加賀市美術館 開館20周年記念特別展 空と大地の画家 森本 仁平展 ― 写実から詩情へ ― を観に行ってまいりました。
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平成9年9月、加賀市の玄関口であるJR加賀温泉駅前に、加賀市美術館(当初は加賀アートギャラリー)がオープンしました。
記念すべき開館記念特別展は「森本仁平展」。当館は「森本仁平」により幕を開けたのです。 開館20周年を迎える今年、初心に返り皆様への感謝を込めて、今一度、森本仁平の大展覧会を開催いたします。
今回は、加賀市では初公開となる一関市博物館(岩手県)に寄付された仁平の初期作品をはじめ、西磐井教育会館、石川県立美術館、そして当館の所蔵作品など初期から晩年にいたる合計56点の作品などをを一堂に展示します。
森本仁平(明治44年<1911>~平成16年<2004>)は石川県加賀市大聖寺に生まれました。
幼時に東京へ移住し、昭和7年<1932>東京美術学校師範科を卒業、美術教師として岩手県一関へ赴任しました。その後朝鮮、東京、再び朝鮮と幾度か転任し、20年4月朝鮮で現地召集を受け、終戦後、ソ連軍の捕虜となりシベリアへ強制連行されます。
しかし、残してきた妻と三人の子どもを憂い脱走を決行、命からがら山岳地帯を1,000kmも踏破して妻子と再会を果たし引き揚げ船で帰国、一関に帰るという壮絶な体験をしたのです。
戦後は一関で日本美術会一関支部を結成、日本美術界のアンデパンダン展に出品、26年に東京に転任し、自由美術協会に出品を重ねます。この頃の作品は社会派としての制作であり、自由への批判精神を作品から見ることが出来ます。47年教員生活を終了後、画業に専念する60歳前後から、作風が変化します。
49年制作の「空の肖像」(石川県立美術館蔵)は初めて写実を志向して描いた作品で、遠くを見据える老人は作者自身であり、還暦を過ぎ、永く勤めた教職も終え、画業一筋を決意したときの自画像です。仁平にとって人物画は数少なく、本領は風景画にあるといえますが、ここにみられる重厚で的確な描写からは決意を秘めたまなざしを感じることが出来ます。
戦後の社会情勢に肉迫したシュールレアリスム的作風から、今日よく知られるノスタルジックな詩情あふれる風景画までの、森本仁平の画風の広がりを、ぜひご覧ください。
(チラシより)-----
友の会の会員になった石川県立美術館に所蔵されているというものの、まだ私は観たことがありませんでした。
が、ある人がツイッターでこの展覧会を紹介しており、調べてみたら、にわかに観たくなったという次第。
金沢駅から加賀温泉駅までは普通列車で約1時間。
金沢の人が「加賀は遠い」という理由がわかりました。1時間あれば、富山(県庁所在地の富山市)まで行けます。。
でも観に行ってよかったです。
私の好きな画家になりました。作風が変わる前の作品も、変わったあとの作品も好きです。
また石川県立美術館のコレクション展で出会えるのを楽しみにすることにします。
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