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Contingency Contractについて。交渉時に、将来の価値について見解相違が生じる場合がある。例えば、売り手がテレビ番組を売ろうとしているときに、両者で以下のような確率を予測しているとする(視聴率は大きいほうがよい)。視聴率 売り手 買い手15%-20% 10% 20%20%-25% 10% 50%25%-30% 10% 10%30%-35% 50% 10% 35%-40% 20% 10%この場合、お互いそれぞれ根拠を持っているであろうから、両者歩み寄るのは非常に難しい。そこで、Contingency Contractを結ぶ余地が出てくる。つまり、お互いが自分の考える方に賭けをして、結果を踏まえて最終価格を決めるという方法だ。例えば、もし視聴率が25%以下であったなら売り手は1億円を買い手に支払い、30%以上であったなら買い手は売り手に1億円を支払うようにする、などとしてしまうのである。こうすれば、売り手から見ても買い手から見ても1億円を支払う確率は20%、1億円を受領する確率は70%であり、取引は成立するはずだ。このようにContingency Contractは、しばしば不毛となる将来の予測に関する議論を、お互い自分の信じる将来に賭けをするという形に変え、結果に対するリスクをお互いシェアするとともにいい結果を出すインセンティブを増加させる(上記売り手の場合)という効果をもたらす。また、相手が効果に関して嘘を言っている場合にも有効な対応策となるであろう。しかしながら、このContractがうまくいくには、交渉相手同士がうまくコミュニケーションを取っていて、かつここで合意した条件が将来きちんと履行される保証があり、結果が明快に計量可能な形でないとうまく行かない。また、相手が自分より情報を持っている場合、或いは自分がこの賭けに負けることが出来ない場合などは避けるべきであろう。私は、プロレスの売り興行で、この方式が使われていたら面白いと思うのだが、実際はどうなんだろう。つづく
January 20, 2006
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今日は、交渉中の相手との見解相違について。交渉中は、以下ような見解相違が発生する。1.項目ごとの優先順位の違い2.将来の出来事に関する見方の違い3.リスクに対する考えの違い4.スケジュール感に関する考えの違いなどなど、たくさん出てくるであろう。交渉は相手と見解が違うことにより合意に達することが出来るという側面があるので、優先順位の違うものをやり取りしたり、新しい問題を追加してお互い納得出来る条件で合意出来たりもする。もし自分が譲歩する場合には、自分の譲歩と相手の譲歩のバランスを取っていくことも重要である。繰り返しになるが、相手の考えを知る(或いは相手が嘘をついていることを見破る)一番いい方法は、MESOs(複数の問題に関して、自分にとっての価値が大体同じくらいになり、かつ自分が目指すターゲットを上回るコンビネーション)が非常に有効である。しかし、しばしば将来についての見解が違う事態が起こりうる。例えば、売り手がテレビ番組を売ろうとしていて、買い手が考える視聴率よりも高い視聴率を主張している場合などである。この場合、Contingency Contractと呼ばれる条件を加えることにより、両者納得のいく形で合意することも可能だ。Contingency Contractの詳細は明日に。つづく
January 19, 2006
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前回までは一般的な交渉の話をしていたが、今日は交渉後に使えるテクニックを。交渉が一度終わった段階で、実は両者にとってもっといい条件がありうる場合がある。これは、必勝交渉術(8)で述べたパレート最適になっていない段階で両者合意してしまった場合に、両者もしくはどちらか一方にとってよりよい条件が有り得る、ということである。このような場合、一度合意した条件を変更して、Post-Settlement-Settlement(合意後の合意)を行う余地がある。つまり、握手をした後に、お互いの手の内を明かし、もっといい条件で合意することが出来る。しかし、当然のことながらそれまでの交渉の雰囲気もあるだろうし、かつ交渉が終わってすぐにこの話を持ちかけないと(しかも、こうすればあなたはもっといい条件になるのではないか、というように相手の立場に立って話を持ちかけるのがいいであろう)、タイミングを逃してしまう。私は、交渉のときに相手が頑なでにっちもさっちも行かなくなったときに、Post-Settlement-Settlementを期待して、あえて厳しい玉を投げて、予想通り交渉が決裂した後に、すかさずPost-Settlement-Settlementを持ちかけたということが、一度だけある。この時は、相手のReservation Priceをある程度読みきっていたことにより、相手が固執している条件は最終条件ではないであろうということが分かり、かと言ってここで我々が厳しい条件を出したら、向こうも今までの流れで折れるわけには行かず交渉決裂させてしまうであろう、という状態だったのである。そこで、一度交渉が決裂した後に、すぐその場で雑談風に相手と条件についてもう一度話し始め、お互い交渉決裂より好ましい条件で合意出来ることを確認して、最終的に交渉はうまくまとめることが出来た。計画してPost-Settlement-Settlementを行っても必ずしもうまく行くわけではないであろうが、交渉が終わった後でお互いこれよりもっといい条件で締結出来ないであろうかと考えることは意味あることではないかと思う。つづく
January 18, 2006
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ちょっと時間が経ってしまったが、必勝交渉術(10)のつづき。なかなか相手の優先順位が分からない場合には、複数の問題に関して、自分にとっての価値(スコアリング・システムによるスコア)が大体同じくらいになり、かつ自分が目指すターゲットを上回るコンビネーションを相手側に提示する、という戦略(MESOs=Multiple Equivalent Simultaneous Offersと呼ばれる)が非常に有効である。これにより、相手がどのオファーを好むかによって、相手にとってどの部分に関する妥協が受け入れやすいか、どの部分が重要か、などの情報を得ることが期待出来る。MESOsは、非常に強力な手法であるが、いくつか難点がある。まず、実際にやってみると分かるが、自分のMESOsを作るのに結構面倒だということである。これは、時間をかけてやるしか方法がないが、その価値は十分にあるであろう。次に、折角自分の作ったアイデアだということで、交渉中にそのアイデアに固執してしまう場合がある。交渉が込み入ってきたら、常にスコアリングシステムに戻って、自分にとってどれくらいの価値があるか確認することが重要だ。また、MESOsを自ら公開することによって、相手に自分の情報を出す、というリスクもある。しかし、相手がきちんと交渉に乗ってきているのであれば、話は前に進むであろう。きちんと雰囲気を見極めることが重要である。最後に、MESOsを提示したとき、相手が都合のところの条件だけを取り出そうとすることが有りうる。パッケージディールだということを明確にすることを忘れないようにしなくてはならない。つづく
January 17, 2006
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明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。大晦日は、ずっとPRIDEを見ていたが、6時間近く見ていても全く飽きの来ない非常にいい大会であった。その中でも、吉田対小川は試合前から騒がれていたが、大物日本人対決はやはり盛り上がりますな。しかしながら、この試合を通じていろいろなことを感じてしまった。まず、試合に対する覚悟がやはり吉田の方が全然上であったということだ。試合前のニュースでは、小川は格闘技からの引退を示唆していたらしい。この時点で何となく小川は勝てないのだろうな、という感じがしていしまった。また、当初の試合発表の会見での2人のやり取り、前日の選手全員の会見(選手は出席を義務付けられていたらしい)を小川が欠席したこと、などを見ても、小川が何だか吉田と向き合うのを拒否しているような感じがしてしまった。小川はチキンである、というように言われていたが、今回の一戦では吉田の男らしさが光る一方、小川はあまり輝くことが出来なかったのではないかと思う。最後のマイクパフォーマンスは小川らしくてよかったが、一方で「俺は試合では勝負していなくて、こういうパフォーマンスで勝負しているのだ」というような感じもしてしまった。やっぱりプロレスと格闘技というのはそもそも勝負しているところが違うのであり、この2人は最後までうまく噛み合っていなかったのかなと(いろんな見方があるだろうけど)。しかし、PRIDE、K1ともに盛り上がっており、これはプロレスが世間に入り込む余地というのはなかなかないのだろうなということを痛感した。だって格闘技の方がどう考えても面白いから。試合の煽りとか選手のキャラクターとかプロレスが得意としていたことも含めて。プロレス界は何で勝負していったらいいのか、ということをもっと考えた方がいい。例えば、新日本プロレスが売りにしている(していた?)ストロング・スタイルというのは、PRIDEなどを見てしまうと最早あまりアピールしないということは明白であろう。やはり、ハッスル、ドラゴンドアなどのように新しいことをやっていくのがこの時代にあっているのだろう。
January 2, 2006
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