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大河ドラマ「風林火山」が面白くなってきた。信玄なんて大して興味がないんだけど、時代的にかなり身近だし、とにかく脚本がよくできてる。歴史の大枠の流れがあって、けっきょくそれは、人間の場当たり的な思いつきとか、そのとき発揮される土壇場の力とか、その能力の格差とか、人と人の信頼関係とか駆け引きだとか、そういうある意味普遍的なことの積み重ねがその流れを束ねているんだということを納得させる。「うーん、そうだったんか。やっぱりなー」みたいな感じ。物語性といえばそういうことなんだけど、騙されてもいいくらいの説得力。アーカイブスのフィルムセンターで遊んでいるとき、なんで大河が好きなんだろうという話になって、まあ、子供の頃はほとんど家の習慣で見ていたようなものなんだけど、やっぱり全国の人たちが掛け値なく見ているわけだから、少なくとも手を抜いてないというのがわかるんだよね。総力結集、てほどではないだろうけど、脚本とか意匠とか衣裳とかにも「見ていただくんだ」という意識が働いている。一時期迷走したこともあったけど、ここへきていい意味の開き直りが出て、とりあげるテーマも共感できるものを極力選んでいる。新撰組とか義経とか一豊の妻とか(すみません、武蔵は…)。あとキャストですね。歴史モノなので人の出入りが激しくて、主役陣はともかく一回こっきりの出演というケースも多い。その中で、ほんの1シーンでも釘付けにさせるような力量の役者を、よくまあ見つけてくるんだ。「あれ、これ誰?」と思うんだけど、なにしろ1シーンだから追いかけることもできず、ずっと後になって、どこかの劇団の芝居で知ったりする。要するに、ギャラが少ないから、でかい事務所の名の売れたタレントばかり使ってられないわけで、たぶん役柄に合った人間を見つけようと、スタッフも必死なんだと思う。演じるほうも故郷に錦を飾るってことで、力の入れようはハンパじゃない。全国放送だもの。「母ちゃん、ちゃんとやってるぞー」って感じ。確かにちゃんとやってる。お笑いだって、ちゃんとやってる。モチベーション高い。民放ドラマにはそれがない。この壊滅的な事態をみると、もうね。涙が出ますよ。デジタルなんかにする前に、局数減らして淘汰してほしい。どっち見てる?けっきょくスポンサー見てるんだよね。同じような顔揃えて、同じようなテーマで、たった1コのセリフなりエピソードなりをこねくりこねくり、気がついたら11回。本人たちはこんなものを面白いと思って作ってるんでしょうか。これじゃ、TKの打ち込み音楽と同じ。最近はバラエティすらNHKがヘンなことになっていて、身動きとれない。そういえば日曜はアーカイブスで、笠智衆の「今朝の秋」。秀逸。加賀美さんの語りも秀逸。大河のナレーションにつづいて癒される。とはいえ、多少は気になっている連ドラもある。CX「わたしたちの教科書」の菅野美穂の動向。日テレ「セクシーボイスアンドロボ」の大後寿々花。これについては後日。「時効警察」はやけくそで終わってしまった(涙)。って、偏ってるのはこっちか。それから、NHKにお願い。HPの人物相関図を定期的に書き換えてくれませんか。タイトルバックじゃ年寄りは追いきれません。新撰組なんか、後半ほとんど死んでたぞ。これだけは民放に軍配。「華麗なる一族」も、それだけは素晴らしかった。
2007.06.12
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「せか中」再放送が、また始まった。月~水の25:59~(おそっ)。何度もいうけど、これほどていねいに作られたドラマは、ここ何年も見たことがないと思う。第4回のキーワードは「あの世」。アキとサクが無人島で一夜を明かすとき、アキはもう自分が尋常でない病気だということを薄々わかっていて、後ろを向いたままサクにたずねる。「あの世って信じる?」。サクはバリバリ夢見ぃだけど、アキは現実派なので、信じない。「あの世っていうのは、残された人が願ってつくったもの」。こんなふうに、毎回毎回、たたみかけるように伏線が敷かれていく。ほかのアイテムもセリフも、みんなそうだ。ラストに向けて周到に置かれた布石が、どんなに小さくても後で必ず光を放つようにできている。たとえば、サクの父親(高橋克美)が、薄毛の頭をブラシでポンポン叩きながら「それって生えるの?」とサクに聞かれて、「失われたものは戻らない。だから、残されたものに頑張ってもらわないとな」と答えるとか。いやギャグじゃなく。いや、こんときはギャグだけど。とにかく真っ向勝負なんだ。これでもかっつうくらいに直球勝負。それが臭くない。臭さすれすれのところで、バシッと入る。生きることと死ぬこと。若さと成熟、血のつながり、生まれること、愛すること。普遍的な問いをばらまいて、見る者を置き去りにしながら、着実に前へ進んでいく。いまはまだ二人とも青春真っ只中で、まさかそれがアキの死に向かっているとは思っていないわけだけど。最初見たときはとにかくわからなくって、いや、お約束だとわかってたんだけど、いくらなんでも着地点が疑わしくて、「どうするつもりだ」という感じだった。何度も見るうち多少安定して追うことができるようになったけど、それがまた考える要素をかえって増幅させる。見る側にこれほど投げかけの多いドラマも珍しい。だからこそ何度でも味わえる。見るたびに新しい発見がある。登場人物たちは一人残らず各々の実人生を生きていて、互いにかなり濃密に向き合っている。その分、こっちが受け取る情報量は少ないんだけれど、それがむしろ置き換えを可能にさせる。誰の想いにも寄り添えるわけです。役者たちも、演出の強固な意志に応えてるから偉い。残された者の喪失感って、それぞれすごく多様でしょう。大きさも違うし、深さも違う。それをドラマは、それぞれのかたちに則して丁寧にすくい上げる。誰かの心の空洞を埋めることで、自己を癒すことができる。己れの誠実さに驚いて、また救われる。これは再生と成長の物語だ。昔はあったのかもしれない。だからドラマ好きになったはずなんだ。けど、こっちが未熟だったから、おそらく取り逃がした部分も多くて、気づいたときには肝心のドラマのほうがしょうもない方向へ行っていて、取り返しがつかなくなっている。このトシで、こんなドラマの見方を初めて知った。堤さんも、行定さんも、頼むからドラマを見捨てないでほしい。今クールを見ても悲惨だもの。ゴールデンは散々でマシな番組は深夜に集中。おまけにせか中じゃ、ますます寝不足。あと「プリズンブレイク」も困りますから。
2007.06.06
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