草加の爺の親世代へ対するボヤキ

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2020年06月18日
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悦子の事を書こうと思っています。今の私には、彼女の事を書くより他に、切実な事はないからなのです

が、それと同時に、自己との対話の仕方もないと、感じるからです。

 題して、えつこ曼荼羅つれづれ草 とでも称そうかと、今の所は考えていますが、このタイトルで何処

まで、筆が伸びるか、兎に角トライしてみましょう。

 曼荼羅とは、仏の悟った境地を絵図に表現したもので、金剛界曼荼羅と胎蔵界曼荼羅とが対になったも

のを言います。密教の奥義を示すもので、中心には大日如来が据えられています。

 私が曼荼羅の名称に拘ったのは、私の救いの中心には愛妻の悦子が莞爾として微笑みかけてくれてい

るからに過ぎず、それ以上の意味はありません。

 今、私の救いと書きましたが、悦子は何処からともなく私の前に姿を現し、混迷の中に喘いでいた私を



 本音を申せば、肉体は消滅しても、霊魂は厳然として 存在 し続けているのですから、本当は消滅な

どしているわけもなく、その真の存在はこの世での生を終えた今、益々、輝きを強めている。救済の度を

強めている。現に、私はその有難い愛情の光をこの身に受けているから、誇張などではなく、如実に感得

しているごく普通にリアルな事実なのであります。

 この事を、この事実を素直に信じて、受け取ってくれるのは、悦子の残してくれた二人の息子達だけで

しょうか。それもその筈で、悦子の生前から私たち夫婦が体験した不思議体験の話を、数多く聞かされて

いるし、それ以前に悦子の生まれた土地柄からくる霊感体質の血筋を、直接受け継いでいるのですから、

通常は異常と感じる場合でも、私と悦子との場合では、当然の事とごく自然に受け取る習慣の様なものが

おのずからに出来上がっているからでしょう。

 悦子に出会う前の私が、霊感とか、不思議現象の類とはまるで無縁だったことからも分かるように、こ

うした謂わば迷信に近い現象を頭から信用しない、ごくごく常識的な生まれであり、育ちだったことから



 それが、実地の日常生活で、薄紙を剥ぐように、次第に、気づかない内に、気づいてみたら、ワンダー

ランドの内部深くに導かれていた。実に、普通から異常への転換は、目に見えるどころか、自然過ぎるく

らいにスムースだった。これも、振り返ってみれば、不思議な事の一つに数えられるだろうか。

 とにかく、悦子という女性は、一種アブノーマルな存在としてあった、最初の、最初から。そんな風に

言ってみるしか私には、その間の 不思議 を説明する術を持たない。



その一見して平凡な女性が、気がついてみれば、驚くような吃驚仰天を易易と実現さてしまっていた。

 これが私の誇るベターハーフ、悦子なのです。今、ワンダーランドと書いてから気づいたのだが、私の

幼少期に私は原始人として、輝くような不思議世界の住人であった。毎日がめくるめくような素晴らしい

奇跡が事もなく継起し続ける、文字通りのワンダーランド。

 私も、どこから来て、どこへ向かうのか。そんな面倒な考えなど少しも頭に浮かばない、ごく当たり前

に素晴らしい、わくわくする時間が、次から次へと私の前に展開する。そんな、まるで夢の中の出来事を

実地に体験している。それで、何の不思議もなく、周囲の自然と一体となって、生きていられた。

 そう、まさに理想的な夢の中の世界。所が、突然にその「魔法」が解けた。どうしてなのか、少年の私

には解らなかった。「健全な大人たちの構築した、健全で、申し分のない常識の世界」が私の、原始少年

のフィクションの様な夢を破ったことだけは、確かだったが。

 失った楽園は二度と再び帰っては来ない。そうした絶望は長く続き、私は絶望の淵に突き落とされた。

 その私が三十歳近くになった時、全く突然に女神が姿を現した。その瞬間から、私は、元の原始人とし

ての再生の道を歩み始めていたのだ。後にして思えば、である。

 蚊の鳴くようなか細い声で、女神は呟いた、あなたが好きなのです、と。それで、私は、まるで魔法で

も掛けられたように、ふっと、我に還ったのだが、それは一種マジックの呪文の如き作用をなしたのであ

る。掛けられた私は、それと気づかずに、素直に女神の呪文に反応した ―― そうだったのか、それな

ら「一緒に暮らそう」、心の中で、即座にそう答えていた。考えてみれば、実に不思議だ、これは。

 こうした経緯から見ると、私の悦子との出会いは前世からの約束事であった。二人を結ぶ紅い糸の絆は

太く堅固であった。

 永劫回帰とは確かフリードリッヒ・ニーチェの言葉だったと記憶するが、私と悦子の運命の出会いは必

然的に永劫回帰する定めにあるので、健忘症の私が容易く 運命の出会い を永劫の時間の経過の中で

忘れてしまうのに対して、愛情に忠実で無垢な 女神の悦子 の方は、ひたすら脇目も振らずに私との出

会いだけを目指して永劫の時間の中を、経巡っている……。

 そんな風に考える時に、あの不思議な最初(?)の出会いの、何とも形容しがたい或る感触と、私の側の

ちょっとした「違和感」の謎を容易く了解する事が可能なのである。

 それだけではない。その瞬間に至るまでの様々、色々の不思議の連続を解明する鍵も、二人の結合の永

劫回帰を導入しなければ、説明不可能なのだ、断じて。

 そもそも、この世には偶然などという現象はただのひとつもない。偶然と人の目に見えるものも、すべ

て必然が必然を呼び込んで新たなる必然を構成しているのに、過ぎないのだ。

 ただそれが、人の目には単なる偶発事だと映るだけで。我々はこの世にほんの僅かな時間しか留まる事

を許されていない。だから、どうしても長い歴史の産物である必然の道筋を正確に辿る事など、及びも付

かない。で、出来る事と言えば、短期的な印象判断という仕儀になってしまう、どうしても。

 この世の移り変わりを正しく俯瞰するには、どうしても神仏の息の長い視点が、根気強く連鎖の複雑な

発展と変化とを見極める厳正な観察力が、必要とされるのだ。

 人間は短命であるが故に、不正確で、断片的な判断とも言えない判断力を行使するしか、能のない悲し

い存在だと、きっちりと認識しておこう。そして、己の能力を超えた越権行為に走らないように、心した

いものだ。但し、神仏から与えられている、ある種の直感力によって、神仏の神通力には及ばないながら

も、正確で誤差のない、洞察力を発揮する事が、時にある場合が希にではあるが、有ることは有る。

 悦子はこの直感的な洞察力に勝れていた、私と違って。洞察力は修練によって磨かれるというよりは、

生まれながらにして身に備えている性質のものであろうから、彼女を私の女神と呼び、神仏の申し子だと

断じても、そんなに問題はないのではないかと、私などは考えるのである。

 余談であるが、昨夜の夢にこんな一齣を垣間見た。つまり、妻の悦子が夫の私を嫌っていて、それを知

った私が悔し紛れに悪態をつき、悪し様に彼女を罵る、と言った、現実の世界ではあり得なかったシーン

なのだ。夢から覚めた私は、驚き慌てていた。何て不吉で嫌な夢を見てしまったのか、と。

 慌てながらしばし考えた。どうしてあんな夢を見てしまったのか…。そうか、二人の中を羨ましく思い

やっかんだ悪魔の類が、嫌がらせの悪さをしたのだ。このブログなどで、私があまりにも手放しで真実を

放言し、やに下がっていると、下衆根性丸出しの魔界の住人が妬(ねた)むやら嫉(そね)むやら、したのに

相違ない。でも、考えてみれば、妬まれても嫉妬されても仕方がないのである。それだけの無上の果報を

受けてしまっているのだから。

 しかし、何度も言うように、この恵まれた幸福者という私の自己認識は、誰にでも当て嵌るものであ

り私一人に限定されたものではない。ここが肝心要の所ですので、心してお聞き下さい。

 魔界に落ちて、自己の罪業の深さゆえに苦しんでいる、有象無象の輩達でさえ、彼らの心掛け次第では

天国を目指すことが、可能性として何時でも開かれてある。ましてや、人間として産まれ、それなりの努

力を重ね、まっとうな人間道を曲がりなりにも歩いている大多数の人々には、明るい現在と、輝く未来と

が固く約束されている。それは、間違いのない事実なので、私があれこれ言うまでもないことで、有難い

神仏の御加護による救いなのであります。あなたが、信じようと、信じまいとに関わらず、そうあるので

すから実に有難い極みの仕組みなのです。

 私に悦子という女神が守護神としている事実を吹聴し、公言しているのは、私一個の特殊な有り様を自

慢しようが為の行為などではなく、私でさえ、凡俗で徳の薄い者の代表の如き人間でさえ、このような最

高級の幸運に浴する栄誉を与えられているからには、その他は、推して知るべしと、路頭に迷って人生に

絶望を抱いている人がもし居るとすれば、絶望などするにはおよびませんよ。そう、呼びかけ、その御方

の迷いの霧を少しでも払って差し上げたい。そうした、私の過褒にも受けることが許された御恩報じの為

に、世のため、人のためにしている、ささやかな感謝の、御恩報じの真似事なのであります。

 そして、素直な貴方の心に目覚めて頂けたら、これに過ぎる幸せはありません。

 これが、私の掛け値なしの本心でありますから。





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最終更新日  2020年06月24日 17時31分05秒
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