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2015年08月18日
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          第 二 回 目








  余談ですが、私は悦子の「顔」に惚れ込んだわけでは、決してありません。結婚後、九歳近く年の離れた二人の結

婚がよほど不自然に感じたのでしょう、殆ど、全員が「美人の悦子に、ぞっこん惚れ込んだ私が、猛烈にアタックし

た」と思い込んでいたような節が、どうも見受けられました。しかし、それはとんだ誤解でして、真相は、「摩訶、不

思議!」、全く逆だったのですから。では、何故、悦子は「良くも知らない」私ごときに、「急激にチャーム」された

のか…? それは、恐らく悦子自身にも解らない、神のみぞ知る、事柄だったのではありますまいか、多分…。








 It was many and many a year ago


      In a kingdom by the sea,


 That a maiden there lived whom you may know





 And this maiden she lived with no other thought


        Than to love and be loved by me.





 I was a child and she was a child,


         In this kingdom by the sea:


 But we loved with a love that was more than love-


          I and my Annabel Lee;


 With a love that the winged seraphs of heaven


          Coveted her and me.





 エドガー・アラン・ポーの有名な「アナベル・リー」と言う美しい詩の出だしの部分です。拙い訳ですが、参考のた

めに日本語に翻訳して見ましょうか。





  昔、昔の、その昔   海のほとりに ひとつの王国が あったとさ、 あったとさ。











乙女は、私を愛し、私から愛されること以外、何も考えもせずに、生活していたので ありました。





 私はほんの子供でしたし、乙女もまた、子供でありました、この海辺の王国にあっては…。しかし、二人は恋愛





以上の純粋な愛情で結ばれていたのでした。それが理由でした、私と、アナベル・リーにとって―





天上に住む、翼を持った天使達が、私たち二人に、その愛以上の愛で結ばれた私と、アナベル・リーに激しく嫉





妬の炎(ほむら)を燃やしたのは…。










として挟んで置きたいと思うのです。ついでながら申し添えておきますと、あの名画「ローマの休日」で有名なオード

リー・ヘップパーンの顔写真を見るたびごとに、悦子の顔を連想していた、つまり悦子に生き写しだ、と感じていた当

時の私でしたよ。さらに、付け加えれば、日活の美人女優の梶 芽衣子にそっくりだと形容する人々が大勢いたのでし

た、嘘ではありません。





いのちふたつの なかに生きたる 桜かな(芭蕉)





 山路来て 何やらゆかし すみれ草(芭蕉)





 寂しさに たへたる人の またもあれな 庵並べむ 冬の山里(西行)





俳聖の名句を拝借して、私どもの仲を表現すると、上の如きものになるのであります。これまでの人生行路は決して

平坦でも、無風でもなかった。互が、互いに「すみれ草」の爽やかな安らぎを、一服の清涼剤を見出していた。西行法

師の絶唱に言う「寂しさに、耐えてきた」同士の、稀に見る、不思議な邂逅…。








                  「 運 命 峠 」





  遠く望めば  萌え立つ 緑     たたなわる山  峰 また 峰





      ここは 峠  風は 今日も 明日を語り





          過去たちは  尽きせぬ 青春の 光の中に 踊る…





              Live with me, forever;





              And be my love, forever.





  男の 運命(さだめ)を 賭ける 時    一途に 真実(まこと) 傾けて





                 たぎる血潮と  熱情に





                 いのち 揺さぶり   生きるのみ








  見ぬ 父を 恋い   母親 慕う      友と 別れて  涙と 会う





      運命の 峠    月は やがて  西に 沈み





          星たちは  静かに  惜別の 宴のために 光る…








                 Bye my love, so long;





                 And see you again, see you.





   女の魂(こころ)を 火と 燃やせ    優しさ 献げ 尽くしては





                 いのちの 泉   汲み上げて





                  大輪(たいりん)の夢  花 咲かす





 これは私が1993年(平成5年)にプロデュースしたフジテレビの三時間特別番組『運命峠』の 幻の主題歌 の

歌詞なのですが、作詞も勿論わたし・古屋が物したもの。主演の松平 健さんに歌って戴く予定でしたが、事情でレー

コードの吹き込み直前で中断した、残念な思い出があります。残念といえば、この特番が本放送の途中で皇室の特番が

急遽入ったために、中断された。フジテレビの大プロデューサーの能村庸一氏が 断腸の思い と形容されて、その番

組担当責任者としての無念さを表明された、思い出なども蘇って参りますね。












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最終更新日  2015年08月18日 08時52分26秒
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