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2025年05月10日
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カテゴリ: 津軽八十八霊場
田んぼの只中に勇壮な山門を構えた寺院があります。五所川原は広田の端の方に境内を構えるこの寺院は、円通山 光明院 専念寺と号する寺院で、かの金光上人来訪伝説の舞台となっています。ただ創建自体は江戸初期と言われており、伝説とは大きく時代が離れているのは気になるポイントです。しかしこのような伝説の舞台となるのはやはり、地域からの崇敬が篤かったことを示していると思います。


津軽八十八霊場一番札所:円通山 光明院 専念寺


山門の手前には広い駐車場があり、車でも安心。というか境内がかなり広くて、寺勢の強さを物語っているようです。



山門には猛獣にも似た力強い表情の仁王像が収められています。
阿形!



吽形!
まるで荒い鼻息が聞こえてくるかのような、そんな表情です。



山門脇には白衣観音・聖観音・弘法大師の尊像が置かれています。
当寺院は浄土宗であり、真言宗を開いた弘法大師を祀るのは妙だと思いませんか?実はこれには理由があって、住職に尋ねたところ、この寺院の家系の方が津軽八十八霊場を開創したとか・・・。八十八霊場と言えば弘法大師が四国に開いたことで有名です。それに因んで、津軽八十八霊場の一番札所である専念寺に、この弘法大師像が置かれたんだそうですよ。



それでは本堂に進みましょう。写真では伝わりづらいですが、シンプルながら大きな御堂です。




円通山 光明院 専念寺

浄土宗
開山・開基:円通清南
本尊:阿弥陀三尊

 五所川原市郊外の広田地区には、開山以来318年という歴史の古い、この地方屈指の寺院がある。ここは今から861年前に津軽の浄土宗の始祖といわれる金光上人が布教行脚の際、立ち寄ったと伝えられる地だ。
 約350年前の寛永年間(1624~1644年)には親村の広田組に属し、一面の萢野原の中に開かれた有数の古村だった。町村制実施で広田組二十八ヵ村が統合、広田、稲実、七ッ館、姥萢、湊の五人字をもって栄村を構成した。ここを南北に流れる十川は雪解け時期にははんらんを繰り返し、近年まで地区民が難儀したことで知られている。
 十川に架かる広田橋を渡ると左方から大きな梵鐘と山門が目に飛び込んでくる。これが円通山専念寺である。

 万治元年(1658年)3月の開基といわれているが、村”が形成されたのはその20年ぐらいあととされている。庵寺あるいは寺屋敷がその前身。開基和尚の名を円通清南と言い、今の茨城県水戸市の出身と過去帳に書かれている。

 またこの寺に残る浄土宗の文献には、法然の直弟子で東奥念仏の始祖と称された金光上人が広田に立ち寄った―と書いてある。建保3年(1215年)のことだが、そのときは行丘(南郡浪岡町)を布教の拠点としていた事実から原子、広田、泉、行来川(岩木川)、柏へとたどったものとされ、浪岡から広田に流れる十川伝いに立ち寄ったのだろうといわれている。
 金光上人はその2年後の建保5年(1217年)、63歳で、浪岡の西光院で没している。活躍中は修験念仏宗の布教師法明坊と流派の違いから衝突、ついに念仏浄土宗の力を誇示するにいたった実績の持ち主。その間、土着の荒吐族に迫害を受けたりもしたが、六尺三寸(約191㎝)、四十貫(約150㎏)の体格ではねのけた怪力無双の荒法師だったと伝えられている。

 元治元年(1864年)の放火で什物などを焼いてしまった。かろうじて運び出されたのが、本尊の阿弥陀如来と数冊あった過去帳のうちの一冊。あとは何もない―と米寿の貫録を漂わす三十三世の田中泰憲住職。
 明治に入って本堂、庫裏とも再建した。山門も明治時代の建築だが、両側に守護を意味する仁王が構えた仁王門形式。津軽地方では弘前市の​ 長勝寺 ​と並ぶ珍しい存在の山門だ。仁王像は大正14年(1925年)、稲実村の大工工藤俊作という人が寄進したもの。
 ここをくぐると樹齢約百年のフジが本堂前の寺庭をいろどっている。ほかに数十種の花木、歴代住職が記念植樹した松や杉などの樹木が取り囲み、時折、ミミズク、リスが姿を見せるというから“自然度”はかなり高い環境にある。
 またここの梵鐘は、大きさ重さとも県内浄土宗寺院の中では最大級といわれ、重量は308貫。毎年、おおみそかには地区の中・高校生らが願掛け代わりに除夜の鐘を打つにくるというほど親しまれている。
つがるのお寺さん 下巻 ​ 110.111ページ より引用

今回初めて金光上人の伝説に触れましたが、余りにも体格が良すぎます。筋肉モリモリマッチョマンの法師がこの津軽の地を踏みしめて、法難を跳ね除け、布教に廻ったというのは本当に面白いと思います。金光上人が没したとされる浪岡の西光院も、津軽八十八霊場の札所になっているので、こちらもいずれ参拝記事を書きたいところ。

下から覗いてみるとこの通り、なかなかに迫力があります。それでは内陣へ!



堂内です。祭壇は天蓋や華鬘によって飾られ、その中央に本尊の阿弥陀三尊像が置かれています。阿弥陀如来像もさることながら、脇侍の聖観音・勢至菩薩も躍動的な姿をしており、非常に見ごたえがありましたまるで今この瞬間に天上から来迎してきたかの様です!



近くで見てみましょう。所々歴史を感じさせる部分もありますが、光背や体勢、衣服の表現などは上方の仏像と比較しても遜色ない程だと思いました。
因みに左脇侍の聖観音は、津軽八十八霊場の札所本尊に指定されています。



本堂右手には阿弥陀如来立像と共に閻魔・奪衣婆の2像が置かれています。こちらも見ごたえが有りますので、参拝の際は一緒に拝んでおきましょう。



閻魔像の脇辺りに、津軽八十八霊場の掛け軸が収められています。これを初めて見た時、津軽八十八霊場を御朱印込みで結願しようと思ったんです。この軸の通り、全札所で墨書きを貰うのは不可能なんですが、今でも朱印だけなら全札所で押していただくことができますよ!
住職に話を聞いたところ、この掛軸の奉納者は津軽八十八霊場のサイトを開設してくださった方だそうです。墨書き部分の多くは代筆を頼んで書き入れてもらった様で、全札所の墨書きが揃っているのは壮観で羨ましい!現在津軽八十八霊場のサイトは閉鎖になってしまいましたが、この方の尽力のおかげで津軽八十八霊場が廃れずに残ったんですよね
本当にありがとうございました・・・!



斜めから。




御詠歌
昔より 光絶えせぬ専念寺 導き給ふ この世あの世
むかしより ひかりたえせぬせんねんじ みちびきたもふ このよあのよ

札所本尊:聖観音(本尊脇侍) आर्यावलोकितेश्वर

以前貰った御朱印です。



今回貰った御朱印です。



以上です。

次の記事
・二番札所:梅田山 慈眼寺 津軽は梅田の念仏道場、慈眼寺






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最終更新日  2025年06月07日 00時12分04秒
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