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以下は大分前に書き掛けのままに放置されていた文章に加筆・修正を施したものであります。-- 文学に登場する玉ねぎには、ブロンテイ著/十一谷義三郎訳『ジエィン・エア』があります。--アボットが熱くなつて叫んだ。「可愛いゝお孃さん! 長い捲毛、青い眼、顏の色艷のいゝこと、まるで描いたやうだわ。ベシーさん。あたしは、夕飯にはウェルス・ラビットを食べたいわね。」「さう、私もよ……熱い玉ねぎつきでね、さあ、行きませうよ。」彼等は去つた。-- ウェルス・ラビットは以下のことですね。以前、このブログでも試したことがあります。フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia) 「ウェルシュ・ラビット」https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%88 シャーロット・ブロンテは1816年4月21日 - 1855年3月31日 「熱い玉ねぎ」かあ。熱いってことはやはりこれまた揚げ玉ねぎなんだろうか。「イギリス」と「揚げ玉ねぎ」を調べても検索に引っ掛からない。やはり翻訳で調べるのは無理があるのだろうか。ということで原典に当たってみた。‘So could I—with a roast onion. Come, we’ll go down.’ T hey went. なるほど“roast onion”なんですね。ってことは玉ねぎをオーブンで焼いた料理のことを指すのだろうなあ。例えばこんな感じ。https://oliveoillife.jp/recipe/5710/ 確かにまあ「熱い玉ねぎ」ではありますけどねえ。-- といった元の文章の理解不能な部分をちょっと補足したり、調べを原典に当たってみると随分誤った解釈をしていたことが判明しました。実は間違った解釈の方が面白みがあるのですが、さすがにミスを知ってしまってそれを公表するのは憚られるのでした。にしても外国小説の料理に関する誤訳って厄介ではありますが、結構、想像力を掻き立てられて調べてみると面白いかもしれないですね。帰れ、鶏肉へ!(ピョートル・ワイリ/アレクサンドル・ゲニス著『新装版 亡命ロシア料理』)[ロシア]【材料】鶏肉 400g/玉ねぎ 2個/バター・ローリエ・胡椒・塩 適宜【作り方】1. 鍋にバターを熱して鶏肉、玉ねぎ、ローリエ、胡椒、塩を加えて弱火で1時間煮る。 ネットで話題になっていた料理です。意味不明で間の抜けた料理名ながらこんなシンプルな食材でもちゃんと美味しくなるのでした。新玉ねぎの丸ごと漬けステーキ(相場マナブ)【材料】新玉ねぎ(電子レンジで600W3分30秒加熱/バター 適宜/【調味料】に漬ける/輪切り) 2個/【調味料(混ぜる)】めんつゆ(3倍濃縮) 170ml/みりん 80ml/鰹節 2g【作り方】1. フライパンにバターを熱して新玉ねぎを両面焼く。 玉ねぎの丸ごとなんとかって色んなレシピがあるけど、どれも大体似たような仕上がりに思えるのです。今ではいっそシンプル過ぎる位の方が美味しいんじゃないかと思っています。新玉ねぎの丸ごと漬けそば(相場マナブ)【材料】そば(茹でる/冷水で洗う) 1人前/つゆ】新玉ねぎの丸ごと漬け(粗みじん切り)・新玉ねぎの丸ごと漬け(漬け汁)・水・新玉ねぎ(みじん切り) 適宜【作り方】1. 皿にそばを盛って【そばつゆ】を添える。 そばと玉ねぎは相性がよくないのかもなあ。そういやカレーそばって好きなんですけど、玉ねぎと一緒に口に入れるとちょっと違和感があるような気がします。新玉ねぎの丸ごと漬けスパゲッティ【材料】スパゲッティ(茹でる) 80g/オリーブ油・ベーコン(1cm幅)・にんにく・塩・胡椒・新玉ねぎの丸ごと漬け(粗みじん切り)・新玉ねぎの丸ごと漬け(漬け汁)・水・新玉ねぎ(みじん切り) 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してベーコン、にんにくを炒める。残りの材料を加える。皿に盛って胡椒を散らす。 これも丸ごと漬けステーキの援用でしたね。まあいっか。これは分かり易く美味しいのですがこんな面倒なことをせずに単に玉ねぎをスライスして放り込んだって十分に美味しいんじゃないかなんて思ってしまうのです。ちなみにぼくは大のナポリタン好きなんですが、かつてダイエットしていた際にどうしてもナポリタンを食べたくなった時には、パスタはごく控えめにその代わり大量の玉ねぎを入れたパスタ入りの玉ねぎナポリタンを愛用していました。でこれは今でも大好きなのです。
2024/11/23
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これといった確信があった訳ではないのですが、日本におけるセロリの受容ってせいぜい戦後のことだと思っていました。気になったのでWikipediaで調べてみます。すると以下の記載がありました。--日本には16世紀の終わりごろに、中国から朝鮮半島を経て伝わった。加藤清正が文禄・慶長の役の際にニンジンの種と騙され日本に持ち帰り、「清正ニンジン」と呼ばれたという説がある。そして西洋では、食用に栽培されるようになったのは17世紀に入ってからでヨーロッパ南部で始まった。18世紀の江戸時代に入り、完全な食用種としてのセロリが日本に輸入したが、独特の強い香りのために普及しなかった。日本で普及したのは昭和30年代のことで食生活が洋風化してからのことである。現在、日本に広まっているセロリは、後に入った西洋種であるコーネル種の系統である。-- なるほどねえ。16世紀には伝わってはいたんですね。江戸時代には食用として輸入されてもいたんですね。ぼくの想像していたのは、食用としてのセロリが普及し始めた時代のことだったんですね。その当時はどうやって食べられていたんだろうなあ。気になったので、またも青空文庫で調べてみます。やっぱりなあ、古川緑波著『古川ロッパ昭和日記』に少なからぬ頻度で「セロリ」が登場しています。食べた日付けと食べ方のみ引用します。昭和十一年十月三日(土曜) セロリの生昭和十二年三月二十九日(月曜) セロリスープ昭和十三年十一月二十三日(水曜) ハムとセロリのトーストに乗ったの昭和三十三年八月三十一日(日曜) セロリ・ポタージュ同年十月七日(火曜) セロリー(とのみ記載のため食べ方は不明。生か?)同年十二月十九日(金曜) ポタージュは、セロリ この記述を読むと少なくとも富裕層のグルメたちには昭和十年にはセロリが普及しているように思われます。昭和十三年から三十三年までの空白期間が気にはなりますが、生で食べるもしくはポタージュで食べるっていうのが定番だったみたいです。日本の一般家庭では、今だってこれと変わらないような気がするなあ。案外、セロリって食べ方にヴァリエーションがないものなのかもしれないなあ。なんてことを改めて思うのでした。でも、トーストにセロリってのは一風変わっていますね。と他人事のように書きましたが、実は先般とあるセロリトーストのレシピを試してみたのですが、悪くなかったのです。セロリのサラダ(オルランド)【材料】セロリ(7cm長細切り) 3本/レモン(氷水で冷やす) 1/4個/にんにく 1/2個/アンチョビ 2.5枚/イタリアンパセリ(粗みじん切り)・塩 適宜/オリーブ油 大さじ1【作り方】1. ボウル(内側)ににんにく(断面)をこすり付ける。アンチョビを加えて潰す。塩、オリーブ油を加える。セロリ、イタリアンパセリ、レモン汁を加える。皿に盛ってレモンを添える。【備考】ELLE GOURMET 人気の料理レシピ 「「オルランド」のセロリのサラダ」https://www.elle.com/jp/gourmet/gourmet-recipes/a42184023/orlando/ 非常にシンプルなサラダです。マヨネーズやフレンチドレッシングが定番ですが、このイタリアンな食べ方も随分以前から目にします。昔から定番なだけあって安定の美味しさ。セロリとカブ、生ハムのマリネ【材料】セロリ(斜め切り) 1本/カブ(2等分/薄切り) 1個/生ハム(1cm幅) 4枚/【マリネ液(混ぜる)】オリーブ油・白ワインビネガー・ 大さじ1/粒マスタード・はちみつ・塩 小さじ1/2/胡椒 適宜【作り方】1. 全ての材料を和えて胡椒を散らす。これは定番の生で食べるタイプ。ちょっとだけ御馳走感のあるサラダで、セロリ好きなら美味しいと思います。セロリとカブ、イカのアンチョビバター炒め【材料】セロリ(斜め切り) 1本/カブ(半月切り) 1個/イカ 50g/生姜・にんにく・赤唐辛子(砕く)・アンチョビ(刻む)・オリーブ油・白ワイン・バター・塩・胡椒・レモン汁 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱して生姜、にんにく、赤唐辛子、アンチョビを炒める。セロリ、カブ、イカを加える。白ワインを加える。バター、塩、胡椒を加える。レモン汁を加える。 セロリの炒め料理は中華料理で見掛けますが、これはイタリアン寄り。炒めると香りはマイルドになりますが、食感は良いままなのでセロリが苦手な人でも食べられるかな。セロリのキーマカレー【材料】玉ねぎ(粗みじん切り) 1/2個/にんにく・生姜 1片/セロリ(みじん切り) 1本/トマト水煮 1缶/豚ひき肉 150g/カレー粉 大さじ2/鶏がらスープの素 小さじ1/水 100ml/塩 適宜/クミンシード 小さじ1/2/カルダモン 4個/クローブ 6個【作り方】1.鍋にサラダ油を熱してクミンシード、カルダモン、クローブを炒める。にんにく、生姜を加える。玉ねぎ、塩を加える。セロリを加える。トマト水煮を加える。火を止めてカレー粉を加える。豚ひき肉、鶏がらスープの素、水を加えて煮る。塩を加える。 セロリを煮込んだ料理も色々あって好きなんですが、同じ煮込みでもカレーにしちゃうというのは案外変わっているかも。だしの一部みたいにこっそり忍び込ませるんじゃなく主役扱いにするのも実はとても美味しいのです。
2024/11/22
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ここ数年、旅行に対する意欲がガクンと衰えているのを感じます。その気になりさえすれば行けなくもないし、行ったら行ったでそれなりに楽しめるであろうことは分かっているのです。でも旅に出たいって気持ちよりは、もっと時間を掛けたいと思えることがあって、そちらに時間を回したいと思ってしまうからどうしても旅に出るのに二の足を踏んでしまうのです。だからまあ、旅行といっても純粋な旅ってのはなかなかする暇がなくて、何かのついでにちょっと旅行気分を味わおうってことになるのです。今回はその理由がかなり不純でありまして、年老いていく両親の顔を見に行くという全くもって興趣に欠ける目的で何とか旅へのモチベーションを高めた次第なのです。すでに身バレしているので書いちゃいますが、両親は今、仙台に住んでいるので思い出したように仙台に行っているのですが、今の仙台はぼくの知っていた頃の仙台とはすっかり様変わりしてちっとも面白味のない町になってしまいました。久し振りに訪れた仙台は、特に仙台駅がとんでもない変貌を遂げていたりして、驚きはあったもののその驚きは必ずしも歓迎すべき驚きではなかったのです(ちなみに野暮用で多賀城にも行ったのですが、駅に併設した図書館がこちらもまた驚愕の変化を見せてくれ、こちらは地元の方が羨ましいと感じさせるものでありました)。それはともかくとして老夫婦が暮らす実家に行っても退屈極まりないので、どこかで落ち合うことにしようとなりました。しかしねえ、仙台付近で興味のある場所など限られています。そこで思い付いたのが、国の登録有形文化財にも指定される温泉宿だったのです。 訪れたのは、白石の鎌先温泉にある「時音の宿 湯主 一條」です。宿名は取ってつけたようでどうも気に食わないのでありますが(「湯主 一條」もしくは「一條」で充分ではないか)、木造3階建てという風情ある構えが非常に魅力的だったのです。急遽決まったことなので、値段も詳細もお構いなしに取り急ぎ予約を入れて(珍しく太っ腹!)、福島までの高速バスを確保(ここら辺はいかにもケチ臭い!)して、車中の人となったのでした。福島駅で昼食がてらの一杯という目論見は東北本線の乗り継ぎの都合でもろくも崩れ去ったけれど、宿での飲食には金銭に糸目を掛けぬこととしたのです。白石駅で両親と落ち合い、邂逅はそこそこに宿の迎車に乗り込むと一路マイクロバスは宿へと向かうのでした。にしてもこちらの温泉街は街としての体裁まではなしていないようです。他に現役の宿が二軒、カフェが一軒といった非常にこぢんまりとした陣容なのです。でも最近はこういった宿でまったりと過ごすというのも悪くないものだと思っています。一応は近隣を散策してみますが、どうゆっくり歩いても5分と持たぬ程度です。それで構わないのだ。何といってもここは温泉宿だから温泉を満喫すればいいだけのこと。って実はぼくは温泉に限らず風呂が苦手なのです。いや、38℃くらいのぬるい湯であれば1時間だって入っていられるのですが、それ以上に熱い湯だと5分どころか3分だってキツい位なのです。しかも風呂上がりの汗っていうのが大嫌いなもんだからこちらの2つの風呂、3つの浴槽をひと通り味見しても30分とは掛からなかったし、湯船に浸かっている時間より湯冷まししている時間の方がよほど長かったのです。でもまあ部屋に戻ってゴロリと寝そべりながらうつらうつらしているうちに早くもメインイベントの夕食の時間です。飲食するのが先から書いている木造3階建てなのです。居室のある新館から渡り廊下を通って本館に向かいます。この道中がたまらなく雰囲気がいいんですね。この廊下で一杯遣りたい位です。本館に入っても手入れが素晴らしく行き届いていてきれいでありつつも往時の面影を農耕に留める内装に思わず興奮してしまうのです。我々には立派な一室が用意されていて室内はどうということもないのですが、窓越しに表の風景を視界に含めてみると実に風情があるのでした。さらにさらに出てくる料理のどれもが綺麗なだけではなく美味しくて大いに満足しました。うっかり呑み過ぎてしまって、新館にあるバーに立ち寄る気力も湧かず、部屋に戻った途端にバタンキューとなったのです。お陰様で翌朝は体調も珍しく快調、これまた立派な朝食を猛然と食べたのでした。こういう旅なら今すぐにでも行きたいものだなあ。といったことで興味のある方は以下の公式HPをご覧ください。https://www.ichijoh.co.jp/
2024/11/18
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もう結構ないい歳にも拘わらず、ぼくは一流ではないことは当然として、一流と呼ばれる何ものかと接点を持つこともほぼないままに過ごしてきてしまいました。つまりぼくは一流とは、とんと縁がないのであります。スノッブな生き方は嫌悪すべきものと強がってみせてはきたけれど、本音を言えば一流の人と呼ばれるような生き方もしてみたかったのであります。いや、自らが一流というのはそれはそれでしんどそうだからそれは求めないまでも、たまには一流の人と親しく接してみたり、一流の環境だったり、一流の食事や飲酒を体験してみたいと願っているのでした。何事につけ経験してみるべきだ、などというお試し体験的なのではなく、もう少し積極的に、具体的には年に何度かは一流と呼ばれる場所に身を置いて一流の料理と酒を堪能したいのだ。贅沢は言わぬ、年に数回だけでいいのだ。普段は安酒場で充分満足だし、家では自ら下手なりに料理に励むから、だからお願いだから年に数度、いや一度だけでもいいから、優雅に一流を満喫させてもらいたいのです。そんな願いが届いたって訳ではないけれど、現在の日本で料理が一流だって呼び声高いホテルディナーを喫する機会を得たのであります, といった次第でやって来たのが大手町にある一流ホテル、パレスホテル東京であります。自画自賛を含めた評価を適宜抜粋すると「『フォーブス・トラベルガイド』のホテル部門で日系ホテル初の5つ星を獲得、「最上質の日本」が体験できるホテル、ナンバーワンよりもオンリーワンのホテルでありつづける、などなどご立派でいらっしゃる。どんだけすごいのか館内に入ってみたけれど、宴会場のあるフロアーは閑散としているし、あまり飾りっ気もなくてこんなもんなのかねえなどと思ってしまうのでした。まあ,宴会場のあるフロアーはこういうものと割り切ることにするのだ。何といってもこの夜のお楽しみは「ミシュランガイド東京2024」で一つ星レストランに認定されたフランス料理「エステール」の料理にあるのです。会場入りする前にホテル直結のブーランジェリー&パティスリーでいくつかのパンを買い求めるのでありました。それと同じパンがコースの開始と同時に配されるのでありますが、これが驚くばかりに美味しかったのです。ぼくはパンマニアというほどではないけれど、催事を含めて各地のパンが売られていたら、案外なことに値段に(あまり)糸目をつけずに買い求めてしまう程度にはパン好きなのでありますが、ここのはここ数年のヒットであった軽井沢や神楽坂、築地なんかの有名店のものを遥かに凌駕するホームラン級の当たりだと思えたのでした。コースの料理のあれもこれもどれもが美味しかったけれど、このパンこそがぼくに最大の感銘をもたらしたのであります。この集まりからすでに数カ月が経過し、パン熱に拍車が掛かってあちこちで買い求めては食べ比べてみているけれど、今時点でここを上回るものには出会えていない。すでに何度か買い求めているけれど、しばらくはもう他所にお金を落とさずにここのパンを食べ続けるのがいいかもしれないなんて思い始めているのであります。そう考えるとパンだけは一流のものを食べられているのかなあなんて思ってみることにしましょうかね。
2024/11/17
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里芋ってずっと好きな食材でしたが、調理の手間が掛かると思い込んでいてどうしても敬遠しがちでした。何が面倒って泥を落として皮を剥く作業がかったるいと思っていたのです。だから時折、国産の里芋で皮を剥いてあるのが見切りで販売されていたりすると嬉々として購入していました。無論、正月料理のために皮付きを買って手間が掛かるなあと思いながら調理することもあるにはありましたが、非常に稀なことでした。しかし料理に限らず大抵のことに言えることではありますが、慣れてしまうとこれまで億劫と思っていたものが、どうしてそこまで敬遠していたのだろうと後になってから振り返ってみて怪訝に感じるものなのです。確かにぬるぬるしてときおり、皮を剥いていると滑ってピョコンと飛び跳ねたりもするけれど、手を洗いながらであればさしたる不都合もありません。もしかすると若かりし頃は食欲旺盛だったから、一時に処理する分量が以前よりずっと少なくなったというのも気軽に手を出せるようになった理由なんじゃないかと思ったりするのです。しかも他のイモ類に比べるとカロリーも低くてヘルシーらしい(菊芋なんかはもっとずっとヘルシーではありますが)から積極的に料理に活用し、レシピも増やしたいと思うのです。その一方で、素朴な食材は素朴に食べるのが一番ではないかと思ったりもするのだ。塩もしくはごま塩をまぶしただけでも美味しいし、煮付けにしてもいい、せいぜい芋煮やのっぺいで食べる位のレシピがあればそれで十分だと思ってみたりもします。そうそう、そういえばすっかり忘れていたけれど、豚汁などの味噌汁に入れて食べるのが一番かもしれません。実際に食べている描写がある訳でもないのに以下のように描写されているだけでもすぐに食卓にのせたくなったりするのでした。林芙美子著『新版 放浪記』 東京で吸う赤い味噌汁はなつかしい。里芋のコロコロしたのを薄く切って、小松菜を一緒にたいた味噌汁はいいものだ。新巻き鮭の一片一片を身をはがして食べるのも甘味い。壺井榮著『風』足のついたまな板をちゃぶ台にして、きゃっきゃっと笑いながらふたりはむかいあって最初の夕餉をとった。田舎そだちの茂緒の手なれたところで里芋の味噌汁に、高野豆腐と油あげと、きり干大根の煮つけ、黄色いたくあんで、祝いの小さな鯛は一匹だった。修造は鯛よりも高野豆腐ときり干をよろこび、母を思いだすといい、久しぶりだといった。里芋のアヒージョ【材料】里芋(茹でる/皮を剥く/一口大)・しらす・にんにく・赤唐辛子・オリーブ油・塩・胡椒 適宜【作り方】1. 鍋に全ての材料を入れて加熱する。 思い付きで作ってみました。里芋を揚げて食べるのも旨いんですよね。そのまま塩でもいいんですけど、今回はもう少し凝った酒の肴に仕立てました。こんがりホクホク里芋【材料】里芋(電子レンジで600W5分30秒加熱/皮を剥く/5mm厚) 200g/サラダ油 大さじ1/バター 5g/めんつゆ(4倍濃縮) 大さじ1/2【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱して里芋を焼く。バター、めんつゆを加える。 てぬキッチンのレシピ。バター焼きも間違いないだろうと思って作ったけれど、う~ん、味を足すならもう少し足した方がいいかなあ。ずぼいも(小さいさといも)【材料】里芋(茹でる/皮を剥く) 500g/醤油 適宜/ねぎ 2本/鰹節 30g【作り方】1. 全ての材料を和える。 これまたびっくりするほどにシンプルな食べ方。塩の代わりに醤油って言われてみると当たり前ですけど。これはいいなあ。酢ずいき 里芋のごま酢あえ【材料】里芋(皮を剥く/拍子木切り/茹でる[酢入り]) 130g/水 1L/酢 大さじ3/白ごま(炒る/擦る) 大さじ1/砂糖 大さじ1/酢 小さじ2/醤油 小さじ1【作り方】1. 全ての材料を和える。【備考】レシピサイト ぷちぐるhttps://oisiso.com/ これもいいですねえ。単なるごま味噌だともったりしてしまうところを酢を効かせることでもたつかないで頂けました。何だかんだと色んな食べ方でたのしめそうですね。
2024/11/16
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以前、引用したことがあったかもしれませんが、村井政善なる人の「蕎麦の味と食い方問題」という文章が青空文庫に登録されています。短い文章であるのに項目だてることを予め排したような気の向くままに筆を執ったという語り口がどこかしらユーモラスなのです。作品社の『日本の名随筆 別巻19 蕎麦』に所収されているということなのですが、はて村井政善とは何者なのだろう。ネットで知れる範囲では、国立栄養学研究所の調理部長と務める傍ら多くの料理関係の書籍を執筆したようです。国立国会図書館のみなサーチなる障碍者用資料検索というサービスで調べると先述の文章以外にも12件の書誌データが表示されたのでした。内容も実に多岐に亘っていますねえ。新しい病人の食物料理法 実業之日本社 昭和4胃膓病と其の食餌健康法 大文堂書店 大正14栄養及嗜好料理 石塚松雲堂 大正14家庭応用和洋料理法 東京宝文館 大正11「カフヱー」のぞき : 手軽に出来る料理の仕方 嵩山房 大正11最新実用和洋料理 博文館 大正13支那料理 誠文堂 昭和4写真図解料理の仕方 台所司会出版部 昭和4実用農村料理 : 新しき研究 東京府農芸会 大正13手軽な会席季節料理十二ケ月 資文堂書店 昭和3和洋料理の仕方 : 新しき研究 石塚松雲堂 大正11三百六十五日日々の献立料理 資文堂書店 昭和3 登録すれば内容も閲覧できるみたいです。いつか時間があればじっくり眺めてみたいですね。ってなかなかそんな時間を確保できませんが。ところで今回は冒頭に戻って蕎麦なのです。せっかくなので、キワモノから郷土料理風までヴァリエーションを重視したセレクションです。ホントかなあ。卵とじコンソメかけそば【材料】そば(茹でる) 100g/湯 600ml/固形コンソメ 2.5個/醤油 適宜/卵 2個【作り方】1. 鍋に湯を沸かして固形コンソメ、醤油を加える。溶いた白身を注ぐ。溶いた黄身を注ぐ。丼にそばを盛って注ぐ。 朝のワイドショーなんでしょうか、あさイチCuisineなる番組、いやコーナーなのかなで紹介されたそうです。まあありだとは思うけれど、多少、青みを加えるなどの工夫がないと単調化も。あとコンソメの分量がいかにも多過ぎるので加減した方がよろしいかと。味の素の普及にも積極的であったという村井氏でもこれはいかにも多過ぎると仰るのでは。けんちんそば【材料】そば(茹でる) 1人前/鶏肉(一口大)・ニンジン(銀杏切り)・ごぼう(ささがき)・大根(銀杏切り)・里芋(皮を剥く/茹でる/1cm幅)・油揚げ(短冊切り)・こんにゃく(短冊切り)・絹豆腐(1cm角)・長ねぎ(小口切り)・サラダ油・だし・醤油・みりん・塩・一味唐辛子 適宜【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱して鶏肉を炒める。ニンジン、ごぼうを加える。残りの材料(そば、長ねぎ以外)を加えて煮る。丼にそばを盛って注ぎ、長ねぎ、一味唐辛子を散らす。 岡山県の郷土料理らしいけど、どこにだってありそうだし、そんな来歴など知らずともそばを食う過程であれば普通に誰だって思い付きそう。肉じゃがだってもつ煮だって煮物なら大概そばに合わせられそうですね。洋風の煮物やスープ、例えばミネストローネやクラムチャウダーなんかも同様です。たまげたカレーそば(道の駅 ごか)[日本・茨城県猿島郡五霞町]【材料】そば・カレーパン・めんつゆ・長ねぎ(小口切り) 適宜【作り方】1. 丼にそばを盛ってめんつゆを注ぎ、カレーパン、長ねぎをのせる。 たまたままいばすけっとで値引されていたカレーパンを購入していたので試してみました。まあ食べられないってことはないけど、別々の方がいいよなあ。ポテサラそば【材料】そば(茹でる)・ポテトサラダ・揚げ玉・長ねぎ(小口切り)・そばつゆ 適宜【作り方】1. 丼にそばを盛ってそばつゆを注ぎ、ポテトサラダ、揚げ玉、長ねぎをのせる。 お気に入りの以下のサイトで紹介されていたので、試してみました。足立区全店制覇男のさらなるお蕎麦屋さんめぐり 「ポテトそばの歴史と飲食履歴 2015年は『ポテトそば・うどん』元年!」https://plaza.rakuten.co.jp/livemachine2/95027/ 以前やったポテトフライは旨かったけど、ポテサラはやっぱり別に食べた方が良かったかな。不味いって程ではないけどけして旨くはないですね。
2024/11/15
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今では数少なくなったぼくの馴染みの酒場がありまして、ここで遭遇したお客さんのお話になります。一年位前から週に一度来るか来ないか程度のペースでここを訪れていたとあるおぢさんがいました。しばらくは我々に語り掛けてくるでもなく、いつもニコニコと我々のお喋りに反応したりと好ましい印象の方でした。ところがきっかけは忘れてしまいましたが、何事か語り掛けたいような素振りを見せられたのでちょっと言葉を賭けてみると、待ってましたとばかり饒舌になったのです。どうやらこのおぢさん、都内を中心に手広く安酒場を猟色して回っているようです。赤羽や上野などの地名を挙げて聞き覚えのあるような酒場をハシゴした際の話など披露なさるのです。こちらとしては傾聴している素振りを浮かべはするもののさほど興味が湧くような内容でもないのですが、どうしたものか関心を持ってもらえたと感じたようで、機が熟したとばかりに満面の笑顔を浮かべて「お勧めの酒場がないか」と尋ねてくるのです。今まさにこの店で呑んでいるのにどこかいい酒場がないと質問することが非礼に当たるかどうかはともかくとして、唐突にお進めと言われても回答に窮するのだ。そこで仕方なくどこら辺に行くつもりなのか尋ねてみると、とある地名を告げてそこの訪れたことのある酒場を並べてみせるのです。あまりにも印譜でこちらには得る情報など何一つないのだ。このおぢさん、リサーチ力に難があるんじゃないか、などと思いつつまあ思い付くままに数軒を告げると、しめしめとばかりにメモを取るのです。この夜はそれで収まったのですが、また別の日にまたも遭遇してしまったのです。こうなるともう遠慮などなくって、先般教えたお進め店の感想すら述べぬのに、どこそこのお勧めを教えてくれと無遠慮に訴えてくるのです。この時点ですでにおぢさんを見切っていたぼくは当然とっておきは教えたりせずに済ますのですが、その後、立て続けにそんなことがあってさすがにぼくもうんざりしていたのです。他の常連たちはそんな様子をニヤニヤとした表情でそっと眺めているのでした。昨夜、常連がふと思い付いたようにそういえば、近頃、教えておぢさんを見なくなったねえというのでした。確かにしばらく姿を見ていない。彼はこの酒場に見切りをつけて、他所で通うようになったのでしょうか、それとも我々の嫌悪を敏感に受け取って通うのをやめたのでしょうか。まあ、どっちにしてもしばらくは気兼ねなく呑むことができそうです。 またも本題とはまったく関係のない長文を書いてしまった。今回訪れた「はがくれ」は、どの駅からも遠いことがある意味でウリの一つともなっているもつ焼き酒場であります。どこから歩いても遠いというのが理由でこれまで訪れなかったわけではけしてなかったのですが、それなりにこの界隈では吞んでいるのにどういうものかここで呑もうと思い立ったのは初めての事なのです。調べてみると、祐天寺駅(東急電鉄)-11分池尻大橋駅(東急電鉄)-17分学芸大学駅(東急電鉄)-18分 とあるから聞いていた程には遠くないし、どこからも遠いというけれど、祐天寺駅が圧倒的に近いじゃないか。どうも距離が足枷になっていたわけではなさそうです。そうだ、ここが無茶苦茶混むから確実に入るには予約した方が安全と聞いていたのがネックになっていたのかもしれません。その噂もあって、珍しく3名で予約を入れておいたのです。前段のおぢさんには予約が必要な繁盛店でも教えておけば良かったかと今にして思ったりもします。と余計なことを書いているうちに長くなったので感想は手短に済ませることにします。もつ焼きは噂にたがわず確かに美味しかった。店主はちょっと怖い感じだけど、若い従業員は非常に丁寧でありました。客層は肉好きの野郎グループばかりで、近頃は本当の意味での肉食系女子も増えたというがこの夜は見当たらなかった。店は結構古びていたが、まだまだ味があるというには至っていない、といったようなお店でありました。
2024/11/11
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昨夜、とある酒場で呑んでいたら、酒場巡りをしているというお二人がお喋りしていました。お二人が去った後に店の方が仰るには二人ともに初めての来店であり、二人はそれぞれが別に来店して男性が女性に語り掛けたとのことでした。酒場っていうのは出会いの場でもあるからじうした出来事は夜な夜な各地の酒場で生じているものと思われます。ちょっと羨ましいからって妬んだりするのは非常にみっともないことなのであります。でも若干の妬みはあっても悪気はないと断言したいのだけれど、こうした人々の会話というのはマンネリ気味の常連たちには格好の話題となる訳で、だからそこで語られるお喋りはつぶさに聞き取られるのは致し方のないことなのだ。だからこそ冒頭に書いたように酒場巡りが話題となっていることを知るのであります。こう言っては権威ぶってるようで嫌味でしかないのであるけれど、見知らぬ他人に自分の趣味を語ることの不用心さはともかくとして、さも自分たちが各地の酒場を知っているかのように振舞うのは避けるのが賢明であります。もしどうしても語りたいのならそっと外野の耳に届かぬようにするのがよろしいと思うのだ。というのも自称、各地を呑み歩いているという二人が王子の酒場を巡る話題の浅薄さは盗み聞きするわれわれの心胆を寒からしめるるものだったのだ。揚げられた酒場が数少ないのは仕方がない。男性の方は相応の年齢だから擁護するつもりはないけれど、女性の方はまだお若かったから今後、知識と経験は積むことはできるはずであります。問題なのは、二人の口から語られる言葉に自分自身がほとんど反映されずに情報のみが虚しくやり取りされるという点にあります。情報誌の酒場特集程度の情報を交換し合って彼らはそれで楽しいのだろうか。好きな酒場の傾向も共有することなく(まあ、今来ている酒場が好きなのであればそれで凡その好みは分かると思うけれど、彼らは一人がビール1本、もう一人がチューハイ2杯程度を呑んだだけで他所に行ってしまったからここが好みだったとは思えないのだ)、単に地域だけでそこそこの知識と経験がある者にとっては、少しも耳寄りとは思えぬ程度の酒場情報を共有し合うことに何の意味があるのだろうと思ったのだった。 と本来持ち込むつもりだった方向から外れてしまったけれど、せっかく王子の酒場に行くのであれば、有名酒場も一度は行っておくのもいいかもしれないけれど、ぼくなら「家庭料理 みその」をそっとお勧めしておきたいのであります。書き損ねてはいけないので、はじめにお断りしておきますと、こちらはご高齢の女性がお一人でやっておられるので、グループで訪れるのはあまりお勧めしかねます。なるべく一人、せいぜい2、3名で伺うのが良いと思います(ご本人に確認した訳ではなく、実は大いに賑わった状態を望んでおられるかもしれませんが)。ともあれ、我々は2名でお邪魔したのですが、先に10名ほどのグループがおられました。以前お邪魔した際にもやはりグループ客がおられたから、ここは先述とは違って大人数が好んで訪れてしかも好まれているのかもしれないとつい思ってしまいます。こちらの女将さん、ひたすらに黙々と調理したり、酒を作ったりととにかく休む暇なくただただ動いていて、ほとんどお喋りしている姿を見掛けることがないのです。きっと勘定の際には何かしら言葉を交わしているはずですが、不思議なことに何一つ思い出せないのです。このスタイルや状況が彼女にとって無理のないものであるのならさっきのお断りはなかったことにしてしまいたくなります。ぼくのこれまで訪れてきた高齢女性のやっているお店は、ほとんど全ての感情を押し殺してひたすら黙々と仕事するタイプか同じく手を休むことなく動かし続けるけれど、意に添わぬ客は容赦なく切り捨てるタイプの両極端に分かれるような気がします。いつもは後者タイプのお店に通っているので、たまにはこういう前者のタイプの店で、客席は騒がしくても不思議と静寂に包まれている気分になるこういう酒場が心地良く思えるのです。
2024/11/10
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ようやく白菜を食べたいなあって思う季節になってきましたが、比較的安価な野菜に挙げられながら、実際のところまだまだ例年よりは高値が付いているように思えます。先日、ようやくそこそこ手頃に売られているのを見掛けたので、いそいそと買い求めてきたのですが、鍋物シーズンまでに値段も落ち着いてくれると嬉しいんですけどね。ところで北大路魯山人に「白菜のスープ煮」という文章があります。 しかし、白菜のスープ煮というものはなかなか気の利いたものである。鶏の骨ばかり(肉のまじらないもの)叩きつぶしてスープを取る。肉のまじったもののスープは、味が俗になってだめだ。このスープは塩で味をつけるのがよろしい。この場合醤油は用いない。醤油では色がついて、白菜の白さを汚してしまうから感じが悪い。あの白い白菜の色を殺してしまうと、よそゆきの料理にはならない。醤油はヤマサ、キッコーマンはもちろんのこと、薄口にしても色がつく。それではお惣菜になってしまう。白菜のスープは純白であること、白菜が白菜そのままの色を保っていることが貴いのである。 次に味についても、白菜自体の甘味があるから、やはり塩で加減するのがよろしい。煮えたものを器に盛るときは、薬味を用意しておいて添える。 これは日本の新料理であるが、中国料理のやり方も発見されるし、朝鮮料理の気分も味わえるであろう。白菜の切り方や、器の選び方によって、日本料理の感じもする。そして、これは他の料理とも調和する。簡単だから悪い料理ではないといえるだろう。 色々述べておるけれど、「鶏の骨ばかり」っていうけれど魯山人は本当に試したことがあるのだろうか。ラーメンのスープに豚骨スープだったり牛骨スープがあるのに、鶏骨スープがなくって鶏がらスープと呼ばれるのはどうしても肉を完全に取り除くのが困難だからだろうと思うのです。ちなみにこの「がら」っていうのは亡骸(なきがら)から来ているようですね。ネットで「鶏骨スープ」を調べてみても完全に骨だけの状態から作られているスープは見当たりませんでした。こだわりのすごい現代の人気ラーメン店の店主には、もしかすると「鶏骨スープ」を作っている人がいるかもしれません。カレー番長として知られる水野仁輔氏も「鶏骨」のみのスープの味が気になって仕方ないようです。「鶏肉の骨から本当に“ダシ”は出るのだろうか? 問題」https://note.com/airspice/n/nbc403ff6ebb9 ちょっとした実験の後に水野氏は「鶏骨」のみのスープに対して疑問を呈しましたが、ぼくは豚骨、牛骨でスープが取れるんだからきっと鶏骨でもしっかりとしたスープが取れると思うんですが、実際のところどうなんでしょう。「鶏骨」のみのスープがもし可能なら「純白」(純白ってのは真っ白って意味なんだから、そこに白菜を入れたら「汚す」より前に見えなくなってしまうはずじゃないか。魯山人は本当はここでは「透明」といった類の言葉を用いるつもりだったんじゃないか)なスープに近付けることができそうな気もする。こんなに透き通った豚骨スープもあるみたいですから。TBS 「【王様のブランチ】豚骨スープが透明!?衝撃の“清湯系”豚骨ラーメンとは」https://topics.tbs.co.jp/article/detail/?id=9871 でも透明度の高さを求めるのであれば、動物肉のだしより魚介や海藻、野菜のスープの方が上手なんじゃないかなあ。醤油を用いずに塩で調味するってのは同意しますけど。白菜の塩あんかけ【材料】白菜(一口大) 1/2個/水 2.5L/塩 10g/昆布 30g/鰹節 50g/葛粉・水 80g/胡椒 適宜【作り方】1. 鍋に白菜、水を入れて落とし蓋をし、強火で40分煮る。ボウルに鰹節を入れてザルを置き、煮汁を注ぐ。鍋に煮汁を戻して中火にかけ、塩を加えて水溶き葛粉を加える。白菜を戻す。器に盛って胡椒を散らす。【備考】dancyu 「食堂おがわの"白菜の塩あんかけ"」https://dancyu.jp/recipe/2020_00002911.html 魯山人のレシピを和風だしに置き替えただけに思えて、料理する気力がない時に作ってみたのですが、これが想像を遥かに凌駕する旨さ。びっくりしました。白菜の和風トースト【材料】食パン 2枚/白菜(内葉/1cm角/電子レンジで600W2分加熱/【調味料】と和える) 200g/溶けるチーズ・胡椒 適宜/【調味料(混ぜる)】マヨネーズ 大さじ1.5/醤油 小さじ1.5/鰹節 1袋【作り方】1. 食パンに白菜、溶けるチーズをのせてトースターで焼く。胡椒を散らす。 緒方湊なる方のレシピです。ダメかなあって思ったらやっぱりいまいちでした。白菜、セロリとアサリ入り春雨【材料】白菜(一口大)・セロリ(斜め切り)・ニンジン(拍子木切り)・アサリ・春雨(湯で戻す)・キクラゲ(湯で戻す)・サラダ油・水・鶏がらスープの素・魚介スープの素・オイスターソース・塩・白胡椒・砂糖・醤油・ごま油 適宜【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱して白菜、セロリ、ニンジン、アサリを炒める。春雨、キクラゲを加える。水、鶏がらスープの素、魚介スープの素、オイスターソース、塩、白胡椒、砂糖、醤油を加えて煮る。ごま油を加える。 単なる思い付きで作った料理です。白菜は淡泊だから大概の料理に合わせられると思うけれど、水っぽいからその点に配慮して調理する必要がありそうです。これはなかなか美味しくできました。セロリが正解だったかな。白菜焼売【材料】白菜(葉:千切り/芯:みじん切り) 200g/豚肉(ひき肉) 150g/豆腐(絹) 1/2丁/餃子の皮・練り辛子 適宜/【下味】片栗粉 大さじ2/オイスターソース・砂糖・ごま油 小さじ2/醤油・鶏がらスープの素 小さじ1【作り方】1. 耐熱皿に白菜(葉/半量)を敷いて混ぜた白菜、豚肉、豆腐、【下味】を広げ、白菜(葉/半量)、餃子の皮をのせる。電子レンジで600W8分加熱する。 焼売っていざ作るととても簡単な料理なんですけど、意外と作る機会がないです。平野レミ氏風の横着料理にしてみましたが、やはり焼売は一口サイズ位がちょうどよいように思います。
2024/11/09
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生姜が大好きです。生姜のない食生活は考えられない位にぼくの人生には欠かせない食品であります。それは特段、ぼくに限った話ではないのかもしれません。生姜って食品は世界的に食べられてはいるけれど、日本ほどに多様に調理されて食されている国は他にはなさそうです。どう多用なのか、例えば栽培・収穫方法で根生姜、新生姜、葉生姜、矢生姜といった区分がなされ、それぞれに独自の食べ方がされています。その食べ方も世界的に主流である香辛料として用いるほか、様々な料理で加熱して用いられるほか、生食されることも一般的でこれは世界的に稀有なことのようです。といった具合に日本人の多くにとって生姜は食事と切っても切れない深い繋がりのあるものなんだと思います。ただし、生姜って脇役として用途が多様であることに加えて、主役だって慣れてしまうのがすごい。って紅生姜や甘酢漬けが主役かってツッコミもありそうですが、ぼくには十分に主役級の料理です。市販の食紅まみれのも捨てがたいけれど、なるべくは添加物なしのヘルシー志向といきたいものです。紅生姜【材料】新生姜 300g/赤紫蘇塩漬け 20g/酢 200ml/塩 5g【作り方】1. 漬け樽に全ての材料を入れて一週間漬ける。細切りにして瓶詰めする。 色んな作り方があって試しに楽ちんなのを作ってみたけれど、これで何ら問題ないのでリピートしてます。梅干しの種を追加して追い紅生姜にしてもちゃんと食べられるのが嬉しいです。赤紫蘇塩漬け【材料】赤紫蘇 40g/塩 8g+5g/水 150ml【作り方】1. 保存容器に赤紫蘇、塩を交互に重ねての水を加える。重石をして冷蔵庫で3日漬ける。水を捨てて水気を絞る。塩をまぶす。 家庭版紅生姜には赤紫蘇漬けを用いるのがポピュラーみたい。梅干しが好きです。でもそれ以上に一緒に漬けられている赤紫蘇が好きなのです。だからおにぎりも梅干しもいいけど、紫蘇巻きのおにぎりがもっと好きなのだ。作るの面倒臭がっていたけれど、思っていた以上にあっという間に作れます。季節になったらまた作ります。生姜甘酢漬け【材料】新生姜(茹でる/水気を切ってざるに広げる/塩をまぶす/水気を絞る) 300g/塩 小さじ1/2/【甘酢】昆布だし 180ml/酢 120ml/砂糖 大さじ5/塩 小さじ1/2【作り方】1. 鍋に昆布だしを入れて加熱する。湧いたら火を止めて砂糖、塩を加える。酢を加える。冷めたら新生姜を加えて冷蔵庫に保存する。 甘酢漬けも大好きで、寿司を食べるとついついこれも食べ過ぎてしまいます。回転寿司では食べ放題でありますが、思った以上に糖分を摂取してしまうので、自分で作る際には羅漢果糖なんかで健康面に配慮するのです。食べる生姜【材料】新生姜(みじん切り) 100g/鰹節 1袋/【調味料】酒・砂糖 大さじ1/みりん・水 大さじ2/醤油 大さじ3【作り方】1. 鍋に新生姜、【調味料】を入れて沸かし、鰹節を加えて2分煮る。 醤油漬けの生姜ですね。佃煮もいいけれど生生姜のフレッシュな感じもまたよいものです。いっそ甘味を付けないっていうのもありかな。定番の冷奴のほか、野菜炒めにしたりカレーにチャツネ風に添えるなど応用範囲は広そうです。食べる生姜そば【材料】そば(茹でる/冷水で冷やす)・食べる生姜・きゅうり(千切り)・揚げ玉・めんつゆ 適宜【作り方】1. 器にそばを盛ってめんつゆを注ぎ、食べる生姜、きゅうり、揚げ玉をのせる。 すぐにそばにのせて食べた写真があったので、のせておきます。
2024/11/08
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客の立場としては、店がいつだって営業しているというのは基本的には有難いことです。でもそれって自分にとって行きたい店であることが条件で、年がら年中、興味のない店が開いているのは何となく落ち着かないのだ。例えば年末年始なんかにデパートが営業していたりするけれど、ぼくの場合、正月くらい(に限らずインドアなぼくとしては基本的には出歩くのはいつだって億劫なのだ)は、世の中のほとんどの人がだらけ切っていると思いたいのだ。若い連中が家にいたくなから町を闊歩するのは勝手だが、いい大人を無理矢理に表に引きずり出してもらいたくないのだ。そりゃまあ、24時間営業のお店が治安維持や震災時の避難先として有効であることは分からぬではないし、天涯孤独な人にとっては逆に安らぎをもたらしてくれるなんてこともあるかもしれません。実利的な意味では無休の場合だと必死になって出向いてみたら、営業していなかったなんていう悲惨な結果に至ることもないのは、感謝しかないのである。だとすると24時間年中無休は有難いけれど、ウザいということになるのです。ウザいのを回避するには目に付きにくいということが最も効果的に思えるのです。目に付きにくい場所にそうした店(ここでは居酒屋を想定している)があるのはぼくとしては大歓迎なのです。具体的な例を挙げつつ本題に突入するのです。 ぼくにとって、例えば松戸の場合は、「大都会」が理想的な酒場でありました。駅前という好立地でありながら地下に店を構えているから昼間から呑んでいても非難がましい視線に晒されずに済むのだ。逆に呑むつもりがなければ、視界に飛び込んできて同類を憎むといった不愉快な気分に陥ることもないのだ。そんな好ましい「大都会」でありましたが、残念なことに不意打ちのような閉店に次ぐ再オープン、しかし深夜時間帯の営業はなくなってしまいました。でも駅前には「磯丸水産 松戸西口駅前店」もある。しかし、こちらは開放的な構えの物件であるからして、前段の理屈から言えばぼくにとって目障りな酒場ということになります。実際目障りだからこれまで訪れたことは一度としてなかったのです。それは松戸駅前店のみならず、都内を中心に随所にある系列店のいずれにもお邪魔していなかったのです。けしてこちらが値段が高いからお邪魔しなかったわけではないのであります。にしても七輪で海産物を焼いて食べるという酷く非効率に思える業態で24時間年中無休をやろうというのはどうしたことか。それはもう一般人が酒を呑んでる時間帯に基本的には酒を呑めない呑み屋のオーナーや従業員だってやはり酒を呑みたいのだ。酒が嫌い、もしくは下戸だから酒場をやるという人も意外といるけれど、酒が好き、好きすぎて呑み過ぎてしまうから酒場を始める人が大概ではないかと推測するのです。そうした酒場関係者のアフターを当て込んだお店なんじゃないかと推察する次第なのだ。実際、早朝なんかにはより深夜時間帯まで稼ぎ続けた性的なサービスを含む飲食店アフター組が金に糸目を付けずに呑んでいたりするのを目にすることがある。そういったところもぼくがこの酒場を敬遠していた理由なのです。そして実際に経験してみたら、あらあら別になんてことのない普通の酒場でありました。でもまあ好んで訪れることは、今後もきっとないんだろうなあ。
2024/11/04
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埼玉高速鉄道に乗って呑みに行く。ずっと機会をうかがっていながらなかなかあ実現できずにいました。若い頃には、とある用事があって何度か乗車していたけれど当時はまだ呑み歩きの趣味はなく、ただただ用事を済ませるのみに腐心して、付近を散策するような余裕はなかったのです。ところで鳩ケ谷といえばすぐに思い出すのは小谷三志のことです。散歩好きの人なら一度は試みたであろう富士講巡りの話をすればこの名に思い当たる人もおられるかもしれませんが、中里介山の未完の大長編小説『大菩薩峠』 の「恐山の巻」で「鳩ヶ谷の三志様という人は、武州足立郡鳩ヶ谷の生れの人であって、不二講という教に入って、富士山に上り、さまざまの難行苦行をした」とあります。この小ネタがこの後のお話にどう繋がっていくか、期待をしてはいけないのだ。たまたま知っていたからその知識を補強して物識りぶってみただけのことなのです。それはさておき実は明日も乗り換えなしに埼玉高速鉄道に乗り入れ可能な場所に出張なのでありますが、きっと行かないんだろうなあ(改めてメモを調べるとこれを書いた翌日は休業日でありました)。 さて、すでに2軒巡ってそれなりにいい気分になっていますが、せっかく高い電車賃を払って来たんだからと欲張ってもう一軒だけ寄り道していくことにしました。せっかくだし駅の反対側に行ってみようと思い立ちました。駅の北側を経由していったんですが、ほんのわずかながらアーケードも残っていて、かつてはそこそこ酒場が立ち並んでいたんじゃないかって雰囲気を留めているのですが、留めているのがあくまで雰囲気だけだから仕方がない。しばらくなるべく駅から遠ざからぬように散策を続けるのですが、なかなかここぞという酒場に行き当たることはなかったのです。案外車通りも多くそうした道路を歩いている限りは大型の店舗があるばかりでつまらぬから、そうした表通りの裏手に回り込むのですが、やはりほとんどは住宅なのです。諦めかけたところで「炭火串焼 髙」という酒場に行き当たりました。周辺にも閉まってはいるけれど酒場の痕跡が数軒軒を連ねていたからこの界隈もかつては酒場が立ち並んでいたのでしょうか。そうした疑問は吞み込んで店内へ。長屋の築年数はかなりのものに見受けられますが、こちらは改装済みのいかにも若い人の酒場ってムードです。女性客が若い主人を相手にお一人で呑まれています。随分とくだけたやり取りをしているので、かなり頻繁に出入りしているようです。そのうちに一人また一人とお客さんがやってきます。近くにボーリング場があるようで、ご主人もそこに通っているようでボーリング繋がりの客が多そうです。それこそボーリング帰りのお客さんが、一杯だけ呑んで帰ると宣言しながら店に入ってきたりして。酒場には一見客には徹底して冷ややかな店とあっさりと輪に加えてくれる店があって、こちらは後者でした。すぐに会話に引き入れてくれるのですね。それがなければ、ちょいと値段が高めの設定だから一軒でで軽く呑つもりだったんだけどなあ。記憶違い鴨でなければ、こちらの店舗、昔は駄菓子屋だったということで、店主も子供の頃はよく寄り道をしておられたみたい。近くには他に酒場もないからつい立ち寄ってしまいたくなる客も少なくないんでしょうね。
2024/11/03
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子供の頃、ナスが嫌いでした。しかし、今となってはどこがどう好きになれなかったのか思い出せないのです。焼きナスを焼く際の独特の臭いが嫌いだったのかもしれません。あと噛み締める際にやけに抵抗する皮と歯の軋みは今でも気になることがあります。収穫から時間を経て黒々としてくる種の不気味なところもどうも好きに離れないのです。今回4つのナス料理を作ったのですが、これが実に美味しくて、子供の頃のぼくに食わせたら何と言うのか聞いてみたいものです。ナスっていうのは、世界各地の料理のレシピを見ても実に広範に亘って用いられているし、多様な調理法があって世界中で愛されているってのがよく分かるんですけど、でもぼくの場合は、冷蔵庫にくたびれかけのナスが残っていたら、やっぱり結局は味噌汁の具にしてしまうんだろうなあ。ナスラーメン(金門飯店)[日本・東京都品川区]【材料】中華麺(醤油/茹でる) 1人前/長ナス(縦2等分/斜め薄切り/素揚げ) 1.5本/豚肉(バラ/一口大) 40g/ごま油 大さじ1/片栗粉・水 大さじ1/【調味料】豆板醤 小さじ1/醤油・オイスターソース 大さじ1/水 50ml/鶏がらスープの素 小さじ1/2【作り方】1. フライパンにごま油を熱して豚肉を炒める。長ナス、【調味料】を加える。水溶き片栗粉を加える。丼に中華麺を盛ってかける。 麻婆ナスは当然大好きな料理なんですけど、自分で作るとどうも店のようにはピタリと決まらないのです。このレシピだってそのまま食べてみたんですが、どうも味もぼんやりとしていたのです。ところが、ラーメンにのっけた途端に激しい変化を遂げたのでした。これは簡単極まりないのにむちゃ美味しいのです。定番入りです。ナスバター炒飯(龍王)[日本・東京都板橋区]【材料】ごはん・ナス(1cm角)・チャーシュー(1cm角)・ハム(1cm角)・ピーマン(1cm角)・赤ピーマン(1cm角)・塩・胡椒・サラダ油・バター 適宜【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱してナスを炒める。ごはん、ハム、ピーマン、赤ピーマンを加える。塩、胡椒する。バターを加える。【備考】メシ通 「はかりしれない衝撃度!チャーハンしっとり派が一目置く板橋「龍王」の超目玉新メニュー「ナスバター炒飯」」https://www.hotpepper.jp/mesitsu/entry/kekkojin/17-00484 これもレシピを見る限りはダメなんじゃないのって思ってしまうのだ。ところが騙されたと思って試してもらいたいのですが、驚くほどに美味しいのです。ありそうでなかったナスのチャーハンでありますが、単なるチャーハンでなくバター風味とするところがポイントなんだろうか。やっぱり騙されたと思われる方もいるかもしれないけれど、試してみる価値はあると思うのです。町中華風なす豚ドライカレー(ヤスナリオ)【材料】ごはん 1膳分/豚肉 100g/ナス(乱切り) 1本/玉ねぎ(薄切り) 1/4個/青ねぎ(小口切り) 2本/卵(目玉焼) 1個/ごま油 大さじ1/カレー粉 小さじ1/中濃ソース 小さじ2/トマトケチャップ 小さじ1/鶏がらスープの素 小さじ1/ラー油 適宜【作り方】1. フライパンにごま油を熱して豚肉を炒める。ナス、玉ねぎを加える。カレー粉、中濃ソース、トマトケチャップ、鶏がらスープの素を加える。2. 皿にごはん、1.を盛って目玉焼をのせ、青ねぎ、ラー油を散らす。 これまた炒めたごはんとナスの組合せ。これでいいのかって位にシンプルな食材の組合せではあるけれど、これだけシンプルでしかも旨いってのは実に有難いことなのです。このヤスナリオ氏のレシピは大概、えーって思うほどに疑念を感じさせるものが多いのですが、これが旨かった以上は他も試してみる価値があるかな、なんて思ってます。うナス丼【材料】ごはん 1膳分/ナス(皮を剥く/包丁で開く/電子レンジで600W1分加熱/フォークで筋を入れる/片栗粉をまぶす) 1本/片栗粉・ごま油・山椒 適宜/【タレ(混ぜる)】醤油・みりん 大さじ1/酒・砂糖 大さじ1/2【作り方】1. フライパンに油を熱してナスを焼き、【タレ】を加えて煮詰める。丼にごはんを盛ってナスをのせ、山椒を散らす。 定番のナスの蒲焼きのヴァリエーションです。少しも鰻っぽくはないんだけど、この食べ方はいいですねえ。一風変わっているのは片栗粉をまぶしているところ。粉アリのこちらの方がさらに旨いような気がしました。
2024/11/02
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ぼくにとって、なめこってなめこ汁位しか好きな調理法ってないんですね。なめこおろしなんかもメジャーなレシピではあるけれど、ぼくにはちっとも美味しくないのだ。わらびやゼンマイなどの山菜に混ぜてそばにのっけたりして食べるのは美味しいけれど、こうなるとなめこ感は希薄になります。近頃やけになめこパスタのレシピを見掛けるので、今回作ってみました。その感想は以下にて。ところでこれまで散々腐してきた北大路魯山人ですが、「夜寒に火を囲んで懐しい雑炊」という文章があります。冒頭は相変わらずのいけ好かないもので、それが数種の雑炊とほとんど関係ないのだから参ってしまう(まるでこのブログの文章みたい)。-- 元来、美味な料理ができないという理由は、料理する人が鋭敏な味覚の舌をもたないことと、今一つは風情というものの力が、どんなにうまく料理を工夫させるかを知らないからに基因する。この風情とは、美的趣味と風流とが主になって働きかけ、まず見る眼を喜ばせ、次に食べる心を楽しませるのである。 しかし、料理という仕事も至芸の境にまで進み得ると、まことに僅少な材料費、僅少な手間ひまでなんの苦もなく立ちどころに天下の美料理を次から次と生むことができるものである。よく主婦の料理下手を非難するもののあることを耳にするが、一家の主婦に料理の上手を求めようとするほどの者は、まずもって求める者以上に、主婦をしてよい料理体験をなさしめることである。-- そこにこんな雑炊が紹介されています。あれれ、この文章読んだことあったはずなんだけどねえ。見逃していたのかなあ。--なめこ雑炊 なめこは缶詰でよいから、缶から出したらザッと水洗いする。 缶六、七十銭のものを五人前に使えば適宜といえよう。やはり、これも薄味付けしたお粥を拵えて、できた粥の中へなめこを入れる。温まった程度でよい。煮過ぎるとなめこの癖が出て食べられない。茶碗に六、七分目取り、餡かけ饂飩の餡で、人の知る餡を別に拵えてかけて食べる。なかなかしゃれたもので、ぜいたく者ほど喜んでくれるもの。餡の上にすりしょうが一つまみ添えて出すことを忘れてはならない。-- これはなかなか旨そうですね。ぼくなんかだと餡の方になめこを入れてしまいそうですが、米と合わせるってのが良さそうです。でも雑炊って粥を別物と思っていたけれど、魯山人的には米の粒が輪郭を失った粥で作るのが雑炊なんですね。これも今更ですが。なめこペペロンチーノ(魚醤)【材料】バリラ(1.4mm/茹でる) 100g/なめこ 1パック/にんにく 1片/赤唐辛子 1本/魚醤 小さじ2/イタリアンパセリ・塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してなめこを炒める。にんにく、赤唐辛子を加える。魚醤、茹で汁を加える。イタリアンパセリ(茎)を加える。パスタを加える。皿に盛ってイタリアンパセリ(葉)を散らす。【備考】パスタの聖書https://pastabible.hateblo.jp/ このレシピがのっているパスタの聖書ってサイト、膨大なパスタレシピで圧倒されるんですけど、眺めれば眺める程、パスタとは何だって合わせられるんだなって思うばかりです。パスタや唐辛子などがイタリア産の食材にこだわっているようで、バターはカルピスバターを持ち上げたりとなかなか私的な拘りをお持ちの方のようです。さて、極めてシンプルな食材で作ったこのパスタですが、やはりぼくにはまだまだなめこを活かし切れていないに思えるのでした。なめこペペロンチーノ(アンチョビ)【材料】バリラ(1.4mm/茹でる) 100g/なめこ 2袋/にんにく 1片/赤唐辛子 1本/アンチョビ 1切/オリーブ油 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してなめこを炒める。茹で汁を加える。オリーブ油を熱してにんにく、赤唐辛子、アンチョビを炒める。パスタを加える。【備考】パスタの聖書https://pastabible.hateblo.jp/ こちらも同様にやまだまだ物足りない気がするのです。なめこバターめんつゆパスタ【材料】バリラ(1.6mm/茹でる) 100g/なめこ 2袋/バター(無塩) 15g/めんつゆ(3倍濃縮) 大さじ2/塩昆布 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してなめこを炒める。めんつゆを加える。パスタ、バターを加える。皿に盛って塩昆布を散らす。 これはどこかで見掛けたレシピを書き留めておいたものですが、これが一番しっくりきたかも。ってこれならわざわざレシピを眺めなくても思い付きで作れそうだなあ。なめこ汁そば【材料】そば(茹でる)・なめこ(水洗い)・絹豆腐(1cm角)・油揚げ(細切り)・青ねぎ(小口切り)・だし・味噌・めんつゆ・一味唐辛子 適宜【作り方】1. 鍋にだしを沸かしてなめこ、絹豆腐、油揚げを加熱する。味噌を加える。2. 丼にそばを盛って1.、めんつゆを注ぎ、青ねぎ、一味唐辛子を散らす。 最後はそばにしてみました。なめこ汁にそばを入れただけですが、これは美味しいなあ。なめこと味噌ってよく合うとつくづく思うのです。
2024/11/01
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日暮里に「喜酔」という酒場があります。実際に目撃したことがあるのか、ネットで情報を目にしたことがあるだけなのか記憶に定かではないのです。でも確かに「喜酔」という文字を日暮里と関連して知っているのであります。なぜそんな話を持ち出したのかというと単に「喜酔」という店名の酒場に訪れたからに他ならない訳なのですが、その酒場はぼくの知っているはずの「喜酔」とは違っているように思えたのだ。グズグズと悩む位であれば調べてしまうのが解決への近道です。早速ネットで調べてみた。すると以下の3軒が表示されました。小料理 喜酔 東京都荒川区西日暮里2-17-10 桑原ビル1F漁酒場 喜酔 東京都荒川区西日暮里2-18-2 イトウビル2F漁酒場 喜酔 2号店 東京都荒川区西日暮里2-40-9 小山ビル1F 今回訪れたのは一番上であります。残りの2軒は地番を見る限りにおいて、ご近所さんであることは間違いないようです。2、3軒目が系列店であることは恐らく決まりですが、じゃあ1軒目はどうなの。然らば一丁ググってみようかなって思ったけど、その手間を掛ける程には興味がないことに気付いたのです。わざわざ調べずともそのうち立ち寄ることもあるでしょう。 ということで、「小料理 喜酔」ですが、店名はなかなか渋いんですけど、店構えはピカピカだったかな。って実は記憶が曖昧なのです。黒っぽい外観で、店内はどこがどうと具体的に指摘するのは困難だけれどカフェバー風っぽかったという印象です。今、改めて写真を見てみたけれど白いスツールがそれらしくみえたのかもしれません。卓上に並ぶのは枝豆、ピザ、クリームコロッケのようです。刺身などのいかにも居酒屋って肴もあったから、場所の雰囲気に流されて洋風の肴を注文してしまったってことかな。ピザはまあ普通に美味しかったけれど、クリームコロッケが久し振りだったこともあってとても美味しく頂いたということが朧気に記憶に残っています。さて、他のお客様たちは皆同じグループの方たちでありまして、会社関係の呑み会のようです。大勢で呑む場合は、こちらを定番の呑み屋にしてるんでしょうね。決まった店で呑むのは、店の方にも融通が利いて重宝する場合もあるけれど、飽き飽きするなどの退屈になる場合もある、つまりは良し悪し両方ってだけのことですね。ともあれ、店主らしき女性もとても感じのいい方だったから、こうした店は店主がいい人であるってことが重要な判断材料となりそうです。
2024/10/28
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先般、川口元郷の外れにある酒場の事を書いたところ、Kyakosanさんから有益な情報を提供いただいたので早速訪れることにしました。今回目指したのは、足立区入谷という土地です。地図を眺めると確かに鉄道各駅からはどこもそれなりの距離はあるけれど,酷く不便というほどの場所ではなさそうです。路線バスは通っているようですが、川口駅方面からの便がほとんどで余り使い勝手はよくないので、舎人ライナーの舎人駅から歩くことにしました。平日の昼下がりということもあってほとんど人通りもなく車ばかりが行き交って余り散歩向きの土地とは思えません。最近になってようやく秋めいた空気を感じる日も出てきましたが、実際に訪れた日は日差しもキツくてかなり暑かったのでなおさらそう感じたのかもしれません。舎人公園という大きな公共施設がある一方で、流通センターなど多くの倉庫(主に食品関係?)があったりと歩きながら目に飛び込んでくる景色も楽しいものとは言えないのでありました。正直散歩するには退屈な通りなのです。でも歩いてみると10分そこそこで歩けてしまうんですね。10分程度なら少しも苦ではないなあ。行って帰ることを考慮してもそんなに大したことないですね。しかも先般の「しらかわ」には、今回の目的地からわずか800mの距離だから前回もいっそのこと舎人駅から歩けばよかったんじゃないかとすら思えるのです。いやいや、「しらかわ」が舎人駅や埼玉高速鉄道の川口元郷駅が実際に使った川口駅から路線バスという経路より近いし所要時間も短くて済みそうなのはハナから分かっていたのであって、そうしなかったのは両鉄道路線の電車賃が高額だったから避けたんだったよね。今回だって本当なら川口駅経由がお得だったのかもしれませんが、容易に歩けてしまうからこの経路を用いたまでなのでした。そして向かう途上で衝撃の事実を知ることになります。何ともっと便利な交通手段があったことを現地でようやく知ったのです。Google Mapだとなかなか表示されないバス停があったのです。倍率次第で出たり消えたりするの何とかならないのかなあ。 といったまだるっこしい文章を書きましたが、要は「グリル しかうち」は、不便ではないけれど、仕事上がりに思い切って訪れるにはちょっとだけ面倒ではある。でもこの日の様に昼下がりに自由になれたらちっとも面倒には感じないのであります。でもそれにしてもいかにも風情のない景色だなあ。向かいには「肉めし岡もと」や「丸亀製麵」といったファミレス風ファーストフード店が軒を連ねて非常に味気ないのです。当のお店もちょっと古びたマンション1階のテナント物件でありますが、外観を見る限りはさほど興趣の湧くような構えではありません。ショーケースなんかは味わいがあるけれど、余りガン見してしまうと店内から丸見えだったりすることがあるからいそいそと店内へ急ぐのです。右手がカウンター席、左手は小上がり席といういたってオーソドックスながら薄暗い照明と相まってなかなかに古びたいい雰囲気だったのです。遅い昼食を終えた作業服姿の2名が勘定を済ますとぼく独りが残されることになりました。店は高齢夫婦(?)でやっていて、まずはチューハイを頼み、数ある品書きからいわしフライをセレクトしました。これだけの注文ではしみったれているかなって思ったんですが、580円と幾分お高めな価格設定ということもありとりあえず様子見に控えめにしたのですが、結果、この一品だけで正解でした。というのが、フライは一体何尾のいわしを使ったんだろうって位に大量の切り身が使われていたし、サラダ類もたっぷりでこれはえらく濃いチューハイが3杯でも持て余してしまったのでした(突き出しのお新香が旨かった)。ワイドショーの流れるテレビなど眺めつつゆっくり呑んでいると奥さんらしき方は買い出しにお出掛けになり、旦那さんは新聞を手に小上がりで休息の時間のようです。のんびりとしていい時間が流れています。中休みなしらしいので、これは確かにくつろげるなア。誰かと一緒ならもう一品頼んで何杯かお代わりできると楽しかったかもしれません。が、まあこういう店は一人の方がじっくりと味わい尽せるような気がします。ということで、この後はすっかり眠くなったので、この日知った交通手段でのんびりひるねしつつ帰宅したのです。Kyakosanさん、いい店教えてくれて嬉しかったです。
2024/10/27
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今回は食パンです。食パンに限ったことではないけれど、一般に主食の立ち位置にある食材って、ほとんどどんな組合せだって受け止められるものだから、よほどのものでないと驚くべきレシピなどありはしないと思うのです。ということで、ネタもないからまたも青空文庫に頼ることにしました。 江戸川乱歩著『悪魔の紋章』に「不思議な十箇の罐詰と十斤の食パンの謎」というのがあるみたいで、随分久し振りに乱歩を斜め読みすることにしました。でこれのどこが謎かっていうと、一人でこれだけの大量の食料を買い込むというのが謎ということなのでした。確かにまあ不思議っていえなくもないですが、えらくちっちゃな謎ですね。しかもネタバレは避けますが、それに対する理由は、非常にシンプルなものでぼんやり読んでいると読み飛ばしてしまいそうなものでありました。本当であればさり気なく謎が提示されてそっとその解決が書き込まれているといったスタイルは洗練されていてカッコいいと思うんですが、これは前者が大袈裟な割に後者のみ地味だからイマイチ決まっていないなあといった印象でした。ちなみにこの食料は必ずしも食パンである必要はないのでありました。カルボナーラトースト【材料】食パン(6枚切/中央を凹ます/トースト/マヨネーズで縁取り/白身、ベーコンをのせる) 1枚/ベーコン(一口大) 2枚/卵 1個/溶けるチーズ・マヨネーズ・胡椒 適宜【作り方】1. トースターで2分焼く。黄身、溶けるチーズをのせて電子レンジで600W1分加熱する。胡椒を散らす。 このレシピが果たしてカルボナーラと称して良いものか、疑問を覚えるのであるし、大体においてベーコンエッグにチーズっていうのも酷く普通でありますが、まあ美味しいからいいのであります。クリームチーズトースト【材料】食パン(クリームチーズを塗る/くるみを散らす) 1枚/クリームチーズ(電子レンジで15秒加熱) 30g/くるみ 10g/はちみつ・シナモンパウダー 適宜【作り方】1. トースターで食パンを焼いてはちみつ、シナモンパウダーを散らす。 これまた非常にオーソドックスなレシピです。以前は甘いトーストって興味なかったけど、最近は悪くないものだと思えるようになりました。ガーリッククリームトースト【材料】食パン(トースト) 1枚/クリームチーズ 20g/バター 5g/にんにく 小さじ1/胡椒 適宜【作り方】1. 耐熱容器にクリームチーズ、バターを入れて電子レンジで600W15秒加熱する。にんにくを加えて混ぜる。食パンに塗って胡椒を散らす。 でもやっぱりしょっぱい味付けの方がぼくにはいいみたい。というか実は上のレシピと同時に作ってしまい、どちらも美味しかったのでした。九条ねぎとベーコンのトースト【材料】食パン(トースト/バターを塗る)・九条ねぎ(斜め切り)・ベーコン(8mm幅)・バター・胡椒 適宜【作り方】1. 食パンに九条ねぎ、ベーコンをのせてトースターで焼く。胡椒を散らす。 九条ねぎって風味がマイルドでとんがってないからどう調理してもそんなに他の食材と喧嘩することもなくて重宝しますね。
2024/10/26
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今回はナポリタンです。ナポリタンは若い女性たちを中心として純喫茶人気などもあって、アド街などでもしばしば取り上げられていますが、先般このブログで取り上げた際にどうにも気になる記述があったのです。出典はいつもお世話になっておりますの青空文庫です。古川緑波著『古川ロッパ昭和日記』昭和九年十二月二十二日(土曜)三越の特別食堂てので、スパゲティを食ってみた、淡々たる味で、(ナポリタン)うまい。少し水気が切れない感じ。ポークロース、普通。五十銭宛だが、値にしてはうまい。昭和十一年四月二十九日(水曜)(……)電通地下食堂へ。ブーフアラモド、グリンピースのポタアジュ、マカロニ・ナポリタン。 ご存じ、古川ロッパが斯様な記述をしています。これのどこが気になるのか。一般にナポリタンの誕生は、ホテルニューグランドもしくはセンターグリル―周知のとおり、トマトケチャップを用いていたかどうかの差であります―の両店が提供を始めたことに端を発しているとされています。これはいずれも戦後の事です。ところがロッパによれば戦前既に都内の食堂でナポリタンを口にしているというのだ。これは一体どうしたことだ。これはもう調べもせぬままに放置していい事実ではないはずです。手始めに発祥の地にフィールドワークに馳せ参じよう、などという暇もなく色々とお調べになられている方を見つけてしまったのでした。爺の落書き 横浜生活https://isonojii.blog.fc2.com/blog-category-1.html よく調べていらっしゃる。後でじっくり読ませてもらうことにしよう。同上 「昭和十一年“電通地下食堂”にてナポリタン。『古川ロッパ昭和日記』」https://isonojii.blog.fc2.com/blog-entry-635.html?sp 同ページには、ロッパの先の引用を巡っての考察が記されているのでこちらもどうぞ。って自分で書いたんじゃないけどね。ナポじゃが【材料】じゃがいも(茹でる/皮を剥く/一口大)玉ねぎ(みじん切り)・ピーマン(みじん切り)・ベーコン(みじん切り)・にんにく・バター・トマト水煮・トマトペースト・トマトケチャップ・ウスターソース・塩・胡椒・白胡椒・タバスコ 適宜【作り方】1. フライパンにバターを熱して玉ねぎ、ピーマン、ベーコン、にんにくを炒める。トマト水煮、トマトペースト、トマトケチャップを沸かす。じゃがいも、ウスターソース、塩、胡椒、白胡椒を加える。 スパゲッティをじゃがいもに置き換えただけです。ケチャップ味のジャーマンポテトだすね。まあ、旨いけど凡庸な感じであります。ナポリ風焼きそば(とんとん亭)[日本・東京都大田区]【材料】焼きそば麺(電子レンジで600W30秒加熱)・豚肉・エビ・イカ(網目状に切れ目)・ピーマン(5mm幅)・マッシュルーム(水煮/薄切り)・玉ねぎ(くし型切り)・湯(鶏がらスープの素を混ぜる)・鶏がらスープの素・トマトケチャップ・豆板醤・にんにく・ラード 適宜【作り方】1. フライパンにラードを熱してにんにく、豚肉を炒める。エビ、イカを加える。ピーマン、マッシュルーム、玉ねぎを加える。鶏がらスープを加える。焼きそば麺を加える。トマトケチャップ、豆板醤を加える。 これは豆板醤で辛味を付けている点が特徴になります。あとは単なるナポリタン風味の焼きそばでしかないですね。これまた想像の範囲にとどまります。ナポリタンラーメン【材料】中華麺(醤油/茹でる) 1玉/トマトパッサータ 50ml/トマトケチャップ 大さじ1/にんにく 小さじ1/2/湯 100+150ml/玉ねぎ(くし型切り) 1/4個/ピーマン(5mm幅) 1個/ハム(短冊切り) 1枚/サラダ油・塩・胡椒・粉チーズ・タバスコ 適宜【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱してにんにく、玉ねぎ、ピーマン、ハムを炒める。トマトパッサータ、トマトケチャップを加える。中華麺を加える。湯、塩、胡椒を加える。2. 丼に付属のタレ(半量)、湯を入れて混ぜる。1.を加える。粉チーズ、タバスコを散らす。 これはやはりラーメンとは異なる料理でした。でも焼きそばともちょっとちがっていてそれなりに旨いけど予想を裏切るほどには美味しくはなかったかな。オムレツナポリタン【材料】スパゲッティ(茹でる/オリーブ油と和える) 100g/ウインナー(斜め切り/or ベーコン/ハム(短冊切り)) 適宜/玉ねぎ(薄切り) 1/2個/顆粒コンソメ 小さい1/トマトケチャップ 大さじ3/塩・胡椒 適宜/卵 1個/サラダ油・オリーブ油・バター 適宜【作り方】1. フライパンに薄くサラダ油を熱して玉ねぎ、ウインナーを炒める。顆粒コンソメを加える。パスタを加える。トマトケチャップを加える。塩、胡椒を加える。。2. フライパンにバターを熱して溶き卵を炒めてオムレツを作る。3. 皿に1.を盛って2.をのせる。 ナポリタンにオムレツをのせただけです。いっそのこと溶き卵にナポリタンを混ぜ混んで、ナポリタン入りオムレツにした方が想定外の味覚を期待できそうです。アイデアとして安直過ぎるんだよなあ。
2024/10/25
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地方出身者のぼくにとって、町屋という町はけして好ましい印象を抱けるような町ではありませんでした。というのは、町屋っていうところは、火葬場の町であるという認識があったからです。どうしてほとんど東京に足を踏み入れたこともなかったぼくがそんなことを知っていたのか、それとも実はその知識は都内に住み始めてからのことだったのか、今となっては確信が持てない。ともかくぼくにとっての町屋とはそうした町だったのです。寺田寅彦著『B教授の死』 遺骸は町屋の火葬場で火葬に付して、その翌朝T老教授とN教授と自分と三人で納骨に行った。炉から引き出された灰の中からはかない遺骨をてんでに拾いあつめては純白の陶器の壺に移した。並みはずれに大きな頭蓋骨の中にはまだ燃え切らない脳髄が漆黒なアスファルトのような色をして縮み上がっていた。木村荘八著『「いろは」の五色ガラスについて』 ぼくの父木村荘平(明治三十九年歿、六十七歳)は「いろは」牛肉店の経営だけが、その仕事ではなく、製茶貿易、諸獣屠殺、競馬、火葬場経営等々……いろんな方面に関係のあつたもので、競馬と屠獣の関係で三田四国町を開いたり(明治十二年)、町屋に火葬場を建てたり(明治二十六年)、甜菜の製糖会社であるとか(明治二十一年)、その同じ年まで日本麦酒会社の社長を仕め、蛹を用ゐて機械油を作る計画に与つたり(明治二十三年)、さうだと思ふと羽田の穴守に稲荷を祭ることなど率先してゐる。 は、『私のこと』でもほぼ同様の父親の経歴を記していますが、エッセイ(青空文庫調べ)などを眺めてみても町屋と火葬場は頻繁に語られてきたようです。ぼくは町屋と斎場の関連をこうした文章を通じて知識として蓄えたのかもしれません。その後、町屋の別な側面を知ったのは、酒場巡りを始めた頃のことだったかもしれません。町屋には魅力的な酒場が充実しているとの情報が広く流布されていて、そうした情報を携えてちょくちょく訪れるようになりました。そうするうちにかつての陰惨なイメージも一掃され、むしろ庶民的な下町風のムードに行為を抱くようになりました。 そんな町屋らしい居酒屋に遭遇しました。「呑み喰い処 高畑」です。駅からはそれなりに距離のあるほぼ飲食店を始めとした店舗が影を潜めて、住宅街に切り替わろうとするエリアに位置します。でも町屋の場合はこうした場所にも好ましい酒場があるのがお楽しみなのです。一見すると何の変哲もない民家のような味気ないお店なのです。こうした酒場がこの町の外れには少なくありません。ぼくのような酒場に期待する要素の多くがその佇まいに依存する者にとっては、実のところさほど魅力のないタイプの店ではあるのです。でも町屋の場合はこのタイプのお店こそがこの町の酒場の典型のように思わされることがしばしであるため、つい見逃せなくなり立ち寄ってしまうのです。店内も本格的な居酒屋風情は希薄であります。ただすでに呑まれているお客さんたちの顔がいかにも町屋の人たちなのです。どこがどう町屋なんだと詰め寄られても困るのです。町屋に暮らす人それぞれが町屋顔なんじゃなくて、町屋という町の一軒の酒場に寄り合った時に彼らは一時、町屋顔の人になるという感じでしょうか。だからきっと我々も普段は町屋とは縁も縁もないけれどその時だけは町屋顔の我々だったんだと思うのです。さて、町屋顔の女将さんに数品の肴ととても濃いホッピーをお願いします。濃くて嬉しいと言えるギリギリまでたっぷりの中身がやはり嬉しいのです。肴を用意してくれているらしい方の姿はお見受けしませんでしたが、メヒカリの唐揚げを始めとした料理のいずれもが普通をちょっと上回って美味しいのであります。激ウマの料理でホッピーなどという無粋は避けたいのだ。ホッピーにはほどほどに美味しい位の料理がちょうどいいのです。といった次第でやはり町屋では駅前よりも少し奥地に踏み入った方が楽しいというお話でありました。
2024/10/21
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こうなることは、ハナっから分かっていたことだし、こうならざるを得ないであろうことも凡そ想像はしていました。だからこうなったことをとやかく言いたくはありません。と分かる人には明白だし、分からない人でもなんとなく察してもらえると思うのだけれど、念のためにはっきり言っておくことにします。王子の名酒場が数年に亘る空白期間を経て新装開店したのであります。かつてその酒場はぼくが愛する酒場の最上位に位置していました。最上位というのは言葉のとおりで、ぼくにとって最上の酒場はかつてのここを含めて片手で足りる位置を占めていたのです。だから建替えの知らせを見た時にもっとしっかりと通っておくべきだったと、後悔したものです。世の中の多くの物事はそれを本当に愛するようになった時には、すでに消え去るべき対象となってしまうのだと思います。いつだって遅きに失するといった思いを抱かされるのですが、それは間違いで本当に愛した時点でもう破滅へと向けて容赦なくカウントダウンのボタンが押されているのでしょう。とまあ、つまらぬことをグダグダ書きましたが、思い出というのはいつだって美化されるものというのはかなりの程度で真実を突いているというのがぼくの経験則なんですが、かつての当の酒場はぼくの中ではまだ思い出には昇華していないからそれには当たらないと思われるのです。何にせよいつかは平成、いや令和の時代に開店した酒場も老舗と呼ばれることになることもあるかもしれないのだから、若者にとっては、昭和という時代はすでにノスタルジーの対象ではなく、新たな発見のある未知の時代となっているのでしょう。とどこかで話の論理がねじ曲がってしまいました。 自らの愚痴にすらならないボヤきはともかくとして「山田屋(山田屋酒場)」は、往時以上にお客さんで賑わっていたのでした。それもそのはず客席数が以前と比較すると大幅に縮小されていたからです。正確な比較をするつもりはないけれど、目視した限りでは5分の1程度にはなっているように思えます。思えばこの酒場の最大の魅力はオオバコであったことにあったのです。天井の高いそして端まで見通すのが困難なほどの広い客席に老若男女問わず、多くの酔客がそれぞれの表情を浮かべてそれぞれに好みの酒や肴を楽しんでいる―必ずしも楽しそうではない人もいるけれど、それはそれで表情こそ暗くてもここで呑む時間が癒しとなっているように思えました―。と懐古してみてもむなしくなるばかりです。そりゃまあ建ぺい率の関係なんかで仕方のないことなのだ。お馴染みの半熟玉子が大幅に値上げされているのも無理からぬことであります。店の方たちが従前の家族経営から若者たちがメインキャストとして登用されたのは、味はなくなったものの悪いことばかりではないようにも思えます。なにせ彼らは実によく教育されていて、接客態度も非常に好感が抱けるのだ―エラソー―。そう、もしかするとかつてのここを知らずに初めてこちらを訪れていたとしたらどう感じたのかと想像してみるのです。新しい店なのに実にちゃんとしてるなあと思うことは間違いなさそうです。しかし、それでもここがぼくにとってかけがえのない他の替えの利かぬ酒場となり得るかには想像の網を広げる気にはなれなかったのでした。ぼくがこの先、再びこの酒場の暖簾をくぐることがあるのかと自問すると、まあ懐古的な気持ちになったら来ることもあるかもしれないという答えしか浮かんではこないのでした。
2024/10/20
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日本でコンビーフといえばノザキ。ノザキのホームページを見るとコンビーフを使ったレシピが公開されています。現時点における登録数は53種でありました。これを多いと見るかそうでもないと見るかは人それぞれですが、ざっくり眺める範囲でぼくには少ないように思えました。このレシピの趣旨としてはコンビーフを主役もしくは準主役的な立ち位置に据えることが求められていることを差し引いてももう少しヴァラエティがあっても良さそうに思えます。と書きはしたけれど、こういう加工済みの食品っていうのは、それ単体ですでに完成されたものであって、例えばツナなんかもそれだけをチマチマ摘まんで充分なつまみになるのと同じようなことなんだろうと思うのです。つまり肉版のツナみたいなもんだからどうしたって似たり寄ったりのアイデアしか出しようがないのかもしれません。作家やコメディアンにアイデアを求めても(いつものように青空文庫頼りです)やっぱり定番のメニューがあるばかり。古川緑波著『古川ロッパ昭和日記』昭和十二年七月二十六日(月曜)(……)夕刻、徳山とホテルのグリルへ。久しぶりこゝのオードヴル、キャベツのスープに、コンビーフキャベジとプディング。昭和十五年二月二日(金曜)箱根富士屋ホテル。(……)八時すぎ起きる。入浴、食堂へ、スクラムブルエグとコンビーフハッシュ。 レストランだとキャベツ、卵、じゃがいもといった当たり前に相性のいい組合せになるんだろうな。小川未明著『からすとうさぎ』「町に住む人たちは、ぜいたくですね。」「ええ、ぜいたくですとも。そうそう、いつかあなたを追いかけた犬までが、コンビーフのかかったご飯を食べていましたよ。」と、おしゃべりのからすは、いいました。 これまた大定番。犬でなくてもコンビーフは贅沢品なのであります。北大路魯山人著『握り寿司の名人』コンビーフの寿司、サンドイッチの寿司、トンカツの寿司など、創意創作がむやみやたらと現われ、江戸前えどまえを誇った勇いさみ肌はだの寿司屋など跡を絶たねばならなくなるだろう。 先般も引用してコメントもしましたが、すっかりコンビーフの寿司は人口に膾炙したようです。ノザキのレシピにも手巻きやのり巻きが紹介されています。ということで料理ってもんでもないですけど、最高のコンビーフの食べ方を探ってみました。コンビーフの肴【材料】コンビーフ 1/2缶/マヨネーズ・わさび 適宜【作り方】1. 皿にコンビーフを盛ってマヨネーズ、わさびを添える。【備考】レシピサイト ぷちぐるhttps://oisiso.com/ 近頃お気に入りのサイトで紹介されていたものです。ここのレシピって本格的ってのとはちょっと違うけれど簡単でありながら妙な拘りも感じられて面白く眺めています。ちなみにこの超シンプルな食べ方はどこぞやの安酒場の定番メニューだったみたいです。もちろん最も美味しい食べ方の一つと思うけれど、寄る年波を思うとピクルスでもいいのでさっぱりとする付け合わせが欲しいところです。コンビーフ炒め(安倍夜郎著『深夜食堂』)[日本]【材料】コンビーフ缶(1cm厚) 1缶/卵(目玉焼き) 1個【作り方】1. フライパンでコンビーフを焼く。卵を目玉焼きにしてのせる。 これまたド定番。ちょっと加熱すると多少脂が抜けて美味しいんですよね。その脂で卵を焼くというのがいいですね。でもこれ半分食べたら残りをめしにのっけたくなります。コンビーフ丼【材料】ごはん 1膳分/コンビーフ 大さじ2/わさび・醤油 適宜【作り方】1. 茶椀にごはんを盛ってコンビーフ、わさびをのせ、醤油を散らす。 小川未明の犬も食べていましたね。どこぞやの安酒場ではごはんはなかったかもしれないけれど、これも1品目をわざと残りを出して食べたくなります。コンビーフ茶漬け【材料】ごはん 1膳分/コンビーフ 大さじ2/お茶漬けの素(永谷園) 1袋/湯 適宜【作り方】1. 茶椀にごはんを盛ってお茶漬けの素をかけ、湯を注いでコンビーフをのせる。 これは間違いないだろうと思っていましたし、以前何度か食べていますが、今食べるとちょっとしょっぱい気がします。お茶漬けの素を半分にしてちょっと醤油で風味を付けるのがいいかもしれません。
2024/10/19
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今回のお題は寿司です。と書いた傍から気になることがあります。気になることとは、「寿司」って様々な表記があるけれど、どれを用いるのが実態に即しているのかっていうことです。しっかり調べてみるまでもなく、以下の詳細な解説がありました。日本経済新聞 「鮨、寿司、鮓、すし…… スシの表記なぜ違う?」https://www.nikkei.com/article/DGXBZO39579780U2A310C1000000/ 残り44文字は会員でないと読めないのね。日経ってのはいつもこれだよ,って毒づくまでもなく、もう読める範囲で十分なのでした。もう面倒なので自分の好みの表記を選んで、それをブレずに使うってことでいいんじゃないか。といった考えを良しとするのであれば、ぼくならやはり「寿司」を採用します。恐らく最もポピュラーな表記で馴染みがいいことが影響していると思います。実際に上記のページにも「国内のすし店のうち、最も多いのは「寿司」(52.1%)」とのことだからやはり他を圧倒しています。だったら迷うことなど何もないってことになるけれど、それでも実際に手書きしてみるとどうにも違和感が感じられるのでした。まあ、こうして記事になる位だからぼくが気になるのも無理からぬことなのでしょう。 では、今回はとうとう寿司を握ったのかというとそんなことはなくって、現代でいうところの寿司、つまり握り寿司は作っておらず、寿司の食材の援用だったり、スーパーの値引き寿司パックのアレンジだったりといったものに終始するので悪しからず。くら寿司風シャリカレー【材料】ごはん(すしのこを混ぜる) 1膳分/すしのこ(タイマイ) 適宜/野菜(玉ねぎ・ピーマン(赤)・かぼちゃ・じゃがいも・白ねぎ・ズッキーニ・セロリ・ニンジン・りんご・生姜・にんにく・フライドオニオン/ミキサーにかける)・サラダ油・砂糖・小麦粉・カレー粉・チャツネ・固形ブイヨン・塩・トマトペースト・醤油 適宜【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱して小麦粉、カレー粉を炒める。残りの全ての材料を入れて煮る。2. 皿にシャリを盛って1.をかける。 写真見つかんないけど、まあいいか。見た目は単なるカレーだしね。もう数年来、くら寿司で食べる事はしていませんが、今でも販売されているのでしょうか。随分前に発作的にすしのこを買ってしまったはいいものの持て余したので作ってみただけのもの。くら寿司のカレーレシピはネット上に原材料の表記があったので自分で適当に按配してみました。確かに合わないことはないけれど、さほどシャリの効果はかんじられませんした。シロナ(山東菜)のめはり寿司風【材料】ごはん 1杯分/シロナ(山東菜/一晩塩漬け/大葉以外を刻む) 1/4把/生姜(みじん切り) 1片/塩 適宜【作り方】1. ごはん、シロナ(刻んだ分)、生姜を混ぜて俵型に握る。シロナ(大葉)で包む。【備考】奈良県 「奈良盆地中南部地域 ごはんのレシピ」https://www.pref.nara.jp/46109.htm 和歌山のご当地料理として知られるめはり寿司ですが、ベーシックな高菜の漬物の代わりにここではシロナを用いています。念のためと参考にしたページを見てみたら、あらあらこれって伝統的な料理ではなくアレンジ料理だったのね。まあいっか。にしても地味な料理だなあ。バター寿司【バター握り】【材料】酢めし 2合分/バター(薄切り) 40g/大葉・のり(帯状に切る) 適宜【作り方】1. 酢めしにバター、大葉をのせてのりで巻く。【備考】雪印メグミルク 「くちどけまろやか!バター寿司」https://www.meg-snow.com/recipe/detail/11216.html たまたま見掛けたので作ってみました。ちょうど雪印のバターもあったしね。にしてもこれは禁断の食べ物だなあ。旨いっていやあ旨いけどこんなの当たり前に食ってたら長生きはできそうにないな。蒸し鮨【材料】寿司 2貫/だし・塩・葛 適宜【作り方】1. 鍋にだし、塩、屑を沸かす。2. 器に寿司を盛って1.を注ぎ、3分置く。【備考】レシピサイト ぷちぐるhttps://oisiso.com/ 近所のミニスーパーで3割引き惣菜寿司パックを買ってきたのでした。酔っているとたまにうっかり手を出してしまうことがあるのだ。別にいいじゃん、って気もするけれど、これがなんとも美味しくないのだ。食えないって程ではないんだけど、それじゃ虚しいので、このレシピを試してみることにしたのです。たまに残った寿司をチャーハンにするってレシピがあるけど、それは一度試して懲りています。ちなみにこれ、思ったよりは良かったです。少なくともそのまま食べるよりは余程食べられたかな。
2024/10/18
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今回、標題に川口元郷を冠しました。明確なルールなどありはしないのですが、一応、標題には最寄り駅を地名代わりに冠することにしています。現実問題として最寄り駅などないような路線バスやタクシー利用も視野に入れるべき場所であってもそうしてきました。そこに大した意図はないのですが、バスは時刻表や経路などのリサーチが面倒だし、タクシーはそもそも使いたくないと思っているからなのです。ちなみに今回お邪魔した酒場の場所はYAHOO!地図によると以下のような距離感にあります。舎人公園駅(日暮里・舎人ライナー)-24分舎人駅(日暮里・舎人ライナー)-27分川口元郷駅(埼玉高速鉄道)-28分 距離的には舎人公園とすべきところなんですが、今回のお店が埼玉県川口市にあるので、距離よりも所在地の都道府県を優先してみました。これも恣意的な判断に過ぎません。ちなみにこの辺の県境ってどこなのかしらと県境入りの地図を探してみたんですが、白地図が見つかるばかりでした(ちゃんと探せばあるかもしれません)。なので愚直にGoogle Mapの適当な箇所をクリックして地名を表示させるという方法を取ることにしました。この界隈は新芝川なる荒川の支流で分断されているので、これが都と県の境目ではないかと当たりを付けます。ところが川の東側も埼玉県川口市のようです。もう一つの分断線である首都高速川口線はどうだ。これまた線の東西に都県が入り混じっています。川口っていう土地はどうも境目問題が複雑なようです。 さて、話を酒場話に切り替えるとして、川口駅発の国際興行バスに揺られてこの夜のお目当ての店を通り過ぎたのは16時頃だっただろうか。17時の開店時間にはまだそれなりの時間があったので、先般報告した店で時間調整した後に「しらかわ」を訪れました。ここの存在は随分以前に知っていたのですが、生来の怠惰により行かぬままとなっていました。近隣に住んでいる知人に教えて―実際には偵察の役目を押し付けた―、絶賛していたのにも関わらずなのだ。今行こうと思ったのは単に不意に思い出したからに過ぎないのです。といった訳で17:05-あまりに開店すぐだと悪目立ちしそうだから-になってから訪れることにしたのです。さすがにこの立地で行列ができてるなんてことはないだろうし。ところがこの考えの甘さにすぐに気付かされることになるのです。なんと戸を開けると辛うじて空席が2席程度という状況だったのです。なんと! どうやらとっくに開店していたようです。にしても16:00から17:00の間であることは間違いないし、すでにお代わりしている客もいるから16:30過ぎには開店していたんじゃないか。にしてもこの混み方はただ事ではありません。駅前立地の人気店もなかなかここまでの混雑は見られないんじゃないか。とにかく我々(A氏と一緒)が入ってほぼカウンターのみの店内は目一杯になりました。こんなに盛況している酒場に対してすら発見を語る人がいるようなのですが、そういう人たちは「コロンブスが新大陸発見」という西洋中心の視線を共有していると理解するべきです。せめてカッコ付の「発見」とする程度の配慮は必要ではないか。なんてことをその時には少しも思ってはいないのだ。とにかくこの酒場のあらゆる面からのすばらしさを堪能するのでありました。最大限の賛辞を贈ることに一切の躊躇はないけれど、唯一難点を挙げるとすれば、すでに満席となった店内にすら次々と常連たちが一人また一人と増殖し、モロそうな店舗がはち切れんばかりになっても受け入れを拒否しないのはいかにも頑張り過ぎに思えるのだ。ぼくらのような一見客にはそんな行為は無理に決まっているから、席が埋まったらさすがに新たな入店は断ってもらいたいなあなんて思うのだ。思うけれど、なかなか訪れることは難しいので常連さんたちが納得ならこの難癖はなかったことにした方が良さそうです。
2024/10/14
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以前も書いたことがありますが、ぼくは自身の感性をとある身近にいる人物にある不愉快な言葉で総括されたことがあります。そのひと言とは「感傷的」でした。ぼくは他人に対して感情を素直に表現するのを回避したいという気持ちが強く、例えば好きな映画について語る場合でも対外向けの作品選定や評価をもってするなんてことがある訳で、それは嘘ではないけれどあくまでも好きの一面のみを開示しているに過ぎないのです。だからといって先の一面が表面で、後は裏面しかないってことではなくて、いくつもの側面を併せ持っているのですが、そんな面の一つに「感傷的」な側面があることにも自覚的なのです。分かってはいるんだけど、自分でそれを語るのならともかく他人から指摘されるというのは全く別なのだ。普段自分では押し殺せていると思っていたのに実はバレバレであったこと、そしてそれを見透かされいないだろうと思い込んでいたことへの恥じらいに憤るのです。また、そうした憤りを隠しておきたいという気持ちを汲むべきだろうという八つ当たりになるのだ。感傷的な人っていうのは大体において自身について何かしら劣等感を抱いているのだと思います。そうした劣等感を武器にして屈折した感傷を綴った作家に太宰治がいます。例えば、以下の文章の見苦しさを読むとぼくなどは、みっともないと思いつつも共感を覚えるのであります。太宰治著『惜別』(……)東京よ、さらば。選ばれた秀才たちよ、さらば。いよいよお別れとなると、さすがに淋さびしかった。汽車で上野を出発して、日暮里という駅を通過し、その「日暮里」という字が、自分のその時の憂愁にぴったり合って、もう少しで落涙しそうになった。(……) 太宰の感じる憂愁というのは今や名所扱いされている夕焼けだんだんで夕暮れ時に眺める風景が物悲しさやノスタルジーを喚起するのとそう遠くない感情だと思うのだけれど、ぼくの理解する「日の暮れる里」は、この里は日が暮れてからが本領であるという風に理解されます。表向きの感傷とは無縁の表情をこの町は持ち合わせているんじゃないか。実際、以前は余り露骨でなかった客引きや立ちん坊のおねえさんたちが町に溢れかえっていて、憂愁に浸る暇などありはしないのでした。 といった今日の日暮里の風景を形成する重要なファクターとして中国をはじめとしたアジア系を中心とした外国人の存在があるようです。かつてはかなりきわどい商売をしていた店もあって危なっかしい思いをしたこともありますが、近頃は良心的で気軽な店も増えてきました。こちら「紅吉坊 日暮里」もそうしたファーストフードっぽい気楽なお店の一軒です。こちらは写真にもあるように麻婆豆腐がお勧めのお店で、食べてみるとなかなかに美味しいのです。ぼくが自作するものに引けを取らないと書くと語弊があるかもしれませんが、町中華で時折遭遇する酷いシロモノに比するのは失礼な位に本場感がきっちり感じられ、酒が進むいい程度の刺激もあります。多くの客が麻婆豆腐とごはんを食べていますが、案外良かったのが餃子です。こうした本場風のお店の餃子って特に焼きの場合は外れが結構あるものですが、こちらのものは身詰まりが良くて、でもうんざりせずに食べ進めることができるなかなかの仕上がりに思えます。ぼくは餃子が好物って訳ではない割にはよく食べる方だと思うのですが、本当に美味しいと思えるのは10回に一辺程度と思っているので、それで美味しいということはかなりの高評価であるとご理解頂きたい。早速の総括ではありますが、吞みをじっくり楽しむには若干不向きではありますが、待ち合わせに使ったり、ハシゴの途中に立ち寄ったりするには十分なお店であると思えました。
2024/10/13
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知ってる人は知ってる(当然!)だけの豆知識を。レンコンはとある組織の業界用語なのです。知ってる人はこの後は飛ばしてもらって大丈夫です。分かる人はこれだけ書いただけで何となく察しが付いたかもしれません。とある道具を指す用語なんですね。もったいぶるのも恥ずかしい位に分かり易い。とある組織とは警察の事で、道具は回転弾倉式拳銃(リボルバー)の事なんですね。理由は述べるまでもありません。これだけではいかにも手抜きだからもう少し蘊蓄に付き合っていただきます。高見順著『いやな感じ』という小説があります。そこでこのレンコン=拳銃の記述があります。同志がわざわざ上海まで潜行して、苦心して入手したレンコン(ピストル)は、いざとなると役に立たなかった。ひどく旧式な蓮根式のあのピストルがチャチだったのか、それともタマが、インチキなのをつかまされたのか、古くなって火薬がどうかしたのか。 加えて、レンコンの隠語についての記載もあります。野菜の隠語を言うと、ニンジンがヤケヒバシ。ゴボウはテツヒバシ。クロマンスとも言ったな。大根がマンスイあるいはマンスなのだ。レンコンはハチノスで、ナスはクロドリ、塩ナスはクマノイ。 レンコン=ハチノスということですが、これはレンコンの華に出来る花托がハチノス(蜂の巣)と似ていることに起因します。これが短縮されてハスになったということです。まあそれだけのお話でした。れんこんのカレー[スリランカ]【材料】レンコン(1cm厚銀杏切り) 500g/玉ねぎ(粗みじん切り) 1/2個/ブラウンマスタードシード 小さじ1/ココナッツミルク 150ml/ココナッツオイル 適宜/水 100ml/【A】チリパウダー・ターメリック 小さじ2/カレーパウダー 大さじ1/カレーリーフ 10枚【作り方】1. 鍋にココナッツオイルを熱して玉ねぎ、【A】を炒める。レンコン、ブラウンマスタードシードを加える。水を加えて煮る。ココナッツミルクを加える。【備考】ELLE GOURMET 「スパイス使いを真似したい! スリランカカレーレシピ9選」https://www.elle.com/jp/gourmet/gourmet-cooking/g60796456/srilankan-curry-24-0518/ 超シンプルなカレーです。以前はレシピにカレーパウダーってあるとなんだそりゃって抵抗感を抱いたものですが、今ではそんな些細なことには頓着しません。マスタードシードを使うのも久し振りだなあ。あっという間に作れてしまうけど、しみじみ美味しいいい料理でした。レンコンとチーズのガレット【材料】レンコン(薄切り) 1節/サラダ油 小さじ2/溶けるチーズ 大さじ5/塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱してレンコン炒める。塩、胡椒して半量に溶けるチーズをのせて半量を重ねる。 レンコンとチーズの相性の良さは分かり切っていてむしろそれがネックになって作っていなかったレシピです。箸休め程度として食べるには十分かな。レンコンのキーマカレー【材料】ごはん 1膳分/合びき肉 80g/レンコン(1cm角) 50g/玉ねぎ(みじん切り) 1/4個/水 50ml/[A]トマトケチャップ 大さじ1/2/顆粒だし 小さじ1/2/カレーフレーク 大さじ1/塩・胡椒 適宜/[トッピング]温泉卵 2個/パセリ 適宜【作り方】1. 耐熱容器に合びき肉、レンコン、玉ねぎ、[A]を入れて混ぜる。電子レンジで600W5分加熱する。水を加えて混ぜる。電子レンジで600W5分加熱する。お皿にごはんを盛ってかけ、温泉卵をのせる。パセリを散らす。 キーマカレーにレンコンっていうのもすごく凡庸なアイデアに思えて避けていました。作ってみたら思った以上に濃い味わいでした。レンコンの代わりにごぼうなんかでも無論美味しいのでしょう。レンコンチャーハン【材料】ごはん 1膳分/レンコン(みじん切り)・豚ひき肉 50g/卵 1個/長ねぎ(小口切り) 3cm/ごま油 小さじ2/塩・胡椒 適宜【調味料】酒・醤油 小さじ1/豆板醤・甜面醤 小さじ1/2/塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンで豚ひき肉を炒める。レンコンを加える。【調味料】を加えて取り出す。2. フライパンにごま油を熱してごはんを炒める。塩、胡椒する。溶き卵を炒めてごはんと混ぜる。1,、長ねぎを加える。 これまた非常に分かり易い発想です。豆板醤や甜面醤を入れてさらに濃い味になっていますが、そこまでしなくてもレンコンの旨味は問題なく感じられるんだけどなア。
2024/10/12
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いんげん豆が大好きなのです。若くて青いさやごと食べるさやいんげんはもちろん大好物ではありますが、今回取り上げるのは一般にいんげん豆と呼ばれる完熟した乾燥豆です。そうはいってもいんげん豆には数多くの種類があって、日本で古くから食べられているものでは金時豆、うずら豆、虎豆、手亡などもいんげん豆の仲間だし、近頃主流になってきたものでは、白いんげん豆やキドニービーンズ(赤いんげん豆)などじゃないでしょうか。カルディなどの海外の食材店が全国に普及してからというものの缶詰が容易に入手できるようになり、一気に日本の家庭に広まったように思われます。これらは水で戻す必要もなく缶を開けるとそのまま料理に加えることができます。世界的なインフレ傾向や円安によって今年になって一気に値上げとなりましたが、近頃は幾分価格も落ち着いてきたように思えます。さて、今回取り上げるのは黒いんげん豆であります。黒いんげん豆に関しては、国内では缶詰を取扱う店舗も少なく、手にしたのはわずか数年前に成城石井で見つけてからのことになります。イタリア産のものだったかな。その取扱いも途絶えてしまいやむなく乾燥豆を買ってきてせっせと茹でていたのですが、それが円安後の価格安定と同時に突如として缶詰を取り扱う店舗が増加したみたいなのです。今では乾燥豆を戻して使うのに慣れてしまいましたが、急に食べたい時にすぐに使えるのはやはり便利なものです。この黒いんげん豆、他のいんげん豆よりずっと濃厚な味でコクもあって満足度が高くすっかり気に入っています。ガジョピント[コスタリカ]【材料】ごはん 1カップ/黒いんげん豆 1カップ/ピーマン(粗みじん切り) 1/2個/玉ねぎ(粗みじん切り) 1/2個/セロリ(粗みじん切り) 1/2本/にんにく2片/香菜 適宜/オリーブ油・塩・胡椒・サルサリサーノ 適宜【作り方】1. 鍋にオリーブ油を熱してピーマン、玉ねぎ、セロリ、にんにくを炒める。ごはん、黒いんげん豆を加える。塩、胡椒を加える。皿に盛って香菜を散らし、サルサリサーノを添える。 コスタリカ料理の大定番料理らしいです。加熱用バナナを添えるのがお決まりみたいですが、近頃あまり見かけないので割愛。サルサリサーノというソースを混ぜ混んだり、添えるのが定番とのことで以下にそのもどきレシピを用意しましたが、なくても十分な位に食べれてしまいます。サルサリサーノ [コスタリカ]【材料】赤唐辛子 1/3本/セロリ 5cm/イタリアンパセリ 適宜/ウスターソース 大さじ2/トマトケチャップ・レモン汁・酢 大さじ1/水 大さじ2/クミンシード・鶏がらスープの素・胡椒 適宜/マスタード・ターメリック 小さじ1/3/砂糖 小さじ1/2【作り方】1. 野菜を刻む。全ての材料を入れ、ハンドブレンダーにかける。 このソース、日本で一般には入手が面倒らしいので、成分表をあれこれ見比べてみたりしたんですが、商品によってその食材は結構ばらつきがあるようです。なのでウスターソースをベースにあれこれ足して足してをしてみました。材料を追加しつつ適宜味見をしてみたのですが、オリジナルを知らぬ以上、適当なところで折り合いを付けることにしました。ソパ・ネグラ[コスタリカ]【材料】ブラックビーンズ(半量を潰してにんにくを混ぜる) 1缶/パプリカ(粗みじん切り) 1個/玉ねぎ(粗みじん切り) 1個/香菜 5本/にんにく 3片/チキンストック 250ml/ドライオレガノ・チリペッパー・塩・胡椒・オリーブ油 適宜/卵(茹でる) 2個【作り方】1. 鍋オリーブ油を熱してにんにく、玉ねぎ、パプリカを炒める。チキンストック、ブラックビーンズを加えて煮る。塩、胡椒する。皿に盛って茹で卵をのせ、香菜を散らす。 無茶苦茶地味な感じですが、黒いんげん豆に関してはこれだけでも十分に酒の肴として耐えうることを知っています。アボカドを添えるレシピもありましたが、そこまでしなくても満足できると思うので、アボカドは別な料理に回してもいいと思います。黒インゲン豆の煮込みと茹でキャベツ【材料】黒いんげん豆(浸水[一晩]/煮る) 500g/水 2L/スプリングオニオン 2個(or 玉ねぎ 1個/みじん切り)/長ねぎ(ポロねぎ/みじん切り) 1本/ニンジン(みじん切り) 1本/塩 小さじ2/にんにく 3片/オリーブ油 大さじ2/キャベツ 1玉/にんにく 3片/塩 適宜/オリーブ油 α+大さじ2【作り方】1. 鍋に黒いんげん豆、水、スプリングオニオン、長ねぎ、ニンジン、塩、オリーブ油を入れて2時間煮る。フライパンにオリーブ油を熱してにんにくを炒めて加える。2. 鍋に湯を沸かしてキャベツを10分茹でる。水、塩を加えて20分茹でる。フライパンにオリーブ油を熱してにんにくを炒める。皿に盛ったキャベツにかける。【備考】イルンに居るんデス 「茹でキャベツと♪黒インゲン豆の煮込み」https://zazpi.livedoor.blog/archives/1754563.html これぞ本格的に地味な料理です。前回も同じ料理を作りましたが、若干レシピが違っているので試してみることにしました。結果、こちらも大いに旨かったです。これは本当にいい料理だなあ。
2024/10/11
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店の戸を一番に開ける役目もほとんど全ての場合、ぼくが受け持たされているような気がする。なぜか勘定を頼むのもぼくの仕事の様になっている気がする。どうにも不愉快で2杯と1品程度のセコい呑みで勘定をするって場合なんかはぼくだってプレッシャーを感じるのだ。大体においてすぐに出たくなる酒場っていうのは店の人や客たちの醸し出す雰囲気が良くないのが理由って場合が多いのであって、そんな嫌な雰囲気-彼らにとっては好ましいのかもしれない-を打ち砕くように勘定を頼むのは、彼らからの冷ややかな視線に晒されることを覚悟する必要があるのだ。だから、あまり好きな仕草ではないのだけれど、両の人差し指を交差して指し示すなんてことをしてしまうのだ。チェックのポーズなんていう気取った仕草をしている自分にも嫌な気分になるのだ。入る時も帰る時もぼくの役目というのはちょっとフェアではないような気がする。これって考えてみると近頃のおっさんに親分肌の連中が少なくなったからなんじゃないか。ぼくが就職した頃には、親分が夜の町を肩で風を切って酒場に連れて行かれたものでした。今だったらそれだけでパワハラとかアルハラとか訴えられてしまいそうですが、そういう存在はぼくには有難かったし、それはそれでカッコいいと思えた。お勘定もその人もちだったしね。まあ実態としては、職場の交際費とかがザル状態だったというだけで、それを知ったのも初めて引き連れられた日の翌朝であった訳です。こういう親分肌はそれでも堂々としていたのだ。そんなおぢさんは現代では絶滅危惧種となりつつあります。 さて、上段の話はこの夜,お邪魔した「裏のさかな屋」とはあまり関係のある話ではないのだけれど、やはりこの夜も店に第一歩を踏み出したのはぼくだったのです。にしても祐天寺ってこんなにも酒場で困る町だったっけ? これまで訪れた酒場ってどこがあっただろう? と気になったのでメモを調べてみた。結果は以下のとおり。「はがくれ」「忠弥」「立花」「大衆割烹 大樽 祐天寺店」「鳥勝」「もつやき ばん」「居酒屋 大将」。なるほど。もう閉店してしまった店もありますが、名店がズラリと並びました。でも確かにいい店だってのは分かるけれど、再訪したいかっていうとちょっと疑問なのです。近所に住んでいたら考えも違ったんでしょうか。ともあれ、今をどうにかするしかないのだけれど、散々歩いてもここぞという酒場などありはしないのだ。実は、「からかさ」という食堂や数軒の町中華をマークしていたのだけれど、時間帯が遅かったからどこもやっていません。窮した我々はもはや「かぶら屋」でも致し方なかろうというところまで追いつめられていたのです。その過程で妥協してもまあいいかと思う程度の店も見掛けていたから、慌てて取って返すということもあったのですが、時既に遅し。にしても9時位でこうまで店が閉まるものかねえ。でもそういう意味ではこの近隣の住民として過ごすのは安全で快適なようにも思えてくるのです。やむなく入ったのが「裏のさかな屋」です。ムードはカフェっぽいので店名とのギャップがひどくあります。お客さんも若いカップルが多勢を占めています。食事だけのお客さんも少なくないようです。寿司なんかも食べられるようですが、別にここで寿司ってのもなあ。そんな訳でお新香などを肴にして呑むのです。ここらでは比較的遅い時間まで利用できるのでを盛況なんだろうな。と唐突でありますが、特に書きたいこともないのでこれでおしまい。
2024/10/07
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どうやらぼくは日常生活を送るのに非常に厄介な問題を抱えているようなのです。幸いなことに現在まで多くのトラベルに見舞われはしてきたものの、それが原因で大きな事故に遭うというような最悪の事態は回避できたようです。しかし、それもこれまでは運よく躱せてこれたまでで、今後もそううまくいくとは限らないのだ。何を言わんとしているのか。何が厄介と言うのか。ひと言で述べるとぼくは空間認識もしくは認識した結果を記憶する能力に欠落が生じている鵜養なのです。つまりは、地図を呼んで覚えたとしても実際に町に出ると地図を辿ることが下手なのです。二次元で表現された情報を三次元的に展開して二次元情報と比較・照合する才能に恵まれなかったようなのです。何だか分かったような間違っているような、だからちっとも賢くないことを書き連ねていますが、要するに方向音痴ということが言いたいだけなのです。方向音痴っていっても東西南北の方角認識に劣っているのはもちろんのこと、目印の立て方が自身の趣味性に依存し過ぎていること(酒場はもちろんのこと、ボロ物件など目印としての寿命が短い場合が多いことは分かっているのです)もあって何度も通った酒場でもご無沙汰してしまうと誤った筋を曲がってしまったりしてすんなりと辿り着くことができなかったりするのです。今回降り立った西日暮里でありますが、この界隈は特に近頃しばしば訪れているにも関わらずやはり目当ての酒場には何度か行ったり来たりする羽目になったのでした。「やきとり 小鳥」もやはり何度か訪れているにも関わらずやはり迷ってしまったんですね。ネットの地図なんかを見てもこんな分かり易そうな場所で迷うってのは、人間として大事な機能のどこかが欠落しているとしか思えないのです。分かり易いはずだから地図を持ち歩くこともしないのだけれど、仮に印刷した地図を持っていたとしてもきっと間違ったんじゃないだろうか。そう思ってしまうのです。なにせ過去数回訪れた際もそうだったんだから間違いない。今度こそは大丈夫だろうと思ったけれど、やはりダメだったからもう今後も間違い続けるものと諦めているのです。確かにこちらにお邪魔するのは数年ぶりだったけれど、それでも何度も他所の店に呑みに行く際に通り過ぎているんだけどなあ。ぼくの知人たちは、ぼくのことを地図を読めない男と認識しているんだと思うのだけれど、どうしたものか決まってぼくがナビゲート役を買って出る、いや買って出ることを要求してくるのです。そんなに文句をぬかす位ならそんな連中と行動を共にしなければいいだけのことだという指摘は至極ごもっともであるけれど、そうした場面以外で特段カチンとくることもないのだから縁を切るということには至らない。加えてこちらが行きたいと思った店はどこだってさほど異論を唱えることなく付き合ってくれるから重宝なのだ(一人でいけばいいというご指摘もあろうけれど、一人だと肴を持て余してしまうようなお店もあるし、逆にあれこれ摘まめたりもするし、また、約束することで不退転の覚悟ができるので出不精なぼくには助けになるのだ)。とまあこの「小鳥」という可愛い名のお店であればそんな後押しなくても来れるんですけどね。にしても焼鳥屋でこの店名はやはり違和感があるのだ。カウンターにはご隠居さんが一人ビールの杯を重ね、奥の座敷では古馴染みがじっくりと腰を据えて呑むといった感じであり、やはりのんびりとしてちょっと好きなお店でありました。
2024/10/06
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チャーハンと炒飯、それともやきめしのいずれの表記もしくは呼び方がしっくりとくるか、ってなことを突然思い立ってしまったのだ。というか以前から思うことはあったのだけれど、実際のところどうだっていいと思うだけで素通りさせていただのでした。ちなみにその取扱いに迷う人は少なくないようで、古川緑波の『古川ロッパ昭和日記』における使用例は青空文庫で検索した限りではあるけれど3種ともに2回づつ用いられているのでした(ちなみに「ヤキメシ」という用法も1回確認できました)。文章を読む限り、恐らくは特別な理由があって使い分けしているってことでもなさそうです。ぼくの印象では、チャーハンと炒飯はカナ表記と漢字表記の差異があるだけで実際には同じものを指しているのに対して、やきめしはもうちょっと複雑で、関西人にとってはチャーハン及び炒飯と同義であると思われます。ちなみにロッパは東京人でありますからもしかすると使い分けしているという可能性もあるのでしょうか。仮に関西人以外がやきめしという呼称を用いるとすれば、より広範なごはん料理を意味するのかもしれません。例えば、ロッパには以下が念頭にあったんでしょうか。焼き飯焼き飯(やきめし)は、ご飯に野菜や肉などを細かく切った具材を混ぜ合わせ、油で炒めて作った料理である。同様の料理は 中国、日本、韓国、タイ、マレーシア、インドネシア、シンガポールなど東アジアと東南アジアの様々な地域で見られる。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 昭和十二年四月十日(土曜)の記載には「此処、千歳村の東洋発声の撮影所の食堂は又ひどい。はかなきオムレツとやきめしなど食ふ。」とありますからもしかするとチキンライスだったのかもしれません。一方で昭和十五年五月三十一日(金曜)には「新宿中村屋でボルシチと炒飯を食べ」たとあり、炒飯はあくまでチャーハンだとすれば当時の食堂でオムレツと炒飯(チャーハン)が提供されていたとしても不自然ではないということになり、まずます話は混沌としてくるのでした。カレーチャーハン【材料】ごはん 300g/卵 3個/長ねぎ(小口切り) 15g/ベーコン(粗みじん切り) 1/2枚/塩・胡椒・旨味調味料 適宜/ガムシロップ・めんつゆ 小さじ1/2/カレー粉 7g/ラード 大さじ3【作り方】1. 中華鍋にラードを熱して溶き卵を炒める。ごはんを加える。長ねぎ、ベーコンを加える。塩、胡椒、旨味調味料、ガムシロップを加える。めんつゆを加える。カレー粉を加える。 飯田橋「雲仙楼」風のカレーチャーハンであります。先の考察によるとカレーチャーハンってのがもう訳が分からないのであって、本当ならカレーやきめしとすべきではないのかなんて思ったりもする一方で、もとはそうだったのがやがて東京で通りの良いチャーハンへと転じたんじゃないかって気もするのでした。実物を食べてはいないけれど、まあこんなもんなんじゃないかな。黒チャーハン【材料】ごはん 300g/牛ひき肉 30g/玉ねぎ(みじん切り) 1/6個/卵黄 3個/【調味料】中国たまり醤油 大さじ1/醤油・砂糖 小さじ1/白胡椒 適宜/サラダ油 大さじ1と2/3/万能ねぎ(小口切り) 4本/松の実(揚げる) 大さじ1.5【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱して牛ひき肉を炒める。玉ねぎを加える。火を止めて卵黄、ごはんを加える。中国たまり醤油、醤油、砂糖を加える。白胡椒、万能ねぎを加える。皿に盛って松の実を散らす。 麻布十番の名店としての誉れ高い(無論行ったことがない)「富麗華」のシェフが紹介していたレシピを参照しました。卵黄3個には恐れをなして2個で誤魔化しました。うん、なるほど美味しいけれどこれは単独で食べるというよりコースの一品って感じだって思えました。かしわバターチャーハン【材料】ごはん 300g/卵 1個/青ねぎ(小口切り) 1本/ごま油・ラード・鶏がらスープの素・塩・白胡椒・胡椒・醤油 適宜/鶏肉(親鶏/もも/一口大/【下味】に漬ける) 80g/【ペースト(混ぜる)】バター・にんにく・胡椒・白胡椒・醤油・酒・みりん 適宜/【たれ】醤油・にんにく・一味唐辛子 適宜【作り方】1. フライパンで鶏肉を焼いて【たれ】を加える。2. フライパンにごま油を熱して溶き卵を炒め、取り出す。ラードを熱してごはんを炒める。鶏がらスープの素、塩、白胡椒、胡椒を加える。青ねぎ、醤油、ごま油を加える。3. 皿に2.を盛って1.をのせる。 香川「武内食堂」の名物料理にチャーハンヴァージョンもあるようです。といってもシンプルなチャーハンにかしわバターをトッピングしただけなんですけどね。まあ当然ながらこれまた美味しいのであります。肉チャーハン(ふるさと)[日本・静岡県東伊豆町]【材料】ごはん 1膳分/卵 1個/ごま油・ラード 小さじ1/塩・白胡椒 適宜/豚肉(バラ/細切り) 50g/キャベツ(一口大) 3枚/片栗粉・水 大さじ1/ごま油 小さじ1/【調味料(混ぜる)】塩・胡椒・鶏がらスープの素 小さじ1/2/醤油 小さじ1/酒 小さじ2/砂糖・にんにく 小さじ1/2【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱して溶き卵を炒めて取り出す。ラードを熱してごはんを炒める。卵、塩、白胡椒を加えて皿に盛る。2. サラダ油を熱して豚肉を炒める。キャベツを加える。【調味料】を加える。水溶き片栗粉を加える。ごま油を加える。1.にのせる。 シンプルなチャーハンに濃い目の味付けの肉野菜炒めをトッピングした名物と呼ぶにはありふれた気もするでもとても美味しい料理です。麻婆チャーハンなどなどチャーハンそのものが地味な料理ということを思うとその気になれば牛丼や親子丼などの銀シャリ飯の代わりにチャーハンっていうのもさほど違和感がなさそうなので、まだまだ新しいレシピの登場が期待されるところです。
2024/10/05
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ごぼうって野菜は外国人には木の根っこに見えるようですが、日本人はそれを野菜の一種であると知っているからか、様々な野菜が比喩的に用いられるようにごぼうもまた特定のイメージを抱かせる単語として認識されていました。しかし、これって案外思い込みだったようで、ごぼうのようなナントカといった表現は現在耳にすることはまずありません。それではと青空文庫で検索してみても、僧侶を指す御坊もあるけれどその大部分は食べ物のごぼうであって直喩的にごぼうを用いる例はざっと見ではほとんど目にすることはなかったのです。小林多喜二著『不在地主』こう集ってみると、小作の女達は「汚な」かった。畑から抜いてきた牛蒡のように、黒くて、土臭かった。――然し、そのどの顔もたった一つのこと、「食えるか」「食えないか」で、引きつッていた。 ごぼうの「黒くて、土臭」いという特徴を直喩で表現しています。小説ではない慣用句に以下の表現があります。・牛蒡抜き 土中深く埋まっているごぼうが引っ張ると一気にズボっと抜けることからこの表現が生まれたようです。次のようなものもあります。・太平洋でごぼうを洗う 実はここで見られるごぼうこそが最も直感的な比喩表現と思われます。この慣用表現の意味については、触れぬことにするけれど、ごぼうの細さを現すしているとだけ記しておきます。斯様に多様なイメージを含んでいながら小説で比喩として用いられないのはどういうことなんでしょうか。文学的な野菜ではないってことなんでしょうか。【参考】ごぼうペースト【材料】ごぼう(1cm幅/茹でる) 1本/豆乳 100ml/生クリーム 30ml/塩 小さじ1/2【作り方】1. 全ての材料をミキサーにかける。鶏胸肉のソテー ごぼうソース添え【材料】鶏肉(胸/暑:2等分) 1枚/塩・胡椒・小麦粉 適宜/オリーブ油 小さじ2/ごぼうソース・ごぼう(斜め薄切り/炒める)・トリュフオイル 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱して鶏肉を焼いて取り出す。皿にごぼうソースを広げて鶏肉、ごぼうをのせる。トリュフオイルをかける。ごぼうそば【材料】そば(茹でる) 1人前/ごぼう(斜め薄切り/炒める)・ごぼうペースト・そばつゆ・揚げ玉 適宜【作り方】1. 皿にそばを盛ってめんつゆを注ぎ、ごぼうペースト、ごぼう、揚げ玉をのせる。鰆のソテー ごぼうソース【材料】鰆(塩、胡椒、小麦粉をまぶす) 2切/塩・胡椒・小麦粉 適宜/バター・サラダ油 小さじ1/【ごぼうソース(ミキサーにかける)】ごぼう(1cm幅/茹でる) 1本/にんにく 小さじ1.2/豆乳 50ml/すりごま 大さじ1/2/生クリーム 大さじ2/塩・白胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにバター、サラダ油を熱して鰆を焼く。皿に盛って【ごぼうソース】をかける。 ごぼうをその形状を留めたままに調理するのも無論美味しいです。切り方次第で―例えば同じキンピラであっても縦割りにして斜め薄切り、ぶつ切り、乱切り、拍子木切り、ささがき等々―仕上がりの印象がガラリと変わります。ペースト状にする食べ方は比較的最近になって現れた調理法なんだと思いますが、これが美味しいんですね。ポタージュにすると泥臭い印象が一転、繊細さすら感じます。当然、様々な料理のソースにしてもいい訳です。改めて並べてみたら鶏肉に合わせているのが2種ありますね。本当ならジビエなんかに合わせたいところですがいずれにしてもぼくの発想の凡庸さを痛感します。トリュフオイルできのこと組合わせるのは常套っぽいですね。
2024/10/04
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町屋という町はどうにも掴みどころのないところがあって、それなりに足を運んでいてそれなりに知っているつもりでいるんですが、よくよく目を凝らしてみると気付かぬうちに微妙に変化していることに気付かされるのです。端的には依然あったお店が変わっていたりするのでありますが、それが思い違いなのか現実に変わったのかがどうも確認をもって判断することができないのです。比較として適切かどうかわからぬけれど、ジャック・フィニイの『盗まれた街』(何度か映画化されていますが、ぼくにはドン・シーゲルの『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』がベスト、マンガでは桑田次郎のかなあ(タイトル失念))を想起してしまうのだ。見た目には馴染みある気がするんだけどぼんやりと雰囲気が違っているような漠たる不安に見舞われるのです。日常生活に知らぬうちに他者が忍び込んで町を乗っ取ろうとしているんじゃないか。話を町屋に戻してみると、見た目には従来と変わりないようでありながら、気付かぬうちに似たり寄ったりの酒場で埋め尽くされてしまう、なんてことを感じてしまうのです。酒場なんてものは煎じ詰めると酒と肴を提供し、その場で飲食することができる店っていうだけのものだからもともとが似ているもののはずです。入れ替わりがハコモノはそのままにしてそっと進められているとしたら、ほとんど誰にも悟られることなく人だけの入れ替わりが成功している例もきっとありそうです。厳密にいえば数十年に亘ってずっと変わらぬままにあり続けたような酒場であったとしても少しも変わらぬということは現実にはあり得ないのでありまして、そういった意味では酒場もまた人間と同じなんだろうなあ。 といったことを書いたのは、「立ち呑み 二代目ダルマ」の二代目に引っ掛けようとした意図などはないのでありました。片手間に文章を書いていたらそうなっていたまでのことなのだ。それはともかくとして、この夜はS氏に加えて久々にO氏も含む3名で呑むことになったのだけれど、O氏の到着が遅れるから先に二人でやっておこうとなったのです。そういった長居をしたくない場合には立ち呑みは便利ですからね。ケチな我々の場合、下手に一箇所で呑むと割り勘した際の金額の調整で難儀するということにもなりかねない。かと言って着席の店だと到着時に店を出るまでもたつくことが懸念されます。もう一つ、ここを選んだのは何よりも駅近だからであります。以前から何度も目にしていたので立地の良さはよく知っていました。さて、お客さんの入りは3名ほどとちょっと寂しい気もするけれど、狭いお店なので案外この程度の入りを見込んでいるのかもしれません。店主がガタイのいい人なので、混み合うと室温が上がりそうな印象を受けます。しかも当日の若い客のところに連絡があって、どうも現役力士がやってくるようなのです。その客はタニマチ気分に浸って大物ぶりたいって雰囲気を漂わせています。まあいいんですけどね。この日はまだまだ暑い盛りでありましたので、入れ替わりを理由に我々も引き上げることができそうです。立ち呑みとしてはかなり充実した刺身の盛り合わせを提供してもらえるなど、なかなか頑張ってはいるけれど、立ち呑みとしては幾分強気な価格設定かな。まあ、ぼくにはやはり待合せには悪くないなってタイプのお店に思えました。勘定を済ますとちょうど力士が登場。いきなり遠慮のない肴注文にタニマチくんは大いに満足の表情を浮かべるのでした。
2024/09/30
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何度でもいうけれどぼくは陸の孤島という言い回しが嫌いです。相も変わらず好き嫌いばかり述べていても仕方がないので、ウィキペディアにて調べてみることにしました。すると以下の結果が表示されました。--ウィキペディアには「陸の孤島」という見出しの百科事典記事はありません(タイトルに「陸の孤島」を含むページの一覧/「陸の孤島」で始まるページの一覧)。代わりにウィクショナリーのページ「陸の孤島」が役に立つかもしれません。 陸の孤島とは、本土とは陸続きではあるが、その土地へ至る道などがごく限られており、多くの場合は一本道しかないような辺鄙な場所のことを指す。-- ちなみにウィクショナリーでは以下の記載となっています。--成句近隣の主要地域と陸続きでありながら、交通が断絶されているために到達や脱出が困難である場所を、海で隔絶された孤島になぞらえていう表現。用法この成句は、交通網が整備されておらず恒常的に到達や脱出が困難である場所に対しても、災害等で到達や脱出するための交通網が使えない場所にも用いられる。-- 今回は、埼玉県川口市の東領家、弥平、領家、栄町の4軒をハシゴした訳でありますが、地図をご覧いただくまでもなく、「至る道などがごく限られて」などいないし、当然「一本道しかない」なんてことはありません。また、「交通が断絶されているために到達や脱出が困難である場所」などでもないし、「交通網が整備されておらず恒常的に到達や脱出が困難である場所」なんかじゃない。「災害等で到達や脱出するための交通網が使えない場所」でありもしない。何も辞書的な記述に囚われ過ぎる必要はないと思うけれど、自身の行動力などを誇示するために大袈裟な表現に頼るのはいかがなものかと思うのです。一部のそうした自己顕示欲の強い(?)人たちが軽々しくも「陸の孤島」などと呼ぶ土地に実際に少なからぬ人が住んでいることを近隣の方たちは気分良く思うのだろうか。そうした言葉は実際にそこで暮らす人々が自虐的に語るべきものであって、余所者がいけしゃあしゃあと口にしていい言葉とは思えないのです。まあ、この言い回しを好んで使う人は、特段の悪意を抱いているわけじゃないだろうし、嘲笑したいってことでもないのだと思うのです。単に耳馴染みの良さそうな言葉を短絡に発しているだけなんだろと信じたい。ところで、一応弁明しておくと、ぼくは今回取り上げた川口元郷駅からもそれなりに距離のある場所を短絡者たちが「陸の孤島」と呼ぶような地域と見做している訳ではないということです。あくまでもとあるwebサイトの文章にここを「陸の孤島」と呼んでいたからそれを改めてもらいと試みた次第なのです。 満州餃子なる記載もある「竜華園」は、昼夜通し営業の時間調整には実に重宝するお店であります。実はこの近くには埼玉のローカルフードチェーンである「山田うどん」もあるので、久しく訪れていないからそちらにお邪魔することも念頭に置いていたのでありますが、やはりチェーンよりは個人点だろうということでこちらにお邪魔した次第です。時間は夕暮れ前。当たり前ではあるけれど、昼食には遅く、夕食には早過ぎるというなんとも微妙な時間帯で訪れる客は、働き物か怠け者かのいずれかということになります。前者は昼飯を取る間も惜しんで営業して、夜は遅くなるまで残務処理するなんていうイメージであり、後者は言うまでもなく本格的な呑み屋が開店するまでの時間調整というのがまずもって想像されるところであります。我々(そうそうA氏が一緒)が後者であることは断るまでもないというものです。店内には先客が1名、こちらは前者に該当する方のようで、ラーメンとチャーハンのセットメニューを召し上がっておられる。こちらはそこそこいいお値段でありまして、夕食となればまあそんなものかって割り切れそうですが、昼食と思うといささか贅沢な気もするのです。ビールと餃子に麻婆豆腐という凡庸なオーダーにすんなりと決まりました。餃子は満州風っていうけどごくオーソドックスなものです。麻婆豆腐は赤いトロトロが多めでひき肉控え目のスタイル。正直、ぼくの方が多くの方の支持を得られそうな麻婆豆腐を作れる自負があるけれど、この今時のものとは全く別種な味わいもたまには悪くないものです。客席に腰を下ろしたりと休みがちな主人ですが、やがてその主人とそっくりな人が姿を見せました。ハテナ、彼らは双子なんだろうか。ともあれ飲食店で呑む時間というのは庶民としては実に贅沢なひと時と思えてたまにはいいなあと感じるのでした。
2024/09/29
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北大路魯山人に『握り寿司の名人』という文章があります。この人の文章というのは大概の場合、論理的じゃないことが多過ぎてその真意を汲み取るのが困難だったりします。その不明晰さと尊大な語り口が世の中では当たり前と知っていても、それでもどこかしら滑稽味を覚えるのは、それだけぼくがこの美食界のドンに嫌悪を抱いているからかもしれません。 島田髷(しまだまげ)の時代には売物にならなかった御面相(ごめんそう)が、口紅、爪紅、ハイヒールで堂々と寿司通仲間に侵入し、羽振を利かす時代になってしまった。昔ならほとんど見られなかった風景である。この調子では今にトマトの寿司、コンビーフの寿司、サンドイッチの寿司、トンカツの寿司など、創意創作がむやみやたらと現われ、江戸前を誇った勇み肌の寿司屋など跡を絶たねばならなくなるだろう。サンドイッチの寿司だって本当に現われないとはかぎるまい。飯とパンと同時に賞味できるからだ。 例えば上記の文章であるけれど、一体何を訴えたいのかちっとも分からないのである。いやまあ、色々と苦言を呈したいことがあって、けれど言いたいことを充分に説明のないままに一挙に吐き出してしまったといった具合なんだろうと思いはします。でも性別や容姿による差別的な発言だったり、現実に出現しておりしかもそれなりの市民権を得た創意創作を「むやみやたら」と揶揄したりするのは、ぼくを不愉快な気分に陥らせるのである。トマトやコンビーフ、トンカツは大手回転寿司店で実際に販売されています(した)から。ちなみにサンドイッチ寿司は寡聞にして存じ上げないのだが、マンガには登場しています。http://luckyclover7.blog27.fc2.com/blog-entry-426.html 寿司飯の代わりにパンに寿司ネタをのっけただけなので、これに限っては魯山人の想像力が上回っていたと言えなくもないのかも。味っ子のものだって、世間に出回っているサンドイッチ風の形状のおにぎりという凡庸さよりは余程上をいってると思うけれど、果たして魯山人はどういった仕上がりを夢想していたのだろるか。キュウリのサンドイッチ【材料】食パン 2枚/きゅうり(粗みじん切り/塩揉み/絞る) 1本/塩・マヨネーズ(マスタードを混ぜる)・マスタード・マーガリン 適宜【作り方】1. 食パンにマーガリン、マヨネーズを塗ってきゅうりをのせ、食パンを被せる。きゅうりサンド【材料】食パン(サンドイッチ用) 4枚/きゅうり(縦2等分/種を取る/斜め薄切り/顆粒だし、塩をまぶす/絞る/マヨネーズを和える) 2本/顆粒だし・塩 適宜/マヨネーズ 大さじ2/バター・練り辛子適宜【作り方】1. 食パンにバター、練り辛子を塗ってきゅうりをのせ、食パンを被せる。きゅうりサンド(有元葉子)【材料】食パン(サンドイッチ用/バターを塗る) 4枚/きゅうり(縦2等分/斜め薄切り/塩をまぶす/絞る) 4本/バター・塩 適宜【作り方】1. 食パンにきゅうりを広げて食パンを被せる。ラップで包んで室温で20分置く。ギュウギュウきゅうりサンド(かっちゃん)【材料】食パン(6枚切/マーガリンを塗る) 2枚/きゅうり(塩揉み/絞る/【調味料と和える】) 1.5本/塩 小さじ1/4/マーガリン 適宜/【調味料(混ぜる)】マヨネーズ 大さじ1/味噌 小さじ2/3/砂糖 小さじ1/3/練り辛子 適宜【作り方】1. 食パンにきゅうりをのせて食パンを被せて冷蔵庫で5分寝かす。耳を切り落とす。 今回はきゅうりサンドのオンパレードです。なので、コメントは一括して行うのです。きゅうりのサンドイッチはシンプルが身上だから、基本的にはパン、きゅうり、(マヨネーズなどの)ディップの3要素をいかに組み合わせるかにかかっています。パンの種類(食パンもしくはそれ以外)や処理(厚さ、焼く/焼かないなど)、きゅうりの処理(調理の有無、切り方など)、ディップの種別や組合せといったバランス感覚が必要となります。有元葉子氏のレシピですら、塩揉みしているからミニマムなものとは呼べぬかもしれず。まだまだぼくのベストなきゅうりサンドイッチへの探求は終わらないのです。
2024/09/28
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レンズ豆って浸水に要する手間もなく、非常に使い勝手がいいのでぼくも突然豆が食べたくなった際にはよく用いています。ひよこ豆、いんげん豆、そら豆なんかが古代から重用されていたそうですが、当時は恐らくいずれも乾燥して保存されていたんだと思われます。レンズ豆以外はいずれも一晩程度は水に浸しておかなければ柔らかく煮ることができないから、ぼくの感覚からはそれなりに厄介な食材に思えるのです。なのにそんなレンズ豆が嫌われた時代があったというから不思議です。Wikipediaにも以下の記述がみられます。--古代ローマではソラマメが好んで食べられ、レンズマメは避けられた。ただし、古代ローマの料理書『アピキウス』にはレンズマメのメニューも掲載されている。レンズマメが避けられる傾向は中世ヨーロッパにおいても続いた。-- どうしてなんでしょうね。色々と調べてはみたのですが、どうもその理由ははっきりしません。むしろそら豆の方がピタゴラスが嫌ったりそら豆中毒になるなど忌避されていたような記述が目立つのです。ぼくにとっては、どの豆もそれぞれ違ってそれぞれ美味しいってことになるのですが、レンズ豆よりはそら豆が嫌われるって方が腑に落ちるんですね。というのはそら豆が嫌いな人であればよくお分かりの様に茹でたそら豆の薄皮の汁が発する臭いがきっと嫌いな人には耐えがたいんじゃないだろうか。なんて思ったりするのです。その点、レンズ豆は扱いがいいばかりではなく癖もほとんどないからどんな料理にも合わせやすいと思うのです。レンズ豆と舞茸のスープ煮【材料】レンズ豆(茹でる)・玉ねぎ(みじん切り)・ニンジン(みじん切り)・舞茸・ベーコン(5mm幅)・トマトペースト・にんにく・オリーブ油・水・顆粒コンソメ・ドライタイム・塩・胡椒 適宜【作り方】1. 鍋にオリーブ油を熱してにんにくを炒める。玉ねぎ、ニンジン、ベーコンを加える。舞茸を加える。水、顆粒コンソメ、ドライタイム、レンズ豆を加える。塩、胡椒する。 このレシピ、手持ちのレシピ本に載っていたはずと懸命に捜索したのですが、どうしても見つからないのです。随分以前からこのレシピは思い出したように作り続けてきたからレシピなしでも大体、再現できるから不自由はないのだけれど、どうもモヤモヤしてしまうのです。今見ると至極シンプルな料理ですが、初めてこれを作った時には舶来の豆(って日本固有の豆ってあるんだろうか)と当時和食でしか食べたことのなかった舞茸の組合せで果たしてどんな味になるのやら、全く想像ができなかったことを思い出します。その時の感動をもう再び味わうことはできないんだろうなあ。レンズ豆とほうれん草のトマト煮【材料】レンズ豆(茹でる)・ほうれん草(茹でる/4cm幅)・サラミ or ソーセージ(薄切り)・トマトペースト・トマト水煮・オリーブ油・にんにく・カイエンペッパー・ドライオレガノ・水・塩・胡椒 適宜【作り方】1. 鍋にオリーブ油を熱してにんにくを炒める。サラミを加える。トマトペースト、トマト水煮、、カイエンペッパー、ドライオレガノを加える。水を加えて煮る。ほうれん草、塩、胡椒を加える。 これは最近見つけたレシピだったはず。出典は不明です。豆とほうれん草って相性がいいんですよね。これに加工肉を加えたらそりゃまあ旨いよねえ。レンズ豆カレー【材料】ごはん 適宜/レンズ豆(茹でる) 2.5カップ/玉ねぎ(みじん切り) 1個/チリパウダー・クミンパウダー 適宜/ターメリック・生姜・にんにく 小さじ1/2/塩・バター 適宜/サラダ油 100ml【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱して玉ねぎを炒める。チリパウダー、クミンパウダー、ターメリック、生姜、にんにくを加える。レンズ豆を加える。塩、バターを加える。皿にごはんを盛ってかける。 バングラデシュ風のレシピとして紹介されていましたが、正直どこがバングラデシュやねんって感じのシンプルなレシピです。まあある意味では豆もカレーはどう作ったてそれなりに旨いってことですね。インドのカレーってレンズ豆はあんまり使わない気がするんだけど何でかなあ。パリプ(スリランカ風ダルカレー)【材料】レンズ豆(水洗い)1カップ/湯(ココナッツミルクを混ぜる) 500ml/ココナッツミルク 大さじ6/ココナッツオイル 大さじ2/ニンジン 1片/赤わけぎ 2個/カレーリーフ 1枝/【スパイス類】青唐辛子(縦細切り) 1/4本/塩 小さじ1.5/ターメリック 小さじ1/2/カレー粉 適宜/シナモンスティック 3cm【作り方】1. フライパンににんにく、赤わけぎ、ココナッツオイルを入れて加熱する。カレーリーフを加える。2. 鍋にレンズ豆、湯、【スパイス類】を入れて加熱する。1.を加える。 こちらはスリランカ風。香取環さんのレシピ本で見つけたんだったかな。急に豆カレーを食べたくなって、ですぐ煮える豆ってことになるとレンズ豆かなってことでこのレシピを吟味せずに作りだしたのです。すると何という控え目なスパイス利用なんだろう、って不安になったのです。でも食べてみてびっくり、思った以上に濃厚な風味で大いに気に入ることになったのでした。下手にスパイスを増やしたりしなくて良かったです。
2024/09/27
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逆転の発想ってほどのものではありませんが、近頃は酒場密集地帯に呑みに行く際は行ったことのない酒場メモではなく、すでに訪問済みのメモなんかを用意したりします。そうすれば少なくともここは避けた方がいいだろうというお店に再訪するヘマは減らすことができます。スマホを持ち歩いているならスマホにメモしておけば良さそうなものですが、さすがに容量が大きいせいもあって、検索に時間を要する、というか開くだけでもフリーズしてしまうのでありました。もう少し高性能のスマホやタブレットならスイスイと快適に動いてくれるんだろうか。とまあ、呑み始めはともかくとして酔いが回ってくるとそんな事前調査などどこ吹く風といった調子で気の向くままに目に付いた酒場に飛び込んでしまう訳で、例えば一見すると見栄えの良い(ぼくの場合は圧倒的に渋いタイプの酒場)を見掛けてしまうと、事前のチェックで実は店内は外観を裏切るものであると知っていたはずなのに、ふらふらと吸い寄せられてしまうなんてことも少なくないのです。まあ、写真などというものは実際に目にするものとは全く別物になって記録される類の装置なのだから、実物に直接触れることは悪いことではないものではあるのです。だったら吸い寄せられても構わないってことになってしまうのだけれど、そうした浮気心で本来、どしても立ち寄っておきたかった酒場にあと一歩のところで手が届かないなんて失態は数知れずなのです。やはりここぞと決めた酒場には何はさておいても訪れておくべきなようです。特に公共交通機関で訪れるには大いに難儀な場所であれば、多少、胃腸が重かったり、帰宅時間が気に掛かったとしてもそんな些細なことは振り切る気力が求められるのです。 さて、公共交通機関の駅であっても南鳩ヶ谷駅は運賃高額で悪名高き埼玉高速鉄道の駅であるからして全くの無知のままに訪れるのは非常にリスキーなのだ。まず埼玉スタジアム線の起点である赤羽岩淵駅まで訪れるにもそれなりの時間と費用を要するのであって、4.3km先の南鳩ヶ谷駅まで270円をかけても損ではないと思えるだけの用意を整えておくべきなのです。実は先般書いたもつ焼き屋で金額分の満足はすでに得ているからさらにケチ臭いことを述べるのはみっともないことであるのですが、人の欲というのはとめどもないものなのです。もつ焼きの前の道を真っ直ぐ行くと何やら未知の喫茶店を目にするのです。「メリーエンジェル」というらしいが不覚にも全く無知であります。久々に喫茶店愛が呼び覚まされそうであったけれど残念ながら営業時間外のようです。さらに東へと向かうとやがて「中華料理 シンシン」なる普段使っているテキストエディタでは表示できない漢字の店が見えてきました。こうした難必難読漢字を用いることに果たして店の方は何を求めるのだろうか。縁起がいい文字としてももっと分かり易い方がいいのではないか。と夕暮れ時を迎えつつもまだまだ陽が高くギラギラと陽光の射す中を汗を拭き拭き到着します。店内に入ると視界は真っ暗となりました。屋外の光線の強さに目がやられたのかとしばし動揺してしまいましたが、先の酒場ではこんなことはなかったとしばし目を凝らしていたら徐々に店内が見えてきました。単に思いっきり暗い店だっただけでした。でも今だからこそ非常に暗く思えたけれど、夜が更けていたらそんなでもなかったのかしら。その暗い印象は結構広いのにお客さんが父子2人だけだったことにも起因するかもしれません。中国の方らしき夫婦とその息子さんでやってるんですが、息子さんがテーブルでノートを広げて勉強しているのを母が折りを見てあげているという光景がなぜか無性に寂しく思えたのです。かくいうぼくはそんな様子をエビフライと餃子を摘まみながらサワーを呑んで眺めているのだから、どちらが寂しいかは論を待たぬのでした。果たして駅まで徒歩20分近くかけて戻らねばならぬこの場所まで訪れる価値が果たしてあったのか、今でも疑問に思うけれど、きっと来ていなかった悩む以前のモヤモヤに悩まされたことだろうと思うのです。
2024/09/23
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一度、金町をじっくり歩いてみたいと思っています。金町といっても水元方面の事で、実のところは以前そこそこじっくりと歩いてみたこともあるのです。でも朝方から彷徨いだしたということもあり、夕方頃になるとヘトヘトになってしまいました。目的は当然呑みでありまして、途中少し良さげな酒場なども見掛けたりもしましたが、まだ営業開始にはしばらくあったりして、止む無く通過することになるのです。そうなると徒歩で巡るにはいささか広大過ぎる土地であるため、再び元の場所に取って返すという労苦は敬遠してしまうのです。次の地点に向かえばまた別の良さそうな酒場だってあるだろうという考えなのです。ところが、そうした浮気めいた行動を取るとどうにも上手くいかぬ場合が多いようで、はるばる訪れた次の酒場は折悪しく休業していたりするのです。二兎を追う者は一兎をも得ずの諺が真理を言い当てているように感じるのです。しかしまあ一挙両得なんて言い方もある訳で、人というのはいかようにだって解釈してそれが真実だと思い込んでしまう身勝手な生き物のようです。無目的に旅に出ると気取ってみせたところで真に目的のない旅などあり得ない訳で、そこには無目的であることがニヒルでカッコいいとかの自己陶酔的に浸ろうとの目的を潜ませていたりするものだと思うのです。とまあ、水元に行きたいなんて話をするつもりだったのが、話が別の方向へと向かってしまった。今の無気力なぼくには駅側の酒場を訪れるだけでも怠惰に対して抗う気力を要するのでした。 やって来たのは「お食事処 よし甚」です。京成金町駅の呑み屋街の一軒です。この通りの酒場は一部の有名店を除くと、どこかしら似通ったムードのお店が多くて、初めてと思って2度3度と足を運んでしまう店も少なくないのです。そこがいい店だったらそれはそれで構わないのだけれど、ハズれの店に繰り返してお邪魔するとなると目も当てられません。本来は好きな酒場を記憶に留めるためにメモを取り続けてきたのですが(メモといってもほとんど渋い/退屈、好き/嫌い、高額/安価といったレベルに過ぎぬのです)、思ったようには役立てられていないのです。ともあれ、こちらにお邪魔したのは初めてだったようです。初めてならまあ外れでも最低限の目的は果たせたという気分には浸れます。さて、店内は思いがけず賑わっていますね。呑み屋っていうのは表から眺めてパッと見で繁盛ぶりが分かる店と扉を開かぬ限り全く様子の分からないタイプがありますが、前者は確実ではあるけれどスリルがない一方で、後者はリスクが高い分だけ達成感(一体何を達成したというのか)が圧倒的に高く、ぼくは言うまでもなく後者に魅力を覚えるのです。でもまあこちらは客層は必ずしも大人しくはないけれど、店の方たち(思いがけずお若い)や雰囲気はかなり上品目でありました。だから詰まんないかというとまあ面白味はないけれど、一軒の呑み屋としては非常に使い勝手がよろしくて、なるほどお客さんが入る訳だと納得させられるだけのものでありました。
2024/09/22
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ぼくは、大葉と茗荷が大好きなのです。薬味としてちょっぴりが小皿に盛られているとストレスを感じます。ちょっぴりならいっそのことない方がいい位に思えるのです。ところが、紫蘇や茗荷っていうのは庭付の一軒家暮らしの方たちから、庭の片隅からこれでもかって位、生えてきてとても食べ切れないなんて話を聞かされたりします。植物に関してはほとんどといっていい位に造詣が浅いので、スーパーで売られている商品化されたものであれば大体知っていると思うけれど、それがどうやって生育しているかなどについては、全くの無知なのです。紫蘇がわっさわっさと生えているとか茗荷がそこかしこからニョキニョキ生えてくるなんていうのは写真の一コマとして見たことはあるけれど、実物を目にする機会には不幸にも恵まれなかったのです。でもまあいずれも大概の小売店で販売されているからさほど不自由する訳ではないのですが、季節にもよりますが概して高額なのが問題なのです。大葉は10枚程度で100円近くすることもあれば100枚以上入ったパックが198円だったりすることもあって、それが季節というよりは販売店舗によって価格差があるっていうことになると誠に困ったことになるのです。うっかり買い求めてスーパーをハシゴしたらそこではバカ安で販売されていると思うと、スーパーを行ったり来たりということにもなりかねない(実際そうすることもある)。茗荷なんて都内では3個で158円とかしたりするのが、旅先で10個で80円なんかで売られていて大量購入して持ち帰るのに苦労したりもする。ああ、これらが家庭で簡単に水耕栽培できないもんだろうか。大葉と茗荷のカレー【材料】ごはん・豚肉・玉ねぎ(くし型切り)・ニンジン(拍子木切り)・大葉(千切り)・茗荷(縦2等分/斜め切り)・にんにく・生姜・カレーフレーク・顆粒だし・醤油・水・サラダ油 適宜【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱してにんにく、生姜を炒める。豚肉、玉ねぎ、ニンジンを加える。水、顆粒だしを加える。大葉、茗荷、カレーフレーク、醤油を加える。皿にごはんを盛ってかけ、大葉、茗荷を散らす。 カレーのパワー恐るべし。大葉も茗荷も普通にルーに溶け込んで、せっかくの風味も霞んでしまうのでした。旨いけどね。大葉と茗荷のしらす丼【材料】ごはん(すし酢を和える) 150g/しらす 40g/茗荷(縦2等分/斜め薄切り) 1個/大葉(千切り) 5枚/すし酢 小さじ2/めんつゆ 小さじ1/小ねぎ(小口切り) 2本/白ごま・わさび 小さじ1/刻みのり 適宜【作り方】1. 丼にごはんを盛ってしらす、茗荷、大葉をのせ、めんつゆをかける。小ねぎ、白ごま、刻みのりを散らして、わさびを添える。 やはりカレーなんかじゃなくこういう定番の穏当なもので用いるのが良さそうです。間違いのない美味しさ。鶏ひき肉と茗荷の炊き込みごはん【材料】米 2合/鶏ひき肉(下茹で) 100g/水カップ 1.5/酒 大さじ2/薄口醤油 大さじ2/茗荷(縦2等分/斜め薄切り) 3個/大葉(千切り) 10枚【作り方】1. 炊飯器(内釜)に米、水、酒、薄口醤油を入れて炊く。茗荷を加えて蒸らす。茶碗に盛って大葉を散らす。 茗荷って加熱すると美味しいんですよね。今は新店舗として営業している藤沢の名酒場「久昇」で食べた茗荷のチャンプルーの衝撃は今でも記憶に新しいのです。当然炊き込みごはんにしても旨いのだ。大葉と茗荷のわかめコーンラーメン【材料】中華麺(とんこつ/茹でる)・大葉(千切り)・茗荷(縦2等分/斜め薄切り)・わかめ・コーン・鶏ひき肉・酒・塩・白胡椒 適宜【作り方】1. 鍋で鶏ひき肉、コーンを炒める。2. 丼に付属のスープを入れて1.の茹で汁を注ぐ。中華麺を盛って1.の具、大葉、茗荷、わかめをのせる。 あれあれ、こんなの作ったかしら。推測するに後生大事に冷蔵庫で保存していたのが痛みそうになったので無理矢理トッピングしたんじゃなかろうか。でもそれだってきっととても美味しかったはずだと思うのです。
2024/09/21
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丼物をキーワードに青空文庫で検索してみました。すると以下の結果が表示されたのです。--林芙美子 濡れた葦子供たちは、いかにも心細さうにあたりをながめてゐる。ふじ子はひよいとしたら、丼物でもとつてもらへるかも知れないと、女中に、何か食べものを取りよせてもらへるかとき ...豊島与志雄 沼のほとり ――近代説話――黒ずんだ卓子が土間に並んでいて、やはり兵営での面会帰りと見える人たちが、代用食らしい丼物を食べていました。 八重子もそこにはいってゆき、お茶を飲みました ...山本周五郎 青べか物語... 丼物 ( どんぶりもの ) でも取ればいいほうだからだ。――で、こうして召集された女たちがかもを取り巻き、夜の明けるまで盛大に騒いだ。もちろん騒いだのは女たちで ...山本周五郎 季節のない街もし割箸があるとすれば、そばとか 丼物 ( どんぶりもの ) とか、なにかを家へ取ったことがあるのだろう、長屋のかみさんたちはそうにらんだ。 「みせびらかしてるん ...岸田國士 世帯休業... 丼物 ( どんぶりもの ) の勘定は、この限りにあらず. 以上. 詩人 なるほど、可なり厳重ですね。しかし、僕がゐないものとして作られた規約なんだから、そこを少し改正 ...-- ご覧になると敢えてぼくが指摘するまでもないことですが、丼物というのは出前で取ったり、表でお金を払って食べたりするものであって、余り自宅で拵えて食べるものではなかったように察せられるのです。でも丼物って大概は簡単に作れるはずなのにいちいち頼んだのは家庭内に冷蔵庫がまだなかったからなのかなあ。ぼくのようにケチな性格の持ち主は、届くなり提供されたらせいぜい3分もあれば片付いてしまう料理はまず頼もうと思わぬのだ。せいぜい呑むのが憚られる仕事中の昼飯に限られます。間違って夜に食べる場合は、当然のことながら丼ぶるものだって酒の肴と化するのです。常々思ってはいるし、語ってもいるのだけれど丼飯の上の肴をのせたら(一度のせた料理だけで丼飯が平らげられるという程度の条件は設けるべきでしょう)基本的に丼物だとすれば、そのヴァリエーションは実質的に無限大です。の割にはそんなにしょっちゅう食べぬのは飯が飲酒を邪魔するからなのかもしれません。肉玉ライス ソース・醤油・塩コショウ(無念、写真紛失)【材料】ごはん 1杯/豚肉(バラ) 100g/卵(半熟玉子焼き) 1個/塩・胡椒 適宜/ふりかけ(旅行の友)・濃厚ソース(センナリソース)・マヨネーズ 適宜【作り方】1. フライパンで豚肉(バラ)を焼き塩、胡椒する。2. 丼にごはんを盛ってふりかけをふる。卵、1.をのせる。濃厚ソース、マヨネーズをかける。 広島の呉にある「ポパイ」なる店で提供されている料理だそうな。ソース、醤油、塩・コショーの3種の味があるようです。こりゃまあ旨いに決まっているが、自分の年齢を慮るとそうは食えぬ料理であります。他人丼【材料】ごはん・豚肉(一口大)・玉ねぎ(薄切り)・卵・だし・醤油・みりん・砂糖・刻みのり・紅生姜 適宜【作り方】1. 鍋にだしを沸かして豚肉、玉ねぎを煮る。醤油、みりん、砂糖を加える。溶き卵を注ぐ。丼にごはんを盛ってのせ、刻みのりを散らして紅生姜を添える。 ぼくは、豚を卵でとじた丼をずっと他人丼と呼んでいました。でも西日本から東日本に越してくると他人丼が通じぬことが少なくなかったのです。どうやら開華丼と呼ばれたりもするようですが、余り見掛けることはないです。西日本でも豚ではなく牛を用いたりする場合もあるようですが、ぼくの印象ではほとんど豚だったはず。東日本の人はカレーなんかでもよく指摘されるように豚を好むのに豚の卵とじが余り食べられていないのは不思議な感じもします。かしわバター丼【材料】ごはん 300g/鶏肉(親鶏/もも/一口大/【下味】に漬ける) 300g/【ペースト(混ぜる)】バター・にんにく・胡椒・白胡椒・醤油・酒・みりん 適宜/【たれ】醤油・にんにく・一味唐辛子 適宜/青ねぎ(小口切り)・のり(千切る) 適宜/【トッピング】【カレー(全ての材料を沸かして水溶き片栗粉を加える)】カレー粉・醤油・鶏がらスープの素・水・片栗粉 適宜/【ガーリックマヨネーズ(混ぜる)】マヨネーズ・にんにく 適宜/卵黄・花山椒・白ごま 適宜【作り方】1. フライパンで鶏肉を焼いて【たれ】を加える。2. 丼にごはんを盛ってのりを散らし、1.をのせる。【トッピング】を添える。 ケンミンショーで紹介されていたのを見て初めてその存在を知りました。香川県の「武内食堂」とその関連するお店で提供されているようです。ネット上にレシピが出ていますがどれもテレビで紹介されていた作り方とは全く異なっていました。番組内ではバターなどの調味料なんかを全て混ぜてそれで鶏肉を漬込むようです。面倒ですが具なしカレーも作ってみました。さて実食すると、そんなに変わった食材を使っているわけでもないのに無性に中毒性のある味となりました。でもこれまた中高年にとっては危険な食い物と考えます。なんちゃってカツ丼【材料】豚肉 80g/玉ねぎ(薄切り) 1/4個/卵 1個/揚げ玉 大さじ4+3/【調味料】めんつゆ 小さじ5/砂糖 大さじ1/2/水 大さじ3【作り方】1. 耐熱ボウルに豚肉、【調味料】を入れて電子レンジで600W4分加熱する。卵を割り入れて溶き、50秒加熱する。揚げ玉を加えて混ぜる。丼にごはんを盛ってのせ、揚げ玉を散らす。 てぬキッチンさんで紹介されている料理は、レンジを多用するせいかぼくには逆に却って面倒な気もするのですが、そこはオリジナリティを尊重してじっと我慢で作ってみました。といいつつ、紅生姜や刻みのり(実はに切ったみりんも)を追加してしまうのです。まあ肝心なのは揚げ玉がカツの衣を代替してくれるかどうかにありますから良しとします。結論を申しますと、ちっともカツではなかったけれど、これはこれで充分旨かったということです。
2024/09/20
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三河島駅の改札を抜けて尾竹橋通りを京成本線の駅に向かって進んでいくと何軒かの居酒屋が立ち並んでいるのが目に入ってきます。ここら辺のお店、何が気になるかって、しょっちゅう居抜きで店が変わっていて、入ったことがあるんだったかちっとも覚えられないのです。初めての店ならまあこのブログの肥やしにはなるから良しとして、また、入ったことがある店でも気に入った店だったらそれはそれで構わないのでありますが、少なくともそれなりに気に入っていたとしたらいくらかは記憶に残っているはずです。いやいや、あんた(ぼくのことね)は初めてのつもりで何度も同じ店に入っては愚痴ってるじゃないかって指摘されたらぐうの音も出ないのです。ともあれ、これといった目星もなかったのでブラブラと歩いていたわけです。そしたら赤提灯を発見。ここらで赤提灯を下げた居酒屋は見たことがなかったのでちょっと気になります。でも店名がどうも気に食わない。やきとんの店らしいのだけれど、「29ちゃん」ってあんまりにも安直ではないかい。 といった訳で訪れたのは、「元祖炭火やきとり やきとん29ちゃん」でした。わずかのカウンター席と奥に卓席があるけれど、えらく狭苦しい造りのお店だなあ。雰囲気は嫌いではないけれど、これではキャパがなさすぎじゃないかな。と思ったらどうやら2階席もあるみたいです(未確認です)。お客さんは一人もいません。何となく嫌あな気分になります。新しい店(これも推測に過ぎない)で空いてるのってどうかと思うのです。ともあれサービスのセットを注文です。これは案外お得でないかな。串焼き3本と煮込み、ドリンク2杯で980円はなかなかだと思う。でも店の方に活気ってもんが感じられないんですね。しかも店長らしきおぢさんが何か様子を窺いに来ていたのですが、ちょっと感じが悪かったんだよなあ。これはこのセットだけでさっさと引き上げることにしようと思っていた矢先に嫌味を言いそうなオーナーが来てしまったので帰りにくいったらないのだ。でもこれ以上、浪費する気になれず気持ちを振り絞って勘定を済ませました。出る際に看板を見たら「29」は「にく」ではなく「ふく」だったみたいです。しかも何のことはない「串八珍」の系列だったとは。何だかさらに損した気分になりました。
2024/09/16
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映画というものが一度や二度見た程度では正確な評価など下せぬのと同様に居酒屋もまた一度や二度訪れただけで良し悪しを決するのは無理なものなのです。今でこそ世間の多くの人にとって映画館や居酒屋という場所は、せいぜいが週に一度程度訪れるかどうかといった場所となっていますが(全くの憶測でしかなく統計・調査に基づく事実ではありません)、1950年代(これまた漠然とイメージしているだけに過ぎぬのです)には散歩に出るついでに映画を見たり居酒屋で呑んだりしていたのではなかっただろうか。現代であればコンビニに買い物に立ち寄るような気軽な振舞いであったように思えるのです。ぼくの親世代になってしまうと家庭には冷蔵庫はもちろんテレビも当たり前に設置されるようになっていたから、映画館へ足を運ぶことも激減したはずでナイター中継を見ながら冷えたビールを茶の間で眺めるなんていうシチュエーションが一般化しつつあったはずです。ちなみに我が実家は少しも資産家ではなかったし、いわゆるリッチな生活とは縁遠かったけれど、父親が趣味人でとにかく電化製品に関しては新し物好きの気味があったのです。なので、有線リモコンの付属されたVHSビデオデッキもあったし、クーラーなんかも水冷式の巨大なのがあったりして、家庭生活はそれなりに先進的だったのです。 とまあ、話が逸れまくるのでとっとと本題に入ります。この夜は「小料理 梓」を訪れました。1カ月と経たぬうちに再訪するのはぼくとしては極めて稀有なことで、自らの選択を客観的に眺めると大いにこちらを気に入ったようです。前回はお客さんもお一人おられただけだったので、もったいないなあと感じたのですが、単に開店後間際だけだったようです。今回は危ない危ない、危うく入り損ねる程に賑わっていました。いやはやそうじゃないとおかしいよなあと思う一方で、コロナ後ということもあるからいい店に客が入らぬことがあっても仕方のないことであるという気もしたのです。空席は入口入ってすぐの座敷のみ。現代の体格のそこそこいい4名には窮屈な感じもしますが、贅沢は言ってられなません。それにしてもここの肴はどれもちゃんとしてるよなあ。極上の素材とかそういったんじゃないんだろうけど、寡黙なご主人が丁寧に仕事してくれるからそれが客の側にもちゃんと伝わってくるんだろうなあ。嬉しいことに他の3名も大いに気に入ってくれたみたいです。店の娘さん(?)はぼくのことを覚えておられたらしく、つい自慢げに振舞ってしまうのでした。それにしても皆さん気に入り過ぎてうっかり清酒を数えきれないほどに注文。当然ながら皆さん、翌朝は大変つらい思いをしたのでありました。
2024/09/15
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今回取り上げるのは、文筆業をはじめ旺盛に活躍を続け、一方で豊富な恋愛遍歴を持ち、ヴァイタリティを失うことなく97歳の晩年までを駆け抜けた宇野千代であります。現代人の多くが草食系どころか植物系と呼んでも不自然ではない程度に精力を喪失しているのと比べると宇野の肉食系ぶりは辟易とさせられるほどであります。実際,宇野は食事に関しても大いに肉を好んだらしいのです。文藝春秋『ノーサイド』編集の『美食家列伝』には、美食家として知られる日本の著名人の逸話が数多く紹介されています。宇野千代は月に七升の特級酒を料理に使った 味つけの秘密はもう一つ。最上等の牛肉である。牛肉のみじん切りを妙めて繊切り大根を入れ、歯ごたえのあるうちに調味、できたてをふうふう吹いて食べるのが千代風大根の煮しめだ。かぼちゃ、牛蒡、芽、どんな野菜も素揚げしてから煮るが、ここでも牛肉と酒でまろやかなコクと艶を出す。牛肉は別皿に取り出して保存、まとまったら佃煮にする。味噌汁の二番だしにした牛肉も同様に。旨味が逃げるので野菜のアク抜きはしない。 味噌汁のだしにまで牛肉を使うとは、まさに筋金入りの肉食人ですね。多用することもさることながら、何よりも財力があるんだなあという方面に感心するというのは何とも貧乏臭い話だなあ。牛そば【材料】そば(茹でる) 1人前/牛丼の具・青ねぎ(小口切り)・めんつゆ・ラー油・白ごま・揚げ玉 適宜【作り方】1. 器にそばを盛ってめんつゆを注ぎ、牛丼の具をのせる。青ねぎ、ラー油、白ごま、揚げ玉を散らす。 これって何のレシピだったかなあ。どこぞやで拾ったレシピだったはずですが。牛丼の具をそばやうどん、さらにはパスタに混ぜるんだって思い付く位、オリジナリティに欠けますが、間違いのない美味しさではありました。牛丼の具はどうしたんだっけなあ。肉吸い【材料】水 400ml/鰹節 1パック/牛肉(薄切り) 150g/生姜 適宜/長ねぎ(斜め薄切り) 1本/卵 1個/【調味料】薄口醤油 大さじ4/顆粒だし 大さじ1/砂糖 大さじ1【作り方】1. 鍋に湯を沸かして鰹節を加えて煮出す。生姜、牛肉を加える。長ねぎ(半量)、【調味料】を加える。溶き卵を注ぐ。器に盛って長ねぎ(半量)をのせる。 大阪でよく食べられているという肉吸いを作りました。シンプルなことこの上ないのですが、これで十分に美味しいのです。でも軽すぎて満足感というのは希薄です。牛肉の白ワイン煮【材料】牛肉(もも/10等分/塩、胡椒する) 600g/油 大さじ2/にんにく 1片/バター 大さじ2/玉ねぎ(薄切り) 1個/ニンジン(8mm厚) 1本/白ワイン・水 120ml/ブーケガルニ 1束/塩・胡椒 適宜【作り方】1. 鍋に油を熱して牛肉を焼き、取り出す。バターを熱してにんにくを炒める。玉ねぎ、ニンジンを加える。白ワインを加えて中火で2分煮る。水を加える。ブーケガルニを加える。塩、胡椒を加えて蓋をし、弱火で2時間煮る。【備考】大森由紀子著『フランス ふだんのおそうざい かんたんレシピとワインとチーズ』(柴田書店) このレシピ大好きなんです。これならいくらだってニンジンが食べられてしまうのです。ニンジンもさることながらその甘味を吸った肉とスープも抜群で簡単なのにいい料理です。大森氏のこのレシピ本、名著だと思うんだけどなあ。牛肉の白ワイン煮のパスタパスタ(茹でる)・牛肉の白ワイン煮・オリーブ油・粉チーズ 適宜1. フライパンにオリーブ油を熱してパスタ、牛肉の白ワイン煮を炒める。皿に盛って粉チーズを散らす。 ちょっと余ったのでパスタに変身。当然に美味しいのです。テシュティケバブ(Testi Kebap)[トルコ]【材料】牛肉 or 羊肉(3cm角/【マリネ用】材料に一晩漬ける) 500g/【マリネ用】ローズマリー(挽く) 1枝/塩 適宜/にんにく 5片/赤唐辛子(砕く)・胡椒(砕く) 小さじ1/オリーブ油 適宜/【シチュー】オリーブ油 大さじ1/玉ねぎ(粗みじん切り) 2個/パプリカ(緑/1cm角) 1個/トマト(皮を剥く/1cm角) 3個/ペッパーペースト(代替:生胡椒・塩・オリーブ油)・タイム 大さじ1/2/パプリカパウダー 小さじ1/2/塩・胡椒 小さじ1/4【作り方】1. 耐熱容器にオリーブ油(半量)を熱して玉ねぎを炒めて取り出す。オリーブ油(半量)を熱して肉を炒める。玉ねぎを戻す。パプリカ、トマト、ペッパーペースト、タイム、パプリカパウダー、塩、胡椒を加えて煮る。アルミホイルを被せてオーブンで160℃45分加熱する。 作り方の玉ねぎを炒める=>取り出す=>戻すの過程に何の意味があるのかちっとも分からないけれど、とりあえず言いつけに従ってやってみました。やはり意味はよく分かりませんでした。でもまあなかなかに美味しかったから問題なしなのだ。テシュティケバブのパスタ【材料】パスタ(茹でる)・テシュティケバブ・オリーブ油・イタリアンパセリ・胡椒・粉チーズ 適宜【作り方】1. 皿にパスタを盛ってテシュティケバブをのせ、イタリアンパセリ、胡椒、粉チーズを散らす。 またもちょっと残ったのでまたもパスタに変身。やはりこちらも美味しかったのです。
2024/09/14
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世間一般で長芋ってどういった食べ方をされているのだろう。近頃では焼いて食べるのが普及してきたようですが、やはり今でも千切りにしたり擂ったりと生で食べる事が多いんだろうか。確かに生食できる芋って希少らしいから生で食べるってのもいいんですけど、火を通して食べる事を覚えてしまうと生での食べ方が単調に思えてしまうのです。生のショリショリした食感は他に類を見ないもので火を通すとその独特な食感は失われてしまうのですが、それでも火を通すことで生まれるねっとりとした食感は様々な料理に取り入れることができます。しかも火の通し方も炒める、蒸す、揚げる、焼くなどなどそれぞれで違った表情を生み出すのです。だから生食か加熱食かの二元論で区分せずに、生食も刻む、すりおろすがあるように火を通す調理法も一括りとせずに、今晩は蒸して、明日は炒める、明後日は生のまま叩いて食べようという風に理解すれば、再び生食を口にする機会も増えるんじゃないかと思い出しました。つまりは長芋はどうしたって美味しいのです。それこそ皮を剥いたまんまにマヨネーズをかけてかぶりついてみたい誘惑に駆られもするのです。長芋の生ハムとガーリックチーズパン粉焼のせ【材料】長芋(縦2等分) 20cm/生ハム(1cm幅) 1枚/オリーブ油 小さじ2/【A(混ぜる)】パン粉 大さじ1.5/粉チーズ 大さじ1/にんにく 小さじ1.5/塩・胡椒・ドライパセリ 適宜【作り方】1. 鍋でパン粉、にんにくを炒める。粉チーズ、塩、胡椒、ドライパセリを加える。2. フライパンにオリーブ油を熱して長芋を焼く。生ハムを加える。3. 皿に2.を盛って1.をのせる。 こちらは普段最も食べる機会の多い焼き長芋ですが、ちょっとヴァリエーションを増やすために作ってみました。悪くないけど思ったより単調な味になりました。とろろトースト【材料】食パン(トースト)/長芋(おろす/めんつゆを混ぜる)・めんつゆ・マヨネーズ・練り辛子・青のり 適宜【作り方】1. 食パンにマヨネーズ、練り辛子を塗って長芋をのせ、トースターで焼く。青のりを散らす。 これはどうかねえと思っていたけれどやはりいまいちでした。パンと合わせるならとろろよりも叩いたものかむしろ短冊に切ったのをのせた方が合いそうな気がします。豆腐とわかめと長芋の韓国風サラダ【材料】絹豆腐(1cm角) 1丁/わかめ(水で戻す) 2g/長芋(皮を剥く/1cm角) 3cm/ミニトマト(4等分) 3個/サニーレタス(千切る) 2枚/【ドレッシング(混ぜる)】酢・ごま油 小さじ2/醤油・白ごま・ 小さじ1/鶏がらスープの素・砂糖・コチュジャン・にんにく 小さじ1/2/塩 適宜【作り方】1. 皿にサニーレタス、豆腐、わかめ、長芋、ミニトマトを盛って【ドレッシング】をかける。 和風の食材で韓国風の味付けのコブサラダ風のものを作ってみました。さいの目に切った長芋は美味しいんですけどもう少しサイズが大きい方が食感が楽しめそうです。肉団子と長芋のスープ[ベトナム]【材料】豚ひき肉 200g/卵 1個/香菜 1束/塩 小さじ1/2/ごま油 小さじ1/長芋(輪切り) 200g/しめじ 1パック/ナンプラー 大さじ1/胡椒 小さじ1/4/水 600ml【作り方】1. 鍋にナンプラー、胡椒、水を入れて加熱する。2. ボウルに豚ひき肉、卵、香菜、塩、ごま油を入れて混ぜる。1.にスプーンですくって入れる。しめじ、長芋を加えて15分煮る。香菜を散らす。 滅茶苦茶シンプルな調味料で果たしてこれで美味しいのか若干の不安がありましたが、とても美味しかったです。この旨さは豚肉のエキスなのかナンプラーの風味なのか判然とはしないけれどとにかくこれだけの素朴ともいえる材料が長芋にほんのりとした旨味を添加してしみじみといい料理と思えました。
2024/09/13
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意外と思われるかもしれませんが、ぼくは案外、気取った店も嫌いではないのです。いや、なかったというのが正しいかも。近頃は気取って呑んだり、食べたりすることに余り意義を見出せなくなったみたいです。じゃあ、かつてはどの辺に意義を見出していたのかと問われるとハタと困ってしまうのだ。そうなんだよね、確かに旨いんだけれど、高いお金を払ってまで気疲れしに行くってどうなんだろうね。ぼくの場合、高級な料理を食べる事になると、最初こそ畏まって借りてきた猫のように落ち着きのない態度を晒すけれど、呑み始めるとすぐにそこが格式が高い店なんてことは忘れてしまって、普段呑んでる立ち?み屋と変わらぬ気持ちに陥ってしまうのです。前後不覚になることはまずない(ということはなったことはあるということです)けれど、少なくともマナーを弁えた紳士淑女からは蔑みの視線を浴びせられていたことがあるんじゃないかと思うのです。それで歳を取って世間の大人並の態度を身に付ける方向に向かうという生き方もあったはずなのですが、ぼくは格式を捨てて店選びの段階で身の丈に合わせるという道を選びました。今でも未知の食べ物や驚くべき味覚に遭遇することは愉しみなことであることは変わりありませんが、大枚を叩いて手に入れずとも、様々な食材が入手できる現在では、ある程度まで食材を買い求めて自分で作ることも可能になっています。ものさえ揃いさえすれば自作できる程度のもの、つまりは、家庭料理レベルでかなり満足できる位の食道楽で十分と割り切ったのです。そりゃまあご馳走になれるんだったら喜んでご馳走になりますが、身銭を切るなら財布にもそこそこ優しくてリラックスできる店にしようってことになります。だから呑みと同程度のプライオリティを食に据える場合の条件は、食材が入手困難で家ではまず食べる事ができないもしくは非常に手間が掛かる料理を食べる場合が大方ということになります。 とまあこういった言い訳でもしないとおちおちビストロで呑むのも気が引けてしまいます。もう何度も登場している「ル・マルカッサン(Le Marcassin)」は、もしかすると何とか食材を手配し、ものすごく丁寧に一つ一つの作業を積み重ねたらかなり近しい仕上がりに迫れるかもしれません。しかし、個人でこちらの料理で使われる食材を買い求めるとすると例えば2人分だったとすれば店で食べるのと変わらない程度の費用が掛かってしまうような気がします。また、マンガなんかでお隣の親切なおばさんが1人分も2人分も一緒だと言って弁当を作ってくれたりもするけれど、それは絶対違っていて10名分も12名分も大して変わらないってのなら何とか納得いけるといった具合です。少量をそれなりの段階を踏んで調理するってのはなかなかに骨の折れるものなんじゃないか。こちらのプレフィックスの一皿一皿が、家庭料理で出すのが困難なのです。アミューズのリエットならいけそうですが、お肉のテリーヌとスナギモのコンフィー、鴨のコンフィー・こんがりオーヴン焼き、ガトーショコラという大定番も皿の主役ばかりでなく脇役たちの準備を想像すると気が遠くなるのです。仕事だからできるのだといえばそれまでですが、それが例え仕事でも毎日毎日繰り返し調理し続ける労力は計り知れません。しかもこちらは全てをお一人で賄っているのだから驚くべきことです。ぼくはもとより飲食業の仕事は無理と思っているけれど、手を抜けばとことん手を抜けるという一面もあるから、もし仮にぼくが飲食業をやるならきっと居酒屋を選ぶことになりそうです。ぼくがここを訪れるのは家では食べられないものを食べるという楽しみもあるけれど、それと同じ位、こちらのシェフとお会いするのが楽しみであることをもう何度も書いたけれど改めて書き留めておきます。
2024/09/09
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宴会といえども拘りの酒場を利用したいとかねがね思っているのです。それもまあ幹事でなければなかなか思うままにならぬのです。わが職場においても数年来行われることのなかった比較的多人数による宴会が行われることになったのですが、なんとも情けのないことにこの会合の幹事が下戸ときたもんだ。下戸なら下戸でも構わぬのだけれど、酒呑み魂を揺さぶる酒場を選択肢に挙げることはまずないと思って間違いがない。この幹事役の男、酒は呑めないけれど、食うことにも興味がないかというとそんなことはちっともないのであります。旨いものを食うのは大好きなのであります。一方で、得てしてこういう人は宴席というものを大いに嫌うことが多いようです。酔っ払いどもがよっぱ勢いで失言、暴言を吐くのを眺めるなんて、それはそれで楽しそうではありますが、彼らの大部分にとっては苦痛の時間でしかないようです。だったら店の雰囲気はともかくとして、せめて旨い食い物を出す店を選んだっていいではないか。それが幹事の特権ってもんだろうが、と私などは思ってしまうのであるけれど、それには分かり易い条件があって、つまりは予算というものがあるのだ。だから彼は自分は呑まなくても人の呑み代まで計算に入れて店選び、コース選びをする必要があるのです。そりゃまあ、投げ出したくなることも分からぬではないのだ。でも探せばあるもんですよ。若い頃のぼくは幹事を務めると相当乱暴な場所決めをしたもんですが、それがどういう無理であったかを語ると、ぼくという人間の人格に関わりそうだし、それを人に勧めるのは気が引けるのです。 てなことで「鍛冶屋 文蔵 松戸店」に久々にやって来ました。こちらのお店のいいところは、当日の退社前に急に呑み会になっても10数人程度であればあっさり予約できてしまうところにあります。こうしたチェーン店としてはさほどオオバコって訳でもないのにね。かなりの大所帯での呑みとなることを見込んでいましたが、コロナの再流行もあって参加者は思った程ではありませんでした。これなら当日の予約でも大丈夫だったんじゃないかとはじめは思った訳ですが、しばらく呑んでから席を立つとほぼ全ての席が埋まっているのです。いつの間にこんな人気店になったんだろう。にしても肴の貧弱なことにはがっかりさせられます。そりゃまあ期待してはいなかったけれど、いくら何でもガッカリ過ぎるのです。以前は見た目にはそれなりに頑張っていた気がするけれど、今回は見た目すら貧層に思えます。これなら同じ食材でぼくが調理した方がよほど満足度の高い料理に仕立てられるんだけどなあ。ってこれは世間の居酒屋の半分近くには感じる事なのでした。まあ、こういう宴会で旨いまずいはあまり頓着してはならぬのです。というか店を指定したお偉いさんがいるかもしれぬからいらぬひと言が災いになることもあるし、何より現場で文句を垂れるのは他人にとっても不快だろうし、人格も疑われかねぬのです。にしても、な、ななんとこのコースメニューが呑み放題付きとはいえ5千円とは。トホホであります(偉い人が会費をもってくれてタダで呑めたのですが、だからといって手放しで喜べるものではないのだ)。4千円と思って愚痴ってたんだけどなあ。日本も世界的なインフレの波に飲み込まれたと思うことにしよう。
2024/09/08
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今年はとりわけ天候不順が酷くて米が小売店から消えてしまったりと日常生活にも影響が及んでいます。この記事をアップした9月初頭は迷走し過ぎの台風10号に振り回されて、農業のみならず交通機関がマヒしたりと大きな爪痕を残していきました(というか記事のストック切れでせっせとこうした文章を書いている今現在もまだまだ予断を許さぬ状況らしい)。昨今の気候は人類の積み上げてきた英知など嘲笑うかのように想像を遥かに凌駕する規模で襲い掛かってきています。と紋切り型の文章を連ねていても仕方がないことですが、野菜好きのぼくにはとにかく野菜が高騰していることが非常に困ったことなのです。もう毎年のように日本各地の多くの農家が致命的とも思えるような被害を被っているのを報道で知ると、ぼく自身の無念さもありますが、農家の方たちの悲嘆と苦渋に対しては掛ける言葉すら見出せないのでした。それでも気の毒がってばかりもおられず、まずは自分の食生活をなんとかせざるを得ないのが現実です。普段、食事を用意する場合、大雑把にはレシピを決めてから食材を買い求める方法とお得な食材からレシピを探るというやり方があると思うのですが、現状は後者を選ばざるを得ない状況です。節約マニュアルなんかでは前者が賢い生活術との指南が主流に思えますが、これはいらないもの―つまり無駄な買い物を控えることで予算内で買い物を済ませようという考え方です。でも現状の様にどれもこれもが値上がりしているような場合は、安価な時に逃さず購入するのが良いと思っています。今年はナスがそんな食材で先般ようやく安く売られているのを見つけたので慌てて購入したのですが、まだまだ食べたりないなあ。とナスの話だっていいたいがために無駄な文章を弄してしまった。弄したところで文章が上手くなる訳でもないんだけどなあ。ナスのかりかり焼き(唐揚げ風味)【材料】ナス(皮を剥く/輪切り/片栗粉、唐揚げ粉をまぶす) 1本/片栗粉・唐揚げ粉 大さじ1.5/サラダ油 大さじ2【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱してナスを焼く。 西インド料理にバンゲチェカプというなすにスパイスをまぶして揚げ焼きする料理がありますが、これはその応用みたいなもの。ある意味、ミックススパイスと粉を混ぜたのが唐揚げ粉ですから、自前でスパイス等を調合することなく予め配合された粉をまぶすというアイデアですね。結論を言うと粉っぽくてもう少しバランスを考え他方がいいかも。【参考】唐揚げ粉【材料】薄力粉・片栗粉 大さじ3/顆粒コンソメ 小さじ2/オールスパイス・砂糖 小さじ1/胡椒 小さじ1/2/塩 適宜【作り方】1. 全ての材料を混ぜる。なすと挽き肉のミルフィーユ【材料】ナス(縦35mm幅/塩をまぶす) 2本/牛ひき肉 200g/トマトソース 200g/溶けるチーズ・ドライパセリ・オリーブ油 適宜【作り方】1. 耐熱皿にナス、牛ひき肉、トマトソースの順に4回重ねる。一番上にナスを並べてオリーブ油をかけ、電子レンジで600W5分30秒加熱して取り出す。溶けるチーズをのせて表面を焙る。ドライパセリを散らす。【備考】ELLE GOURMET 「なすと挽き肉のミルフィーユ」https://www.elle.com/jp/gourmet/gourmet-recipes/a61466184/8437/ 全くありふれた料理ではありますが、ナスっていうのはあんまり余計な手を賭けずとも美味しい物なんですよね。冷製なすとトマトのコラトゥーラだし漬け【材料】ナス(電子レンジで600W4分加熱/冷水で冷やす/一口大) 2本/トマト(一口大) 1個/赤玉ねぎ(みじん切り) 20g/好みのハーブ(ディル・バジル・パセリ・香菜 etc.) 適宜/オリーブ油 大さじ1/【調味料】コラトゥーラ 10g/水 30g/オリーブ油 大さじ3【作り方】1. ナス、トマト、赤玉ねぎを【調味料】で和える。皿に盛ってオリーブ油をかけ、ハーブを散らす。【備考】ELLE GOURMET 「冷製なすとトマトのコラトゥーラだし漬け」https://www.elle.com/jp/gourmet/gourmet-recipes/a61481089/8444/ そういった意味では、これは手を掛け過ぎかも。もう少しシンプルに仕上げた方が食べ易かったかな。鶏肉入り鍋しぎ【材料】ナス(一口大)・ピーマン(一口大)・鶏肉(笹身/一口大)・赤唐辛子(砕く)・ごま油/【調味料】酒・みりん・砂糖・味噌 適宜【作り方】1. 鍋にごま油を熱して赤唐辛子、鶏肉を炒める。ナスを加える。ピーマン、【調味料】を加える。 たまには和風の定番料理を食べたくなり鍋しぎを作ることにしました。肉なんて入れなくてもナスとピーマンだけで十分なんですけど、笹身の残りがあったので加えてみました。これがあればもう他に何もなくても酒も呑めるし、ごはんもイケちゃいます。
2024/09/07
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近頃、現地在住の方のアメリカ料理のレシピを眺めたり、試したりしていると、アメリカ料理っていう漠然としたカテゴリーに対してぼくがかねてより抱いていた漠然としたイメージがある一面のみを注視しただけの相当に偏向した見方であったことを思い知らされたのです。そりゃそうだよね、アメリカってネイティブ以外にも数多くの民族の寄り合い所帯国家なんだから。広大なアメリカ大陸の食材を各国・民族を出自とする人々が持ち込んだ伝統的な料理や調理法で作り上げるという側面もあるのだから多様性という意味では他国を抜きんでているのかもしれません。といった至極当然のことはともかくとして、そんな料理のひとつにマリーミーチキンという料理があります。マリーミーパスタってのもあるみたいなので、ドライトマトと生クリームなど乳製品をベースとした濃厚なソースを指してマリーミーと呼んでいるようです。それにしてもマリーミーというのは、どういう意味だろう。いやいや「結婚して!」って言ってること位分かるけど、これは女性が「こんな美味しい料理を作ってあげられるんだから結婚して!」って言っているのだろうか。そんなことはなさそうですね。普通に考えたら男性が「こんな美味しい料理を作ってくれるなんて、結婚してちょうだい!」って女性に訴えてると捉えるのが自然でしょうか。現在の風潮では男女を区別すること自体不味いのかもしれないからジェンダーは抜きにしても、後者が妥当なところだと思うのです。しかし、これが当たっていたとしても、この料理が果たして結婚して欲しい!っていう程のものかは疑問が残るのだ。美味しくないっていう意味ではありません。とにかく無茶苦茶簡単だから結婚して不自由となるよりも自分で作ってしまえばいいだけの料理に思えて仕方がないのです。以前作っているので興味ある方は、過去の記事を探ってみてください(なんて不親切!)。ちなみに今回はミートボールヴァージョンです。マリーミーチキンミートボール[アメリカ]【材料】【ミートボール(混ぜる/ゴルフボール状に成形)】鶏ひき肉 700g/パン粉 160ml/にんにく 大さじ1/塩・胡椒 小さじ1/2/オニオンパウダー・パプリカパウダー 小さじ1/パルミジャーノ 大さじ3/卵 1個/【ソース】玉ねぎ(みじん切り) 1/2個/にんにく 2片/ドライトマト(水で戻す/みじん切り) 4個/バター 大さじ2/ドライオレガノ・ドライタイム 小さじ1/胡椒・塩 小さじ1/2/トマトペースト 大さじ1/白ワイン 120ml/チキンブロス 120ml/生クリーム 100ml/パルミジャーノ 大さじ2/フレッシュハーブ(イタリアンパセリ・バジル etc./みじん切り) 適宜【作り方】1. 耐熱皿に【ミートボール】を並べてオーブンで190℃30分焼く。2. 鍋にバターを熱して玉ねぎを炒める。にんにくを加える。白ワインを加える。チキンブロス、トマトペースト、ドライトマト、ドライオレガノ、ドライタイム、塩、胡椒を加える。1.を加える。生クリーム、パルミジャーノを加える。フレッシュハーブを散らす。【備考】US Southern Kitchen アメリカ南部の台所 「マリーミーチキンミートボール」https://southern-kitchen.com/marry-me-chicken-meatballs/ あれれ。なんか塊肉で作ったものと比べると重ったるくてあんまり感心しないなあ。このソースの濃厚だけれど爽やかでもたれない面が希薄でただただ重ったるいのです。正直、これはそのままで食べるのはちょっと辛いなあと思いました。 ので、あれこれとアレンジして消費に努めます。マリーミーチキンミートボールのカレー【材料】ごはん・カレールー・マリーミーチキンミートボール 適宜【作り方】1. 皿にごはんを盛ってカレールーをかけ、マリーミーチキンミートボールをのせる。 まあ悪くないけれど、濃厚なミートボールカレーでしかないかも。マリーミーチキンミートボールのフジッリ【材料】フジッリ(茹でる)・マリーミーチキンミートボール・パルミジャーノ・胡椒・タバスコ 適宜【作り方】1. 器にフジッリを盛ってマリーミーチキンミートボールをのせ、パルミジャーノ、胡椒、タバスコを散らす。マリーミーチキンミートボールのファルファッレ【材料】ファルファッレ(茹でる)・マリーミーチキンミートボール・パセリ 適宜【作り方】1. 器に和えたファルファッレ、崩したマリーミーチキンミートボールを盛ってパセリを散らす。 2種のショートパスタのソース代わりにしました。まあ工夫も何もあったもんじゃないです。これでも重さは隠し切れません。マリーミーチキンミートボールとガパオのファルファッレ【材料】ファルファッレ(茹でる)・マリーミーチキンミートボール・ガパオ・パセリ 適宜【作り方】1. 器に和えたファルファッレ、マリーミーチキンミートボール、ガパオを盛ってパセリを散らす。 意外や一番美味しかったのがアジアンエスニックと合わせて食べるヴァージョンでした。3種のひき肉で作った2種のひき肉料理の競演です。まあ2度と作ることはなさそうではあります。
2024/09/06
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多くのファンを有するこの立ち呑み店に対してけして難癖をつけるつもりなど毛頭ないということをはじめにお断りしておきます。今書いたとおりファンを多く有するからにはきっとぼくの方に問題があると思うのだ。何が言いたいかというと赤羽の有名立ち呑み店である「いこい」がどうにも苦手だということであります。どこがどう苦手なのかを事細かに記述するつもりはないし、どう記したところで真意を充分に伝えきる自信はないから語らぬに留めるのが得策とかんがえる次第です。ともあれ今回苦手な酒場について、わざわざ書くのは、苦手な癖に王子にオープンしたという新店舗にのこのことお邪魔してしまったからなのです。今回、訪れたのは、S氏との呑みの約束に遅れてしまうこととなり、ここがオープンしたことを覚えていたから一度位は訪れてもよかろうと考えただけなのであります。唐突ですが、立ち呑み屋の利点として最低限の用向きを済ませさえすれば、短時間・低料金で店を立ち去ってもさほど申し訳ない気分にならずに済むということがあります。そういう意味で、立ち呑み屋を待ち合わせ場所に用いるのはぼくにとってはとても理にかなっているのです。とか何とか言い訳めいたことを愚図愚図と述べているけれど、ネタ切れ気味だからこうしたちょっとした機会は逃さぬのであります。 さて、「立ち飲み いこい 音無川店(3号店)」は、王子の有名酒場の一軒である「平澤かまぼこ」の並びにあって、こんな窮屈な場所ではお客が溢れて大変なんじゃないかと懸念していましたが、屋外に列ができているなんてこともなく、しかし店内はきっちり埋まっているといった状態でオーナーの読みはなかなか鋭いようです。おでん屋と丁度良くバランスを取り合っているということか。S氏はすでに呑み始めていました。2人用の止まり木で不機嫌な表情を浮かべています。どうやら彼もこの立ち吞み屋はさほど好きではないらしく、ぼくが店に入るとすぐに出たそうな素振りを見せるけれど、素知らぬふりしてチューハイなどなどを矢継ぎ早にオーダーします。彼もそれを見て観念しました。お客さんの顔ぶれを眺めると一人客が多くて、しかもサクッと呑んでサクっと立ち去るという理想的な振舞いが目立ちます。店は店側の人が作るというイメージが強いけれど、個々の場合はむしろ客が店の雰囲気を盛り立てているように思えます。とカウンター客の行儀の良さを称賛した傍から、恐縮なんですが、4人用の止まり木にいた若いリーマンメンバーは酷かったなあ。呑んでる最中にも時折、狭い店内を入れ替わり立ち替わりでやたらと入出店を繰り返していたのであります。察しのいい方ならお判りになったかもしれないけれど、おでん屋に4名分の場所を確保しようと躍起になっているのだ。先導役のひょろりとした男が、やったね、空いた空いたさっさと移動しようなんていうことを店内に響き渡るような大声でがなり立てていたのだ。これは何とも不愉快だなあ。客のぼくが不愉快な位だから店の方は憤慨物だろうなあと思ってそっと表情を窺うのだけれど、気にする風もなく淡々とした素振りであります。こういう馬鹿な客のことなど気にもかけないみたい。赤羽の方はともかくとしてこっちは好きになりそうかも。
2024/09/02
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三軒茶屋に昔馴染みのおぢさんが住んでいます。映画繋がりの人で、若い頃は良く呑んだものです。今はもう覚えている人も少なくなったかもしれませんが、三軒茶屋には名画座が2館あって、そこの映写技師のお兄ちゃんなんかも伴ってちょくちょく呑んだものです。しかし、年齢を重ねるにつれて会う機会も減ってしまっていました。若い頃からの友人、知人で今でも継続して呑む人は片手に余るほどになってしまいました。今でもたまにそうした人たちの顔を思い出しては呑みに行きたいなあと思ったりもするのですが、そもそも連絡手段を失ってしまった人も少なくないのだ。三軒茶屋のおぢさんについては、どういう経路を通じてかは分からぬけれど、突然LINEのお友達リストに出没したのであります。なので、久し振りとか何とかひと言メッセージを投げると反応があったので、そのうち呑みに行こうと書いたのだ。それがもう2年以上前のことらしいから、ぼくにとってのそのうちというものの時間的なスパンが明らかに長くなってきているようなのです。無論、年とともに筆不精が酷くなっていることもあるけれど、いずれとか近々になんていうことを言っていてはあっという間に1年や2年は経過してしまうのだ。久々に会った旧友なんかと町で偶然にすれ違ったりして、近いうちに呑もうよなんて言われることが稀にあるのだけれど、それで連絡がないからといって怒ってはいけないのだ。彼もぼくと同様に本当にそのうちって思っているのだけれど、パラパラ漫画をめくるように日めくりカレンダーが剥がされていくのだ。だからどうしても呑みたいのなら、その場で日取りを決めるのが一番なのだ。それで果たせないとなればその人とはもう縁が切れていると判断するのが賢明なのだと思うことにするのだ。さて、三軒茶屋のおぢさんとは会えたのかというと無事(ではないけれど)、会うことは叶ったのであります。。 しかしまあ、実際に再開してみてからの話はさておくこととして、約束の日の昼過ぎにちょっとした用事を済ませねばならないのですが、基本的に時間をやり過ごせばいいだけの用向きだから昼間っから軽めに一杯しつつ昼食を取ることにしたのです。うろうろしていたら「甲州屋」なるそば屋がありました。この界隈には他に目ぼしい店もなかったのであっさりここに決めます。雰囲気もいかにも町場のそば屋って感じで悪くないしね。混み合っていないことを願いつつ入ってみると先客はわずかにお一人だけ。昼めし時にしてこの状況はいささか寂しい気がしますが、ぼくにとっては空いている方がありがたい。品書きを眺め倒してみるとカツ丼が目に留まった。ぼくはあまりカツ丼を食べる事はありません。油があまり得意じゃないからですね。でもまあこの日は猛烈にカツ丼の気分だったのです。店のおばちゃんにビールとともにオーダーします。お新香を摘まみつつカツ丼の到来を待ちます。見ると先客もカツ丼のようです。厨房から漏れ聞こえる音に耳を澄ますとカツもその場で衣を付けているようで恐縮な気持ちになります。立て続けにバラバラと同じ品を頼むのは気が引けるものです。たとえそれが知らなかったこととはいえです。見た目にもごくオーソドックスで、だからこそまさに今食べたかったカツ丼が登場します。これが何とも分厚い肉でありまして、見かけ以上に食いでがあります。並にしたけれど特上にしたらどうなるのだろう。肉の質が向上するのであればいいんだけれど。と思っていたら続いてのお客さんが来店。前日もやって来たようでその際に特上を食べたらしいが非常にボリュームがあったらしい。おばちゃん曰く、以前この側になんとか薬科大学があって、そこの学生のために量を多くしたそうな。といったことでその体格のいい方はこの日は並を注文していました。といったやり取りをそっと眺めつつ食べ進んだわけですが、すっかり満腹してしまいました。旨かったんですけどね。ここまで満腹になるつもりはなかったので。これで午後の用件はほぼ夢見心地で過ごすことになりそうです。でもまた忘れた頃に無性にカツ丼が食べたくなるんでしょうが、その時にはこの店のような品が食べれたらいいのになあなんて思って店を後にしました。
2024/09/01
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世界的インフレと円安が原因と思われる輸入食材の高騰は、ぼくのような食い意地の張る者には非常に厳しい状況と言わざるを得ません。影響を被った食材は数多くてそれを列挙するのは虚しいのですが、例えばオリーブ油やアンチョビ、パッサータなどはとんでもない値上げで買い置きしておくべきだったと今になって後悔しています。と悉くが値上がりしている現状に合って、今回取り上げる黒いんげん豆が特段高額となった訳でもないのですが、成城石井でイタリア産の黒い豆の缶詰がここにしては比較的安価で取り扱いがあって重宝していたのですが、身近ないくつかの店舗を覗いてみても値上げどころか商品が棚から姿を消してしまったのです。何たる不覚か、豆の種類がどういったものであるかすら確認しておらず、いずれ再入荷するまではその豆の正体は知れぬままとなりかねませんが、まあ似たものであろうと乾燥の黒いんげん豆を買い求めてみたのです。乾燥豆を戻して煮るのは面倒だと思い込んでいましたが、缶詰商品がなかなか手に入らぬうずら豆なんかを煮ているうちに、実はさほどの事もないことを知ってからは色々な豆を試してみたくなったのです。で、最近になってイタリアの黒い豆に煮てるんじゃないかなと思われる黒いんげん豆を買ってみました。これがうまくいけば缶詰の入荷を待ち焦がれることもなく、いつでも食べられるようになりますしね。といったことで早速煮てみました。思ったよりも浸水時間はかかるけれど、非常に美味しく煮えました。これはいいと思った矢先、近所の大型スーパーが改装を終えてみると、何たることか、以前は陳列されていなかった黒いんげん豆の缶詰が並んでいるじゃないか。しかも成城石井よrお手頃だぞ。他にもひよこ豆やレッドキドニーなどの定番も不思議なことに値段も落ち着いていたのです。まあね、すぐに使いたい時など缶詰は重宝するからね。使い分けしたらいいんだもんね。ということで何にせよ手頃にすぐに豆が手に入るのは何にしたって有難いことです。 やはり黒いんげん豆を使った料理の代表選手はブラジル料理のフェジョアーダでしょうか。カリオカ豆や赤、白のいんげん豆を使う場合もあるみたいですが、定番はやはり黒いんげん豆のようです。ソーセージは本場ブラジルのリングイッサなるものを入手したいところですが、近所で取り扱っている店もなさそうですし、ネットで買うのもなあということで簡単に妥協してしまうのでした。【材料】黒いんげん豆(浸水[一晩]) 100g/ソーセージ(1cm角) 4本/ベーコン(1cm角) 2枚/豚肉(1cm角) 50g/玉ねぎ(くし型切り) 1/2個/にんにく 1片/ローリエ 2枚/塩 小さじ1/胡椒 小さじ1/4/オリーブ油 大さじ1/水 500ml【作り方】1. 鍋にオリーブ油を熱してにんにくを炒める。ベーコン、豚肉、玉ねぎ、ローリエを加える。黒いんげん豆(漬け汁も)、水を加えて煮る。塩、胡椒、ソーセージを加える。 おや、以前も作っているのですが今度のはとりわけ美味しくなりました。やはり豆を自ら煮たのが良かったのか。もう少し肉を控えて豆も割合を増やしてもいいかもしれないなあ。 フェジョアーダを春巻きの皮で包んでみました。そのままだとヘビーなので、千切りキャベツとみじん切りの玉ねぎをたっぷりとのせてみました。【材料】春巻きの皮(上:1枚/下:2枚) 3枚/フェジョアーダ・キャベツ(千切り)・玉ねぎ(みじん切り)・溶けるチーズ 適宜【備考】 そのままよりもむしろ食べやすい気がするなあ。本場ではそのままが基本なのかもしれませんが、ぼくにはサルサなどさっぱりしたトッピングを用意するのが正解に思えました。 フェジョアーダをフジッリにのせて食べてみました。【材料】フジッリ(茹でる)・フェジョアーダ・パルミジャーノ・胡椒 適宜【作り方】1. 器にフジッリを盛ってフェジョアーダをのせ、パルミジャーノ、胡椒を散らす。 こちらも当然美味しいですね。パルミジャーノとたっぷりの胡椒がいい感じでした。オリーブ油をかけてもよさそうですが、ちょっとくどくなるかもしれません。 スペインにアルビアス ネグラス コン ベルサという料理があるようです。こちらはギリシャ在住の日本人女性の方が紹介していたレシピですが、キャベツを炒めるヴァージョンもあるようです。【材料】黒いんげん豆(浸水[一晩]) 100g/ポロ葱(みじん切り) 3cm/ニンジン(みじん切り) 3cm/キャベツ(ざく切り/茹でる) 適宜/にんにく 1片/オリーブ油 小さじ1+α/塩 適宜/ローリエ1枚【作り方】1. 鍋に黒いんげん豆(漬け汁も)、ポロ葱、ニンジン、ローリエ、塩、オリーブ油を入れて煮る。2. フライパンにオリーブ油を熱してにんにくを炒め、1.にかける。皿に盛ってキャベツを添える。【備考】MIS FAVORITOS 「アルビアス ネグラス コン ベルサ」http://correcalles.blog.fc2.com/blog-entry-714.html これは驚いたなあ。無茶苦茶濃厚な味でしかも添え物のキャベツが実にいい役割を果たしているのです。こんな簡単なレシピなのにこれ程に旨いとはしてやられました。 キューバのフリホーレス・ネグロスなる豆の煮込みを作ります。こちらは上の料理よりスパイシーかつハービイな味付けですねえ。【材料】黒いんげん豆(浸水[一晩]) 300g/ピーマン(みじん切り) 1個/玉ねぎ(みじん切り) 1/2個/にんにく 4片/オリーブ油 大さじ1/クミンパウダー 小さじ1//ドライオレガノ 小さじ1/2/水 1200ml/ローリエ 2枚/塩 小さじ1/ライム(くし型切り) 1個/ごはん・胡椒 適宜【作り方】1. 鍋にオリーブ油を熱して玉ねぎを炒める。にんにくを加える。ピーマン、クミンパウダー、ドライオレガノを加える。黒いんげん豆、水、ローリエ、塩を加えて蓋をし、弱火で2時間煮る。皿にごはんを盛ってかけ、胡椒を散らしてライムを添える。【備考】Fish Trip Cafe 「Frijoles Negros」https://fishtripcafe.com/jp/?p=4627 あらら、これはこれで非常に美味しいんですが、どういうことかよりさっぱりした味わいになっています。不思議なものだなあ。これをごはんにかけただけじゃ物足りないんじゃないのって懸念もありましたが、これはこれでいいなあ。ライムを搾ったら(これうっそ、ポッカライム(?)をかけました)さらにさっぱりと頂けました。 と黒いんげん豆料理はかなりシンプルなレシピでも相当に濃い味が楽しめて大いに満足しました。また色々試してみたいけど、こうした素朴な位の調理法がいいのかも。アメリカ料理でもブラックビーンズは多用されるみたいですが、まずは手持ちのそれらレシピを作ってみようかな。
2024/08/31
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麩というとつい思い出す小説があります。室生犀星著『蜜のあわれ』です。ぼくが若い頃にはすっかり忘れられた小説だったはずで、ぼくも講談社文芸文庫に所収されてようやくこの小説の存在を知ったのです。全篇が会話で構成されていて、これは小説として評価していいものか迷いながらもその不可思議な生々しさに魅了されたことを思い出します。二階堂ふみ主演で若者層にも知られるようになったかなあと思っていたら、映画から小説に辿り着く若い人たちも多いようで、彼らはこの小説への賛辞を隠そうともしないのだ。それはそれで嬉しいような気もする一方で秘かに隠し事をするように読んでいたぼくにとっては、はしたなく思えるのでした。後ろめたさを伴って読むという背徳感というのは、今では過去の感情となったんでしょうか。ともあれ同書の麩が登場する場面を拾ってみる。「では麩でもおあがり。」「あたい、麩なんかぐにゃぐにゃしていや、塩からい、わかさぎの乾干がつっつきたいんですもの、くたびれちゃった。」--「論文なんていやね。そしてあたいが麩をたべているときに、いのちを感じると仰有りたいんでしょう。あたいの生きていることは、おじさまを困らせている時ばかりだ。」--「あ、お水が来たわ、そのお水ここに頂戴、あたいが入れてあげるから、みんなおつむをならべるのよ、したしたと、……どう、とても、さっぱりと快い気持でしょう、したしたというこの音たまらないわね、みんな鱗の色も悪いし痩せているのね、硬い麩ばかり食べているからよ、ほら、お好きなお塩よ、それをぐっと飲んで胃ぶくろがひりついたぐあいが、とても、たまらないでしょう、みてご覧、ほら、ほら、眼につやが出て来たし、紅鱗たちまち栄えて来たわ。」 おやっ、ぼくにはやけに印象的だったのですが、これだけだったのね。でも改めて読み返してみてもこれを読んで麩を食べたいとは少しも思えなかったということが確認できました。 正直なところ、麩という食材にはあまり縁がなかったし、好きってほどでもありませんでした。吸い物や味噌汁なんかに浮かべて食べるのはまあありかと思うけれど、なければないでさほど困りもしないはずです。例外的に好きだったのは生麩ですが、これは所謂麩とは別物なのでここでは取り上げません。ぼくが好きになったのは、仙台油麩を食べたから。今回はその仙台油麩を使った料理数品です。 油麩を好きになったのは、思い付きで作った油麩入りゴーヤチャンプルを食べてからです。多分、ここでは初めて紹介していますが、実はゴーヤの食べられる時期には何度となく食べているのでした。【材料】豚肉(一口大/塩、胡椒する) 150g/塩・胡椒 適宜/木綿豆腐(2等分/1cm幅) 200g/ゴーヤ(縦2等分/5mm幅) 1本/油麩(ぬるま湯で戻す/1cm厚) 1/2本/卵 2個/鰹節 1袋/【調味料】酒 大さじ1/醤油 大さじ1.5/オイスターソース・ごま油 大さじ1/顆粒だし 小さじ1/2【作り方】1. フライパンにごま油を熱して豚肉、豆腐を炒める。油麩を加える。ゴーヤを加える。【調味料】を加える。溶き卵を加える。皿に盛って鰹節をふる。 もはや油麩抜きのチャンプルーはぼくには詰まらなく思えるようになりました。ちなみにチャンプルーにオイスターソースは邪道かもしれませんが、これまたぼくには抜きはもはやあり得なくなっています。 仙台油麩の大定番料理、油麩丼です。以前も書いたことがありますが、その時は実はあまり感心しなかったのです。味がぼやけている気がするんですね。具材が麩だけだとそれ自体に味がある訳じゃないから一辺倒になってしまうからなんでしょうね。【材料】ごはん 適宜/油麩(ぬるま湯で戻す輪切り[1cm]) 1/4本/長ねぎ(斜め薄切り) 1/4本/卵 1個/だし 90ml/醤油 15ml/みりん 20ml/甘酢生姜(千切り) 適宜【作り方】1. 鍋にだし、醤油、みりん、油麩を入れて煮る。長ねぎを加える。溶き卵を注ぐ。丼にごはんを盛ってかけ、甘酢生姜をのせる。 このレシピでは甘酢生姜をトッピングしているだけなのです。でもこれがバッチリハマるのです。味のアクセントになるような食材をプラスするだけで一挙に印象がアップしました。 なんとなく気になったので油麩入りカレーライスを試してみました。【材料】ごはん・カレールー・油麩(ぬるま湯で戻す輪切り[1cm]) 適宜【作り方】 う~ん、別にダメってことじゃないんですけど、わざわざカレーに入れるまでもないかな。 沖縄では炒め物をチャンプルーと呼ぶってことらしいのですが、それじゃあ1品目のゴーヤチャンプル―も野菜炒めそのものなんですかね。だから油麩入り野菜炒めも馴染んだ味でしかなさそうです。【材料】キャベツ(一口大)・もやし・ニンジン(銀杏切り)・長ねぎ(斜め薄切り)・キクラゲ(水で戻す/一口大)・豚肉(一口大)・油麩(ぬるま湯で戻す輪切り[1cm])・にんにく・生姜・赤唐辛子・ごま油・【調味料】鶏がらスープの素・水・オイスターソース・豆板醤・甜面醤・酒・醤油・塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにごま油を熱してにんにく、生姜、赤唐辛子を炒める。豚肉を加える。キャベツ、ニンジン、油麩を加える。長ねぎ、キクラゲを加える。もやし、【調味料】を加える。 まあ凡庸な料理ではありますが、これはこれで美味しいからいいのだ。油麩に限らず麩料理はまだまだ色んなアイデアが試せそうではあります。が、グルテンの人気がガタ落ちしているみたいだからそのうち食べられなくなるのかもしれないなあ。
2024/08/30
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