子宮頸管無力症の母、説明を受ける。

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2006年09月01日

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テーマ：超低出生体児出産(491)

カテゴリ：お空に還ったノゾミちゃん

代休だったらしく、客先に出た後、
いったん家に帰り、ダンナさんのお母さん、
ムスメと一緒にお見舞いに来てくれた。

同時に、実家の両親も合流。

先生の口調では、明日でも明後日でも
いいから、説明を、と言われていたので、
そんなに緊急じゃないんだな、と
勝手に思い込んでいた。

ダンナさんとNICUへ行く。

相変わらず、赤ちゃんは元気。
もこもことよく動く。

しかし、黄疸が出て肌が真っ黒。
紫外線照射を受けているので、
目を保護テープで隠されてしまっている。

先生が来るまで、しばし待つ。

別室で先生から説明を受ける。

まず、問題はふたつ。

ひとつは、脳内出血を起こしていたということ。

どうやらこれは、出産時のことではなく、
それよりだいぶ前のことだろうと言う。

これに関しては、今は出血は収まっていて、
血液はどろどろに溶けていて、
そのうち吸収され、問題はないらしい。

それよりは、大きな問題が心臓だった。

心臓を分ける中央の壁が
もともと欠損しているのが、
超音波検査で分かったのだという。

週数のわりに、体重が少ないのは、
心臓が悪いせいだった。

現在は、貧血を抑えるため、
毎日50ccの輸血をしているのだけれど、
あの小さな身体のどこに、あれだけの血液が
消えているのかわからないらしい。

聞いた途端、大きなショックを受けた。
涙が止まらなかった。

なんのために、この子は
生まれてきたのだろう。

でも、なんとなく漠然と思った。
このまま心臓が悪いまま、
おなかで大きくなっていたら、
もしかしたら、生きて会うことは
できなかったかもしれない、と。

もしかしたら、すべてが自分のせいだと
思い込んでしまいそうになっている母を、
すこしでも思いやってくれたのかも
しれない、と。

あまりに自分にとって、都合よすぎる
考えかただけれど…。

あとから、ダンナさんに聞いたのだけれど、
生まれたとき、血中酸素の濃度が
基準値を振り切っていて、「？」の
値が出ていたのだそうだ。

それが、現在は90以上の酸素濃度を
キープしている。

ムスメが喘息を起こして、救急外来に
駆け込んだときは、いつも血中酸素濃度が
90を下回っていて、入院をするかどうか
先生に悩まれることがあった。

「それに比べれば、優秀だよね」と
ダンナさんが笑った。

ムスメだって、これだけ離れていても、
母親の感情は感じ取っている、と
ダンナさんが言った。

ということは、小さな小さな娘には、
もっともっとダイレクトに伝わるはず。

だったら、悲しむのは、
この子のためにはならない。

ダンナさんに言われて、
確かにそうだと思った。

どのくらいできるかわからないけれど、
もう泣くのはやめよう。

そう思った。

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