こんぱすコーチの全方位日記

2014年10月27日
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昨年の今日、つまり2013年10月27日。
朝食の後に、息子2人と父母・弟とで病院へ急ぎます。
緩和ケア病棟の、ヨメさんの病室に入ると、
看護師さんたちが忙しく点滴の取り替えや
体温・血圧などの測定をしていました。

母親がヨメさんの名前を呼びながら駆け寄ると、
薄目を開けながら

「お義母さん、すみません……」

と、ほとんどかすれ声でしか応じられません。


この前、メールで『またみんなで旅行に行きたい』
って言ってたばかりやのに……」
と母親。後は嗚咽が出るばかりで
言葉になりません。

そのうち、ken父さん夫妻やママ友たちが
相次いで病室へ駆けつけくれましたが、
終末状態に陥った彼女を見守るしかすべがなく……。

この間、病室内は重苦しい空気が淀んでいるままでした。

これ以上悪くなることはあっても
良くなる見込みはまったくもってなさそうで、
こうなったら、早く苦しみのない状態になって欲しい、

早くそうなって欲しい、と思い始める自分がいました。

下記は、昨年の10月27日にしたためた別日記です。



昨夜は午前3時近くまで母親や弟としゃべって床についたものの、
5時に目が覚める。


8時頃に朝食。9時に自宅を出発し、病院へ向かう。
病室に入ると、昨日より容態が悪化している妻。
母親がすがるように名前を呼びかける。
しかし本人は意識がもうろうとしていて、反応が鈍い。
月曜日の整髪どころか、今の洗髪さえままならぬ状態。

10時。初めてママ友のRママに連絡。電話口で号泣される。
とにかく今日、病院へ見舞うと。

10時20分、ken父さん夫妻が到着。変わり果てた妻の姿にただただ涙。

10時50分、ken父さん夫妻が帰ったと同時に、
妻が息苦しさを訴え始め、看護師さんを呼ぶ。

11時、看護師さんに呼ばれる。
主治医は鎮静剤の処方を提案していると。
そうすれば、本人は苦しさから解放されるが、
意識がなくなるので、家族始め
人とのコミュニケーションはとれなくなる。
そのまま息を引き取る可能性があるので、どうしましょうか、
と相談を受けた。
息子たちと母親に相談し、本人がラクになるのなら、
と主治医の提案に応じる。

12時15分、鎮静剤投与の前にもう一つ試したいことをやりましょう、
と主治医から看護師さんに指示。

手を握ると、意識もうろうであっても彼女もこちらの手を握り返してきた。
「今まで、ありがとうな」
と声をかけると、彼女もか細い声で「ありがとう…」と返してくる。

「至らんことばっかりで、ごめんな」と僕。
そんなことない、と言わんばかりにかぶりを振る妻。

「猫3匹は、ちゃんと最後まで面倒みるから、安心して」
うん、うん、と目を閉じながら首を縦に振る彼女。

そして、新たな点滴投与。妻は深い眠りに落ちる。

午後4時過ぎ、彼女が仲良くしていた、
3人のママ友たちが見舞いに訪れる。横たわる妻を目の前に絶句。
「私たちの理想の奥さん、母親だったのに……。
何でこんなことになるの!?」と。
妻は、彼女たちとは頻繁に食事会をする間柄。
その宴席では、うちの家族の悪口はまったく口にしなかったらしい。

「私たちは、子どもがどうの、旦那がどうの、
会えばそれぞれの愚痴を言うばかりなのに、
彼女は、ずーっと私たちの話を聞いてくれていた」
と。今になって、妻の人柄の良さを知った。

同じ仲良しママ友のうちの1人が遅れて病室に。
横たわる妻を見て泣き崩れる。
最後にもう1人のママ友が入室。妻を見てさめざめと涙する。

午後6時、ママ友たちが辞してから、
今夜は家族全員が病院に泊まるために、
家に一部荷物を持ち帰ったり、必要な荷物を持ってきたり、
果ては夕飯の調達のため、僕と長男以外はいったん病院を出る。

僕は、大阪在住で高校時代から現在の勤務先も同じである先輩に
今回の件を報告。電話口でショックを受けていた。

病室に戻ると、妻の容態がおかしい。何だか呼吸が弱くなっている。
慌てて看護師さんを呼ぶと、「呼吸が浅くなっています」と。
手を握ると、指先の体温もどんどん下がってきている。
息が浅い分、血の回りがわるくなっているようだ。

急ぎ、次男の携帯に電話をかけて、早く戻ってくるよう伝言。
さらに妻には耳元で 「戻ってくるまで頑張ってくれ!」
と声をかけると、少し息が戻った。

午後7時過ぎ、次男や父母、弟が戻ってきて間に合う。

午後8時半、呼吸がどんどん浅くなってくる。
耳が白くなり、冷たい。血が通ってないようだ。
息子2人が片方ずつの手を握る。
それでも、こちらの呼びかけは分かるようだ。
問いかけにうなずいたり、かぶりを振ったりする。

午後10時を過ぎたあたりから、息を吐く際に、
うなり声が出るようになった。
聞く側にはとても苦しく切なそうに聞こえる。



今読み返してみても、自然に涙が出てきます。
こんな経過を経て、翌日の臨終を迎えたのでした。
これほどとことん長いようで、
とことん短い日は、今まで経験がなかったような気がします。





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最終更新日  2014年10月27日 16時20分41秒
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Re:臨終前夜の記録(10/27)  
ひまわり♪ さん
こんなに大切な想いが綴られた記録を読ませていただいていいものか…と思いつつ、拝読致しました。
情景が目に浮かび、言葉が出ません。
自然と目頭が熱くなります。
まさやんさんとご両親、息子君たちの想いもさることながら、奥様の想いが痛い程伝わってきました。

死生についての書物を読んでいると、人の評価は息を引き取ってから分かる…というのを目にしますが、本当にその通りだと奥様のお姿を通して納得しています。

1年になるんですね…。
(2014年10月27日 20時20分52秒)

ひまわり♪さんへ  
読んでいただいてありがとうございます。
人が死んでいくさまをこんなに間近でまともに見たのは初めでした。
それはショックなことこの上ないのですが、それと同時に人間の尊厳を垣間見た気もしました。
彼女の死を通して、今までまともにとりあってこなかった「人が死ぬこと」に真剣に向き合う覚悟ができたような気がしています。


>死生についての書物を読んでいると、人の評価は息を引き取ってから分かる…というのを目にしますが、本当にその通りだと奥様のお姿を通して納得しています。

人の価値・評価は死んでから分かる、というのは僕も以前から理解していました。
本人の意向で、家族だけで慎ましく見送るつもりだったのが、
お通夜には結局50名もの方にお参りいただきました。
その事実だけで、彼女の人柄が偲ばれるというものです。
(2014年10月28日 16時29分27秒)

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