東方見雲録

東方見雲録

2025.01.06
XML
カテゴリ: 政経



国民の3人に1人が高齢者になるわけで、社会の「老い」はいよいよ顕著になりそうです。

 一方で少子化は止まりません。総務省の資料によると、総人口に占める15歳未満の子どもは2023年4月1日時点で11.5%。実に49年連続で減少しました。そうした結果、日本社会の歪みは一段と鮮明になってくるものと思われます。わかりやすい物差しは、高齢者1人を何人の現役世代(15〜64歳)が支えているかという数値です。

高齢者を何人の現役が支えるか
 戦後間もない1950年は高齢者1人に対し、現役世代は12.1人でした。12人で1人の高齢者を支える社会構造だったわけです。その後、1970年には9.8人、1990年には5.8人と低減。高齢世代を支える働き盛りの世代は年々少なくなっていきました。

 そして2025年にはついに2.0人を割り込み、1.9人になると予測されています。現役世代の数値には学生や主婦、無職者なども含まれていますから、実際には高齢者を支える現役世代はさらに少ないはずです。
・・・・
まずは社会保障支出の膨張です。

 内閣官房の資料によると、2021年度の社会保障給付費(予算ベース)は、年金58.5兆円、医療40.7兆円、福祉その他30.5兆円で、総額129.6兆円でした。それが3年後の2024年度には総額137.8兆円に増加。対GDP比も20%を超すことが常態化してきました。2025年度には149.8兆円、さらに2040年度には169兆円になると見込まれています。



 介護分野も深刻です。

 経済産業省の資料によると、2020年に725万人だった要介護・要支援の認定者は、2025年には815万人になる見通しとなりました。5年間で90万人も増加する計算です。認定者はさらに増え続け、2040年の予測は988万人。ほぼ1000万人が要介護者になる見込みです。また、認知症患者も2025年には675万〜730万人に達すると予測されています。

 これに対し、介護職員の数は圧倒的に足りません。厚生労働省の介護保険事業計画によると、2025年に必要とされる介護職員は約243万人で、不足は約32万人。2040年には必要な職員は約280万人にまで増える一方、約69万人が不足する見通しです。

 介護サービスの中でも、とくに人手不足が深刻なのは訪問介護の職員です。

 厚労省のまとめでは、2023年度の有効求人倍率は14.14倍で、全職種平均の1.31倍を大きく上回りました。事業者が必要とする人員14人に対し、求職者が1人しかいない状況です。

 不人気の理由は明確で、責任や労働の重さに比べて賃金が低いこと。平均給与月額は約26万円(就労2年未満)で、全産業の平均より8万円前後も低くなっています。しかも介護職員そのものの高齢化も進んでおり、全体の3割近くが65歳以上の高齢者という状態です。

深刻な人手不足に
 超高齢化社会は、言うまでもなく、深刻な人手不足を招きます。

 パーソル総合研究所のレポートによれば、2025年には全産業で505万人の労働者が不足し、2030年には不足が644万人に拡大します。すでに人手不足の影響は社会のあらゆる分野で深刻になっていますが、この状況が続けば、企業は生産性の低下や業務の効率化の遅れ、コスト増加などに見舞われ、事業の継続すら困難になる可能性もあります。

 とくに、従業員が比較的少ない中小・零細企業は、人手不足の影響を受けやすく、人手不足倒産が深刻化しかねません。そうした結果、日本全体で経済活動が停滞し、国際競争力のさらなる低下や、社会保障費の急増などが避けられなくなるでしょう。

「2025年問題」に象徴される超高齢化社会をどう乗り切れば良いのでしょうか。外国人労働者の受け入れ強化をはじめ、地方経済の活性化、女性のさらなる社会進出などを起爆剤にすべきだとの意見はありますが、個別の政策によって解決に向かう段階は過ぎ去ったようにも思えます。
こちら

「2040年問題」との違い
「2025年問題」と「2040年問題」との違いは、人口構造の変化のタイミングにあります。

「2025年問題」は、団塊世代が75歳以上となり、後期高齢者の人口が急増する過渡期のことを指します。一方、「2040年問題」は団塊ジュニア世代が高齢者に達し、総人口の約35%が65歳以上になるピークを迎えるタイミングを指します。

2025年は高齢化の進行期で、医療・介護体制の逼迫や社会保障費の増加が中心的な課題です。2040年には労働力不足や老朽化したインフラの維持がさらに深刻化します。少子化と超高齢化への持続的な対応策が必要な点は、両者に共通する課題といえるでしょう。

「2025年の崖」とは何か
「2025年の崖」とは、経済産業省の「DXレポート 」で指摘された、デジタル化の遅れが招く経済的リスクのことを指します。

日本の多くの企業で、老朽化・複雑化した既存システムの問題が解決されないままでは、IT人材の引退やシステムのサポート終了による競争力低下が避けられません。その結果、2025年以降、年間最大12兆円の経済損失が発生すると予測されています。


出典:経済産業省「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」

2025年問題が生活に及ぼす影響
・社会保障費の増加
・医療・介護における体制維持の限界
・後継者不足に伴う廃業と経済の減退
・ビジネスケアラーの増加

2025年問題に向けた国の施策
社会保障体制の見直し
2025年の社会保障費増大に対応するため、国は主に以下の施策を進めています。
・地域包括ケアシステムの構築
・後期高齢者医療費負担の見直し
・高齢者の就労促進

介護人材の確保
厚生労働省は、介護人材不足への対応として、介護未経験者の参入を促進するための入門的研修を推進しています。

また、人材育成や就労環境の改善に取り組む介護事業者を評価・認証する制度を設け、支援を強化しています。

さらに、柔軟な勤務形態や多様な働き方を導入するモデル事業を実施し、効率的な事業運営の普及を図りながら、介護人材の安定確保を目指しています。
引用サイト: こちら

関連日記:2025.01.06の日記  1950年生まれ   こちら
関連日記:2023.02.26の日記  団塊の世代   こちら





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2025.01.21 06:48:39
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: