めいてい君のブログ

めいてい君のブログ

PR

Calendar

Keyword Search

▼キーワード検索

Comments

めいてい君 @ 日本の純資産~過去最大の純資産で円建てでは世界最大 [東京 28日 ロイター] - 財務省は2…

Category

寄稿(宇治見、マドレーヌ、トキめき橋氏ほか)

(64)

自由が丘氏寄稿文

(189)

Tsunami氏寄稿、SCRAP記事、写経・感想など

(326)

政治・経済(国内統計etc.)

(693)

世界、国際比較(国際統計etc.)

(226)

生活全般

(128)

基本事情(各国)

(114)

アジア州

(255)

ヨーロッパ州

(287)

北米地区

(198)

中南米地区

(112)

オセアニア州

(100)

中東地区

(51)

アフリカ州

(126)

宇宙の不思議・開発etc.

(71)

気候変動など

(7)

津波・自然災害

(30)

自然の脅威、驚異etc.

(47)

資源・エネルギー(陸・海洋etc.)

(49)

発電・原発事故・放射能事故

(74)

金融(事件含む)

(128)

PC・家電

(229)

スポーツ・余暇・車

(264)

栄養・健康

(143)

病気・伝染病など

(184)

事故・災害

(102)

福祉・厚生・年金問題

(59)

公害

(15)

流通(商品)・廃棄関連

(17)

新技術

(30)

友人・知人・地縁等

(40)

土佐の高知

(63)

(49)

お墓・葬儀・戸籍

(24)

ガーデニング&DIY

(14)

TV番組

(15)

海外旅行

(6)

国防/テロなど

(41)

財政・税・電子証明など

(28)

自治体、地元、遺産など

(37)

店舗

(6)

公衆道徳/法律など

(26)

裁判/調停

(7)

宗教

(21)

ブログ

(31)

テンプレート(表形式etc.)

(3)

DVD収録など

(6)

ホームページ、ウエブ会議など

(48)

祝い事など

(13)

会社時代

(22)

学生時代

(7)

物語り

(43)

経済学研究

(26)

思考紀行

(73)

作業中マーク(終了次第削除)

(0)
Jul 14, 2010
XML
カテゴリ: 学生時代
 学者の意見はその依るところを見抜けないと怪我をする。大学では、前期には、経済よりも「イスラム教とキリスト教」の攻防を研究した本を原書で読んでいたので歴史が好きな学生と思われていた。後期になると、みんなが敬遠していた、超難しいといわれるゼミに入ることが出来た。いまでも、ゼミの先生が凄い先生だったからか、頭が良いと誤解されるときがある。 凄い美人を連れた男性を見ると、いい男が多いが、なかには、ちょっと違うような組合せを見ることがある。それは、あまりに美人だと、男性が近寄りがたく、おたがいが牽制し合うためであり、漁夫の利を得るような事態が発生するのと良く似ている。

 高名な教授は、「君はわたしとよく似ているね」と可愛がってくれたが、先生はものすごい秀才なので、現小樽商大から招かれるようにして来られたのだ。先生の初期の論文(一般均衡理論など)は、集合論や高等数学の記号がいっぱいである。小生は、地方出身には違いないが、志望を工学部から変えたのは、英語と数学が多少好きなだけで、発想力に自分の限界を感じたため(積分記号が3つ並んだ数学で「電気」を学んだりするのは苦手である)に過ぎない。
 われわれがゼミに入ってからは、先生は高等数学を使わず、もっぱら、恒等式のようなものを利用しだした。文字を上にしたり、下にしたりして、分数のような経済変数の概念を創り出し、その積をいくつか組み合わせるのである。素人の学生から見ると、どうみても恒等式なのだが、よくみると、その中には、変数であると思われるものと、短期的には、統計学的にみて定数と考えても差し支えないようなもの(それが万一動くときは「シフト」するものとして扱う)が混ざっている。先生は、頭の悪い小生がいるので、多分、理解を速めるために、そのような簡単な表現方法を取り始めたような気がした。多次元の表現を、2次元(それにパラメーターのシフトがあるので3次元)で説明するやり方は、小生の頭の悪さに対応してくれたものと感謝している。
 また、ゼミでは、有名な女性経済学者(ノーベル賞)のテキストを原書で読み合わせたが、マルクス、ケインズ、等々について、どの変数の組合せを重要視したから独自の理論(剣道の何流に近い)ができたか、というもの。従って、その学者の焦点(選んだ変数の組合せ、選んだパラメーターなどとまるで数学である)がどこにあり、どこの部分をよく説明できるが(経済政策に応用できるほど国民に理解させやすい)、どこの部分はよく表せない(理論上の限界があり、他の学者派閥との紛争を抱えている)などが、短期間でマスターできるものであった。
 そんなとき、大学院の聴講ができる機会があった。著名な教授が、友人の世界的な経済学者を招いて記念講演を設けた。その人の名はラーナー博士である。講演が終わって、質問の時間となった。先輩達は素晴らしい講演を生で聴けて感激している。だれも質問しようとはしない。ついつい「学生の身分」で、手を挙げてしまった。司会者の教授は、「学生さんだね、日本語で良いから言ってご覧。私が同時通訳するから。」
小生が、母国語の日本語でもたどたどしく、「ラーナー教授は利子論の大家であられます。昨今、利子や利潤が大幅に低下しています。技術進歩を引き出すような、インパクトのある利潤が生まれてこない時代には、有効需要を喚起するには、どうしたらいいでしょうか?」などといった素朴な内容を聞いたような気がする。自分の乏しい知識では、博士がなにか「利子論」について書いた論文を読んだような気がしたので、折角だから、なにか質問しなくては、と思ったのだ。
 とたんに、「つるの一声」が聞こえた。「ラーナー博士はお忙しいのに、私との研究のために、本学にお見えになったのである。つまらない質問に答えるために来たのではない。学生は外に出なさい。」
間髪を入れず、同時通訳を聞いていた、ラーナー博士の優しい声がマイクに乗った。「まあまあ、都留さん。そういえば、私が若いころは、金利を研究していました。たしかに、いま学生さんが言ったようなテーマで論文を書いたことがありました。幸い、特に質問がないようですので、すこしそこに重点をおいて、最近のお話しをしましょう。・・・・・」

 いまでも、酒を飲むとき、同席していたゼミテンが「つるの一声」とからかうのである。つるはつるでも、都留重人教授のことではあるが。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  Oct 31, 2013 07:44:20 PM
コメント(1) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: