東方見雲録

東方見雲録

2026.05.06
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カテゴリ: 郷土


 島根大総合理工学部の細田智久教授(51)=建築計画学=が山陰両県の中山間地域における公共施設の再編整備をテーマに15年以上研究した成果をまとめた論文で、建築学の国内最高峰となる「日本建築学会賞」を受賞した。少子高齢化や人口減少といった課題がある過疎地域でコミュニティーを維持しながら施設を再編する道筋を示した点が評価された。

 細田教授は「平成の大合併」で、合併しなかった鳥取県日南町、2町合併した島根県奥出雲町、6町村合併した雲南市を対象に、公的施設の集約、維持に関して調査するなどし、論文をまとめた。

日南町は小学校や公民館など公共施設数を減らし、中心部の日野上地区に集約。中心地の整備に伴い、コンビニエンスストアやホームセンターが新しく建った。住民に聞き取りした結果、地区外も含めて多くの人が利便性が向上していると感じていることが分かった。

 中心部の0~4歳児人口は2010年以降増加傾向にあり、集約化は親世代を含む年少人口の流失に対する「人口のダム機能」を果たしていることを証明した。

 細田教授は町内の全地区をくまなく歩き、施設の状況や住民からの聞き取り、人口統計や行財政データを統合的に分析。地域の縮退と再生の計画学を体系化した点も大きく評価された。

島根県内の小学校再編については、児童数と自治体面積、小学校数を基に、再編必要度を示した。現地調査する中で、遠くてもスクールバスで安全に登校できる方が良いという保護者の意見があるほか、統合決定後の宅地開発で子育て世帯が増える動きもあることが分かった。自治体の維持という観点からも、小規模校を残すには「限界点がある」と指摘した。

 21日に同大で受賞報告した細田教授は「建物を建てるのではなく、畳んでいくというテーマで受賞できるとは数年前までは思っていなかった。地域は常に変化し、終わりのない研究だ。今後も継続したい」と話した。

 論文部門には10年以上の研究実績がある候補者が応募し、応募があった33件のうち10件が受賞した。同賞の受賞は、島根大では初めてとなる。 (小引久実)
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ちょっと寄り道:30分のミニ講義 文化や社会、人ともつながる建築デザイン こちら
古くから建築には「用・強・美」という言葉があります。建築は用(機能)と強(構造)と美(美しさ)という三要素があり、どれが欠けても価値を失うという意味です。 しかし美しさの価値観も時代によって変わります。かつてはポストモダニズムといって、既存の価値観を破壊するものがもてはやされました。今はエコロジーが重視され、地域の木材などを豊富に使う工法が流行しています。つまり正解は一つではなく、その内容は時代によって刻々と変わるものなのです。ニーズの変化に対応しながら、社会や人にやさしく寄り添う建築が求められます。

ちょっと寄り道:委員歴 こちら
2011年5月 - 現在
米子市景観審議会 会長
米子市都市景観施設賞 米子市景観審議会が選ぶ紹介したい公共施設 こちら





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Last updated  2026.05.06 08:00:05
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