一人でやっています。旦那さんをなくされたのでしょうか。気になり伺うと、高齢で体調を崩した前店主夫婦から引き継いで居抜きで開店したとか。早くも常連が付いて狭い店内は活気に満ちています。家庭の手料理に毛の生えた程度のごく普通の肴がこうした小体な店にはちょうどいいのです。店の名はそのまんま女将さんの出身地を表していて、ぼくにも因縁浅からぬ店名と嬉しくなるのでした。そして常連はたまたま新潟出身者も多く、両方に縁のあるぼくはついつい酒が進みすぎるのでした。ところでいぜんの店名を帰宅後メモで調べてみたら「大衆酒場 おほつか」とあります。大塚と宮城が店の歴史で繋がったようです。ところでどうしても写真が見つからないので,ご容赦を。
2014/07/15
コメント(0)
近頃自宅から近い、かと言って近過ぎもしない大塚でよく呑みます。それもこれもすべてこの天候の不順のせいなのですが、天候なんかに言い訳の原因を求めようなんて、わが事ながら相変わらず言い訳がましいものです。 あと大塚は昨年、劇的な変化を遂げています。詳細は面倒なのでウィキペディアから引用。--2013年(平成25年)、駅南口に地上12階・地下1階の駅ビル『JR大塚南口ビル』が建造された。地下1階〜4階には複合商業施設『アトレヴィ大塚』(2013年9月21日開業)が入っている他、スポーツ施設、保育園、オフィスなどが入居。また都電大塚駅前停留場への連絡通路の確保や、環境に配慮した設備の導入などが成されている。-- といった訳で、駅ビルなどとは無縁のままに、大塚駅周辺は衰退するものと決め付けていただけにこの変化はぼくにとっては驚きなのでした。 「呑み処 ぼっち庵」は、そんな最近できたらしいーたまたま見過ごしていただけで元々あったのかも、いや、やはら最近オープンしたはずー立ち呑み屋として開店しながらも、早くもーきっと、多分、間違いない……はずーパイプ椅子営業しているのでした。ところでここが嬉しいのは、昼の11時30分から夜の24時まで営業してること。界隈の風俗店に勤めているー勤めは変かな、働いてるー方たちをターゲットにしてるのかも。卓上には風俗ガイドの冊子が陳列されています。肴の売り出し商品は自家製を謳う燻製、気になったのでベーコンの燻製を頼んでみたら、薫製の芳ばしさは弱いものの味はなかなか。立ち呑みーいや座り呑みーにしてはやや高めですがなかなか使えそうです。って高い位置からモノを語ってますけど、強面の若い方、もしかして主人なのでしょうか、丁寧に見送ってくれながら生ビールの無料券をくれたのでした。大塚では久びさの使えそうな店に出逢えました。 続いては「大塚酒場」にお邪魔することにしました。居酒屋でもなく、当然小料理屋とか割烹でもない、酒場という語感につい惹かれてしまいます。でもここっててつい最近まで「かっぱ」があったんだよなと思うと寂しくなるってもんです。かつての雰囲気はすっかり鳴りを潜め、いかにも今時の安普請のテーブルに丸椅子の味のない店になっています。店の方もすっかり変わられたようで志の有りそうないいお兄さんが継がれていますがいかんせん今時の基準からするとお高い。早くも常連が付いているのはお兄さんの人からの賜物か。焼き鳥が主力ではあるものの値段が気になり揚げ肉まんなるものに手を出してしまいます。もうちよい価格設定に気合が欲しかった。 という訳で大塚の新興店、若い店主が頑張ってる。角海老ジムの出身なのかしらと想像するのでした。
2014/07/10
コメント(0)
サンモール大塚は大塚駅南口のごく狭いエリアに限定された商店街であるにも関わらず,地元の食の需要を満たすだけの多様な店舗が密集していて,このブログでも何度も登場しています。ところが,この1年弱でパン屋さんは姿を消し,チェーン店の「串カツ 田中」になってしまったり,やはりこちらもチェーン店の「でんがな」が出没したりと新陳代謝が加速化されているようです。そんな商店街にあって,まだお邪魔できていない居酒屋が一軒あったのでした。何度となく店の前を通過しては,しばしの躊躇の挙句に素通りするのを繰り返してしまった理由は,店内の見えないので,独り客では入りずらいのではなかろうかという懸念があったからです。この日は愉快な上司T氏が一緒です。 そのお店は「うおはな」というお店です。ネットで調べたところ大塚駅南口店とあるので,他にも店舗があるようですが,見たところ,呑んだところではまったくの個人経営的な居酒屋さんという印象でした。入ってみてやはり独りでなくてよかったと思わずにはいられません。というのはカウンター席が1席もなく,すべてがテーブル席でしかも2テーブル以外は座敷だからです。そういう店だと知ってか知らずか,他のお客はみなグループ客です。正直座敷って苦手なんですが,テーブル1卓は塞がってますし,もう1卓はどうしたことか割り箸や箸置き,取り皿などで埋め尽くされているのでしょうがありません。お通しの手羽元と野菜の煮付けはなかなかよい味です。他に注文した肴も値段はそこそこですが,いずれもおいしくいただけました。これを調理するご主人は厨房に入ったっきりでまったく顔を見せることはないのですが,無口でかつ実直そうな表情をちらりと目にすることができました。その奥さんもはじめこそつっけんどんな印象でしたが,徐々に気配りしてくれていることが伝わってきて,自家製厚揚げ―実際は揚げ出し豆腐みたい―には,宮崎県のたまり醤油みたいなのがおいしいので,これと醤油で2種類の味付けでお試しくださいねなんて優しくおっしゃってくれました。日頃めったなことでは,店のことをよくは言わぬT氏ですが旨い旨いを連呼していました。ただし,甘い醤油には,普通の醤油の方が旨いと一言余計なのでした。 次のお店は案外古い酒場の少ない大塚において,南口には指折り程度ではありますが随分長いことやっているらしいお店があります。こうした酒場はどこも盛況で,なかなか店の歴史を伺うなんて暇がないのでした。そんな古そうな酒場の一軒が「多がわ」です。緩やかな坂の途中の一軒や酒場です。こちらには数年前に1度だけ来ていて,オヤジさんが愛想がよかったことを記憶していますが,ちょっと財布に厳しかったこともうろ覚えしていたので自然と足が遠のいていました。それでもこの雰囲気に惹かれて,さらにスポンサーも付いていることだし,ひさびさに再訪することにしたのでした。10席ちょっとあるカウンターは1席飛ばしで塞がっており,3卓あるテーブルも1卓が空いているばかりなので,必然的に入口に近い席に治まることになりました。こちらはもつ焼がメインのお店で,ひと串110円からとまずまずお手頃ですが,正直あまり味の印象はありませんでした。T氏は魚介系を摘まんだ後なので,もつ焼がうれしかったらしくあれやこれやと注文していきますが,ぼくはもうそんなに食べれなさそうなので―T氏は普段の昼食など半分残してしまう程度の食欲しかないのですが,酒を呑むときは年齢を感じさせぬほどの大食漢に変貌を遂げるのでした―,もつ焼味見程度にして,あとは白菜のおしんこで呑んだのですが,これがおいしかった。もともと白菜の浅漬けは好物ではありますが,市販のものはちょっとしょっぱ過ぎて家ではあまり食べません。こちらのはさっと醤油をたらして,七味をパラリと振って食べるとちょうどよい加減でした。ところで,T氏はここのもつ焼が大層気に入ったようで,さらに追加,それらをたった一人で捌くご主人のこともいたく気に入ったようです。数日後,大塚のあすこでもつ焼が食べたいと言い出したのですから相当お気に召したのでしょう。
2014/07/03
コメント(0)
ひさびさの登場となる池袋ですが,最近はまともな状態で池袋に到達することは少なく,少々イレギュラーではありますが,どこぞやでさんざん呑んだ挙句に池袋で下車,相当なへべれけ状態でありながらも酒場を求めて彷徨した2日分の酒場記録を御披露します。東武東上線沿線住民である上司のT氏が一緒なのでした。 日頃は純日本風のクラシカルな居酒屋で焼鳥、枝豆といった定番の肴でお値頃な銘柄酒を冷やで呑むことを好む保守的なT氏ではありますが、酔っ払うと時に柄にもない気取ったお店に入ってしまうこともあります。この夜も既に十分へろへろな足取りとなっていたにもかかわらず,どうにも物足りなかったのか―記憶があいまいなのです―1度お邪魔したいと思っていた「小料理屋 東風」(自腹ではちょっとお高い感じなので,こういう機会を待ち構えていました)に向かいます。ところが,もう何度目になるでしょうか,満席で断られてしまいました。面倒なのですぐお隣の「トルコアズ(旧店名:Resat)」というトルコ料理店に入ることにしたようです。このブログを読まれる限りにおいては,ぼくにはエスニックとかにはほとんど興味がないように思われるかもしれませんが,以前は定番のタイ料理を始めベトナム,ミャンマー,モンゴル,アフリカなどなどの料理店を食べ歩いたものですし,もちろんトルコ料理も大好きでちょくちょく呑みに行ったものです。ヒヨコ豆やナス,肉のペーストなどが好きでよく食べました。ヨーグルトのスープなんかも最初はギョッとしたものですが,食べてみるとさっぱりとしていながらコクもあって,レシピを取り寄せてみると,ニンニクの擦りおろしたのがまぜてあるなんて大丈夫なのだろうかとびくびくしながら作ったものです。それが簡単かつおいしかったものだから一時毎週のように作りました。さて,お腹は膨れていたので,トルコ料理は自重してトルコ産のビールをガブガブと呑んでしまいました。ピザみたいなものも摘まんだ記憶がありますが,どうってことなかったかな。翌朝T氏にえらく高くついたとぼやかれたのでした。 さて,また別なとある夜のこと例によってご機嫌になって池袋駅に到着。またもや「東風」に向かったのか,それとも「ふくろ」にでも行こうとしたのか,それこそまるっきり覚えておらず,写真を分析した結果「おもろ」であるとの結論に達したのでした。ぼくの携帯にはどうしたものかこういうどこの風景だか判然としない画像が多く取り残されています。近頃は以前にもまして横着になり,店名さえメモせず,しかも撮影技術の向上も見られず,店の看板やらじっくり解析してみてもここはどこなのか,ホントにこの店で呑んだのかさえ,判然としないことがよくあります。まあそんなことはともかくとして,都内の沖縄料理店の最古参であると思われるこのお店,古い酒場がほとんど残らぬ池袋にあっては,戦後闇市の面影を色濃く残す数少ない店として貴重であり,その雰囲気はやはり好きであるものの,いささか値が張るのが玉にキズ。そんな打算からこちらにお伺いしたのかもしれませんが,翌朝気付くとぼくの財布が明らかにさびしくなっており,どうもぼくが今回は支払う羽目になったようです。写真の料理はソーメンチャンプルーなのでしょうが,T氏ともどもまったく食べた記憶がないのでした。
2014/06/28
コメント(0)
このところ不順な天候が続き、想定外のハシゴを繰り返してしまっています。とある夜の巣鴨でもうかうかする内にハシゴをしてしまっていてのでした。巣鴨駅を下車、巣鴨に下車するといつも襲われるウンザリとした気分がどうしたことだかこの夜はあまり感じられません。これは吉兆と現金にも風雨荒れ狂う中、居酒屋探訪に乗り出してしまったのでした。 そうこうして辿り着いたのは「和食処 とおる」という店でした。ここが酢ガモで無ければきっと見過ごしていた、視界に収まったとしても見ぬふりをしてしまうようなどうでもない雰囲気のお店です。それにしても何度となく巣鴨は歩いてるつもりでしたがこの辺りってまず通り掛かることがなかったなあ。店内はこざっぱりしていて上品です。普段ならちょっと退屈に感じられたはずですが、雨の夜はむしろ小奇麗なくらいの方が落ち着けます。湿気の多いこの季節、特に焼鳥屋とかもつ焼きの店のカウンターに肘をついた時のペタッと張り付いたのをプリッと引き剥がすのは気持ちのいいものではありません。でもこちらでも手羽焼頼んでしまうのでした。これが大っきくて焼き加減もバッチリでした。店主夫婦も感じよくいいお店でした。 ご機嫌に歩いていると、傘も役に立たぬほどの豪雨になり、こりゃ叶わんと飛び込んだのは「鳥King」というなんだかもう少し気の利いた店名にできなかったのかと思わずにはおれないお店なのでした。カウンターに着いて、メニューをチェック、オシボリで手とかを拭いますが、アレッ、カウンターがサラサラしてます。新しい店だからということも当然あるのでしょうが店の方の手入れが行き届いているようです。若い店主は気さくで陽気、さらにはまだ二十歳そこそこという風体の従業員にも厳しいけれど親身な檄を飛ばしているのが心地よいのです。アボカドのサラダを頂いたのですが独特なタレがいい味で家では出せない味だと感心したのでした。 巣鴨にはもはや行くべき酒場がないと考えていたのは軽率かつ傲慢な思い込みであったと反省すると同時に横着せずに回り道することを忘れぬようにしようと改めて考えさせられる一夜なのでありました。
2014/06/14
コメント(0)
閑静な住宅街という印象が強く、かつては行かず嫌いでなかなか足を向けることのなかった駒込ですがよくよく知ってみると思った以上に面白い町であることがわかってきます。面白さの中心は何と言っても商店街の充実にあると言えましょう。その特徴は網の目状に張り巡らされているのではなく、蛇に丸呑みされて胎内巡りをしているようなどこまでもひたすらに直線的に伸びているところがユニークです。いつの間にやら胎内ならざる商店街に放り込まれ、どこまでもまえへまえ前へ前へと進んでいるとポイと胎外へと投げ出されるのです。脇道に逸れるとそれが商店街の只中てあることが信じられない位に全くの住宅街と化してしまう辺りの身代わりの唐突さは他の町ではあまり見られない特徴でありましょう。おっとこのブログは街歩きがテーマではありませんでした。斯様に愉快な町であるのに酒場の少なさと値段の高いこともわるい意味での特徴となります。それでも時折訪ねてみたくなるのはこの町の魅力が酒場のないことを許すはずはないという無想か時折脳裏をよぎるからです。 駅北口の西に伸びる商店街と異なり東側に広がるアザレア通りは呑み屋街を成しています。店舗数の割には多様な酒場があり、楽しくはありますが、総じてお高い。そんな残念な酒場の中で繰り返し通いたくなる店は限られていて、そんな数少ない一軒にお邪魔することにしました。ところで今、旅の空の下、手許には情報がないため店名は失念してしまいましたが田端新町の焼鳥店と同じ屋号だったような。古びた風情ある店構えは魅力的です。早速店内へ入ります。あれなんだか印象が違ってる? 内装が綺麗になってるし、店の方もお若くなっています。お話を伺うともう半年以上も前に居抜きで入られたとのことです。かつてのムードは活かされているものの、それでも失われたものはあまりにも大きいと言わざるを得ません。若いご夫婦がこれからこのお店をかつてのようないい雰囲気に育てて暮れることを願わずにはいられません。「駒っこ」というお店でした。 ふと思いだして駅に程近い脇道にある「八代」にお邪魔することにしました。まさに昭和の時代の典型的な居酒屋と言っても過言ではないお店でとっくに入っていないとおかしいくらいに雰囲気のある店だったのですが店前のホワイトボードのおつまみの値段に阻害されていたのでした。店名を見ると熊本と関係がありそうです。店内もいい雰囲気ですが、違和感があるというかやはりと言うべきか、くまモングッズがあちこち置かれています。初老のご夫婦がやられていて、やはり熊本のご出身とのことです。この後ハプニングかあって長居できませんでした。なかなか今後は行けそうにありませんが気持ちのいい居酒屋でありました。
2014/06/07
コメント(0)
とある夜,大塚駅にて下車しました。北口を探索してみることにしました。北口と言ってもガード沿いのいかがわしいエリアや大塚北口商栄会なる風俗&呑み屋通りでもなく,都電荒川線と白山通りに沿うように伸びる細い通りを歩いてみることにしました。この通り,閑散としており,しかも店舗もまばらにしかありませんが,「こなから」を振り出しに「串駒 本店」や「串駒房」といったお高めの銘酒居酒屋が連なる一方で,渋くて居心地のいい「伊勢元」や新興店ながら確実に常連を獲得しているらしい「呑み家 とごとご」,その古さが格段の味わいを醸す「天平食堂」などが連なるあまり知られざるエリアなのでした。こんな通りなのできっとまだまだ見逃しているよい酒場があることを期待してか細く明かりが灯るばかりの暗い夜道をひたすらに歩くのでした。 さしたる収穫もなく歩くうちに巣鴨新田電停の入口となる交差点を通過,さらに歩いたところに「台湾屋台小料理 秀美」というお店がありました。あまりにも空腹だったため,居酒屋ではありませんが入ってみることにしました。特段どうってこともないどこの町外れにでもありそうな店舗で,台湾料理店なのに違和感ありのなぜそう名付けたのか「秀美」という店名がなければ今となってはまったく記憶に残っていなくても仕方がなかったかもしれません。やさぐれた雰囲気の漢民族らしき男性2名にはやはりそれぞれ女性が寄り添っています。店の若いお兄ちゃんが注文を取りに来ます。慌ててメニューをめくってみたら,これがびっくりするようなけっこうなお値段。町場の中華料理店としてはいささか庶民的とは言えない価格なのです。これはおつまみはほどほどに2,3杯だけ引っ掛けてさっと立ち去るのが得策と考えました。値段控えめで,時折無性に食べたくなるチャンツァイ(香菜)がばりばり食べれそうな肉みそかけがあったので,注文してみることにしたのでした。これが想像通りにおいしくてちょっとだけうれしくなります。でも財布の心配をしてしまい,これだけでビールとウーロンハイを空けざるを得なかったのでした。 ここまで来てしまっては庚申塚電停のそばにある名酒場を無視するわけにはいきません。そう「庚申酒場」です。でもやはりこの日も人の気配はあれど,店は閉まったままなのでした。無念。―昨夜,とある酒場で居酒屋マニアのカップルに遭遇,お二人の話ではばあさん,11月に骨折して店を閉めていたそうですが,今ではすっかり具合がよくなってピンピンしているそうです。近日の再開に向けて意気込みまんまんとのことでした。― 板橋駅方面で呑むときはいつも節約のために駒込駅,巣鴨駅,大塚駅を起点にひたすら歩くということをしていたのですが,いずれの駅を起点にしても必ず通る道があって,明治通りにほど近い場所に「とり福」があることも知っていました。なかなかよい佇まいで何度も立ち寄ることを考えたものですが,結局立ち寄ることのないまま今に至ってしまいました。この機を逃すとずっと入れないままになってしまうのだろうと思い切って入ることにしました。外見で感じた通りのよい雰囲気。先客は2名でいずれもかなり年配のオヤジでした。早い時間から呑んでいるようで,持て余したらしい肴にも手を付けずだらだらと呑んでいて,タイミングを計っては女将さんに下ネタ中心のちょっかいを出しています。こういうところが板橋らしさと言っては失礼でしょうか。品書きをみると板橋の相場としてはけっこういいお値段で,ちょっとひるみます。安い生揚げを注文すると,これでもかとばかりに大量のねぎをまぶしてくれて,お通しのしらすおろしをまぶしたりして食べるとこれが予想以上においしかった。酒も塩梅よく燗されています。お勘定すると不思議なことに案外にお手頃な値段でした。お通しはサービスなのかもしれません。って,ここまで板橋と連呼していましたが,実は豊島区西巣鴨だったんですね。板橋区民の皆様には重ね重ね失礼しました。品書:生中:550,ウーロンハイ:430,とりもも:190,ねぎま:170,つくね:140,イカ丸焼:600,うずら:200
2014/05/29
コメント(0)
大塚にはあまたの呑み屋があれど、なにが不足していたかといえば立飲み店。大塚で酒を呑む人たちはどちらかと言えば小金をもったおっさん層が主流で、ビンボーな若い人たちが好んで集まる町ではないのが原因かもしれません。って書きながらも思い返してみれば昨年閉店した「たち呑み まるさん」や今でもやってるんだろうか「石田家」や「スタンディングバー いとっこく」なんて店もありましたし、それこそ大塚の立呑みで孤高の存在である「立飲みコーナー 大つか」はもちろん忘れていたわけではありません。でも以前書いたように「大つか」はいつも常連さんでびっしりで一見の立ち入る隙はあまりにも限られていて覗いてみるのが面倒です。そういう場合に目指すべきは、いまひとつ立呑み屋さんとしての店側の自覚が足りていないように思われる「スタンディングBAR ちび太郎」の対面にある天ぷらの立呑み店と言うことになるのですが、いきなりここで呑むというのもなんだか芸がないのでもう少し探ってみることにしました。と探す間もなく新規立飲み店を発見、最初の1杯はここで呑むことにしました。 「vivo daily stand 大塚店」です。古い店舗をリノベーションしたお店のようです。いつの間にこんなお店ができていたのでしょう。ガラス張りの店内が外から眺めることができます。内装は床から天井まで黒一色で、若者向けのバーとかシルバーなんかのアクセサリーショップみたいな雰囲気。余計な装飾を削ぎ落していて殺風景といってもあながち外れてはいません。それにしてもこの場所、以前は何があったのだろう、などと記憶をさかのぼりながら店に入ります。入ってみたところ店の方がおらず、軽く途方に暮れていたら2階から若い女性が下りてきます。黒いユニフォームを見てああ、これは以前東十条でお邪魔した店と同じ系列だなと遅ればせながらハタと気付かされます。改めてみると表の立て看板にコーヒーの記載もあります。とてもはきはきとしたしっかり者の女性で、このお店のこと、1月にオープンしたばかり,まだコーヒーは機械が搬入されていないので出せないんですといったことや、東十条店の女性が店を辞めたことなど教えてくれました。さらには店を終えてからよく行くお店について情報交換、彼女はけっこうな酒呑みのようです。特にお気に入りなのが朝4時まで営業している「呑み家 とごとご」とのことでした。ああ、肝心のことを尋ねるのを忘れてました、居抜き前にあったお店のことでした。と突然ひらめいて「居酒屋 ふじ」だったっけ、ばあさん独りでやっていたお店だよねと伺うとそうだという回答でした。「ふじ」は大塚駅北口の最古参の店と伺っていたので残念です。まあ1度だけでもお邪魔できたのは幸いだったとお話していたら、ここの1本先の通りにある「居酒屋 かっぱ」が改装中だったのでこれからどうなるのかもついでにお聞きしますが、知らないとのこと、また1軒の古い酒場が失われるのでしょうか。 懐事情を考えて、「秀吉 大塚店」にハシゴ。もう何度も訪れていて新鮮さはないものの大塚では最安値でそこそこの酒と肴を提供している良心店です。天ぷら風の揚げ物を売りにした酒場、それも立呑み屋ってちょっと珍しくて以前は来ると必ず天ぷらを数品頼んだものですが、何度も通い詰めるうちに天ぷらはどうでもよくなって、今ではその日のお勧めをチェックするようになりました。ところでこちらのお店、安いし、肴も悪くないし、特に文句の付けどころがないのですが、呑んでいてなんだか虚しさを感じることが多いのです。独りでテレビなど眺めながら呑んでいるとどうしてわざわざ立ったまんまで虚しさを抱きながら呑んでなきゃなんないんだろう、家に帰ってゆったり呑めばいいんじゃないのなんて。まあそれで満足できればこうして毎晩ぶらぶら呑み歩くこともないのでしょうけどね。まあ虚しさを感じたところで今後も通い続けるのでしょう。
2014/05/02
コメント(0)
前回に引き続き大塚の喫茶店の報告です。大塚駅からちょっと足を伸ばして新大塚駅方面まで向かってみることにします。夜の大塚はなじみ深いのですが、昼日中に歩くとまったく別の町に来ているような気分になります。 最初のお店は北大塚コーポという古めかしいビルの1階で営業を続ける「珈琲亭 濱」です。足元が煉瓦壁になっており,同じビルの外壁とは異なる表情からお店であることは識別できるのですが,庇がすっかり褪色もしくは汚れてしまったためか,店名の「濱」という文字を判別するのが困難です。「珈琲亭」の文字もすっかりくすんでしまっていて,ここが喫茶店であることに気付くまでに随分店の前を通過していたのでした。外観からはうらびれた様子ばかりが目立ちますが、一転して店内は無駄を極力排した木質を前面に出したシックで落ち着きある空間となっています。お客さんは他におらずちょっとさびしい感じもありますが、店主夫婦はこの店をご自身たちにとってもっとも居心地良い空間にすることを心掛けておられるように感じられ、お客はむしろご自身たちの愛する空間にとっては本当は邪魔な存在でしかないのではなかろうかと思ってみたりもしました。 「珈琲舘 ばるばど」もまた店主のこだわりが強く生かされていて、それでもこちらはよりカジュアルな客にとっては緊張感もなく自分たちの居場所として共有させてもらえる気安さを感じます。自宅では持ちえない重厚な家具を楽しみながらしばしよそ行き気分を満喫できるのではないでしょうか。まあ実際はお客さんも多くてほどほどににぎやかで、逆にリラックスできたりします。 新大塚駅そばの「純喫茶 エデン(ゑでん)」は,外観は単なるオールドファッションな渋い喫茶店といった程度の印象しか感じられませんが、一旦中に入ってしまうとウッディな内装と深緑色の革張りソファがシックで、うっそうとした森の奥深くに入り込んでそのままこの空間にいつまでも浸っていたくなります。壁紙やらパーテーションやら見るべき細部もそうした店全体の風景として眺めるべきであって、それだけを語ってみても意味がないように思われます。駅前すぐで夜まで営業しているので、次に訪れるときは夜にしてみましょうか。そうすると席から立ち上がるのが本当に一苦労しそうです。 他にもまだまだ喫茶店あります。「CONA」は使いやすい喫茶店、「とちの木」と「バロン」はスナック寄りですけど。
2014/04/27
コメント(0)
池袋駅西口には数えきれないほどの酒場があります。けれどいざ行ってみるとここぞという酒場の少ないことは多くの呑み助にとって周知の事実でございます。されどさすが池袋はターミナル駅,夥しいほどの酔客たちで町は大いに賑わっています。この人たちは今宵いかなる酒場に繰り出すのやら,こっそり後をつけてみたい誘惑に駆られもしますが,ひとまずは一杯呑んでから。 一軒目は敷居が高くてなかなかお邪魔できずにいた「酒処 萬屋松風」です。和民家風のちょっと高級志向な気配漂うぼくには似つかわしくないお店であります。民芸調の嫌味なところはあまり感じられないのがうれしい誤算。カウンター席には酒呑む女性が独り。その1つ席を置いたところに腰掛けます。女性はどうやらご出勤前,同伴相手との待ち合わせなのでしょうか。それにしては目の前に置かれた空いた皿の数はかなりの枚数となっています。一体どれほど待たされているんだろうと訝りながら観察を続けますが,女性の方は一向に応えた様子もなく飄々と盃を傾けています。もう少し表情に変化があったら観察し甲斐もあるっていうものですが,あまり面白味はありませんのでこちらも運ばれたお銚子を傾けることに集中することにします。こうした風雅なお店で独り黙然として盃を傾けるのは,傍から見るとなかなかに粋な姿に映るんではなかろうかなどと自意識過剰気味になってしまうのでした。ぼくのお財布には厳しいものの悪くない銘酒酒場でした。 さて,ちょっとばかり浪費してしまったので,激安立呑酒場「立呑処 でかんしょ 池袋店」に移動することにしました。ものすごい活気に満ちています。やっぱりこっちのほうが性に合っているようです。巣鴨店は独り客がメインですが,こちらは団体客が多勢を占めています。そのため混み合ってるばかりでなく,やかましい馬鹿タレたちがとんでもなく多いのでありました。サラリーマンばかりでなく学生もいるせいか無茶な呑み方をして盛り上がっていて性に合っていると思ったのが馬鹿らしくなります。さらに腹立たしいのが注文した肴が20分ほども待っても出てこず,キャンセルしようとしたらものの1分で出されたこと。混雑しているとはいえ,ぶらぶらしている店員もいてそれほど忙しそうに見えないのでした。「でかんしょ」行くなら巣鴨店にしておくことにしよう。たまたま日が悪かったのかな。
2014/04/24
コメント(0)
大塚がもっとも活気づくのは日の暮れた夜の時間帯であることは間違いなさそうです。朝は駅に向かう通勤客で一時の賑わいを見せますが,日中の駅前は人通りもまばらです。そんな昼間はさびしい町,大塚ですが実は喫茶店が驚くほどに充実しているのでした。 純喫茶好きによく知られるお店が「コーヒー いちこし」です。大塚駅の南口を出てロータリーを越えたサンモール大塚商店街にひっそりと佇みます。夕方には店を閉じてしまうので,日頃大塚に呑みに行ってもシャッターが閉まっていてとっくに閉店しているんじゃないかと思っていたものでした。近所の方に伺ったところ日中はやってるよとの言葉を信じて,とある昼間に訪れてみるとああうれしい,ちゃんと営業しています。このお店の内装のすばらしさ,ユニークさは現地でじっくりと味わっていただくのが一番。けして広くはありませんが,巧妙な座席配置が施され,どこに座っても思わず見入ってしまうような装飾を眺められ,それぞれがまったく違った景色として感じられるのがすばらしい。 大塚駅南口を新大塚方面に進むと2軒の喫茶店が軒を連ねています。この建物は都営南大塚二丁目アパートで,1階には「餃子の王将」や「キッチン ABC」,「福しん」などの多くの飲食店が入っていて,これらと同じ並びに,街路樹の陰にあるせいもあってひときわ目立たない様子で「COFFEE HOUSE BOGEY(ボギー)」と「喫茶 えんどう豆」が佇んでいます。いずれも地味な印象のお店ですが,これが驚くほどに純喫茶度を高いレベルのまま維持していて,はじめて見つけた時にはどちらに入るべきかしばし躊躇したものです。まあ当然ながらハシゴしてしまうことになったのですが,古い団地喫茶の魅力に目覚めさせてくれた2軒でした。そして,やはりというべきか両店ともに多くのお客さんで賑わっており,長く団地生活を送られていると思しき高齢な住民たちが朝のひと時を憩っておられるのでした。
2014/04/20
コメント(0)
もしや店仕舞いをしてしまったのではないかと気掛かりな酒場に,先週と昨夜,様子を窺いに行ってきました。 その気掛かりな酒場とは庚申塚電停からほど近い「庚申酒場」です。木場の「河本」に匹敵するほどの高齢なばあさんのお店です。「庚申酒場」はそれこそばあさん独りでやっているので,地の利の若干悪いことに加えて,不定期に休んだり,開店時間がどんどん繰り下がって行ったりして,ここ数年でますます敷居の高いお店になりつつあります。どうしても何かしらのハプニングを利用しての訪問となりがちです。昨夜は山手線に乗車していると人身事故かなんかで電車が巣鴨駅にて運航停止してしまい振替していた都営三田線にたまたま乗車して西巣鴨駅に行けたからこその訪問でした。しかし先日と同様,店の戸には「本日は休ませて戴きます」のつれない札が下がっています。ああ,戸の向こうにはばあさんがいるのだろうな,また,あの毒舌を聞きながら呑みたいものだと未練を残しつつも,せめて「本日は」の文字が間違いではないことを祈って,今後も諦めずに通いたいと思います。 また,このすばらしい空間でチューハイを愉しみたいものです。 さて,相当な酒場好きでも知る人はまずおらず,訪れることもなさそうな酒場が鬼子母神前電停のそばにありました。ありましたと過去形で書かねばならぬことに忸怩たるものを感じます。「庚申酒場」に振られた夜,下車して立ち寄ってみたところ看板が撤去されているのを目にしました。「おふくろの店」という看板です。こちらは店舗兼用住宅で店の2階ではおふくろさんを初め,その娘さんとお孫さんが同居していました。皆が女性の女系家族でした。昨夜通ってみると建物は養生され解体が始まっているようです。彼女たちはどうなってしまったのか,これからどこでどうして生きていかれるのか,とても気掛かりです。 もうここで酒を呑むことはできないのです。
2014/04/19
コメント(0)
何度も来ているはずの東長崎駅の周辺ではありますが,何度歩いても発見があります。ひとつには昼の営業だけのお店と夜だけ店を開ける店舗が混在しているため,街の全貌をある特定の時間帯で昼夜を一望できないこともあるかもしれません。そんな2つの表情を持ち合わす町で呑むなら両方を眺められる夕方頃に訪れるべきなのでしょうが,今回はあくまで純粋に酒場らしい酒場を目指しているので,すっかり日も暮れた時間帯に訪れたのでした。それにしても何度歩いても東長崎には中華料理店―日本風も純中華風のどちらも―とそば屋さんの数の多さは並大抵のものではありません。しかもそこに大衆食堂や洋食屋も多くあるのですから,特に企業や工場をあまり見掛けられないこの規模の町でどうやって生き残ってきたのか不可解です。こうした業態は夜より昼がかき入れどきでしょうから,ここの住民はいつも2度,3度と昼食を摂ってでもいるのでしょうか。そうでも考えないととても経営を持続することは叶わないほどの店舗数です。 さて,ちなみにこの夜の同伴者はひさびさ登場のO氏です。最初にお邪魔したのは「酒処 みよし」です。昭和47年創業という老舗ですが,何度となく改装しているようでボロと安普請ながらもつるりときれいな内装が同居していて一種独特の風情があります。とは言っても外観のにぎやかな雰囲気とは一転,店内はなんだか沈んだムードです。まあやかましすぎる酒場なんかよりはずっと愛着がわいてきます。酒や肴は,味も値段もほどほど価格です。O氏も悪くはないけど通いたくなるような店ではないなあなどと必ずしもうかぬ表情という訳でもない曖昧な薄ら笑いを浮かべています。唯一訪れたお客さんも注文の声さえ聞き取れぬほどに寡黙で,いつしか存在さえ薄れてしまい店の一部と成り果てていたのでした。 西武線の線路を渡り,商店街にひっそりと看板を出す「居酒屋 月山」に入ってみることにしました。特に出羽三山として知られる月山に思い入れがあるわけではありませんが,いかにも純日本風といった店名の外観に惹かれての入店です。店に入るとお客さんがけっこう入っており,1テーブルだけ空いていました。とりあえず席に着いて店内を眺めます。全般に値段は高め。極力安めのウーロンハイと氷下魚だけを注文。お通しが案外洒落ているので肴はこれだけで十分です。さて,ひと心地着いたところで店内を見渡すと,やっぱりありました,カラオケセット。他のお客さんは少なく見積もっても若い人で60代は越していそうです。徐々にお喋りもヒートアップしているようです。こりゃいけないと思ったところ,有線の音楽がプツリと途切れ,いよいよ始まってしまいました。われわれよりよっぽど所謂高齢者たちの方が元気なようです。われわれは負け犬のようにすごすごと店を後にするのでした。
2014/04/19
コメント(0)
東武東上線の大山駅と西武池袋線の江古田駅といえば,両沿線きっての賑やかな町で,当然,酒場も数多く並大抵のことでは廻り切れないほどに充実しています。さて,そんな2駅に挟まれるのが東京メトロの有楽町線・副都心線の駅である千川駅です。池袋駅のわずか2駅先の駅ですが,副都心といっても後発の池袋駅から要町を挟んで2駅も離れると町らしさはあまり感じられない,千川通りという味気ない通りが続くばかりです。そんなしけた町に何故訪れることにしたのかと言えばこれまたどうでもいい話ですが,先日池袋駅から池袋三業通りを抜けて,千川駅を通過,東長崎駅を経由して池袋駅に帰還するという散歩をした際,思いがけずも千川駅そばになかなかいい雰囲気の居酒屋を見つけたからなのでした。 この夜,同行してくれたのはお馴染みT氏です(余談ですが,T氏は先般取り返しのつかぬ失敗をやらかしてしまったらしく,自粛中とのこと。しばし登場できないかもしれませんが,ファンのみなさまのためにも早めの復帰を祈願します)。千川駅を出ると,千川通りから逸れる商店街と呼ぶのも憚られるような小さな商店が数軒並ぶ通りがあって,そこから東長崎駅に伸びる通り沿いに2軒の居酒屋が並んでいます。今晩はこの2軒にお邪魔することにしました。 1軒目が「小鈴」。肴200円からといったどうやらお得な感じの張り紙に惹かれての入店です。カウンターにテーブル席のごくありふれた食堂風の店構え。母子でやっておられるようで,息子さんの声を聞くことは最後までできませんでしたが,その分女将さんが大層賑やかです。おでんや焼鳥など王道の肴がごくごく普通においしくて,しかもリーズナブルなのがうれしいのでした。まあ,わざわざ千川に足を伸ばすまでもありませんが,こんな酒場が欠落した町にこういうごくありふれた庶民的な居酒屋があるというのは地元の方も心強いに違いありません。お勘定の際,割り勘の計算をしていると女将さんがその計算に参画してくれたのですが,シンプルな割り算で済むはずなのにこちらが混乱してしまうような,札を奪っては,それぞれにお釣りをくれては奪うということをするという,お節介ともつかぬ さて,お隣の「くいやんせ」に移動です。外見にはあまり先ほどの店と変わり映えがしない感じですけど,べたべたと張り紙していない分,ちょっとだけハイクラスに思われます。実際,入ってみると店の配置なんかは似たようなものですがいくらか和風の趣を濃くしていて,お店の方も上品な女将さん独りでよく言えば小料理屋風です。お通しや肴もちょっとひと手間かけ味も上々,見た目にも気配りしたものでなかなかけっこうでした。 といったわけで大衆っぽさを前面に出した店とちょっと気の利いた隠れ家風のお店と少ないながらもお客さんのニーズに応じられる最低限のお店があったことにホッとしました。そのすぐそばに今ではもう閉店しているようですが,なんとも魅惑的なボロ家があって,かつてはもつ焼屋だったようです。行ってみたかったなあ。
2014/04/10
コメント(0)
池袋駅の西口、ロサ会館を終点に広がるロマンス通りの呑み屋街は正直その全容を把握し尽くすのはかなりの労力を要するのではないでしょうか。かくいうぼくもこの界隈にはかつての良心的な2番館として機能していたシネマ・ロサとシネマ・セレサ通いから始まりもう嫌になる位訪れていますが、その新陳代謝の速さにはとても付いていけず、2軒の有名な角打ちや数軒のもつ焼店などの20軒ほど(考えてみればこの店やあの店も昔からあるなあと後から後へと浮かんできますが、この地域では少数という意味として理解ください)を例外にすると、その多くが目を離したすきにまったく見知らぬ店へと変貌を遂げているのでした。そんな生き残りの古参中華料理店の1軒にお伺いすることにしたのでした。どうして呑み始めが中華料理店かというと一緒に残業した上司T氏から軽くラーメンでも食べて帰ろうと誘われたからなのでした。 就職して初めての上司がお気に入りの店です。そしてそのかつての上司とT氏は同期ということもありご案内したのでした。ラーメン以外にも多くの酒の肴があって、それがそこそこおいしくてつい思い出したかのようにお邪魔するのです。「新珍味」というお店で、黄色い看板にターローメンとあるのは昔のままですが、店内はいつの頃か改装されてすっかりきれいになってしまっています。ちょいと立ち寄る程度のつもりなので1階のカウンター席に着きます。目の前の調理が丸見えでなかなか楽しいものです。中高年のサラリーマン客が多いのですが、どなたもホントに食べ切れるのかというほどに注文しています。われわれは餃子に野菜炒め、しばらくしてT氏は五目そば、ぼくは目ざとくターローメンの半人前やらを注文。これ以上食べてしまうとこの後の呑み直しに差し支えます。ひさしぶりのターローメンは案外、酢辣端面に近い感じのさっぱりとした味わいで、漢字で書くと「太肉麺」というパワフルな文字面が想像させるパワフルさとは無縁でちょっとパンチが足りない位でした。量は十分でしたけど。 さて、お腹もくちくなったのであまり歩きたくはありませんし、ボリュームのあるものもとても入りそうにありません。T氏はうんうん言いながらようやく食べ切ったもののすっかり呑む気になってしまっています。近場であれば「ヘルメス・ワインコーナー」なんかがちょうどいいのでしょうが、T氏はバーがあまり好みでないようなので、「まるさん」に伺うことにしました。駅のそばの酒場はこうあってほしいという典型の店で、カウンターとテーブル席も相席が前提の細長いものでスツールも心なしか座面が高いのがちょっと軽く引っ掛けて帰ろうという気分にさせてくれます。とは言うもののそれはきっと開店した一昔前のこと、終電の時間も遅くなり、日本人の体型も多少はよくなって高かったはずの座面も十分くつろげる程度の塩梅になり、便利過ぎる立地もあって、お客さんたちもじっくりとくつろいで呑む方たちが主流です。あまりにも駅から近すぎてぼくなどはもしかして混んでるのではないかと警戒してあまり足を運ぶことはありませんが、こと池袋という駅に限ってはここはやはり貴重な老舗酒場です。
2014/04/08
コメント(0)
巣鴨駅にやって来ました。先日,千石から呑んで巣鴨駅に向かう際に見掛けた中華居酒屋に行ってみるつもりです。当然ながら中華居酒屋に興味があるわけではなく,遠出するのが面倒だっただけなのでした。そういうわけなので、さほど気分も盛り上がらぬまま千石駅方面に向かうとさほど歩くまでもなく目当てのお店に到着です。 この夜最初にお邪魔したのは「上海厨房 家楽」です。巣鴨店のほか神田店もあるようです。まったく趣のないつるぴかの新しい店舗で気勢は上がらぬままですが、呑みたさが優先してしまいとにかく入ってみることにします。巣鴨は地味な町ですが、風俗店の多いことでもその筋の人たちには知られているようです。どうやら先客のお独りはいくら巨漢とはいえ注文した品数が度を越しています。やがて同伴のお姉さんらしき方も見えてこちらも負けず劣らずのボリュームある体型をしておられます。到着するや否やテーブルにずらりと並ぶ品々をちらと眺めても動じる風もなく追加のオーダーです。ぼくはこうした現地の方がやっている店としては値段的にも高めで味もそれなりというところなので極めて控えめなオーダーなのに、彼らの食い気と財布の重さに圧倒されてしまいます。それにしても中国の方たちというのは、現地の仲間たちが客のいるお店でも構わず寄合所としてしまうという習慣があるようで、店の方も客の応対もそこそこに仲間とのお喋りを優先しているようであまり気分のいいものではありません。先日の千石駅すぐそばのお店は熟年夫婦でやっているせいか、そうした不愉快なことも少なく必要なこと以外無駄口は叩かないということもあって、同じ中国人でも世代間でのギャップを感じます。そんなわけで中華系居酒屋では一見すると似たり寄ったりでも慎重な店選びが要求されるようです。 釈然としないような悶々とした気分で店を出て、巣鴨駅に引き返します。ひさしぶりに一本裏手にある風俗店と呑み屋街がごっちゃになった通りを歩いてみることにします。以前と変わらぬサントリーバーなんかの看板や、1度だけ訪れたことのあるちょっと気の利いた呑み屋さんに心惹かれますが、いつの間にか見知らぬ立呑み屋ができていたようです。「立呑み 一平」という生真面目な直球のネーミングのお店でちょっと好感をもち、お邪魔することにしました。このなかなか味わいのある長屋は巣鴨では貴重な渋い佇まいで見知らぬ店があると、ついふらふらと立ち寄りたくなるような吸引力があります。このお店の新装でありながら、典型的な立飲み屋のスタイルを踏襲しつつしっくりとした空間を作り出すのに成功しているように感じられました。肴は少ないながらも気の利いたものを取り揃えており、それにひと手間かけることでより客を喜ばせるよう配慮しています。その割に客の入りが悪いのはどうしたことか、端的に立呑み屋としては値段が高いということが問題ではないかと思われます。駅を越えると激安立呑みの「でかんしょ」があり、このご時世少しでも安いほうへと流れるのも無理からぬところだと思います。価格面でのもうひと頑張りを期待したいところです。
2014/04/07
コメント(0)
またもや池袋にやって来ました。この夜はご無沙汰振りにお気に入りのもつ焼屋さんに出向くつもりです。賑わいが度を越す池袋駅からサンシャイン通りまでの道を歩くのはうんざりなので,この夜は東池袋駅から歩くことにしました。それにしてもいつ来てもこの界隈は沈み込んでいて歩いていて心ときめかせてくれるような何ものかに出逢うということがありません。都内でも有数のくたびれ具合が魅力の豊島区役所も,新庁舎を建設中で東池袋駅はにわかの巨大ビルラッシュとなっています。サンシャインのみがにょっきりと巨大な墓石のようにそびえる孤立した様が池袋らしくて,雑司ケ谷霊園から眺めてもちょっとした感興を呼び起こしてくれたものですが,新宿東口と化していくのは愉快ではありません。 ともあれ,そのサンシャインから近い寂しい通りに「ぶくろ酒場」はあります。池袋駅からも東池袋駅からもわざわざ出向くにはちょっと遠く感じられる場所にあって,馴染みはそばの会社のサラリーマンたちのようです。ごく平凡ながら長いカウンターと広いテーブル席のスペースがあって,大衆居酒屋らしい体裁は十分すぎるほど整っています。店名の軽っぽさから今時ありがちなモダンなお店を想像していましたのでちょっと意外でした。恐らく居抜か代替わりがあったのでしょう。厨房には若い男性がおられ,もしかするとこの人が後を継いだのかもしれません。肴も酒もいずれも手ごろな値段で,ちょくちょくやって来る割にはこれといって馴染みになる店も少ない池袋では安心して利用できる良心的なお店に感じられます。ただちょうどいたグループが,お客さんが同じ会社の人たちで必要以上の騒ぎっぷりで辟易とさせられました。店が悪いのではなくて,あくまでも客たちのマナーの問題です。とはいえ,空いていて広い店なら騒ぎたくなるのも無理はないんですけどね。さて,あまりに騒々しいし,次なるお店では立派なもつ焼をいただかなくてはならないので手短に店を出ることにしました。 さて,そこからがちょっと遠いのです。東池袋駅は有楽町線の駅だけではなく,都営荒川線と接続しており,荒川線の沿線はかつては民家が線路に迫るように建っていたのですが,今では更地となって舗装され,すっかり味気なくなっています。そんな寂しい夜道を進み,鬼子母神電停を通過,雑司ケ谷電停の踏切前を右折すると商店街になっているのですが,店舗もまばらです。そんな寂れ果てた商店街を明治通りに向かって進むと「高松屋」があります。ネットの口コミなどを読むと評価は真っ二つに分かれて,どちらかと言えば排他的な店のスタイルを非難するようなコメントも見受けられますが,ぼくにとってはここはまさしく名店です。当たり前のようですがつくづく店の好き嫌いというのは人によってさまざまなのだなあと改めて思います。で,ここは何度か報告しているので今さらあれこれごちゃごちゃ書くことはありません。常連の顔触れは以前と違っているようにも感じられますが,それはこちらが思い出したようにしか通っていないからかもしれません。しかし,店の喧嘩ばかりする父子はまったく変わっておらず安心しました(こちらの二代目の兄さんは休日などに池袋の街中でばったりあったりするとにこやかに挨拶してくれるのでした)。酒(凍結酒もあり),焼酎割数種,瓶ビール(はじめて訪れてビールを頼むとサッポロ,キリン,アサヒどれにしますと問われます)のシンプルな酒類ももつ焼6種に一応裏メニューのアブラに厚揚,ピーマン,しいたけ,トマト位のやはりシンプルな肴もまるで変わりありません。これにお通しの塩豆が加わればあとはもう何もいらないのでした。タレも気になりますが,やはり塩にしておきます。こちらのニンニクを醤油に付け込んだ特製たれをしっかり付けて食べるのがここの流儀。ああ,こうして書いている間にもまた行きたくなってきました。今晩寄ることにしましょうか。
2014/03/28
コメント(0)
酒呑みの嗅覚をもってしてもどうにも手に負えないのが都営荒川線の向原電停界隈です。何度訪れてもこれといった酒場どころか、チェーン店の居酒屋すらままならぬということではいくら嗅覚にちょっとだけ自負があったとしてもいたしかたないのかもしれません。というわけでどうしてそんな場所に行ったのだと言われてもなんとも答えようがなく、JRの大塚駅で下車してぶらぶらしているうちに寒さにまいって立ち寄った中華料理店がたまたま向原にあったということなのでした。 「中華料理 千葉家」はかつての豊島区立中央図書館に初めて行った頃にはとっくに営業していたので、創業後随分な歳月を経ていることは間違いなさそうです。交差点の角地で老朽化した店舗があるもんだとはかねてから当然知っていたのですが、なかなかお邪魔する機会もなく今に至っておりました。ここ数年、酒場巡りの余波から古い食堂やら中華料理店を居酒屋遣いすることに抵抗がなくなってきたことで、町を歩きながら目に留まる機会や素養も育まれたようです。昔から古書店や古道具屋、おもちゃ屋などを眺めるのが好きでしたが、最近はパン屋やそば屋、寿司屋なども含めてどうも食い気ばかりに気がとられるのはよくない傾向です。と話が脱線しましたが、この「千葉家」も豊島区では古い中華料理店の一軒です。特に池袋を中心に古い店舗が町から姿を消して行くのはさびしいものです。この場合多くはチェーン系の中華料理店なんかに様変わりするのですが、大塚の場合は、中国人などが経営する本場の味わいの中華料理店にとってかわられることが多いようで、これはチェーン系よりはいくらかマシとは言えますがやはり残念なことです。で,肝心の「千葉家」について一向に触れられていませんが,広々とした店内は心地よく,家族経営の店の方も親切,お客さんも3世代の家族連れがいてとても楽しげと古くてもなかなか気持ちのいいお店なのでした。 さて,続いては面倒なので「東池袋小町食堂」と,いかにも今時のチェーン系食堂風のお店にお邪魔してみました。近頃地名に食堂をくっ付けた系列店はそこかしこで見掛けますが,こちらは「小町食堂」となっているのだけが違いという感じ。帰りにもらったポイントカードを眺めると新川,御徒町,幡ヶ谷,錦糸町,大森,西新宿とそれこそ都内各地に店舗を構えているようです。入口でお盆を手にしてショーケースに並ぶ好みの惣菜をピックアップ,温めた方がいいものはチンしてもらうというお馴染みのシステム。幼少時に関西方面で暮らした頃は一膳飯屋がそこいらにあって,ここで食事をするのが楽しくて仕方なかったものですが,今でもその当時の性癖には変わりはなさそうです。ちょこちょこっと好みの惣菜を肴に呑むのは楽しいものです。居酒屋のような大皿ではなく独りでもちょうどよいサイズが出されるのも重宝です。ここではちょっと古くなった揚げ物を玉子でとじて出してくれるのがお得なメニューとして用意されていて,卵とじには目がないものとしてはついつい手が伸びてしまいます。まあこういう店ですから他のお客さんとの交流など期待すべくもありませんし,サラリーマンが夕食までのつなぎに食事するのを眺めながらの呑みは多少の優越感はあるものの物寂しくはあります。
2014/03/26
コメント(0)
ぼくにとってかつて池袋東口と言えば映画館の町を意味しました。今は亡き人生横丁がそう呼ばれるようになった人生坐こそ知らぬ世代ですが,文芸坐をはじめ池袋日勝文化やACT SEIGEIシアターなどには随分と世話になり,人生のある時点における2割程度の時間はここで過ごしたと言っても大袈裟ではないかもしれません。とある事情―もったいぶるほどのものではありませんが―から映画を見ることを自らに禁じて久しくなりますが,文芸坐は新文芸坐としてかろうじて持堪えているものの他館はその痕跡すら留めていません。ぼくはこの風俗店が密集する界隈にほとんど魅力を感じなくなっているのでした。それでも時折,何らかの変化があるのを期待して訪れてみるのです。 ひとしきり周辺を歩いてみますが,さほどの変化はなさそうです。さっさと呑みたくてうずうずしてきたので,スタートは「立ち飲み 小島」にしました。随分ご無沙汰してしまいましたが,それでも数年振りなので,新文芸坐に最後に訪れたよりも後のことになります。黄色い大きな看板は以前とまるで変わりません。タイ料理を出す立飲み店で,そこそこの広さがあってどうということもありませんが,ホッとできる空間です。先客は3名,いずれも肴なしに酒だけ呑んでいます。きっとここに立ち寄るのが日課になっているんでしょう。それほどまでにリラックスして,店の恐らくタイ出身の方とも親しいご様子です。久しぶりなので注文や支払いのスタイルを周囲を素早く観察します。立呑みの定番のキャッシュオンでした。 文芸坐がまだまだ元気だったころから,池袋でずっと変わらず営業している数少ないお店のひとつが「北海から来た男 池袋本店」です。この界隈では老舗であった「長嶋球場 いか太郎」もいつの間にやら店を畳んでしまった今となっては貴重なお店です。であるにも関わらず,なんたることか「北海から来た男」にお邪魔したのは実はこれが初めて。新大塚にも支店らしきお店があることは前々から知っていましたけど,なかなか足を運べなかったのは店名のいかめしさにうまく乗れなかったからです。この夜もたまたま通りがかった際に店先の品書きに思ったより安いハイボールの記載があることに気付かねばまたもや通り過ぎるのみとなっていたはずです。いかにも炉端焼き屋さんらしい北国の古民家風の造りはあまりわざとらしさを感じず思いがけずもいい感じです。カチンコチンの氷下魚を木槌でゴチンゴチンとしばき倒しているのを見ると,ついつい手が伸びます。しゃぶりしゃぶりしながらハイボールをやるのはなかなかオツです。ところでこちらのお店,独りで呑むにはちょっと辛い。場所柄もあるのでしょうか,妙齢の男女ペアが客席の大部分を占め,独り身はなんだか虚しさを感じるのでした。
2014/03/19
コメント(0)
つい先だって,池袋のかつての三業地のとば口でハシゴしましたが,今回はその中心となった通りの真っただ中―とは言っても今では寂れた人気の少ない商店街としか見えない通りとなっています―で呑むことにしました。この界隈にはかつて数年ほど暮らしたことがあり,当時足繁く通った酒場に10年振り位で訪れてみることにしました。 そのお店は「酒楽」と言います。かつて三業地の検番が置かれた場所からもすぐそばの場所です。かつての自宅からはもっとも近距離にある酒場の一軒なので,さんざん呑んだ挙句であっても自宅に近いという安心感から度々お邪魔したしたものです。とは言っても,店のご夫婦と親密な付き合いとなることもなく,何度通っても淡々とした対応であったのも酔っ払いにとってはむしろ気楽に感じられたのでしょう。当時お二人は60歳前後だったはずですが,今でも健在なのでしょうか。劇場通りから山手通りに抜ける道路拡張工事ですっかり付近の様子は様変わりしている中で,かつてとほぼ変わらぬ佇まいでいてくれるというのは驚くべきことなのかもしれません。店内もこの10年まるで何事もなかったのようにかつてのままの様子を留めていました。以前どおり猫もうろうろしていましたが,さすがにこの猫は代替わりしたんでしょうね。さらに驚くべきは店主夫婦のあまりの変わらなさです。10年という歳月などまるでなかったかのような,停滞感にこの場で長居することは危険であろうとの意識さえ芽生えました。そんなこともあって,ここでは2,3杯さっと呑むと逃げるようにして店を飛び出したのでした。 なぜかぐったりとくたびれたので,三業通りから早々に離脱し,池袋駅に向けて最短距離と思われるルートを歩きました。この辺りはかなり道が入り組んでいて,うっかり知らぬ道を歩くと思いがけないところに出てしまったり,まったく見知らぬ道を通ってしまうということがあります。この夜も近道を探りつつ進んでいくといつしかまったく見慣れぬところを歩いていて,引き返すきっかけも見いだせぬままやがて暗い通りにこれまた見覚えのない居酒屋を見掛けたのでした。これも何かの縁だと,先ほどまでの不安などどこへやらすっと引き込まれるように店に入ってしまったのでした。「ゆうさん」というお店でした。ゆうさんというから石原裕次郎とは似ても似つかないまでも,てっきり無口な男性店主のお店かと思ったのですが,どこかほのぼのとした女性店主が独りでやっているお店でした。カウンター6席ほど,奥には小さなテーブルがあるばかりの狭いお店でした。カウンターに先客4名,ちょうど1席が空いていました。一見の客にも驚く風もなく,飲物を伝えるとすぐにおしぼりとお通しが出されました。独りの客もいなかった先ほどとは違い,こちらは大層賑やかです。つい先ほどまでいた常連の方と4名の一人がささいなことで大口論となったようで,ひとしきりそんな愚痴を言い合うと,話題の中心はめったに訪れない一見客に振り向けられ,しばし虚実織り交ぜて会話に加わったのでした。いつの間にやら5杯ほども呑んでしまったので,お勘定して店を出たのでした。帰路を急ぎならなんとなくもうこのお店に辿り着けることはないのだろうなという予感に捉われたのでした。
2014/03/07
コメント(0)
大塚の駅前には多くの居酒屋があって,多くはそこそこの客の入りですがどうしてだかあまり活気がありません。客足がそこそこでも満席とまではいきませんし,客同士の交流もあまりなさそうで,単独客が多いのもその理由のようです。そういう意味では大人(というよりはおっさん?)の町の大人がしっぽりと呑める居酒屋が多いということで独り酒をするにはよい町です。ではあるもののやはり例外というものはあるもので,大塚にも騒々しい居酒屋もあるわけです。この夜は期せずしてそんな酒場をハシゴすることになりました。 さて,ぐだぐだと意味のない口上はこれまでにしてこの夜の最初の店に向かいます。何度も通り過ぎていたものの大塚の居酒屋としてはやや賑やかな印象でどうも気乗りしなかったお店に伺ってみることにしました。「豚toko 大塚店」です。北口の風俗店や居酒屋が立ち並ぶ通りのずんどまり。歩き慣れていればどうということのない距離ですが,もっぱら駅近の居酒屋を利用している方にとっては面倒に感じられるほどの距離があります。にもかかわらずすごい客の入り。この日がたまたまそうだったのかもしれませんが,一杯に入った客は少数の独り客を覗くとみな揃いも揃って声高に何やら下らぬことをがなり立てています。無論酒場で多少騒ぐくらいなら殊更言い立てるほどでもありませんが,この夜の客たちのマナーは度を越しています。しかも誰も彼も目つきの悪い男たちばかり。新規の客に対する刺すような眼光の陰険かつ暴力的なのには辟易とさせられます。とはいえ,お店の方はいたって感じがよく,メニューも気が利いていて好ましく感じました。ここには入りが悪いくらいの時にお邪魔するのが賢明であろうと思います。 いくらか嫌な気分を引き摺りつつ次なるお店に移動します。このところ何度となく店内を覗き込んでは,見送ることにしてきた「立飲みコーナー 大つか」です。どうして見送っていたか,それはいつ来ても独りであっても潜り込めないほどに混雑していたからです。5年は経ってしまったでしょうか,当時はいつでもそこそこ客は入っていてもさほど混雑してもいなかったように記憶しますが,この数年は立ち寄るたびに客でギュウ詰めになっていて,よほど店の顔にでもなっていない限りは入り込むすきがないほどになっていました。どういうわけか今晩はさほど混雑してもおらず,絶好のチャンスと随分久しぶりにお邪魔することが叶ったのでした。まあ,狭い間口から店の奥まではまっすぐに5メートルほどの奥行なので,混雑するのも止む無きことでしょう。女主人とそのちょっといい加減な従業員のおっさんは変わりありません。常連たちの顔ぶれがどうなったかは分からぬほどにご無沙汰していたようです。ぼく以外はみな常連たちのようで,客同士が親しげに語りあっている中で独りぽつねんと酒をちびちびと啜るのは慣れないと心苦しい気分になるものですが,その点こうした環境にはすっかり慣れっこになってしまったので,店の方や客たちの交わす恐らく毎晩さほど変わることもなく繰り返される会話に耳だけ付き合せてもらったのでした。また空いている隙をついてお邪魔したいと思います。
2014/02/21
コメント(0)
池袋駅の西口の繁華街を越えて,ロサ会館を背にしてさらに川越街道方向に進むと人気もまばらな呑み屋通りがあります。ここは池袋の三業通り。昭和の初期に三業地として認可され,最盛期には40軒ほどの料亭が軒を連ねたそうです。もう10年も前のことですが数年ほどの間,御嶽神社のすぐそばに住んでいたことがあります。このそばにかつての見番があったようですが,ぼくの暮らした頃にはすでに一般の会社となっていました。今でもかつての三業地の雰囲気を残すのは,営業を続ける「寿々代」のほかは数少なくなっていました。ただ,駅から近いとはいえない場所であるにも関わらず客が入っているとは思えぬような居酒屋やスナックが点々とあって,無鉄砲に手当たり次第入ってみたこともありました。 それほどかつては通った三業通りですが,どうしてだか当時からあったように記憶する「天作」には訪れたことがありませんでした。三業通りと言ってもその外れ,当時はなかった東京芸術劇場の前を通る劇場通りからほど近いという場所が場末的な印象を希薄にしていたことが足を向けさせぬ理由であったように今からすると思われます。建物も当時と同様,格別の味わいもなく,電光掲示板に掲示されるランチ営業中の文字も妙によそよそしく感じられます。見方によっては小料理屋さん風であるのも敬遠していた理由かも。ところが暖簾をくぐるとその印象は一転,いかにも王道の居酒屋さん。しっかり使い込まれたテーブルや椅子が店の年季を物語っています。何より年季を感じさせてくれるのが高齢の女将さん。どこがどうというわけでもないのですが,陽気で飄々としていてなんとも味わいがあります。しかも何よりうれしいのがお値段が安いこと。これといった酒場が数少ない池袋にあって,こうした酒場に出逢うことは稀なので実際以上によく思えた可能性もありますが,何かの折にまた利用したくなるようなしっとりと落ち着いたいい居酒屋であることは間違いなさそうです。 続いては,三業通りの真っただ中,飲食ビルの2階にある「ファミリーパブ 青い鳥」にお邪魔しました。このブログでは稀なスナックです。かつては通りの一本裏手のまさに民家というところで営業していましたが,その後,何度かの移転を経て,現在の場所に落ち着いたようです。2,3年置きに思い出したようにお邪魔しています。この新しい店舗には2,3回程訪れているでしょうか。扉を開けると懐かしのマスターが「××くん,よく来たね」と以前よりは若干皺が目立つようになってはいたものの相変わらずの年齢不詳振りで明るく出迎えてくれました。店は相変わらずの盛況ぶりで席はすべて埋まっています。お隣のお客さんはプロはだしの歌いっぷりで日頃こうした店で耳にする歌声とは一線を画しており,こんなカラオケであれば苦になりません。このお店をかつて愛用したのは酒の肴が充実していたから。かつてはめったに食べることのできなかった大勝軒のラーメンまで出してもらえるほど充実していましたが,今ではさすがにメニューからはなくなってしまったようです。「忘れないでいてくれてうれしいよ」とのマスターの言葉はそっくりそのままお返ししたい気分でした。そんな暖かい気持ちになって,すっかり酔いつぶれてしまったのでした。
2014/02/18
コメント(0)
大塚駅を振り出しに板橋駅方向にしばらく北上すると都営荒川線の巣鴨新田電停をかすめます。ここら辺まで来ると大塚駅前に乱立する呑み屋や風俗店も切れて,住宅街の様相を見せ始めますが,まばらながら中華料理店やそば屋などの灯りがあります。そんな暗い路地に一軒の煙草屋が併設する食堂があることは以前から知っていました。今晩はその食堂を目当てに夜道を歩いたのでした。ところが,当の店「千通食堂」には明かりが灯っていません。残念,しかし今でも営業しているのでしょうか,そばに交番があったので尋ねてみようかとも思ったのですが,極力警官とはお近づきになりたくないので,とぼとぼと歩いていると明治通りに辿り着きました。この辺りにはかつては「長野屋酒場」やつい先日閉店したばかりの「高木」がありますが,今ではあまり居酒屋も残っていません。 ここは池袋を起点に西新井大師や浅草に向かう時に都営バスでよく通過するので一軒おでん屋さんがあることはわかっていて,せっかくなので寄ってみることにしてみたのでした。「若松」という小さな一軒家のお店です。赤いテント看板にはおでん・大衆食堂とありますが,間違いなく酒を呑ませてもらえるはず。カウンター以外には2人掛けテーブル2卓だけです。オヤジさんが独りでやっていて,先客も一人だけ。馴染みの方らしく気安く会話を交わしています。めったになさそうな一見客ですが,僕のことはちらりと眺めやるくらいでさほど関心を寄せるでもなく放っておいてくれるのはありがたいことです。おでん以外にも黒板に10品程度の肴が書かれていますが,まずはおでんからいただくべきでしょう。3種ほどを盛り付けてもらいます。まあおでんってのはよほどお金を出さない限りは,すごい当たりもない代わりに外れも少ないのがいいところ。ここはしかも値段も安いので文句なしです。その後新規のお客さんが来ることもなくしんみりとひとり酒をゆったりした気分で味わえました。 さて,次はどうしようか,池袋方面に歩くことも考えましたが,ちょっと距離があるので億劫です。大塚駅に引き返すことにしました。万が一「千通食堂」が開いているやも知れないという淡い期待もありました。やはり開いていなかったわけですが,そばに「麺屋 三久」という新しい中華屋さんがあって,店頭にはちょっとした肴のメニューも出ています。ここまではそうそう来ることもなさそうなので入ってみることにしました。いや,そういえば以前このマンションの店に来たことがあったような。調べてみたらここは以前「みなと定食(中華レストラン みなと)」だったようです。ちょうど2年ほど前に来ていたようです。昔ながらのちょっと小汚い中華メインの食堂だったと記憶します。居抜で店内も大幅にリフォームしたようです。食券機でチャーシュー,メンマなどの3種盛りと飲物を購入,店の若い店主に差し出します。店の方と対面してしまうまっすぐなカウンターではなく,コの字型になっているので店の方と直接視線が交わることがないのが気が楽です。最初はお客さんがいなくて静かでしたが,やがて独り客が入ってこられ,こちらも肴数品で酒を呑み始められました。どうってことのないお店ですが,不思議とくつろげる感じなのは,店の方が出すものを出したら店の奥に引っ込むか,常連とお喋りしていてくれて,こちらには自然体で干渉しないというそぶりをしてくれたからだと思います。気配りもあって感じの良いお店でした。
2014/02/14
コメント(4)
大塚駅の周辺は飲食店,風俗店が密集しており,かなりの酒場を渡り歩きましたが,まだまだ見逃している酒場,あえて見過ごしてきた酒場も数多くあり,この夜お邪魔したのは前者の見逃していた酒場です。見過ごしてきた酒場にお邪魔するにはそこそこいい加減に酔っぱらってないと難しそうです。 大塚駅の北口前に伸びる呑み屋街をひたすら進み,自動車道路でいったん呑み屋が切れたそのさらに先に今回お邪魔した「居酒屋 はじめちゃん」はありました。暗い建物の地下に降りる階段の先には予想外に陽気なキャラクターの描かれた小さな看板が扉の上に貼られています。なんだかスナック風の店ではなかろうかとのいやな予感を断ち切るように思い切って店内へ。店に入るとおやおや案外落ち着いた風情のごくごく普通の居酒屋さんのようです。小上りには子連れのお客さんもいたりしていたってアットホームなムードです。ぼくの席のお隣ではすでにぐでんぐでんになった常連さんがおり,しきりにぼくにお喋りをしてきます。今晩はひとりしんみり呑みたい気分なんだけどなあといくらか面倒ではありますが,話し掛けられたら無視できない性格,ついつい相手になってしまいます。話題はもっぱらこの店のことに尽きており,ママさんと一緒に働く30代後半のお兄さんのことを,彼はいい奴だ,早く女を見つけてやりたいなどと褒めたたえます。その彼はこの手の話題には慣れきっているらしく,適当に話を流しています。そんな10数年来女っ気のない彼ですが,親子連れの娘さんは彼のことが大好きなようでしきりにまとわりついていました。ママさんは寡黙な人かと思いきや,調理の手が空くと,急に思いがけないほどの激烈な毒舌が炸裂してびっくりさせられます。とまあ町外れの酒場では極めてありふれた光景がここでも繰り返されていたのでした。 続いて,駅に引き返しながらメインの呑み屋街の一本裏手の道を歩いていると「炭串焼き 勝よし」というお店がありました。こんな店あったかなあ,と訝しみつつもお邪魔することにします。テーブル席がメインですが,壁際にもカウンターがあって,これが立飲み屋なら特段珍しくもありませんが,見た目はごく一般的な焼鳥居酒屋で壁向きのカウンターは幾分物珍しく思われます。店に入った瞬間感じたのが先客が2名だけと客の入りが悪いこと。これは何かあるのではと思いながらも今さら引き下がるわけにもいきません。品書きをみると値段も安くて品数もまずまず揃っています。店の方は1名だけで外国の方の用ではありますが,極めて応対っぷりもよくて無暗矢鱈に愛想を振りまくわけでもなく一生懸命な感じが好感が持てます。肴もけして旨いというほどではないにせよ,及第点は差し上げてもよさそう。どうしてそれなのに空いているのかと考えていると知人から合流するとの連絡が入りました。知人とは上司のT氏なのですが,店に入ってきて席に着くや,あの2人(先客のこと)すっげえやかましいな,店の外まで声が響いていた,そうかもしかしたらこの常連らしき2名が客足を遠ざけているのかもと思ったりしたのでした。
2014/01/30
コメント(0)
本所吾妻橋をぶらぶら歩いていたら,ちらりと立ち寄るのにちょうどよさそうな簡易バーみたいなのがありました。散歩にちょっとくたびれた頃だったので立ち寄ってみることにしました。 店は「浅草スマイルバー(Asakusa Smile Bar)」というそうです。ビジネスホテルの1階にあるスタンディングバー風(ちゃんと椅子はあります)のお店です。支払いは食券方式,適当に飲物とつまみの食券を求めて,カウンター隅に席を見つけます。西洋系外国人の女性と若い日本人男性が何やら語り合っていますが,やたらとワンダフルやらグレートを男が連呼するのがうっとおしくて,うんざりさせられます。帰宅後に調べてみると,この建物は外国人客向けのゲストハウスとなっているようで,外国人滞在者とのコミュニケーションを目当てに訪れる日本人客が多いようです。いろんな国の方と会話を楽しみたい方には愉快なんでしょうが,静かに呑みたい者にとってはいささか面倒に感じられます。女性バーテンダー(バーテンダーというほどはバーテンダーの勉強をしているわけではなさそうですが)もにこやかで愛想がよくて好感が持てます。
2014/01/24
コメント(0)
交通の便がいいからとまたもや下車してしまった池袋。この日は何かと文句が多い上司T氏が一緒なのでした。最寄駅が東武東上線沿線にあるため,必然的に池袋に立ち寄る機会が増えてしまうのです。このおっさんの場合,ケチを付けられないような酒場に連れて行かないと,2軒目,3軒目とハシゴするにつれてどんどんご機嫌は悪くなるし,それだけならまだしもお前はいつも御馳走になるばかりだ,たまには金を出すとか言ってみたらどうだ,なんて言って奢らされる羽目になるので独りで呑むより却って高く着いたり,それならまだしもラーメン屋なんかに引きずり込まれて食べたくもない(けして嫌いなんじゃなくて,飲酒後のラーメンがてき面に腹回りに影響するから)仕上げのラーメンということになることもしばし。なかなか気を使わされる上司なのでした。 そういうわけで池袋で安心価格でそれなりの肴を出す酒場の筆頭と言えばやはり「ふくろ」を避けるわけにはいかないでしょう。昭和28年頃創業のこの店のあるごく限られたエリアだけは戦後闇市の雰囲気を今に留めていてけして嫌いではないのですが,入店の叶わないことも多く,また店のお姉さんの不況を買うこともたまにあるため,癖のあるおっさんを連れて行くにはいささかの不安無きにしも非ずなのでした。さて,この夜も変わらず盛況で,ようやく2階席に落ち着くことができます。東口の美久仁小路の店では大抵カウンターに座ることができるのですが,こちらの本店はどうもテーブル席になることが多いようです。おっさんは日頃はほか弁なんかでも半分残してしまう位に小食なのですが,酒を呑むときは驚くほどに大量の肴がないと気が済まない(本人曰く翌日に酒を持ち越さないように呑むときは食べることにしているのだ)らしく,この夜もぼくにとっては数軒分の肴を注文しました。そういえばこの店のうれしいのは一人鍋ができることですね。それを思うと今晩にでも出向いて鍋でもつつきたくなります。焼酎が深緑のガラス製の酒瓶で出されるスタイルがおっさんには物珍しいらしくいたく感心しています。ハイボールはニッカのポケット瓶が出るんですよと教えたところ,ふ~んだって。日頃は無茶を言って店の方の不況を買うことも多いのですが,この晩は気持ちよく酔うことができました。品書:ビール大:450,酒:260,ホッピー(外:190,中:190),マカロニサラダ:250,串揚:100,肉ジャガコロッケ/揚しゅうまい:350,湯豆腐/カキフライ:450 さて,いい加減に呑んだので次はおごりとなることを想定して,「蔵元居酒屋 清龍 池袋西口店」に向かいます。もっぱら東口にある2軒の公園前の店舗を利用するぼくは,この西口店は初めての訪問となります。4人掛けのテーブルがメインでなんだか他店とは様子が違っていて,どうもしっくりときません。客層も他店はオヤジ度が高い印象ですが,ここは若い勤め人が多く,とりわけ女性の割合が高く感じられました。池袋にたびたび立ち寄るというのにも係わらずこのおっさんは「蔵元居酒屋 清龍」を知らないとのこと。しかもいい具合というよりはしっかり酔っぱらっていたため,このチェーンの最大の売りどころである支払いの安さも認識できなかったようです。おかげで奢りにならなかったのはありがたいと言えばありがたいことでした。翌朝,不機嫌な表情を浮かべ,2軒目行ったんだっけ?と聞かれるのもいつものこと。今度おっさんと呑むときは,1軒目はしっかり酒を呑ませてから,次なる店はびっくりして意識がしっかりしない程度に高い店に連れて行こうと思うのでした。
2013/12/10
コメント(0)
ビルの2階にある居酒屋というのは目に留まりにくいということもありますが,何より店の雰囲気がまるで伝わってこないし,何よりビルに入っているからにはさほどの歴史もないという先入観もあって極力避ける傾向にあったようです。この夜は巣鴨にある避けながらも気掛かりではあった居酒屋2軒を尋ねてみることにしたのでした。 JRの巣鴨駅改札を出て,白山通りを渡って大塚駅方面はちらほらと飲食店がある程度であっという間に住宅街があるばかりの暗くさみしい地域になるのですが,そのぎりぎりの場所に目指す居酒屋「平世志(ひらよし)」はあります。何の変哲もない新築らしきビルの2階に居酒屋らしきものがあるのが階下からかすかに窺えます。店内もまたありふれてはいますし,真新しい感じですが不思議と雰囲気は悪くありません。お客さんは一組だけ,海外からのお客さんを交えての会社グループのようでうっとおしいほどに盛り上がっています。メニューを見てちょっとびっくり,サワーが199円なんですね。季節柄これが旬のものとは思えぬ菜の花のおひたしのお通しが250円ではありましたが,これはなかなか良心的な居酒屋さんのようです。若い店主も一人で奮闘していて,人柄もよさそうですがこれ以上の客の入りになった場合には幾ばくかの不安を感じずにはおれません。これだけのキャパの店を独りでやるのはなかなか厳しいのではないでしょうか。まずは肴の値段ももう少し頑張ってもらって真面目に頑張れば繁盛するのではないでしょうか。 豊島市場を越えた先にあった「田舎家」はすでに居抜で別の店名になったことは報告済みですが,もう1軒の「田舎家」が巣鴨駅の豊島市場側ロータリーにあったことも書き添えてあったことはご記憶ではないのではなかろうかと思います。このロータリーの片隅の牛丼の「松屋」の2階にこの「田舎家」はあります。近頃あまり見かけなくなったタイプの大型独立系の店舗で,こうしたタイプのお店は浅草なんかの観光地でよく見掛けます。外観からはもっと大衆的なくだけたお店を予想させられたのですが,実際の店内は案外落ち着いたちょっと高級感さえ感じさせられる雰囲気です。「平世志」で安いサワーを呑み過ぎてしまったので,こちらで何をいただいたのかはすっかり記憶の彼方に消え去ってしまいましたが,それほど注文したつもりはないのにそこそこのお勘定だったように記憶します。
2013/11/30
コメント(0)
巣鴨は町の規模に比すると酒場の少ないぼくにとってはつまらない町なのですが,それでも隈なく歩いてみるとなかなかよい酒場があります。巣鴨で酒場を見つけにくいのは,駅前にそれぞれある以外は飲み屋街として密集していないからかもしれません。せいぜいが5,6軒程度のこぢんまりした酒場が軒を連ねているのが数箇所ある位でそのひとつ,中央卸売市場の豊島市場の白山通りを越えて向かいにある酒場をこの夜は目指したのでした。 この飲み屋長屋には2店舗ほど入ったことがありますが,たまたま食べログかなんかで知った「伊とう」というちょっとよさそうなお店にはまだお邪魔したことがありませんでした。ところがこのお目当ての店が探せど見つからず,それならばと向かったのはまだ1回行ったきりですが(先日伺ったらしばらくお休みと張り紙されていたと思います),すごい好印象のあるお店です。 再び白山通りを渡り豊島市場の脇の三叉路というかY字路に挟まれたところにある酒場に向かいます。この夜はやっていました。「呑み処 はなれ」です。ホッとして店に入る瞬間になんだか違和感を覚えたものの店の造りは以前のままのコの字カウンターです。品書きを見る限りでは酎ハイ:300円,ビール中:400円,酒:320円と庶民的なお値段です。肴の品書きも品数こそ20種もない位で前回と変わった感じはありません。ところが以前は老夫婦でやっていたお店なのですが,この夜は若い男性がいるだけです。気掛かりなので伺ってみたところ,平成25年8月から代替わりしたとのこと。老夫婦とは親族関係にはないように思われました。それでもすでに常連さんが付いたようで,まだ3名だけでしたが言葉数少ない店主も常連さんとは親しげな様子です。品書きが増えたねえとの言葉にご要望にできるだけ応じていたら増えてしまいましたと実直そうに語られていました。これから先が楽しみなよいお店にしてもらいたいものです(ちなみに巣鴨駅に戻る際,駅前でビル2階にある居酒屋を見た途端に以前は「田舎家」という店名だったなとはたと気が付いたのでした)。 少し呑み足りないので白山通り沿いにある古ぼけた中華料理店「中華料理 留仙」に立ち寄ることにしました。典型的な町外れの末枯れた中華料理店は酒場とは違うものではありますが,古いお店で酒が呑めさえすればぼくにとってはそこは十分に酒場なのです。しかもこちらは棒棒鶏などお得な中華メニューに加えてきんぴらやらポテトサラダなんかの呑兵衛好みのサイドメニューもあって思った以上に使い勝手がよさそうです。中華料理店で呑むことになると瓶ビールに餃子というのが定番ですが,ここならいろんな呑み方ができそうです。これなら立派な呑み屋と言っても過言ではなさそうです。棒棒鶏を肴に呑んだのですが,味付けも大変おいしい,本格的というより酒の肴にぴったりなのでした。店内も明るく清潔で,テーブルや椅子も随分使い込まれているんでしょうが,立ち上がるときにズボンのお尻が張り付いてしまって,ぺりぺり鳴ったりすることもありません。品書:サワー:300,焼餃子:500,棒棒鶏:400,きんぴらごぼう:350,ラーメン:500
2013/11/11
コメント(0)
このところようやく晴れ間が続いていますが,夏の終わりには悪天候が続いて急な暴風雨に見舞われることもたびたびでした。この夜はそれまではまったくの好天であったにも関わらず,池袋駅で下車するや否やものすごい暴風雨に見舞われてしまったため,あまり遠くまで歩き気分にもならずやむを得ず駅北口から出ると,せいぜいロサ会館までのどちらかで呑むことにしようとまったく気勢の上がらぬ気持ちのまま雨中を歩き出したのでした。随分行っていないのでたまには「千登利」で煮込みでも食べようと思ったのでしたが,猛スピードで店の前に駆け付けたもののこの日はお休み。実はこの日は,愚痴が多い上司T氏が一緒で早くもお決まりのボヤキが始まります。 しからばと新潟出身のT氏のご機嫌をとるために通りがかりで見かけていたビルの4階にある「田舎料理 佐渡」に入ってみることにしました。ビル前の看板には日本酒400円~とあるのでそれほどはお高い店ではなさそうに思われました。エレベーターが4階に着くとごくごく狭いスペースの先にすぐに引き戸があります。店内はこざっぱりとした和風の空間でテレビドラマのセットのような雰囲気です。一言も声を発しない板前さんと和装でかなりの年増の女将さんがおり,客は相当出来上がっている2人組だけ。カウンターには大皿が置かれ,この天候だというのにかなりの量の惣菜が盛られています。そこからかぼちゃの煮付けや肉団子などを見繕ってもらいます。女将さんは店名通りに佐渡のご出身とのことですが,会話は途切れ途切れになってあまり続きません。雨も強まってきたし,あまり楽しくないのでほどほどで引き上げることにしました。お勘定をするとこれが何ともお高い。お通しや惣菜のどれもが1,000円以上はするんでなければ計算が合わないほどです。T氏のご機嫌も激しく悪くなってしまいました。 やむを得ず2軒目に行くことになり,ここはぼくの奢りという流れとなってしまいました。しからば「若大将 まつしま」で極力お安く済ませることにしましょう。ここは酎ハイ系がかなりでかいジョッキで出されるので,そちらを呑むよう促しますがわれ関せず,普段は呑まない焼酎ロックなぞを注文しています。そこそこ腹はくちくなっていたので,サラダにおしんこというヘルシーなものにします。ここでもT氏の怒りは収まるどころが焼酎ロックが作用してほろ酔いから悪酔いへと移行しつつあるようです。店の奥のカウンターの先は扉が開きっぱなしになっており,それを見てここは食い逃げし放題だななんてのたまわって店の外国人店員もうんざりした表情を浮かべています。この先に交番あるからここで食い逃げする根性のある奴はいないでしょ,なんてなだめすかすのに忙しくて酔っぱらってるどころではありません。そのうちぼくも機嫌が悪くなりだして,知らぬ間にT氏と口論を始める始末。せっかくのいい店も喧嘩になっては楽しむどころではありません。こういう酒場はやはり一人落ち着いて呑むべきなのでしょう。
2013/11/06
コメント(0)
あまり縁のない方にとって,巣鴨はせいぜいとげぬき地蔵がある場所という認識がある程度なのではないでしょうか。実際,駅の南側にはこれといった見るべきところもなく,白山通りに沿って商店が並ぶ程度ですし,北側には地蔵通りと豊島市場と裏手に染井霊園があるくらいで居酒屋はあまり見受けられません。それでも丹念に路地をチェックして歩くとなかなか年季を感じさせてくれる居酒屋があるものです。 巣鴨駅を出るとすぐの白山通りを越えていつもはついつい賑やかな地蔵通り商店街を歩きますが,なんとなく気が変わって暗い裏通りを散策します。大塚に本店のある「大提灯」など何軒かの見知った店を通り過ぎ,さらに彷徨うと「富庄」なる居酒屋がありました。迂闊にもこれまで見過ごしていたようです。昔はどこにでもあった「庄や」なんかに近いいまではすっかりオールドファッションとなってしまった和風居酒屋のようです。ぼくが呑み始めたころはこうした居酒屋が主流でどこかしら郷愁する感じさせられます。店内もテーブル席も窮屈そうな造りで昔の人の体のサイズに合わせて作られているように思われます。カウンターは厨房を取り囲む形になっていて店の方との距離も近く感じられます。気のいい初老の夫婦で旦那はお喋り好きみたいで,常連さんとおしゃべりに興じながらも手際よく仕事をこなしています。肴のお値段がややお高めということもあったのでお得な豆腐ステーキを頼んだところこれが驚くほどのボリュームで,これだけですっかりお腹がいっぱいに膨れました。常連さんも注文しているのをみるとこれはちょっとした名物料理なのかもしれません。残念だったのがお会計が不自然に高かったこと。計算ミスであることを期待します。 駅を越え,白山通りを千石駅方面にしばらく進み,これといって変哲もない通りを右折すると外見だけではこれといった特徴のないこぢんまりとした構えの居酒屋があります。「陣馬」というお店でした。中に入るとすぐがカウンター席で,けっこうな年季を感じさせてくれます。これはなかなかよさそうだとなぜか日頃頼むことのないマッコリなんかをもらったりしてみました。こちらも初老のご夫婦で切り盛りされているようで,無口な方たちである印象を受けました。日によってはお喋りを楽しみながら呑みたいこともありますが,ひとり黙々と呑む時間を邪魔されたくないときにはよさそうです。いつものことなのかこの夜が特別なのかはわかりませんが,奥の小上りも含めて客は入っておりませんでした。正統派の居酒屋さんとしてちょっと気が利いていて使いやすいお店でした。巣鴨にもきっとまだまだいい居酒屋さんがあることを期待させてくれるお店だと思います。
2013/10/24
コメント(0)
なんら目星もなく酒場を目指すと外れがほとんどで,まれに当たりの店を引くと実際以上に高く評価しちゃったりすることがあります。それでもそんな偶然の選択をしたときには,さすがにそれなりの場数を踏んだだけのことはあるなあと己の嗅覚の確かさに過大な自信を抱いたりしてしまいます。逆につまんない店や驚くほどの請求をされたりした場合(こちらのほうが圧倒的多数)には自らの未熟さを責めることはせずに近頃の飲み屋のオヤジたちはまったくなってないなあと店側の責任に転化してしまいます。この夜もやはりどちらかというと後者を選ぶことになってしまったのでした。なお,この夜は毒舌かつ思ったことすべてが口をついてほとばしり出てしまう性癖の持ち主であるわが上司のT氏を伴っての大塚酒場巡りなのでした。 最初に伺ったのが「ぐいのみ 大」,ネット情報によるとこの銘酒酒場は,「串駒 江古田店」からの流れのようです。「串駒」といえばご存知,数ある大塚の銘酒酒場でもトップクラスの知名度を誇るお店ですがどうした因縁からなのか,同じ大塚で店を出されたようです。カウンターとちょっと広めの座敷がありますが,居酒屋情緒はまるで感じられず,なんだかちょっとがっかり。内装で客を楽しませるという考えはあまりないようです。カウンターに着くやメニューを開いたT氏の口からは早速値段の高いことへの不満が噴出します。この方の不満の垂れ方というのが豪快というか恥ずかしいというかあまりにも露骨かつ直接的かつボリュームが高いため,同席していて冷や汗が滲むほどです。ビールの次は本日のおまかせ利き酒セット3種というのに移行します。故郷の新潟に思い入れの強い方なので新潟の酒がないことに非常に憤りを覚えるようでさらにご機嫌は悪くなります。この店への怒りがピークに達したのが小ぶりなピザを目にしての一言を発した時のように思われます。「ちっちぇえなあ,ねえおねえさんこのピザちっちゃいねえ」と女性従業員にまで話し掛けます。ぼくも内心では思いはするものの口に出すのは憚られます。まあそれが普通なんでしょうけど。ピザを口に運ぶと「うまい」と言って,ものすごい速さで平らげていきます。楽しみにとっておいた一切れさえも奪われてしまいました。ともあれ,ぼくの財布事情ではとても通えそうにはありませんが,アベック客が多い中,ひとり客などもおり広範な支持を獲得しているようです。品書:ビール中:600,本日のおまかせ利き酒セット3種:980,酒(亀泉)1/2合:430~,おつまみジャコ:280,しらすおろし/本ししゃも:480,にんじんシリシリ:450,無農薬季節の農園やさいいろいろ盛:880~ 予定を上回る出費に御機嫌を悪くしたT氏は次はお前のおごりななんて無体なことをいうのでしからばと向かったのが「立飲みコーナー 大つか」です。随分と行っていないのでちょっと楽しみ。すると店内どころか外にまで人がはみ出ています。こりゃ困ったなあと思ってよくよく見ると屋外のテーブルはお隣のお店のもののようです。「スタンディングバー いとっこく」というお店だったでしょうか。スタンディングバーですが椅子があって,こちらはお隣と違ってお客はひとりだけ。値段はお隣に引けを取らない程度には安かったと思うのですが,二軒の入りは歴然と差があります。確かに呑んでいてどうしてだかあまり楽しくならないのでした。
2013/10/23
コメント(0)
全353件 (353件中 251-300件目)