ラムについて 0
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【BB&R バルバドスラム2010 Selected by Bar Lamp】BB&Rバルバドス2010バルバドス:フォースクエア蒸留所のラム、東京にあるラム愛好家の聖地、ラム専門バー「Bar Lamp」の中山氏によるセレクトです。ラベルによると、2010年蒸留、2022年ボトリング、度数50.1%、カスクはホグスヘッド、フィニッシュは無し、とのことです。注目すべきは輸入元による日本語表記ラベルで、カスクのホグスヘッドはソーテルヌカスクだそうなのです。そう、以前飲んだBB&Rの似たようなスペックのやつはソーテルヌカスクフィニッシュでしたが、今回のはなんとソーテルヌカスク熟成品なのだそうです!驚きの1本です。販売サイトの説明文でも「ソーテルヌカスクで熟成」と書いてありましたが、正直言って間違えてるのだろうと思ってました。だって蒸留年が同じ、ボトリングは発売時期からして順当に1年遅れ、度数はほぼ同じ、しかもフォースクエアでは珍しい(フォースクエアオフィシャルでソーテルヌカスク熟成品はおろか、ブレンドとしても使用されたものは無かったと思います)ソーテルヌというワード入りなので、僕以外にもそう思った人はいるのではないでしょうか?そんなわけで興奮気味に飲み始めます。香りはやはりソーテルヌ感が高く、いつものフォースクエア風味であるココナッツアイスクリームの感じに、外国の花から外国のミツバチが集めた蜂蜜、桃やネクタリン的なフルーツ感、ライムやレモン系統の爽やかさが明確に感じられます。飲んでみると、以前のソーテルヌカスクフィニッシュのやつよりも濃厚でコク深く、フォースクエア感が強めに感じられます。もちろん蜂蜜、レモン、フルーツとかのソーテルヌ風味ははっきりとあって、あくまでもソーテルヌカスクフィニッシュのやつと比べると、ということですが、僕は今回のやつの方が濃厚さといい、バランスといい、優れていると思いました。もちろん、好みの問題だし、なんといっても僕のいい加減な記憶を基にしての話しなので、実際はそうではないかもしれません。それにしても不思議なのはBB&Rのラベル表記です。「カスク:ホグスヘッド」という表記だけで、このラムの最も大きな特徴であるソーテルヌについては何も書いてないのはなぜでしょう?輸入元の日本語ラベルが無かったら、誰が見てもベーシックなバーボンカスク熟成のフォースクエアラムだと思うに違いありません。で、飲んだみたら誰が飲んでもソーテルヌ風味なので、クレーマーの餌食になるだけだと思うのですが・・・僕の知らない表記ルールがあって、これだとソーテルヌに決まってる、ということになっているのかもしれませんが、みなさんはご存じでしょうか?【僕の評価】5段階中5+バルバドス ラム 2010 11年 フォースクエア ソーテルヌカスク 50.1% 700ml BB&R【SELECTED BY Bar Lamp】ベリーブラザーズ&ラッド価格:21,450円(税込、送料別) (2023/8/14時点)
2023.08.26
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【プランテーション ガイアナ2007】プランテーション ガイアナ2007ガイアナのラムです。僕の中でプランテーションのガイアナと言えば、シングルカスクコレクションの「ガイアナ2008」が思い出されます。マロンペースト入りのデメラララムといった感じで凄く美味しく、日本国内ではまだ流通があるので、僕はまだ未開封のやつを1本キープしてるほど大好きなラムです。今回のやつはヴィンテージコレクションというカテゴリーで、フェランカスクによるダブルエイジングのみ。発酵は1週間で、2007年蒸留、2022年ボトリング、蒸留はポートモーラント・ポットスティルとコラムスティル、バーボンカスクでのトロピカルエイジング13年、フェランカスクでのコンチネンタルエイジング2年、度数51.0%、というスペックです。香りは「2008」系統で、エルドラド15年やパッサーズほどポートモーラントすぎない、クセの無いデメララといった感じ。甘くコク深い黒糖キャラメルにクローブ、シナモンが少し溶け込んだあの香りが力強くあって、その他の要素は控えめです。フェランカスクのフルーティーさもそれほど感じられません。飲んでみても同様で、風味的には黒糖キャラメルとクローブなどの微量スパイス、少し蜂蜜やある種の花、チョコレートっぽさも感じられます。全体的にはオイリーで厚みのあるリッチなボディで飲みごたえ抜群。革製ギターストラップやメントールなどの一部のデメララにある(と僕は思います)クセがないので、濃厚なのに飲みやすく、僕はとても気に入りました。「2007」の方が栗要素のおかげで風味的には複雑なのですが、ラムそのものは今回のやつの方が上等な気がします。熟成年数がこちらの方が長く、度数もこちらの方が高いので、そういうのも影響してるのかもしれません。やっぱりガイアナ:デメララって美味しいな、と思った1本でした。【僕の評価】5段階中5+プランテーション ガイアナ 15年 2007 ヴィンテージラム 正規品 51.0度 700ml価格:9,680円(税込、送料別) (2023/8/6時点)
2023.08.18
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【ヴァリンチ&マレット オーストラリアンラム12年】ヴァリンチ&マレット オーストラリアンラム12年オーストラリア・クイーンズランドのラムです。最近気に入っているオーストラリア・ビーンリー蒸留所のラムは、オフィシャルは日本で手に入らないので、ボトラーのやつを飲んでいます。今回のヴァリンチ&マレットのやつは蒸留所名は書いてないのでビーンリーのラムかどうかわかりませんが、ボトラーのやつは全部ビーンリーだからこれもビーンリーだろうと思って買ってみました。オーストラリアにはビーンリー以外にも幾つかラムの蒸留所があるようですが、どれも日本には入ってきてないし、ボトラーものも見かけないので、今のところ僕にとってはオーストラリアンラム=ビーンリーです。さて今回のやつはビーンリーなのでしょうか?蒸留は2007年・ポットスティル、2020年ボトリング、トロピカルエイジング10年、コンチネンタルエイジング2年、カスクストレングスで度数54.8%、というスペックです。グラスに注いだ時点の香りでビーンリーだなと思いました。他のオーストラリアンラムがビーンリーと同じような香りかもしれないので断定はできませんが、ここまでビーンリー的ならそうだろうと思います。プラムやある種のメロン、焼いた黄桃などの濃いフルーティーさと、カカオ、若干のナッツ的な感じもあります。飲んでみてもビーンリーだとしか思えません。キャラメリゼした完熟フルーツの深い風味と濃縮チョコレート溶液、バニラも感じられます。全体的に重厚で、カスクストレングスということもありますが、とても飲みごたえがあります。カスクストレングス54.8%でも飲みやすく、水を入れたくなることは無いと思います。このヴァリンチ&マレットのやつが優れているのだろうと思いますが、人気のあるラムの産地として、バルバドスやガイアナ、マニアにはジャマイカと同列の(僕としてはバルバドスの次か同じくらい)、オーストラリアはもっと注目されていもいいのではないかと思います。いや、オーストラリアのラム全部がそうなのかはわからないので、オーストラリアのビーンリー蒸留所のラムがそう、だとしておいた方がいいだろうと思います。とにかく、ウマい。【僕の評価】5段階中5+オーストラリア 12年 2007 ピュア シングル ラム (ヴァリンチ&マレット) 54.8度 700ml価格:16,130円(税込、送料別) (2023/4/21時点)
2023.04.29
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【ブリストル クラシックラム バルバドス14年 for Shinanoya」ブリストル クラシックラム バルバドス14年バルバドス・フォースクエアのラムです。英国のボトラー ブリストルスピリッツ社の製品で、有名な「信濃屋」さんのプライベートボトルです。ラベルには「バルバドス蒸留所」と書いてありますが、そんなの無い(たぶん)し、信濃屋さんのサイトではフォースクエア蒸留所のラムです、と記載されています。シングルカスクでカスクストレングス60.1%。2022年ボトリングの14年熟成です。香りはチョコレートやバニラ、オークなど、お馴染みの要素に加えて、針葉樹の樹脂、雨上がりの森、革のギターストラップ、ネクタリンなど、これまでにない感じもあります。味わいにも、ビターチョコレート、バナナ、木の器に入れたバニラココナッツアイスクリーム、だけでなく、キャラメリゼした桃系フルーツ、外国の花から集めた蜂蜜、外国の森、のような、一般的なフォースクエアにはない風味も感じられます。とても濃くて重く、複雑で後味も長く感じます。フォースクエアオフィシャルよりも強力な一本で、他の蒸留酒マニアにもアピールする力強さを備えた、上級者向け的な味わいだと思います。ウイスキーエクスチェンジのプライベートカスクセレクション・エリジウムと系統的には似ている(味・風味はかなり違います)かなという印象です。マウントゲイXOとマウントゲイ・アンディーンオークカスクほど大きな違いがあるわけではありませんが、違いの方向性としてはそれ系で、例えばシングルモルトウイスキー愛好家の方々からは絶賛されるのではないかと思います。こういうのは数ヵ月後に大きく変化する可能性があるので、ゆっくり飲んでいこうと思います。【僕の評価】5段階中5
2023.04.22
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【トランスコンチネンタル ラムライン オーストラリア2014】LMDWトランスコンチネンタルラムライン オーストラリアオーストラリアのラムです。僕的に最近注目しているビーンリー蒸留所のラムです。ここ数年、幾つかのボトラーが出してきているオーストラリア:ビーンリー蒸留所のラムですが、今回は信頼のブランド「トランスコンチネンタルラムライン」からのものです。フランスのラ メゾンデュウイスキー社がボトラーとしてリリースしているラムブランドで、これまでも幾つかのラムを飲みましたがどれも素晴らしく、しかもちゃんとトロピカルエイジングとコンチネンタルエイジングの年数が表記されているところがエライと思います。そんなのどっちでもいいという考え方もあるとは思いますが、トロピカルエイジングとコンチネンタルエイジングの差は当然あるし、書いてないより書いてあった方がいいに決まってる、と僕は思います。それをちゃんと明示しているボトラーは、このトランスコンチネンタルラムラインとプランテーションが筆頭でしょう。今回のやつはトロピカルエイジング5年、コニャックカスクでのコンチネンタルエイジング2年の合計7年、蒸留はポットスティル、度数48%というスペックです。香りはプラムとグレープ、メロン、キャラメリゼされた黄桃、黒糖など、とても濃いフルーティーさが印象的です。香り自体とても豊かで濃厚。香りの時点で満足できるほど。飲んでみると、やはり凄くリッチです。丸くて太くて滑らかで、ポットのクセがなくて飲みごたえがあるのに飲みやすい。完熟プラムとチョコレート、濃厚な品種のグレープ、焼いた桃、黒糖ミルクキャラメルなどの風味が濃く感じられ、とても満足感のある味わいだと思います。総合的に、これまで飲んだビーンリーの中ではケイデンヘッド版やケーンアイランド版に勝るとも劣らない素晴らしさです。スペック的には、前回飲んだシャトーデュブルイユのやつと似たような感じなのですが、こちらは非常にリッチで濃い口、そしてズッシリした重量感が感じられ、シャトーデュブルイユの端麗さが際立ったスタイルとは真逆な印象を受けました。今回のコレといいケーンアイランドのやつといい、比較的熟成期間は短めなのに、この美味しさは驚きです。ケイデンヘッドやプランテーションのやつは10年オーバーですが、それらに勝るとも劣らない、この円やかな味わい・豊かな風味・グッと来る濃縮感は素晴らしいと思います。【僕の評価】5段階中5+オーストラリア 7年 2014 トランスコンチネンタル ラムライン 48度 700ml価格:6,750円(税込、送料別) (2023/3/25時点)
2023.04.08
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【ケーンアイランド オーストラリア】ケーンアイランド オーストラリアオーストラリアはビーンリー蒸留所のラムです。最近気に入ってるビーンリー。前にバルバドスが美味しかったボトラーズ「ケーンアイランド」のバージョンです。熟成年数4年、ポットスティル、度数43%というスペックです。なかなかの短熟ものですが、色は濃いめ。香りはモロにビーンリー。プラムやメロン的なフルーティーさがメインで、その奥に香ばしいカラメルやカカオが感じられます。ポットの力強さとファンキーさが感じられますが、不快な要素はありません。飲んでみるとアルコール刺激はほぼ無く、キャラメリゼされたフルーツ(プラム、メロン、グレープ)と、キャラメリゼされてない同じフレッシュフルーツ、バニラ、ミルクチョコレートなどの風味が濃くあり、はっきりした重量感が相まってとても満足感のある味わいです。熟成年数4年とラム的にはかなり短熟ながら、それを感じさせない見事な出来栄え。ケーンアイランドが凄いのかビーンリー蒸留所が凄いのかはわかりませんが、どう考えても(飲んでも)、1桁熟成年数のラムとは思えません。買って良かった。これをこの値段で出すケーンアイランドに感謝の念を抑えられません。前回のシャトードゥブルイユ:ラムエクスプローラ・オーストラリアは、コニャックカスクでの2次熟成を経て素晴らしいアレンジバージョンを完成させていましたが、今回のケーンアイランド・オーストラリアは細工無しの直球勝負。オーストラリア・ビーンリー蒸留所のラムを試してみるには、価格的にも最適な1本だと思います。そしてビーンリーが好きになる、のではないかと思います。というか、もうこれでいい、という気がしてくるほど気に入りました。【僕の評価】5段階中5+ケーンアイランド オーストラリア 4年 シングルエステイト ラム 43度 700ml価格:4378円(税込、送料別) (2023/3/8時点)
2023.03.31
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【シャトー ド ブルイユ ラムエクスプローラー オーストラリア】ラムエクスプローラー オーストラリアオーストラリア:ビーンリー蒸留所のラムです。まだまだマイナーっぽい印象のオーストラリア産ラムですが、僕は最近注目しています。ビーンリー蒸留所はオフィシャルのラムを出していますが、残念ながら日本には入ってきていません。そこで各ボトラーの出番となるのですが、ガイアナ(デメララ)やジャマイカのラムは、もうイヤというほど各社盛んにリリースしている一方、オーストラリア:ビーンリー(他にもオーストラリアにはラム蒸留所があるようです)のラムはまだまだ少ない印象です。生産量によるものなのかはわかりませんが、それでも幾つかのボトラーからはリリースされています。最初に飲んだケイデンヘッド・グリーンラベルのやつで僕はビーンリーにハマり、それからプランテーションのやつもとても美味しかったのですが、それ以来飲んでませんでした。今回カルヴァドスで有名な、シャトー ド ブルイユが出してる「ラム エクスプローラー」というシリーズにオーストラリアンラムがあることを知って買ってみました。どんな感じでしょうか。熟成年数は5年で、数か月コニャックカスクで追加熟成させているとのこと。プランテーションとほぼ同じプロセスですが、熟成年数自体はかなり短めですが、それだけにかなり安価な価格設定になっています。色は薄めで少しオレンジ色っぽい感じがします。香りは爽やかなグレープやプラム、ネクタリンなどの感じがいっぱいで、黙って出されたら何かのブランデーかと思うほどのフルーティーさ。キャラメルやバニラの感じもありますがフルーツ感が前面に出ていて、端麗ビーンリー、フルーツ強化バージョンといった感じの素敵な香りです。飲んでみてもそんな感じで、フルーティーさが支配的。ポットスティルのクセとも感じられる風味(ポットだけとは書いてありませんが)が上手く抑制されているので、とても飲みやすく、2次熟成とブレンドの巧みさが感じられます。淡麗過ぎるとも思えますが、ビーンリー風味に拘らず、飲みやすくてフルーティーなラムとしては、すごく見事な出来栄えだと思います。「~樽熟成とブレンド技術を活かして」と豪語するだけのことはあるな、と思いました。熟成年数の短かさに少し不安がありましたが、とても飲みやすく、飲みだすと止まらない系で、みるみる減っていきます。味わいと価格比的にとても気に入ったので、常備ラムの一つに追加決定。買ってよかった。【僕の評価】5段階中の5シャトー ド ブルイユ オーストラリア (ビーンリー アーティサン蒸留所) ラム エクスプローラー 43度 700ml価格:4370円(税込、送料別) (2023/3/8時点)
2023.03.10
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【ダンカンテイラー クオーターデッキ バルバドス フォースクエア16年】ダンカンテイラー フォースクエア16年バルバドスのラムです。ダンカンテイラーはスコッチのボトラーですが、ラムも扱っているというボトラーズ・ラム的にはよくある感じの会社のようです。今回のは僕の好きなフォースクエア蒸留所のラムで、2005年蒸留で2022年ボトリングの16年もの(トロピカルエイジング、コンチネンタルエイジングの各期間は不明)、シングルカスク、カスクストレングス50.2%というスペックです。フォースクエアのオフィシャルが入手できなくなっているので、最近は仕方なくボトラーのものを飲んでいますが、僕は大きく2種類に分類しています。ポット比率が高い濃厚系と、コラム比率が高い端麗系です。どちらも美味しいのですが、前者の濃厚系がフォースクエアオフィシャルに近く、僕はよりそちらが好みです。これまで飲んだ中で該当するのが、トランスコンチネンタルラムライン バルバドス2005とキングスバリー フォースクエア15年、ワットラム フォースクエア13年の3本、それにカスクストレングスではありませんがBB&R バルバドスラム12年。これらはフォースクエアオフィシャルのエクセプショナルカスクに匹敵する素晴らしさでした。さあ、今回のダンカンテイラーはどうでしょうか。香りをかいでみると、大いに期待できそうな感じです。ナッツやココナッツなどの基本要素が明確にあり、香りそのものも濃厚。オークの感じもばっちりです。飲んでみると、カカオ比率が高いダークチョコレートの風味が最初に感じられ、それからすぐに常温ココナッツアイスクリームとナッツ、それに甘酸っぱい焦げオークのオレンジピール風味が、口の中~鼻~おでこあたりまで充満してきます。とても美味しい。「フォースクエアオフィシャルのエクセプショナルカスクシリーズが手に入らなくても、これがあれば大丈夫」系の素晴らしいラムだと思います。エクセプショナルカスクのカスクストレングス/バーボンカスク熟成品とはどこか風味バランスが違うような気がしますが、フォースクエアのニューモデルですよと言われたらすぐ笑顔で納得するであろう秀逸な風味です。ちょっと高いけど、その価格に見合う美味しさだと思います。買ってよかった。【僕の評価】5段階中5++【国内限定36本★シナモンシュガー、チェリー、リコリス、フルーツガム、ウッディさ】フォースクエア(バルバドス) 2005 16年 ダンカンテイラー 50.2% 700ml価格:23980円(税込、送料別) (2023/1/13時点)
2023.02.18
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【ヴァリンチ&マレット フォースクエア16年】ヴァリンチ&マレット フォースクエア16年バルバドスのラムです。ボトラーズブランドのフォースクエアラムです。フォースクエア蒸留所のやつばっかりで飽きないかと思われるかもしれませんが、全然飽きません。僕的にフォースクエアのラムは、多くのラム愛好家と同様に、星の数ほどあるラムの頂点・最高峰です。もちろんボトラーズブランドのフォースクエアラムの中にはイマイチなやつもありますが、イマイチなだけで不味いということはなく、それは風味全般に不快要素が全然無いというフォースクエアの大きな特徴のおかげだと思います。フォースクエアラムはオフィシャルのエクセプショナルカスクシリーズが頂点で、濃いココナッツアイスクリームとナッツ、程よいオークの風味が大きな特徴で、さらにズッシリとしたコシの強さと飲みやすさのバランスという点でも群を抜いていると思います。ボトラーズブランドの製品は、各風味要素・コシの強さのバランスが様々(主にはポットとコラムの比率、それに熟成年数と熟成場所などで違いが出ると思われます)で、どうしても頂点であるオフィシャルのエクセプショナルカスクシリーズとの比較になってしまうのですが、オフィシャルが一番凄いのをリリースしている以上、それは仕方ないことです。フォースクエアが売ってくれる樽にも制限があるでしょうし(僕ならベストな樽はオフィシャル用として誰にも売らないと思います)、そもそも嗜好品なので最終的にはセンス・好みの問題になると思います。さて今回のヴァリンチ&マレットのフォースクエア16年。ヴァリンチ&マレットは英国でイタリア人お二人がスコッチとラムを扱っているという、よくある感じのインディペンデントボトラーのようです。ウェブサイトによると、トロピカルエイジングが13年、コンチネンタルエイジングが3年とのことです。2005年に蒸留され、2021年にボトリング、288本出荷、アルコール度数は56.7%。非常に高スペックです。香りも味わいも申し分ありません。ココナッツアイスクリーム感の明確さ、コシの強さも最高レベル。間違いなく買って幸せになれる1本だと思います。問題は価格だけでしょう。めちゃくちゃ高いわけではなく、これより高価なラムはいっぱいありますが、やはり高価に感じます。オフィシャルが安価な設定になっていることがその最大の要因なのですが、そのオフィシャルは日本には全然入ってこないし、世界的に人気が高すぎて海外通販でももう入手できないので、もはや適正価格というものが無い状態です。手に入るだけありがたい、といった感じでしょうか。【僕の評価】5段階中の5フォースクエア 16年 2005 ザ スピリット オブ アート リミテッドエディション2022 ラム (ヴァリンチ&マレット) 56.7度 700ml価格:23180円(税込、送料別) (2023/1/10時点)
2023.01.13
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【ブラックアダー ロウカスク バルバドス フォースクエア11年】ブラックアダー フォースクエア11年バルバドスのラムです。インディペンデントボトラーのブラックアダー。もちろんウイスキーのボトラーズとして知られているのですが、ラムもいっぱいリリースしています。ウリであるロウカスクというのは「樽から生のまま」ということらしく、カスクストレングスであることはもちろん、フィルタリングされていない証拠のように、樽の焦げた細かい木片までボトリングされています。今回のフォースクエアラムは2004年蒸留、2016年ボトリングの11年モノで度数は62%。トロピカルエイジング、コンチネンタルエイジングの記載は無くて不明です。色はやや濃い目です。グラスに注ぐと、香りはブライトな印象で、キャラメルクリームと焦げオーク由来のオレンジ、バニラ、それにバナナと少しカカオ等が感じられます。フォースクエアの香りですが、どことなく明るく、透明感を感じます。飲んでみると、ボディはやはりやや軽めの部類のようです。キャラメルとバニラ、オーブンで焼いたオレンジにバナナの風味と、澄ましバター的オイリーさが少しあり、それらの全体を覆うようにオーク感が強めに感じられます。総合的には軽めな酒質の強いやつ、といった感じで、濃さとボディの軽さでバランスが取れている、という印象です。インディペンデントボトラーの手法は様々ですが、今回のやつのように、追加熟成や別樽でナントカフィニッシュとかをしていないのなら、やっていることは蒸留所かブローカーから購入する樽のチョイスだけ(ボトリングやラベリングなどの作業はありますが)なので、そういうボトラーズラムを購入するということは、そのボトラーのセンスというか好み・傾向が、自分の好みと合致していれば幸せに、そうでなければオフィシャルを買って飲めばよかった、ということになります。今回僕の場合、フォースクエアのオフィシャルが入手できないのでこれを購入してみたわけですが、フォースクエア風味が楽しめたことで幸せな反面、もっといい樽がありますよね、とも思いました。樽の選択肢には制限があるかもしれないし、コストの問題もあるでしょうから、全てのボトラーズラムが物凄くウマい、とはならないだろうとは思いますが・・・【僕の評価】5段階中の4
2022.12.10
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【ケイデンヘッド フォースクエア11年】ケイデンヘッド フォースクエア11年バルバドスのラムです。2010年蒸留、2022年にボトリングとのことですが、トロピカルエイジング、コンチネンタルエイジングについては記載が無いので不明。度数55%のカスクストレングス、フォースクエアのラムなので、ポットとコラムのブレンドです。香りも味わいも意外にもかなりオークが強く、甘酸っぱい焦げオークの柑橘(オレンジ)、バニラの感じが前面にあるように感じられます。裏ラベルのテイスティングノートにも書いてあるように、さっぱりしたレモンクリームや透明感のあるカラメル、フルーツジュース的な感じが強く、いつものフォースクエアとは少し違った感じ。度数なりの飲みごたえはあるものの、まったりした感じがあまりなく、ナッツやココナッツの風味も少な目に思えます。例えるなら「1731ファイン&レア バルバドスの高度数バージョン」といった感じです。僕的には最高のフォースクエアラムだとは言えませんが、これは僕がフォースクエアについては評価が厳しい傾向になってしまっているからかもしれません。フォースクエアへの要求値が高すぎ、自分で自分の首を絞めているだけです。【僕の評価】5段階中の4ケイデンヘッド・バルバドスラム・フォースクエア2010/11年 55度 700ml_あす楽平日正午迄_[リカーズベスト]_[全品ヤマト宅急便配送]お家 家飲み価格:10659円(税込、送料別) (2022/12/4時点)
2022.12.04
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【ケーンアイランド バルバドス8年】ケーンアイランド・バルバドス8年バルバドスのフォースクエア蒸留所のラムです。前回のファイン&レアに続いて、安価なボトラーズブランドのロウスペックなフォースクエアラムです。蒸留所でのトロピカルエイジング8年、度数43%。最近よく聞くオランダのインフィニティスピリッツ社の製品で、ここはヨーロッパのラム流通を仕切る(と言われる)巨大卸問屋、E&Aシーア社の小売りブランド会社というような感じらしいです。インフィニティスピリッツ社は、自分用オリジナルブランドを展開しているだけでなく、小売業者にオリジナルラムブランド制作を提供したりもしているようです。ヨーロッパのボトラーズブランドの出どころは、みんな同じE&Aシーア社なのかもしれません。香りは予想を上回る強さで、前回のファイン&レア・バルバドス8年をはるかに上回っています。バニラやココナッツ、ナッツペーストが濃く香り、8年熟成品とは思えません。味・風味も同様で、バニラココナッツアイスクリーム的ふくよかさが顕著。濃厚なまったり感があります。深くにはオレンジピールやオーク、僅かなスパイス感があり、複雑さも後味も申し分ありません。8年熟成で、しかもこんなに低価格でこの味わいは驚きです。もはやRLシールズの代用品としてではなく、このラムとしてウマい。当分コレだな、という感じでした。【僕の評価】5段階中5ケーンアイランド バルバドス 8年 シングルエステイト ラム 43度 700ml価格:4950円(税込、送料別) (2022/11/7時点)
2022.11.19
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【1731 ファイン&レア バルバドス8年】1731ファイン&レア バルバドス8年バルバドス・フォースクエア蒸留所のラムです。RLシールズもドーリーズも売り切れが続いていて、日本のラム需要が如何に乏しいかを感じます。パンペロやフロール・デ・カーニャ、マウントゲイを飲んでいればよい、どうしてもフォースクエアが飲みたいならボトラーズブランドのやつを買えばよい、と言われればそれはそうなのですが、なんとかしたいと思うのが人情というものです。円安で海外から買うのも割高だし、そういえば以前発売されていてなぜか飲んでなかった幾つかのラムを思い出しました。その一つが今回の1731ファイン&レアのバルバドスです。フォースクエアの蒸留所のラムで、最低8年熟成というボトラーズとしてはロウスペックで、その分安価な価格設定になっています。熟成年数的には短めですが、度数は46%で昨今の高度数化に対応しています。色は薄め。香りはRLシールズ系のバーボンカスク熟成タイプ。バニラやナッツ、ココア、ココナッツに若干の柑橘などの典型的なフォースクエアの香りです。全体的にやや淡く、艶が無いような感じですが、まあ許容範囲内。飲んでみると度数なりの刺激があり、まろやかとは言えませんが、まあすぐ慣れる程度です。風味も香り同様に淡いものの、度数なりのパワーでそれを補っている感じで、飲みごたえ的にはまあまあな方だと思います。でもやっぱり味・風味も薄いというか、飲みごたえがある割には物足らないような気がします。総合的に素晴らしいラムだとは思えなくて、RLシールズがあるなら間違いなくそっちを飲みます。ラムとしてはマウントゲイのブラックバレルくらいのレベルでしょうか。次回は同じような安価ボトラーズブランド「ケーンアイランド」のバルバドスを飲んでみようと思います。【僕の評価】5段階中41731ファイン&レア バルバドス 8年 700ml 正規【RPC】【あす楽_土曜営業】【あす楽_日曜営業】【YOUNG zone】【ギフト】価格:5602円(税込、送料別) (2022/11/7時点)
2022.11.11
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【キングスバリー オーセンティック バルバドスラム フォースクエア15年】キングスバリー フォースクエア15年バルバドスのラムです。キングスバリーは英国スコットランドのボトラーで、今回のやつは以前飲んで美味しかったジャマイカのワーシーパーク15年と同じ「オーセンティック」シリーズのフォースクエア版です。フォースクエアの15年モノは珍しいので買ってみました。15年モノといっても、どうせ15年間バルバドスでトロピカルエイジングしたやつじゃないと思います。どこにも書いてないので不明ですが、フルにトロピカルエイジングなら誇らしげにそう書くはずなので、大方ヨーロッパでのコンチネンタルエイジングでしょう。また個人的にバルバドスのラムで一番気になるのは、ポット:単式蒸留器とコラム:連続式蒸留器による原酒のブレンド度合いなのですが、それは完全に不明なので飲んでみるしかありません。フォースクエアでも、RLシールズとかドーリーズはコラム比率が高くて滑らか・飲みやすさが特徴で、エクセプショナルカスクセレクションやリアルマッコイ、シックスティシックスはそれらよりもポット比率が高くて飲みごたえがある印象です。ボトラーズものでは、モルト グレーン&ケーンはフルコラムかと思うほどコラム的で、先日飲んだBB&Rやワットラムのやつはポット多めブレンドに感じました。さ、今回のキングスバリーはどうでしょうか。ここのオーセンティックシリーズはジャマイカ・ワーシーパーク15年が美味しかったので、コレも美味しいだろうと期待しています。度数は59.3度のカスクストレングス。シングルカスクです。香りも味わいも、モロにフォースクエア!オークのボウルに入れたバニラココナッツアイスクリーム感が満点です。めちゃくちゃウマい。香ばしいナッツや柑橘、焦げオークの甘酸っぱい風味もあって、これはもうほとんどエクセプショナルカスクのバーボンカスク熟成カスクストレングス版です。おそらくポット比率もそれくらいだと思います。フォースクエア好きなら間違いない1本。エクセプショナルカスクが輸入されていなくても、これがあればもう大丈夫、という感じです。ま、すぐ売り切れになるでしょうけど。【僕の評価】5段階中5++フォースクエア 15年 2005 バルバドス ラム キングスバリー オーセンティック ラム 59.3度 700ml価格:14520円(税込、送料別) (2022/9/20時点)
2022.10.08
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【ブティックラムカンパニー シークレットディスティラリー#7 バルバドス】ブティックラムカンパニー シークレットディスティラリー#7バルバドスのラムです。 シークレットではありますが、巷のウワサではマウントゲイ蒸留所のラムらしく、21年という長期熟成であることに加えて、「ポットスティルラム」だということが特徴的です。販売店の説明書きによると、6年トロピカルエイジングで残りはコンチネンタルエイジングだそうです。大幅にコンチネンタルエイジングですが、かなりの希少性が感じられるので買ってみました。マウントゲイのポットスティルといえば、僕が先ず思い出すのは、ポットとコラムの2本組で発売された「ザ・コッパースティルス」です。それを最初に飲んだ時は、正直言ってコラムの方が飲みやすく感じました。バナナやカラメル、ナッツなどのバルバドス風味が全開で、このまま売ればいいのにと思ったほどの美味しさでした。ポットの方はコシが強くて飲みごたえがあるものの、酸っぱいメンソール的なポット臭さが感じられ、なるほどこれはブレンドの一部として使うのが適切だなと思ったものです。最近ではマスターブレンダーコレクションの「アンディーンオークカスク」。こちらはアンデスオークカスク効果のせいか、ポット100%なのにポット臭さが感じられず、複雑な風味とコシの強さでとても気に入りました。この他、マスターブレンダーコレクションには「ポットスティルラム」というそのものも発売されていますが、それは僕は飲んだことがありません。本来ならそちらを先に飲みたいことろですが、まあ順番はいいとして先ずはこちらを飲んでみます。今回のやつはカスクについての記載はありませんが、書いて無いということはたぶんアメリカンオーク(バーボン)カスク熟成だと思います。さてどんな感じでしょうか。度数は52.6%。香りはリンゴと青リンゴ、洋ナシ、あまり熟していないネクタリン、蜂蜜、ワサビっぽい感じもあります。コッパースティルスのポットで感じたイヤな感じはなく、とても落ち着いた感じです。飲んでみても、キャラメルやアイスクリームなどのベーシック要素は奥深くに隠れていて、先ずそれを感じることはないだろうと思います。ミント青リンゴシロップというか、リンゴや青リンゴ、ネクタリンなどフルーティーさが支配的で、ハーブやスパイス(カルダモン?)の感じもあり、シンプルな造りのはずがかなり複雑な風味です。このリンゴ系のフルーティーさは「アンディーンオークカスク」で感じたので、それはアンデスオークの効果かと思っていましたが、どうやらそうではなくて、これがマウントゲイのポット風味のようです。ジャマイカのバナナやパイナップル風味みたいな感じでしょうか。全体的には度数の強さもあると思いますが、コシの強さがグッと感じられ、かなり飲みごたえがあります。アンディーンオークカスクと飲み比べてみましたが、やはりバルバドスファンクとでもいうべき共通の風味があります。アンディーンオークカスクの方が明るい感じで一般ウケしそうな風味に思えますが、度数の違い(アンディーンオークカスクは48%)が大きくあるにもかかわらず、こちらブティックのやつの方が落ち着いた感じで、むしろより飲みやすいのではないかと思いました。コンチネンタルエイジングとはいえ、熟成年数の長さが影響しているのかもしれません。アンディーオークカスクを飲む前にこのラムを飲んでいたら、マウントゲイのラムだとは思わなかったに違いありません。それほどマウントゲイXOとは違いが大きく、あらためてブレンドの威力を思い知りました。こういうのはマニア傾向のある人しか買わないでしょうけど、そのマニアには大いにウケるであろう反面、普通の人はマウントゲイXOの方が美味しいと感じる可能性が高い、と思いました。【僕の評価】5段階中5シークレットディスティラリー #7 バルバドス 21年 バッチ1 ブティック ラム カンパニー 52.6度 500ml価格:17230円(税込、送料別) (2022/9/20時点)
2022.09.23
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【ベリーブラザーズ&ラッド バルバドスラム 12年】BB&R バルバドスラム12年英国のベリーブラザーズ&ラッド社によるバルバドスのラムです。蒸留所は不明で、マウントゲイかフォースクエアかウエストインディーズかわかりません。12年熟成ものですが、トロピカルエイジングとコンチネンタルエイジングの比率も不明。でもBB&Rなら美味しいだろうと思って買ってみました。アルコール度数は46%です。色はそれほど濃くはなく、淡い方に見えます。グラスからは、キャラメルとクリーム、ココナッツの香りが届き、これはフォースクエアのラムじゃないか?と思いました。RLシールズより濃く、ドーリーズよりピュアで、リアルマッコイほどオークっぽくなく、エクセプショナルカスクセレクションのワイン系カスクじゃないやつにそっくり。飲んでみて、フォースクエアであることをほぼ確信しました。ポットとコラムのバランスはエクセプショナルカスクセレクションのカスクストレングスっぽく、46%ということで飲みやすい反面、満足できるコシ・重さがあって、ココナッツクリームやナッツペースト、キャラメル、柑橘、程よいオークの風味がたまりません。めちゃくちゃウマい!調べようがないのでフォースクエアじゃないのかもしれませんが、素晴らしいラムだと思います。ウエストインディーズとは思えないし、マウントゲイとは風味の傾向が似ている言えば似ている部分はありますが、やはり違うと思います。やっぱりフォースクエアなんでしょうか。でもフォースクエアは大人気なので、フォースクエアと書いておけばセールス的に有利になることは間違いないので、それならそうと書くはず・・・例によってラベルの上に輸入元のラベルが貼ってあって全然読めない状態でしたが、丁寧にやったらキレイに剥がせました。そしたらなんと!「フォースクエア蒸留所はトップクラスの蒸留所で~」と書いてありました。ラベルの上にラベルを貼るという行為は、消費者を軽んじているとしか思えません。皆さんはどうお考えでしょうか?ま、今回は答え合わせもできてスゴく楽しめたので良かったですけど。【僕の評価】5段階中5
2022.09.17
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【ハンプデン エステート オーバープルーフ】ラ・メゾンドウイスキー&ヴェリエによるリリースの、ハンプデン エステート オーバープルーフジャマイカのラムです。以前飲んだやつの高度数バージョンです。以前飲んだハンプデン・エステートは46%でしたが、今回のやつは60%。46%バージョンでも充分美味しかったのですが、無くなったのでどうせならと思って今回はこちらのオーバープルーフの方を買ってみました。熟成年数は最低7年で46%と一緒。ただ度数が違うだけです。香りはやはり濃厚なフルーティーさが顕著で、熟れたパイナップルに青いバナナと熟れすぎたバナナ、それと濃い紅茶、チョコレートクリームなどの感じがあります。味わいの方は46%バージョンよりもワンランク濃く感じます。それに思ったよりもはるかに飲みやすく、僕としてはこちらの方がイイと思います。今となってはなぜこちらの高度数バージョンを最初に買わなかったのか思い出せませんが、それほどジャマイカンラム慣れしていなかったのでビビったのかもしれません。好みは人それぞれなので、46%バージョンの方が好きな方もおられるだろうと思いますが、46%バージョンとこちらのオーバープルーフバージョンのどちらを買おうか迷っている人に会ったら、僕はこちらをお勧めすると思います。美味しい。【僕の評価】5段階中5ハンプデン ピュア・シングル ジャマイカン・ラム オーバープルーフ 60° 700mlHAMPDEN PURE SINGLE JAMAICAN RUM OVERPROOF 60° 700ml価格:7953円(税込、送料別) (2022/8/4時点)
2022.08.27
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【XM スペシャル 12年】XMスペシャル12年。ガイアナの会社のラムです。XMブランドは謎数種類がラインナップされていますが、いずれも現在は日本に入ってきていないようです。なかなか謎の多いラムです。XMはガイアナにあるバンクスDIHという会社のラムブランドです。販売サイトにもガイアナ産ラムと記載されていましたが、どうやらそうではないようです。ラベルにも「ブレンデッド&ボトルドインガイアナ」と表記されています。ガイアナ産ラムだとは書いてありません。飲んでみても所謂デメララ感は全然ありません。バンクスDIHはかなり昔からガイアナにあって、ラム以外にも様々なビジネスを展開している大きな会社のようです。バンクスDIHは蒸留しているわけではなく、当初からいくつかのラムをブレンドしてXMブランド販売する方式だったようで、今でもそれは変わっておらず、今回のスペシャル12年もラベルにそのように書かれています。ガイアナに幾つもあったラム蒸留所は、時代を経てエルドラドで有名な現在のDDL(デメララディスティラーリミテッド)に統合されます。その過程でXMのブレンドに使われていたであろうガイアナ産ラムは、DDLによって供給されなくなったようです。そのため、ガイアナの会社なのにガイアナ産ラムをブレンドに使っていない(使えない)XMは、「デメララ」を謳うことができないとのことです。でも、まあデメラララムじゃなければいけないということはないので、美味しければ別にどっちでもいいでしょう!度数は40%。香りは蜂蜜と黒糖、バニラ、ココナッツなどのベーシックさがありながら、アニスやフェンネル、ドライフルーツなども感じられ、全体的には複雑な感じです。飲んでみても同様で、風味要素が多くて複雑。チョコレートやキャラメル、ココナッツ、木、ドライフルーツやオーブンで焼いたフルーツ的な風味もあります。ボディは重くはなく中くらいですが、充分な感じ。後味にオレンジと言うよりグレープフルーツのようなフルーツ感がタンニンっぽさを伴って感じられます。総合的に美味しく、ブレンドラムとしてはとても上等だと感じました。デメララじゃなくても全然OK。【僕の評価】5段階中の4.5
2022.07.15
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【フォースクエア エリジウム 12年】フォースクエア エリジウム 12年 ウイスキーエクスチェンジバルバドスのラムです。英国のウイスキーエクスチェンジが販売する、フォースクエア蒸留所の「プライベートカスクセレクション」シリーズ。以前飲んだ「フォースクエア ダイアデム」と同じシリーズです。フォースクエアのラムなので、ポットとコラムのブレンドです。ダイアデムは熟成が基本のバーボンカスクに加えてマデイラカスクが使われていましたが、今回のエリジウムはマデイラではなくてシェリーカスクが使われているそうです。熟成年数は12年、度数60%です。フォースクエアでシェリーカスクというと、メジャーなところではドーリーズXO、エクセプショナルカスクセレクションではプレミスですが、それぞれ熟成年数も度数も違っていて、僕的にはかなり違いが大きいと感じました(僕はドーリーズXOの方が好みです)。今回のやつはどうでしょうか。香りは強く、ココナッツアイスクリーム、キャラメル、オレンジ、ナッツが顕著で、モロにフォースクエアのカスクストレングスの感じですが、奥底にシェリーカスク効果と思われるフルーティーさが感じられます。飲んでみると最初は強さが感じられますが、慣れると香りよりもシェリー(オロロソ?)が明瞭で、でもバニラやココナッツ、アーモンドパウダー、クリームなど他の風味を圧倒することなくバランスの良い構成だと思いました。シェリー感はドーリーズXOやプレミスよりも控えめに感じられます。僕的には今回のエリジウムのバランスの方が好みです。全体的に大排気量エンジンを思わせるハイパワーさで、先ずはそこが一番。次にバランスの良さ、シェリー風味度合いの絶妙さが印象的です。強さに関しては、以前飲んだウイスキーエクスチェンジ・プライベートカスクセレクションのやつと同等で、わざとなのかどうか知りませんが、その均質性に一貫したものを感じました。評価5+
2022.07.09
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【アドミラルロドニー オフィサーズリリース No,1】アドミラルロドニー オフィサーズリリース No,1セントルシアのラムです。セントルシア唯一の蒸留所、セントルシア蒸留所の製品で、同社はチェアマンズリザーブ・ブランドで有名です。アドミラルロドニー・ブランドは近年再編成され、以前飲んだアドミラルロドニー・エクストラオールドは現在のラインナップには無く、熟成年数違いで3つの商品が定番化されています。そして、その3つ以外に毎年リリースされる限定品のオフィサーズリリースがあり、今回のやつがその第一号ということのようです。今回改めてセントルシア蒸留所のサイトを見てみたら(リニューアルされてました)、アドミラルロドニーで使われる蒸留器はツインコラムコフィースティルで、今回のオフィサーズリリースではその最下段のプレートからの蒸留物を使用しているとのことでした。蒸留効率を度外視してコラムスティルの途中のものを使うという、なかなか気合の入った手法です。その後バーボンカスクで13年熟成させ、さらにポートカスクで9か月フィニッシュされているとのことです。もちろんセントルシアでの熟成なので全部トロピカルエイジング、アルコール度数は45%。これは期待できますね。ボトルの口部分に大きなフランジがあって注ぎにくい・・・グラスに注ぐと赤っぽい感じの色です。香りも口当たりもコラムスティルらしくない重さがあります。重すぎない程よいコシがあって、ブドウや柔らかいレーズン、イチゴジャムなどのフルーティーさと、バニラ、チョコレート、蜂蜜、オーク、それに赤ワイン的な風味とタンニン感があります。後味はフルーティーさと若干のスパイス、カカオ感、渋みが適度な長さで感じられます。ポートカスクの効果は絶大で、コラムスティル下段からの風味豊かなベーシック風味に、華やかなフルーティーさが加わって複雑な風味になっています。以前飲んだイングリッシュハーバーのポートカスクフィニッシュでもポートカスクの威力を感じましたが、今回のアドミラルロドニー・オフィサーズリリースは、バーボンカスク熟成によるベース部分の風味がより強く、調和の見事さが際立っていると感じました。【僕の評価】5段階中の5アドミラル ロドニー ポートカスクフィニッシュ 2006 オフィサーズリリース No1 45% 700ml 正規 ラム酒価格:9980円(税込、送料別) (2022/5/16時点)
2022.06.18
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【ハンプデン グレートハウス ディスティラリーエディション 2020】ハンプデングレートハウス2020ジャマイカのラムです。ラム好きだけでなく、他の蒸留酒ファンにも人気があるハンプデン。今回のディスティラリーエディションは、基本的には蒸留所とイベントの時だけに販売される限定品とのことです。ハンプデンはこの特別なブレンドを2019年にリリースして、大人気だったのでそれから毎年出すことにしたそうです。限定品ながら2020年からは一般流通量も増え、2021年版も出ているようですが、今回僕が国内で購入できたのは2020年バージョンです。とても楽しみです。ハンプデンは様々なエステル値のラムを生産していて、それらをブレンドするのだそうですが、今回のやつはエステル値が低いやつ(OWHという符丁)の7年熟成ラムと、かなり高いやつ(C<>H)の3年熟成ラムを8:2でブレンドしているそうです。度数は59%。この貴重なラムが日本で買えるなんて凄いと思います。*輸入元はスリーリバーズさん ありがとうございます!素晴らしい!濃い完熟バナナと溶剤、パイナップル、バルサミコ、カスタードクリーム、ホイップクリーム感が溢れ出る、非常に強い香りと風味です。まるで大柄なオペラ歌手がクライマックス部分を思いきり歌うのを間近で聴いているかのような感じです。ジャマイカンラムに存在する不快要素がなぜか感じられず、ジャマイカンラムの良いところだけを集めて強調したかのような出来栄え。濃く、柔らかく、暖かい。ポットスティル&フル・トロピカルエイジングで、しかも59%という高度数で、魅力を余すところなくボトリングしているという感じです。プリミティブさが却って極端に洗練されているように思える、というような不思議な魅力に満ちています。色んな事情があるのだろうとは思いますが、どうしてこれを限定品に留めておくのでしょう?ハンプデンが営業を再開したのは2010年くらいで、このラムも熟成年数はそれほど長くないみたいなので、どんどん瓶詰めして世界中に出せばいいのに、と誰もが思うことでしょう。【僕の評価】5段階中5++ハンプデン Great House Edition2020 59/700[159186][正規輸入][箱付]価格:13000円(税込、送料別) (2022/5/30時点)
2022.06.10
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【マウントゲイ マスターセレクト 2018リリース】マウントゲイ・マスターセレクトバルバドスのラムです。年一で約1万数千本が発売されるマウントゲイのハイエンドラムで、最低熟成年数10年から最高30年熟成までのブレンドだそうです。もちろんポットとコラムのブレンドで、度数は43%、2018年にリリースされたやつです。昔は「オールドカスクセレクション」という名称で、同じような熟成年数ブレンドのやつがあって、そちらは以前に飲んだことがあります。味や風味を具体的に思い出すことはできませんが、「物凄く美味しかった」ことだけは覚えています。あれから多くの色んなラムを飲んできた現在、今回のやつはどのような印象になるか自分でも興味深いところです。コルクはウッドキャップの中に内蔵されている方式になっています。香りはまったりとしたバターキャラメル。それにバナナ、ナッツ、オーク、柑橘。飲むと、オイリーなナッツペースト、バターキャラメル、バターソテーしたバナナなどの風味があって、口当たりは非常にまろやか。物凄く柔らかくて飲みやすく、いかにも超長期熟成ものがブレンドされている、という感じがします。とても満足できるラムなのですが、ポット比率は凄く高いわけではないように思えます。同じバルバドスのフォースクエア・エクセプショナルカスクシリーズの方がトルクが強い印象で、こちらは、より飲みやすさ重視の方向にベクトルが向いているという感じがします。先日飲んだ「マスターブレンダーコレクション・アンディーンオークカスク」は風味といい、いかにも全部ポットというような重厚感といい、蒸留酒マニアにウケる感じですが、こちらマスターセレクトは誰が飲んでも美味しいと思うであろう、万人向けの高級ラムをめざして作られ、それが見事に成功しているという気がします。とても美味しい。【僕の評価】5段階中の5+ラム マウントゲイ 1703 マスターセレクト 700ml (73798) スピリッツ rum(73-9)価格:9658円(税込、送料別) (2022/4/17時点)マウントゲイ 1703 マスターセレクト 700ml 43度 正規品箱付 Mount Gay Barbados Rum MASTER SELECT バルバドス産 正規品正規品品 正規品 kawahc プチギフト 内祝い ギフト 退職祝い 結婚祝い 新生活 応援 御礼 お礼価格:14799円(税込、送料別) (2022/4/17時点)
2022.06.04
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【チェアマンズリザーブ2009】チェアマンズリザーヴ2009セントルシアのラムです。セントルシア蒸留所の激ウマラム「チェアマンズリザーヴ2005」の新型のようです。チェアマンズリザーヴ2005は限定品ですがロットが大きかったようで、まだまだ国内でも流通があります。美味しさの割にブランドとしてはあまりメジャーではないので、限定品であるにもかかわらずいつでも(いつかは無くなるでしょうけど)買えるという状態は、僕にとっては喜ばしい限りです。2本目が残り1/3くらいになったので、近々また買っておこうと思っています。今回の2009はまだ日本では流通していないようです。さてどんな感じなのでしょうか。2009年にポットスティルとコラムスティルで蒸留したものののブレンドなのですが、熟成は別々に13年、ブレンド後さらに6週間バーボンカスク熟成させたそうです。熟成はセントルシアなので、フルにトロピカルエイジングです。「2005」は別々に4年熟成させたやつをブレンド後に10年再熟成させていたようなので、作り方は違っているようです。度数はどちらも46%と同じです。香りはカラメルとカカオ、青リンゴ、それにチェアマンズリザーブの特徴であるハーブ、松、ユーカリみたいな感じもあります。2005よりもハーブの感じが多目に感じられ、サトウキビジュースからの蒸留物がブレンドされている「チェアマンズリザーヴ・レガシー」寄りな感じがします。飲んでみると、ある種のワインカスク熟成品のようなまろやかな甘味と透明感が感じられます。カラメルと青リンゴ、ハーブ、カカオ、メンソールなど、2005よりも複雑な風味です。2005と比較すると、こちら2009のほうがハーブ感が顕著で、風味の要素はより多くて複雑な感じ。2005の方がストレートな風味で、カスクの影響はより顕著に感じられます。カスクの影響に関しては、2005の方が熟成期間が長い可能性が高いので当然かもしれませんが、2005はジョンドーレポットで、2009はポットの種類が不明(書いてない)なので、ジョンドーレではないポットかもしれず、その差が影響しているのかもしれません。僕はそこまで詳しく知らないのですが、セントルシア蒸留所が使っているポットスティル3種類は、それぞれの熟成物に風味の特徴が存在するらしく、マスターブレンダーさんはそれらを選択・使い分けているそうです。高品質で複雑な風味の美味しいラムなのですが、総合的にはストレートな風味の2005のほうが僕の好みです。海外では、フォースクエアほどではありませんが、このセントルシア蒸留所のラムも人気が出てきていて、小売店などが別注した様々な限定品が各国で出回っているようです。日本でもそういうのが出るといいなあ、と思います。【僕の評価】5段階中の4.5
2022.05.20
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【プランテーション シングルカスクコレクション ガイアナ2008】プランテーション・ガイアナ2008ガイアナのラムです。ガイアナと言えばオフィシャルのエルドラド、それ以外はパッサーズ15年、がメジャーなところですが、何しろデメラララムは人気があるので、インディペンデントボトラーズからは、過去から現在に至るまで膨大な量がリリースされています。あまりにも多くのそれらを全部飲めるわけがなく、しかも無駄に高いやつが多いので、僕の場合は却って敬遠ぎみになっていました。キリがないし、新しくなったエルドラド15年、パッサーズ15年は充分満足できる美味しさなので、それ以上のデメララを今のところは求めていない、ということもあります。でも、今回はプランテーションなのでそれほど高価でもなく、パッサーズ15年と同じくらい。僕でも手が出せる価格でした。発酵期間は一週間、2008年にポットスティルで蒸留、バーボンカスクでのトロピカルエイジング9.5年、コンチネンタルエイジング1年、さらにゼブラカスク(栗とアカシア)で6か月熟成され、2019年ボトリング、加糖量4g/L、アルコール度数は47.1%、となっています。僅かに加糖されていますが、僕的には経験上全く問題ない量です。それほど僅かならいっそ入れなくてもいいのにとも思いますが、贔屓にしてるレストランの味付けみたいな感じで、「注文してみるか」という気になります。とにかく近年のプランテーション・ラムは、全てがキチンと表示されているので、消費者にとっては安心ですね。栗やアカシアの樽というのは珍しく、ニューグローブのラムでそういうのを見たことがありますが、飲んではいないのでどんな感じか興味深いところです。僕にわかるかどうかは別ですが・・・香りはいかにもデメララで、甘い黒糖キャラメルと、シナモン、グローブなどのスパイスがバランスよく、マロンペーストのような栗っぽさがあるような気もします。それは「ゼブラカスク」というのを読んだからそう感じるだけなのかもしれませんが・・でも飲んでみると、やはりマロンペースト感があって、シナモンとクローブ、オールスパイス、黒糖を使った甘さ控えめの栗の焼き菓子に、ホイップクリームを添えたやつ、みたいな感じがします。リッチで、スパイス感が絶妙で堪らない味わいです。デメララの美味しい要素をブースト&凝縮したような感じで、僕としては今のところ一番ウマいと思うデメララです。コシが強くて濃厚なのにとても飲みやすく、素晴らしいバランスだと思います。これはプランテーションがリリースした数あるラムの中でも、かなり上位にランクする美味しさです。もちろん完全に個人的な好みですが、ペルー・マルチヴィンテージ/ライウイスキーカスクフィニッシュ、オーストラリア2007などと肩を並べる、プランテーションの名作だと思います。【僕の評価】5段階中の5++プランテーション シングルカスク ラム ガイアナ 2008 ゼブラ カスク フィニッシュ 47.1度 700ml価格:7920円(税込、送料別) (2022/4/14時点)
2022.05.14
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【マウントゲイ マスターブレンダーコレクション アンディーンオークカスク】マウントゲイ アンディーンオークカスクバルバドスのラムです。ド定番のバルバドスラム・マウントゲイが時々リリースする「マスターブレンダーコレクション」の最新版です。過去にはマウントゲイXOをアイラウイスキーの樽で追熟させた「ピートスモークエクスプレッション」や、単式蒸留100%の「ポットスティルラム」、ポートワインカスクで追熟させた「ポートカスクエクスプレッション」があったようです。ポートカスクのやつが一番美味しそうですが、残念ながら僕は飲む機会に恵まれませんでした。今回のやつが日本でも発売されたのを知って、すかさず購入しました。アンディーンオークというのは、南米アンデス山脈の高地に生えているアンデスオークのことらしく、それの新樽を使ったのだそうです。蒸留酒(主にラムのことしか知りませんが)の熟成に使われるのはアメリカンオークとフレンチオークが一般的で、アンデスオークを使ったラムというのは聞いたことがありません。アメリカンオークとフレンチオークでけっこう違いがある(と思います)ので、アンデスオークがどのような効果があるのか興味深いところです。ポットスティルで2回蒸留し、いつものバーボンカスクで14年熟成、その後アンデスオーク新樽で11ヵ月月追熟させたそうです。カラメル色素、濾過無しで、アルコール度数は嬉しい48%です。色はそれほど濃くはなく、普通な感じ。香りは強くてジューシー。リンゴと青リンゴの香りがして、目隠ししてたら、カルヴァドスかライウイスキーかなと思うかもしれません。飲んでみると、まずかなりのコシの強さが印象的です。そしてとてもウッディ。焦げオーク風味が強いだけでなくタンニンも顕著で、香りで感じたリンゴや青リンゴ、ナシ、それにバニラなどの風味が圧倒的です。キャラメルやチョコレート、ナッツなどの風味は後ろに引っ込んでいて、そこにオレンジの苦味やナツメグ、若干のハーブ感などが混じり合って、かなり複雑な感じです。アンデスオークの新樽ということで、それのタンニンによる影響が大きいのだと思いますが、そもそもが全ポット蒸留なので、とにかく重厚。さすがはマスターブレンダーセレクション、いつものマウントゲイXOとはひと味もふた味も違った、スペシャルなマウントゲイに仕上がっていると感じました。【僕の評価】5段階中の5+マウントゲイ マスターブレンダー・コレクション アンディーンオーク・カスク 700ml 母の日 父の日 就職 退職 ギフト 御祝 熨斗価格:11550円(税込、送料別) (2022/4/4時点)
2022.04.15
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【フォースクエア インデリブル】フォースクエア・インデリブルバルバドスのラムです。日本にはほとんど入ってこないし、海外でも発売直後に即完売になるフォースクエア蒸留所の「エクセプショナルカスクセレクション」。限定品なので元々本数が少ないということもありますが、あまりにも人気があるために海外では高額で転売されているらしく、それで飲まない人までもが僅かばかりのお金のために先を争って買っているようです。飲まないなら買うな!と思いますが、そういう輩には何を言っても無駄でしょう。そんなわけで、日本の消費者がフォースクエアのエクセプショナルカスクセレクションを購入するのは至難の業ですが(ほぼ無理)、今回とある海外通販サイトが抽選販売方式で出していたので、ダメもとで応募したら運よく当たりました!度数は48%で、バーボンカスクとジンファンデルカスクで最低11年熟成されています。ジンファンデルというのは、主にカリフォルニアで栽培されている赤ワイン用ブドウのことらしく、それのワインカスクが熟成に使われています。過去にフォースクエアのエクセプショナルカスクセレクションで「ジンファンデル」というのがリリースされていて、それの新型という位置づけのようです。香りはバニラと蜂蜜、オークに加えて、今までに経験のないイチゴやクランベリー、それにマーマレード的な要素もあって、フォースクエアの基本の香りにそれらが混じり合っています。飲んでみると、先ずとてもフルーティー。イチゴやクランベリー、ラズベリーなどの特徴的な風味があって、バニラとココア、オーク、オレンジタルト、蜂蜜などの感じと溶け合っています。可憐さと濃厚さが共存した風味と、満足感充分の重さ・飲みごたえで、さすがフォースクエア・エクセプショナルカスク、といった感じです。熟成の内容構成は、①バーボンカスクで11年熟成、②ジンファンデルカスクで5年熟成、その後2つをブレンドして、それをさらにバーボンカスクで6年熟成させているそうです。ジンファンデルワインなんて聞いたこともありませんでしたが、その樽を使って素晴らしいラムを生み出すフォースクエアのリチャード・シールさんの手腕とセンスは、実に卓越したものだと思います。「Richard Seal is God 」【僕の評価】5段階中の6+
2022.03.25
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【チェアマンズリザーブ レガシー】チェアマンズリザーブ レガシーセントルシアのラムです。ラベルにはセントルシア蒸留所のチェアマンだったバーナード・ローリーさんが描かれていて、ローリーさんの業績を遺産としたネーミングがなされています。ローリーさんの業績とは、様々な原酒からのブレンドをめざして、各種単式蒸留器の導入、自前のサトウキビ畑の復活、熟成に使う様々な樽の調達などなど。ブレンダーが使うことができる原酒の幅を拡大したのだそうです。チェアマンズリザーブブランドで一番ベーシックな激安上等ラムの「チェアマンズリザーブ」からわかる基礎レベルの高さ、そして数量限定の「チェアマンズリザーヴ2005」の激ウマ度合いは、ローリーさんが整えた蒸留所の環境を、ブレンダーさんがフル活用して惜しみなく最高のラムを生み出していることがわかります。今回の「レガシー」はかなり低価格ながら、以下の複雑なブレンドのラムです。単式ジョン・ドーレ2:糖蜜:7.5年熟成:16%単式ヴァンドーム:糖蜜:7年熟成:4%連続式コフィー:糖蜜:5.5年熟成:72%単式ジョン・ドーレ2:サトウキビジュース:5年熟成:8%アルコール度数は43%です。ベーシックチェアマンズリザーヴの構成は不明ですが、熟成年数からするとベーシックチェアマンズリザーヴと同等で、それの構成を複雑化したバージョンといった感じでしょうか。未だにアグリコールラムが苦手な僕としては、8%のサトウキビジュースのブレンドが興味深いところです。香りはベーシックチェアマンズリザーヴにより濃くて複雑です。キャラメルとバナナ、メープルシロップ、オールスパイスなどに加えて、梅や梅シロップ、プラム、ある種のハーブ、松の葉っぱ的な感じもあります。飲んでみると、ポット比率が高くないのに十分な重さがあって、味・風味とも想像以上に濃くてしっかりしています。キャラメルや少しのカカオとバナナ、ナツメグとかのスパイス感に加えて、コリアンダーや松、サルナシのジャムみたいな風味もあって複雑な感じです。飲み終わった後のグラスから、少しアグリコールっぽい香りを感じられます。 ベーシックチェアマンズより濃厚で、かなり複雑な風味です。気に入りました。セントルシア蒸留所では、このチェアマンズリザーヴブランドの他に「アドミラルロドニー」ブランドなどもリリースしています。「アドミラルロドニー」ブランドのラムは連続式蒸留器による原酒で、ポットとコラムのブレンドである「チェアマンズリザーヴ」ブランドとの差を明確にしています。僕は単式蒸留至上主義者ではありませんが、味・風味共にチェアマンズリザーブの方が好みです。アドミラルロドニーも美味しいですけどね。【僕の評価】5段階中の4.5+チェアマンズ リザーブ レガシー ラム 40度 700ml価格:3580円(税込、送料別) (2022/3/15時点)
2022.03.19
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【BB&R バルバドスラム2010 フォースクエア蒸留所】BB&R バルバドス/フォースクエアラム1010バルバドス/フォースクエア蒸留所のラムです。ベリーブラザーズ&ラッド(BB&R)社は、英国最古のワインとスピリッツ屋さんで、英国王室ご用達として、またブレンデッドウイスキーの「カティサーク」の会社なのだそうです。日本にも支店があって、主にワインを取り扱っているようですが、お酒好きの間では高品質なウイスキーのボトラーとして有名なようです。ラムも主に「オウンセレクション」というカテゴリーで、いくつかの産地のラムをリリースしています。さて今回のラムはフォースクエア蒸留所生まれなのでポットとコラムのブレンド、蒸留は2010年で2021年ボトリング、トロピカルエイジング・コンチネンタルエイジングの期間は不明で、甘口貴腐ワインであるソーテルヌのカスクでフィニッシュされています。300本の限定品で、冷却濾過されておらず、度数は50.8%、というスペックです。香りは特徴的で、いつものフォースクエアの香りであるココナッツやナッツ、キャラメル、チョコレートに加えて、濃いハチミツと完熟の黄桃やレーズンなども感じられ、非常に複雑な香りです。そしてそれらの要素が強いためか、相対的にオークの感じは控えめに感じられます。味わいは香り同様にハチミツと黄桃感が印象的で、フォースクエア標準のココナッツと柑橘、カカオなどの要素と絡み合って濃厚まろやか複雑系。飲んだ後の余韻には、それらの風味に加えてオーク風味が湧いてくるように感じられます。各風味要素のバランスが良く、ハチミツ感があるといってもベタつく感じは無くて、しっかりまとまっているという感じです。さすが老舗BB&R。僕の評価:5段階中の5+バルバドス ラム フォースクエア 11年 2010 ソーテルヌカスク フィニッシュ (BBR ベリーブラザーズ&ラッド) 50.8度 700ml価格:16500円(税込、送料別) (2022/1/30時点)
2022.03.12
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【モルト グレーン&ケーン フォースクエアラム2005】モルト グレーン&ケーン フォースクエアラム2005 15年バルバドス/フォースクエア蒸留所のラムです。先日飲んだ同ブランドのインドネシア限定ラム、モルト グレーン&ケーン バルバドスラムのレギュラーバージョンです。日本では株式会社ラダーさんが輸入元だそうです。2005年にフォースクエア蒸留所で蒸留、11年トロピカルエイジング、4年間ファーストフィルバーボンカスクでコンチネンタルエイジングされ、度数は60.2%、267本限定とのことです。これらの情報は、裏のラベルにちゃんと全部書いてあります。全てのインディペンデントボトラーにこうしてほしいですよね。前回のインドネシアエクスクルーシヴより、ファーストフィルバーボンカスクでのコンチネンタルエイングが4年と長めなので、焦げオーク風味が強くなっているのかなと思いますが、どうなんでしょうか。香りはブライトなキャラメル、それにやはり焦げオークからと思われるバニラと柑橘の甘酸っぱさが明確に感じられます。でも焦げオークすぎるという感じではなく、思ったよりもはるかに丸くて華やかな感じです。インドネシアエクスクルーシヴ同様に、丸くて華やかな印象です。飲んでみると、先ず高度数なのにとても飲みやすいことに驚きます。艶のあるマイルドさというか、刺激が少なくて味や風味だけが濃いという感じです。明るいバニラキャラメルとオレンジの風味がメインで、フォースクエア・ラムの大きな特徴であるバナナやナッツ系統の風味はそれほど強くはなく、焦げオーク風味の骨太さが全体を下支えしている、という感じです。RLシールズを濃縮してファーストフィルバーボンカスクで追熟させたような感じ、にも思えますが、かなりオリジナルな風味に再構成されているように思います。インドネシアエクスクルーシヴ同様に、問題は価格だけでしょう。ちょっと高いと思います。【僕の評価】5段階中の5
2022.03.05
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【プランテーション・ジャマイカ2003 ヴィンテージ】プランテーション・ジャマイカ2003。ジャマイカのクラレンドン蒸留所のラムです。糖蜜を原料に、発酵は2週間、ダブルレトルトヴェンドームポットで蒸留され、ジャマイカでバーボンカスク熟成16年、そして1年フランスのフェラン/コニャックカスクで熟成。全てちゃんとラベルに書いてあります。何も書いて無いラムもありますが、プランテーション(フェラン社)のこの姿勢は非常にありがたいですね。度数は49.5%と高め。プランテーションだけではなく、高度数傾向は最近のトレンドのようです。香りはジャマイカン・ファンク的な傾向は少な目で、パイナップルやバナナの感じはありながら、他のジャマイカンラムにはない、華やかなフローラルさが非常に印象的です。この上品な香りはコニャックカスクでの熟成によるものだと思います。ワーシーパークやハンプデンなどの正統的なジャマイカンラムとは違っていますが、僕的には素晴らしい香りです。飲んでみても味わい自体が明るくて濃く、やはり他のジャマイカンラムとは違うニュアンスを感じます。バナナやマンゴー、バニラアイスクリーム添えのパパイヤ、フルーツキャンディ、それにやはりフローラル系の風味があって、とても複雑。ブライトな感じの風味ですが、コシが強くて飲みごたえがあります。フェラン社のコニャックカスク効果は、これまでも様々なラムでその威力を感じてきましたが、このジャマイカンラムとの組み合わせも非常に効果的だと思いました。やはり美味しいプランテーション。【僕の評価】5段階中の5+
2022.02.18
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【モルト グレーン&ケーン バルバドス ラム/フォースクエア2007 インドネシアエクスクルーシヴ】モルト グレーン&ケーン バルバドス ラム 2007 インドネシアエクスクルーシヴバルバドス/フォースクエア蒸留所のラムです。モルト グレーン&ケーンはシンガポールの新しいインディペンデントボトラーで、その名のとおり、各種ウイスキーとラムをリリースしていて、ラインナップの中にはインドネシア独占販売のラムがあったりして、なかなかマニアックな感じです。今回のラムはそのインドネシア独占販売のラムで、どういうわけかごく少数が日本に入ってきたようです。フォースクエア蒸留所で2007年に蒸留され、現地で12年トロピカルエイジング、その後2019年にヨーロッパへ運ばれ、ファーストフィルバーボンカスクで1年コンチネンタルエイジングされています。度数は63,3%。2021年に各インディペンデントボトラーからなぜか一斉に出てきたフォースクエア・ラムの一つです。スペックはどれも似たような感じで、トロピカルエイジング11~12年、コンチネンタルエイジング1~2年くらいのやつがほとんど。世界市場ではフォースクエアなら間違いなく即完売の状態なので、売る方としては堅い投資でしょう。今回のやつは、前回飲んだ「ワットラムのフォースクエア」よりトロピカルエイジングが1年長く、コンチネンタルエイジングは1年短くて、度数は高く、お値段はかなり高めでした。新しい、しかも同じアジアのシンガポールのブランドというところに惹かれて買ってみました。さて、どんな感じでしょうか。香りはミルキーなキャラメル、香ばしいナッツ、柑橘、甘酸っぱさのあるオークの感じで、太くて丸く、そして華やかな感じがします。飲んでみると高度数の割に刺激が少なく、生キャラメルとバニラ、ナッツペースト、甘酸っぱいオレンジの感じで、ファーストフィルバーボンカスク(バージンオークカスク、ということだと思います)の効果と思われる焦げオーク風味の骨太さが印象的です。フォースクエア・オフィシャルのエクセプショナルカスクシリーズに迫る激ウマラム、メゾンドウイスキー社のトランスコンチネンタルラムライン・フォースクエア2005と比べても遜色ないハイレベルのラムだと思います。問題は価格で、オフィシャルのエクセプショナルカスク/カスクストレングスが日本円で1万円以下、トランスコンチネンタルラムラインのやつが1万円ちょっとで、今回のこれはその約2倍・・・美味しさも約2倍、というわけではないので、はっきり言って高いと思います。まあ、美味しいからいいですけど。【僕の評価】5段階中の5
2022.02.12
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【エルドラド21年】エルドラド21年ガイアナのラムです。2020年以降ボトリングされたものは「甘くなくなった」というウワサのエルドラド。前回その新しくなった15年を飲んでみて、誰でもわかるほどの大きな違いに驚きました。僕は完全加糖否定派ではなく、美味しければOK派です。ただ、あまりにも甘すぎると最初はいいけどボトル1本飲み切るのは辛くなってくるので、加糖するにも限度があると思っています。そういうわけで、新しいエルドラド15年は圧倒的に美味しくなったと思います。甘いかどうかだけでなく、風味も増しているように感じました。そこで、今回は21年。旧21年は飲んだことがないので比較するのではなく、ただ飲んでみます。香りはいかにもデメララといった感じで、ナツメグなどのスパイス入り黒糖の要素が強く、15年よりも艶があってクリアな感じがします。ブレンド的にコラムスティル比率が高いのかもしれない、という気がしました。飲んでみるととても滑らかで、まろやかで透明感のある黒糖キャラメルとスパイス、ココア、強すぎない程度のオークが感じられます。いかにも長熟な高級ラムといった感じの味わいで、飲みやすくて後味も長めです。ただ、あまりにも円やかで飲みやすいので、ツウの蒸留酒愛好家はより風味の強い15年の方を高く評価するかもしれません。それほどこのエルドラド21年はクセが無くて滑らか・マイルドです。以前の僕ならこちら21年の方が美味しいと思ったに違いありませんが、今はやっぱり15年の方が好みです。【僕の評価】5段階中の5【並行輸入品】エルドラド21年 デメララ・ラム 43度 700ml 【ラム】【ガイアナ】価格:12650円(税込、送料別) (2021/12/20時点)
2022.02.04
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【キングスバリー・デメララ グレンロセスカスク】キングスバリー・デメララガイアナのラムです。ガイアナ・デメララ蒸留所のラムで、英国の主にスコッチを扱うインディペンデントボトラー、キングスバリー社によって、スコッチのグレンロセスのカスクでダブルエイジング(ダブルマチュア―ド)されています。シングルカスクで度数62%。トロピカルエイジング/コンチネンタルエイジングの期間、ダブルマチュア―ドの期間など、何も表示が無く全て不明です。ラムにおいてはトロピカルエイジング(気温の高いカリブ海エリアなどでの熟成)とコンチネンタルエイジング(寒冷なヨーロッパ大陸、英国での熟成)の差は大きく、消費者は購入に際しての大きな判断基準にしています。もちろん、気温の高いカリブ海周辺でのトロピカルエイジングの方が、圧倒的な速度で熟成が進行します。いわゆるエンジェルシェアの損失も、コンチネンタルエイジングより膨大です。両者は同じ熟成年数であっても、風味・味わいに大きな開きが出るのは必然です。ヴェリエなんかだと同じ蒸留所のラムを、同じ熟成年数のトロピカルエイジングとコンチネンタルエイングのそれぞれのバージョンでリリースするほど、両者には大きな差があります。というわけで、多くのインディペンデントボトラーは、消費者のために(ディスられないために)熟成地域と期間をそれぞれきちんと表示することが多くなってきています。ラベルかウェブサイトで表示するだけなので、それほど難しいことではなく、キングスバリーもいずれそうせざるを得なくなるかもしれませんが、今のところ表記無しです。さて、このキングバリー・デメララ、色はそんなに濃くなく、トロピカルエイジング期間は長くないのかもしれません。香りはクリアな黒糖キャラメル。それ以外の要素を覆うように濃度の高いキャラメル感でいっぱいです。以前飲んだイーストロンドンリカーのデメララやレモンハートなどに似てるように思えます。いわゆるデメララ風味というのは、ラム愛好家の間での共通認識としてはポートモーラント蒸留のあの風味を指すと思いますが、広く一般ではイーストロンドンリカー・デメララやレモンハートなどの、あの甘濃い黒糖キャラメル的な香り・風味として認識されているかもしれません。今回のキングスバリーは後者の方で、飲んでみてもさらりとした軽めの口当たりで、それにスコッチウイスキーの風味がイイ具合に馴染んでいるようにに感じられます。グレンロセスというスコッチは飲んだことがありませんが、おそらくはそれほどピートの香りが強くないやつだろうと思います。モルトウイスキーとラムの融合という謳い文句ですが、まさに両社の架け橋的な感じで、キングスバリーの試みは上手く機能していると思います。基本的に、圧倒的大多数であるスコッチの愛好家に向けたラムという感じで、ラム愛好家からすると、とても評価の難しいラムです。美味しいことは美味しいのですが、デメララ好きなラム愛好家にはたぶん物足らない「安い方のデメララ」の風味が強く、でもクセが無くてラム初心者にもとっつきやすい風味だということ、などなど・・・僕にとっては美味しいラムで総合的には満足していますが、ハードなラム愛好家には評価されない可能性があるな、と思いました。【僕の評価】5段階中の4
2022.01.28
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【プランテーション・オーストラリア2007】プランテーション ヴィンテージ オーストラリア2007オーストラリアのラムです。おなじみフェラン社のプランテーションブランドのラムで、今回はオーストラリア。前回ケイデンヘッズのを飲んで、思っていたよりもはるかに美味しかったオーストラリアのラムです。オーストラリアと言えばのビーンレイ蒸留所生まれで、発酵は12日、蒸留はポットスティル。オーストラリア・クイーンスランドでのバーボンカスクによるトロピカルエイジング13年、コンチネンタルエイジングはフランスのフェランカスク(コニャックカスク)で1年。度数は49.3%です。とっても美味しかったケイデンヘッズ・グリーンラベル(まだ飲み切ってませんが)は、12年熟成(トロピカルエイジング、コンチネンタルエイジングの表記なし)で、度数46%でした。さてどんな違いがあるでしょうか。香りはプラムやネクタリン、白桃がメインのフルーティー系で、黒糖やバニラ、それに柑橘とポットスティルらしくファンキーさ、革の感じもあります。さすがに同じ蒸留所の同じラムなので、ケイデンヘッズのやつと共通項が多く、よく似てますが、フェランカスク効果と思われる、華やかさ、鮮やかなフルーティーさが加わっている感じがします。飲むとさらに違いが大きく感じられます。こちらプランテーションは、明らかにコニャックカスク効果と思われる、別種のより明るいフルーティーさが顕著です。桃とマスカットを一度に口に入れたことなんてありませんが、それをしつつ、さらに超完熟メロンを追加したような感じで、超フルーティー。基本的なポットスティルらしい重さ、コシの強さと相まって、とても満足感のある味わいです。プランテーションのラムを全部飲んだわけではないので、ラインナップ全てが美味しいのかどうかはわかりませんが、最近飲んだやつはどれも凄く美味しいと思いました。今回ほぼ同じようなラムで飲み比べてみることができましたが、フェランカスク効果は抜群に感じました。好みの問題があるので、世界中の人全員がフェランカスク効果を是とするかどうかはわかりませんし、なんでもかんでもフェランカスクで追熟させればよい、というようにも思いません。でも今回のオーストラリアと、以前飲んだペルーなんかは、特に合う・美味しいと思いました。【僕の評価】5段階中の5+プランテーション オーストラリア 2007 ラム 49.3度 700ml価格:8800円(税込、送料別) (2021/11/11時点)
2022.01.20
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【ワットラム バルバドスラム フォースクエア 13年】ワットラム バルバドスラム フォースクエア 13年バルバドスのフォースクエア蒸留所のラムです。ワットラムはケイデンヘッズで活躍していたワットさんという方のインディペンデントボトラーのブランドで、ワットラムとしてよりも「ワットウイスキー」として知られているようです。世界で大人気の、あのフォースクエア蒸留所のラムです。トロピカルエイジング11年、コンチネンタルエイジング2年、度数57,1度というスペックです。2021年は同様のスペックのフォースクエアラムが、様々なインディペンデントボトラーからリリースされました。フォースクエアの人気がうかがい知れます。海外なら即完売になるほど「絶対売れるラム」なので、ブランドとしては「ノーリスク」といっていいほど優れた商材でしょう。グラスの注いですぐはアルコール刺激が強め。しばらく置いておくと落ち着いてきて、焦げオークの感じが顕著で、バニラとキャラメルナッツ、ハチミツの感じがあります。 飲んでみると、炒りたてのナッツ、バターソテーしたバナナ、バニラ、スパイスなどの風味で、モロにフォースクエアの感じですが、香り同様に焦げオークの風味が強く、その感じは米国ブランドのフォースクエアラム、「リアルマッコイ10年リミテッド」に似ていると思いました。ラベルとかには特に書いてありませんが、もしかしたらコンチネンタルエイジング期間はバージンオークカスクが使われているのかもしれないと思いました。開栓して2週間ほどしたら、最初より整ってきたような感じがします。刺激が昇華したような感じで、まったりしたバタークリーム感に覆われ、マイルドでコクも増したように感じられます。バーボン的な風味で飲みごたえがあり、強めの風味でなにかとイイのですが、リアルマッコイ10年リミテッドとの価格差を考えると微妙なところだと思います。日本にはリアルマッコイブランドのラムは入ってきておらず、同じような味わいのラムは入手困難なので、このワットラム・バルバドス13年の存在価値は大きいでしょう。ま、これもどうせすぐ売り切れて入手困難になるんでしょうけどね。*今ざっと見てみたたところ、やはり「完売」ばかりでした・・・【僕の評価】5段階中の5
2022.01.15
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【キングスバリー・オーセンティックジャマイカンラム/ワーシーパーク15年】キングスバリー・ジャマイカンラム ワーシーパーク15年ジャマイカのラムです。ワーシーパーク蒸留所は一時閉鎖されていて、2005年に生産を再開したそうです。ラベルなどには何も書かれていないので不明ですが、年数的にはこの15年モノのラムがフルにトロピカルエイジングの可能性があるということになります。もしそうだったらデカデカとそれを謳うでしょうから、その可能性は低いと思いますが・・・度数は58.6%。ワーシーパーク・シングルエステートと比べると、色は順当に濃いので、トロピカルエイジングが大半なのかなと思います。香りはいかにもワーシーパークで、バナナとパイナップル、それにミルクキャラメルやチョコレート。香りからして濃さを感じます。飲んでみると、まさにワーシーパークの濃いやつで、凄くウマい!激ウマワーシーパークのトランスコンチネンタルラムラインのスリーリバーズ版に似ていて、オフィシャルのワーシーパーク・シングルエステートよりはるかに美味しい。圧倒的に濃厚で重量感があり、ダークチョコレートとミルクチョコレート、完熟パイナップルとバナナのバターソテー、濃い紅茶の風味が強く、とても満足感の高い味わいです。これならオフィシャルのワーシーパーク・シングルエステートが輸入されていなくても、これかトランスコンチネンタルラムラインのワーシーパーク(スリーリバーズ版)を飲めばオフィシャル以上に満足できるので、全然OK。キングスバリーとメゾンドウイスキーにお礼を言わなければ。でも、両方とも本数限定品なので、なくなったら終わり。諸行無常といった感じですね。【僕の評価】5段階中の5+ジャマイカ ワーシーパーク 15年 2006 キングスバリー オーセンティック ラム 58.6度 700ml価格:11600円(税込、送料別) (2021/12/20時点)
2022.01.07
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【トランスコンチネンタルラムライン ジャマイカWP2006】トランスコンチネンタルラムライン・ジャマイカ2006ジャマイカのラムです。TCRL/トランスコンチネンタルラムラインはメゾンドウイスキー社のラムブランドで、高品質なだけでなく、ボトラーズのラムにおいては重要な、トロピカルエイジング(熱帯/カリブ海周辺の現地での熟成)とコンチネンタルエイジング(輸入したヨーロッパ大陸/英国も含む での熟成)のそれぞれの期間がちゃんと表記されているという点で非常にポイントの高いブランドです。同様の表記があるのは、ここのほかにはフェラン/プランテーションブランドくらいでしょうか。TCRLのラムはこれまでにニカラグアとバルバドスのやつを飲みましたが、いずれも大満足。僕は非常に信頼しているブランドです。さて、今回のラムはジャマイカのワーシーパーク蒸留所のものですが、日本のインポーター、スリーリバース社のオリジナルボトルとのことです。2006年にポットスティルで蒸留され、トロピカルエイジング11年、コンチネンタルエイジング2年を経て2019年にボトリングされたそうです。シングルカスクでカスクストレングス:56.5%。カスクストレングスらしく、香りからしてパワフル。ワーシーパークオフィシャルのシングルエステートよりもなぜかファンク要素が少なく、大きな特徴といえるフルーツ(バナナやパイナップル)感、紅茶感も存在しますが、濃厚なチョコレート、キャラメル、黒糖の感じが顕著で、幅がありながらバランスの良い豊かな香りです。そして飲んでみると、目を見張るほどの美味しさです。円やかで濃厚なキャラメルクリーム、ダークチョコレート、ナッツペースト、バターソテーしたバナナとそのキャラメリゼ、程よいオークと柑橘。しかもカスクストレングスだというのに、この飲みやすさはもう驚異的。美味しいと思っていたオフィシャルのワーシーパークが、どこまで薄めたんだと思えるほど、泣けてくるほどもの足らなく感じられます(あれはあれで美味しいんですけど)。開栓したばかりですが、これはもう1~2本買っておこうと思いました。シングルカスクなので、これが無くなったら終わりだと思うと、言いようのない不安に駆られます。スリーリバースさん、素晴らしいラムをリリースしていただいてありがとうございます。世界に誇る1本(1樽)だと思います。【僕の評価】5段階中の5++ワーシーパーク 2006 ジャマイカ ラム トランスコンチネンタル ラムライン for THREE RIVERS 56.5度 700ml価格:10800円(税込、送料別) (2021/11/11時点)
2021.12.24
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【ケイデンヘッズ・オーストラリア12年】ケイデンヘッズ・グリーンラベル・オーストラリア12年オーストラリアのラムです。オーストラリアのラムは初めてです。どんな感じなのか全くわかりませんが、とりあえず今回のケイデンヘッドを買って飲んでみることにしました。グリーンラベルなので、度数は46%。どこにも何も書いてないので詳細は不明ですが、香りからすると蒸留はポットかほとんど全部ポットだと思います。完熟を少し越えたネクタリン系の果物、黒糖、シナモン、レーズンなどが感じられます。飲んでみてもポット感は強く、濃い完熟果物とチョコレート感に覆われた特有の重さ、それに鼻に抜ける果物の皮と革の感じがあります。イヤなクセは感じられず、濃厚で非常に美味しい! 僕的には風味としてはギリギリ上限の濃さで、たぶんカスクストレングスだったら飲みにくいサイドに傾くだろうと思えるほどです。ベテランのラム愛好者ならカスクストレングスの方を好むかもしれませんが、僕レベルだとこの46%は最大限に美味しいラインです。オーストリアのラムは完全未経験で、なんらの先入観も持ち合わせていなかったのですが、なぜか何となくネガティブなイメージがあって(こういうのを偏見というのだろうと思います)、これまで手を出していませんでした。でも、今回このケイデンヘッズ・オーストラリア12年を飲んでみて、実はオーストラリアはガイアナやジャマイカ、バルバドスに匹敵するラムの名産地なのではないかと思いました。濃厚な風味、味わい深さと満足感・飲み応えのある重さがあって、風味の傾向は全然違いますが、方向性としてはバルバドス的な万人に受け入れられる懐の深さを感じました。もちろんそれほどでもないオーストラリアンラムもあるのかもしれませんが、少なくともこのケイデンヘッズ・オーストラリア12年はとても上等なラムだと思います。評価5+
2021.12.18
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【パッサーズ15年(ニューバージョン)】パッサーズ15年ガイアナのラムです。フォーブス誌が「ラムのシングルモルト」と評する、世界的にメジャーなラムです。その昔イギリス海軍で支給されていたラムと同じレシピだという、所謂ネイビーラムの代表格とされています。旧バージョンはガイアナとトリニダートのブレンドでしたが、今回のニューバージョンはガイアナのデメララ蒸留所のラムだけになったそうです。ということは、もはや伝統的なネイビーラムじゃなくなったということですが、誰も何も言わないので僕も何も言いません。しかも、そもそも最初から度数約57%のネイビーストレングスでもない・・蒸留は以前と同様に、ポートモーラントのダブルウッデンポットスティルによるものがほとんどだそうです。何も添加していない自然な風味・味わいのラムと謳いつつ、大量の砂糖を加えていて、しかもそのことを指摘されても一切認めず、近年ラインナップのリニューアルに際して黙って加糖量を大幅に下げたデメララ蒸留所生まれのラムです。ディスっているように聞こえますが、旧パッサーズ15年もエルドラド12年、15年も、買ってきて最初に飲んだ時は美味しいと思いました。ただ、飲み進めてボトルの3分の2あたりから、甘すぎて飲むのが辛くなってきただけのことです。しかし、エルドラド15年のニューバージョンは甘さの度合いがぐっと下がって、風味要素が鮮明に顕在化したことで、ほぼ別のラムになったといっていいほど美味しくなっています。なので、このパッサーズ15年もさぞ美味しくなったのであろうと思います。はい、やはり旧パッサーズ15年とは全然違っています。エルドラド15年と同じパターンで、虫歯になりそうだった甘さが激減していて、ポートモーラント風味がはっきりしています。香りは黒糖と製材所、巨峰、プラム的なフルーツ、八角みたいなスパイス、革製ギターストラップなど濃厚な感じ。味わいも濃くてハード。重量感は抜群で、ラムのシングルモルトと称されるだけのことはあります。旧パッサーズは甘すぎてモルトウイスキー愛好家にはキツいかもしれませんが、今回のニューバージョンなら大丈夫かも。ぜんぜん甘くないわけではなく、多少加糖されていると思いますが、それでも旧バージョンからは大幅に改善されています。美味しい。旧パッサーズ15年とは別のラムだと言ってもいいほどの差がありますが、「酒飲みのためのラム」だという印象は同じです。このパッサーズ15年はポートモーラントによる蒸留物が大半ということで、それはエルドラド15年と同じですが、両者の味わいには違いがあります。両者の違いは、おそらくポートモーラント比率の違いによるものが大きいと思います。パッサーズの方がより重く、より「ポートモーラント」です。エルドラドの方が、濃厚さに加えて飲みやすさも備えたブレンドがなされているように感じられます。なのでやはり、エルドラドは誰が飲んでも美味しいと思うであろう万人向け、パッサーズは単式蒸留による多少のクセはマイナスポイントにならないハードな酒飲み向け、という印象は変わりません。でもパッサーズがハードな酒飲み向けといっても、ボトラーズブランドから出ている単式蒸留だけのカスクストレングスものとは違って、ブレンドがなされているのでそれらよりは全然飲みやすく、「誰が飲んでも~」の範疇に入るのかもしれません。でも他の蒸留酒経験がほとんどなく、ラムを飲み始めたばかりの頃の僕がこのパッサーズを飲んだとしたら、たぶんクセがあって飲みにくいと感じただろうと思います。でも今の僕は美味しいと思います。【僕の評価】5段階中の5パッサーズ 15年 ブリティッシュ ネイヴィー ラム 40度 700ml価格:7980円(税込、送料別) (2021/9/27時点)
2021.12.10
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【アプルトン エステート8年】アプルトン8年ジャマイカのラムです。アプルトンは近年ラインナップを変更し、ボトルデザインも変更になったようです。「アプルトン・シグニチャー」は新ボトルが日本でも流通するようになってきていますが、その他はまだ旧ボトルのままです。今回は先ず新しくなったエステート8年を飲んでみようと思います。以前飲んだ一番メジャーなアプルトン・レアブレンド12年は、残念ながら当時の僕の好みではありませんでした。ジャマイカのラムは、スペイン語圏のラムやバルバドスのラムなどと比べると、独特の風味があるので、12年を飲んだ頃の初心者の僕には、その良さが全然わかりませんでした。最近飲んだアプルトンの最上位20年は物凄い美味しさでしたし、ワーシーパークやプランテーションのザイマカも美味しいラムだと思うので、12年も今飲んだら美味しいと感じるのかもしれません。とりあえず今回はアプルトン8年ですが、どんな感じでしょうか。英国系ラムの熟成年数表記は最低熟成年数であることがほとんどで、今回のこのアプルトン・エステート8年も「最低8年熟成」と書かれています。アルコール度数は43%。香りはモロにジャマイカです。キャラメルと青いバナナ、熟したバナナ、パイナップル、黒糖などジャマイカ要素満点です。自分がジャマイカのラムに慣れただけなのかもしれませんが、12年レアブレンドよりもクセが少なくて親しみやすい印象です。味わいはキャラメルクリームとバナナ、ハチミツ、外国製チョコレート、それに程よいオークの風味があって、濃度的にもちょうどいい感じです。ジャマイカのラムは飲みにくいという自分の中の印象が、ワーシーパーク・シングルエステートで払拭され、プランテーション・ザイマカでさらに親しみが増し、今回のアプルトン・エステート8年で、もう特殊なカテゴリーのラムではなくなった気がします。前に飲んだレアブレンド12年が僕の好みではなかっただけなのですが、12年で感じたクセのようなものが今回の8年では感じられず、よりバランスが良く、しかもよりまろやかに感じられました。熟成年数的には逆になるはずですが、かなり明確にこちらの方がしっとりマイルドで飲みやすいと思います。アプルトンは他のジャマイカンラムと違って、ポットとコラムのブレンドです。発酵、蒸留、熟成に加えて、ブレンド比率によっても「ハニー・スポット」的なものを生み出せる確率が上がるわけですが、それはブレンダーと我々消費者側のセンス・好みが合致するかどうかという問題があり、ブレンダー側としては多くの消費者に受け入れられるであろうブレンドを見出し、製品化する必要があります。その点でアプルトンのマスター・ブレンダー「ジョイ・スペンス」さんのセンスと力量は素晴らしいと思いました。【僕の評価】5段階中の5
2021.11.12
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【ハンプデン・エステート】ハンプデン・エステートジャマイカのラムです。ラ・メゾンドウイスキー社とヴェリエ社がリリースする、ジャマイカ・ハンプデン蒸留所の製品です。ハンプデン蒸留所は18世紀から続く由緒ある蒸留所だそうですが、近年まで熟成したオフィシャルのラムは存在しませんでした。ホワイトラムは別ブランド名で販売していたらしいのですが、それ以外はおそらくオランダの巨大ブローカーE&Jに大きな単位で販売し、ヨーロッパのインディペンデントボトラー各社がそれをヨーロッパ内で熟成させて販売していただけのようです。2010年くらいにハンプデン蒸留所は自社でのラム熟成をスタートさせ、その8年後くらいにオフィシャル・ブランド「ハンプデン・エステート」をスタートしたそうです。つまりジャマイカでトロピカルエイジングさせたハンプデンは、ごく近年になってようやく出てきたものらしく、特にヨーロッパのラムマニアの間で大興奮の事態になったようです。ハンプデン・エステートの特徴は、高いエステル値、野生酵母による発酵、単式蒸留100%、などです。高いエステル値であることは賛否両論があり、強烈な香りのパワーで印象深い反面、飲みやすいものではないと評する同業者の声も聞かれます。このハンプデンの香りは非常に強く、青いバナナと熟しすぎたバナナ、熟しすぎたパイナップル、甘いマンゴなどがとても強く感じられます。要素としては他のジャマイカンラムとの共通性が多いのですが、このハンプデンはその要素の強力さ、鮮明さが大きな特徴だと思います。度数は46%で、味わいは香りのインパクトに比べて控えめな印象です。ポットスティル100%の重さ、味自体の濃さは、香りの印象から期待するほど強いのものではなく、風味の複雑さやまろやかさの点では、例えば同じジャマイカのワーシーパーク・シングルエステートの方が上かなと思います。もちろんハンプデンが劣っているわけではなく、「香りハンプデン、味ワーシーパーク」的な感じでしょうか。それにそもそも、こういうのは飲む人によって評価は一律ではないはずなので、今回僕がそう感じただけなので、ハンプデンの方が美味しいと評する方も多いと思います。裏のラベルに、「8年ジャマイカでトロピカルエイジングしています、これはヨーロッパでのコンチネンタルエイジングの25年に相当します、というようなことが書かれています。*表ラベルには7年熟成と記載があります・・・そこまで差があるのかどうかはわかりませんが、メゾンドウイスキーもヴェリエも、トロピカルエイジングとコンチネンタルエイジングでは大きな差があると認識しているということですね。いずれにしても世界が待った上等なラム、という点は間違いないと思います。【僕の評価】5段階中の4.5ハンプデン ピュア シングル ジャマイカン ラム 最低7年熟成 46度 700ml価格:7620円(税込、送料別) (2021/8/18時点)ハムデン (ハンプデン) ジャマイカ ラム 最低7年熟成 (ラメゾン&ヴェリエ) 46度 700ml価格:7620円(税込、送料別) (2021/8/18時点)
2021.10.29
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【アプルトン エステート21年】アプルトン・エステート21年ジャマイカのラムです。アプルトンは日本でも流通している、一番メジャーなジャマイカンラムです。アプルトンのラインナップは近年変更され、ホワイト、シグネチャー、エステート8年、エステート12年、そしてこのエステート21年となったそうです。21年は変更なしのようで、シグネチャー、8年、12年が新しくなってはいますが、日本ではシグネチャー以外の2つは旧型が流通していて、新しいバージョンはまだ入ってきていないようです。以前飲んだアプルトン・エステート・レアブレンド12年は、特に日本ではジャマイカンラムの代表とされていて、非常にメジャーな存在なのですが、残念ながら僕の好みからは外れていました。当時の僕は、焦げたような風味(樽の焦げた風味ではない)と、痛んだ果物のような風味が苦手で、あまり美味しいとは感じられませんでした。ジャマイカのラムは、多かれ少なかれ他国のラムにはない独特な風味が共通項としてあり、それは主に発酵に使われる酵母(各社別の酵母ですが)、長い発酵期間に由来するものと思われ、その風味を海外ではよく「ファンク」と表現されています。僕はそれが苦手だったのですが、最近は「ワーシーパーク・シングルエステート」や「プランテーション・ザイマカ」でジャマイカンラムの美味しさに触れ、もう一度定番のアプルトンに戻ってみる気になりました。いずれ新型に切り替わるであろう8年と12年はしばらく待つとして、今回は一番長熟の21年を飲んでみます。アプルトンのラムは、ジャマイカでは珍しいポットとコラムのブレンドです。アプルトン以外のジャマイカンラムはポットのみのところが殆どです。香りは、パイナップルやバナナ主体のワーシーパークやプランテーション・ザイマカとは違って、ナッツやチョコレート、バニラ、黒糖などがメインに感じられる、驚くほど落ち着いた雰囲気です。一口飲むと、まったりとしたバターキャラメル、黒糖、カカオがメインで、それにオレンジやナッツの風味も感じられ、濃厚・複雑です。バナナやパイナップルとかのトロピカルフルーツの風味ももちろんありますが、あくまで構成要素の一つとして感じられ、それらが全開で主張しているということはありません。最低21年という超長熟なのにオークすぎないところもスゴイ。甘さは控えめで、コシ・コクが深く、程よいオークの香りと共に、非常にバランスが良い味わいです。後味は長く、とても満足感の高いラムです。ファンキーなクセ、荒々しさが全く無く、非常に洗練された長熟ラムという感じで、もはやジャマイカよりもバルバドスのラムを髣髴とさせる風味に変貌しているように感じました。その意味で飲みやすく、産地を超えた普遍的な美味しさです。金額だけを見るとやや高額なラムですが、よくあるボトラーズブランドの高額ラムほどではないし、熟成年数は最低21年のトロピカルエイジング、しかもこの味わいなので、総合的には適正価格、高くはないと思います。日ごろ頑張っている(何を?)自分へのたまのご褒美にはぴったりの高級ラムだと思いました。【僕の評価】5段階中の5+アプルトン エステート 21年 ラム 43度 750ml(正規輸入品)(3)価格:11480円(税込、送料別) (2021/5/6時点)
2021.10.22
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【1731 ファイン&レア バルバドス8年】1731ファイン&レア バルバドス8年バルバドス/フォースクエア蒸留所のラムです。1731はオランダのボトラーズブランドで、カリブ海と南米各国のラムをラインナップしているようです。複数国ラムのブレンドものもあるようですが、日本には単一国ラムの「シングルオリジン」シリーズだけが入ってきているようで、モーリシャス、パナマ、ベリーズ、バルバドスがあります。その中のバルバドスが、僕の大好きなフォースクエア蒸留所製ということを知って、今回買ってみることにしました。オランダといえば、ラムマニアの間では有名な巨大ブローカーE&Jがあるので、そこで若いラムを安く買ってコンチネンタルエイジング後に販売するという、いつものボトラーズブランド方式かと思いきや、こここのは「トロピカルエイジングで最低8年熟成」と表記されていて、ちゃんとしているっぽいです。現地で熟成したラムを扱うという、イギリスの大手ブローカー・メインラムカンパニー(結局E&Jと合併したとか)がソースなのかもしれませんが、そこまでくるともうどちらでもよくなりますね。トロピカルエイジングで価格的に妥当であればOKでしょう。度数はいまどきな46%。ラムの色は淡く、カラメル色素調整もされていないっぽいです。香りはいつものバルバドス・フォースクエア的な感じです。キャラメルとバナナ、ナッツクリーム、バニラ、少し柑橘とオークが感じられます。味わいの印象は「オロロソカスクを使ってないドーリーズXO」といった雰囲気ですが、度数のおかげもあってか適度なコクがあります。キャラメルとバターソテーしたバナナ、バニラ、ココナッツクリーム、オレンジ、適度なオークなどの風味が感じられます。8年熟成で度数46%、全部バーボンカスク熟成という、他のフォースクエア・ラムにはないスペックによって、立ち位置を確立しているという気がします。RLシールズ46%バージョンとは2年違い(RLシールズは10年熟成)という近いスペックです。比較するとこちらは色がやや淡く、香りや味わいはさすがによく似ていますが、RLシールズの方が濃いというか丸く太いという感じがしました。RLシールズ46%よりもライトでシャープな感じというわけですが、どちらが美味しいと感じるかは個々人の好みの傾向によると思います。国内で手に入るフォースクエア・ラムはRLシールズと、時々ドーリーズがあるくらいだということを考えると、この1731ファイン&レア・バルバドスは貴重な存在だと思います。値段的にも他のボトラーズブランドの製品よりはるかにリーズナブルで、価格と味わいのバランス的な観点からすると、まあ納得できる価格設定だと思います。【僕の評価】5段階中の4,51731 ファイン&レア バルバドス 8年 ラム 正規品 46度 700ml価格:5940円(税込、送料別) (2021/7/30時点)
2021.10.09
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【チェアマンズ リザーブ】チェアマンズリザーヴセントルシアのラムです。アドミラルロドニーと同じく、セントルシア蒸留所生まれのラムです。チェアマンズリザーヴ・ブランドのラムは、以前にフォゴットンカスクと2005ヴィンテージを飲みましたが、前者は「まあまあ」、後者は「極上」だと思いました。今回のチェアマンズリザーヴは、ラインナップ中の一番ベーシックな製品です。主な製法は共通していて、糖蜜から作られ、ポットとコラムスティルによる蒸留で、それぞれバーボンカスクで熟成し、ブレンドされているようです。熟成年数は大体5年程度らしいです。グラスに注いで香りをかいでみると、フォゴットンカスクとは違ってベーシック系。フォゴットンカスクで僕が気になっていた酸味系の要素が無くて安心しました。飲んでみると、さすがに多少のアルコール刺激はあるものの、2005ヴィンテージ寄りの風味で、カラメルとバナナ、ココナッツ、ナツメグなどがバランスよく感じられ、とても味わい深いラムです。充分満足できるほどのコシもあるし、値段を考えると驚異的な品質だと思います。コストパフォーマンスに優れたラムはいろいろありますが、味・風味:価格比率で考えたら、断然これが一等賞だろうと思います。どうしてこれまで飲まなかったかというと、正直安すぎて怖かった・・・反省しています。不満はただ一つ。裏ラベルの上に貼られた輸入元のラベルです。こんな素敵なラムを輸入していただいて文句をいうのはアレですが、裏のラベルを読みたいので何もないところに貼っていただけませんでしょうか?しかも上手く剝がれませんでした・・・【僕の評価】5段階中の5チェアマンズ リザーヴ セントルシア 40度 700ml RS【誕生日プレゼント お酒 洋酒 フランス スピリッツ ラム 宅飲み お祝い お中元 ギフト お歳暮】価格:1950円(税込、送料別) (2021/8/20時点)
2021.10.01
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【R.L.シールズ 46%バージョン】R.L.シールズ エクスポートプルーフ46%バルバドスのラムです。一番入手しやすいフォースクエアのラム、RLシールズ。以前のやつは度数43%でしたが、今回は46%のバージョンです。43%のやつはとっくに飲み切っていて直接比較はできませんが、3%の違いは大きいはずです。ボトルは43%版と同様。特徴的な「曲がってるやつ」です。香りは他のフォースクエアラムと少し違っているように思えます。キャラメルやナッツ、バナナなどの感じがありながら、ブランデー的な透明感、プラムのような果実感もあります。飲んでみると、以前の43%バージョンよりはるかに濃く、完全にこちらの方が美味しいと思います。フォースクエアのラムに共通する風味、ココナッツクリームやナッツの風味がありながら、プラムやネクタリン系の果実感も並行して感じられ、ナツメグ的スパイスと程よいオークの風味も備わっています。最大の特徴は、他のフォースクエア・ラムにはない「つるりとした口当たり」で、それはある種のブランデーやウイスキーのような感じでもあり、とても飲みやすく、そしてドライな感じです。他のフォースクエア・ラムよりも、コラムスティル比率が高いのかもしれません。濃厚さよりもスムースさ・透明感が全面に感じられます。ドーリーズと違ってフルにバーボンカスク熟成で、シンプルといえばシンプルなラムなのですが、その分品質の高さが際立っているように思えます。もしコラムスティルだけだったとしても、さぞ美味しいだろうと思います。フォースクエアのラムでこれが一番美味しいというわけではありませんが、その品質の高さを手軽に実感できる(いつでも買えるということで)1本だと思います。ナチュラルでクリーン、味わい深いバルバドス・ラムの基本の「き」という感じです。【僕の評価】5段階中の5R.L.シールズ 10年 46度 700ml価格:4480円(税込、送料別) (2021/8/13時点)
2021.09.17
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【トランスコンチネンタル ラム ライン バルバドス2005】TCRLバルバドス2005バルバドス、フォースクエア蒸留所のラムです。以前飲んだニカラグア版と同じく、TCRLはフランスのラ・メゾンドウイスキーのラムブランドです。所謂ボトラーズブランドですが、僕がここのブランドを気に入っている大きな理由は、熟成年数の内訳が明記されているからです。今回のバルバドス2005は、バルバドスでのトロピカルエイジングが11年、ヨーロッパでのコンチネンタルエイジングが2年、とちゃんと書いてあります。例えば単に10年とだけしか記載が無いものだと、もしかしたらそれは1~2年の未熟で安価なラムを買って、寒冷なヨーロッパで8年くらい樽に入れておいただけのものかもしれません(もちろんヨーロッパでも熟成はします)。それでいてボトラーズブランドのモノは高価であることがほとんどなので、僕はこのことに気づいてからは、あまりボトラーズのラムに手を出していませんでした。そういう核心的な情報がちゃんと書いてあって、僕のような庶民でも購入可能な価格のものというと、フェラン/プランテーションが一番でしょう。しかも好きな産地のやつであれば例外なく美味しいし、それどころかオフィシャルより美味しいこともしばしばです。プランテーションと比べると今回のTCRLはやや高価格ですが、好きなフォースクエアのラムなので久しぶりにボトラーズのラムを買ってみました。フォースクエア蒸留所で2005年に蒸留されたポットとコラムスティルのシングルブレンド(同一蒸留所でのブレンドということでラムの分類で使われるカテゴリー呼称)で、度数は55.2%。4樽だけのスモールバッチだそうです。香りはバニラココナッツアイスクリームがメインの、モロにフォースクエア。まったりバターっぽく、程よくオークと柑橘の感じもあります。味は度数なりに濃厚で、ナッツやカカオ、ココナッツミルクの風味に、オークとスパイス(ナツメグと風味が無くて舌に感じる刺激だけの胡椒)の刺激と渋みが程よく感じられます。コシが強めで、ポット比率はエクセプショナルカスクシリーズ並みに高いように思えますが、それはどこにも書いてないので確認できません。総合的に非常に美味しく、エクセプショナルカスクシリーズと遜色ない上等なラムだと思います。ところで、ヨーロッパでの2年間はラムカスクで熟成してます、と書いてありますが、「ラムカスク」って何でしょう?何らかのラムが入っていた樽のことだと思いますが、#11とか#12とかの記載だけで、それがどういうラムだったのか、そのラムの前はバーボンだったのか、ラムカスクとしては何年使用したのかなど、全然わかりません。正直言ってラムカスクの効果は僕にはよくわかりませんでしたが、例えヨーロッパでの熟成2年が「効果ゼロ」と考えても、このラムは10年熟成・55.2%のフォースクエアのラムとして妥当な美味しさなので、ラムカスクとコンチネンタルエイジングに関しては、まあ別にどうでもいいかと思えます。フォースクエア・エクセプショナルカスクシリーズより高価ですが、日本では流通していないので、味的にほぼそれであるということで、このTRCLバルバドス2005は価値ある存在だと思います。美味しいです。【僕の評価】5段階中の5+バルバドス 2005 トランスコンチネンタル ラムライン 55.2度 700ml価格:12980円(税込、送料別) (2021/6/25時点)
2021.09.03
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【エル・ドラド15年】エルドラド15年ガイアナのラムです。エルドラドは近年ラベルが新しくなり、それに伴って(逆かもしれませんが)中身も変わったとのウワサをキャッチしたので購入してみました。なんでも、世界中から指摘されても頑なに砂糖を入れていないと言い張ってきたDDL(エルドラドの製造会社、デメララ・ディスティラー・リミテッド)ですが、近年新しくなったラベルのバージョンは「甘くなくなった」らしいのです。お料理同様に、ラムも砂糖(サトウキビシロップであることが多いようです)を入れると味に丸みとふくよかさが加わるので、一般的には飲みやすくなるという効果があるようです。当然砂糖をいっぱい入れると凄く甘くなるわけで、ラムに甘さを求める層にはウケが良くなる反面、ハードコア・ラムマニアからは糾弾の対象になります。僕はハードコアなラムマニアではありませんが、あまりにも砂糖の量が多いラムは1本飲み切るのが難しいと感じたことがあり、特に濃くて甘いやつ、ポットスティル比率が高くて甘いやつはその傾向が顕著です。今回のニューバージョンはそれが改善されていればいいのですが、さてどうでしょうか。香りは旧15年とさほどの違いはないように思えます。黒糖とキャラメル、ナツメグ、オーク。でも飲んでみたら違いが明確です。たぶん誰でもすぐわかるほどの違いがあります。断然、こちらの新しい15年の方が美味しいです。濃かった甘さはとても控えめになっていて、黒糖、レーズン、キャラメル、オーク、ナツメグ、革などの複雑な風味が、以前よりも明瞭に感じられます。重く、フルーティーさとスパイス、オークの感じが絡み合っていて、本来のエルドラド15年が姿を現したという感じです。よく知られていることですが、エル・ドラドは熟成年数の違いだけによってラインナップが構成されているのではなく、それぞれ原酒のブレンド比率が違っているようです。DDLはいくつもの蒸留器を稼働させていることで有名ですが、今回の15年はポートモーラント(木製のポット)原酒がほとんどなのだそうです。ポートモーラントで蒸留されたラムは単式蒸留の特徴そのままに「重い」ことが特徴で、エル・ドラドでも15年が一番という評価は、このポートモーラント原酒比率の高さによるもののようです。確かに、飲みごたえがあると思います。単にマスターブレンダーさんが物凄い甘党で、自分の好みの甘さに調節していただけだっただけなのかもしれませんが、今回の新エルドラドはちょうどよい塩梅だと思います。砂糖ゼロなのかどうかまでは確信が持てませんが、大幅に改善されていることは確かだと思います。おそらくポートモーラントだけだと、あるいはポートモーラント比率が立すぎると、一部のボトラーズブランドの製品のように飲みにくくなってしまうところ、持ち味を失わない程度に他のコラムスティル原酒をブレンドするというその見事なブレンド技術によって、重いながらも飲みやすく、そして風味豊か、素敵なラムに仕上がっていると思います。エルドラドは甘いからなあ、と再購入を躊躇っていた愛好家の皆さん、これならイケますよ。【僕の評価】5段階中の5エルドラド 15年 デメララ 43度 箱付 700ml 並行価格:5500円(税込、送料別) (2021/8/20時点)
2021.08.28
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【リアルマッコイ10年リミテッドエディション】リアルマッコイ10年リミテッドエディションバルバドスのラムです。フォースクエア蒸留所産の米国ブランド「リアルマッコイ」の10年物、リミテッドエディション。3000本の限定品だそうです。リアルマッコイでは熟成にヘビーチャー・バーボンカスクが使われるのが特徴ですが、今回の限定品はヴァージンオークカスクも使われています。通常は一度バーボンの熟成に使われたカスクを熟成に使うところ、バーボンと同じ新樽も熟成に使っているのだそうです。普通のヘビーチャーバーボンカスクで12年熟成したものと、ヴァージンオークカスクで10年熟成したものをブレンドしたとのことで、これはかつてなかった製法、少なくともフォースクエアではなかった製法です。最近はバーボンも好きになって少しづつ飲んでは喜んでいるので、これは僕にとってはとても楽しそうなラムです。新樽を熟成に使うということは、木材に含まれる成分の抽出が最大ということなので、熟成効果が高く、ほとんどのバーボンが一桁熟成年数なのにあれだけ美味しい理由の一つとされています。また、ケンタッキー州の平均気温が、スコッチやコニャックの故郷であるヨーロッパよりもはるかに高いので、熟成スピードが早いということもよく言われています。リアルマッコイは、冬が無い海洋性熱帯気候のバルバドスでトロピカルエイジングされているので、熟成効果はバーボンをはるかに上回る、ように思えます。そう考えただけでも凄そうですね。度数46%。香りはやはりこれまでのリアルマッコイよりもはるかにバーボン的な感じです。焦げオークとバニラ、甘酸っぱい感じが明瞭です。ダークチョコレートやココナッツ、オレンジなども感じられ、いつものフォースクエアより「強い」感じです。飲んでみると、かなりの飲みごたえ。バニラ、焦げオーク、ココナッツクリーム、バナナ、ココアパウダー、それにハチミツとタンニンが重くあり、他のフォースクエアラムと違ったゴツイ味わいです。焦げ感とタンニン具合が非常に印象的ですが、リアルマッコイの重厚な味わいにギリギリ調和しているという感じがします。もしこれが薄味系、軽い風味のラムだったら、バランスが崩壊していたのではないかと思います。それくらいきわどいバランスに思えます。まあ、こういうのは好み・許容の範囲問題なので、世間の皆さんがどのように感じられるかわかりませんし、このリアルマッコイ10年リミテッドが美味しくないというわけではありませんが、僕ならリアルマッコイブランドの中では12年46%バージョンか14年、12年リミテッドがお勧めです。コレも美味しいんですが、他がラインナップがウマすぎる、という感じです。【僕の評価】5段階中の5
2021.08.20
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【ラム シックスティシックス6年】シックスティシックス6年バルバドスのラムです。フォースクエア蒸留所生まれの英国ブランド「ラム シックスティシックス」の6年物です。シックスティシックス12年は僕の超お気に入りラムの一つです。単式・連続式蒸留のブレンドで、バーボンカスクによるトロピカウエイジング、コシの強さと飲みやすさが高次元で両立されている、フォースクエア・ベーシックとも言える素晴らしい味わいです。今回の6年バージョンは熟成年数半分、ブランドのヘイルウッド社のサイトでは、「プレミアムミキサーとしてお勧めします」と紹介されています。でも、僕は何かを混ぜるのは好きじゃないのでストレートで飲んでみます。どうでしょうか。度数は40%。近年のフォースクエア基準ではやや低めです。香りはバニラとキャラメル、バターソテーしたバナナ、オークなど、要素的には十分フォースクエアですが、若干香り立ち自体が控えめです。でもアルコール刺激が強いとかそういうことはありません。飲んでみると、味わいもやや淡い感じがしますが、刺激はほとんどなく、風味や味の要素は12年とほぼ一緒。このありようは、バルセロ・インペリアルとバルセロ・グランアネホの関係と同じだと思いました。香りと味の要素は同一で、凝縮感・濃度に差が出ているという感じ。ロウ・グレードの方でも、いわゆる若いアルコール刺激は感じられないので、不快な感じは全然なく、普通に美味しく飲めます。少し物足らない感じはしますが、価格差を考えると妥当なところというか、かなり健闘していると思います。【僕の評価】5段階中の4,5
2021.07.03
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【フォースクエア・ダイアデム】フォースクエア・ダイアデムバルバドスのラムです。これはフォースクエア蒸留所から直接リリースされるいつものエクセプショナルカスクセレクションのシリーズではなく、英国の販売店「ウイスキーエクスチェンジ」だけが販売するプライベートカスクセレクションです。バーボンカスク&マデイラカスク熟成のブレンドで、熟成年数は12年。度数60%のカスクストレングスです。フォースクエアの通常のエクセプショナルカスクセレクション「2007」や「2008」などのカスクストレングスものは完全バーボンカスク熟成で、フォーティファイドワインカスク熟成とのブレンドの「サーガシティ」や「デタンテ」は度数48~51%です。今回のダイアデムはバーボンカスクとワインカスクのブレンドで、さらにカスクストレングスなので、これまでにないスペックになっています。非常に楽しみです。色は他のフォースクエアと比べてやや濃い感じもしますが顕著な違いはないと思います。最近、色はほぼ気にならないようになってきました。グラスに注いですぐはかなりの刺激を感じますが、数分置いておくと落ち着いてきて、カスクストレングスらしい力強い香りが出てきます。マデイラ感はそれほど強くなく、濃厚カラメルとバナナ、それにカスタードなどのベーシック要素がメインです。口当たりはやや強く、フォースクエアにしては若干の荒々しさを感じます。これは数分置いた後でも変わりません。味の要素としては、香り同様になぜかマデイラの風味はそれほど感じられず、バナナやカラメル、ナッツなどのベーシックな要素に加えて、生姜やペッパー的な刺激が強めに感じられます。販売元のサイトには「このラムはグラスの中で開かせ、より良くするために、しばらく時間が必要です」という記述がありますが、20数分置いておいてもさほどの変化は感じられません。12年熟成ということで、「2008」など10年熟成のカスクストレングスよりもマイルドかと思いましたがそうではないようです。味わい・風味自体は並のラムよりはるかに美味しいのですが、もっと時間が必要なのかもしれません。過去には数か月後とかに改めて飲むと美味しくなってきたラムもあったので、このフォースクエア・ダイアデムもしばらく置いておいてから、また飲んでみようと思います。2カ月くらい経過した後には、まとまりというか落ち着きが出てきて、かなり飲みやすくなりました。それと共にマデイラ感も滲み出てきたように感じられ、非常に複雑な味わいになってきたように感じます。【僕の評価】5段階中の4.5→5
2021.06.12
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