全6件 (6件中 1-6件目)
1
全身にぐっしょりと汗をかいて目が覚めた。ようやく峠を越えたようだった。長い間 靄のかかっていた頭の中がいくらかすっきりと晴れていてそれとわかった。峠を越える少し前私は深い眠りの海で夢をみていた。夢の中で私は大勢の子供たちに囲まれた人に恋をしていた。その恋は、とてもわかりにくい恋で遠まわりな恋で、到底 報われない恋だった。子供たちは割合急な下り坂を走り降りていて私も子供たちに習って、教わった通りに走ってみたりした。足をもつらせて転ぶのがオチと覚悟して走り出した私だったが意外と最後まで走れ、走り通せたことが少し嬉しかった。リズムの取り方が特別な練習法だったのだけれどそのコツを今では思いだせない。もうこれが最後という別れの部屋の壁にはその人の蔵書がずらりと並んでいた。背表紙には難しい漢字や語句が並んでいてパッと見ても何の本かもすぐにはわからない。私の知ってる一番大きな図鑑よりも大きくて分厚い本もたくさんあった。そのどれもが私には愛しく思えた。私の知らない世界。私の知ってるその人の中の まだ知らない部分。その人はその蔵書を引っ越す先に持っていくことが出来ないのだと私に告げた。「たぶんほとんどここに置いていくことになると思います」あなたさえよければ、とその人は言った。「あなたさえよければ、好きな本をさしあげます」その言葉を人はどう受け取るか知らないがその言葉は私にとって限りなく細い、切れそうに細い、けれど確かな糸だった。人には、そこにあるともわからないくらいの消えそうな、目にすることも叶わないような弱いつながりでも私にとっては永遠にも思えるような喜びに満ちた糸だった。私はもちろん、置いていかれる本を全て受け取ることにした。一冊も残したくなかった。全部。全部いただきます。私は泣いた。その人の前で、泣けるだけ泣いた。その人は私を、泣けるだけ泣かしたままにした。たぶん、私の泣いている意味を、知っていた。だからそのまま放っておいてくれた。別れは悲しかったが、別れの言葉が私には愛の告白にも値する、たった一つの言葉だった。たった一つだけ、最後に贈られた、大切な。私はいつか紐解くだろう。一つ一つの本の、1ページ1ページを。丁寧に指で辿っていくだろう。すぐには理解できずに時間がかかるだろう。そして理解できるまでにかかる途方もない時間そのものをヨロコブだろう。その人の中に流れる何かを辿れるその時間を。そして、そうして、千にひとつもないいや万にひとつもない「いつか」をどこかで願いながらそして、どうしようもなく諦めながらその世界に身を沈めて過ごすだろう。夢はそこで終わらない。場面が突然変わり(夢はいつもそうだ)私は広い敷地を持つ施設に遊びに行き少し雨に降られ、人に助けられ、少し打算的な助けも受けそうこうしてるうちに宿泊施設で金品を盗まれ途方に暮れながら(でも意外と冷静に)警察に連絡をする。最初の温泉施設の場面では(かなり変わった温泉だった)確かにトド氏が一緒にいてくれたのだが雨に降られたあたりからはなぜか一人旅になっていた。一人ぼっちで、カップルや家族連れで賑わう大型施設をいく女。変な図だ。とにかく峠は越えた。変な夢もみたがいい夢もみた。うっとりとしながら汗で濡れた服を全部着替えた。すっきりする。朦朧としながら仕事をしていた月曜日。本当にキツかった。あまりにもキツかったので、わざとさらに仕事に邁進した。いつもどおりに仕事を寄越すトド氏を恨みながら終業時刻を向えたら、トド氏が夜は外食にしてくれた。ありがたくたらふく食って、帰ってすぐに寝た。いくらでも寝れた。死んだように寝た。そして復活。本当にキツい4日間でした。
2012.03.26
コメント(8)
金曜日、お義父さんの誕生日にトド氏の実家に行ったあたりから怪しいなぁとは思ってたんですが土曜の夜から本格的に風邪を引いてしまいました。最初は鼻がツンとするし鼻水が流れるし目頭からも涙がツツツーと出てくるしトド氏には「花粉症へようこそ」と嫌味を言われていました。頭もボーっとするし、寒気がするし花粉症の入り口にしてはひどいじゃないの。絶対風邪よ風邪。ちょっとは労わりなさいよっと思っていましたら、夜になって発熱。完全にダウンして、臥せっているとかわいい看護師さんたちが入れ替わり立ち代わりやってくる。「おっかぁ、あったかいタオルよ」「おっかぁ、何か飲む? 梅干は?」顔の上にはティッシュの花びらをひらひらさせてうんうん唸っているおっかぁの枕元は次第に賑やかになってくる。でも待って。静かに寝かせて。お願いだから。トド氏は水餃子鍋を作ってくれてあったかいお野菜とスープが体に沁みわたりました。でもその頃からすでにものの味がほとんどしなくなっていました。あまりにも鼻水と涙がひどいので夜みんなと寝るときだけ、トド氏の鼻炎の薬をもらって飲みました。喉が渇くのは覚悟して飲んで寝ましたらいつも飲まない分、きっちり効果が表れ、涙と鼻水はピタリ。その代わり、喉の渇きで2,3時間おきにお茶を飲みに起きましたが。今朝も頭がボーっとしていて起きてるとキツいので、ゴロゴロゴロゴロしていましたがハッと気づく。明日は給料日。慌てて上着を引っ掛けて下に降り、給与計算のセットを持って上がり娘がお昼ご飯に野菜スープを作ってくれてる横でちまちまちまちまと計算してました。終わってホッ。。。トド氏と息子は二人でラウンド1に遊びに行ったようです。いいなぁ元気で何より。ビールも飲めなくてつまらない週末です。仕方なく娘と二人で早いお風呂に入りました。髪の毛も体も少しスッキリしたのでよかった。体がキツいと大好きな本も読めません。本を読むのって、意外と気力がいるのね。明日は月曜だけど、仕事どうするの?と娘。降りて働きますよもちろん、と私。ハーハーゼーゼー言いながらダースベーダーみたいに?と笑う娘。そうそう。少しずつ少しずついつもを取り戻していきましょう。はぁそれにしてもツンとくるこの目元鼻の付け根の痛み。いやだなぁ。早く元気になりたいです。今度の日曜日、ハーフマラソンを走るなんて、信じられない私です。
2012.03.25
コメント(5)
トド氏と息子は釣り三昧。娘は友達と出かけたので思いがけず一人の時間が降ってわいたのでバッグ一つ抱えて日帰りで鹿児島へひとっ飛び。手土産も持たず手ぶらで行きツンちゃん(入院中)の話を聞く。機関銃のようにしゃべり続けるツンちゃん。2時間くらい一人でしゃべってた。溜まってたのか、と見回すと周りは80代後半のおばあちゃんばかり。「あたしが一番若いねん♪」さいですか。でもその80代後半のおばあちゃんの中に携帯を自由自在に操る人を発見。「ツンちゃん・・・負けたな(笑)」「あらホンマや(笑)」他に特に用事もないのでツンちゃんちに寄って仏壇に線香をあげ大学時代に集めかけてた文学全集を6,7冊とボブグリーンの「17歳」をお土産に持って帰る。早めに駅に着いたので、ぐるめ横丁で「だれやめセット」をお昼ごはん代わりに。枝豆・ほたるいかの沖漬け・冷奴・きびなごの天ぷらとミニざるそばと生ビール(小)で1050円。家に帰ってくると、それぞれに休日を楽しんだ家族がもうそろっていて、それぞれに報告を。釣り人二人は相変わらずのボウズ。娘は友達に無理矢理乗せられたジェットコースターでブルー。私も駅からの帰り道、重い荷物持って歩いたので疲れ果て皆で早々に寝ました。とりあえず ツンちゃん、元気で何より。
2012.03.20
コメント(6)
ちょっと強い風が吹いたくらいで頼りなくふらついて縮こまってしまう。どんな小さなことも大事にするからどうぞ大きな波がざぶんと来たりしないでください。あたたかい 春を待つ 気持ちです。
2012.03.13
コメント(2)
世の中が見えることだけで出来てると思ってると大間違いですが見えないことは見えないので大間違いも気づきにくいものです。疲れたり苛立ったり途方に暮れたりしていてもそれは心の中だけのことで見えない体の内側のことだけで見えなければ他の人にはないのと同じようなもので大間違いがいろいろと起こったりしてしまいます。でもその大間違いも見えないのだから起こったこともわからず誤解は誤解を生んだりして、困ったものです。身体は色々なサインを出してくれますがそのサインは何のサイン、とわかっている人もいればわかってない人もいたりしていちいち説明するのも面倒だったり説明しても解りにくかったり説明しても信じてもらえなそうだったりするともういいや、なんて投げやりになったりなんかして、人と人とは一筋縄ではいかないものです。身体から出る色々なサインをわかってもらえていてもだからどうしてくれるのかというとそうでもなくてみな自分のことで手一杯なわけですから自分のことは自分で、というのが一番シンプルでわかりやすくとりあえず自分のことは自分でしようというのが我が家のモットーです。でもやっぱり家族ですからほんの少しでも隙間があったら何とかしてやりたい何とかしてやろうとして結局みんないっぱいいっぱいになって日々疲れる毎日を送っています。自分の、ピンと張った、余裕のない糸に少しゆとりを持たせたくて大笑い出来る録画ドラマなんかを活用するのが最近の我が家のやり方です。みんな、いろいろあって、そんな時間を日々求めているので結構争奪戦的ですがその日その日で、一番ゆとりのなさそうな人をみなが何気に感じ取って、その人優先で、なんとなくテレビ画面を譲っています。そして今日は、それが私でございました。溜まりに溜まった「最後から二番目の恋」をまとめ見て、少しスッキリした次第でございます。トド氏は練習不足を解消しようと一人で張り切って走りに出かけたのに小1時間もせぬうちに足を傷めて帰ってきました。本番まで絶対安静の予定です。でも、本当のところ本当に不安で痛い、どうしようもないモヤモヤとした部分は何も解消されていないのが現実でございます。数時間だけ、そこから目を逸らしていられる時間を作っただけというのが、今夜のこの時間なのだということは重々承知の介なのでございました。
2012.03.12
コメント(0)
逃げる2月が終わったと思ったら、3月も早い早い。いやに早いが、そういえば3月は去る、だったと思い出す。温かくなってきたからか(そうは思えない日も多いが)人がわらわらと蠢き這い出してきたようでとても忙しい日々に突入しております。正直、息つくヒマもないがトド氏も私もため息だけは多くなる(忙しいのはいいことなのだけど)話しかけられても手は止められないので「返事はしないけどちゃんと聞いてるからね」と言いながら黙々と作業を続ける毎日。同時進行で複数の仕事をこなしてると時々自分の位置がフッとわからなくなることあり。ひな祭りは、相変わらずお雛様は出さなかったけど例年通りに海鮮ちらし寿司を作った。上手くできたので嬉しくなり、お義母さんに届ける。お義母さんも例年通り桃の花入りの花篭をプレゼントしてくれた。桜島のマラソンで火がついてやっとモチベーションが上がってきたので下がらないうちに、と地道に走ってます。エイプリルフールにハーフを走るので。追加で、4月半ばにもう一つハーフの大会にエントリーしました。大会を入れとかないと、すぐに自分に甘くなる二人なので。忙しい中ではストレスも増える。しばらく落ち着いていた唇・皮膚が久しぶりにじわじわと反応してきたのでこまめにワセリンを塗ってしのぐ。あんまりひどいときは非常用の飲み薬があるので安心。でも出来るだけ飲まないように過ごしています。だいぶ、ストレスを上手く流すことができるようになってきたと思う。その分、ズーッと出続けていた症状がいったん落ち着いて本当にひどいストレスがかかったときだけピンポイントで出るようになりメリハリがあるので(?)すごくわかりやすくなった。あぁさっきのアレでコレが出たんだな、と。非常用の塗り薬はほとんど使わなくなっている。息子の卒業式も秒読み段階。卒業式の後、余韻に浸るヒマもなく午後から娘の保護者会。でも夜にはお義父さん・お義母さんも呼んで食事会の予定で楽しみ。初めてのお店だけど、どうだろう。またご報告します。
2012.03.08
コメント(4)
全6件 (6件中 1-6件目)
1