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2017年11月23日
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         第 二百六十二 回 目


 歌謡曲「 思い出さん 今日は 」

  目隠しした手を 優しくつねり  あたしの名前を 読んだのね  雨のベンチで濡れている

 思い出さん 今日は(今日は)  たまんないのよ 恋しくて  あの指あの手 あの声が  /

 笑ってごらんと 肩抱きよせて  涙を拭って くれたのね  雨の舗道で 泣いている

  思い出さん 今日は(今日は)  こちらお向きよ 逃げないで  お話しましょ いつまでも  /

 誰かの真似して 小石を投げた  ポチャンと淋しい 音がした  雨の小川にゆれている

  思いでさん 今日は(今日は)  つまんないのよ 何もかも  あの日は遠い 夢だもの




 忠治「赤城の山も今宵限り、生まれ故郷の国定村や、縄張りを捨て、可愛い乾分(こぶん)の手前(てめえ)たちと

 も、別れ別れになる首途(かどで)だ。」

 定八「そう言や何だか寂しい気がしやすぜ。」

 巌鉄「ああ、雁が鳴いて南の空へ飛んで行かあ。」

 忠治「月も西山へ傾くようだ。」

 定八「俺ぁ明日はどっちへ行こう?」

 忠治「心の向くまま、足のむくまま、あても果てしもねえ旅へ立つのだ。」

 定八・巌鉄「親分!」、笛の音が聞こえて

 定八「ああ、円蔵兄ィが……。」

 忠治「あいつもやっぱり、故郷の空が恋しいんだろう (刃を抜いて、月光にかざし) 加賀の国の住人、小松

 五郎義兼が鍛えた業物(わざもの)、万年溜の雪水に浄めて、俺にゃ生涯手前という強い味方があったのだ。」




 軒下三寸 借り受けまして 申し上げます おっ母さん たった一言忠太郎と 呼んでくだせぇ

   呼んでくだせぇ 頼みやす


   セリフ 「 おかみさん 今何とか言いなすったね  親子の名乗りがしたかったら

        堅気の姿で尋ねてこいと 言いなすったが 笑わしちゃいけねえぜ 

        親にはぐれた子雀が ぐれたを叱るは無理な話よ 愚痴じゃねぇ 未練じゃねぇ



      悴と呼んでもらえぬような こんなやくざに 誰がしたんでぇ 」


 世間の噂が 気になるならば こんなやくざを なぜ生んだ  つれのうござんす おっ母さん

  月も雲間で 月も雲間で もらい泣き


   続きのセリフ 「 何を言ってやんでぇ 何が今更、忠太郎だ 何が悴でぇ

            俺にはおっ母はいねぇんでぇ おっ母さんは 俺の心の底に居るんだ

        上と下の瞼を合わせりゃ 逢わねぇ昔の やさしいおっ母の面影が浮かんでくらぁ

         逢いたくなったら 逢いたくなったら 俺ぁ瞼をつむるんだ 」

  逢わなきゃよかった 泣かずにすんだ これが浮世というものか  水熊横丁は 遠灯り

  縞の合羽に 縞の合羽に 雪が散る


         「 おっ母さん 」







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最終更新日  2017年11月26日 06時12分17秒
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