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アメリカ版の『VOGUE』3月号に、「the balenciaga mystique(筆者訳:バレンシアガの神秘)」と題した記事が掲載されているのを、興味深く見た。この特集、1950年に同誌向けに撮影された、故クリストバル・バレンシアガの作品と、現在「バレンシアガ」ブランドのデザイナーである、ニコラ・ゲスキエールの作品を対比する形で、モノクロの非常に美しい写真と文章から構成されている。今、バイヤーからも顧客からも高く評価されている、ニコラ・ゲスキエールのエレガントで技巧的な作品の数々の素晴らしさもさることながら、こうやって、過去と現在を対比すると、逆に、現在の美の源流となっている故バレンシアガの作品がいかに美しかったか、ということが際立ってくる。この『VOGUE』には、写真家のセシル・ビートンが、クリストバル・バレンシアガのことを「fashion's Picasso(筆者訳:ファッション界のピカソ)」(同誌)と称賛していた、ということも書いてあったが、至極尤もな評価であろう。ニコラ・ゲスキエール氏は、2001年に「バレンシアガ」ブランドがグッチ・グループの傘下に入ってから、ブランドの過去のアーカイブに自由に触れることを許されたのだそうだ。それまで80年代調だったゲスキエールの作品のシルエットが、故バレンシアガの影響でその後一変していったのは、周知の通りである。「For Ghesquere, "the biggest surprise" of the archives "has been the fabrics-their quality and modernity, their texture, their body. The thick, felted wools. The bubble silks. And the power of the colora are atill so strong. The prints are flashing to you like an underwater world."(筆者訳:ゲスキエールはこう語る。『アーカイブに関する最大の驚きは、生地のクオリティとモダンさ、触感、ボディ感だったんだ。厚いフェルト状のウール。バブル型にふくらんだシルク。そして、色の力。だから私も色を使うようになったのだ。どの色もものすごく力強かった。プリントは、まるで水面下の世界にいるかのようにきらめいていた』)」今日、この雑誌を読んで初めて知ったことだが、ゲスキエールが生まれて数ヵ月後の1972年に、バレンシアガは亡くなっているらしい。何か、因縁めいたものを感じてしまう話である。アメリカ版の『VOGUE』をご購読なさっておられるか、もしくは職場か学校に置いてある方は、是非この特集ページをご覧になってみて下さい。ニコラ・ゲスキエールの創出している作品は、バレンシアガからインスパイアされたものであっても、決して単なる模倣ではない、ということがよくおわかり頂けるだろう。こんな風にアレンジできるの、ということは、展開力に乏しい凡人にはかなりの衝撃ですね。素材の進化、そして、時代性の違い(バレンシアガの生きた時代とは、女性の肌の露出や、自己主張がどこまで許されるか、という市場環境が全く違うのだ)、そして、過去のデザイナーに最大限の敬意を払いながらも、「個」としての自分の個性もうまく落とし込んでいる・・・。しかし、「バレンシアガ」というブランドの持つ、ちょっと近寄りがたいくらいに神秘的で美しいミューズ(女神)のための服、というコアなイメージはきっちり守っている。守りながら更にそのイメージを発展的に膨らませ多様に展開しているところが、ブランドビジネスとして成功しているポイントなのではなかろうか。「故きを温めて新しきを知る」、いわゆる、温故知新というのは、こういう手法を言うのだろうという、良い手本だろうと思います。人気blogランキングへ
2006年02月28日
今日は、わが地元・墨田に関する話題を2つ。1つ目は、この間、川崎の家電量販店、さくらやで発見したんだけれど・・・。墨田区内のプラスチック、金型加工の会社、(有)大里加工さんのiPod shuffle用のメタルケースが、店頭で販売されております。これは、快挙ですね~。おめでとうございます(^^)/私もパープル色のケースをネットで買って愛用しているのですが、なかなかオシャレです。結構人目につくらしく、「オッ」という感じで見てもらえますよ。レザーとは対照的なメタリックな色合いと質感がお好きな方は是非是非お買い求め下さいませ。もう1丁。明日、午後3時から午後6時まで、東京・赤坂の日本財団ビル2階で、日本財団さん主催のセミナー「ブログ道場」が開催される。このセミナー、何と、太っ腹にも、無料で開かれるということなのだが、講師の一人、地元・墨田の久米繊維工業(株)・久米信行社長のブログに書かれているご案内によると・・・。公益活動を行う人を年頭に置いて開かれるそうだ。何故、NPO法人や任意のグループ、個人などによる公益活動にブログが向いているのかについて、久米社長がお話しされるほか・・・。全くの初心者の方向けの、ブログの仕組み、投稿の仕方等についての説明あり・・・。そして、最後には、東京商工会議所墨田支部の安部泰起さんから、「墨田区を愛する有志ブログ」の企画案が発表されるのだ。実は今日少し安部さんとお電話でお話しし、メールも頂いたりしたのだが、ブログのダミーはとても素敵なスキンで仕上がっていた。11月の東商墨田支部さんで開かれた「ブログ道セミナー」以来3か月、皆様、大変お待たせ致しましたが、いよいよ、あとはみんなで投稿するだけ!!!明日、区内の皆さんも何人かこのセミナーに足を運ばれるそうなので、間もなくデビューと相成りそうである。モチ、さくらも協力致します。墨田生まれ、墨田育ちではない私は、まだまだ地元の話題にお恥ずかしいくらい疎くて申し訳ないくらいなのだが(^^;;;職業柄取材は得意ですので、オイシイものなんぞをいろいろ試食して、ご紹介させて頂きますネ。他にも既に大勢の皆さんがこのブログへの協力を表明しておられる。私のブログの読者の皆様の中にも、区内在住・在勤の方や、墨田区のヒト・モノ・コト・自然が大好きな方が沢山いらっしゃると思いますが、どんどん参加なさって下さい。このブログが正式にオープン致しましたら、ここでまたご案内させて頂きます。今、よくよく久米社長のエントリを読むと、セミナーの申込締切は、今日の夕刻になっている。明日になって「参加したい」というのが認めてもらえるかどうか・・・。ご紹介が遅くなってしまい、皆様、本当にごめんなさい。もしどうしても参加されたい、という方は、無責任なようで申し訳ございませんが、直接日本財団さんにお問合せ下さいませ。人気blogランキングへ
2006年02月27日
午後4時前、食料品の買い出しがてらイトーヨーカ堂大森店へ。実はこのお店は、私の自宅からおよそ5キロくらいの、まあまあ近所にある。私が昔住んでいた岡山の片田舎だと、毎週この大型店に通いづめないと生活は成り立たない、という感じかもしれない。しかし、東京23区内ならば、食料品一つとっても、商店街さんあり、駅ビルの地下あり、マルエツさんや東急ストアさん、もっと小規模なSM(スーパーマーケット)など、買える場所は溢れている。それだけ競合が厳しい中、数年前にオープンしたばかりの大森のIYさんは、売場面積の大きさと食料品の品揃えの奥行きの深さで支持を受け、どうやらIYさんの都内のドル箱店舗の一つに仲間入りしているようである。知人の話だと、ジモティの間でも、「大森のヨーカ堂は、(食料品は)高いけど品揃えはいいね」という評判らしい。ごくたまに私も夕刻に買い物に行ったりしているが、食料品売り場にはいつ行ってもお客様はかなり入っている。しかし、正直に告白すると、私は3階建てのこのお店の1階以外に、足を踏み入れたことはなかった(^^;; 今日はヨーカ堂さんの新PB(プライベート・ブランド)「pbi(ペーベーイー)」を見るのが目的だから、初めて2階に上がらなければならない。ちょっと緊張気味に、まずは店内全体を、客層を観察しながらブラブラと回遊し始める。単なるお客目線ではない目で改めてお店を見て、まず気付いたのは、革靴売り場に、人っ子1人いないこと!20分くらいずっと観察していたのだが、壁面のスニーカー売り場にはそれなりにお客様が出入りしているのに、誰も寄り付こうともしていない。これには正直、びっくりしましたね。確かに私自身、量販店さんの靴売り場では絶対に靴は買わない人なのだが・・・。改めて店内のお客様の履いているものを観察してみると、30~40代は、9割がスニーカー。50代以上はコンフォートシューズだ。今日は雨の日だから、余計にそうなのかもしれないが・・・。先のとんがったパンプスは、果たしてこの方々のライフスタイルにとって必要なものなのか?また、50代以上になると、人間足が悪くなってくるので、コンフィート系の靴に対しても、値段も重要だが、「機能性が良い」「履きやすい」ということの方がより重要になってきたりする。今の売り場の品揃えは、果たしてお客様のニーズに的確に応えているものなのか、のっけからショッキングな現実を見てしまったようで、非常に考えさせられましたよ。気を取り直し2階へ向かう。どうやらこのお店には、子供服の「pbi」は置かれておらず、レディスとメンズのみのようだ。商品のあらましは、アイワイさん系列の芝パーク出版さんから出ている雑誌『SAITA(サイタ)』の綴じ込みにも出ているし、イトーヨーカ堂さんのHPで通販もやっておられるからこちらをご覧頂けばおわかり頂ける通り、トラッドベース、レディスに関してはフレンチトラッドの可愛らしさと上品さを加味したデザインとなっている。ちょうど、「トゥモローランド」がブームになる以前の、「ニューヨーカー」とか「J-Press」などの旧世代型トラッドブランドが一世を風靡した時代に青春を過ごした40代後半から50代前半には、ちょっと懐かしさを感じさせるMDかもしれない。小花柄のブラウスを50代中頃と思しき女性が握り締めてじっと見つめていたが、綺麗な色目、可愛らしい服が好きな人にとっては年齢を問わずツボをくすぐる要素が大いに入っていると思った。だが、後述するように、この商品をこの世代の方々が買おうとする場合、サイズの問題がネックになってくる。現状のサイズ展開から見ると、このブランドは、30代から40代前半の女性で、休日になると自由が丘辺りをカップルでお散歩しているような、雑貨好き、清潔感のあるファッション好きの女性がメイン・ターゲットになっているように思う。商品のサイズ展開だが、ボトムスはウエスト61から3センチピッチで73センチまである。これに対し、トップスはバストサイズでMが79~87センチ、Lが86~94センチ、LLが93~101センチ。但し、LLサイズの身長は154~162センチが対象で、見るからに縦方向のグレーディングが少ない、横幅中心に拡大しているような格好になっている。私のように身長が169センチだと、「ちょっと丈が足りない」というような感じがするし、トップスのアームホールも肩幅も小さめだ。50代と思しき女性2人連れが、商品を手に取って、「いいけど小さいわ~」と溜め息をついておられたが、特にトップスはサイズがネックになって買えない、というケースが相当出てくるように思う。最近の20代の子はバストが小さめな人が多いが、40代、50代には、腹回りだけでなく、胸や腕も太くなっている人は多いですからね。また、ボトムスだが、試しにウエスト70センチのクロップドパンツ(1,990円)とカーゴパンツ(3,990円)を試着してみたところ、パンツのウエストが前者は私の場合おへその下約5センチ、後者は10センチも下の位置に来る程で、両方共かなりのローライズなデザインであった。普通の下着だと、完全に見えてしまう。このデザインは、恐らく、年代によっては受け入れられない層はかなり多いでしょうね。それから、カーゴは私の身長だと、もしヒールの高い靴を履くなら丈は短いかも、これがギリギリの許容範囲か、という感じであった。このブランドの強みは、カラーコントロールが美しくなされていることである。ボトムスは白、紺、カーキ、ベージュなどベーシックカラーのみで展開されているが、10色展開の綿100%のクルーネック、Vネック、丸首のTシャツ(半袖、長袖)とキャミソールなど、価格の割には素材も上質でデザインもベーシックであわせやすく非常にお得感がある。私も早速丸首TシャツのLLサイズを1枚購入したのだが、何といっても消費税込み1,000円ですからね。ユニクロさんよりはちょっと薄手で細身なシルエットなのがお洒落だ。しかし、どうせならば、こういう定番的なアイテムに限っては、色数は今の倍くらいに思い切って増やしても良かったのではないか(当然、バック在庫の量は黒や白を多く、色物は少なく、という風にすれば良いのだから)。それと、サイズも、もっと小柄な人、大柄な人にも合うよう、タテヨコ方向にグレーディングして3×3の9サイズ展開くらいにするとか。今日、30分以上「pbi」の売り場周りをうろうろして気付いたのだが、現状ではヨーカ堂さんが狙っておられるようなこじゃれた30代の客層は売り場には来ていないということ。同じフロアの「コムサ・イズム」にはまだそういうお客様もいるのだけれど。「何かないかなぁ」という風情で売り場を見ているのは、40代半ば以上のミセスと、もう少し若い客層では、ちょっと太めな人(何着か73センチのパンツを持ってフィッティングルームに入っておられたが)・・・。要するに、「ファッション難民」というと言葉は悪いかもしれないが、ファッション業界が見捨てているような客層なのだ。そして、そういう客層にとっては、現状のMDではまずサイズがネックになって、購入は事実上不可能になってしまう。30分間の間に、売れていたのは2人のお客様に1点ずつ。カーゴパンツと、グレーのジャージのブルゾンである。両方とも可愛らしさよりスポーティーなデザインで、万人に受けそうなアイテムだった。どうやらまだまだ、立ち上がったばかりで認知度が足りず、なかなか本来の客層を呼び込めていない、という状況ではないかと見たのだが・・・。しかし、他の量販店さんと違い、イトーヨーカ堂さんならこのMDでも勝機はあるのではないか、と私は思っている。それは、セブン&アイホールディングスさんは、店舗のドミナント化をこれまでも意識して進めてきたからだ。セブン&アイさんのHP上にアップされている2005年のカンパニープロファイルによると、イトーヨーカ堂の店舗数は全国で180店舗。しかし、空白県が同社の場合、かなり多い。店舗は東日本、特に首都圏に集中しており、東京都33店、神奈川県29店、埼玉県23店、千葉21店である。この4都県だけで、全体の約6割の店舗数になるのだ。だから、首都圏近郊、都市型のライフスタイルを若い頃には体験していたか、もしくは横目で見ながら憧れ感を持っているような客層をターゲットとすることは十二分に可能だと私は思う。但し、難しいだろうな、と思うのは、アリオタイプの郊外の大型店は別として、食料品を買うために頻繁にIYさんに通っておられるのは、やはり5キロ商圏以内の人だと思うので・・・。いくらお洒落であっても、例えば、「幼稚園の送り迎えの時、お隣さんが全く同じものを着ていた」りしたらイヤだなぁ、ということがある筈なんですよね、衣料品の場合。今の「pbi」さんは、どちらかというと、かつての岐阜アパレルさんの売り場なんかより型数を絞り込んだ、「少品種大量型」のMDに近づいているように思うのだが、地味系田舎系トラッドとでも言うべきユニクロさんの服に比べると、デザインにひとクセあるだけ憶えられやすいのがタマにキズだ。その辺が、「コムサ・イズム」にしても、「ローリーズ・ファーム」にしてもうまいんですよね。コムサの白・黒のカットソーのデザインバリエーションはものすごくて、色と素材は絞り込んでいるけれど、デザインの部分では選ぶ楽しみをきちんと残している。それから、今の30代で、特に既に結婚している層は、綺麗目なプレッピースタイルよりも、重ね着が好きな人の方が多数派だろう。だから、大型のSCさんで、テナントゾーンにワールドさんの「ハッシュアッシュ」とか、「ライト・オン」さん辺りが入っていると、そちらにどうしてもお客様は流れてしまうと思うのだ。しかし、これまでの量販店さんのMDが、一体どういうターゲットに向けてどういう商品を売ろうとしているのか、それすらはっきりと見えない状態だったのに比べると、まずはMDの鋭角化、客層の絞り込みがきちっと出来ているだけ評価できるように思う。「多くの部分はもうテナントさんに任せた、うちはこの部分だけをしっかりとる」という方針は明確にしたのであろうから。問題は、絞り込んで狙っている「都市型のライフスタイルに憧れ感を持っている30代~40代前半」の客層に、まずは2階の売り場に上がってもらい、商品を手にとってもらうことだろう。そういう販促活動を、当分の間、ありとあらゆる場面で(特に、店頭、1階店内でのプロモーションも非常に重要だと思うが)地道に展開すること。それと、店内の社員さん、パートさん達の率直な意見を聞いてみること。いつも思うのだが、IYさんの社員さん、パートさんは非常に優秀ですよ。そしてファッション業界ズレしておらず、堅実な生活者である。もし、この方々から見て、今の「pbi」のMDは、「おしゃれすぎる。色も白が多すぎて汚れやすそうだし、目立ちすぎるから駄目だ」という反応が多いのなら、今のような一昔前の百貨店ブランドの匂いのするMDをもっとベタな方向に振る必要が出てくるだろうし。しかし、CDまで発売されたり、「pbi」専用のキャリーバッグまで作られるなど、藤巻幸夫さんのチームらしいこだわりは、少なからず消費者の心を動かしているに違いないと私は思う。ブランドは始まったばかり。今後の推移を見守りたいと思います。人気blogランキングへ
2006年02月26日
さてさて、昨日のエントリの続きをば、どうぞ!好景気を反映して、同業他社さん同様、伊勢丹さんも大規模な改装を行う、という記事が、今週新聞に掲載されていたが、既にその方向性は売り場に強く現れている。2極化する消費者の、上の層を徹底して取り込む、というのが、伊勢丹さんの戦略だろうが、今春になって、店頭に置かれている商品の上代や取り扱いブランドのグレードが一段とアップ、上方にシフトしているのだ。例えば、最近はシーズンの立ち上がりにアパレル以上に数字が期待できるハンドバッグ。同社新宿店の平場の半分は、壁面の「セリーヌ」に始まって、「バレンシアガ」「クロエ」「マルニ」「マーク・ジェイコブス」「J.Mデビッドソン」「ポトキエ」など、13~4万円と7~8万円が中心上代の高額商品で占められている。残り半分が、3万9千円台の、ライセンス物やドメスティックブランドなのだが、売り場のツクリからは、どちらかというと、「バッグに13~4万円くらいは平気で出せる、そういうバッグを毎月でもポンポン買える」客層を取り込みたいという意図が感じ取れる。実際、店内を回遊しているお客様を見ても、「ルイ・ヴィトン」や「コーチ」のような、今やありふれてしまったブランドではない、他のラグジュアリーブランドのバッグ所有率がかなり高いのだ。新規ブランドも、これらと同価格帯の海外ブランドが多い。「元モデルの○○さんが立ち上げた」とか、いわく、うんちく、ストーリー性があって、個性的、しかも、最近の流行りは大きめで使い勝手も良いタイプが多い。こういう状況だと、国内のバッグ卸さんとか、産地のファクトリーさん、あるいは、日本人クリエーターさんが面を取るのは、極めて難しくなってくるだろうね。何せ、単独でハコショップが構えられるクラスの商品が平場に並んで凌ぎを削っているのだから。「中流狙い」の中途半端なブランドとか、良質安価を狙ったファクトリーブランドのように、客数を取らなければ売り上げが取れないような商材よりも、1点単価が高いものを短サイクルで回し、お金持ちの皆さんに、何個も何個も買ってもらうーー完全にそういう戦略が透けて見える売り場作りだ。同様なことを、3階のプライム・ガーデンを見ても感じる。まだ立ち上がりの時期なので、スプリングコートも出ているが、「バルバ」のシャツ、「ジョン・スメドレー」のニットなど、インポートのファクトリーブランドでクリーンなルックスを強調している。まあさすがに、安いのであまりにも人気のある「パドゥリオン」のカットソーだけは、止めておられませんでしたけどね(今すぐ止めれば、苦情が来る可能性もあるでしょう)。景気回復の恩恵を最大限に受けている勝ち組の取り込み=インポートの強化を、というのが伊勢丹さんを筆頭に、それ以外の百貨店さんも含めた戦略だろう。不景気な時と違って、国内の新進ブランド、中小アパレルやファクトリーにとっても、今は百貨店さんに入るのはちょっと不利になったかな、という印象は否めない。逆に、資金力のある大手アパレルさんの方が、大掛かりな仕掛けができるので今のような時期は有利でしょうね。企画担当者の皆さんも、不景気な時にやりたくても出来なかったような企画をここぞとばかりに机の中から引っ張り出して張り切っておられるだろうし。ただ、中小や新進の皆さんは、大や古い企業さんとは組まず、静かにひたひたと新しい販路へ進むか、同規模の小売業と組めばいいのであって、わざわざ自分が不利になる方向に進んで苦労する必要は全くない。感度のレベルが上げられないのなら、別の強みを出して勝負すれば良いだけのことだと思います。次に、今春伊勢丹新宿店さんに入ったばかりの新ブランドについて。1つは、オンワード樫山さんが鳴り物入りで立ち上げた「ネイブ(NAVE)」。2Fに「ヴァニラ・コンフュージョン」との入れ替えで入っている。複数のデザイナーの協業によるブランドだけあって、さすがに1点ごとの完成度は高いのではないかと思った。特に、ストリートテイストのプリントを載せた白のTシャツや、チュールレースの白いスカート、15,000円台のバッグなどは、非常に若々しいイメージで、感性の高さの割にお買い得感がある。ベリーショート丈やボレロタイプの布帛のジャケット、ライン入りのナイロンブルゾンなども然り。ベーシックなデザインのテーラードジャケットもあったが、このブランドのキモは、コレクションブランドに近い感性で提供するトレンディな商品の中に、「ストリート」とか「ロック」の匂いが入っているところだと思う。この部分が、既存のオンワードさんのブランドにない要素で、そこがどれだけお客様に支持されるかわからないが、私は今の時点ではそういう個性をくっきりと出しておられる、ということは、非常に良いのではないかと思っています。もっと広い坪数を取った良い売り場でも見たいですね。もう1つは、ワールドさんの「シンクロ・クロッシングス」。たぶん、青山の路面店、恵比寿三越に続く3号店だと思う(違っていたらゴメンナサイ)。伊勢丹さんは3Fに導入しておられた。確かに、改めてよくよく商品を見ると45歳以上の客層向けに、という位置づけでもおかしくはない感じである。但し、このブランドの辛口、というか、あまりにもすっきりしたデザイン(これを私は、イタリアンテイストでもニューヨークテイストでもない、「おしょうゆテイスト」と勝手に名づけたいのだが)は、「モガ」辺りのブランドと比べると非常に間口が狭い。「ジル・サンダー」とか、「ストラネス」なんかを購入しているような客層に受けそうだが、いかんせん知名度が全く違う。そこへ行くと、セオリーさん系列の「カルソン」(このイタリア風の味付けは、自由が丘辺りの路面店を好むインポート好きの客層には受けますよ)とか、三陽商会さんの「トゥー・ビー・シック」のエレガンスど真ん中路線は、わかりやすい。これらのブランドの方が、明らかに多店舗展開しやすいはずである。但し、伊勢丹さんといえども、3階は特に固定客の比率が高い売り場なので、接客の力によってファンを作っていけば、残っていくことは可能だろう。ワールドさん自身が今後「シンクロ・クロッシングス」をどういう方向に持っていくのか、ということも含めて、今後の推移に注目したい。最後に、「CCシンデレラ・シティ」が立ち上がってからいつ伊勢丹さんに行ってもずっとそうなのだが・・・。またまた、「カシラ」と「ツモリ・チサト」の繁盛振りが凄かったんですよね。夕方の時間帯のリサーチではいつもそうなのだが、専門学校生らしき客層は、そこにだけ固まっている感じすら受ける。この状況を見てすごく思うのは、若い子のファッションへの思い、というか、熱情に近いものを伊勢丹さんを含めて、今の百貨店さんや都心型の売り場が取り込めていないのではないか、ということ。セクシー系、モテ系じゃない子は、地元の駅ビルで「ローリーズファーム」を買ったり古着を買ったりして大人しくしていなさい、っていうのが今の売り場状況なんだろうけど・・・。私が日頃リアルやネットで仲良くさせてもらっている人達もそうなのだけれど、お金はなくとも情熱はある子、エネルギーを持っている子達は、今の時代にも間違いなく存在すると私は思うんですよね。そういう人達の憧れは、最早ファッション・デザイナーには向かってはいないんだろうなぁ、というのが、オバサンにはちょっと寂しい。逆に言うと、そんな状況下で元気に頑張って数字も上げておられる「ツモリ・チサト」は偉い。あのプリント柄のトップスとスカートは、個性的だけどガーリーなんですよ。「ガーリー入ってる」、そして重ね着が効く、ここがポイントだと思います。プリントでの差別化は、サンエー・インターナショナルさんの「ジル・スチュワート」もうまくやっておられる。今また、ピュアヤング向けにうんと若々しくして、良くなりましたね。話は戻るが、今の伊勢丹さんの2Fのピュア・ヤング、ヤングのゾーンは、ヤングの数の減少、そして、駅ビル内の大衆化したセレクトショップとの競合に押されて、あまり良い状況とは言えないように見える。1Fの「解放区」も、いつの間にかラグジュアリー・ブランドさんのイベント・スペースになってしまったようだが、今再び、若い社員が企画した、本当に自分達が買いたい売り場、楽しめる売り場、ヤングによる、ヤングのための売り場の立ち上げの時期が来ているような気がしてならない。人気blogランキングへ
2006年02月25日
雑誌を読んでいるうちに買い物熱が高まり、明日まで待てない、行くぞ!ということで、午後6時15分頃会社を出て伊勢丹新宿店へ。本当は今日一番の目的は、前に書いたように、新しい売り場「リ・スタイル スポーツ」を見ることだったのだ。ヨガウェアのいいのがあったら、買って帰るつもりでいたのだが・・・。正直ちょっと、期待はずれでしたね。「エッ、これだけのブランドしかないの?」という感じである。「アディダス・バイ・ステラ・マッカートニー」と「ヌアラ」と「96hours(プーマ)」が主力で、あとはちょぼちょぼ。ヨガマットは、見たことあるものばっかりだし、スニーカーも、もっといろいろ変わったのがあるのかと思っていたのだが、あまりにも少なすぎて話にならない、という感じだった。ただ、これは、よく考えると、予め想像がついたはずのことなのだ。一つは、世の中にまだ、個性的なヨガウェアで、スポーツメーカー以外のところから発売されているものはほとんどない、ということ。もう一つ、スポーツ用品売り場とか靴売り場とか、既存の売り場との兼ね合いで、動かせない商品が多いであろうということ。これは逆に、アパレルさんや用品メーカーさんにとっては、ビジネスチャンスでしょうね。スポーツ用の吸汗速乾素材等を扱うとなると、それなりの数を売る力のある企業さんに限られるだろうが、少なくともゴルフウェアをやっておられる企業さん、はっきり言うと、「23区スポーツ」のオンワード樫山さんとか、「アダパット」のワールドさん、それから業績が再浮上してきた小杉産業さんあたりならば、素材メーカーさんとのパイプも太いだろうから、思うような素材が調達できるだろうし・・・。吸汗速乾素材でなくとも、綿100%のカットソーのトップス&ボトムスなら、小規模なアパレルさんだって参入はできる。もっとすぐにビジネスになるだろうな、と思うのは、オリジナルのデザインをプリントしてくれるヨガマット。もしくは、幾つか個性的なデザインをネット上にでもアップしておいて、その中から好きなデザインを選べる、メーカーさん側は、注文を受けてからプリントし発送する、というようなもの。製造メーカーさんにとっては、在り物の在庫にプリントするだけだから、ノーリスクビジネスじゃないですか。ただ、メールでのお客様とのやりとりがめんどくさい、「そんなもん、1個ずつ売ったって儲からんよ」と言われたら、オシマイですけどね。今、教室に行くと、皆さん似たようなブランドのものしか着ておられない。私は人とかぶるのがいやなので、上半身だけはインディーズブランドのTシャツのお気に入りのTシャツ何枚かをとっかえひっかえ着ている。上級のクラスの皆さんは、へそだしルック、結構セクシーなコスチュームを身につけておられたりするが、長く続けておられる方は、だんだん既存の商品にものたりなくなってきておられるのではないかと思うのだ。せっかくの自己解放の時間がもっともっと楽しくなるようなウェアとグッズを開発して下さいませ。また、伊勢丹さんにもお願いです。例えば、「クロムハーツ」のヨガマット、ネット上では即完売だったようだが、伊勢丹さんの力を持ってすればそういった類の限定商品の発売が可能だと思うのだ。今のようなあまりも平凡な売り場では悲しすぎます。是非是非いろいろ仕掛けて下さいませ。ヨロシクお願い致しますm(__)mしかし、「リ・スタイル スポーツ」の件はさておき、シーズンの立ち上がり時期の伊勢丹さんはやっぱり面白い。細かく言い出すときりがないくらい、魅力的な商品の宝庫である。時間が小1時間しかなかったので、駆け足で見たのだが、今日見た中で、私の事前予想以上に頑張っているな、と思ったブランドが2つあった。1つは、この間もちょろりとアトレ恵比寿の「ダブルスタンダードクロージング」の話の中で書いた、「マウリッツォ・ペゴラーロ」。今春はシルエットは50年代調、アールヌーボー調のフラワープリントが優美さを醸し出している。もう1つ。4Fの「ICB」の内容が、暫く見ないうちにグンと良くなっているのに驚いた。昨年の今頃と比べると様変わりではないか?このブランド、一時期は、いわゆるモテ系のブランドと、「セオリー」や「Mプルミエ」のようなわかりやすいキャリア系ブランドとの間で立ち位置を見失っているのかな、と思えることがあった。かといってベタな方には走れないし(自社内の「23区」と一緒になってしまう)、苦しいところなのかなぁと。今日、「ICB」は、エンブレムの特集を行っていた。一点購入することで、ワードローブの価値観をぐっと高めることの出来る魅力的な商材である。大人っぽいマリンスタイルの打ち出し、そして、昨日このブログでご紹介した、今春の「プラダ」のスカートからインスパイアされたのではないかと思えるスカートもある。つまり、「絞り込んだ素材と色で、テーラードスーツ中心のシャープなシルエットを提案する」という、「セオリー」や「Mプルミエ」なんかとは違って、全体の3割くらいは、手の込んだこだわりのある商品を見せていく、という風に変わってきたのだろう。「あの人のお洋服、ちょっと違うわね。いいわね」と言ってもらえるキャリア服だ。そして、結果として、商品単価を上げる、上げても納得して頂けるだけのものづくりを行う。今は景気も良く、春になってからも売り上げは冬に引き続き好調なので、この戦略は正しいように思いますね。長くなってきたので、続きは明日書きます。人気blogランキングへ
2006年02月24日
今日23日は、有力ファッション誌がこぞって発売される日である。毎月私はこの日を心待ちにしているのだが、春本番前の2月23日は、どの雑誌も非常に力の篭った特集を組んでくるので特別に楽しみなのである。冬物もバンバン売れ、景気も良い今年は、どの雑誌も広告出稿も潤沢で、持って帰るのが大変なほどに重い。アパレルさんや雑貨メーカーさんの企画にも今年は気合いが入っているので、何を買おうかしらん、と期待に胸を膨らませながらページを捲る。集英社のモード誌『SPUR(シュプール)』も、業界全体の上げ潮基調に乗ってか、最近中身がまた良くなってきたように思う。細かい事柄についてはここに全てを書くことは差し控えたいが(皆様ご自身が読まれる楽しみもなくなってしまうと思うので)、私が特に気になったのは2点。1つは、巻頭特集が組まれていた「PRADA(プラダ)」。これ、半年前にStyle.comのスライドショウを見た時には気付かなかったのだが、通好みの、ものすごく面白い商品ですね!やはり、ネットの小さな画面と、まだまだ荒い画像よりは、きちんと照明を当てて商品の良さが浮かび上がるようにフォーカスして写した雑誌用の写真では、素材の質感や加工の具合等に関しては、後者の方がずっとずっとわかりやすい。正直、こんなにいい感じだとは思いもしなかったのだ。コレクション全体を通して、かなりの点数扱っていたトロンプルイユ(だまし絵風)のプリント。ワンピースに線描きしたようなプリントは、まるで素材そのものがドレープを醸し出しているかのようにゆらゆらと揺れている。麻素材に白の顔料プリントを施したブラウス。それとコーディネートしているスカートは、皺をそのまま生かしてある。そして、ベージュのカーディガンの上にも薄く顔料をペイント。なんとも言えないラスティックな表情だ。私はもう何年間も、「PRADA(プラダ)」のニットに注目している。技術面やヤーンのセレクションも優れており、常に時代を先取りするようなスタイルを打ち出しているからだ。ニットと言えば、2006年春夏のもう一つの主役アイテムは、オーバーニーのハイソックスなのだ。コレクションが発表されたばかりの時はウエッジソールのサンダルにばかり目が行っていて正直あまり気がつかなかったのだが、この靴の履きこなしは、ミニスカートやマイクロミニのパンツと、このハイソックスとセットになって完成するのである。『SPUR』には、ハイソックスにも15,750円というお値段がちゃんとついている。リッチな皆様は是非お買い求め下さいませ(笑)。ついでに書いておくけれど、「PRADA」は先頃、2006~7年秋冬コレクションを発表済である。ヒョウ柄がかなり沢山登場したりして、さくら的にはものすごく自分のツボをくすぐるコレクションで、春夏以上に気に入ったのだが、またまたニットが、型数は少ないながらも、ちょっと面白かったんですよね。ショーの冒頭に登場した、大きなVネックの、短い丈の黒のワンピースは、まるで、すごく大きめのセーターを着込んだような感じにも見える。同じくV明きの、ボーダーのベストとか。ワンピースとかニットの上から黒いブラ、というかコルセットを重ねた着こなしも、これまでの「PRADA」にはないイメージである。禁欲を脱ぎ捨て、「女」に目覚めたか、「PRADA」よ~(笑)、という感じでしょうか。ちょっと、アライアを想起しちゃったりなんかして。話は戻るが、私はアドバドリアル(広告タイアップの記事)で、上から下までワンブランドでのコーディネートというのは、日頃はつまらんなぁ、広告のページだけで十分だよ、と思って見てしまう方なのだが、こちらの予想を上回るオーラを感じさせてくれる場合は、「良かったなぁ、今回は」と素直に思います。現金なもんで、スンマセン(笑)。ラグジュアリーブランドというのは、本来的にはすごく先鋭で個性が強いものなので、何とでもホイホイ合う、というものではないのだ。一番お洒落なのは、やはり、同一ブランドでのコーディネートなのである。さて、本日もう1つ、書きたいブランド。それは、私の専門分野ではないのだが、コスメブランドの「SUQQU(スック)」だ。顔筋マッサージ、というキラーコンテンツを引っさげ、これまではスキンケア中心のブランドとして展開してきたのだが、先週17日から、メーキャップの商品のプロモーションを開始している。「SUQQU」さんの公式サイトにも出ている通り、テーマは「花爛漫」。いやぁ、これはまたまた、いい意味で同ブランドには裏切られましたね。ローズピンクの芍薬(牡丹?)や薔薇の花々に囲まれ、ちらりと肩越しに後ろを振り返る女性のメイクは、アールヌーボーをイメージして施されているらしいが、これが、ネットよりも雑誌で見ると、スゴイんですよ。アイメイクといい、唇といい(よくよく見ると、ふちだけがリップライナーを塗ったように濃い色に染まっている芍薬の花と同じような唇である)、それ以前に、ファンデーションの塗り方といい、プロの技、レベルの高さを見せ付けている。大人の女性の色香、本当に、この広告には、鳥肌が立ちましたね。コーフンしちゃいました(笑)。公式サイトのプロモーションムービー、お時間のある方は是非ご覧頂きたいのだが、ブランドの創始者である田中宥久子さんが、モデルさんにメイクし終えた後、満面の笑顔を浮かべておられる姿が非常に美しく、印象的であった。人気blogランキングへ
2006年02月23日
人気モデル・押切もえさんの公式ブログ「Moemode」がアメーバーブログでスタートしたようだ。今見たら、今日の11時10分の時点で、コメント数が110、トラックバックが6。圧倒的にコメントの方が多いというのが、非常に面白いですね。カキコしているのは、大半がもえチャンファンの女の子達だ。皆さん、もえチャンが大好きなんですね(^^) さくらも今日はトラバするのはやめて、リンクだけさせて頂きましたm(__)mさて、最近展示会の話題をあまりアップしていなかったのだが、ここに記していないだけで大きなものには仕事の合間を縫ってちゃんと足は運んでいる。先週は「ルームス(Rooms)」と、「ギフトショー」を見た。「ルームス」の会場で、アーティストの明和電機さんが、「エーデルワイス(EDELWEISS)」のシリーズを展示しておられた。今日、ネットを見ていて気付いたのだが、2001年から明和電機は兄弟2人のユニットではなく、弟さんの土佐信道さんお1人になっておられたんだね。そういえば、最近いつもお1人だったような気もするなぁ、初めてはっきりとそのことを理解しましたよ。私は前にも書いたことがあるが、TVをほとんど見ない。明和電機さんは、最近はTVに良く出たりしておられるのだろうか?「ルームス」の会場には、ご本人らしき方もいらっしゃった。実は、来月から、都内のある専門学校さん(ファッションデザインのコースも持っておられるイニシャルがKという学校さんである)で、明和電機の土佐信道代表取締役社長が、土曜日の夜に5回シリーズで、ワークショップを開催されるようだ。この情報を掲載しているデザイン系のサイトが、非常に著作権について厳しく、「全ての内容について、一切の転載、改変を禁じます」としてあるので、ここに詳しくそのことについて書くのは差し控えたいが、ご興味のある方はご自分で検索エンジンで調べてみてチョ。この情報、アップされてから暫く経つようなので、既に定員オーバーになっているかもしれない。お申込みされたい方は、主催者の学校さんにお早めにご連絡を取られることをお勧めします。調べたけど、どこの学校さんなのかどうしてもわからない(^^;; という方は、さくらの私書箱にメールを下さい。こっそりお教えしますので。話は変わるのだが、明和電機と言えば、2004年にICC(NTT東日本さんのIntercommunication Center)で展示を行ったことが記憶に新しい。去年、アート界では、ICCが閉鎖するのではないか、という噂が駆け巡った。私が入っているメーリングリストでも、存続を希望する署名メールが飛び交っていた記憶がある。私自身は実はまだICCには一度も行ったことはないのだが、特に、メディアアートに関心のある方にとっては、捨て置きならない問題だと感じられたのだろう。今、久々にICCのサイトを見ると、2月2日付けで、「今後のNTTインターコミュニケーション・センター(ICC)の活動について~『Art×Communication=Open!』を新しい活動コンセプトに展開~」というニュースリリースが掲載されている。「ブロードバンド&ユビキタスの時代に対応した活動内容への見直し」「上記コンセプト(『Art×Communication=Open!』=筆者付記)をもとにした新たな企画を策定中」(同所ニュースリリースより引用)ということらしいのだが・・・。要するに、「全社の経営も厳しくなってきているので、不採算事業の見直しを図りたい」「もっと大衆受けする企画、集客数が上がる企画にシフトしていきたい」ということのようにしか読めないんですよね。これからどのような企画が出てくるのか注視したいのだが・・・。美術館、アートセンター事業は非営利セクターであって純然たるビジネスとは違うとは言え、赤字を垂れ流す体質であってはならない、というのは理解できる。しかし、企画料をけちって、質の低い企画しか打ち出せなくなってしまったのでは、元も子もないのではないか。マスに受けるものが必ずしも質が低いものとは限らない。メディアアート、という領域は新しい分野なので、どうしても絵画展などのようにはいかない部分もあろうが、絵画やクラシック音楽など知名度の高い古典的な芸術と新しいアートを組み合わせて見せる、といった方法なども考えられる。あるいは、村上隆氏のように、ポップでわかりやすい要素があり、しかも著名企業とのコラボレーションで知名度が高い作家を起用するとか・・・。体験型の楽しいイベントも、家族連れやカップルには受けるだろう。そういう、初めからある程度多人数の集客を狙った戦略的な展示、イベントの中に、幾つかは、アドバンストなものを投入していってもらいたいものだ。そういう、新しい意欲的な試みがなくなってしまい、へたをすると素人でも考え付くようなベタな企画ばかりになってしまうと、先鋭な客層は足を運んでくれなくなってしまうと思うので。しかし、バブル崩壊後に百貨店系の美術館さんが次々とクローズしていったのではないが、民間企業さんがやっておられるメセナ的な美術館、アートセンター運営事業は、全社ベースの経営が苦しくなるとそれどころではなくなってしまう、というのが現実なのだろう。日本の場合、税制上の優遇措置も少ないですからね。本当は民間の、心から芸術を愛しておられるオーナーさんが、個性的な美術館、アートセンターを時間をかけて作っていかれる、というのが理想の姿なのだろうが、今の日本の状況だと、やはりまだまだ国公立の美術館の役割は大きいだろう。今後、日本の財政が厳しくなってきたときに、果たしてこの問題をどうやって解決していくべきなのか、一美術ファンとしても、強い関心を持って見守っていきたいと思います。PS.しかし、ICCさんの場合、ネットやモバイルを活用し、その中で完結する形のアートに絞って展開すれば、NTTグループのバックアップもあるから、コスト的にはかなり抑えることが可能な筈だ。ただ、絵画とか、彫刻とか、インスタレーションとか、体験型のワークショップとか、リアルでないとどうしても表現できない世界観、空気感というのがある。それを百も承知の上で、アーティストさんに、「ネットかモバイルの中だけでやれることをやって下さい」とディレクションするのも、面白いとは思うんですけどね。果てさて、実際それを実行したときに、既存のエンタメ系コンテンツにはないような斬新な発想が出てくるのかどうか?それと、大問題なのは、そんな方向に持って行っちゃったら、わざわざICCさんに足を運ぶ必要は全然なくなっちゃいますからね。じゃあこのハコ、何のために作ったの、ということになってしまう。ICCさん、どう出るつもりなんでしょうか???人気blogランキングへ
2006年02月22日
昨日このブログでご紹介した成果なのか、さくらがいつもお世話になっている皆様が口コミして下さったお陰か、今日になって3月7日に開催する「IT経営応援セミナー」のお申込みがドンドン入り始めた(^^)墨田区内の情報が満載のタウン誌『Avenue(アベニュー)』さんのサイトでも、ご紹介して頂いております。有難うございます。皆さん、本当に感謝、感謝ですm(__)m まだまだお申込みは受け付けておりますので、ヨロシクお願い致します。さて、本日はこの話題を。今日付けの日本繊維新聞さんが、「大阪ミシンショー&ハンズフェスティバル」の記事と特集を大きく掲載していた。以前このブログでも書いた通り、昨年を最後に、国内最大級だったアパレルマシンショーのJIAMは、2008年からはシンガポールでの開催となる。生産には並々ならぬ関心を持っている(というか、昔はこれが私の専門分野だったのだから!)私は、シンガポールまで自腹で出向くことに決めているが、お忙しい多くの方にとっては、やはりなかなか難しいことだろう。「ポストJIAM」の展示会の最右翼となるのが、東日本ではFISMA、そして、西日本ではこの大阪ミシンショーとなるのだ。この展示会の良いところは、2月24日から26日の開催と、金・土・日を日程に充てているところである。これは、お忙しい縫製工場の社長さんや社員の皆様に、お一人でも多く会場のインデックス大阪に足を運んで頂きたいという主催者の配慮なのだが・・・。もう一つ、さくらが尊敬する記者、アパレル工業新聞のH主幹やM記者が常々おっしゃっておられるように、アパレルの生産管理担当の方やパターンナーの方などにも、是非ご覧になって頂きたいと思う。狭い意味での自分の専門分野を極めるためには、その周辺領域のファッション業界の知識を増やすことも非常に重要なんですよ。それと、工場さんの立場がわかれば、コミュニケーションも良くなるだろうからね。日進月歩の素材に合わせて、ミシンも日々改良が重ねられている。細かいことだが、押さえ金一つ変えるだけでも、問題が解決する場合もある。それから、CAD、CAMの進歩、ネットを活用した生産管理システムなど、思い切って設備投資を行うことで一気に生産性を上げることが可能になる仕組みもある。今回の注目メーカーは、やはり、ナムックスさんだろう。既に縫製工場の皆さんの間ではかなり話題になっているが、非常にコンパクトで小さな1枚切りのCAMは小さな事務所の中でも設置できるため使い勝手が良いようだ。今回は私自身はちょっと大阪には行けそうにないのだが、西日本の皆様は是非足を運んでみて下さい。人気blogランキングへ
2006年02月21日
3月7日(火)午後7時から、うちの会社のセミナーで、素晴らしい方にご講演頂けることになった。それはこの方。経済産業省のIT経営百撰で最優秀賞に認定された株式会社山崎文栄堂の山崎登社長だ。町の小さな文房具屋が大変身!アスクルに加盟、ポスティングによる顧客獲得から始め、データベース整備、グループウェアの活用で社内を活性化。そして、更なる顧客満足を目指した提案型企業へ。IT経営で進化を続ける37歳の若き社長がノウハウを余すところなく語ります。 (国際ファッションセンター株式会社セミナーDMより引用)「おしごとたのしく」が、山崎社長のモットーのようだが、その言葉通り、電話越しにお話しさせて頂いただけでも、弾むような明るいお声に、社長の溌剌とされた表情、心から仕事を楽しんでおられる様子が伝わってくる。そして、実際に同社をご訪問して(外壁にご住所を大きく掲げておられるので、方向オンチの私でも一目でわかります!)、社内の美しさ(整理整頓、お掃除が行き届いておられます)、社員の皆さんの、お客様に対する気配りの暖かさ、そして、社内間の連携、チームワークの良さに、とても感動した。こういう、アナログ的な商売に対する心構えと、ITの効果的な活用をきっちりと組み合わせることで、6年連続の増収増益を達成しておられるのだ。成功するためには、強いやる気と、知恵(特に今の時代は、IT活用に関する知恵が重要)、そのどちらも欠けてはならない、ということを、山崎社長にお会いすると、強く感じさせられる。山崎社長ご自身が、高校卒業後、2社での修行の後に同社に入り、実際に試行錯誤されながら体得していかれたノウハウばかりなので、机上の空論ではなく、ものすごく説得力があります。今回は、ご参加された皆様が会社に帰られてすぐに業務に取り入れられるようなことを中心に、お話しして頂きます。例えば、社長がいつも社員の皆様とのコミュニケーションに使っておられる「ボイスメール」のデモンストレーションや、手帳の活用法など、アイデア溢れるビジネス手法も、中小企業の経営者、社員の皆様のために特別に公開して頂きます。まだお席に余裕がございますので、ご関心のある皆様は是非ご来場下さいませ。詳しい情報は、こちらから。↓ ↓ ↓▼IT経営応援隊▼国際ファッションセンター(株)▼セミナーBiz人気blogランキングへ
2006年02月20日
雑誌『SPUR』3月号の別冊、「Shoes&Bag Book」を見ていて、久々に「これは凄い」と感じさせてくれるブランドに出会った。それはコレ。「コルト・モルテド(Corto Mortedo)」というブランドだ。この公式サイトには2005~6年秋冬以前の3シーズンの商品のイメージビジュアルが紹介されているが、特に直近のものは非常に完成度が高い。柄の大小、色の組み合わせ、素材のセレクションに、センスを感じる。世の中のマスを対象としたネット通販向けの鞄ブランドでは、商品説明のコピーを長々とつけている場合が多いが、このレベルのものには言葉は不要だ。プロのバイヤーに見せれば、すぐに買いがつく。パイソン使いの定番のラインは259,000円らしいが、その価格が通るだけの美しい商品である。このブランドのデザイナー、ガブリエルコルト・モルテド氏は、ボッテガ・ヴェネタの創始者夫妻の息子さんらしい。成程、納得である。子供の頃から素材や商品に囲まれ、最高レベルのものづくりの工程を見て育ってきているのだ。『SPUR』のインタビューでも、「机の上でアイデアをひねり出しても、よいバッグは作れない」と語っているが、「工」の視点に、美的感性とデザインの引き出しを兼ね備えた1977年生まれの若きクリエーターの将来が、非常に楽しみである。日本での取扱店も公式サイトに掲載されているが、UAさんなんかは早くも協力にプッシュしておられるようですね。今日は、平成17年度の「パターンメーキング講習会」の初級講座の最後の授業の日にデジカメで写した写真をプリントアウトした。受講者の皆さんにプレゼントするためである。完成したワンピースのパターンを人台(ボディ)に着せ付けたもの1枚と、その人台の隣に作者本人に並んでもらったものを1枚の計2枚、ささやかだが、記念になればと思っている。本講座も、今年度で2年目、中級コースは今年が初めての開催で、2年続けて学んで頂き弊社の講座を卒業して頂いた方も5名出た。2年目に入ると、皆さん腕前がめきめき上がり、自分でパターンを起こしてご自身の洋服を何着も作成されたり、会社で提案したパターンがそのままアパレルさんから採用され商品化が決定するなど、実ビジネスにつながる成果が上がっている。この講座を担当して下さっている、(株)コルクルーム代表取締役・安達市三先生が、コルクルームさんのホームページに、開講中の様子を先生自ら撮影されたお写真を掲載して下さった。このページの上から4番目と5番目の写真ですので、皆様是非ご覧下さいませ。安達先生は、前にも書いたことがあると思うが、日本で初めて工業用ボディを開発された方で、日本におけるパターンメーキング指導の第一人者である。更に、渋谷のコルクルームさんの事務所で、長年に亘り、月2回、業界内の専門家を招いて、「ティーチ・イン」という勉強会を開催され、老若男女、職種を超えた業界人の交流の場を創出されるなど、日本のファッション業界のレベルアップのために尽力してこられた方である。経営者や業界の陽の当たるポジションにいる人に対しても、まだ就職が決まっていない専門学校や大学の学生さんや、小さな会社に勤める人、個人で起業しようとしている人などに対しても、一切分け隔てなく、暖かく接して下さる。そのお人柄を慕って、多くの方が安達先生の周りに集まってこられているのだ。その輪が、ご無理を言って毎週両国に来て頂いているお陰で、両国にも形成されつつある。そんな確かな手ごたえを感じた平成17年度の講座であった。実は、そんな状況で、非常に評判が良いので、次回講座、平成18年度の講座についても、今の段階でかなりのお問い合わせがきており、特に初級の方は恐らく募集開始後早期に満席になってしまうことが予想される。中級については、過去に安達先生からパターンを学んだことのある方のみを対象とさせて頂いている。この講座は、原則として川中繊維中小事業者の皆様を対象として開講しているもので、業界関係者以外の一般の方、例えば、趣味で学んでみたいといった方はお受けできないのだが、プロの方でご関心のある方はお早めに、私の会社の方か、もしくはこのブログの私書箱までお問合せ下さい。やる気のある皆様のお越しを心よりお待ちしております。人気blogランキングへ
2006年02月19日
今日は午前中ヨガ教室に行った後、両国でお仕事に励んでおりました。なので、小ネタで勘弁してチョ。自宅に帰ると、郵便受けにWWDジャパンの2月20日号が届けられていた。例によって欄外のベタ記事チェックが一番楽しいのだが、今日気になった、というか、思い出したのは、アルマーニの話題。昨春、東京では森美術館に巡回してきたグッゲンハイム美術館主催の展示会「ジョルジョ・アルマーニーレトロスペクティブ」が、今度は上海の上海美術館にお目見えするらしい。早速、アルマーニの公式サイトをチェックしてみたが、自社主催のイベントではないせいか、このニュースはアップされていなかった。が、その代わりに、久々にサイトを一目見て気付かされたのは・・・。アルマーニが、コスメの通販サイトを開設しているではないか!ニュースリリースを見ると、昨年の12月からだったようだが・・・。いやはや、ルイ・ヴィトンといい、ここに来てアメリカ以外の国のラグジュアリーブランドも、ネット販売へのアプローチを本格化するようになってきましたね。いずれはアパレルでもやってくるのかどうか、ホームファッションブランドの「アルマーニ・カーサ」とか、チョコレートなんかもネットで売れるように思うのだが。今後の動向を注視したい。話は戻るが、上海美術館は、上海の中心部、人民公園の中にある。私は大抵、上海に行く時は人民公園の近くのホテルに宿泊することが多いのだが、実はまだ上海美術館には一度も行ったことがない。2泊3日の限られた時間では、どうしてもショップリサーチに時間を割かざるを得ないのだが、今、同館の公式サイトを見ると、さすがに面白そうな企画が目白押しである。同館の建物を形どったロゴマークも中国らしくてかっこいいですよね。たまたま2月16日(木)までは、「安藤忠雄建築設計展」をやっておられたようである。今年の秋には是非、夕方駆け足ででも上海の美術シーンを覗き見したいと思います。人気blogランキングへ
2006年02月18日
ジャ・ジャ・ジャ・ジャーン!今朝の日経MJさんに、さくらの大・大・大好きな下北沢のインディーズTシャツ店「No More Tears」さんの話題が掲載されました。みんな、見てくれたかな?お写真には、店長@No More Tearsさんも写っておられるので、まだの方は是非見てチョ。店主のみやじまのりさん、店長@No More Tearsさん、そして、スタッフのuseless皮下クン、よかったですね~(拍手~パチパチパチパチ)。それから、もう一人、さくらのブログ仲間で、「No More Tears」さんにも商品を卸しておられる伊藤コーイチさんのブランド、「伊藤製作所」も、登場していましたね(^^) 店内の写真の中にも、伊藤さんの商品は、かなり写ってます。「No More Tears」さんのことは、何度かこのブログでもご紹介させて頂いたことがあるので、古くからの私の読者の方は憶えて下さっていると思うが、昨年末に、同じシモキタに2号店も開店されたのだ。本当におめでとうございます(^^)/もうすぐ春、Tシャツの季節到来。ヨガ教室で着るTシャツもおニューのものに変えたいし、2号店はわかりやすい場所にあるようだし(笑・・・さくらはシモキタでよく道に迷うのだ)、一刻も早くいかねば!しかし、日経MJさんの最終面のこの特集記事、「オレ流Tシャツ 描くは個性ー『インディーズ』市場拡大中」とあるが、さくらも何度かリアルでもお会いしたことがある「東京Tシャツ部」のクラゲさんが記事の中でいみじくも語っている通り、「参入が簡単だけに淘汰も激しく、生き残るのはごく少数」なのが現実である。それでも自分は、本気でやってみたい、という方、もしいらっしゃいましたら、是非「東京Tシャツ部」のサイトに掲載されているみやじまのりさんのインタビュー記事をお読み下さい。「商品はタレント、お客さんはプロデューサーや映画監督」とか、「自分をさらけだせ」というような、のりさんご自身の体験の中から出てきた深~い言葉、熱い魂の叫びの数々に、背筋がぴーんと伸びてきますよ。PS.地方の方で、「東京まで出てこられない、カナシ~」という方、泣かないで。ネット販売もありますヨン(買ってネ)。人気blogランキングへ
2006年02月17日
午後8時過ぎ、代官山から恵比寿まで歩いて戻り、駅ビル、アトレ恵比寿内の婦人服のショップを小1時間見て回った。ジオン商事さんの「ティテ・イン・ザ・ストア」が、いわゆるホットパンツ、マイクロミニ丈のショートパンツをかなり打ち出していましたね。このアイテム、半年前のコレクションで「グッチ」など複数のメゾンが多用していたので、どの程度実際に店頭に並ぶか私は注目していたのだ。渋谷109系のブランドとか、高校生、ピュアヤング向けのプライスゾーンの安いチェーン専門店の客層は、元々セクシー系好きだから抵抗なく仕掛けてくると思ってはいたが、もう少し価格帯の高いゾーンになると、そのブランドのターゲットの若さと、カジュアル度が、見せ筋であってもホットパンツを置けるかどうかの分かれ目になってくるのだろう。アトレ内でも、正直、「ティテ・イン・ザ・ストア」以外では、「インディオ」さんくらいしかホットパンツは置いていなかった。まあ、大人が履くには実際かなり難易度の高いアイテムであることは間違いないだろう。しかし、昨秋から既にそういう傾向はあったが、春を迎えて年齢層を問わずパンツの丈が前より短めの方向に触れていることは間違いないようだ。ワールドさんの「アナトリエ」は、元々スカートでもひざ下丈、三角形に広がったスタイルが主流のブランドだが、ひざより上のショートパンツを出しているし、サンエーインターナショナルさんの「ヒューマン・ウーマン」、「プロポーション・バイ・ボディドレッシング」も然り。面白かったのは、「ティテ・イン・ザ・ストア」と同じジオン商事さんのブランド、「ジネス」は、一切ひざ上丈やマイクロミニ丈のパンツはやらず、フルレングスとクロップドに絞っていたこと。皆がこぞって丈を短く短くしていっているので、逆張りの発想だろう。ビル全体で、気になったブランドが3つある。1つは、三陽商会さんの「フラジール」。エレガントで1型1型面白い商品ではあるのだが、ここに来てちょっと老けた印象が一層強まってきたように思う。「フラジール」はもう完全に、団塊ジュニア向けで、彼女達と共に年を取らせていく、という戦略なのかもしれない。そうだとしたら、三陽さんは、早く次世代への対応を打つ必要があるだろうね。2つ目は、「ストロベリー・フィールズ」。多くのブランドが、オンでもオフでもいけるカジュアル、のポジションを取っているが、このブランドは、オケージョン対応のドレスやツーピースと、今の時期はスプリングコート、思い切ってここにフォーカスして特徴を出している。細身でエレガントな服、素材もドレープ感の出る合繊を多用、綿中心の他のブランドとは一線を画している。百貨店ブランドではフランドルさんもそういう路線だが、もうひとひねり効いたデザインだ。特に、細く見えるようパターンに気を使っておられるところが良いと思う。大手さんとは違う、中堅さんらしい、匂いと狙いがはっきりくっきりしたブランドだ。こういうブランドを、他社さんも頑張ってどんどん打ち出してもらいたいものですね。3つ目は、ラフォーレ原宿なんかにも入っている「ダブルスタンダードクロージング」。このブランドは、前述のブランド群と違って相当エッジィなので、マス受けするものではないと思うが、私は好きですね。今日見たら、益々いい雰囲気になってきておられるように思いましたよ。メインのハンガーラックでは、自社オリジナルと、「ダイアン・フォン・ファーステンバーグ」や「マウリッツオ・ペゴラーロ」を混ぜてコーディネートしておられました。先週末の横浜と、昨日は移動の合間に新宿ルミネパート1も見たが、今のところまだ、いずれ出てくるであろうイノセントな雰囲気のワンピース(色は特に白)はまだなのか、という感じであった。こちらは、来月以降が本番になるのだろう。この他、コレクションにちょくちょく出ていたリボン使いは、春物のニットの襟ぐりにあしらわれている。今日は「ヒロコ・コシノ」のクロップド・パンツのベルトが共布を使って中央部でリボン結びする形になっていた。これは、ミセス向けにはグッド・アイデアである。綿布はお腹をあまり圧迫しないので楽だけど、お洒落なので。横浜では、ウエッジソールのサンダルを試着し、買っている人を見かけた。こちらも、今の時期から物色しておられる人は多いはずである。私は、春物では既に、「ケイジ・イタクラ」のこげ茶色のカーディガンと、インナー用の黒のタンクトップを購入済。この他では、やはりパンツ。たくましすぎる足をどのように目の錯覚で誤魔化すか考えつつ、やはり、膝下丈のハーフパンツくらいは欲しいなぁ、と思っております。前にも書いたけれど、ボトムスを今風の物にするのが、トレンディに見せるポイントになるので。それと、靴も買いたい。先日、「ルコック・スポルティフ」のスニーカーで、あまりスニーカーっぽく見えない黄色いモデルを見つけて、それを買おうかどうか迷っております。人気blogランキングへ
2006年02月16日
一昨日、昨日の梅田望夫著『ウェブ進化論ー本当の大変化はこれから始まる』に関するエントリに、沢山のトラックバック、コメントを頂きました。個々のトラックバックへのお返事は差し控えさせて頂きますが、全て読ませて頂いております。皆様のご意見、非常に勉強になりました。本当に有難うございましたm(__)m特に今晩トラバして下さったユースケベーさんのエントリ、立場と年齢によってこんなにも読後感が違うのか、ということを浮き彫りにするような内容で、ある意味で、またまたショックでしたね。かなり、打ちのめされました。「ワクワクする!」ーーこの感覚、このノリ。時代についていくのにヒイヒイ言っているオバサンとは違うんですよね。若いって、いいなぁ。本当にうらやましい。さくらも出来ることなら、もう一度20歳に戻り、楽しいネットライフをガンガン謳歌したいところなんですが、しかし、年の割には元気だけは相当に有り余っている方なので(笑)、若い皆さんにいろいろ教えて頂きながらちょっとずつ新しいことを憶えて仕事と生活をリフレッシュしていこうと思います。Go!Go!さくら!!今日からはまた、いつものように繊維や服飾雑貨など、ファッション中心の話題に戻りますが、もしそういう専門的な内容にご興味のある方は、宜しければ今後もお気軽に遊びにいらして下さいませm(__)mさて、今日は、次の「東京発日本ファッションウィーク(JFWイン東京)」の話題をご紹介しておこう。業界関係者の皆様は、今日付けの繊維ファッション関連業界紙の全てがこぞってこの話題を取り上げていたので既にご存知のことと思うが、JFWイン東京の日程は3月17日(金)から24日(金)までの8日間、メイン会場は、明治神宮外苑聖徳記念絵画館前特設テントと原宿クエストホールである。まだ全ての情報が公式ホームページには掲載されていないようだが、催し物のトップを切って行われるシンポジウム「世界が見る日本ークール・ジャパンのファッションと文化」については概要と申込みフォームがアップされているので、ご関心のある方は是非お早めにお申込み下さい。実は、お詫びしなければならないことがある。先日、ヘラルド・トリビューン紙のスージー・メンケス記者が東コレに招待されている、というエントリを書いたが、東コレではなく、シンポジウムの講師としての招聘なのだそうだ。センイ・ジヤァナルさんによると、東コレについては、「今回も海外のメディアやバイヤーの招待は行わない」らしい。なので、元同業者の皆様、頑張って書いてチョ!東コレの公式スケジュールは業界紙には発表されていた。参加ブランド数は45で、前回の51を下回っている。前々からデザイナー本人が意思表示していた通り、今回は「マスターマインドジャパン」の参加はないし、今の時点のスケジュールに他にも何人かのメンズの人気デザイナーの名前が見当たらないのがちょっと気になっているのだが・・・。明るい話題もある。元「フラボア」のデザイナー、宇津木えりさんが、古巣のエイネットに復帰、新ブランド「メルシーボークー(mercibeaucoup,)」(フランス語で「有難う」の意)のお披露目となるショーを行うことだ。宇津木さんのブログ「宇津木日記」には、早速ファンの方からの心温まるメッセージが多数寄せられている。以前のインタビュー記事では、旧「フラボア」とは違ったイメージの商品を打ち出したい、という抱負が語られていた。東京を代表する力のあるデザイナーの一人のカムバックだけに、大いに期待したいですね。がんばってください(^^)/人気blogランキングへ
2006年02月15日
今、自宅に帰ってこのブログの訪問者数を見たら、何と2078!過去最高、ケタはずれに多いです。テーマが時宜を得ていたのと、R30さんがご自身のブログの中でご紹介下さったお陰だと思うが、皆様、本当に有難うございます。続きがうまく書けるかな、と、ちょっとプレッシャーですが(^^;;;、昨日の続編、行きますね。梅田望夫著『ウェブ進化論ー本当の大変化はこれから始まる』を読んで、第2に印象に残ったこと、それは、梅田氏が、「ブログは知的生産の道具」と言っておられた点である。これは、まさに私自身もこのブログを始めた当初の動機とは変わって(きっかけは、ネット黎明期から積極的な情報発信を行っておられる地元・墨田の久米繊維工業(株)代表取締役社長・久米信行氏のブログ等を読み、非常に面白く、しかも簡単に始められそうなので、「書くことは好きだし、とりあえずやってみるか」くらいの軽い気持ちだった)、途中から自然と、「自分にとって重要だと感じられたことについて調べ、その内容と、それに対する現時点での自分の意見を記述する」ことに重点を置くようになってきたので、おっしゃられることは非常によくわかる。例えば、私のブログ仲間である北海道のITコーディネータ・春日一秀さんも、「自分用のメモです」という書き出しで書いておられたりするので、専門的な職種にあって、それについて書いておられる方の間ではかなり共通する感覚なのではないかという気がする。私の場合、気になったニュースに関連するサイトなどを調べる時間40分、5分でエントリの骨子を考え、15分でさっと書く、くらいの時間配分でやっている。元業界紙の記者だったので、残業等で時間がない時はないなりに早く書く術は知っているし、日中に、「今日はコレで行くか」という感じでエントリの頭出しが自然と浮かぶこともある。たぶん、意識して訓練されれば、エディター、ライターではない方でもこのようなことは出来るようになると思うのだが・・・。しかし、書くということについての技術は以前からそれなりに習得しているつもりだったが、それ以上に、1日40分、それも毎日、自分の専門領域について調べていることで、正直言ってものすごい量の知識が自分の中に、そして、このウェブ上に蓄積されていくのを感じている。本当に、梅田氏がおっしゃっておられる通りなんですよ!いい年をしてお恥ずかしいのだが、何だかまだ自分がどんどんどんどん成長していくのを実感できる。子供の頃、身長が伸びると節がキュッと痛んだような、そんな感じに似ていたりして(笑)。面白いのは、久米繊維工業(株)の久米社長も、新著『ブログ道』の中で、「(ブログを)自分のために書く」という趣旨のことをおっしゃっておられることである。だが、久米社長の場合、ブログを読ませて頂いても感じるのだが、仕事で役立ちそうな情報をメモする、というような実利的なスタンスではないように思う。自分の心の内面を見つめる、深く内観しておられるように感じるのだ。他の経営者の方のブログを読んでも、PR中心の内容の中に、やはり非常に鋭い経営哲学、人生哲学のようなものが滲み出ているのを感じることがあって、本当はここまで達することが出来れば素晴らしいのになあ、と思ったりもする。経営者ブログでなくとも、一般の方のブログにも、そういう煌きや、魂の叫びの重みを感じることはしばしばあるのだ。人それぞれ、ブログの理想形も十人十色なのだろう。この他、サラリーマンの場合は、ブログを書いていれば転職の際などの自己アピールに繋がる、という趣旨のことも梅田氏は書かれていたが、ブログは今やセルフブランディングの重要なツールの一つになっていることも間違いないだろう。第3は、ここまで書いてきたことにも関連するのだが・・・。梅田氏は、「脱エスタブリッュメント」を主張し、実際にそのように行動なさっておられる言行一致の素晴らしい方なのだが、初めから二流、庶民の世界にいる私のような人間から見ると、やはり選ばれた優れた人が取るべき進路についての指針しか示しておられないように思う。日本のIT業界、既存の大手電機メーカー等が、Googleのような大きな世界観を持ち、革新的なビジネスモデルの構築を目指さず、インターフェイスの開発ばかりに力を注いでいると指摘し、シリコンバレーに優秀な若者を1万人移住させようと目論む・・・確かに的を射ており、素晴らしいことなのだが・・・。そのようなヤマの頂点を高くするための努力だけでは、多くの日本人は幸せにはなれない、と見るべきなのではないか。これから人口が漸減していく日本の社会の中で、日本が国全体としての国際競争力を保つためには、例えばERP、ICタグ、情報家電、ケータイ等々のIT周辺の業界に始まって、自動車や工作機械、食品、果ては我らが繊維ファッション業界に至るまで、ありとあらゆる分野のレベルが、全て国際的に一定水準以上にあることが非常に重要だと思うのだ。コストが高いが故に苦戦を強いられているわが繊維業界ですら、海外の同業者から、「日本の会社程納期をきちっと守るところはない」と賞賛されている。いわゆる、国民の圧倒的多数を占める「二流」の人達が一生懸命、楽しく働いていること、それがこれまでの日本を支えてきた。一部の天才秀才には依存しない、根っこがしっかりしている社会。それがなくなった途端に、日本という国は、一気に日没へと向かうのではないか?もう一つ、言葉尻を捉えるようだが、ブログの項でも、梅田氏は、「玉石混合問題」という表現で、大半のブログが取るに足らない情報しか発信していない、と切って捨てておられる。しかし、人間は「情報」だけを必要としているのではないのだ。無名の隣人の面白いエントリに笑い、悲しみに共に泣く。ブログというものがこんなに普及したのは、見知らぬ誰かとのコミュニケーションを誰もが簡単に取れる、そこに大きな魅力を感じたからではなかろうか。人は、「発信」することだけでは満足できないのだ。誰かに反応してもらいたい、自分の声を聞いてもらい、それに対する答えを返してもらいたいのである。消費財を扱う業界にとって、こういう無数の民の声の集積、というのは、貴重な資料だ。実は私もここ3シーズンくらい、バーゲンの立ち上がりの日に数多くのブログを斜め読みすることである程度の売り上げ予測をしているのだが、かなりの程度読める(ちなみに今年の1月は、非常に良く売れたのだな、というのがありありとわかりましたよ)。大手アパレルさんは既に始めておられるだろうと思うが、RSSリーダーとテキストマイニングを組み合わせることで、そのような情報を分析することも可能だ。以前、日経MJに、オンワード樫山の女性のMDの方が、担当ブランドのターゲット年齢の女性達の書いたブログを読んで彼女達の興味関心、喜怒哀楽に敏感であるよう努力しておられる、という記事が掲載されていたこともある。今日、R30さんも書いて下さっていたが、左脳系の情報だけが情報とは限らない。これからは、感性というあいまいな領域でネットをうまく活用できたもの、言い換えると、無数の石を玉に変えることが出来た人達が大きなチャンスを掴んでいくのかもしれない。間違いなく、わが繊維ファッション業界にもチャンスアリ、ですよ(笑)。長々と書いてきたが、この本からはしかし、私自身はは非常に爽やかな読後感を感じることが出来た。それはひょっとしたら、私自身が既に「元記者」になっているからかもしれないけれど(笑)。大衆の叡智を信じる楽天主義、そして、「脱エスタブリッシュ」の信念に基づき、若い人達を応援することで後半生を生きようと決意、近藤社長率いる「はてな」の非常勤取締役に就任された、という結末に、近藤社長の年齢よりは1960年生まれの梅田氏の年齢に近い1964年生まれの私は大いに共感を覚えた。同書の中に、「ウェブの世界に次の大変革を起こすのは1991年生まれではないか」という大胆な予想もあったが、残念ながら自分自身の年齢と感性では最早その流れの最前線に身を投じることは無理であろう。その世代が登場する頃自分は、「元ジャーナリスト」と名乗れるレベルを保てるのか、それすら自信がない。世の中の流れに、全くついていけなくなっているかもしれない。しかし、私は私なりに、エリートではない「二流」の仲間達と共に、ささやかな幸せのために努力していきたいと思っている。自分の目の前に存在する、小さな小さなファッション業界の若手を精一杯応援したいーーそういう思いだけは、梅田氏の思いに通じるのではないか、そんな風に思ったのだ。人気blogランキングへ
2006年02月14日
昨日買ってきたばかりの梅田望夫著『ウェブ進化論ー本当の大変化はこれから始まる』が非常に面白かったので一気に読んでしまった。この本、知人である葛飾の若手IT社長さんも書いておられるが、ネットに詳しい方にとっては、「こんなことみんな知ってるよ」というような内容だろう。しかし、最近話題の用語、Web2.0とか、ロングテール現象とか、同書の中では「あちら側」と「こちら側」という表現で対比されているGoogleとマイクロソフトの違いが実はよくわからない、という方には、是非読んで頂きたい。難しい専門用語は使われていないので、何となくそうなのか、といったくらいのことはおわかり頂ける筈だ。あとは同書の中に書いてある通り、アナロジーで理解するのではなく、ご自身がネットを仕事でもプライベートでも存分に活用されることで、これから起こるであろう変化を「体感」して頂くのが一番だろうと思う。同書の感想については、既にアルファブロガーと呼ばれている方々を始めかなりネット上にアップされ始めているから、いろいろチェックして頂きたいと思うが(R30さんは、いつもながら鋭い突っ込みですねぇ~)、私が気になった点を3点ほど挙げたい。第1は、第4章「ブログと総表現社会」の中で指摘されていた、Web2.0の時代は、これまではアマチュアだった人達が続々と表現者としてネット上での情報発信を始める総表現社会=消費者天国・供給者地獄の時代になるのではないか、という問題である。この場合の、「供給者」サイドには、厳密に言うと2タイプの人達が存在するのではないかというのが私の考えだ。1つは、純粋な意味での表現者。デザイナー、アーティスト、ミュージシャン、映像作家、小説家等々である。こういう表現者の業界にも、制作物がネット上でコンテンツで流通する業界とそうでない業界(例えばファッションデザインや建築、プロダクトデザイン等)が存在する。後者の業界は、実は、既に今までの時代においても、非常に競争が厳しく、大学や専門学校を卒業してから、まずは企業内デザイナーになれるか否か、というところで、その後業界内で大きく活躍できるか否かが事実上決まってしまうような状況下にあると思う。前者の、コンテンツ系のデザイナーの世界は、ネットとGoogleが普及してから、将棋家の羽生義治氏が言う所の「高速道路が一気に敷かれたということです。でも高速道路を走り抜けた先では大渋滞が起きています」(同書P210)という状況になりつつあるのではないかという気がする。全体のレベルが一気に上がり、競争は激化している。こうなると逆に、前者のアナログ系のデザイン分野の方が、今後ネットの活用等で「自ら高速道路を敷設して前に出る」ことで競争力を高めやすい部分が出てくると思う。それともう一つ、梅田氏が懸念なさっておられるような、表現者への報酬が全体的に逓減するのではないか、という点については、私も恐らく漸次そうなってくるだろうとは思うが、超一流、一流レベルの人材については、デジタル系、アナログ系を問わず、やはり特別な報酬は維持できるのではないかと思っている。むしろ、二流以下との差が歴然とすることで、報酬はアップしてくるかもしれない。私はファッションの世界にしか詳しくないが、突出した才能、というのは、その業界の内部の人間ならば誰しもすぐ峻別できるものだ。才能のある人材は、物事の本質からデザインに迫ることが出来る、ある一定レベル以上のデザインをコンスタントに量産できる、一つの領域に限らず、複数の分野でデザインワークを行える、といった特徴を持っている。自分は二流以下だ、という人達にこの本は不安を与えるかもしれない。しかし、ネットの発達は、デザイナーの活躍の場を今後広げてくれるのではないかと私は思っている。自分のオリジナルブランドを売るだけが能ではない。今までデザインということとは無縁だった中小企業、零細企業がウェブサイトを開設する、工場のビデオ画像を流す、メルマガを発行する等々の現象は、今後益々本格化するだろう。それを、自前でやれる企業さんもあるが、不得手な部分は外部デザイナーやライターの力を借りたい、と思っている企業さんもかなり存在する。働き口はマスコミや大企業だけではない。個人のデザイナーと中小企業が、n対nで直接どんどん結びついていけばよいのだ。梅田氏は、発展途上国の表現者がネットで大きな果実を得ている、という貴重なご指摘をなさっておられるが、日本国内においてももっと中小企業さんの存在に目を向ければ、よりポジティブな視点になれるように私は思う。むしろ深刻なのは、もう1つのタイプの供給者=既存のマスコミ(TV局、雑誌社、新聞社等)に勤務している人達の方であろう。特に、オリジナルのコンテンツといいながら、実は外注の制作に依存しているTV局の多くの社員さんや、単にニュースリリースを右から左に流しているだけの新聞記者さんなんかは、相当にヤバイのではないだろうか。こういう人達は、何の価値も創造しておらず、いわゆる「情報の問屋業」みたいなものに過ぎないので。とはいえ、既存のオールドマスコミ業界も、梅田氏がおっしゃっている通り、そこに依拠していた方が価値を保持しやすいと踏んだ人達が存在する限りは暫くの間存続していくだろう。特に、次の3つは、ネットの中には単純に収斂していかないカテゴリーだと私は予想している。1つは、外資系のラグジュアリーブランドからの広告収入で成り立っているファッション雑誌。まだまだ相当部数が落ちたとしてもやっていける。そもそも、外資系のラグジュアリーブランドは、「差別化」が好きだ。ネットの中であまねく広くアピールするよりは、情報をコントロールしてイメージを高くしたいと思っている。しかも、ラグジュアリーブランドというものは、この先も恐らくは絶対にネット上からは誕生しないものだ。「長い歴史と伝統」ーーそれは、事実に基づくものでお金で買うことは出来ないものだ。チープ革命に対して最も強い抵抗力を持つブランドの神話である。次は、芸能人がらみのコンテンツ。こちらはネット上でも発信はされていくが、映画とTVの業界から落ちる利益が大きいため、既存の勢力はなかなかそこからは離れられないのではないか。アイドルの肖像権を守るため、ネット上での露出は今後も厳密にコントロールされるはず。あくまでも元ネタは既存メディア発なのだ。従って、芸能人や芸能情報が出ている、載っているTV、ラジオ、雑誌、スポーツ新聞等は強い。タレント、アイドルそのものも、純粋にネット上から草の根的に登場する、というのは、実はかなり難しいのではないかというのが私の考えだ。あるところまではそういう形で出てきたとしても、プロダクションにスカウトされる段階で厳しく吟味されると思う。何故なら、所詮は生身の人間なので、長時間労働、過酷なレッスンや収録に耐えられる体力、気力があるかどうかが問題視されるだろうからだ。もう1つは、スポーツである。こちらも、芸能人と同様の理由だ。マイナーなスポーツにとってはネット配信は福音になろうが、半ばタレントに近いプロ野球選手やJリーガーの選手等にとってはやはり今のところはTVでの露出はやめられまい。それから、芸能とスポーツに関しては、ケータイは持っていたとしてもパソコンは持っていないファン層がかなり存在するはずだ。上記の3つのカテゴリーを含まない媒体は、若者どころか、今や40代くらいまでの活字離れも手伝って、かつて大手と言われたところでも徐々に、もしくは急激に衰退してきているのが現状ではなかろうか。今や、セクシーグラビアすらネットやケータイでいくらでも見られるので、全くキラーコンテンツには成りえなくなってしまった時代なのだ。今の時代はむしろ、地域の住民と顔が見えるお付き合いが出来ている地方紙や、特殊な情報なので固定読者がおり広告収入も得ている業界紙なんかの方が、「全国」とか「総合」を標榜している会社よりも安定している時代かもしれない。しかし、それにしても、全体的な広告収入の低下は経営の圧迫要因となる。いずれは大手企業のどこかが倒産し、業界全体が恐怖に慄くーーというシナリオを語る全国紙の記者さんも存在するようだが・・・。残念ながら私の予想も、それに近い。いつの時期にそうなるか、とまでは予想できないが、ひょっとしたら10年たたないうちに業界の激変が起こる可能性はあると思う。但し、そういう時代が到来しても、プロのマスコミ社員、という職種は全てはなくならないと私は思っている。本物のプロフェッショナルは残るだろう。梅田氏も書いておられるように、健全な危機感が業界全体のレベルアップにつながって良い方向に行くかもしれない。但し、これまでのような、他産業に比べ高すぎる給与は、これからどんどん下がっていくのではないだろうか。とはいえ、前半の、純粋な意味での表現者について述べたくだりでも書いたけれど、これまで広告とか情報発信なんて考えてもおられなかった中小企業、零細企業さん向けのお仕事は、未開の荒野だ。私自身の今の仕事もまさにそうなのだが、ジャーナリストとしてニ流以下の筆力でも、やる気があれば新規市場は開拓できると思う。また、ベンチャー支援、ということもあるし、「マスコミをクビになったら仕事が全くないのでは」なんてことは、心配される必要は全くないように思う。要するに、「大手マスコミへの再就職が難しい」のであって、「既存の仕事に変わる新しい仕事は存在する、開拓できる」のである。長くなってきたので、(下)編は明日書き下ろします。人気blogランキングへ
2006年02月13日

本日2回目のエントリです。初めてお越しの方は、是非一つ下のエントリからご覧下さい。スイスの写真の続きです。10.お花屋さんその2。春を待ちわびる気持ちが花を愛する心を育んだのかも? 11.地下に時計博物館を開設している高級時計専門店のベイエル。1,000万円以上する超高級時計は必見! 12.聖ペーター教会。こちらの時計塔にはヨーロッパ最大の時計が。 13.聖ペーター教会の中。パイプオルガンで音大生が練習しておられた。英語のわかるボランティアのガイドさんのお話も面白い。 14.ガイドブックにも良く掲載されている有名なチョコレート屋さん、トイシャー。 15.リンデンホフの丘でチェスに興じる男性達。16.「H&M」のショーウインドウ。 17.「H&M」のショーウインドウ、もっと近寄って写してみました。セール用のディスプレイだが、村上隆氏のアートを彷彿とさせるイメージか? 18.1月31日火曜日朝のチューリヒ中央駅。出口が一方のみ、見通しの良い広いプラットフォームは、JR高松駅の雰囲気にちょっと似ているように思った。 人気blogランキングへ
2006年02月12日

まずは、お詫びから。昨日2月11日(土)付けのエントリ、カール・ラガーフェルド氏のブランド「カール・ラガーフェルド/ラガーフェルド」のコレクションのネット配信の件だが、もしニューヨークで2月10日(金)の夕刻配信されていたとりたら、日本時間の方が14時間遅いので、日本では10日の早朝には見ることができたはずであった。11日になってネットをチェックしているようでは遅い、のでありました。大変失礼致しました(^^;;;;;しかし、ついこの間ヨーロッパに行ったばかりなのに、なんでこんなこと間違えるんだろうねぇ。いくら忙しくて頭がボケているとはいえ・・・。というか、告白してしまえば、私はかなりの方向オンチでもあるのだが、時間に対する感覚にも鈍いところがある。前にも書いたことがあると思うが、ハワイも含めてアメリカにはまだ一度も行ったことがないのだが・・・。このような私が一人でいつも海外に出掛けている、というのは、人からも時々言われるが、実はかなり危険な行動なのだ。海外でもよく道に迷っているのだが、ケータイのお陰で難を逃れたりしている。もし世の中にケータイ電話というものがなかったら、私は一生一人で海外旅行には出られてはいなかったであろう。とはいえ、自分なりには安全というものには細心の注意は払っている。展示会場付近は日本人が多いのでまずは安全なのだが、ヨーロッパではローマ、パリ、ベルリン、ロンドンなどその国の第一の都市には一人では行かないことに決めている。大概において、スリ、万引きなどの危険が多いのは大都市だからだ。そういう都市には、65歳過ぎてから友達とでも行くか、いずれツアーにでも入って出掛けるつもりでおります。余計なことを書いてしまったが、お恥ずかしい間違いである。深くお詫びして訂正致します。昨日のエントリは、恥ずかしいのだが本文はそのまま残し、注釈をつけておきます。さて、今日の本題へ。お待たせ致しました。1月30日(月)、31日(火)に写したスイスの写真をご紹介します。1.インディテックス社「マッシモ・デューティ」のショーウインドウ 2.ラグジュアリーブランドのショップが立ち並ぶ、チューリヒのバーンホフ通り 3.ゴシック様式の教会、フラウミュンスター 4.フラウミュンスター内のシャガールがデザインしたステンドグラス 5.リマト川右岸のグロスミュンスター大聖堂6.チューリヒのお花屋さん7.アインシュタイン、レマルク、トーマス・マン、ワイルダー等が常連顧客だったというカフェ・オデオン。私も入ってみましたが、赤を中心としたインテリアでとても素敵な雰囲気でした。 8.ケー橋付近の遊覧船乗り場 9.ケー橋の上よりチューヒリ湖を望む。何故か芦ノ湖を思い出したりして(笑)。 続きは次のエントリで!
2006年02月12日
秋冬コレクションシーズン、今日はそれに関する話題を2つ。皆さんは、カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)氏のブランド「カール・ラガーフェルド/ラガーフェルド(Karl Lagerfeld/Lagerfeld)」の2006~2007年秋冬コレクション、もうご覧になられただろうか?ニューヨークファッションウィークの最終日、2月10日(金)のショー終了後当日中に編集を加えて配信、とのことだったが、日本とニューヨークでは14時間の時差があるので、私は実は昨日はチェックはしなかったのだ。今サイトを見たら、やはり既にアップされていた(注:このエントリの内容は間違い。ニューヨークと日本の時差は14時間で誤りはないが、ニューヨークよりも日本の方が遅い時間となるので、日本時間の10日早朝にはじょっとしたらVideo画像を見ることが出来た可能性がある=2月12日日曜日付記)。Video画面の冒頭の部分に本人が登場し、ブランドコンセプト、そして、このブランドがN.Y.という街に似合うものであることをしっかりと説明している。最終消費者に対して、雑誌媒体を介さず、自らがダイレクトにPRを行うーーこのような手法がファッション業界において過去に存在したであろうか?iPodならば、会場に足を運べないバイヤーもVideo映像を自分のiPodにインストールしておけば通勤や異動の途中にショー内容のチェックが行える。忙しいバイヤーにとっても、時間の節約が可能だ。著作権侵害を恐れて、画像や映像を隠すことで得られるメリットよりも、積極的に新しい時代への対応を図る方が、遥かに得られる効果は大きいのではなかろうか。Googleで「Karl Lagerfeld iTunes」と入力し検索すると、何と39,900件もヒットした。ファッション系のサイトだけでなく、IT系サイトにも数多く取り上げられ、ブログ上でも話題になっている。新しいジェネレーションを取り込もうとしているブランドにとって、クリエーションの内容もさることながら、方法論自体がこの上ない広告宣伝になったことは間違いないだろう。もう1つ、来月開催される「ジャパン・ファッション・ウィーク・イン東京(JFW in Tokyo)」のメイン・イベントである東京コレクションに、アメリカの新聞、インターナショナル・ヘラルド・トリビューンの記者、スージー・メンケス(Susie Menkes)さんを招待することを決めたそうだ(WWDジャパンさんが2月6日号で小さく取り上げておられました)。スージーさんは、ファッションを専門に取材しておられるベテラン記者で、世界的に有名な方だ。彼女を呼んできたことで得られるであろう効果は、2つ考えられる。1つは、英語圏への東コレ情報の発信だ。ヘラルド・トリビューンの紙の本紙の効果もさることながら、インターネット上での効果、これは恐らくテキメンに上がってくるだろう。もう1つの効果、それは、スージーさんが懸命に取材される姿が、日本の一般紙や業界紙の記者さんに良い意味での刺激を与えてくれるのではないかということである。数年前、東京ファッションデザイナー協議会(CFD)さん主催のシンポジウムで、スージーさんのお話を伺ったことがある。細かい内容は失念してしまったのだが、非常に印象に残っていることが一つだけある。それは、「どんな不便な場所で開催されているショーであろうと、若い無名の新人のショーであろうと、時間がある限り現場に出向いて取材をする」という趣旨のお話だ。正直、スージーさんの記事の中には、たまに私の目から見て「これって本当にそうなんだろうか」と思えるものもあったりする。ベテラン記者として、長年定点的に有力なメゾンのショーの全てを見てきておられるから、過去との比較、という点においては優れた分析を行える立場にあると思うが、非常に失礼な表現になってしまうかもしれないが、やはり年齢的に、直感で若いデザインを評価できなくなっておられるのではないかと思ったりするのである。しかし、同様のことは、自分自身の感性を問うた時も言える訳で、何の努力もしなければ私の年齢では既にファッション・ジャーナリズムの世界では生き残ることは難しいな、というのを最近は私自身が強烈に感じている。自分が年をとったからこそわかるのだが、ジャーナリストが動かなくなったら終わり、だ。鈍った感性を補うには、若い時以上に数多く現場に足を運び、取材を繰り返すしかない。大御所然としてプレスルームの中に根が生えたように一日中座っているようになってしまっては終わりなのである。スージーさんは、記事を拝見する限りにおいては、今もって現場主義を貫いておられるのではないかと見える。これは素晴らしいことだ。そして、新しい若い才能に惜しみなくエールを贈っておられる。記者として記事を書くことで新進デザイナーを応援する、そのことに心から喜びを感じておられるのだろう。先程彼女のニューヨークコレクションの記事を拝見したら、「New York's "dull" fashion week(ニューヨークの”退屈な”ファッションウィーク=筆者訳)」なんてキツイ皮肉が書いてあったが、果てさて、日本の東コレはどのように評価されることやら。日本の新聞記者さん達も、彼女に負けずに「厳しく、暖かく」という視点で記事を書いて書いて書きまくって下さいね(^^)/人気blogランキングへ
2006年02月11日
ヨーロッパへ行っていた先週は実質4日弱仕事を休んでいたので、今週はたまった仕事を片付けるのがかなり大変だった。しかし、2月は小売業のリニューアルの月。地元企業さんがらみの案件もあったりするし、積極的に売り場へも出向かなきゃ(^^;;という訳で、明日もちょこっとお仕事、なので、今日は小ネタで勘弁してチョ。今日付けの日経MJさんの、「話題のブログ」のコーナーで紹介されていた 「Yahoo!検索スタッフブログ」、皆さんご覧になられましたか?実はこのブログのことは私も今日初めて知ったのだが、非常に役に立つ情報がしっかりと掲載されていると見た。早速ブックマーク致しました。ヤフーのサーチエンジンで自社サイトを上位に上げたいWebマスターさんや、Yahoo!ショッピングに出店しておられるネット店の店長さんはもちろんのこと、ネットの知識が自分にはあまりない、と感じておられる一般の方にとっても、かなり使える情報は多いのではないだろうか。という訳で、リンク&トラックバックさせて頂きましたm(__)m人気blogランキングへ
2006年02月10日
今日からいつも通り、日本国内の話題に戻ります。昨日2月8日(水)付けの繊研新聞さんの5面に、三浦展氏のインタビュー記事が掲載されていた。三浦氏には私は面識はないが、元パルコの『アクロス』編集長を務めておられた方でファッション業界には明るい方である。最近作の『下流社会』は大ベストセラーになったので、さくらのブログの読者の皆様の多くもご一読されたのではないかと思う。但し、同書を読まれた方はお感じになられたかと思うが、ファッションに関する話題は全体を通してパラパラと少しずつ述べられているだけである。私は数ヶ月前、ある所で三浦氏のセミナーを聴講させて頂く機会に恵まれたのだが、その時は本には出てこなかったブランドの話もかなり登場はしたものの、受講者が多様な業界の方だったので、もう少しファッションのことだけを深掘りして欲しいなとやや物足りなさを感じながら聞かせて頂いた。繊研新聞さんの紙面で三浦氏のお名前をぱっと見て、非常に期待して記事を読んだのだが、残念ながらセミナーの時よりも反ってわかりにくい内容のように思えた。とにかく、文章が短すぎるのだ。まずは言葉の定義も必要だろうし、できれば1ページくらい割いて掲載して頂きたかったな、と思いましたよ(三浦氏のビジネスノウハウに関わることなので、お願いしても実現できなかったかもしれないけれど・・・)。同氏独特の言葉使いとして押さえておかなければならないのは、1973~80年生まれの人達を「真正団塊ジュニア」と呼称しておられることである。私がよく使わせて頂いている伊藤忠ファッションシステム(IFS)さんの著書『おしゃれ消費トレンド』の「団塊ジュニア」の定義は、1971~76年生まれを指すので、それよりも全体的に若い。IFSさんの定義の方が世間一般の認識に近いように思うが、三浦氏は、「団塊の世代の両親の子供が本当の意味での団塊ジュニアと言えるのではないか」と主張しておられるのだ。これはなかなか的を射た指摘であろう。上記の点を踏まえた上で、お手元に繊研新聞さんをお持ちの方は今一度記事を読み返してみて頂きたい。どうもすっきりしないな、と思われるのではないか。その理由は、記事を書かれた方も、そして、ひょっとしたら一部分では三浦氏ご自身も、「上流」「中流」「下流」という階層軸と、もう一つ存在する世代軸がごっちゃになって整理できていないからではないか。ファッションの話、特に、顧客サイドの話とブランドサイドの話をすり合わせる際には、階層軸だけでなく、やはり従来からしきりに言われてきていることではあるが世代軸の問題もきっちりと押さえておく必要があるように私は思う。いくら上流階層に支持されていたとしても、ブランドそのものが年をとることは阻止したい、というのが、まずは常道の政策だからだ。記事文中で三浦氏は、「百貨店のブランドが特に着目すべきなのはディンクスです」と述べておられる。結婚して数年間、子供がいない状態を維持する層はその時期にモノを買うのでは、という推論は恐らく正しいだろう。だが、その後に列挙されているブランド名のうち、「ナチュラルビューティ」「組曲」「ロペ」は、ホントはこれでいいの?というところも多分にあるのではないか。これらのブランドは、立ち上げの時期はもっと若い層を狙っていたのが、ブランドが顧客と共に年をとってしまった、というのが現実なのではないかと思う(特にロペなんて、大昔からあるもんね。お客様にも、かなりのオバサンもいたりする)。ただ、もうブランドもいい加減成熟してきているから、無理に若返らせず現状維持路線で行こう、というところだと思うんだよね。同じ括りで挙げられているブランドでも、「UA」さんは全く位置づけは違うと思うし(そもそも、アパレルブランドじゃないから、ワンテイストではないし、客層も多様だがその中の一番良いお客様は本当の富裕層だろう)、「23区」と「バーバリー」は元々もっとミセス向けブランドだから、話はまた全く変わってくる。インタビューでは「好き」と答えていても、実際には25~32歳の人はほとんど買っていないんじゃないだろうか。「イネドやインディヴィは27歳以下では差がない」というのは、ブランディングやMDはうまく若さをキープしているのだと思う。「28歳以上になると上流だけになります」とあるが、これは実は余計なお客様で、本当に取りたいヤング~ヤングアダルトをきっちり取り続けている。記事の最後の方に、「結婚していない30歳、特にパラサイトシングルはお金を使う気力がなく、服を買わない、買う必要がないといってもいいかもしれません。この層には駅ビルが強い」とある。この行、短いまとめなので三浦氏の真意がうまく伝わっていないのかもしれないが、ちょっと疑問に感じるところがあった。調査対象が百貨店ブランド中心で、駅ビルにしか入っていないようなもっと安可愛いブランドやショップがそもそも含まれていなかったのではないかということである。ここは逆に、駅ビルさんを褒めて差し上げるべきところなんじゃないだろうか。夕方8時過ぎに新宿辺りの駅ビルに行けば、必ずしも熱烈なファッション好きではないと見える客層がサクッと服を買っている姿に出くわす。いくら若い頃に買った服があったとしても、パラサイト族も会社に通わないといけないからやはり時々は服を買っているのだ。そういう客層を、今や有力セレクトショップを軒並み揃えた駅ビルさんはきっちりと取り込んでいますよね。ひょっとしたら、このインタビューは、百貨店業界向けに三浦氏がどこかでご講演された内容なのかもしれないし、駅ビルさんはかつての勤務先・パルコさんのライバルになるような業態だから、ちょっと牽制心が働いておられるのかも、なんて思いながら読ませて頂いた。ついでに書いておくが、『下流社会』の中でさくらが疑問に思った最大の点は、P245の「地方出身者は『上』になりにくい」という章だ。これには三浦氏自身も半分首をひねりながら書かれた様子も伺えるが、あくまでも自己診断だから、本当の所有資産の額と自己評価は正比例はしていないのだろうという気がする。地方出身の大学生はおろか、卒業してからも親御さんからおこづかいを仕送りしてもらっているようなリッチガールは昔から結構存在していましたよ。この章は、出身地別階層意識についての調査結果のまとめなのだが、横浜と川崎を一つのくくりにしておられるなど、ちょっと解せない部分がありますね。しかし、『下流社会』は、現在の日本に現れつつある危険な予兆を実証的な調査によって浮き彫りにして見せた名著だと思う。全体的には細かい部分まで実際のビジネスに非常に役立つような指摘が多いですね。この本の第2弾として、『下流社会ーファッション編ー』を是非三浦氏には執筆して頂きたいくらいです、お値段は少し高くなっても良いので。人気blogランキングへ
2006年02月09日
さくらのヨーロッパレポート、今日は素材、アパレル、ショップなど狭義の繊維ファッションの話題から少し離れて、旅の途中に私が感動したこと、ちょっとびっくりしたことなどを7つ選んでご紹介したい。さくらの!(驚き)その1:スイスって、やっぱりそんなにお洒落な街ではない。なんて言うと、チューリヒの皆さんに申し訳ないのだが、正直、ストリートのスナップを取りたくなるような感じでは全然なかったのだ。理由は、たぶん例年ならば非常に冬は寒いから、であろう。街を歩く人、特に女性の3分の1強は毛皮のロングコートを着ており、他も、ウールのロングコート、カジュアルのナイロンコートでも裏フリースで非常にあったか仕様になっていたり、という感じである。帽子着用率もかなり高く(それも毛皮!)、マフラー、手袋、ブーツもお約束のアイテム、といった感じだ。ショート丈のダウンジャケットで足元がスニーカー、という若い人達もいないではないが、あまりにも重々しい着こなしの人が多いため、「これこれ貴方達、寒くはないかい。大丈夫かい」といらぬおせっかいを焼きたくなってくるくらいでしたよ(笑)。こういう寒い地域に来ると、動物愛護団体さんの毛皮使用反対運動は、ちょっとナンセンスなのではないか、という気がしてならないですね。毛皮を着ておられる皆さんは、決して生き物の命を粗末にしている訳ではないと思うのだ。本当に寒いから、必然性があって人間は毛皮を着用するようになったに違いないと私は思います。さくらの!(驚き)その2:ベイエル(Beyer)で見た、「亀が動く時計」有名時計専門店のベイエルに、水の入った大きな焼き物の水盤の中に、まるで生きているかに見えるような小さな亀が時を刻む針の役割をしている、非常に変わった時計があったのだ。昔TVで見たようなおぼろげな記憶もあったのだが、分を刻む針はなく、時針のみで、その時針がミドリ亀が少し成長して大きくなったくらいの亀の形をしているのだ。私があんまりしげしげと見つめているので、お店の方が、「それは磁石で動いているんですよ」と説明して下さった。その時計のモデルになった古い時計が、同店地下のベイエル時計博物館には置かれている。ちなみに、今ネットでベイエルのサイトを見ると、同博物館の紹介がストリーミング映像にまとめられている。英語のナレーションもあって、時計の非常によくおわかり頂けると思う。少し長いが、お時間がある方は「presentation」のところを是非ご覧下さい。さくらの!(驚き)その3:チューリヒのお花屋さんは、かなりお洒落写真は他のものと合わせて週末にまとめてご紹介したいが、非常に店頭ディスプレイやカラーコントロール、品揃えも良いお店ばかりで、そのレベルの高さに正直驚いた。面白かったのは、店頭にチューリップやヒアシンスなど、球根から育つ花をどのお店も並べていたこと。さくらも球根を育てるのは昔は大好きだったんですが、2階のベランダに鉢ごと置きやすいからなんだろうか。それと、わが業界の皆さんにはなじみ深い、コットンボールもかなり見かけました。店頭にドーンを出してあったんで、こちらも人気があるのかな、と喜びながら見ておりました。さくらの!(驚き)その4:何故かアール・デコ?「アール・デコ」と店頭の看板に大書してあるインテリアショップを3軒も見かけた。チューリヒの人達って、アール・デコ好きなの?何故に???さくらの!(驚き)その5:ピッティ・フィラッティ、ミリタリー調ファッションの男性チラホラ。イタリアはフィレンツェのヤーン展、ピッティ・フィラッティでは、男性の来場者の中にチラホラとミリタリー調のカジュアルファッションで決めた人がいるのが目を惹いた。若い人だけでなく、中年の男性もいる。この展示会、過去2回は、大体はスーツ姿か、せいぜいカシミアかフラノのジャケット+カシミアの色目の綺麗なセーター+コーデュロイのパンツかデニム、くらいの着こなしで、ビジネスマンらしい装いで臨む、というのが相場のように思っていたのだが。これは、明らかに、バイヤーの皆さんが今勢いのある若々しいスタイルのメンズを意識して着てきておられるのだろう。東京ではとっくの昔にストリートで出ているけれど、この間のメンズコレクションで打ち出されていた少したっぷり目のパンツをブーツインしてはく着方も何人かの人がしていた。さくらの!(驚き)その6:トスカーナの名物料理「リボッリータ(Ribbollita)」って、美味しい(^e^)ピッティ・フィラッティのプレス向けリストランテ(レストラン)で初めて食べたんだけど、いやはやこれが、見かけによらず、すっごく美味しかったのである。この料理、パンとお野菜を一緒に煮込み、ゆでたインゲン豆をその上に載せたもので、このインゲン豆がちょっと煮崩れたような感じに見えてミテクレがあんまり良くないもんだから、これまで食わず嫌いしていたのだ。味付けもあまり濃くなく、栄養のバランスも良い料理で、冬寒い時期にはオススメです。ちなみに、Googleで日本語だけでリボッリータをイメージ検索すると、サッカー選手、中田英寿さんの公式サイト「nakata.net」の中に画像があることがわかった。このページの中程にございますので、是非ご覧下さい。さくらの!(驚き)その7:クラブツーリズムのシニア客の服装って、あんまりお洒落じゃない。ちょっと失礼な表現になっているかもしれないが、「お洒落じゃない」という意味は、「ファッション業界の人が考えているような服装ではない」という意味なので、誤解なきように。いつも海外への行き帰りでよくご一緒するのは、クラブツーリズムなど、リタイアされた世代の方々の団体ツアー客だ。今だとキネマ世代(1936~45年生まれ)、そして徐々に団塊の世代(1946~51年生まれ)の方々も増えてきていると思うのだが、面白いなと思っていることがいろいろある。まず、参加者のパターンだが、ご夫婦で、というのがもちろん一番多いが、次に多いのは女性のグループ(2名とか3~4名)、それと、何故か1人で参加しておられる男性。男性の友達同士、というパターンって、ほとんど見ないような気がするんですよ。長い会社人生の中で、序列にはめられ、利害関係を超えた友達が作れなくなってしまっているのではないかと思うと、なんだか寂しくなってくるのだが・・・。そういう悪しきカルチャーが、ネット、ケータイの普及以降、早い人なら30代前半、今の28~9歳以下の世代では全面的に変わってくる可能性があると思って、私は期待しているのだが。話がちょっとそれてしまったが、そういう団体ツアーの皆さんは、帰りの道中、お互い仲良くなってきて、これまでに旅行したことのある場所について情報交換し始めたりなんかするようだ。「プラハが一番良かったわよ」「ロンドンも面白かったわ」なんて言い合っているのを聞くと、どうやらもう海外旅行も何箇所も経験済みで、「次は今年の秋にしようか」という発言も飛び出しているから、これからまだまだ数年間海外旅行に行き続ける体力も気力も金力もお持ちの旅の大ベテランさんばかりなのだ。そういう皆さんが、じゃあ、どういう服装をしておられるかというと、うーん、この方々、それだけお金をお持ちなら、もっともっとお洒落なもの、もう少し値段の高いものをお買い求め頂きたい、と言いたくなってくるくらいの、非常に地味でコンサバなスタイルなのだ。団体ツアーで海外に行っておられるような皆様は、実は、大半が富裕層ではなく、普通の方々なのだ。本当の富裕層は、家族3世代だけで出掛けたり、あるいは経営者同士の友達グループで普段からゴルフをしに海外に行ったりしているから、こういうツアーには入ってはこないので。これまでの日本の社会は、普通の人でも一生懸命働いてそれなりにきちっと貯金をしておれば、年金と合わせて老後に年に1~2度の海外旅行に行けるくらいの蓄えはできるような幸せな社会だったのである。だから、家に帰って普段は無駄使いなどはせず、お財布の紐はきっちりと締めてここぞというところでバンと使う。賢い消費者なのである。残念ながら、彼ら・彼女らの関心は、ホント、服にはないんだろうな、と、会話の内容を聞いているとヒシヒシと感じられる。「モノよりコト」と、昨日も繊研新聞にIFIビジネススクールの尾原蓉子学長も書いておられたが、こういう消費者、特にシニアの皆さんの傾向は、わが業界にとっては脅威ですね。それと、人間というのは、どうしても保守化する。若い頃のファッション感度以上に、60代くらいになってからアバンギャルドになる、ということは、まず99%はあり得ないのだろう。それと、「モテ」への欲求が薄まるにつれ、どうしても男女共着るものは二の次、三の次になってくるというのもあるので、やはりヤング向け、というのがいつの時代も一番活性化している、というのがセオリーなんだろう。しかし、最後の問題、何とかせねば、と思っているので、機会があればまた別の角度からの分析も試みたいと思います。人気blogランキングへ
2006年02月08日
昨日に続き、2月1日(水)から3日(金)までの間フィレンツェで開かれたヤーン展「ピッティ・フィラッティ(Pitti Filati)」のレポートです。企業のブースでも、トレンドコーナーのテーマカラーに則ってか、自然をテーマにしたディスプレイが目立っていた。複数のブースで、竹を使っていたし(その中には、竹繊維の糸を打ち出しているところもあった)、生きた木を根っ子から抜いてわざわざディスプレイ用に会場に持ち込み、足元に土まで置いてあるブース、水中をイルカと共に泳ぐ人の姿を映写したブース、砂漠の風景を広角レンズで写した写真をパネルにし、壁面全体に大きく引き伸ばして貼っているブース、等々である。幾つかのブースでインタビューを試みた。日本の中小企業向けに情報を提供している者であると名乗ると、大方の出展者の反応は、「日本経済の復活が需要増につながることを期待している」といった前向きなものだった。もう一つ印象的だったのは、有力企業は香港、そして上海にもエージェントを設け、客先の利便性を図っていることである。私がピッティ・フィラッティに行き始めた一昨年から既にそういう状況だったが、今や、単純な中国脅威論は全く聞かれず、イタリアのヤーンメーカーは中国に対しては是々非々のスタンスで臨んでいる、ということだ。グルッポ・テッシレ・インダストリアーレ(Gruppo Tessile Industriale)は、ピュア・リネンやシルク・シャンタンなどを数多く飾っていた。商業責任者のGiovanni Rossi氏は、「当社はリネン、シルク、カシミアなど、天然繊維だけを扱っている。日本にはエージェントはなく、直接取引となるが、香港にはエージェントは置いている。香港にエージェントを置く、というのは、イタリアのヤーンメーカーにとっては普通のことだろう。とは言え、当社の場合は、主力取引先はアジアではなくヨーロッパに多い。ドルチェ&ガッバーナ、アルマーニ、ラルフ・ローレン、カルバン・クライン等々、デザイナーズブランドからの引き合いが多いのだが、日本からはないのが残念だ」と語る。私が「日本にはニットのプロと呼べるデザイナーがいないんですよね」と言うと、「非常に残念だ。日本のデザイナーの皆さんにもっとニットを提案するよう是非しっかりPRして下さい」という答えが返ってきた。前述の、根っ子がついたままの大きな木を置いてあったブースはニュー・ミル(New Mill)だ。名刺を切らしておられるということでお名前を伺っていないのだが、このブースのプレス担当者の方は、非常に率直に同社の戦略について話してくれた。「今、アップトレンドにある中国に比べ、メイド・イン・イタリーは非常に強いストレスを受けている。とは言いながら、当社は売り上げの4割が輸出で、しかも中国が主力になっている。中国の企業の中には、かなり工場としてしっかりしてきたところと、非常にレベルの低いところと両方があるから、それをよく見極める必要があるのではないかというのが当社の考えだ。当社の場合、レベルの低い会社とは取り引きはしない方針だ」。「日本の会社だと、伊藤忠、住金物産、イトキンさんなどがありますねぇ」とスラスラと述べるプレス担当者に向かって、「中国の企業が工場ではなく、アパレルとして成長すれば、その時はれっきとした売り先になってきますよね」と私が言うと、「そう、まさにそうなんだよ。そういう意味では、早くそうならないかな、と思って待っている部分もあるんだ」という見解を示した。日本でも人気のヤーン・メーカー、ロロピアーナ(Lolo Piana)のブースには、CEOのPier Luigi Loro Piana氏もおられたが、コメントして下さったのはヤーンディビジョンマネージングディレクターのLuciano Bandi氏だ。「当社の2007年春イチ押し商品だが、一つは、シルクに特別のアレンジを加えた糸。撚りをかけて、節を作った糸だ。ビンテージのように、少し古めかしい顔に見えるのが面白い。これは『ナチュラル・シルク』と命名している。もう一つは、リネンのグループ。こちらは、スポーティなタイプと、ストーンウォッシュをかけたタイプを仕込んである」と熱弁を奮って下さったので、早速サンプルを見せて頂いたのだが、これが本当になかなかひとひねり効いていていい味なんですよ。こういういい糸を見せて頂くと、イタリアまでわざわざ来たかいがあった、という感じで、旅の疲れもふっとぶようでしたね。話はまだまだ続く。「ボリュームのところでは、麻は、ナチュラルカラーやブルー系が多く、カシミアについては、春夏なので明るめの色を50色ストックサービスしている。当社の場合、アメリカの売り上げシェアが最大、次が日本で、中国はまだ新しいカスタマー、といった感じだ。ご承知かもしれないが、日本に対しては本多染色工業さんと組んで非常に特別な、他にないような対応をさせて頂いている」とのことだった。「ワールドさんですよね」と私が言うと、「そうです。日本は良いものが売れる国だから、非常に期待しているんですよ」と満面の笑顔で答えてくれた。以上、その他、ピッティ・イマジネの事務局さんが配布したニュース・リリースに取り上げられていた話題は、複数の業界紙さんがそのまま記事になさっておられるのでここで同じことを書くのは割愛したいが、一つ一つ細かく見ていくと底力を感じさせてくれるイタリアのヤーン業界と言えども、昨日書いたように、展示会への参加者数が漸減していけば、何らかの手立てを講じる必要が出てくるだろう。フランスのエクスポ・フィルがプルミエール・ヴィジョンと一緒になったように、こちらはミラノ・ウニカとの合同もありかも、ということが頭を掠める。しかし、それでも、トレンド提案力や感性の高さ、国際的に通用する素材としてのブランド力、集客力等において、イタリアやフランスの展示会は、日本のジャパン・クリエーションよりもはるかに優位に立つ。帰る道々考えたのは、繊維大国・中国からあまりにも近すぎる距離にあるわが日本のヤーンメーカー、機屋さん達の進むべき道についてであった。人気blogランキングへ
2006年02月07日
昨日の「マッシモ・デューティ」に関するエントリ中、商品の価格が抜けていた部分がございましたので、付け加えて置きました。麻のワンピースの元値が160スイスフラン(14,720円)、M65タイプのミリタリー調ジャケットが200スイスフラン(18,400円)。「ZARA」より高いとは言え、やはり日本の百貨店ブランドに比べると感性の割には価格は安めです。さて、さくらのヨーロッパ・レポート第2弾。お待たせ致しました。イタリアのヤーン展「ピッティ・フィラッティ(Pitti Filati)」の2007年春夏展の概要です。カメラが行方不明の荷物と一緒にどこかへ行ってしまい、ショックの余り倒れこみそいうだったのだが、日本に帰って主催者であるPitti Immagineのサイトに、何とビデオ映像がアップされていることに気付いたのだ(^^)少なくとも、1年前にはこんなサービスはやっていなかったはずだが、iPod Videoの時代に素早く対応したのであろう。ちょっとBGMのセンスがいただけないのだが、会場内の様子はかなりよくわかるので、ご関心のある方は是非ご覧下さい。ちなみに、ピッティ・フィラッティ以外にも、1月に開かれたメンズ展の「ウォモ」や子供服展の「ビンボ」のVideoもアップされている。日本の合同展も、国際的な展示会と銘打つクラスのものはこれくらいのことには素早く対応しなければならない時代になってきたなぁ、と、非常に強く感じさせられましたね。IT化が決して進んでいないイタリアですら、これだけ必死に取り組んでいるのだから、と、いう気がする。前段の話はさておき、展示会場に行ってみて一番ショックだったのは、昨年同期より1フロアスペースが減少していたことだ。昨年のパンフレットが手元にないのでわからないのだが、恐らく出展者数も減少しているのだろう。まあ、元々ヤーン展は春夏より秋冬の方が主力なのだが、前々からイタリア在住の方などから伺っていた、中国との競合による産地の危機が、一層深刻化してきていることの表れではないかと思った。プレスリリースによると、2005年のイタリアの毛糸(ウール糸)業界は、生産額が26億6,300ユーロ(前年比4。1%減)。2001年の生産額は36億5,100ユーロだったから、9億8,800ユーロも減少していることになる。後述するように、同国のヤーンメーカーは、付加価値の高いヤーンの生産に務めたり、中国に販売の拠点や、あるいは生産の拠点を設けるなどして世界の繊維強国・中国との共生を図る道を探っているが、これ以上数字が落ちると、日本同様、自国内のマザープラント(母工場)なくして商品開発力やブランド力を維持できるのか、という瀬戸際に追い込まれてくるのではないだろうか。高い交通費と時間をかけ、日本からわざわざ出向いて少ない社数の展示会しか見ることが出来ないのならば、プルミエール・ヴィジョンと一緒になったエクスポ・フィルか、もしくは逆に年々盛況になっていると聞く、3月の上海のスピン・エキスポ、こちらに鞍替えしようかと、私自身も真剣に考えてしまうような状況だった。しかし、個々の出展企業のブースの問題は別として、先進国のヤーン展ならではのトレンドコーナー、こちらはやはり充実しておりそれなりの見ごたえがありましたね。今シーズンは、「Casa Maglia(ニットの家)」というテーマが打ち出されていた。Videoを見て頂ければおわかり頂けるように、エスキモーの家、モンゴルの「パオ」のような家、キャンプ場のテント、わらの家、アンディ・ウォーホールの「キャンベル・スープ」を寄せ集めて作ったかのような空き缶だらけの車の家、等々、ニットで編まれた様々な家が林立していた。これは、インテリアとか、ライフスタイルビジネスの分野に世界的に人々の関心が集まってきていることを示唆する展示で、なかなか良かったのではないかと思った。但し、このコンセプトが、個々のブースの中で具体的な提案にはほとんどなっておらず、皆相変わらず衣料品用途の提案に終始していたのが残念であるが・・・。テーマカラーについては、かなり今春夏に近い感じであった。白~ベージュのナチュラル系カラーのグループのボリュームが一番大きい。プラス、空色に近い青からネイビーブルーまで、マリンカラー、青のグループも目立っていた。出展企業のブースでも、マリンをテーマにしているところが複数あった。これも夏の定番と言えば定番だが、今春夏にはない要素なので注目しておきたいところだろう。昨年と比べて、光る糸の割合はぐっと減ったな、という感じである。トレンドコーナーでは、ブークレーなどでこぼこ感がはっきりした派手なタイプの意匠糸も少ないように思った。節のある糸でもその節の大きさは小さく控えめで、あくまでも自然体である。春夏だから、ということもあろうが、紡毛の太い糸は少なく、ミドルゲージからハイゲージの天然繊維が中心。綿、それに、麻のウエイトもかなり高い。それから、シルクカシミア、シルクコットンなど、肌触りが滑らかで非常に気持ちよい糸の数々。編み地やプリント加工についてはアイデアが出尽くしている感が否めないが、薄手のダブルニットを置いてあるブースがあった。また、実用向きではないのかもしれないが、トレンドコーナーに、タイヤの上にラバーを編みこんだ糸やコーディング加工を施した糸を巻きつけたものがあった。Videoにも映っているので(糸はオレンジ色です)是非ご覧頂きたいが、珍しい表面感なのでかなり多くの人が写真に写していましたね。以上、今日はトレンドについて書いてきたが、今年の場合、昨秋から始まったテキスタイル見本市「ミラノ・ウニカ」が早くも来週の14日~17日に迫っている。パリのテキスタイル見本市「プルミエール・ヴィジョン」も、その次の週の21日~24日には開催される。それらの展示会のトレンド・カラーも既に発表されているので、ヤーン展と素材展の間隔が開いていた昔のように、業界全体に対するヤーン展の早期トレンドとしての意味合いは、最早ほとんどなくなってしまった、と言わざるを得ないだろう。ビジターとして主催者に望むことは、カラーだけでなく、ニットならではの編地や後加工のトレンドを、もっと意識的に打ち出して欲しいなあ、ということである。まあ、2次製品のサンプルまで出して欲しい、とは言うつもりはありませんが、少なくとも帽子やマフラーなど小物の制作まで含めて、展示会を見た人に前シーズンとのシルエットやスタイリングの差別化が閃くだけの材料が揃わない展示会ならば、量産用の商談を決まったヤーンメーカーさんとだけしてハイ、サヨナラ、となるか、もっと言うとそういう商談も日本か上海で十分、となってしまうのではないだろうか。長くなってきたので、続きは明日書きます。人気blogランキングへ
2006年02月06日
さくらのヨーロッパ・レポートの第一弾は、スイス発の話題です。宿泊したホテルから歩いて5分とかからない、チューリヒのメイン・ストリート、バーンホフ通りに、先日日本進出を発表したばかりのインディテックス・グループの「マッシモ・デューティ(Massimo Dutti)」を発見したので、1月30日月曜日の午前10時過ぎ(現地時間)に早速行って参りました。このバーンホフ通りは、世界のラグジュアリーブランドが立ち並ぶチューリヒの一等地だが、同店はその中でもチューリヒ中央駅から徒歩10分程、斜め向かいがスイスの著名ブランド「バリー」の店舗という、立地的には最高と呼べる場所にあった。まず、気付いたのは、「マッシモ・デューティ」のVMDの美しさ。ホームページで見た内容から予想していたよりもはるかに綺麗だった。裏を返すと、「あまり売れていない」からかもしれないし、スイスは法令の規制で日曜日は店休日、休み明けの朝一番の来店だったからかもしれないが。壁面の白と、濃いブラウンの什器の色目のコントラスト、恐らくは「ジャズ」をテーマにしているのではないかと思える写真(サキソフォンを持った男性や唄を歌っているシンガーらしき女性の写真等があった)やイラストレーションをレジの後ろや壁面に数多く配置し、「大人向けのお店」であることを強く印象づけている。入り口から手前がメンズ、奥がレディスのコーナーになっており、面積比ではメンズ・レディスは1:2、合計でおよそ750平方メートルくらいはあるのではないかと思ったが、特にレディスのコーナーは、中央の什器の数はかなり少なめで非常にすっきりとしたレイアウトになっていた。十二分な売場面積を確保するためかキッズは置かれていなかった。セールシーズンなので、全品6割引とかなりお買い得である。英語の通じない店員の様子に、「これは商品そのものからしか情報は取れないな」と覚悟し、早速商品の物色を始めた。メンズについては、ジャケットのラインを見た限りでは、アメトラでもブリティッシュ・トラッドでもイタリアン・テイストでもない、無国籍でこれといった強い個性はないMDのように思えた。ドレスとカジュアル、双方を扱っていたが、ドレスのゾーンで特徴的だったのは、カラーコントロールが美しくなされていたこと。それは、売り場のVMDが綺麗だ、という意味だけではなく、お客様が実際に商品を買って着用した際に、色を着こなしのスパイスにしやすいよう考えられている、という意味も含めてのことである。特に、ドレスシャツの品揃えにそのことがよく現れていた。ストライプやチェックのシャツの割合が非常に多かった(店頭では半分くらいか?)のである。カラーシャツ、というのはなかなか着にくいものだが、ストライプやチェックならばコンサバな客層でも手が出しやすいものだ。襟のバリエーションよりも、はっきり言ってとっつきやすい。つまりは、それなりに所得はあるが、ファッション感度は普通程度の層向きのMDを組んでいる、ということであろう。カジュアルのゾーンも、デニムやチノを核にしたコーディネートだが、全体に上品で綺麗目な雰囲気である。しかし、Mサイズでも袖丈は長めなので、身長の低い人には着こなすのは難しいかもしれないと思った。続いてレディス。「ZARA」と比べて、SKU数の少なさ、色やイメージがぐっと絞り込まれていることに驚く。色に関していうと、黒×白にグレー、紺くらいまでを網羅したモノトーン系のグループと、茶、カーキに、差し色のピンクを加えたグループの2括りしかなかった。モノトーン系の方が、デザイン的にはベーシック×フェミニンで、茶、カーキ、ピンクのグループが、ワーク&ミリタリー×フェミニン、と非常にわかりやすい。「ZARA」だと、2005~6年秋冬は、「バレンシアガ」のコピーのようなヴィクトリアンテイストの黒のブラウスやコートなどがかなり仕込んであったが、その種の商品は黒のグループには見当たらなかった。商品1点1点を見ていく。やはり、「マッシモ・デューティ」の魅力は、デザインにあるのだろう。コンテンポラリーで、尖りすぎてはいないが、ディテールはそこそこ凝っていて、パターンも美しく、着るとシルエットは綺麗に出るだろうな、と思えるものが揃っている。縫製も「ZARA」よりは良いように思う。素材も、綿、麻の布帛物は、確かにそこそこのレベルだ。早速何点かをチョイス。まず、綿100%のラウンドネックの黒のTシャツ(ユーロサイズのL)、麻の7分袖、シャツカラーで、ローウエストの位置でスカートが切り替えになっている膝下丈のワンピース(ユーロサイズの42号、元値160スイスフラン=14,720円)。それと、店頭に1点しか商品がなかったのだが、昨春世界的にヒットしたM65タイプのミリタリージャケットのデザインを元にアレンジした綿のジャケット(これはものすごくかっこ良かった。売れたであろうことはよく理解できた。肩章付きで、エルボーパッチとフラップポケットの一部がレザーになっていた。ユーロサイズの42号。元値200スイスフラン=18,400円)。試着室に私が入っても英語のできないショップスタッフは私をほったらかしだ。仕方ないので自分で全て品定めしたのだが・・・。Very Goodなんですよ。どれもこれもサイズが私にはちょうどぴったりなのだ。自分でいうのも何だが、非常に良く似合う。上品で知的で、そこそこトレンディで、そしてほのかに色香のあるデザインが生きていますね。私は身長が169センチ、細身ではなく日本人としてはかなり太めでたくましい体型の方だが、38から42、ものによっては44号まであるというこのブランド、私が着た物より小さいサイズを見た感じにおいても、細い人でも太目の人でも、身長の高い人(もっとはっきり言うと160センチ以上の人)ならばかなりかっこ良く着こなせるのではないかと思います。但し、デザインの多くが縦のラインを強調したもので大きさ自体も大きいので、小柄な人向けではないようだ。結局、元値130スイスフラン(日本円で11,960円)が30スイスフラン(2,760円)になっていた黒のTシャツを買って店外へ出た。約40分間店内に滞留し、私以外の入店客は女性1名のみ、買い上げは私1名だった。MDについて感じた問題点は、小柄な人向けのデザインではない、ということ以外に2つある。1つは、横編みのニット(セーター、カーディガン)の糸の品質が非常に良くないこと。置いてあった型数そのものも少なかったのだが、価格の割に非常にカサカサで粗悪だ。あれではちょっと、売れないのではないんでしょうかねぇ。もう1つは、スイスは寒い国なのに、重衣料、特にコートの品揃えがほとんどなかったこと。今年は暖冬で路上にも雪はなかったが、街を歩く人は皆毛皮やロングコートを着て、帽子や手袋までしている人もかなりいる地域で、これでは戦えないんじゃないだろうか、という感じであった。ネットを検索していると、2004年に「ZARA」が動物愛護団体の抗議で毛皮の使用を取りやめたという記事が引っ掛かった。その関係もあるのだろうか。それにしても、これから北方への進出も増やすのであれば、もっとカシミアやアンゴラ、ウールのコートを仕込んでおく必要があるように思った。ショップスタッフの話だと、スイス国内に「マッシモ・デューティ」は他に2店舗存在するとか。チューヒリ市内にはもちろん「ZARA」の店舗も1店舗あり、同日の夕方6時半頃訪れた時には、非常に賑わいを見せていた。スイスで「マッシモ・デューティ」がどのような評価を受けているかはわからないが、このままのMD、価格で日本に来たとしたら、百貨店アパレルの価格帯との比較ではやはりやや割安、ということにはなると思う。しかし、想定されるターゲットはバナナ世代(1965~70年生まれ)、団塊ジュニア(1971~76年生まれ)と30代になりつつあるポスト団塊ジュニア世代(1977~1980年生まれ)、ということになり、既婚者で仕事を一旦やめてしまった層は百貨店からは足が遠のき、百貨店で洋服を買い続けている層はそれなりのこだわりを持って服を選んでいる人達なので、広告宣伝等でそれなりの仕掛けをしないと、やはりそう簡単に数字を取るのは難しいのではないかという気がする。「マッシモ・デューティ」のレディスは、スカート、ワンピースの品揃えの豊富さが特徴だ。刺繍やプリーツなども多用し、エレガントな雰囲気である。パンツとの重ね履きよりは、ブーツやパンプスと合わせて、長い足のどこか一部分は見せて女らしさを演出した方がバチッと決まる雰囲気である。この商品の匂いだと、特にレディスは、代官山系ファッションとか、ベイクルーズ、トゥモローランド好きの多い世代よりももう1つ上のジェネレーション、バブル期に青春時代を過ごしインポート好きのハナコ世代(1959~1964年生まれ)の方にウケるかもしれない。だが、そうなると、サイズ、特に身長の問題がネックになってくるだろう。むしろ、よりセクシーな方にMDを振れば、109系ファッションになじみのあるポスト団塊ジュニアや、それ以下の世代(1981年以降の生まれ)の方に親和性が出てくるかもしれないね。だが、そのような細かい配慮を行わず、日本をアジアの「ワン・オブ・ゼム」と考え、特別な日本仕様まで行う必要はない、当面はそこそこの数字さえ上げていけば良い、という戦略を、世界のガリバー企業であるインディテックスならば取り得るのだ。同社のサイトには、1月25日にはタイとシンガポールに1号店がオープンした、という記事が出ていた。東南アジア、中国、韓国等において、「マッシモ・デューティ」がそれなりの実績を挙げていけば、日本一国の売り上げなどたかがしれている。北米でのヒスパニック系住民の増加が、芸能界やアートシーンにおいてのヒスパニック系の人材の活躍を生み、ひいては世界的なカルチャー・ムーブメントへの影響力を増している今日、インディテックスの発信するファッションには時代の追い風が間違いなく吹いている。それが受け入れられやすい地域と、そうではない地域が存在するだろう。日本は後者に近いのではないか、というのが私の予想だが、ジャパン社に優秀なスタッフが揃い、本社をも動かすコミュニケーション力を持てば状況は変わるかもしれない。お店は生き物。蓋を開けて見ないと結果はわからないのだ。人気blogランキングへ
2006年02月05日
旅の疲れが抜けないので、今日はお休みとさせて頂きます。コメント、BBS等へのお返事は、明日書かせて頂きます。何卒ご容赦下さいm(__)m
2006年02月04日
ヨーロッパに行く前に、私が尊敬するある業界の大先輩から、「ブログを始めました」というメールを頂いた。そのブログが、こちら。「インパナトーレ~Impanatore Kubozoe~」である。ファッション業界以外の方、そして、ファッション業界で働いておられる方の中でも、「インパナトーレ」という言葉は、まだまだ耳馴染みがないかもしれない。窪添さんご自身がブログの副題にも書いておられるように、これはイタリア語で「使い走り屋」という意味だ。イタリアのファッション業界で、テキスタイルメーカーとデザイナー、あるいは紡績や染工場、あるいはアパレルなどをつなぐ役割を果たしている。いわゆるコンバーターに近い存在だろうが、私の理解だと、単なるB2Bの次元だけではなく、マーケットを意識した商品開発や販路開拓の部分にまで小回りをきかせて踏み込んでいるところに特徴があるのではないかと思っている(もし理解不足の点がございましたら、是非ご指導下さい)。私の記憶する限りにおいては、日本で初めて、公の場で「インパナトーレ」を名乗られたのは、窪添さんだったように思っている。2年前に日本繊維新聞大阪支社のN先輩の書かれた記事を読み、大いに共感するところがあった私は、すぐに上司の了解を取った上で窪添さんにうちの会社の勉強会の講師をお願いしたのであった。関西方面の方はよくご存知だろうが、窪添さんは大手アパレルの海外支社長や役員等をご経験された方で、国内外に非常に幅広い人脈を持っておられる。特に、韓国を中心に、アジアの若手経営者との親交は深く、意欲溢れる工場の経営者数名を大阪に招いた展示会も何度か開催され、アパレルや企画会社、専門店等からの引き合いを多数得ておられる。また、ここでは書けないことだが、有力企業のコンサルティングも多数手掛けておられるのだ。業界紙を賑わすような素晴らしい成功事例のアレやコレやの影のブレーンとしても大活躍なさっておられる。素材メーカーから専門店に至るまで、繊維ファッション業界、そして服飾雑貨業界のあらゆる段階に精通しておられる、日本では数少ない、本物のプロ、のお一人でしょう。そんな窪添さんが、ブログを始められた・・・。その事実に、私は非常に感銘を受けたのだ。既に社会的地位も高く、こう申し上げるのは失礼かもしれないが、過去の栄光が素晴らしい方ほど、ある年齢を過ぎると新たなチャレンジが立場上難しくなってこられる、という面があると思う。しかし、窪添さんは、今なお、チャレンジャー、リスクテイカーのお気持ちを強く持ち、実際に行動を起こしておられるのだ。だからコンサル先に適切なアドバイスをしてさしあげられるのだな、と思いました。いつもこのブログで書いていることだが、ただ知っているということと、実際にやっておられるというのでは、100倍くらいレベルは違うのではないか、というのが、私の実感なので。私のようなものが申し上げるのはおこがましい話なのだが、実は窪添さんは、ネットやモバイル等にもかなり明るい方だ。だが、2~3か月先には、もっともっと先を走っておられると思います。そして、ウェブ上に、「インパナトーレ」という語と、「窪添道朗」という名が、溢れ返っていることであろう。もう一つ披露したいことがある。今日、この場でブログをご紹介させて頂く由、お電話をかけてご了解を得た際、窪添さんは、「今書いているような、日本ランズエンドさんの話題とか、IYGの藤巻さんの話題のような現在のトピックスも取り上げていく一方で、『逆さ日本史』ではないが、過去の日本ファッション史についても書いていきたい」ということをおっしゃっておられた。これは、非常に鋭い視点である。そして、窪添さんのような、業界経験の長い方にしかできない素晴らしいお仕事である。皆様ご承知の通り、インターネット上には過去ログが残っていく。テキストを削除したとしても、cashは必ず残るのだ。しかし、それは、基本的には1995年辺り以降からの話で、それ以前の日本ファッション史については、誰かが意識して書き込むことをしなければ、アーカイブは残らない、ということになる。私や、他の若い人達が毎日毎日書いているファッションについての星屑のようなエントリは、積もり積もって星雲となり、やがては日本ファッション史の貴重な記録として、後世ファッションについて調べようとした人達が検索エンジンにキーワードを入力した際に目の前に現れてくるのだ。その星雲を、過去の世界にまで広げ、戦後ファッション史の貴重な記録が積み上げられていけば、そこから得られるビジネスと人生へのヒントは、より深く大きなものになっていくだろう。そして、日本のファッション業界が輝いていた時代の夢。そこで懸命に汗を流していた方々の思い。本当にこれから読ませて頂くのが楽しみである。窪添さんのブログのこれからのご発展を祈念し、リンク&トラックバックさせて頂きました。数日前から私の「お気に入りリンク集」にも加えさせて頂いておりますので、皆様是非ご高覧下さいませm(__)m人気blogランキングへ
2006年02月03日
皆さん、さくらでーす。今、成田エクスプレスの中です。午後七時過ぎには両国に着けると思います。今回の旅行では、いろいろとトラブルがあり、皆さんに多大なご心配をおかけ致しました。申し訳ございませんでした。そして、皆さんが一生懸命働いておられる時に休ませて頂き本当にありがとうございました。今夜はこれから授業。溜った仕事も急いで片付けなければならないのですが、イタリアやスイスでいろいろ感じたことも多いのでなるべく早く所感をこのブログにアップしたいと思います。
2006年02月02日
行方不明になっていた荷物も無事フィレンツエの空港に届いていた。ほっといたしました。これで日本に安心して帰れます。展示会の写真が全く撮れなかったのが残念だったが切迫感がみなぎっていたせいかブロークンな英語がいつになくものすごいスピードで口をついて出たのだ。やはり語学の習得には実践にしくものはなし、なんて言ってる場合じゃない、反省点が多すぎる今回の旅でした。無事両国に着くまで油断せずに帰りますね。
2006年02月01日
I have just looked around Pitti Filati. This 2007 s/s season, the trend theme is natural. Some companies are very delighted to know Japanese economy is increasing and present high quality yarns.I will write more details when I go back to Japan. Thus, I am going to the airport, and seek my lost luggage.Do not worry about my troubles,some of my friends and net-friends. I am very happy and healthy. Maybe I will see you again tommorow evening at Ryogoku.
2006年02月01日
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