東方見雲録

東方見雲録

2003.02.10
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カテゴリ: 2003
歩くのが楽しい一日。
昨夜の雨か、ぬれた露地に苔が朝日に映える。気分揚々で出勤。
駅から事務所まで今日は歩きと決める。途中、葉代わりする葱畑の畝、その妙に足を止めてしまった。

午前は調べもので、湿った未舗装通路を行き来する。靴裏のベト土も霜柱のそれと違う。歩きにくくはあるが、先々と足が進んでいく。

午後から遠出の仕事。所用を終え、帰り道も遠回り道を選ぶ。
最寄り駅まで近くなって、一日の余韻を一人楽しもうと、居酒屋へ。

客だか家人だか老婦人ひとり、カウンターで焼き魚を肴に一杯、ママらしき人と談笑している。
しつらえがすべて古い。古めかしいのではない。20年くらいの前の8トラックのカラオケテープが整然と棚に。くすぶられて茶味がかったお品書きがずらり。多少、白味のあるお品書きもあった。サワー、チューハイ。

熱燗と焼き鳥を注文。突き出しに箸をつけながら、二人の他愛ない話を聞きいる。

そして、一人が耳にしたことあるような歌を歌いだすと、二人は子供のころに覚えただろうその歌を合唱しはじめた。

戦時中のころの話を聞こうとすると、一人が「私、戦後だから」と話しを切る。

壁に据えてあったテレビから「ウドの産地立川から、ウドで街おこし」の話題が耳に。
チョット止まった話題がウドに。
そして、ボソと一言。「ウドは東京が原産地。昔、防空壕で作っていたから」と。

驚き、ウドが東京の特産とは。
「確かに土室を作るには関東ロームは向いているワナ」と勝手な自説で応答。

戦後派のはずだが・・・紀元節の歌、防空壕のことよく知ってるなー、マ・、二人にはその時期は触れたくない時期なのだろう。

独活(うど)は今が旬。


人それぞれ、土地土地、食べ方、使い方で旬は異なる。
先の二人も他愛ない話の中に、二人だけの旬を楽しんでいるようだ。


たしかに突き出しのキンピラにウドが入れてあった。
お袋の味だった。

雪間より薄紫の芽独活かな(芭蕉)

****メモ****
ウドはウコギ科の多年草。中国から韓国、サハリンから沖縄に至るまで広く自生。日本原産の野菜のひとつ。古代から山菜として食されて来た。東京で栽培され始めたのは江戸時代。現在は全国一の生産高、東京特産の野菜。
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