狂躁的非日常と日常

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2010年05月04日
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カテゴリ: Book!!Movie!!Music!!!
なんかGW全部天気がもったってなんかすごいですねぇ。
明日からの天気はどうなるんだろ…。関西出張なのに…。また雨か…。雨なのか?

さて、1日お休みして5月1日のSFセミナー2コマ目「柴野拓美:日本SFの転換点」です。

出演は長山靖生、牧眞司の両名です(敬称略)

すいません、柴野さんが今年の1月にお亡くなりになられていたとは存じ上げなくて。世情にうといなー。10月に追悼イベントを行うそうです。

私にとっての柴野さんというとやっぱり『宇宙塵』を主宰されていた日本SF界の2大巨頭だったというくらいしかわかんないです。(もう一人は当然、福島正実)昔々国立国会図書館に出入りしていた(普通に閲覧ね)ころに『宇宙塵』はチェックしていて、半村良が63年の1月号で同人になっていたり、筒井君へ手紙を出していたり、赤坂プリンスでの結婚披露宴の様子が出ていたりした超一級品の資料的価値をもつ同人雑誌という認識です。

作品がどうのこうのより(失礼)参加同人紹介を見ているだけでたのしい。いつだか『宇宙塵』のバクナンバーがまとまってオークションに出た時は落としたかったなー。さすがに私の財力じゃ無理だったけど。

さてさて、講座内容ですが…。



柴野さんが歴史に名前が出てくるのは『宇宙塵』の前に「空飛ぶ円盤研究会」が最初のスタート。一九五〇年代の空飛ぶ円盤って日本にとってどうだった?アメリカではわりとうさんくさい。日本では三島由紀夫が参加したりしていました。航空機開発などができないお国事情もあったのかな?そのときに星製薬をつぶすために社長になっていた星新一とあったらしい。



空想とかファンタスティック的なことにも許容度があったかなと。

SFという概念自体がまだ入っていないところでああいうものを受け入れるのはすごいことだと思う。星新一的には日常からの脱却があったけど、柴野さんはそうでもない。専門の機械工学からの流れとしてのSF認識だったと思われる。


日本SFの第一世代は戦争の影響がどうしてもある。

柴野さんのお父さんは職業軍人(佐官クラス)高校が金沢の第四高校。
戦後の軍人留守家族のコンプレックスはあったらしい。

けど、職業軍人の家庭の関係か、戦争に関してはわりとシビア。
戦時中に英語をやりだした。「日本が勝っても負けても英語はいるからね」とおっしゃっていたそうです。四高の空気がよかったのか?

柴野さんも挫折も屈折もあったと思われる。戦後の俗流ヒューマニズムに対しての嫌悪感がある。
戦後文学の思想性に対しての警戒感があったと思われる。→このあたりが職業軍人家族としての屈折か?

柴野さん円盤研究会の前に同人に入っていた。
議論中に「けど、これって商業的な価値がないですよね」といって怒られた。→宇宙塵はそんなのとは違うように「どろどろにならないように」やりたいと思ったらしい。



福島さんは文学畑の方なのでどろどろ好きな商業誌の編集長。けど仲が悪い。柴野さんは相手が中学生でも対等に扱ってくれる。けど、自分が偉いことを気がつかなかったので影響力を考えないで発言しちゃう。


柴野さんは戦前の科学小説の方とのつながりはあったけど、影響はそんなにない。海外SFの輸入文化を重視していた。そこらへんは福島さんと一緒。

戦前の科学小説と当時のSFとのつながりはほとんどなかったと言っていい。冒険小説のちょっと科学寄りくらいの影響。海野さんはリアルタイムでSFを取り入れてたけどSFマインドは伝わっていなかった。

小松さんはSFマガジンが出るまでSFというのを知らなかった。

福島さんの文学人脈(阿部公房、新田次郎などなど)と柴野さんの文学人脈(三島由紀夫など)は微妙にクロスするようでしていない。



とっても楽しいお話が聞けてよかったです。
なんというか、伝聞で聞いていた人となりが補強されつつしのばれます。
ご冥福をお祈りいたします。





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最終更新日  2010年05月05日 09時24分04秒
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