草加の爺の親世代へ対するボヤキ

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2025年11月18日
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ライリイ  (エドワードに対して)あなたは私に嘘をついていましたね、コプルスとの関係を隠し

て。

エドワード  何て卑劣な事を言うのです、家内はその事を何も知らないと言うのに。

ラヴィニア  実際、エドワード! 私は目隠しをされたままでいましたわ、大勢の人々がその事を私に

告げたけれど。知らない人が誰かいたかしらね。

ライリイ  一人いましたよ、事実上、それは貴女です、チェンバレン夫人。試みていましたね、私に信

じさせようと、貴女が仰る所の神経衰弱に落ち入る決定的な原因はその発見だったと。

ラヴィニア  でも本当なんです。私は完全に打ちのめされたのです。今は部分的に回復したとは言うも

のの。



しかし貴女は御自分の苦悩の原因はあなたが愛している人の背信行為だと仰れなかった、彼は人生で初め

て誰か他の人と突然に恋に落ちた。そしてその誰かに対して貴女は嫉妬する理由がある。

エドワード  実際、ラヴィニア。これはとても興味深いことだね。君は僕よりもずっと隠蔽するのが上

手だったね、さて、君の相手は誰だったのだろうかね。

ラヴィニア  そうね。そうしたいのでしたら彼に告げなさい。

ライリイ  ピーターと言う名の若者。

エドワード  ピーター、誰ですか。

ライリイ  ピーター・クイルプ氏。彼は頻繁に客になっています。

エドワード  ピーター・クイルプ。ピーター・クイルプ! そうだったのか、ラヴィニア。御目出とう

を言おう。君は僕が最も疑いを持ちえない人物を選んでいたわけだね。そして彼は僕にセリアに関して秘

密の打ち明け話をしに来たのだ。こんなにも馬鹿げた話を僕はこれまでに聞いたことがなかったよ。これ



ラヴィニア  私、あなたがそんなにもユーモアのセンスをお持ちだったなんて知りませんでしたよ。

ライリイ  これは最初の最も希望的な兆候ですよ。

ラヴィニア  あなたはこれらの全部をどうして知り得たのですか。

ライリイ  それは申し上げる事は出来かねますね。私には患者に関する独自の情報収集法がありまして

ね。それを開示しろと私に迫るのはいけません。これは職業上の礼儀に関する事柄でして。



ライリイ  要点を整理してみましょう。で、私がお二人にお互いの事に関して、新たな事実の暴露を述

べる事を許して頂きたい。それはあなた方が私を信
頼して打ち明けた秘密事項ではありません。私があな

た方と交換した情報は全部が外部から入手したものです。チェンバレン夫人、貴女が二か月前に私の所に

来た時、私は貴女の説明に納得がゆかなかった。貴女の感情に起きている苦悩の明瞭な兆候についてです

が。そしてそう、私はお尋ねしました。

エドワード  二か月前ですか、君の神経が危機に瀕したのは。僕はまるで気づかなかったよ。

ラヴィニア  あなたは何も気づこうとはしない。私に関心を払わないから。

ライリイ  さて、私はお二人が如何に多くの共通点を有しているかを指摘したいのです。あなた方は例

外的なくらいにお似合いのカップルなのですよ。イェンバレンさん、あなたは奥さんがあなたを捨て去っ

たと思った時に、初めて気づいたのです、あなたはコプル嬢を愛してなどいない事を。そしてびっくり仰

天し途方に暮れる程に狼狽もした。

ラヴィニア  夫は誰にも恋などはしませんわ。

ライリイ  しかも、奥さんの為に最小の犠牲さえ払おうとはしなかった。この事実があなたの虚栄心を

傷つけた。あなたは自身を情熱的な恋愛者と思いたかった。それからあなたは奥さんが、あなたは誰をも

愛せない人なのだと指摘していた言葉を思い返してみた。それはあなたに、自分は誰に対しても愛情を注

げないのではないかと疑った。或るタイプの男にとって自分は女性に愛情を注げないのではないかととの

疑惑は自尊の念を著しく傷つけるばかりではなくて、より粗野な人間にあっては性的な不能者ではないか

との恐怖を煽ることになる。

ラヴィニア  あなたは心が冷たいひとですよ、エドワード。

ライリイ  貴女はそうおっしゃるが、チェンバレン夫人。そして今、問題の側面に目を向けて見ましょ

う。貴女は御自分の若い友人が、心の中では承知していたけれども、彼は貴女に恋などはしていないと、

しかも彼を恋人の立場に置こうと強いていた、と気づいて常に傷ついていた、そして私はこう申し上げま

しょう、貴女は若い友人が実際にはコプルストン嬢に恋していることを知った。直ぐに貴女は進んでその

事実を認めたことを、私は強く確信している。彼がかんじるだけでね気づく前に貴女はそれを認めたので

す。そして貴女は自身に対して、私は勘ぐっているのですが、出来る限り長く、彼はより上流の社会的な

卓越性を目標にしているのだと、貴女の愛人でいる事で授与される名誉よりもですね、そう解釈した。や

がて貴女は、彼の愛情が彼女に喚起している感情が、貴女が彼に齎しているものとは違っている事実に直

面しなければならなくなった時に、それは衝撃となった。貴女はずっと誰かに強く愛されたかったので

す。貴女はこれまでの人生で本当には誰からも愛されてはいなかった事実に気づかされてしまった。それ

から貴女は、だれも自分を愛することは出来ないのだと恐れ始めた。

エドワード  僕は今、君に対して大変に申し訳なく思い始めているよ、ラヴィニア。分るだろう、君は

例外的と言ってよい程に愛らしくはないのだよ。そして僕はその理由がまるで分らない。ただ、僕の罪だ

と思うのだがね。

ライリイ  そして今、あなた方は見始めた、私は希望的に思っています、二人は共通のものが如何に多

いかを。同様の孤立感。女性を愛せないと自覚した男性と、誰からも愛してはもらえないと知った女性。

ラヴィニア  私達に共通の物があるという認識は、お互いを唾棄するに十分なものだと、私には思える

のです。

ライリイ  もしろ、それを二人を繋ぐ絆だと見るのがよいのです。暗中模索状態でいる間中、貴女は言

い続けることが可能です、彼は誰も強く愛することはできないのだ、と。そして御主人は、彼女はいつで

も言える、彼女には愛する能力がないのだと。お二人は、お互いを非難する、自分自身の落度としてで

す。そして相互理解を避けるのです。そして、もう互いの主張に異議を唱え、一緒くたにしてしまうだ

けにしか過ぎない。

ラヴィ内  可能でしょうかね。

ライリイ  私がお二人とも療養所に送り込んだならば、私の所に見えた時の心理状態でですね、私はこ

う申し上げるでしょう、あなた方の想像力を遥かに上回る恐怖が襲ってきたことでしょう。何故ならば、

あなた方は背中に背負い込んだものをそのままでいたでしょうから。様々な欲望と言う欲望の陰に怯えな

がらです。諸悪魔が、充満した力でやって来て、あなた方を自分の懐に抱え込んでその餌食になる。

ラヴィニア  それでは、私共はどうしたらよいのでしょうか。前進も、後退も出来ないのですらね。エ

ドワード、どうしましょうか。

ライリイ  あなた方はすでにその疑問の答えを出してしまっているのです。御自分の言われて事の意味

を理解しないで…。

エドワード  ラヴィニア、我々は悪い仕事を最上に仕上げなければいけない。それが彼の言う意味だ。

ライリイ  チェンバレンさん、悪い仕事を最上に仕上げる事ならば、我々の誰もがしていることなので

す。勿論、療養所に行く聖者達を覗いてはね。あなたはこの語句を忘れるでしょう、そしてそれを忘れる

事で状況がかわるでしょう。

ラヴィニア  エドワード、そのホテルはニュウホレストにあるの。あなたがそこに行きたいのなら。丁

度事業を引き継いだばかりの経営者はアレックスの友人の一人なの。私はそこへあなたをお連れできるし

、一人になりたいのでしたら、私はそこを立ち去るわ。

エドワード  だが、僕は他へは行けないのだ。来週の月曜日に訴訟事件を抱えているので。

ラヴィニア  それならクラブに止宿なされば。

エドワード  いや、それがダメなのだよ。明日、出なければいけないのだ。でも、君は何故、僕がクラ

ブにいる事を知っているのだい。

ラヴィニア  ねえ、あなた、エドワード。私はある種の責任感を持っているのよ。私はそこに貴方のシ

ャツ類を届けておきましょう。

エドワード  家に帰ってもよいように僕には思えるのだが。

ラヴィニア  それでは、タクシーでご一緒しましょう、経済的に済ましましょう。エドワード、他に何

か彼に尋ねたいことはないのですか、お暇する前に。

エドワード  うん、あるのだよ、が。言葉にするのが難しいのだよ。

ラヴィニア  でも、私はあなたが無理にでも言葉にして尋ねて頂きたい。少なくとも、私はあなたに質

問して欲しい或る事があるのです。

エドワード  それは未来に関してのことなのだろうか…、誰か他の人達の。僕は他人の破滅の上に何か

を建設したいとは思わないのだが。

ラヴィニア  正にその通りですわ、そして私にもお尋ねしたいことが有ります。ヘンリィ卿、あなたで

すか、あの電報を打ったのは。

ライリイ  私は、貴女の御主人の問題をかたずけておきたいと思います。(エドワードに) あなたのし

なければならない事は良心を鮮明にすることではなくて、あなたの良心の重荷に如何に耐え忍ぶかを学ぶ

ことなのです。他人の未来などは貴方に何の関係もないのです。

ラヴィニア  あなたは今、私の質問にも答えて下さった。人々は彼等自身で、自分の決断を下してい

ると我々に告げなければならない。

エドワード  他に、我々に仰りたいことはありましょうか、ヘンリィ卿。


ライリイ  いいえ、今の状況内では、有りません。(エドワードが小切手帳を取り出した。ヘンリィは手

で制して)秘書が請求書を送りますから。平穏になさり、御自分の救済に励みなさい。(ラヴィニアとエド

ワードが退場) (ライリイはソファに行き、横になる) (自宅用の電話が鳴る。彼は立ち上がって答

える)もしもし、うん、お入りなさい。 (補助のドアからジュリアが入って来る)彼女は下で待っていま

す。

ジュリア  存じております、ヘンリイ。私が自身で彼女を此処へ連れて来たのです。

ライリイ  そうでしたか、彼女にはあなたが最初に私に会うとは知らせていませんね。

ジュリア  勿論ですわ、私はドア口で彼女を下して、角までタクシーを走らせたのです。しばらく待っ

てから、裏から忍び込んだのです。私はただあなたにお知らせしに来たにすぎません。彼女は決心をする

用意が出来ていると確信しています。





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最終更新日  2025年11月18日 10時12分11秒
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