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新作の手ぬぐいが出来たので御覧下さい。畳の上で撮った写真は畳の目が見えています。先ず最初は写楽の新作。今回は七枚の写楽の役者絵。次は和玩具。初めての柄の配置。柄を減らして。和玩具でも柄違いで、色のトーンを抑え気味身に。新柄を今しばらく作っていこうと考えています。
2008年10月29日
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前回の「自転車が増える1」では脱線して自動車に関する事ばかりになってしまいました。今回はその自転車に付いて。先ず、マナーに付いては皆さんご存知の様に「良くない!」と怒りの声を上げられる方が多いのではないでしょうか。実際、私の自転車通勤で帰り道に出会う自転車の半分くらいは点灯していません。二人乗りもやれば、細い道から突然飛び出すもの、二台並んで走っているもの、雨の日には傘を片手に乗っているもの、いーっぱい居ます。皆さんご存知ですか?自転車が決められた所以外は歩道の通行禁止を。原則的には車道を通行しなくてはいけないのです。そして、交差点では信号を遵守する事はもちろんですが、一時停止、安全確認をしなくてはいけない事を。知らないか、守っていないかどちらかでしょう。警察官でさえ、一旦停止など自転車に乗っていてやってはいません。つまり、無法地帯。「自転車通行可」の標識の無い歩道を走る事はいけないはずが、交差点では歩道部分に自転車通行地帯の設定が描かれているのです。まるで矛盾。ましてや、その歩道でチリリンとベルを鳴らして歩行者を追い回すのは全く駄目、歩行者優先で走る事に目をつむっているだけなのです。つまるところ、うるさい事に目をつむってなあなあと馴れ合いでやって行きましょうという事です。しかし、これだけは憶えておいて下さい。酔っぱらってふらふら自転車に乗っていると「飲酒運転」で検挙されます。捕まったのを見た人がいます。自転車なら何をしても大丈夫と思っている人が圧倒的に多いんですよ。私が通勤に通っている「七条通」には所々に自転車道が設けてあります。歩道の一部を分けてもらっているのですが、まともに走れません。ポストがはみ出していたり、バス停の案内板があったり、植木の鉢が置いてあったり、自転車置き場になっていたり、ゴミの日にはゴミ置き場に。ガソリン高騰で、自転車が増えてきたと言っても、ルールを守らないユーザーとそのルールを徹底しない「お上」法整備に無関心な「もっと上のお上」のお蔭で、日本人の得意な見て見ぬ振りと馴れ合いが蔓延します。
2008年10月28日
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染工房 遊が継承している「爆弾絞り」がフランスのリヨンを拠点にしている下着ファッションブランド[riccacouture]の新作に使われました。デザイナーは日本人の大和田里佳さん。三ヶ月程前、工房にフランス人のスタッフと一緒に来られました。友禅やローケツなどを興味深く見学されたのですが、その際ストール用に染めた爆弾絞りと彩色友禅しているバラを気に入られたのです。友禅中の物は切り売り出来ませんから、2メーター程の生地に柄を描き直し彩色も変更してバラを染上げました。ところがバラの方は得意先からの注文に似ているので掲載を遠慮する事に、爆弾絞りだけ見て頂きましょう。清楚と同時にセクシーさが伺えます。評判は若者に好評で「クールだ」と。この下着ファッションブランドの作品を御覧下さい。セクシーですよ。良いですね。作品は数枚しか作られないので一点一点に価値があります。やはりセクシーな黒基調の物は人気が高いそうです。
2008年10月23日
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ガソリンが高くなってから自転車が増えたと言います。東京では外回りに車を止めて電動自転車が使う人が増えたとか。確かに日本の車は燃費世界一には違いありません。トヨタはやっとIQという超小型車を発表しました。しかし、これはヨーロッパで人気のスマートのコンセプトをコピーしたもの。幅広く、背は高く。前後の全長は短く。昔、シティーというホンダの小型車が馬鹿売れしたのをご存知でしょうか。ホンダの営業マンが営業する必要の無い程、お客様自ら買いに来たそうです。しかし、何故売れ止まったのか、分からないホンダの解決法は車高を押さえる事だったのです。勘違いも甚だしいホンダはベッチャリ車高をお落とした新型車を発表、それでシティーはお終い。売れなくなった原因は大人が後部座席に普通に座れなかったから。ホンダは売れる車をモデルチェンジで売れなくする事に力を注ぐ珍しい会社です。その轍をトヨタが踏もうとしています。IQは本来なら世界が待っていた車です。馬鹿の一つ覚えにモデルチェンジの度にボディサイズを大きくしてきた全てのメーカー。本来進めなければならない省エネには背を向けていた無責任な方針。その中での期待された出現、しかしその横巾は大きく投影面積は大きすぎます。燃費にはマイナス。短い全長はかのシティーを連想。軽四とは言いませんが、横巾をもっと小さく、大人四人がそれなりにゆったり乗れる全長を確保すべきです。軽四と競合する事を避けようとしているのは分かりますが敢て挑戦し何よりも国民を説得、納得させる努力をするべきです。売れなかったら諦めるだけの方針は車社会を導く責任のある人達のするべきことではありません。軽四はカタログ程燃費は良くなく、小型車が軽四より良いのは周知の事実。原油価格に翻弄されないが為には燃費が特に優れた車しか作ってはいけないのが自動車メーカーの命題。無駄の権化、一千万円以上する車を作っている場合か、トヨタさん。ハイブリットでプリウスより小さく、もっと運転し易い車を作らなきゃトヨタの名が廃りまっせ。ガソリン代が下がってきたのは嬉しいけれど、ガソリンの大量消費を又やろうとは思わない日本人です。ガソリン節約の習慣が不景気と共に付いた様です。節約の最も効果のあるのが自転車の増加ですが、京都では増えたという感じはしません。それには幾つかの問題があるからです。次回のブログではその事に触れてみましょう。
2008年10月22日
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つい先日、写楽の手ぬぐいをお見せすると言っていましたが、出来上がったのでお見せ致します。残念ながら、もう既に売れてしまったので同じ物はありません。タイへ旅立ちました。少し柄を変更したものや違った柄で作った新作がもう直ぐ出来ます。お見せ出来るかも知れませんのでお待ち下さい。今は無い手ぬぐいです。
2008年10月19日
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先ほど、我が工房が下仕事、得意先である製造卸問屋が持っている自家工場が上仕事をした訪問着が出来上がりました。それは名古屋のデパートのお客様で、女流○○家のご注文でした。特定されると差障りがあるのでこれでご辛抱を。京都の製造卸問屋の社員が工場のデザイナー兼職人と共同で作り上げたCG雛形を持ってご本人と対面して注文を頂いたのですが、同行したのは名古屋の問屋の社員とデパートの外商の営業マン。説明するのは専ら製造卸問屋の社員です。ご本人のご要望は新年のパーティーに舞台へ上がった時に着る着物。インカの宝物をモチーフにしたモダンな更紗。提案するまで試行錯誤の連続で、何回か資料をお見せして注文にこぎつけたのです。その仕事は殆ど製造卸問屋の社員一人と職人の二人だけ。間に入る名古屋の社員とデパートの営業マンの仕事は殆ど無し。注文が確定すると見積もりを出さねばなりません。私達染屋は「やってみんとわからん」と言って工賃をはっきりさせる事は稀です。予測の付かない初仕事がどれだけ手間を掛けなければならないか分からない事が多いからです。しかし、製造卸問屋はそうはいきません。何としても見積もりを出さねばなりません。そうすると希望的観測や相手方への配慮もあってどうしても安めに見積もってしまうのです。しかし、本来自分が染をやる訳ではない社員にとって見積もりを出せと言うのは本来無理な話です。その為、とんでもない安値を見積もってしまう事が往々にしてあるのです。今回もそれ。舞台に出れば眼を引く事間違い無しの素晴しい出来上がりです。地色のブルーが肩から裾の薄いシメントグレーにゆっくりと変化する恐ろしい程足の長いぼかしに金彩を施された素描のインカ更紗はゴージャスそのもの。しかし、十七万の加工代の予算は直ぐ底を尽きます。図案代に五万余り、柄伏せと地染めに五万程、後は素描と金彩で六万円位しか残っていません。ところがこの素描と金彩に一月近くかかってしまったのです。そりゃ、凄い物が出来るはずです。手間をかけたおしたのですから。しかし、この製造卸問屋は工場を含めて大損害。我が工房は下加工だけですから、かかっただけは頂きましたから損害無し。儲かったのは名古屋の問屋と名古屋のデパート。殆ど何もせず濡れ手の泡でした。真中に居る人は何もせず橋渡しだけ。着物はまだこんなルートをたどって作られているのです。この名古屋のデパートまでのラインでこんな事がありました。デパートの外商が着物以外で商売出来る物を探しているという話を聞いたので、我が工房で作った「姫几帳」を紹介した所、直ぐに名古屋の問屋から注文がありました。工房の原価二万七千円を三万五千円で売ると製造卸問屋は五万円で販売、名古屋の問屋からデパートの外商を経て消費者に届く価格は十八万円に設定。十枚は作ってくれとの注文でしたが、思ったものです「これは売れん」と。作った本人が思うのです、十八万の値打ちは無いと。案の定注文で作った十枚の「姫几帳」は七枚返品に。その売残った「姫几帳」工房の店頭で売ったのは五千円。振り回して迷惑かけて責任とらずの中間業者。皆さんは、この素晴しい訪問着がいくらで女性○○家に売られたか想像がつくでしょう。そして上流の職人達の苦労と消費者価格の不都合な組み合わせに溜息をつかれた事でしょう。
2008年10月16日
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今日、工房のお客様はオランダの方。多分夫婦と思われる二人連れの喋る言葉はドイツ語風でした。兄弟揃って片言の英語で「ウェアーフロム?」「オランダ」喋っている言葉はオランダ語でした。女性の方が写真を撮っても良いか?と聞いてきたので手と頭で返事「OK」上に上がって友禅彩色している側で話をすると、彼女は本国でバティックつまりローケツをやっているのだそうな。そこで工房の作品を見せてローケツの難しさを説明したのですが、通じたかどうかは分かりません。ただ日本の文化には精通している様で、半襟と分かって半襟を買っていきました。子供用のスカーフにする外人は今までに何人か居ましたが。さて何に使うのでしょうか。彼女が選んだ半襟は二枚とも猫の柄。モダンな猫のシルエットを濃淡順に並べたものとマンガチックで可愛い猫を散らしたもの。さて、彼女はこの半襟をどういう風に使うのでしょう。見てみたい物です。
2008年10月15日
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パックス・アメリカーナつまり世界の通貨ドルを発行し、世界を支配し平和を築くというシステムが崩壊しようとしています。発行したドルを使って消費し続けた世界で唯一の消費大国アメリカ。懺悔としての奉仕と夢の様な頽廃を輸出し続けたアメリカ。生産する事を已め、二十一世紀の新ビジネスと言われたヘッジファンドに代表される金融ビジネスに我も我もとのめり込んで行ったアメリカ。余りの楽しさにそのマネーゲームがバベルの塔の如くバブルの塔である事に誰も気が付かなかったアメリカ。沢山のガソリンを喰っても安いガソリンが供給し続けられると思い続けたアメリカ。イエローモンキーのハイブリットなんか使うもんかと拒否し続けたアメリカ。命を懸けて闘う闘争心を押さえられず、言いがかりを付ける機会を何時も探しているアメリカ。自国の理想が世界中で両手を上げて歓迎されると思っているアメリカ。日本のバブル崩壊を学ばなかったアメリカ。極めつけは貧乏人限定、年一割の高利貸し、その犯罪性を誤摩化す為に分散証券化、世界にばらまいて知らん顔、厚顔無恥のアメリカ。日本のサラリーマンの五倍の仕事をするスーパーマンが沢山居るアメリカ。その頽廃の美学が世界を魅了して已まないアメリカ。儲けるときは悪魔の如き悪徳業者、ボランティアの時は癒しの天使となるアメリカ人。・・・・・・脚下照顧、日本はアメリカと違います。世界の中心だったアメリカ。次に世界をまとめる国が出てくるのでしょうか。普通に考えればEUでしょうが、寄り合い所帯のまとまりの無さは如何ともしがたい。それなら日本?曲がりなりにも道徳心を持った先進国の日本。経済などの基礎的条件はアメリカを始め世界とは違います。バブルを経験したノウハウも生かされています。しかしミニ中国の様な阿呆連中も沢山在中です。この不道徳な非日本人的な輩を一掃する事が出来たなら。世界不況に負けない地力が日本にはあるのだから、風評に踊らされず確かな眼で本質を掴めばよろしきに従ってよろしい方向に。
2008年10月13日
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フレンドシップ・コンサートというNPO法人があります。代表の丸岡 努さんがウィーン交響楽団の方達と懇意にされ、自宅に招かれた折り少人数で開かれた友人達で開かれたミニコンサートに感動されたのがきっかけとなったのです。そのミニコンサートを日本でやりたいと作られたのが「NPO法人フレンドシップ・コンサート」今年はそのフレンドシップ・コンサートを始められてから二十年になろうとしています。直ぐ側でコンサートを聞くというコンセプトですが、聴衆が大勢になれば大きな場所が要ります。家庭の様な小さな場所でのコンサートは流石に無くなった様ですが、会場さえ提供すれば格安な料金で開催してもらえると聞きました。殆ど実費が原則のコンサート。ホームページはこちら。今年のフレンドシップ・コンサートのツアーは十月の四日から始まりました。北は北海道から神戸まで十一月一日までほぼ一ヶ月間の強行軍。その内、九日の同志社中学から十二日の京都府綾部市まで宿泊は京都です。今年のツアーは「ウィーン・フーゴ・ヴォルフ三重奏団」これはツアーを前にウィーン・フーゴ・ヴォルフ三重奏団の演奏をまとめて発売されたCDのジャケット写真。ウィーンで収録されたもの。ネットから買い求める事も出来ます。九日ツアーに同行されている丸岡 努さんからお電話を頂きました。『上の写真中央にいるヨーロッパで活躍の世界的に有名なピアニスト「マリノ・フォルメンティ」が今日誕生日なので何かプレゼントするものが欲しい』と。そこで作りかけであった銀通しの生地を素材にしたストールを急遽仕上げて滞在先のホテル東急へ届けたのです。次の日の朝、一行八人が狭い工房へ。マリノ・フォルメンティは土下座する様に頭を畳みに付けて感謝の意を表明してくれました。お金を払ったのは丸岡氏なのに。それほど喜んでくれたという訳です。嫌がる家内も写真の中に引っぱり出されるは、写真は撮りまくられるは大騒ぎの朝でした。ストールと言うのはカソリックの宣教師がマフラーの様に首に巻き付け、下まで垂らした白い布を言います。マリノのストールは金茶地。常に黒地の服を愛用しているというので金茶を薦めました。来られた皆さん一級のお洒落人ばかり、洋服では太刀打ち出来ません。和服で勝負!!
2008年10月11日
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ここ数ヶ月の間に我が工房へ三人の就職希望者が来られました。某芸術大学の卒業見込者など。けれども、我が工房にはそれを受け入れる余地が無いので全てお断りしてきました。もちろん狭い工房という事もありますが、問屋筋の注文の減少が最たる理由です。丹後縮緬の年間生産量が四万反台。三十年余り前、私が修業時代勤めていた製造卸問屋の月間生産量が三万反。たった一軒の問屋が一月に染め上げる反数が、丹後縮緬全体の年間生産量とたいして違わないのです。恐ろしい程の縮小です。三日程前、西陣の織屋に勤める昔の同僚とばったり出会ったのですが、開口一番「ナーンにも売れんわ」と。西陣もこの有様。全体的にこの有様ですから、美術系の学校を卒業した子供達には、救いの神であった着物業界への希望が、全く持てない状況となってしまっているのです。概して美術系の学生の就職状況は年々悪化の一途と聞きます。今日、工房見学に訪れた子は、もう既に有名な工房を全て訪問して就職活動した様子でした。「給料無しでも使ってもらえないか」とまで言う子は余りにも健気ではありましたがどうする事も出来ませんでした。「気が済むまで見学したら」との言葉に暗くなるまで、長い時間を友禅彩色に見入っていました。さて、この子の運命はどうなるのでしょうか。
2008年10月08日
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工房に来られる外人さんは浮世絵がとても好きです。文庫専用のブックカバーは広重の東海道五十三次を染めてあります。生地は表はもちろん正絹なんですが裏まで正絹を使っています、いや使っているはず。というのも裏生地は厚めだと嵩張り過ぎて、ブックカバーとしては使い辛いので薄めの生地を使わねばならないのですが、羽裏などの生地には交織も含まれているかも知れないのです。横道にそれましたが、文庫のブックカバーなんて外人さんには無用のはずなのに「浮世絵大好き」が買わせたものだと思います。一人で五枚程買う人もいました。もっと好きなのが美人画だそうです。そういう事もあって、美人画に挑戦したのが何回か前にお見せした浮世絵の手ぬぐい。北斎の美人画には木版の美人画もありますが肉筆の美人画はそれは素晴しいものです。あの手ぬぐいは春秋二双の美人画ですが五人の女性がそれぞれ品を作った様を描いた五人美人図や二人の二人美人図などがあります。今回お見せするのは二人美人図で、その一部を見て頂きます。これは北斎が描いた原図。こちらの方は上の絵を下図にして描き直した物です。二体の美人を描き直すのに延べ五日ぐらいかかっています。出来はとっても素晴らしものに仕上がったのですが、外人さん向きのタペストリーには高価すぎるそうです。見事な倍率になりますからね。さて何に使うべきか頭を悩ましています。ただ、お顔は原図の方が美しいので、描き直す必要がありそうです。こちらは描き直さずに木版の味をそのまま使う事にした写楽の役者絵。その中でも最も人気のあるのがこれです。大谷鬼次の扮する奴江戸兵衛。この写楽の浮世絵を五枚程並べて手ぬぐいにするつもり。出来上がったらお見せ出来るかも。
2008年10月07日
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このブログで紹介する本は二冊目、前に「アウシュビッツの沈黙」を紹介しました。人間の業に潜む残虐性を被害者の重い口から聞き取りしたものでした。ユダヤ人やジプシーをこの世から抹殺しようとするドイツの魔の手から生き延びた人達からの生の声は魂を揺さぶりました。今回紹介するのは「新版 歴史毒本」と言う文庫本。著者は「山本茂」氏。毎日新聞社社会部記者、「サンデー毎日」編集次長を経てノンフィクション作家として独立。沢山の著書があります。数年前に出版され「歴史毒本」を全面的に改稿したのが「新版 歴史読本」です。文庫ですから、世界の歴史を語るには紙面が少なすぎますが、面白い歴史の裏側を見事に陽の当たる場所に引きずり出しています。何回か前に「商」に付いてお話ししたのもこの本からの孫引き。著者も自らこの本は長大な資料からの孫引きである事を告白されています。その長大な資料を研究せずに引き出された真実を手軽に知る事が出来るのですから有難い話です。世界の歴史は戦争の歴史と言っても過言ではありません。戦争は現代の日本では罪悪の権化とされています。確かに世界の歴史から見ても残虐さでは最も縁遠い国であったのは間違いありません。信長の所業や家康の大阪市民虐殺があったにしても。世界の人々にとって我が地域以外の人間は虫けら。それが当り前であったのです。世界の歴史から見ても戦争に正義、不正義を問われぬのが道理とされているのも事実。この本はその戦争について考えさせてくれます。歴史はあった事件の後から書かれます。その為、恣意的に書かれたものが殆どである事は自明。ヒーローたる偉人や賢人がその実極めて人間的な短所だらけの実像があったはず。その実像を陽の当たり引き出して歴史の真実に眼の覚める思いをさせてくれるのが本書です。税別686円で知らなかった歴史の世界へ。
2008年10月05日
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