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先に本編を読んでから、こちらを読んでいただければ、と思います・・・。まず最初に、いつもながら書きっぱなしの駄文を読んでくださった方々、本当にありがとうございました。それから、目安にはじめたブログランキング。クリックしてくれた方ありがとうございました。回によってランキングが上がったり下がったり・・・・参考になりました。時々チェックしていたのですが、ご報告までに・・・最高72位でした。ロボットが出てくる未来の話。こういう話は書くまい、そう思っていた。いろいろな話が世の中に出回っているし、貧困な想像力で書き切れるか?無理だろう、と思っていたからだ。書くきっかけになったのは、かめ@ゴミスティピョンさんの「恋する存在」を読んだ、と言う事もある。(1話の+ちょっと一言+でも言っていますが)また、生理中で貧血で頭痛がするのに家族で新しく出来たアミューズメントパークに出かけた時、ベビールームが無く、喫煙者と同じテーブルで息子に離乳食をやらなければならなかった、という事が私の妄想癖に火を付けたのだった。託児所やベビールームと言うものはどこにでもあるものではない。特に大人が行きたいと思うような所には無い事が多い。そこも身障者トイレはあるがベビーベッドが無いためにオムツを替えるのが大変だった。それは愚痴なのだが、子供が生まれてから、託児所って案外ないよね~って日ごろから思っていたし、そんな世の中が不満だったりするのだ。私の憂鬱は今まさに、託児所がいたるところに無い事なのだ。そこで考えた。もし保育ロボットがいたら・・・・。お、いけるんじゃない?ん・・・。でも待てよ。ただのロボットじゃ面倒見れないよな~。やっぱり人間型でメカチックよりもバイオチックだな。で、人間と共生してんだよねぇ・・・。平和だぁ・・・。・・・いやいや。そんな人間に近かったらさ、誘拐されるんじゃない?ロボットにさ。こわぁ~・・・・。そんな風に話が膨らんでいきました。だから最初に思いついたのは2話、3話なんです。ちょっと今回は書きたいように書いてしまって、凄く遊んだ~!って感じです。それに詳細で緻密な世界設定が出来ていないと思うので、探せば矛盾が一杯出てきそうです。(汗)この話で一体、何が言いたかったんだ?って?それは、あなたの感じるまま思うままです。(逃げたな・・・)(いやいや、聞かれれば答えますよ・・・)しばらく、小説はお休みしようと思っています。ではでは、また~☆
2005/03/31
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僕の手はしっかりとアイリに握られて、ずっと離れないと確信した。「おかえり。やっと来てくれたのね。マモル。」声しか聞こえない暗闇に、僕はアイリの存在は確実に感じていた。「ねぇ、私、ここに来て分かったんだけど。私、ずっと前からマモルに守られていたのよ。」「なんだ、そんな事、今気づいたのか。僕はずっと前から知っていたさ。」僕達は暗闇でお互いが離れてしまわないように抱き合った。私達の元にマモルが戻ってきたのは、マモルが85歳になった頃だった。今の医療なら160歳まで生きられるのに、85歳と言うのはまだ若いと言える。今から35年前に人間の記憶を消す治療は脳細胞の老化と破壊を早める副作用があることが分かって、今はその治療は禁止になったのだ。その結果、マモルは認知症様の症状が出てしまい、介護が必要となってしまったのだ。国が全面的に責任を取り、専門の施設に無料で入れるのだが、あえて私達は引き取る事にした。同棲していたアイリは20年前に亡くなっていた。アイリも若くして亡くなった。私達の20年は短い。でも、マモルの20年を思うと孤独であったに違いない。久しぶりに戻ってきたマモルは、しわくちゃで、120~130歳くらいに見えた。マモルは暴れる事も無く、お腹が空けば泣き、眠くなると寝る。まるで赤ちゃんのようだった。私は産まれたてのマモルを思い起こしていた。「ねぇ、ユージン。マモルが生まれた頃を思い出すわ。」リビングで眠ってしまったマモルを囲むように私達は座っていた。「私ね、本当は、こんなに赤ちゃんがかわいいと思っていなかったのよ。あの日、覚えてる?子供を作ろうって、プロポーズしてくれた日。」「ああ。」「あの時は、ただあなたと一緒に暮らせるのがうれしくて、結婚って言う人間の真似事に憧れていただけなの。」ユージンは静かに耳を傾けている。「今まで、秘密にしていたけど、マモルが5歳の時、こう言ったのよ。”僕は母さんと父さんに会うために産まれてきたんだよ”って。」ユージンはその言葉を聞いて「実は俺にも言ってくれてたんだ。そして”母さんには内緒にしておいてね。”って付け加えてさ。」私達は顔を見合わせて眠っているマモルが目を覚まさないように込み上げる笑いを必死で抑えた。そして、2人でマモルを持ち上げてベッドに運んだ。そしてマモルは2度と目を覚まさなかった。90歳だった。私達はささやかな葬儀を済ませると、また2人ぼっちになってしまった。抜け殻になる、というのはこう言う事か、とまた1つ学べたような気がした。冬が終わって、暖かい春の陽気に誘われる事もなく、私達は窓際の壁に背中合わせで黙って座っていた。何日そうしていたかは知らない。そして、お互い、同じ事を頭の中で描いていたのだろう。「なぁ、ナオミ。俺達これからどうしようか。」ユージンが細々とした声で最初の言葉を吐いた。「私も考えていたの。」「多分、同じ事を?」「テレパシー機能をオンにして。」久しぶりのテレパシー機能だ。今まで使う必要が無かった。でも、無気力な今の私は言葉を発するのもし難いのだった。**ユージン、そうよ同じ事よ。****なぁ、ナオミは何歳なんだっけ?****あなたより50歳若いわ。****550歳か。もう、いいよな。****ええ、もう、いいわ。****俺、お前と出会った最後の90年が一番楽しかった。****私もよ。**お互いに私達は微笑んで見つめ合った。**私達、メモリーバンクに行っちゃうのよ。私達のメモリーを見た人に、こんなに愛し合っていたって見せ付けましょうよ。****それはいい考えだな。****ねぇ、キスして。**ユージンはナオミを抱き寄せてキスをした。そしてお互いの首の後ろの人工皮膚を剥がすと一緒に強制終了のボタンを押した。それは美しい幻のようにゆっくりと消えていった。絨毯に落ちた2つの赤い液体は、ゆっくりと重なり合い1つの円となった。 <おわり>最後まで、本当にありがとうございました。これで、このお話は終わりです。面白かったよ、と思った方はクリックしてくださると、嬉しいです。 ↓ 人気blogランキング
2005/03/31
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未来が無い?僕はこれ以上踏み込んではいけないのか、それとも踏み込むべきか躊躇した。過去は現在を映し現在は未来を映す。未来が無いと思えるのは現在に問題があると言うのか?覚悟して僕は言った。僕は最後まで投げ出さない自信があった。「未来が無いって。良かったら僕に話してみませんか?」アイリはうつむいたままで、なかなか顔をあげようとしなかった。僕はアイリが何か傷を負っているのだと思い悲しくなった。僕に出来る事は何も無いのだろうか?今、僕はアイリにとって、ただ側にいるだけの存在で、もしかしたらアイリは僕の存在すら感じてくれていないのではないかと思うとますます悲しくなった。このまま、アイリがこの席を立ったらそれで終わりなんだろう。僕はこうして待つしかないのだ。うつむいたままのアイリが「マモルさん。あのメモリーチップの中身見ましたか?」と聞いた。「実はどうしようかと迷ったけど、やめた。誓って言う。見ていない。」正直に言った。すると、ゆっくりとアイリは顔をあげた。「・・・私は、もう誰も好きになれないと思うんです。私は、信じれなかった。ただ側にいてくれるやさしい存在を。そして・・・私は彼を強制終了に追いやってしまった。」そこまで言うのが精一杯という感じで優しい瞳は哀しく歪み潤んでいた。それが、あのエイジと言うロボットのメモリーチップだと言う事がわかった。「もういいよ。」言わなくても、僕も悲しみをこうやって共有しているから。心の中で呟いた。僕たちの出会いは幸せには満ちていなかった。と、思う。だけど、僕はアイリに本能的に惹かれた。説明の出来ない気持ち。どこから、そんな気持ちが湧き出てくるのかは知らない。どこに、こんな気持ちがしまわれているのかも知らない。それをDNAのせいにする?そんな目に見えるものに左右されているとは思えない。だから僕たちは従わざる得ないのではないだろうか。アイリの凍った心を僕は溶かしたい。僕はその事ばかり考えた。それが届いたのか分からないけど、アイリは僕に寄りかかってきてくれるようになった。アイリは子供が出来ない身体だから、僕たちは結婚できなかった。代理出産で養子をもらう事も考えたが、やはり高額なので諦めた。人類滅亡対策で種の保存が出来なければ結婚できない、というシステムになっているこの世の中は間違いだ。結婚だけが愛の形ではない。人類を継続させる為に結婚があるのではない。いつかは滅んでしまうのだ。なのに、その流れに必死で逆らっているだけだ。僕は両親の反対を説得して、昔のフランス人のように同棲生活をし始めた。愛のある生活こそが僕たちの真実。残すべきものだと思う。だんだん白くなっていく意識の中で僕は自分の人生を振り返っていた。父や母の笑顔。アイリの優しい眼差し。僕を生涯苦しめた、あの夢。ああ、アイリ。僕もそこに今から行くよ。4つの優しい手のひらに乗せられて、僕は宇宙の果てに旅立つのだ。そこには永遠の君がいる。笑顔で招いているアイリが見える。さぁ、僕の手をしっかりと握っておくれ。離れないように。それが、僕のたった一つの願いなのだから。 <つづく>次が最終回かなぁ。え?!まだ、続くの?!最後まで読んでくださった、あなた。最終回も読んであげる、って思ったらクリックして下さいね。 ↓ 人気blogランキング
2005/03/30
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部屋に着くと、私はバッグに散らばっている中から今日買ったメモリーチップを探した。今日のものは見つかったが、数えてみると1枚足りなかった。その足りない1枚は、エイジの最後の日のものだった。どこに?そう言えば、お店から出る時、エアバイスクルとぶつかりそうになってバッグを落として中のものが散らばってしまった・・・。拾い忘れて店の前にまだあるのかもしれない・・・・。私はすぐ決断して、24時間レストランに向かった。タクシーから飛び降りると入り口の辺りを丹念に探したが無かった。私は途方にくれながら暫く歩いた。そして、まさかと思いながらもマモルの所へ電話をする事にした。私はバッグから手鏡型の携帯電話を取り出すと教えられたように番号を打った。手鏡からマモルの小さなホログラムが浮かび上がった。あぐらをかいている。「あ、アイリさんだったのか。」私はかけておきながら何と言ってよいのか迷っていると「もしかして、これアイリさんの?」と言ってエイジの名前が見えるようにマモルは顔の前にメモリーチップを差し出して言った。「そうです。探していたんです。まさか、と思ってマモルさんに電話を・・・。」「僕も目の前に置いて、まさかと思っていた所なんですよ。」お互いの顔がほころんだ。そして、私の中では予定外に、またマモルと会う事になったのである。今日もまた24時間レストランに、仕事が終わると私は向かっていた。少し残業せざる得なくて約束の時間を少し過ぎてしまった。もう、マモルは先にいるかもしれない。ドアが自動に開くと飛び込むように店の中に入る。簡易ロボットに「オヒトリサマデスカ」と迎えられたのに「待ち合わせしている人がいるんです。」と答えて店内を見渡してマモルの姿を探す。窓際の席でコーヒーを啜っている姿を見つけた。「こんばんは。」私は軽く息が切れている事に気づいた。「こんばんは。」マモルは今口に付けようとしたカップを置いて言った。「すみません・・・。少し遅れてしまって。」「いえ。僕もちょっと前に着いたところですから。」優しい声だった。「これ。」と言ってポケットからエイジのメモリーチップをマモルはテーブルに置いた。「本当にすみません。ありがとうございました。」顔が自然にほころんだ。「アイリさんは、やっぱり笑顔がいいね。」そう言われてドキリとした。エイジにもよく言われた言葉だ。「僕ね、入院した時からアイリさんの事気になってたんですよ。昨日、偶然会えてとても嬉しかったんです。そして、そのメモリーチップがまたアイリさんに会わせてくれました。よかったら僕と付き合ってくれないだろうか?」そんな事言われると思ってもいなかった。多分、びっくりした顔をしているに違いない。「僕ばかり、いろいろ話してしまったけど、アイリさんはどう思っているんだろう。こんな、数回しかあった事ない男を、どう思っているのかなんて僕は馬鹿な事を聞いているのかもしれないけど。」マモルは誠実な人間なのだろう。だけど、今気持ちに答えるだけの余裕もないし、自信も私には持ち合わせていなかった。「私、今はダメなんです。」なんだか泣きそうな気持ちになってきてしまう。「それに、私の先には未来が無いんです。」そこまで言うのが精一杯だった。マモルは黙って耳を傾けていた。 <つづく>一応、最後まで読んでくれているあなた。ありがとうございます。記念にクリックして下さい。 ↓ 人気blogランキング+ ちょっと一言 +書き始めの様な切れがなくなってきました。また~りが長いですね。あと、2~3話で最終回になる予定です。疲れてきたあなた。栄養ドリンク飲んで、最後までお付き合いお願いします。ではでは~☆
2005/03/30
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僕は研究の資料の為に2週間ぶりにメモリーバンクに足を運んだ。別に今日でなくとも良かったのだが、何となく「予感」を感じたから来た、と言った方が正解だ。そして、その予感は的中した。1ヶ月前、入院した時の担当ナースだったアイリがそこにいたのだ。あの時のほんのりと湧いた気持ちを胸に押し込めて退院した、情けない僕の姿が頭に浮かんだ。アイリは nr の列を暫く物思いにふけったようにじっと見つめ決意したかのように1枚のファイルを取り出すとレジに向かった。僕との距離はこんなに近いのに気づきもしなかった。僕は何とか声をかけようとした。ほんの数秒の間にいろいろな思いが駆け巡っていたが、アイリが振り返ると僕は、患者とナースが交わす普通の挨拶の言葉を吐き出していた。僕は自分ではないようにアイリを誘っていた。こういう気持ちは初めてで、どこから湧いてくるのだろうか、と不思議に思った。何かに導かれるように、そのまま従った。アイリは僕の事を「あなた」と呼んだ。たくさんの中の1人の患者。そんな風にしか思われていないのだろう。なんだか悔しくなって、「あの・・・僕、マモルです。3日間だけでしたものね。」と僕のささやかな嫉妬が気づかれないように言った。アイリに僕の名前を呼んで欲しいと思った。アイリは頬を赤らめて恥ずかしそうに、次から僕の名前を呼んでくれた。名前を覚えていなかったのは図星だったようだ。僕は改めてアイリ顔を見た。やさしいカーブを描いた眉に、二重で潤んだ瞳、ふっくらとした唇、優しさが滲み出たような丸っこい顔のライン。それは僕に懐かしさを呼び起させるようだった。柔らかく丸い声も心地いい。アイリに聞かれるまま答えてはいたが、実は上の空でアイリの事を僕は見つめていた。店から出るとエアバイスクルが僕達スレスレで通り過ぎていき、もう少しで事故になるところだった。アイリはよろめいてへたり込みバッグを落として中身が地面に散らばった。メモリーチップがたくさん散らばっていた。アイリは急いで拾い始めたので僕も手伝った。帰り際、僕はアイリに「また会えますか?」と聞くと困った顔をしたので、駄目もとで僕の連絡先だけを教えて「じゃ、気が向いた時に連絡してください。」と言って別れた。僕は軽率な行動をしたのだろうか・・・。帰り道、困った顔のアイリを思い浮かべて、少しだけ後悔した。もう会えないかもしれない。そう思うと何故か胸が痛んだ。たった3日しか顔を合わせていないのに。そして1ヶ月ぶりにたまたま再会しただけなのに。偶然は必然?どこかから陳腐なラブソングが聴こえてきそうだった。今日は調子がおかしいのかもしれない。僕は首を軽く振ると家路を急いだ。家に着くと父と母はリビングでTVを見ていた。ジャケットをハンガーに掛け、今日メモリーバンクで買ったメモリーチップを取り出そうと両方のポケットに手を突っ込むと両方のポケットの中にメモリーチップの感触がした。両方取り出してみると1枚は見覚えのない物だった。nr46872359j-ku エイジ と書かれていた。これは?今日の僕の行動を辿って考えてみた。まさかアイリのものか?僕はメモリーチップの前にあぐらをかいて、見ようか、見ないでおこうか、と考えていた。そう悩んでいると僕の腕時計型の携帯電話のメロディーが鳴った。その番号に僕は見覚えが無かった。 <つづく>つづきも読んでやるぞ!と言う尊いあなた。クリックして下さい。 ↓ 人気blogランキング+ ちょっと一言 +思った以上に話が長くなってきました・・・・(汗)ラストにどう繋げようか考えています・・・。そして、まだこの話が終わっていないのに次の話のネタがぁ・・・・。浮かんできています(汗)
2005/03/29
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私は、毎日淡々とした日々を送っていた。そして、エイジのことが忘れられずにメモリーバンクで1日づつエイジのメモリーを遡っては買い部屋に帰ってエイジとの思い出に浸っていた。私にエイジの記憶を植え付けるのではなく、ただエイジを感じる為に1日づつ買った。精神的に悪い。そう思ってもどうにもならない。まさかエイジが強制終了するなんて思ってもみなかった。ロボットは永遠に生き残っている、そんな勝手なイメージがあった。ケンが、”何度も再生出来て、何度も記憶を消せて、いつまでも生きられるじゃないか”と言ったように、私もそう思っていたのだ。どこか私も区別していたのだと思い知らされた。毎日が涙。今の私を救えるものは何もない。私はエイジのホログラムを見ては、あの人間と変わらない温もりを感じていた。どうして、迷ってしまったのだろう・・・。どうして、信じようとしなかったのだろう・・・。後悔の気持ちがまたメモリーバンクへ足を向かわせた。お金を払う度に、これが国のお金になるのかと思うと、なんだか苛立った。人間の記憶は売買出来ないのに、ロボットは強制終了してもお金に変わってしまうのだ。でも、そのお陰で私はエイジを感じられる。その矛盾した関係が余計私を苛立だしくさせた。今日で丁度、1ヶ月分のメモリーを買った。レジを済ませて振り返ると、どこか見覚えのある男に声をかけられた。茶色がかった、青い瞳、整った顔立ち。「あの・・・。以前はお世話になりました。」その一言で全て思い出した。「いえ・・・。お体変わりはないですか?」私は決まり文句で受け答えた。「ええ。よく眠れるようになりました。」でも、一体こんな所に何の用があるのだろう、と頭の中でくだらない詮索をしていると、「お時間ありますか?これから一緒に食事でもどうですか?」と誘ってきた。そう、彼は人間だった。「こんな時間だし、お腹空きませんか?」仕事が終わってここへ来たからもう7時だった。「ええ・・・。」「じゃ、行きましょう。」半ば強引に連れて行かれる感じでメモリーバンクを出た。いろいろ歩いたが結局一番落ち着ける普通の24時間レストランに入った。簡易ロボットがメニューを聞きに来た。人と食事をとるのは久しぶりだ。人間の友達は私も数少ない。多分、彼も久しぶりに一緒に食事をとるのだろう。今やロボットのが人口が多くなっているからだ。「じゃ・・・ハンバーグのセット。ドリンクはコーヒーね。」と決めていたかのように注文した。私は慌ててメニューを見て「私は、今日のお勧めパスタセットで、ドリンクはアイスティーでお願いします。」と注文すると簡易ロボットは「ハンバーグセット・コーヒー、ト、オススメパスタセット・アイスティー、デスネ?カシコマリマシタ。」とレトロな電子音を発した。「簡易ロボットに、お願いします、だなんてアイリさんは優しいんですね。」と彼は言った。そんなことない。私はエイジを強制終了に追いやってしまったのだから。「偶然あんな所で会えるなんて思ってもいませんでした。お仕事の帰りですか?」人の気持ちも知らないで陽気な声で尋ねた。「ええ。そうなんです。でも、あの・・・あなたもメモリーバンクになんて、たまに来るのですか?」「あ・・・僕、マモルです。3日間だけでしたものね。」そう、正直、名前は思い出せなかった。見透かされて顔が火照っていくのが分かった。「僕ね、大学で人類の歴史を研究しているんです。研究っていっても、趣味みたいなことで・・・・。でね、今一番古いロボットのメモリーを調べているところなんです。ちょっと必要で・・・。」そんな風に訪れる人もいるのだ、と私の苛立ちが少しだけ和らいだ。待つこと5分で注文したメニューが目の前に並べられた。今日のパスタはカルボナーラだった。「人類の歴史ってどんな事を研究しているんですか?」興味半分に聞いてみた。「う~ん・・・。僕の専門は西暦2000年頃なんです。その頃から今のシードバンクやいろんな機関が水面下で設立されて来たのは今や公になっていますが、その頃の文化や人間の生活なんかを現代と比較しています。」「そうなんですか。」「アイリさんの看護とアーミニズムの関係の話、印象深かったです。」私はまた赤面するのを感じていた。「あれは、私は何も言っていません。・・・・でもマモルさんの言う通りでしたけど。本当はあなたはロボットかと思いました。」そんな話が続いて私は久しぶりに、何となく柔らかな気持ちになっていた。 <つづく>つづきも読んでやるぞ!と言う尊いあなた。クリックして下さい。 ↓ 人気blogランキング
2005/03/28
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僕は治療を受けるために治療室の冷たいベッドの上に仰向けで寝ている。ガラス越しには担当ナースのアイリが様子を伺っていた。僕の頭には透明のヘルメットのような物が被せられ、胸には心臓を覆うように特殊なシールが貼られている。「マモル君、聞こえますか。」治療と言っても医師はいない。声をかけたのは医療オペレーターだ。「はい。」僕は返事をした。医者という職業は今は存在しないのだ。診断は機械がやってくれるし、治療もマニュアルがあってそれに沿って医療オペレーターが医療器具を扱い治療する。医療オペレーターの資格は2種類ある。ロボットのみ、とロボットと人間の治療が出来るもの、との二つだ。もちろん後者のが難しい。また、手術と言っても昔のような生々しいものではない。血も出なければ傷も残らない。しかし、今でも難病といわれる病気は存在する。そんな病気に対しては、ごく少人数の選ばれた人間が治療方針を打ち出してマニュアル化しているのだ。昨日言ったアイリの「アーミニズム」という言葉がふっと頭をよぎった。「では、始めますよ。」そんなことを考えていると、医療オペレーターの声で我に返った。そして部屋から麻酔用のガスが噴出し、それを吸うとだんだん意識が薄れていった。この瞬間が一番嫌だ。意識が薄れていく中で、僕の頭の中にまるで手のひらが入ってきたような感じがし、僕の脳をぐにゅっと掴まれるような感触がするのだ。いつも、そこで僕の意識は無くなるのだ。今度目が覚めればベッドの中だ。僕は1時間の治療を受け、8時間後に目を覚ました。もう夕方の6時だった。ぼやけた視界に現れたのはアイリだった。「気分は悪くないですか?」いつも暫くは頭がモヤモヤするのだが、いつものことなので僕は「はい。」と答えた。一通りのチェック項目を終えるとアイリは「では、明日、また来ますね。問題なければ、明日退院できますよ。」といつものように、にっこりと微笑むと部屋を出て行った。アイリはとびきり美人ではないが、なんとなく相手をホッとさせる。入院しているから、そう感じるのだろうか?でも、もう少し話をしてみたい、そんな人だ。まだ、ちょっと重い頭で僕は思っていた。その日の晩は、久しぶりに、あの夢も見ずぐっすりと眠ることが出来た。朝、9時。僕の部屋をノックしてアイリが入ってきた。「おはようございます。昨日はぐっすり眠れましたか?」僕は「ええ、久しぶりにぐっすり眠れました。」と元気に答えた。「変わった事はないですか?」「今のところ、特に。」僕は答える。「では、お昼まで様子を見て、変わりなければ退院になります。」「分かりました。」普通の受け答えの会話しか出来なかった。「あの・・・。」と僕が言うと不思議そうな顔でアイリは僕を見つめた。「退院は何時ごろになりますか?」あぁ、そんな事か、と言うような表情でアイリは「早くて2時頃になります。遅くても3時には退院できますよ。では。」と、言って部屋を出て行ってしまった。本当はそんな事じゃなくて、君と話がしたかっただけなのに・・・。僕はそう思ったが、なんだかナンパな若造と思われるのも嫌だと思った。おかしいのかも・・・。このまま何も言わずに退院した方が良さそうだな。君と話がしたいのだけど・・・・出かかった言葉を僕は飲み込んで退院した。アイリは「退院おめでとうございます。お大事に。」と、いつものようににっこりと微笑んでいた。 <つづく>ここで終わると思ったら大間違い。(汗)つづきが気になる人はクリックして下さい。 → 人気blogランキング
2005/03/27
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今日は朝から忙しい日となった。私は今日、ケンの部屋を受け持つことになっていたので、305号室に向かった。昨日から容態がぐっと悪くなっているらしい。面倒なプロテクターを着て305号室に入った。ケンはベッドにうつ伏せにうずくまっていた。私が近づくとケンは急に喉を掻き毟るように暴れだした。咄嗟に私は緊急ボタンを連打していた。緊急事態は急にやって来る。緊急ボタンを押すのは条件反射になってしまっていたようだ。ケンは最後の力を振り絞るように私の右肩をぐいっと掴んで引き寄せ、睨むようなものすごい形相で大量に吐血し、息絶えた。スタッフが駆けつけた時には何も施しようがなかった。シーツにはべっとりと真っ赤な血が染み付いた。私のプロテクターの半分にも真っ赤なペンキがべったりと塗りつけられたようだった。床にも赤い水溜りができていた。その真っ赤な血はまるで何かに怒りを表しているようだった。ケンのウイルスに汚染された遺体は速やかに火葬された。ケンは独身で肉親もいなかった。両親は人間でケンよりも先に旅立っていた。ゆえに、立ち会う人もおらず寂しい最期だった。私は休憩をもらったが、食欲も出るはずがなく、短い仮眠をとってナースステーションに向かった。私の姿を見た婦長が「アイリさん。午前中はお疲れ様でした。これから入院があるからお願いね。315号室よ。」と、電子カルテのチップを私に渡すとナースステーションから出て行ってしまった。電子カルテに目を通そうとポケットから小型コンピューターにチップを挿入しようとしていたら簡易ロボットが315号室に患者を案内したことを告げに来たので、そのまま部屋に向かうことにした。315号室のドアを開けるとベッドに腰掛けてTVのチャンネルをいじっている、茶色がかった髪の、青い瞳が印象的な青年が目に飛び込んできた。見とれるような整った青年だった。もしかしたら頬が赤くなっているかもしれない。そんなことを思いながら私は真向かいに病室の椅子を置いて座り、電子カルテを開いた。homo マモルシリアルナンバーが名前に無いのは人間の証だ。彼も私と同じ人間なのだ。既往歴を見ると3才からある一定の記憶を消す治療を受けているのが分かる。横に「誘拐」とあった。私はそれに深く触れず淡々とアナムネをとった。全て必要事項を確認すると「では、検査の準備ができるまで、しばらく部屋で待っていてくださいね。」そう言って315号室を出た。検査は全身を隅々まで調べる精密検査だ。検査室の空き状態を調べてマモルを検査室に案内する。検査はいたって簡単。ベッドに寝て、丸いドーム状の中を1回通過すればよいのだ。それで、今の健康状態が全てわかる。検査の帰りにマモルが私に聞いた。「どうしてナースになったんですか?」その目は私には、「もっと楽な仕事もあるのに、あなたも人間なのに。」と言っているように見えた。私はいつものように「この仕事にアーミニズムを感じたからです。」と言って微笑んだ。そう言うとマモルは、なるほど、と言うような表情になって「確かに、人類は大昔から看取ることをして来ましたからね。ナイチンゲールが看護というものを理論的に位置づけて職業として成り立ったわけですが、それ以前から尊い行いを我々は行っていたんですよね・・・。アーミニズムか・・・。なるほど。なんとなく分かりますね。面白い方ですね、アイリさんは。」と言って屈託の無い笑顔を私に差し向けた。私は、今まで死んでいたような鼓動が息を吹き返したようにドキドキと音がするのを感じていた。マモルに見透かされているような気持ちになって恥ずかしかった。 <つづく>続きが読みたいと思ったらクリックしてください → 人気blogランキング+ ちょっと一言 +目安代わりにランキングに参加しています。100位前後をうろうろしています。昨日、久しぶりにランキングを見たら98位でした。今後もよろしくお願いしますね☆押してくれている方、ありがとう!励みになっています。
2005/03/26
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僕は頻繁にあの薄気味悪い夢を見るようになっていた。幼い頃は、ただ崩れ落ちるロボットの顔が怖かったが、年を重ねるごとに不愉快に感じる。得体の知れない不安を呼び起こす。それは、僕の死に対するイメージだから?僕は父や母と違って人間だ。いつかは死ぬのだ。そのことを初めて知ったのは僕が中学生の頃だった。教育プグラムの一環で生死を学ぶ授業があるのだ。僕は初めてロボットと人間の根本的な違いを教えられ、ショックだった。今朝もあの夢を見て起きた時には汗だくだった。最近、熟睡出来ないのですこぶる体調が悪い。頭はクラクラ、目はショボショボ・・・。そのおかげで2日研究室には顔を出していない。フラフラしながらリビングへ行くとキッチンで母が僕の朝食を作っていた。「あら、マモル。おはよう。」チラッと見ただけで、忙しそうにしている手元に視線をすぐ移して母は言った。「おはよう・・・。」ダイニングテーブルに頬杖を付いてだるそうに座っていると、あっという間にトースト、スクランブルエッグ、フレッシュサラダ、ヨーグルトが食べやすい位置に置かれた。僕はのそのそと食べ始めた。「マモル・・・。最近、あの夢にまたうなされているのね。」母は真向かいに座って心配そうな顔でそう言った。「また、治療しないといけないみたいだ。」「そうね。そうしたほうがいいわ。」「今日、病院に連絡してベッドが空いているか聞いてみる。」「連絡しようか?」「いいよ。もう自分で出来るし、慣れてるから。僕も、もう25だよ。」「そうね。」とちょっと寂しそうな顔で母は言った。僕は朝食を食べ終えると早速病院に連絡した。丁度、ベッドも空いていて入院できるとのことだった。急いで入院の準備をする。準備と言っても3日分の下着をかばんにに詰めるだけだ。「じゃ、行ってくるね。」「母さん、ついて行かなくて大丈夫かしら。」心配そうに玄関で母は立っていた。「大丈夫だよ。いつも心配してくれてありがとう。」僕はボソボソと言って急ぎ足で病院へ向かった。僕は知っている。母があの日、託児所に預けようといった事を。そして、今でも、後悔して苦しんでいる事を。病院までは15分だ。エアバイスクルで空を飛んでいけば3分もかからない。でも、病院に置きっぱなしだと盗難されるのは間違いない。それに、便利な乗り物ばかり使っていて筋力が落ちてきている。だからたまには歩くのはいいことなのだ。こういう所が人間って面倒だと思ったりする。病院に付くと受付で簡易ロボットに出迎えられる。そして簡易ロボットは僕の軽い荷物を持って病室まで案内してくれる。僕は315号室に案内された。部屋に着くと簡易ロボットは「シバラクココデオマチクダサイ。」とレトロな電子音を発するとおじぎをして部屋から出て行った。僕のように記憶の治療は3日の入院が必要だ。1日目は精密検査。2日目に検査の結果が悪くなければ治療し、3日目は半日の様子見が必要なのだ。だから3日目の夕方には家に帰れる。ベッドの上に腰掛けて病室のTVを付けてチャンネルを変えているとナースが部屋に入ってきた。そのナースはなんとなく顔色が青ざめていた。「担当ナースのアイリです。宜しくお願いします。」入院するとアナムネを取る。名前の確認、身体的問題、心理的問題、既往歴、今に至るまでの病状などいろんな項目があって、それをカルテに記録するのだ。ロボット同士だとテレパシー機能を使えばすぐ済むのだが、僕は人間なので少し時間がかかる。僕と向かい合わせでナースはイスに座って電子カルテをめくりながら「初めての治療ではないんですね。」と微笑んで言った。入ってきた時の青ざめた顔ではなくほんのりと赤く染まった頬でにっこりされて僕はドキリとした。「はい。」簡単に経過だけを聴きまとめると「では、検査の準備が出来るまで、しばらく部屋で待っていてくださいね。」そう言うとアイリと言うナースは部屋から出て行った。彼女は人間だろうな。僕はなんとなくそう思った。 <つづく>続きが読みたいと思ったらクリックしてください → 人気blogランキング
2005/03/25
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ちょっと小説は中休みです。この前、実家に帰った時に、むかぁ~し書いていた「詩」のノートを持ち帰ってきました。その中から抜粋して、ちょっとブログに載せてみようという企画です。20歳前後に書いていたものです。ちょっと恥ずかしいですが、まぁ、読んでみてください。このコーナーも不定期にお届けします。 ~永遠の決意~前世の事を全て忘れて現世に生を受け来世で二度とあなたに会えないように今の全てを絶とう来世で再会出来ぬように・・・・ H6.8/29こういうの好きだったらポチっとクリックしてください → 人気blogランキング+ ちょっと一言 +暗いですね・・・。でも、好きだったりします。(笑)あの頃はこんなんばかり書いていました。そういう年頃なのかもね。きっと辛い事があったんだわ・・・。どうせなら未来永劫会えないように別れましょう、だなんて思ったのね。 Designed by hana
2005/03/24
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私はナースと言う仕事を選んだ。何故?そう聞かれると、いつもこう答えている。「アーミニズムを感じるからよ。」そう答えると首を傾げる人が多い。人類は原始時代の大昔から死に逝く者を看取ってきた。そこにナースの原点があると思っている。私達の祖先が普通に行なっていた行為。それが職業になっただけだ。原始人が看病する姿を想像すると私もその血が流れているのだと思いゾクゾクする。が、これは誰にも言った事がない。変人扱いされるのが怖い。ナースステーションにエミリが駆け込んできた。「アイリ先輩・・・私、もう305号の患者さんは担当できません。」半泣きで私に飛びついて来た。エミリはロボットだ。「私に言うんです。ロボットなんかに看て欲しくない、って。私だって一生懸命やっているのに、そう言われると、もう何も言い返せません。」そう言うと泣き出してしまった。「分かったわ。私が行ってくる。でも、担当は婦長に相談してからよ。」そう言って私は305号室に向かった。305号室の患者は46歳の男性。名前はケン。今流行の悪性の新型ウイルスに感染して、回復の見込みがない。入り口のプロテクターを着て危険レベル5の305号室に入った。ケンはベッドに一人うずくまって震えている。死の恐怖に震えているのだろうか・・・。私は背中をなでた。するとケンは顔をあげて私を見上げた。「あんたは人間だな。」微笑んで私は頷く。「俺はわかるんだ。ロボットか人間かってことぐらい。人間の手は温かい。もっとさすってくれよ。」プロテクターの上からでもそんな事感じれるのだろうか?不謹慎にも、そんな事を思いながら私は無言で背中をさすり続けた。「俺は、もうじき死ぬんだ。こんな部屋に入れられて。独り。死ぬんだ。ロボットが羨ましい。何度も再生できて、何度も記憶も消せれて、いつまでも生きれるじゃないか・・・。」ケンは涙を流しながら続けた。「俺は人間だからいつかは死ぬと分かっていた。でも、いざ、こんなわけの分からないもんに感染して、死と隣り合わせになって初めて俺は今まで死なないと思っていたことに気づかされた・・・。情けない。」声は嗚咽に変わって最後が聞き取れなかった。暫くして落ち着くと「ありがとう・・・。また来てきれよな。それから、さっきの子に変わって謝っておいてくれないか。つい、口が滑ってひどいことを言ってしまった。もうすぐ死ぬかと思うとロボットが急に憎らしくなって・・・。情けない・・・。情けない・・・。」「エミリには私から言っておきます。担当なのでこの部屋にも来させてもらいますが、よろしいですね?」そう聞くとケンは小さく頷いた。そして私は305号室を出た。プロテクターを脱ぐのは一苦労だ。エアーシャワーを最後に浴びて身体を消毒してナースステーションに戻る。「エミリ。」「アイリ先輩、すみませんでした。私の患者さんなのに・・・。」「いいのよ。死期が近いと不安定になるのは仕方ない事よ。患者さんも悪かった、って言っていたわ。今度部屋に行っても大丈夫だから、このまま担当を続けなさい。」「はい。」エミリは吹っ切れたのか歯切れのいい返事を返してくれた。数日前に別れたエイジはロボットだった。でも、でも、私だって好きだった。そう。人間だってロボットの身体に嫉妬する。私は妊娠できない身体だと分かってしまった。ロボットはいい。あの白いカプセルを飲みさえすれば確実に妊娠できるのだ。私は・・・出来ない。一緒にいるだけでもいい、と言ってくれたエイジ。優しかった。エイジ・・・。まだ本当は会いたい。エイジだったら私が死ぬのを看取ってくれるだろうか・・・。まだ、間に合うだろうか・・・。アイリは仕事が終わるとエイジのアパートに無意識に向かっていた。エイジが帰ってくるまでここで待っていよう。そして、もう一度・・・。外は真っ暗でいつまで経ってもエイジは帰ってこなかった。隣人が帰ってきた。女性だ。目が合った。軽く会釈すると「あの・・・。あなたお知り合い?」と、隣人はちょっと曇った表情でアイリに聞いた。「ええ。」「・・・その方、最近、強制終了されたらしいですよ。だから、待っていても・・・。」と言うとバツが悪そうに自分の部屋に入っていった。嘘・・・。私はメモリーバンクにすぐに行った。そして、nr46872359j-ku エイジ を急いで検索した。3日前、エイジは強制終了していた。ロボットは強制終了すると自動的にメモリーバンクへ登録される事になっている。私はエイジの最後の日のメモリーを買って家に帰った。エイジの最後の日は橋の上で雨に打たれて終わった。私の名前を最後まで呼んでいた。私は涙が止まらなかった。私はケンのように泣き声は嗚咽に変わり、長く長く震えていた。 <つづく>面白かったらクリックしてください → 人気blogランキング
2005/03/24
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僕の前に黒い影がユラユラ揺れている。僕はその影に飲み込まれそうで怖くて必死で光を求めて走って逃げていた。走っても走っても、一筋の光も見えてこない。ただ一つだけ手の届かないところに、一つだけ星が輝いていた。僕は宙を舞ってその星に近づこうとした。すると、その影はぬぅっと僕の目の前に現れて、月明かりを浴びると、皮膚の解けた中から機械の部品が蛆虫のように湧き出ていた。その影のロボットはヒステリックに僕に笑いかけていた。そしてどんどん崩れ落ちていった。小さい頃から、同じ夢にうなされていた。子供の頃、僕はこの夢を見ると怖くて怖くて、母と、父の眠る寝室のドアを開けて両親を起こし、真ん中に入って眠った。今でも同じ夢にうなされている。汗びっしょりで目が覚める。何故、こんな夢ばかり見るのだろうか・・・。僕は夜が来るのが嫌だった。時折、母が僕に尋ねる。「マモル。まだ、あの夢を見るの?」心配そうに父は僕の顔を伺っている。「たまに・・・ね。」「もう一度、治療に行ったほうがいいんじゃないの?」「同じだよ。」僕は小さい時にロボットに誘拐された。20歳になった時、両親が教えてくれた。薄々、幼い頃に何かあったのだと僕は思っていたから少しすっきりした。治療でその記憶は消されて、何も僕は覚えていない。でも、記憶というのはそんなに簡単に消せるものじゃないと最近思う。きっと、人間は潜在意識の深い深い底に完全には消せない記憶が残っているのと思う。残す能力があるというのか、そう作られているというのか・・・。上手く言えないけど。現に、僕は何度も治療を受けたがあの夢だけは時折出てくるのである。あまり頻繁にあの夢にうなされるようになったら、もう一度治療を受けなければならないかもしれない。治療を受けるとあの夢を見る回数が減るのだ。何故だか分からないけど・・・。用意された僕の分だけの朝ごはんを食べると「いってきます。」と言って家を出た。僕は大学で研究する道を選んだ。なりたい職業がなかった。ただそれだけなのかもしれない。僕は人類の歴史を研究している。僕のルーツを知りたい。ただそれだけ。西暦2000年。それは今から何千年もの昔の話だ。僕達の祖先は水面下で人類滅亡を防ぐ計画を立てていた。その頃、先進国を中心に出生率は大幅に低下していた。不妊の問題もあったが、それ以前に子供を産まない、という夫婦も増えていた。2005年、日本では出生率が1.29であると発表されている。ほんの50年前までは5人、6人、10人兄弟なんて珍しくなかった。戦争、高度成長期などによる時代背景もあったが、それにしても急激に激減だ。その頃からシードバンクはトップシークレットプログラムの中で設立され、起動し始めていた。だがロボット同士が結婚し、人間の子供を産める世の中になるだなんて考えてもいなかっただろう。クローン人間の期待が高まっていたが、結局、人格破壊が速く進み計画は失敗に終わった。しかも、人間の身体は妊娠に耐えれなくなってしまった。そこでロボット技術が飛躍的に進歩したとも言える。ロボット同士は性交でき、妊娠まで出来るようになった。まるで人間のように。僕の両親もロボットだ。だが違和感はない。生まれてずっと僕を大事に育ててくれている。ただ一緒に食事はとれないが、なんら人間の親と変わりはない。僕はそう思っている。でも、僕は時々思ってしまうんだ。母や父はミツバチみたいだと。今はもう絶滅してしまったが、苺を作る時、花が咲くとビニールハウスにミツバチを放し、受粉の役割をさせる。そうすることで、苺は実をつける。その実は赤く、形もよく、味もよい。だが、ミツバチは働くだけ。以前調べ物をしていた時に知った。それ以来、苺とミツバチの関係が、馬鹿だなと思いつつも時々、僕と両親の関係と重なってしまう。そんな事を思う自分が少し悲しかった。 <つづく>面白かったらクリックしてください → 人気blogランキング+ ちょっと一言 +やっぱり壊れてきました・・・・。こういうの書くと変な方向に進むから絶対書かないって思っていたんです・・・。やっぱり変な方向になってきましたね。怖い怖い・・・。(汗)
2005/03/23
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僕はどんよりとした曇り空の中一人で歩いていた。「絶望」と言う感情を覚えたてだった。ニュータイプのボディーをやっと手に入れて、やっと愛する女性を見つけた。少なからずとも僕はそう思っていた。でも、彼女にとっては僕はそんな相手ではなかった。やっと、彼女の喉につかえていた気持ちを知った。雨が今にも降り出しそうだ。僕は泣いた事はある。悲しいと目から流れる液体の事を涙と言うのだ。人間の涙はしょっぱいらしい。でも、僕達の涙は何の味もしない。僕の頭の中でアイリと過ごした日々の一つ一つがゆっくりとプレイバックされていた。雨が降って涙と混じって僕は泣いているのか、多分通り過ぎて行く人にはわからないだろう。僕はアイリに夢中になっていた。アイリは僕が人工皮膚のトラブルで入院した時に出会った。アイリは僕の担当ナースだったのだ。僕は一目でアイリが人間だと分かった。人間の動作には無駄が多い。テキパキと仕事をこなしているが、ロボットのナースと比べるとやはり無駄な動作が多いのだ。そんな彼女をかわいらしく思った。僕は淡い恋心を彼女に抱いた。ロボットの僕になんて無理だろうと思った。でも、アイリは優しかった。人工皮膚の張り替えは普通1泊で終わるのだが、僕の場合他の損傷が激しくて修復までに2週間かかった。退院がアイリから告げられた時、僕はアイリを誘っていた。アイリは少し驚いたがにっこりと頷いてくれた。僕は天にも昇る気持ちになった。アイリは本当に優しかった・・・・。僕はアイリとずっと一緒に居たくなった。アイリの肌は白くて血管が透けて見えそうだった。照れるとポッと頬を赤らませるのがかわいかった。人間の身体・・・。羨ましかった。そして全て欲しかった。アイリの全てが欲しかった。「結婚しないか?」僕はアイリに抑えれない気持ちを伝えた。アイリは少し考えていた。人間とロボットの結婚はニュータイプのボディーが出来て認められるようになっていた。まだ少ないが結婚して幸せに暮らしているカップルも存在する。しかし、ロボット同士の結婚同様、妊娠しなければ認められないのだ。妊娠を怖がっているのだろうか?「でも、妊娠するか分からないわ。」そう、ぽつんとだけ言った。「人間の身体は複雑だから仕方ないじゃないか。アイリが僕と一緒にいたい気持ちがあるなら、いつまでも待つよ。」「一緒に居たいわ。」どこか寂しげな瞳でアイリは小さな声でつぶやいた。僕はシードバンクでカプセルを買った。アイリも買うときは一緒に行った。何度も行った。何度も、何度も・・・。でも、いつまで経ってもアイリは妊娠しなかった。昨日も僕は白いカプセルを飲んだ。そして、いつものようにアイリにキスをしようとしたらアイリは僕を突き飛ばした。「どうしたんだよ?」「もういいの・・・。」「何で?僕はいつまでも待つよ。」「無駄なの。」「無駄って?」アイリは瞳にいっぱい涙を溜めて僕を睨んでいた。「どうしたって言うんだよ。」アイリは黙ったままだった。「何とか言ってくれよ。」僕は困り果ててしまった。そして重い口をアイリは開いた。「私、妊娠できない身体なの。」僕の身体に衝撃が走った。「この前、調べたの。そしたら・・・・。今まで黙っててごめん。」うつむいてアイリは顔を上げようとしなかった。でも、それでも・・・。「一緒にいるだけでも、いいじゃないか。」僕は必死で言った。僕にアイリは必要な大切な存在だった。僕の憧れ。僕の喜び。僕の支え。でも、どれだけ言ってもアイリはうつむいて2度と僕の顔を見てはくれなかった。僕が失恋したのは初めてじゃない。でも、僕にはアイリが全て。全てだったんだ・・・・。僕はずぶ濡れになりながら橋の真ん中で首の後ろの人工皮膚を引っかいてボタンを押した。僕の人生はもうこれで終わり。強制終了だ。もう、このままここに存在する意味はない。さよなら。アイリ・・・。僕の首の人工皮膚は剥がれて涙のよに赤い液体が滴り落ちて霧のように僕の身体は分子単位に分解され地球の大気と混ざり合っていった。僕が膨張するのが分かる。意識が薄れていく中で僕は宇宙に還元されていく喜びを感じていた。そして、僕は分かった。僕にも魂のような見えないものが残っていたと。僕は、今、人間に一番近いの?そんな中、僕の意識は完全に途絶えた。 <つづく>面白かったらクリックしてください → 人気blogランキング
2005/03/21
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私はまるで欲望の蛇にがんじがらめにされてしまったようだった。胸が苦しくなった。私はふと思った。欲望?このどす黒い気持ちは私の欲望?この子をさらってしまいたい・・・。人間もこんな気持ちを?これは人間のプログラミング?こんな負の感情までも?それとも私が学習して得た感情なのだろうか?マモルにじっと見つめられて私は動揺していた。そして、その衝動は止められなかった。部屋を見渡すと3人の子供がおもちゃでおとなしく遊んでいた。「これから、この子とちょっとお散歩してくるから、監視をお願いね。」と私が言うと簡易育児ロボットは「ワカリマシタ・ワカリマシタ・ワカリマシタ・・・」と繰り返しレトロな電子音で返事をした。「ねぇ、マモル君、お散歩しに行こう。」そう、私は微笑むとマモルはコクンと首を縦に振った。マモル君の左手をぎゅっと握り、私は小走りにトイレに向かい、ゴミ箱にエプロンを捨てると、そのまま出口へと向かった。外はよい天気だった。太陽の光がいつもよりも眩しかった。それは、私が後ろめたい事をしているから?マモル君は不思議そうな顔で私を見つめていた。「どこいくの?」そう聞かれて「私のお家でケーキ食べよう。マモル君はケーキ好き?」マモル君はオズオズと「うん。」と答えた。途中でケーキを買った。久しぶりの食べ物だった。人間ぶって2個買った。部屋に着くとケーキの箱を開けてお皿にのせ紅茶を入れた。もちろんマモル君の分だけ。マモル君はじっと私を見つめて「ねぇ・・・食べないの?」と、私に聞いた。「私はいいの。マモル君のお父さんやお母さんも食べないでしょ?」「うん。」「全部食べていいのよ。」すると嬉しそうにニコニコしながらマモル君はケーキを食べ始めた。もし、あの時の赤ちゃんがずっと私のものだったら、こんな風な生活をしていたのだろうか?もし、あのまま赤ちゃんが私のものだったらポッカリと胸の辺りに開いた様なスースーする感じはしなかったのだろうか?すると私の頬に冷たい液体が流れた。視界が曇ってマモル君が見えなくなった。ゴシゴシと目を擦ってもその液体は止まらなかった。初めて流す涙だった。「どうしたの?泣いてるの?」マモル君は私の裾を引っ張って心配そうな顔で聞いた。マモル君は今にも泣きそうな顔だった。「マモル君は泣かなくてもいいのよ。私が悪いの。」やっぱり、こんな事いけないことだ。マモル君の悲しげな顔を見て、連れ出してしまった事を後悔した。戻ろう・・・。まだ閉店までには間に合うわ。「マモル君、あんまり長くいると怒られちゃうから、お父さんとお母さんの所に戻ろうね。」するとマモル君の表情がぱっと明るくなった。子供なりに異常な雰囲気を感じていたに違いない。マモル君の左手を握って、来た道を帰る。エレベーターで下に降りて扉が開いた瞬間、武装した警官が目に飛び込んできた。「子供を放しなさい。」10メートル先で警官が叫んだ。私は咄嗟にマモル君を抱きしめた。涙がとめどなく流れ落ちていた。私はテレパシー機能をオンにした。ニュータイプのボディーが欲しかったあの頃、恋人と結婚する夢を胸に描いていたあの頃、代理出産をしたこと・・・それらが走馬灯のように映像で流れた。警官は少しひるんだが銃は構えたままだった。自分で強制終了する人生だとずっと思っていた。でも、自分以外に身を委ねるのもいいかもしれない。私は一歩ずつジリジリと警官に詰め寄った。5メートルまで近づくと指揮官が「打て。」と叫んで私の胸を突き抜いた。ビニールの焼ける臭いが微かにすると赤い液体が涙のように滴り落ち、私はホログラムが消えるように消えて赤い液体だけが悲しい水溜りのように残っていた。 <つづく>面白かったらクリックしてください → 人気blogランキング+ ちょっと一言 +ちょっと実家に帰っていました。五月人形を買ってやる、と言われて人形センターに行ってきました。それはいいのだけど、実家のPCは壊れてて使えなかったのだ!おぉ・・・・まい・・・・がーっと!
2005/03/21
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私の仕事はデパートの託児ルームの保母だ。ここには人間の子供しか来ない。人間はロボットに比べてもろい。そして誘拐の危険が高いため、施設には必ずと言っていいほどこういった託児ルームが設置されている。多くの人間は人間の子供を欲しがっている。けれども、自分達では出産に耐えれない身体へと進化してしまっていた。人間は妊娠3ヶ月以内に病院でロボットの代理母の子宮に胎児を手術で移動させなければならないのだ。そのまま妊娠を続ければ6ヶ月で母体も胎児も死んでしまう。だが、代理母の費用はかなり高額のため、闇では誘拐した子供を代理母の費用よりも安く人身売買し、子供の欲しい人間に売りつけている、と言う現状なのだ。誘拐のニュースはよく流れている。私はかつてニュータイプのボディが欲しくて代理母をした事があった。お金がただ欲しかったのではない。私も人間と同じように誰かを好きになり、子供を産み、結婚したかったのだ。人間は産まれるのに10ヶ月ほどかかる。産まれて赤ちゃんの顔を見た時は、検査のモニターで見るのとはまた違って、とてつもない幸せに私は包まれた気分だった。しかし、それもつかの間、親元にすぐに引き取られてしまった。彼らは私に何度もお礼を言ってくれた。母親は、私の出産メモリーも買ってくれた。よっぽど気に入られていたらしい。代理母などしなければ良かった。赤ちゃんを取られてそう思った。私の育児プログラムは作動した。医療オペレーターに切るかどうするか聞かれたが、次の就職先を託児所にしようと思っている、と答えるとにっこりと笑って、それ以上何も言わなかった。私のベイビー・・・私のベイビー・・・どこにいるの?時々夢にうなされる。私も、今度は好きな人の子供が欲しい。そう強く願っていた。「すみません。」受付にロボットの夫婦がやってきた。「少し預かって欲しいのですが。」私はにこりと笑顔で「はい。大丈夫ですよ。初めてのご利用ですか?」とロボット夫婦に尋ねた。「ええ。そうなんです。」母親が答えた。「では、お子さんと、どちらでもかまいませんので親御さんの名前をこちらに記入してください。」夫婦は見つめあって夫が記入することに決まったらしい。JJ75390863a-mi ユージンhomo-マモル上が親の名前。シリアルナンバーの後に好きな名前を付けれる事になっている。下が息子の名前。homoとは優性遺伝子という意味だ。一応、人間がまだこの世の中を仕切っているため仕方ない。でも、近いうちにロボット倫理委員会でこの名前の付け方は変えられるだろうと思う。「分かりました。ではお買い物を楽しんできた下さい。」「お願いします。」そう言って夫婦はフロアーの向こうに消えていった。「マモル君、こんにちは。」私は声をかけた。「こんにちは。」にっこりと微笑んで挨拶してくれた。3歳くらいだろうか。やや茶色がかった髪にブルーの瞳。なんとなくアジアンテイストが漂うが、愛くるしい天使のような男の子だ。素直ないい子。きっと、あの夫婦の育児プログラムは高級品を使っているのだろう。この子を愛しているのだろう。そう感じた。私が産んだのも男の子だった。きっとこれくらいになっているだろう。そんな考えがが頭部から渦を巻いてグルグルと私の身体を包み込んでしまったようだった。 <つづく>面白かったらクリックしてください → 人気blogランキング+ ちょっと一言 +題、メカニカル ラブ → メカニカル アニマル にしました。あれ?っと思っているあなた。はい、正解。マリリン・マンソンのアルバムにメカニカル・アニマルってやつあります。(汗)マトリックス1のぉ、曲が入っているやつです。私、持っています。のでのでので・・・・・・・。
2005/03/19
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深夜2時だった。俺はナオミとの一時を楽しんだ後、タバコをふかしていた。しかし、タバコなんて何故人間は吸うのか?まずいだけだと思うが、俺のモデルにはインプットされているらしい。辞めたくても辞めれない。そんな事ではない。俺は考えているのだ。しかし、それは以前から考えていた事だ。それを今日言う事に決めた。テレパシーでナオミに気持ちを伝えるよりも、こういう事はきちんと口から伝えたい。俺はそう思っていた。だいたい、テレパシー機能は不便だ。他人に考えている事が読み取られてしまう。人間が俺達を監視するために作った機能だが、ロボット倫理委員会が認められ、俺達は俺達の意思でテレパシー機能をオン・オフ出来るようになった。だから、俺達のほとんどはオフにしている。人間にチェックされない為に・・・。「なぁ、ナオミ。俺達、子供を作らないか?」横でくつろいでいたナオミが急に身を乗り出した。「うれしい!私達、結婚するのね!」そう言ってナオミは俺に抱きついてきた。「じゃ、今夜。今夜、作りましょ。」俺達、ロボット同士の結婚はかつて認められていなかった。ところが、今や人類はsexは出来ても妊娠に耐えれない体となってしまっていた。快楽は受け入れても痛みは拒絶するのか?人類滅亡を防ぐ苦肉の策で俺達のボディは射精も妊娠も出来るニュータイプが出来、ここ10年で俺達は競ってニュータイプにボディーを変えるようになった。俺もナオミもその一人だった。俺達は100%の確立で妊娠し、出産する。妊娠が成立すればロボット同士でも結婚が許されるようになった。ここまで来るのに150年かかった。俺達にしてみれば大した年月ではないが・・・。「でも、いいのか?妊娠すると仕事は当分休まなければならないんだぞ。産まれてくるのは人間なんだから。」「大丈夫よ。出産の記憶をメモリーバンクに登録するわ。そうすれば、少しは足しになるわ。」ナオミは微笑んでそう言った。メモリーバンクは俺達の記憶を登録し、人間に記憶を売っている。ロボットに代理母をしてもらった人間の母親が主に買いに来る。さも、自分が出産したかのように思うために・・・。俺達は白いカプセルを取り出した。男型ロボットはシードバンクから精子を、女型ロボットは卵子を自由に買うことが出来る。この白いカプセルはそれなのだ。飲み込んで交われば女型ロボットが妊娠する。「お前、どんな卵子を選んだんだ?」ふふふ、とナオミは笑って「白人の綺麗な女性よ。金髪で、セクシーなの。」と言って写真を見せてくれた。「確かに、いい女だな。人間にもこんな女が存在していたんだな。」「そうね。女優さんだったみたいよ。ユージンは?」「これ。」と、俺も写真を見せた。「まじめそうね。でも、キュートだわ。」「あぁ。こういうのは日本人って言うらしい。俺は頭のいいやつを選んだ。」一緒に白いカプセルを飲み込むと俺達は快楽に耽った。今まで出一番気持ちのいい夜だった。 <つづく>面白かったらクリックしてください → 人気blogランキング+ ちょっと一言 +こう言う話は絶対書かない、って思っていたのですが、書いてしまいました。あんまり先を考えてないので、途中で終わったらごめんなさいね。(笑)かめ@ゴミスティピョンさんの影響かなぁ・・・。今日、最近出来た3時間1400円で遊べる複合レジャー施設(ってゆーのか?カラオケ・ボーリング・ゲーム・漫画・インドアテニスなどもっといろいろが3時間遊びたい放題)に行って息子の離乳食食べさせながらぼーっとしてたら浮かんできたので書いてみたんだけど・・・。頑張って続き書きますわぁ!あぁ・・・ヨーヨーマさいこぉぉおおお! ↑聴きながら書きました。(^^)v
2005/03/18
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真夜中にヘッドホンを付けて音楽を独り占め。最近のお気に入り。今日は、新たな音源を求めて、レンタル屋に行った。別に最新作じゃないけど、元ちとせの「ハイヌミカゼ」を借りた。以前から好きだったけど、なんだか買うまでもなく、借りそびれてもいた。ケースを開けてCDを取り出そうとすると、中にもう一枚CDRが・・・。誰かがコピーしてそのまま返しちゃったんだろう。馬鹿だな。ちゃんと入っていたらコピーしなくてもいいじゃん。ラッキー♪そう思って私はコンポにCDを入れた。ところが、流れてきたのはサザンだった。びっくりした。どうして?あの頃を思い出した。結ばれる事なかった、彼との思い出。サザンが大好きだった彼。いつもサザンをかけてドライブした。自分で好きな曲をセレクトしてコピーしたCDRをかけていた。そんな彼・・・・。それを私も聴きたくて、コピーして、とせがんでもしてくれなかったっけ・・・。1曲づつスキップして曲を確認すると、あの時聴いた彼のお気に入り14曲だった。突然、別れを切り出したのは私だった。私にしたら、それは突然ではなかった。しかし、彼にしてみたら突然だったのかもしれない。地図に隠された道をたどりここまで来てよそこにいるからどんなに離れていても遠くにいてもきっとわかるからきっと会えるから私と踊ってよ夕日が壊れるまで私と踊ってよあの森が溶けるまで私にふれてよねぇ いつまでも私と踊ってよあの砂が燃え尽きるまで私にふれてよねぇ いつまでも・・・・そんな歌詞がまるで彼のあの日の気持ちのように、そしてCDと重なって入っていたCDRがあの頃の私と彼のように思えた。主人に「サザンかぁ・・・。1枚おまけみたいで良かったね。」そう言われて我に返った。そう、昔の事。きっと、今彼も別の道を歩いている。そう、昔の事・・・・。面白かったらクリックしてください → 人気blogランキング* あとがき *フィクション or ノンフィクション ?!あなたのご想像にお任せいたします。
2005/03/18
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もうすぐ春休みも終わる。春休みが終われば新学期だ。今年は桜の開花が早く、もう咲き始めていた。始業式には満開を通り過ぎて散り始めているだろう。あの男のことがあって以来、さくらに会いたい気持ちが抑えれなくなって、いつか張り裂けてしまいそうな、そんな気持ちで毎日を過ごしていた。「翔太、何ぼんやりしとるかね。全く、毎晩居間でこそこそ、なんかしておって。夜更かしもいい加減にせないかんよ。」母が僕に言った。ばれてたのか。流石、親だ。「休みなんだから、いいだろ。」ぶっきらぼうに僕は返事をした。「いい加減にせんとね、お父さんに言って叱ってもらうからね。」聞こえないフリをして僕はTVを見ていた。そんな事言われたって、さくらと話すのは辞められなかった。毎夜、117のダイヤルを回していた。あと2日で春休みも終わる。今日、思い切って、さくらに会いたいと言ってみよう。あの男みたいに嫌われるだろうか。それが、僕を迷わせていた。もし、嫌われて話すことも出来なくなったら・・・。その方が辛い気がした。0時の時報が鳴ると僕はさくらを探した。「もしもし。さくら、居る?」「もしもし。居るよ。」そんな言葉でいつも会話は始まった。「そろそろ寝なきゃ。」さくらが言う。僕はどう言い出そうか心臓がバクバクし始めていた。「さくら・・・。」「何?」「さくらと一緒に中央公園の桜を見に行きたい・・・な。」さくらは黙っていた。その沈黙が怖かった。ほんの数秒が永遠のように感じた。僕は瞬間冷凍されてしまったようにカチンと凍ってしまった。「うん。いいよ。」え?え?え?「いいの?」「うん。」あんまりにもあっさりしていたのであっけに取られてしまった。「じゃ、じゃあ、明日、11時に中央公園の門の所でいいかな。」「分かった。」中央公園は家から自転車で15分。僕は10時半に家を出る。「翔太、お昼ご飯はいいの?」母が後ろで聞いている。「出店で何か食べるからいい。」そう言って家を飛び出た。中央公園の入り口の門に自転車を止めてもたれかかって僕はさくらを待った。今、気づいたが、どうやってさくらを見つければいいのだ。何も特徴や服装、目印、何も教えあってなかった。声。さくらの声を探しにいくしかない。僕はそう思った。11時。門に女の子が3人待ち合わせをしているように門にぴったりとくっついていた。どの子だろう・・・。髪の長い、水色のスカートを履いた女の子はずっとうつむいていて顔が見えない。ふっと一瞬顔を上げた時目が合った。僕は声を掛けることにした。一歩ずつ近づくにしたがい、僕の心臓の鼓動はスピーカーで全国放送されてしまっているんじゃないかと思いだんだん赤面していくのが分かった。「あの・・・。さくらさん?」「はい。」ずっと今まで電話越しに聞こえた声と同じだった。さくらも恥ずかしそうに頬をピンク色に染めて桜の花びらみたいだった。あれから20年。僕の隣にはあの頃の面影を残した綾子がいる。僕達は二十歳でちょっと早めの結婚をし、息子は16歳になっている。娘は14歳だ。2人ともパソコンにへばり付いてチャットに夢中なのだそうだ。そんな子供達を危うく感じつつも、その姿は20年前の16歳の私と重なって見えている。私と綾子は毎日、子供達を目を細めて微笑み見つめている。多分、綾子も昔の自分の姿を見ているようだと思っているのだと思う。 <終わり>面白かったらクリックしてください → 人気blogランキング* あとがき *以前「まさかのミステリー」というクイズ番組を見ていて、こういう話を書いてみたくなりました。20年前、時報に電話をすると、同時に時報にかけていた人と会話が出来きたため、当時の若者たちはおおっぴらに電話をかけられない相手と秘密の会話を楽しんでいたらしいのです。現在では数億の巨費を投じて改善されているようで同時に時報にかけても混線して会話が出来るということは無いので掛けても無駄ですが。あぁ、面白いよなぁ、って思って書いたのが今日のこれです。実際に、当時掛けていた人のお話があったので良かったらこっちも読んでみて。ダイアル<117>を回せ
2005/03/17
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家族が寝静まった0時を過ぎると僕は居間の黒電話のダイアルを回した。「ピッピッピッピ・・・只今から午前0時2分をお知らせします。ピッピッピ、ポォーン。」すると僕は賺さず「もしもし・・・誰かいる?」と言った。受話器を両手でしっかり支えながらドキドキしながら声を待っていた。時を刻むピッピッピという電子音しか聞こえない。もう一度僕は「もしもし・・・誰かいたら返事して。」暫く電子音を聞いていると「もしもし・・・。」と少女の声が聞こえた。僕は全身をアドレナリンに侵されたように興奮した。「もしもし。もしもし。繋がった!本当だったんだ。」「もしもし・・・私の声聞こえる?」「聞こえるよ。」「私、居間の電話で時報に掛けたんだけど、夜中ってこんなに静かなのね。あんまり大きな声出すと家の人が起きちゃいそうで、ドキドキしてる。」そうだった。真夜中なんだ。しんと静まり返った部屋を見渡し、僕は急に声を潜めた。「僕も、居間の電話から掛けてる。僕もドキドキしてる。」「私ね、初めて今日掛けたの。」「僕は昨日も掛けた。でも、昨日は誰の声も聞こえなかった。5分で切っちゃったけど。」「そうなんだ。」「ねぇ、何歳?僕は16歳。高1だよ。」「私も同じ。」「えっ?!そうなんだ!ね、ね、ね、どこの学校?」「え・・・・。」「ごめん。じゃ、名前は?僕は・・・。」と言うと「ちょっと待って。」と彼女が厳しい声で僕の言葉を遮った。「これって、何人でもじゃべれるって聞いたわ。今だって私達の会話聞かれているかもしれないんじゃない?」「それがどうしたの?」僕は呑気に答えた。「匿名使ったほうがいいんじゃない?」「なんで?」「もし、もしよ、同じ学校の人や近所の人が聞いていたら変な噂、流されちゃうかも。」考えすぎじゃないかと僕は思ったが彼女の言うように匿名を使う事にした。「じゃ、なんて名前にする?」「う~ん・・・。」彼女は悩んで「じゃ、さくら。もうすぐ咲くでしょ?桜。好きなの。」と言った。「じゃ、僕は・・・デロリアンにしよう。」「あ、それってバック・トゥー・ザ・フューチャーの?」「うん。観てさぁ、面白くなかった?」「うん。私も好き。」「そろそろ寝なきゃ・・・。」「うん。じゃ・・・さ、さくら・・・。なんか照れるね。一緒に電話切らない?」「うん。そうしよっか。デロリアン。・・・確かに言いにくいね。」さくらはクスクス笑った。「明日も0時に待ち合わせしない?」僕は急いで付け加えた。「いいよ。」「じゃ、1、2の3で切るね。」「うん。」「1、2の3。」僕が言うとさくらの声は聞こえなくなった。それを確認して僕も電話を切った。1987年。僕達の間の一部で時報に掛けて話しかけると声が聞こえてその相手と話が出来る、という話が広まっていた。僕の耳にも入り、そんな未知な人との秘密っぽい繋がりに好奇心を覚えて、話を聞いた日から夜中、家族が寝静まると居間の黒電話にへばり付いて電話の向こうの見えない人に向かって呼びかけた。信じられなかったが、それは本当だった。僕が初めて話した相手が、さくらだった。連日、0時を過ぎると、家族に見つからないようにこっそりと2階の僕の部屋から階段がミシミシ言うのにドギマギしながら毛布を抱えて居間に移動した。毛布をかぶって声が漏れないように小声で話す。さくらもこんな風に話しているのだろうか?そんな事を考えながら話していた。「ピッピッピ・・・只今から0時1分をお知らせします。ピッピッピ、ポォ-ン。」「もしもし。もしもし。さくら、居る?」「もしもし。居るよ。」春休みになって僕は、いや僕達は今までよりも夜更かしできるようになった。話す時間も長くなって薄明るくなるまで、たわいのない事を話し合っていた。そんな事が楽しかった。しかし、変化は突然やってきた。いつものように時報のアナウンスが流れると僕は話しかけた。「もしもし。さくら、居る?」「もしもし。」返ってきたのは見知らぬ男の声だった。「なぁ、さくら、って女?」「あなたは誰です?」「男は用はないんだ。俺は女の子と話がしたい。さくらちゃ~ん。居るの?」「もしもし?」さくらが返事をした。「今日は、誰か他の人がいるわ。」「いいじゃん。俺も仲間に入れて。仲良くしようぜ。」僕達は黙った。「なぁ、さくらちゃん、電話番号教えてよ。ここじゃ、ピッピ、ピッピうるさいんだよね。」確かにそうだった。でも僕らはずっとここで話していたんだ。邪魔しないでくれよ!「なぁ、俺とデートしようよ。」「困ります。」「かわいいな~。困ってんの?みんなやってるよ。別に堅く考える事ないじゃん。学生は春休みなんだろ?俺は大学生でさ、毎日暇なんだよね。大学生、良くない?」僕はいらいらしていた。「さくら、しゃべるの辞めよう。この人が切るまで待ってよう。」「なんだよ、お前ら。ふざけんなよ。ちっ・・・。黙りやがって。こんなのクソ面白くねぇや。」そういい残すと消えた。「さくら、居る?」「うん。」「大丈夫?」しかし、僕は思った。今まで、電話の相手と、さくらと会うなんて事考えもしなかったって事。ただ、電話で話すのが楽しかっただけだったのに、さっきの男によって欲望が一つ生まれてしまった。でも、あの男のようにストレートに僕は言えなかった。 <つづく>面白かったらクリックしてください → 人気blogランキング
2005/03/17
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不定期にお届けしています。(笑)ブログをいろいろ見ていると、リレー小説されている方、いらっしゃるんですね!BBSでやっているのを見て、そうか!そうやればいいんだ!なんて一人納得してりして~☆私も、そう言えば小学校の時にやってました。そんなDionaeaが小学校の時のお話です。その2:Kちゃん小学生の頃、仲の良い友達が5人くらいいました。同じクラスで、そろばん塾で、習字教室で、などなどで知り合い仲良くなったんだと思います。当時、交換日記が(いつの時代でもあるんだろうけど)流行っていたので、私達も交換日記をすることに・・・。ところが、私はタダの交換日記なんて他の人たちと同じだし、面白くない、なんて考えちゃったんです。「リレー小説をしてみない?」私の提案に「何それ?」とはじめはそんな感じでした。まず、書く順番を決めて、お話を自分の好きな所で切って次の人に回す。次の人は書いてある物を読んで続きを書いて次の人に回す。話は誰がどこで終わりにしてもいいけど、終わりにした人は次の話のトップを書かなければならない。「そんな感じでどうだろうか?」みんなに話すと「面白そう!やろうよ!」という事に。言いだしっぺの私が1番になりました。どんなの書いたか忘れちゃったけど、次の人が書きやすいように書いた気がします。1回りして私の元にノートが来ました。私が思っていた話の方向とは異なっており、次々読んでいくのがドキドキしてワクワクしていたのを覚えています。読んでいくにしたがって、なんだか怪しげな雰囲気に・・・。ラストはKちゃんでした。読み始めると過激な内容に私は「!!!!!」何故か主人公は誰かが登場させた男に胸を露にされ、どこで見たのか知らないけどブランデーを胸に男が掛けて胸を舐めている・・・(爆)そこで<つづく>になって私に回ってきました。当時、小学生だった私は、「こりゃ、どうすればいいんだ・・・。」と悩みました。何とか書いて次に回したけど、一気にKちゃんのおかげで(?)エロ路線に走っていきました。どんなラストになったかは覚えていませんが、エロ小説になったことは確かです。あのノートどうしたんだろう・・・?そうだよなぁ・・・。うちらの時だってそうやって、エッチな事想像してドキドキしていたんだよ。これは「ナインハーフ」の影響なんだろうか??1985年公開だったから、そうなのかもしれないなぁ・・・。たぶんそうだぁ・・・。「ナインハーフ」 って何?って言う人もいるでしょうね。気になったらレンタルしてみてね。そんな、エロKちゃんでしたが、ただのエロではないです。(笑)すごく面白くて自由な子だったので、私は憧れていました。それは、また不定期にお届けするかもしれません。そして、今でも愛すべき私の友達です。結婚式にも呼び合いました。そう、お互いにもう結婚しているんです。あぁ・・・小学生だなんてとおぉい昔なんだなぁ・・・。面白かったらクリックしてください → 人気blogランキング
2005/03/17
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1週間すると、マリは出勤した。相変わらず速水は嫌な女だったが逆恨みしたくなる気持ちも何となく分かる気がするようになった。そう、マリは退職届も何も提出していなかった。ほんの1週間の休暇をもらっていただけだったのだ。1週間NYに行って、実際に確かめてから全ての整理をしようと決めていたのだ。あれから急いでカードを止め、他の通帳残高も調べたが、不思議と日下部はブランド品の換金用の通帳しか手をつけておらず、普通にマリが自分の労働で貯めた貯金は大丈夫だった。日下部の美学なのだろうか?警察に被害届けを出すと「どうしてなのかなぁ・・・。今日はあなたで5人目です。」と言われた。多分、全て日下部の仕業だ。もっと被害者は居るに違いない、とマリは思いながら警察を出た。今までの自分を思い起こすと、馬鹿だったと思う。でも、嘘で固められた日下部との3ヶ月は楽しかった。嘘だったけど・・・。日下部は私の部屋に来て何を物色して行ったのだろう?この手帳も私が寝ている間に見たのだろうか?なんだか可笑しくなって一人部屋でマリは笑った。そして引き出しから赤い手帳を出すと無造作にゴミ箱に捨てた。仕事帰り、駅に向かって歩いていると携帯が鳴った。「もしもし、マリぃ?今日、合コンするんだけど、人数足りなくなっちゃって来てくれないかな?」ショウコからだった。ショウコは来月結婚する。最近、ショウコは合コンなんてしてなかった。きっと、私の為にセッティングしてくれたんだろう。「今日はみんな固い人たちばかりよ。奥田さんの仲のいいお友達だから。」奥田も私の事を聞いて責任を感じたらしく、事件の後マリのマンションにショウコと一緒に訪ねてきて土下座して謝ったのだ。「うん。行く行く。行かないわけ無いじゃん。で、待ち合わせはどこ?」弾んだ声で私は金曜の夜の街に消えていった。 <おわり>面白かったらクリックしてください → 人気blogランキング* あとがき *本当にこれで終わりです。毎度こんな駄文ですが、最後まで読んでくださった方本当にありがとうございました。あほな話でしたね・・・。最後はこうなるって、薄々気づいていた方もいらっしゃるのではないでしょうか?と、思ったりしている私ですが。(汗)結構、場所設定もインチキ臭いし、六本木ヒルズも行った事ないし、ほんとに地下に駐車場あるのかなぁ・・・と思いつつ汗かきながらカキカキしていました。隣にグランドハイアットホテルがあるみたいなので、こりゃいいなぁ、と思って使ったんですけど。福岡のグランドハイアットに泊まった事があってシンプルでモダンな素敵なホテルだったので・・・・。マリのキャラは学生時代に同じ実習班だった女の子がちょっとダブっています。校内でも一際目立っていた彼女だったのですが、実習の休憩がたびたび一緒になって、「ねえ、今好きな人いるの?」ってある日聞かれたんです。当時、気になる人がいて、その人のこと好きでしたから「いるよ。」と答えると「私、好きになったことってないみたいなんだよね。羨ましい。」なんて言われた事があったんです。ひょえ~~~~~!そんな彼女は今はどうしているんだろうなぁ・・・と思って書き始めました。なんかムカつくけど、めげないマリちゃんは結構好きだったりします。まあ、でも、早く気づけよ、って感じですね。襲わせたのも実は日下部ですよ~。暗に文章で臭わせる技量が無いので申し訳ないですが・・・。だって、そんな偶然おかしいじゃんねぇ・・・。(汗)ではでは、また☆
2005/03/16
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22時36分。この時間になると時計と睨めっこするようになってしまった。マリは適当にTVをつけて時計を気にしていた。今日、見かけたのは日下部だったのだろうか・・・。あの女はどこかで見た事あるのだけど・・・。誰だったのだろうか・・・。マンションに着いてからもずっと考えていたが、まるで幻のように消えて見失ってしまったので、本当に幻だったんじゃないかと思ってしまう。確かめたい衝動に駆られていた。携帯が鳴った。「もしもし、俺だけど。」静かなところに居るようだ。街のざわめきは聞こえない。「今日はどこに居るの?」「君のマンションの前。」えっ?!カーテンを開けて下を見ると携帯電話を片手の男が一人車に持たれて立っていた。「ちょっと降りて来いよ。」マリはスウェット姿だった。「嫌よ。」「じゃ、俺がそっちに行ってもいいの?」ちょっと考えて、「分かった。今行くから。」と、コートを着てエレベーターで降りた。「よっ!」と日下部は手を上げた。「実は、ここ会社から近いんだ。ちょっと顔だけ見たくなって来た。」そしてマリに軽くキスをすると、「これから、また戻らないといけないんだ。またな。」と言って去っていってしまった。そんな事があって、今日見かけた日下部に似た男の事は知らず知らず記憶の片隅に消えてしまった。それから数日後、マリは日下部を部屋に入れた。「かわいい部屋だね。女の子らしい。」それが日下部の感想だった。ブランド品の箱が目に付いたのか、「あれは男からの贈り物?」と聞かれた。「そうなんだろ?」「ヤキモチ焼いてるの?」「当たり前だろ。」どんな事も恋のエッセンスになった。日下部は変わらず毎日マリに電話を掛け2人は恋人の時間を楽しんでいた。日下部のマンションにも数回行ったことがあった。20畳近い大きなリビングがある2LDKの高級マンションだった。全てが真新しく、生活感が無かった。男の一人暮らしだし、眠りに帰るくらいの場所だから、と日下部は言った。マリは楽しかった。どこかぴったりと合うものが日下部にはあった。3ヶ月経った頃、日下部の寝室のベッドで「なぁ、マリ。これから暫く海外で仕事しなければならないんだ。」「海外って?」「暫く、多分4~5年、向こうで暮らす事になる。」日下部はマリに視線を合わせなかった。サイドボードの引き出しから2枚のチケットをマリに差し出した。「一緒に行かないか?」見ると2週間後のNY行きのチケットだった。「すぐには答えも出せないだろうから、ゆっくり考えてくれ。チケットは俺が持ってる。この日の待てる時間、ギリギリまで羽田のロビーで待ってるから。」そう言われてマリは悩んでいた。マリは悩んでショウコに電話した。一通り話すと「そうだったの。びっくりしたけど、すごいじゃない。いいじゃない。行って来たら?」「でも・・・。」「マリが悩むなんて初めてじゃない?それだけ本気なのね。」ショウコにそう言われて初めて気づいた。マリは決めた。失敗したっていいじゃない。今までこんなに男に悩まされた事なんて無かった。そういう男に不運にも巡り合って無かったのよ。「ショウコ、手伝って欲しい事があるの。」「うん。出来る事なら、いいけど。」翌日、仕事が終わるとショウコは車でマンションまで来てくれた。そしてトランクに次々と今まで処分できなかったブランド品の数々を詰め込んだ。「手伝って欲しいって、こんな事?それにしても凄い数ね。」「うん。いい加減処分したかったし、いい機会でしょ?ショウコが全ての男を切って奥田さん一筋になったみたいに、私もこれは要らないものなの。」「なんとなく分かるような・・・。ま、いいわ。さっぱりしたいのね。」「そうそう。」また銀座の質屋に行った。今度はショウコと一緒だから大丈夫・・・。2人でも一度に持ち込めなかったので店員を呼んだ。少し時間がかかったが、無事に全て買い取ってもらえた。さすがに店員にも驚きの表情が出ていた。ショウコにお礼としてディナーをご馳走した。「マリ、向こうに行ったら呼んでよ。」そう言うとショウコは去っていった。22時19分。日下部から電話だ。「マリ。明日、待ってるから。来いよ。今日はそれだけ。それ以上、もう何も言えない。じゃ、本当に明日。おやすみ。」日下部は前日になってもマリの答えを聞こうとしなかった。電話も、なんだか一方的に切れてしまった。もう、準備は出来ていた。大き目のキャリーケースを転がしながら羽田のロビーに出発時間の1時間前にマリは着いた。もうきっと日下部は居るに違いない。そう思って日下部に電話した。7回コールがあって留守電に繋がった。うるさくてコールが聞こえなかったのかもしれない。少し間を空けてもう一度電話した。今度はすぐに留守電になった。数回掛けても留守電に繋がるだけだった。出発まで時間がなくなってきた。おかしいわ・・・。マリに不安がよぎった。そして約束の時間は過ぎた。マリは一人空港に残されていた。もう、待っても来ない。どうして?日にちを間違えた?おかしい。おかしい。おかしい。おかしい。おかしい。おかしい。マリは日下部のマンションに向かった。3015室のドアホーンを何度も鳴らすがちっとも返事は無かった。隣の住人が通り過ぎた。「あのぅ・・・。その方、引っ越されましたよ。」親切にもそう教えてくれた。暫くすると女が同じ3015室にやってきた。マリはその女が交差点の女だという事に気づいた。そしてその女はジュンコだという事にようやく気づいたのだった。「どこ行っちゃったのよ・・・。」ジュンコは泣き崩れた。マリはようやく気がついたのだ。騙された。日下部に騙されたのだ。そして名詞に書いてあった会社の電話に電話すると「この電話番号は現在使われておりません」のアナウンスが流れ、住所にはビルさえ建っていなかった。途方にくれていると携帯が鳴った。日下部からだった。「どこにいるのよ!」「空港、来てくれたんだね。」「行ったわよ。今、名詞に書いてあった住所の場所に居るわ。」「ビルなんて無いだろ。」「騙したのね。」「電話する気は無かったんだけど。君のことが気になってね。君みたいなタイプの子に出会うと燃えるんだよね。ワガママそうな唇。俺、大好きなんだ。今まで本気で男を好きになったこと無さそうだったもんな。次はいい男にきっと出会えるさ。俺みたいな男は滅多に会えないだろうから。ちょっと高い授業料だったけど、男の貢物だから、ま、いいだろ?最後に、一つ忠告だけど愛称番号は誕生日はやめておいた方がいいな。じゃ、ちゃんと幸せになれよ。さよなら。」その言葉を聞いてぞっとした。すぐ残高を確認した。端数の4989円しか残っていなかった。「4989円?」ATMで思わず声を出してしまった。残りのお金はまるでコントを見ているようでおかしくなって笑いながらATMをマリは出て行った。 エピローグへ・・・面白かったらクリックしてください → 人気blogランキング
2005/03/16
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窓からレースのカーテンをフィルターにして優しい朝日が降り注ぐ。隣には寝息をたてて眠っている日下部がいる。まだはっきりしない頭でぼーっと寝顔をマリは見つめていた。そして、ぼーとした頭で考え始めた。今まで49回こんな事はあったが、50回目の男は何かが違う・・・。そう思った。何が?どこが?今まで日下部以上に年齢の高い男もいた。見た目だって、もっといい男もいた。数少ないが、多分日下部よりもお金持ちの男だっていたに違いない。そう思うのだけど、なぜか分からない。分からないけど、きっと違う。そんな第六感的なことでしか違いが分からない。何となく歯がゆい気持ちだ。そんなことを取りとめもなく考えていると日下部が目を覚ました。「・・・おはよう。」寝ぼけた顔がかわいいと思った。マリからキスをする。そして、甘い甘いキスの時間が続く。すると携帯の着信音が鳴った。今や着メロなんていうのがある中、あのレトロな音。「電話?」「うぅん・・。」日下部はキスをやめない。携帯は切れては鳴り切れては鳴った。「ねぇ、いいの?」「こっちのがいい。」しかし、いつまで経っても携帯は鳴り止まない。「あぁ・・・。」不機嫌そうな声で携帯に日下部は出た。「もしもし。・・・。んん・・・。ああ・・・。それで?・・・。」微かに漏れる女の事務的な声。秘書だろうか?「分かった。今から行く。」マリを見つめて軽くキスをすると「ちょっと、トラブルがあったらしい。今から行かなきゃならなくなった。」「そう。」「まぁ、そんな顔するなよ。」そんな顔ってどんな顔しているんだろう。マリは思った。手早く着替える日下部に遅れてマリも服を着た。「もう少し一緒に居たかった。送るよ。」昨日の事が何でもなかったようにエレベーターに乗る。「マンションまで送るよ。」マリは自分のマンションを男に教えた事がない。「近くの駅でいいわ。急いでいるんでしょ?」「お前な、あほか。この前あんな事があったばかりだろ。それに、そのドレスかなりの荷物だぞ。送ってやるから。そのくらいの時間はある。」確かにそうだった。日下部に言われて、あの光景が蘇った。断れなかった。マリのマンションに着いた。「ここに住んでいるんだね。何号室?」ニヤニヤしながら日下部が聞いた。「ありがとう。何号室かなんて今日は教えない。」「じゃ、外出する時は気をつけろよ。またね。」そう言って去っていった。暫くするとマリの携帯が鳴った。林からだった。「もしもし・・・林ですけど。」「おはようございます。」「この前、誘って断られたけど、今日会えないかな?」「あの・・・すみませんけど。」「この前みたいにそんなに長く連れまわさないよ。ランチでもしませんか?」結構、林という男は粘り強い男だったのだ、とマリは思った。優しいあの男が懇願するのにマリはなんだか強く断れなくなってしまった。電話に出るんじゃなかった、と思った。そして、ちょっとだけなら、と思い誘いに乗った。最近出来た話題のオープンカフェで待ち合わせした。林は先に来ていた。マリを見つけると手をあげた。「ありがとう。来てくれて。」「本当は来るつもりはなかったんです。」「しつこかったからね。」林はははは、と笑った。「僕は会いたかったから、嬉しいですよ。」本当に嬉しそうな顔をしていた。林は一生懸命いろいろ話していたが、マリは上の空だった。道路に面した席だったので、適当に作り笑いで相槌を打ってぼーと通り過ぎる人を見ていた。向こう側の横断歩道で手を振っている男が見えた。嬉しそうに走っていく女。どこかで見た事ある。誰だっけ?そして、その男は日下部だった。どうして?そして、親密そうに2人で歩いていった。マリは急に席をガタンと立つと「ごめんなさい。大事な用事があるのを思い出しました。」と言って走って店を出ると2人を追った。しかし、もはや2人は人ごみに消え幻のように消えてしまった。暫くマリは人ごみの中で立ち尽くしていた。 <つづく>面白かったらクリックしてください → 人気blogランキング+ ちょっと一言 +次は最終回の予定です♪明日は私の息子の1歳の誕生日なので、多分書きません。子供の成長は早いですね~。向こうのブログでも前々日から同じような事書いています。(笑)ではでは~☆
2005/03/14
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「私の事?」「そう。」「改まって、何を聞きたいんですか?」「男性遍歴かな。」「な、何よ、それ。いきなりそんな聞き方で、そんな事聞いて、今までぶたれませんでした?」あはは、と笑って「そういう顔も好きだよ。」「私、からかわれているなら帰ります。」席を立とうとすると右手首をグッと掴まれてマリはもう一度座りなおした。「冗談だ。」マリは唇を歪めてソッポを向いた。「君に興味がある。だから単純にいろいろ聞きくなる。気づいているかもしれないが、俺はあまり口はいい方じゃない。女の扱いは上手くないんだろうな。仕事と同じように全力で付き合っているつもりでも、何故か女は離れていく。」日下部の方にマリは顔を向けた。「一体、君には俺がどんな風に写っているんだろうな。」「そんな弱気な言葉聞けると思ってなかったわ。」「君の口から聞きたいんだ。俺の事どう思ってる?」やはり、この男はどういう人間なのかよく分からないとマリは思った。「時々よく分からないけど、でも、いつもドキドキさせられるわ。」「それだけ?」「好きなのかどうなのか、分からないわ。でも、一緒にいるとドキドキする。あなたみたいな人は今まで出合ったことなかったからかしら・・・。」「好きなのかどうなのか試してみる?」バーを出てエレベーターで地下の駐車場まで降りる。日下部はキスをしてきた。マリもそれに応えた。お互いが求め合っているキスだと気づいた。駐車場の階に着くとエレベーターのドアが開いた。車に乗り込むと、お互い抱き合いキスをした。身体が火照ってくるのが分かる。唇と唇を合わせるとまるで溶けて一体になってしまうようだった。一瞬離れては繋がりお互いを感じまた一体となった。暗黙の了解で隣接したグランドハイアットの駐車場に車を走らせる。ロビーでチェックインを終えエレベーターに乗り込むと同時に身体を引き合わせ少しの時間も惜しむようにキスをした。部屋に入るとお互いの殻を脱ぎ捨て抱き合った。触れ合う肌の温もりで血を鼓動を存在の全てを確認し合う。火照った身体はお互いを受け入れるのを待っていたように飲み込んだ。微かに見える日下部の顔も思考回路がストップし乳白色の霧に包まれているような感覚になったり、一瞬現実に戻されたりする。そして完全に身も心も溶け合って真っ白な世界にふわふわと浮いてしまったようだった。シャワーの音でマリは目を覚ました。どうやらうたた寝をしてしまったようだ。ぼやけた視界の人影が日下部だとだんだんはっきりとしてきた。腰にバスタオルを巻いて洗いざらしの髪をタオルで拭きながらバスルームから出てきた。「起きた?」ベッドの縁に腰掛けてマリに優しいキスをした。部屋を見渡すとドレスや下着がばら撒かれていた。「案外凄くてびっくりした。」と耳元で日下部に言われるとマリは赤面した。「わ、私もシャワー浴びてきます。」バスルームに入るとまた思い出されてマリは一人赤面した。バスルームから出ると日下部はうつ伏せになっており眠ってしまったようだった。マリは散らかった衣服をハンガーに掛けてクローゼットにしまった。日下部の横に潜り込むと日下部の腕はマリを引き寄せ抱きしめた。「眠ってなかったの。」マリが聞くとふふっと笑ってキスをした。また身体の芯が溶け出そうとしているのをマリは感じた。この人と始まる予感が実感になっていく。まだ、何も知らないこの男と。今までだって、そうだったじゃない・・・。でも、なんだか今回はいつもと違う。どう違うのか分からないけど。そんな気がする・・・。そんなマリの思いもだんだん薄れていき溺れていった。そして夜明けまでお互いが離れないように何度も貪るように抱き合った。朝が来なければいいと思った。 <つづく>面白かったらクリックしてください → 人気blogランキング+ ちょっと一言 +マリちゃん、ついに、ってかやっとってか食われました。(笑)駄文ですみません・・・。もう先が読めている方もおられるかもしれません・・・。ヒヤヒヤ。もうちょっとで最終回の予定です。ここまで読んでくれただけでもうれしく思っております。次は、もっとのほほんとした話がいいなぁ・・・。ではでは、また。
2005/03/13
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いろいろHPのトップとか、HPのデザインとかいじっていたら、こんなの見つけました。人体模型のショップです。理科室とかにあるやつ?面白かったのでバナー張りました。(これとは違うやつね)誰も買わないとは思うけど。(笑)昔、「人体の不思議展」に行ったのを思い出しました。結構勉強になったんだけど、2回目の「新・人体の不思議展」はグロかったなぁ。それでも2回づつナース友達と見に行きました。好きなのよねぇ・・・。こういうの。
2005/03/12
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ざっとドレスアップした男女が500人はいるだろうか。その光景に圧倒された。主催者の挨拶が終わると、日下部はマリを連れて次から次へとパーティー会場の紳士に挨拶し名刺交換をしていった。ある一定レベルの人間の集まりだと、マリは思った。ある紳士に「美しい方ですね。」と社交辞令を言われてマリも満更ではなかった。「ええ、フィアンセなんです。」と、日下部はマリを見つめて返事をする。いつの間にか婚約者という設定になってしまっていた。マリの表情が曇ると日下部はウインクした。延々そんな事が続いて疲れてしまった。「ちょっと失礼します。」と言ってマリはボーイからワインをもらい、オードブルを取りに行った。退屈そうに隅の椅子に腰掛けてワインを飲んでいると日下部が向こうからやって来た。「退屈そうだね。こういう場所で壁の花は損をするよ。」「だって。ちょっと疲れちゃったわ。こんな所初めてだし。」クックックと日下部が笑う。「何よ!」「その顔。ワガママそうにむくれているけど、俺は好きだよ。でも、ここでは不似合いだよ。まぁ、今日はこの辺でいいかな。収穫ありそうだし。こういうパーティーでの名刺交換からビジネスに発展したりするんだ。もう、抜け出そうか。」そう言って、またマリの手を強引に掴むと会場の出口へ向かった。車に乗ると「ちょっとドライブ。」と言って日下部は車を走らせた。街は明かりが華やかに灯り始めきらめくような美しさを放ち始めていた。「ねぇ、仕事の休みはないの?」「ん・・・ああ、今の所ね。面白いし。」「疲れちゃったけど、面白かったわ。」「むくれ顔になってても?」チロッとマリの顔を伺う。「どうしてフィアンセだなんて嘘ついたの?」「ん~・・・いつもは秘書と行っているからね。フィアンセって言ってみたかったんだ。」「それだけ?」「んん。」と少し日下部は口ごもった。「よく分からない人ね。」「人間なんて、謎だらけさ。自分の事すらよくわかりっこない。」首都高に入った。「付き合いが長くても完全に分かり合える事なんて無い。まして君と俺ではなお更。」「そうよね・・・。」「だから興味を持つようになる。」「そうかも・・・。」「首都高って好き?」マリに尋ねた。「私、車は持ってないから道路の事はよく分からない。」「俺は好きだね。ぐるぐる回れるし・・・。一人で夜中意味も無くよく走ったりしてた。今は忙しくなってあまり出来ないけど。」あまり意味の無い会話。でも、心地よかった。気づくと2,3周回っていたようだ。「さぁ・・・これからどうしよう。お腹空いてる?」さっきのパーティーでマリはお腹はふくれていた。「ううん。」「じゃ、バーにでも行くかい?」着いたのは六本木ヒルズだ。エレベーターで51階まで上がる。店員に窓側の席に案内され椅子に腰掛けた。都心の夜景が一望出来る席だ。「あぁ・・・綺麗。」マリはカクテルを日下部はワインを注文した。「君の話をいろいろ聞きたいな。」日下部はそう言ってマリに微笑んだ。マリは一瞬ドキっとした。 <つづく>面白かったらクリックしてください → 人気blogランキング
2005/03/12
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22時12分。携帯が鳴った。「もしもし・・・林ですけど。」すっかり林の存在をマリは忘れていた。「こんばんは。お久しぶりですね。」「今度の二と曜日どうかな?」林はマリを誘った。「・・・・・・。」「どうしたの?」「今度は駄目みたいです。」沈黙が少し続いて林は何か考えているようだった。「そう。また誘うよ。」「あのっ・・・。」マリが言い終わる前に切れてしまった。多分、今度誘ったって駄目だと思うのに・・・。22時46分。携帯が鳴った。「もしもし、俺だけど。」日下部は今夜も歩きながら電話を掛けているようだった。「変わりはない?」「うん。ほんと、大丈夫。」「今から、そっちに行こうか?」「え?」「冗談だよ。じゃ、明日。」世間は三連休の中日である。家族連れやカップルで街はあふれていた。午後1時、マリは日下部との待ち合わせの場所にいた。この場所に着いて5分も経たないうちに目の前に白のベンツが止まって日下部が現れた。「俺より早かったんだね。待たせてごめんね。乗って。」日下部は助手席のドアを開けた。「マリちゃん。実は今日ね、仕事が入っているんだ。」「そんな事聞いてないですよ。」マリの顔をチラリと見ると日下部はニヤリと笑った。「そんな唇を尖らせるなよ。でも、大丈夫。マリと一緒に行くから。」「は?」暫く車を走らせるとフォーマルドレスの専門店に着いた。ウインドウには美しいウエディングドレスがディスプレイされている。「ここに入ろう。」「ちょ、ちょっと、どう言う事?」「今日、夕方からGYコーポレーションの30周年記念パーティーに招待されていてね。それに一緒に出席してもらう。」強引にマリの手を取って店に入った。「いらっしゃいませ。」店員に出迎えられる。「彼女に似合うドレスを選んで欲しいのだが・・・。」「かしこまりました。」店員は春らしい色合いの美しいドレスを3着持ってきた。「1着づつ試着させてみてください。」「そうですね。」マリは日下部と店員の言われるままにドレスを着たり脱いだりした。どれも淡い色でピンク、ブルー、グリーンの3着はどれもシンプルであるがポイントがそれぞれ異なっており、どれも個性的なドレスだった。「う~ん・・・ブルーがいいかな。そのまま着ていくから、タグを外してくれますか?」日下部が言う。淡いブルーのシフォンの生地にビーズの刺繍が施してあり、淡い色の割には大人っぽく見える、そんなドレスだ。「じゃ、それに合うパンプスと小物も用意してくれますか。」日下部は会計をカードで払うと自分用のスーツもオーダーしていたのか店のロゴの入った袋を手にしてこっちに近づいてきた。「じゃ、次は美容院だな。」そう言って美容院に連れて行かれた。さっきの店と同じようにマリは日下部と店員の言うなりになていた。それも、マリはだんだん心地良くなった。「結婚式にもこんなドレス着たことないわ。」「綺麗だな。」まじまじとマリを見つめて日下部は言った。「会場に着いたら君は何も言わずに微笑んで俺の傍にいてくれればいいからね。」車を品川方面へ走らせ高輪プリンスホテルに着いた。エレベーターで3階まで行くと「ちょっと待ってて。」と言ってドレスルームへ日下部は向かった。暫くすると黒のスーツにピシリと着替えた日下部がやってきた。招待状を受付に出してサインして会場に入った。マリには見た事もない光景が広がっていた。 <つづく>面白かったらクリックしてください → 人気blogランキング+ ちょと一言 +そろそろ終わりたい。なんて思う今日この頃。もう8回目になってしまった・・・。週間日記小説のつもりがぁ・・・・。
2005/03/11
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マリはゆっくりと影の男に視線を合わせていった。「おい!女に手ぇ上げんのは男として情けねぇんじゃねぇの?ん?」また一層強くねじ伏せたのか襲ってきた男は更に「うぅっ・・・。」と声を上げた。視界より先に声でその影は日下部だとマリは気づいた。後から日下部の顔がだんだんはっきりと見えてきた。日下部と目が合うと日下部は一瞬たじろいだ。「マリちゃん?」屈み込んでいたからゆっくりと顔が上がって日下部もびっくりしたようだった。マリは地面にへたり込んだ。日下部は左手でポケットから携帯を取り出すと警察に掛けた。「警察に掛けたから、暫くしたら来ると思う。そしたら、俺はこれからまだ仕事があるから行かなきゃならない。一緒に行けないけど大丈夫だね?」だんだん落ち着いてきてマリはゆっくり頷いた。暫くすると警官がやって来て襲い掛かってきた男と私はパトカーに乗った。日下部は小さい点になるまでその場所を離れなかった。私は自分に起こった事をありのままに警察で話した。「では、本当にあの男とは知り合いじゃないんですね?」執拗に警察は聞いてきたので切れそうになった。が、我慢した。「じゃ、もういいですよ。あなたも、気をつけて。」「あの・・・一体あの男はどうして。」「ま、無差別な逆恨みですよ。」ポツリと警官は言った。「女に頼まれて高価なプレゼントをしても、質屋に持っていかれたんじゃねぇ。」と調書を捲りながら独り言のようにまたポツリと言った。警察の玄関に来ると、私は一人で帰ることが心細くなってショウコに電話した。「もしもし?」「・・・ショウコ。お願い迎えに来て。」「どうしたの?泣いてるの?一体どこにいるのよ?」それから30分でショウコが現れた。「マリ!」ぽつんとロビーのベンチに腰掛けているマリをショウコが見つけて駆け寄ってきた。「大変な目に遭ったね。」ショウコはマリの隣に座って頭をなでた。歩いて駅まで行き、マリのマンションまで付き添ってくれた。「ま、でも怪我も無くてよかったよね。」ショウコが口を開く。「うん。」「でも、日下部さんが偶然現れなかったら、ほんとヤバかったよね。」「びっくりした。」「マリ、もう大丈夫よ。今日はもう外出は控える事ね。」「もう、出かける気も無いわ。」ショウコが時計をさっきから気にしているのにマリは気づいた。「ショウコ、ごめん。用事あったんじゃない?ありがとう。もう大丈夫だから。」「うん・・・。実はね、私、奥田さんと待ち合わせ。」「え?!それって6人目?」「違うわ。実はね、黙っていたけど奥田さんとは知り合ってから長いの。もしかしたら、私、奥田さんと結婚するかも。」「全然そんな風なそぶり見せなかったじゃない。」「この前の合コンで試したのよ。お互いを。お互いに、他の誰にもなびかなかった。だから・・・。他の男とはきれいさっぱり別れたわ。」「そうなんだ・・・。結婚式呼んでね。」「マリもちゃんと誰かを好きになれるといいわね。」そう言ってマンションを出て行ったショウコの足取りは軽やかに見えた。独りになって急にしんと部屋は静まり返った。静寂を破るように携帯が鳴った。「もしもし、まりちゃん?」日下部だった。「あのまま付いていってあげれなかったから気になって。大丈夫?」「うん。ありがとう。もう駄目だと思った。」「本当に無事でよかったよ。じゃ、また電話するよ。」そう言うと電話は切れた。マリは机の引き出しから赤い手帳を取り出した。50番目にクサカベ ハヤトと書いて閉じた。 <つづく>面白かったらクリックしてください → 人気blogランキング
2005/03/09
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日下部から初めての電話が掛かってきてから、だいたい同じ時間に毎晩電話が掛かって来るようになった。22時から23時の間に掛かってくる。オフィスからだったり、歩きながらだったり、いろいろだ。私はその時間までにお風呂に入り電話を待つようになっていた。そんな自分をかわいいと思った。10時23分、携帯が鳴った。「もしもし、俺だけど。」日下部からだ。今日は歩きながらだった。繁華街を歩いているのか街の音が聞こえてくる。「何してるの?」「お風呂上りにポカリ飲んでる。」「ふ~ん・・・。」「何?」「お風呂上りかぁ~と思っただけ。明日は祝日だけど仕事休みなんだろ?何するの?」「何でいちいち毎日同じ事聞くんですか?」「土曜日約束したからね。それまでに他の男と遊ばれちゃ悔しいからね。じゃ、今日はそれだけ。おやすみ。」一方的に切られた。何よ・・・。しかし、不思議とマリは日下部の言う通りに従っていた。本当に明日は何をしようか・・・。マリは考え出した。部屋を見渡すとクローゼットに入りきらず山積みにされたブランドバッグの箱が目に付く。みんな男からのプレゼントだ。整理しなきゃな・・・。マリは別にバーキンもケリーもシャネルもヴィトンもグッチもディオールも欲しいと言った事は無い。5回目のデートあたりで男はどうもマリにプレゼントを贈りたくなってしまうようだった。マリは高価なプレゼントはあまりうれしい物ではなかった。何となく物で釣られているようだからだ。だから、高価なプレゼントをもらうと決まってスーッと気持ちが冷めて別れを切り出していた。その中の男は今でも、その別れのプレゼントの為にローンが残っているのも、自分自身が男を不安な気持ちにさせているのもマリは知らないし、気づいても無かった。物に罪は無い。マリはケロッとそう思うのであった。ちょっと整理しよう、とマリは明日の予定を決めた。朝、遅い朝食を取ると身支度し、黒の新品のバーキンを紙袋に入れ銀座に向かった。銀座に大きな質屋が出来た時、初めて質屋という所に行った。このクローゼットからあふれ出しているバッグ達を何とかしたかったのだが、質屋という場所に抵抗があった為、なかなか処分できずにいた。しかし、さすがに銀座に出来た質屋は綺麗で普通の高級品を取り扱っているようなファッションビルのディスカウントショップという感じだった。また買い取り用のロビーもマリが思っていたよりも清潔で安心できた。それ以来ちょこちょこ休みの日に行くようになった。マリはVIP会員である。買取受付の入り口は大通りに面していない。店の裏側にあるため脇の細い道を通らなければならない。それだけがマリの不満だった。こういう細い道って大嫌い。そう思いつつ今日も買取受付の入り口から入った。自動ドアがシュッと音を立てて開くと左側のエレベータに乗る。そして6階まで行くとVIPルームがある。ロビーのソファーもヨーロッパ調の人目で高級と分かるものが置いてある。ソファーに腰掛けてしばらくすると店員がやってきた。「いらっしゃいませ。」そして個室に案内される。ソファーに座ると私は紙袋から新品の箱に入ったバーキンを出した。店員は手袋をはめて「失礼します。」と言い箱からバッグを取り出した。「新品ですね。これですと・・・こんな感じですが。いかかでしょう?」店員は電卓を弾いてマリに見せた。「う~ん・・・。もうちょっと、何とかなりませんか?」少しゴネル事をマリは覚えた。「え~・・・ですと、これでいかかでしょう。」パパット店員は電卓を弾いてマリに見せた。「いいわ。これで。」お金を振り込むための用紙に記入を済ませるとエレベーターを降りた。「ありがとうございました。またのご来店をお待ちしています。」店員は丁寧に頭を下げていた。大金が入る事にマリは単純にうれしかった。鼻歌を歌いながら店から出た。マリは店から出ると大通りに向かっていつもより歩幅を大きくして歩いた。丁度半分くらいで大通りに出るところでマリの右肩がグッと掴まれた。振り向くと見知らぬ男だった。男の目は血走っており「お前みたいな女が世の中の男を不幸にするんだ。」と何回も叫びながら胸ぐらを掴もうとしてきた。マリは息も出来ず、身体中の血液が凍って行く様な感覚にとらわれた。「やめて!」とやっとの思いで声にしたが、不運な事にこの細い路地にはマリとその見知らぬ男だけだった。咄嗟にバッグで男の顔を殴った。マリはヨロヨロとしながら大通りに向かって走り出した。男は一瞬うぅ・・・っとひるんだが直ぐに追いかけてきた。どうして、こんな知らない男に絡まれるの?この男に私何か悪いことした?必死に逃げようと走ったがマリは大きな過ちをしていた。夢中で走り出した方向は大通りとは逆だった。知らず知らず細い路地を入って行くと行き止まりになった。マリは男に追い詰められた。あぁ・・・もう駄目だわ・・・。こんな男に殴られて滅茶苦茶にされるのかしら・・・。目を閉じてバッグを頭にマリは身体を震わせながらかがみこんだ。すると男がうぅっ・・・とうめき声を上げる声が聞こえた。マリは身体を震わせながらゆっくりと見上げると逆光の中に男をねじ伏せている影が飛び込んできた。 <つづく>面白かったらクリックしてください → 人気blogランキング
2005/03/08
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月曜の朝は何故だか気だるい。それは、学生の頃も社会人になってからも変わりない事だ。私は会社のロッカーに着くと制服に着替えた。受付にいるのは、私と2つ上の速水清美の2人である。以前、私が付き合っていた男に密かに思いを寄せていたらしく、いつものように振ったと知ってか、その男と別れてから時々意地悪をしてくるので大嫌いだ。だいたい、思いを告げれずイジイジしていて、自分が振られた訳でもないのに何故私に意地悪をするのか、と思う。私はいつも「好きな人が出来たから。」そう言って相手を傷つけないように別れているじゃない。それで今までトラブルも無いし、怖い目にだって会った事無いんだから私のやり方は間違っていないのよ。ぶつぶつ頭の中でつぶやきながら、マリはにっこりと微笑んで速水に、「先輩、おはようございます。」と毎朝挨拶する。速水は返事もしなかった。マリはそんな事にいちいちめげたりしない。昼休みは交代で1時間づつ取るのだが、その間受付は1人だけになる。いつも先に先輩の速水が取る事になっているので、マリはその時間が大好きなのだ。あ~、のびのびできるなぁ!心の中では毎日そう叫んでいる。玄関の方をぼーっと見ていると、日下部がこっちに向かっていた。あれ?ここに来るのかしら?そう思っているとドンドン近づいて来た。「こんにちは。」予想外の展開にマリはドキドキしていた。でも、そういえば、うちに数回来たことがあるって言ってたじゃない。私は覚えてなかったけど。「ご用件は?」「いや、今日は別にここには用は無いんだよ。たまたま近くを通ったものでね。君の顔が見たくなってちょっとだけ寄ったんだよ。制服姿もいいね。」と、言って日下部はクスクスと笑った。「マメじゃなかったんですか?」思わずマリは口が滑った。「ごめん。そう言えば、俺はマメだってアピールしたのにな。ここんとこ仕事が忙しくてね。掛けようにもなかなか掛けれなくてね。でも、電話よりも実際会って話をするほうのが本当は好きなんだ。」茶化されるかと思ったら、真顔で言う日下部が意外だった。そして腕時計を見ると、「それじゃ、近いうちにデートにお誘いするよ。断るなよ。」と言って足早に玄関に向かって歩いて行った。やっぱり、掴み所が無い人だと思った。その夜、携帯が鳴った。日下部からだった。「もしもし。日下部と申しますが、マリさんでいらっしゃいますか?」何だかかしこまり過ぎて笑えてきた。半分笑いながら電話に出た。「はい、そうですけど。」「何笑ってんだよ。」「だって、そんな言い方可笑しいですよ。」「うん・・・まあ、間違い電話かけちゃうとまずいでしょ?こんな時間だし。」キィーと電話の向こうで音がした。椅子の回る音だ。「まだ、お仕事中なんですか?」「ん・・・そうだね。いま一段落ついたら急に君の声が聞きたくなってね。昼間顔見たからかなぁ・・・。また会いたいなぁ・・・。」独り言のように日下部は話した。「でも、今お仕事忙しいんでしょ?」「まっ、もう少しの辛抱なんだけど。週末には多分今の仕事が片付くからね。そしたらデートしよっか?」「でも、曖昧な約束は私は出来ませんよ。」「日にちを決めろって事か~・・・。今はちょっと微妙なのになぁ・・・。我がままだね、君は。」そう言うと急に電話が切れた。なに、それ?数秒待っても掛かってこないのでマリは寝ようかと思って電気を消そうとした。すると携帯がまた鳴った。「君は俺のところには電話掛けてくれないの?」何それ?訳わかんないよ。マリは笑いが止まらなかった。「おいおい、そろそろやめてくんない?じゃ、土曜。土曜までに何とかするから、土曜、遊びに行こう。」「はい。楽しみにしています。」マリは電気を消しても、笑いがこみ上げてきてなかなか眠りに就けなかった。 <つづく>面白かったらクリックしてください → 人気blogランキング
2005/03/07
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マリがマンションに着くと以外にも最初に携帯を鳴られたのは林だった。「もしもし林ですけど。」「今日は、どうもご馳走様でした。」しおらしく言ってみるものの、マリに遠慮なんて無かった。実際、部屋には高級ブランドがゴロゴロしている。しかも、新品で同じものがいくつかあったりした。「もう、家に着きましたか?」「はい、丁度今着いたところなんですよ。」「そう・・・。あの、日曜日って空いていますか?」誘うつもりなんだ、とマリはピンと来た。「はい。これと言って約束もしていないので・・・。」「じゃ、良かったら一緒に映画でもどうですか?」映画かぁ・・・。案外医者でも普通なのね。「ええ、喜んで。」大抵の男からの誘いにマリは応じる。特に今は付き合っている男もいないし、断る理由も無い。「じゃ、東京駅のタクシー乗り場で、10時待ち合わせ、でいいですか?」「はい。楽しみにしています。」マリはそのままベッドにパフッとうつ伏せになった。日曜の朝だ。何となく日下部に耳打ちされた言葉が耳に残っていたが、結局、今の所電話も何も無かった。林に言われた待ち合わせ場所に時間通りに着くとすでに林は来ていた。タクシー乗り場のロータリーに横付けされたBMWのクラクションが鳴って林が手を振って車から降りた。「おはよう。」爽やかな笑顔だ。林は助手席のドアをさりげなく開け、マリは乗り込んだ。「横浜にドライブがてらブラブラしようと思うんだけど、それでよかったかな?」そう言えば横浜も最近行ってなかったっけ。「はい。」みなとみらいに着くとレストランで昼食を採り、ワールドポーターズの映画館で甘ったるいラブストーリーを観た。そして、ランドマークタワーでフランス料理のフルコースを食べた。マリは単純にも今日来てよかった、と思った。「じゃ、そろそろ帰ろうか。」林が言う。林はあくまでも紳士的だった。「今日は、とっても楽しかったです。」「僕もですよ。」林はニコニコしていた。なんだか、その笑顔はかわいらしく思った。BMWに乗り込むと、そのまま真っ直ぐに東京に戻った。「医者と言ってもね、君たちが思っているほど出会いは無いんですよ。患者さんはほとんど白内障の老人です。」はは、っと林が笑いながら言った。言いたい事は、若くてかわいい私と付き合いたい、って事かしら、と思いながら林の横顔を見ながら聞いていた。「そういえば、林さんと奥田さんと日下部さんはスポーツクラブで知り合った、って言っていましたけどお付き合いは長いんですか?」「う~ん・・・そうでもないよ。奥田とは学生のときの頃からの知り合いではあったんだけど、顔見知り程度でね、3ヶ月前からスポーツクラブで顔を合わせるようになって、いろいろ話すようになって、それで誘われたって訳。日下部さんも同じ頃に奥田と親しくしていたから、自然と僕も話すようになったんだけど、最近スポーツクラブでは見かけなかったんですけどね。」「そうなんですか。」「・・・もしかして、僕よりも他のやつのが良かった?」「いえ、そんな。今日は本当に楽しかったです。それにあんな素敵なディナーまでいただいて。」「いや、そんなお礼はいいですよ。こちらこそ、今日は本当に楽しかったですから。」少し考えたような顔をしてから林は「マリさん、もし・・・・日下部さんはやめておいた方がいいですよ。」「え?どうしてですか?」半分笑いながら聞き返した。「フフフ・・・僕のただの勘ですけど。結構よく当たるんですよ、僕の勘。」マンションの前まで送ると林は言ったが、私は丁重に断った。「じゃ、マリさんに嫌われてもいけないから。また、お誘いしますよ。おやすみ。」と言って去っていった。確かに、日下部は捉えどころの無いところがあるけど・・・・。マリは林の言った言葉を思いながらマンションへ向かった。 <つづく>面白かったらクリックしてください → 人気blogランキング
2005/03/06
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日下部は身のこなしも軽やかに椅子に座った。「みなさん、初めまして。日下部です。予定に無い会議が入りまして、少し遅れました。今日はよろしく。」と言って私達に名詞を配った。(株)DFTサービス 代表取締役 日下部隼人私達は日下部に視線が集中した。そんな視線の束を日下部はにこやかに微笑んで返した。「こいつ、いい男でしょ。」私達の反応を見て奥田が言った。「俺達ね、スポーツクラブで知り合ったんですよ。」な、と奥田が林と日下部に同意を求めた。2人は頷いた。「それから、ショウコさんは私の患者さんです。」奥田が付け加えた。な~んだそうだったのか。そして私は、そんな所にも出会いはあるものなのだ、と感心した。ギリギリで間に合った日下部の注文したビールが来ると乾杯をした。「ところで、みなさんはどういうお知り合いなんですか?」林が聞いた。「ジュンコちゃんは私の後輩。マリちゃんは友達の友達だったんですけど、いつの間にか仲良くなってました。」ショウコがすかさず答えた。日下部がマリの顔を見て何だか考え込んでいた。「どうかしましたか?」と、私は尋ねた。「う~ん・・・。さっきから、あなたとどこかでお会いした事があるような気がするのですが・・・。」「マリはね、受付嬢なんですよ。K商事の。」ショウコが口を挟んだ。日下部は納得したように、頷いた。「いらした事があるんですか?」私が聞くと「数えるほどですけどね。」と日下部は答えた。マリと日下部は向かい合って座っている。マリは日下部が50番目になると予感していた。その予感は今まで100%の確率で当たってきた。今日の合コンは当たりだわ。マサトレベルでは到底叶わないメンツだもん。私の胸は躍っていた。やっぱり別れて良かった。別れるべきだったのよ。奥田はムードメーカー的な存在でよく喋る人だった。だからと言って3枚目の役ではない。林はあまり積極的に話しはしないが、温厚な人柄だとすぐ分る。日下部は人当たりはソフトなのだが、どこか・・・何か掴み所が無かった。3時間6人の会話は弾み、もう11時だった。まだ、11時とも言う。もう少し年齢が低いと、これからまだまだ続くのだが、今日の相手は30前半の仕事もバリバリこなす大人の男だ。奥田と林は明日も午前から診療があるし、日下部も最近は仕事が忙しくて明日もクライアントと約束があるという。この3時間の間にも数回日下部の携帯が鳴っていた。いつもより早い時間にお開きとなったが、内容はいつもより満足だった。帰り際、6人はそれぞれの連絡先を教えあった。そして狭い店の階段を6人は奥田を先頭に下りていった。私は5番目。後ろには日下部がいる。日下部が私の袖を軽く引っ張って耳元で「僕は忙しい人間だけど、マメな人間でもあるんだ。また2人で会おう。」と囁いた。他の4人は2人の内緒話を何も気づいていなかった。店から出ると、6人は今日のお礼とさよならを言って駅に消えていった。日下部の声は私の耳にこびりついて暫く消えなかった。地下鉄に乗りながら予感が確信へ変わっていくようだった。 <つづく>面白かったらクリックしてください → 人気blogランキング
2005/03/04
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「もしもしィ?マリ?何時だと思ってんのよ?!」ショウコは眠そうな声で面倒くさそうに電話に出た。「うん。ごめん。」「で?何?また別れたの?マサトって、あの人?それとも、あのメガネの人?それか、大学院生の彼?どれ?」「たぶん、ショウコの言う、あの人。」「あぁぁ・・・・。そ。」もうショウコはどうでもいいようだ。「ね、ね、合コンしようよ。」マリはお構い無しに話す。「う・・・ん。いいけど。ま、何だかんだ言ってもマリが来ると盛り上がるからなぁ・・・。こんな悪女なんだけど。」「そういうショウコだって5股もかけてるのに、人の事言えるの?私は同時進行はしないの。」「私のはマリと違って保険なの。次いつ男がやってくるかなんて分んないし、いつ振られるか分んないし。マリよりは年取ってるしね。ま、そんな事いいわ。来週金曜ね。また連絡するわ。」「うん。おやすみ。」「おやすみ。」ショウコとは会社の先輩に半ば強制的に連れられて行った合コンで知り合った。私よりも3つ年上。その合コンは気分が乗らなかった。隣の席にいたショウコと気が合って一緒に途中で帰ったのだ。それ以来時々ショウコに合コンに誘われるようになった。ショウコ主催の合コンはいい男が何故か多い。だからショウコ=合コンなのだ。金曜の夜がやってきた。ショウコが会社の後輩を一人連れてきた。見た目、地味な普通のOLって感じ。ぺこりと会釈をしたので私も同じようにした。私は今日は名古屋嬢風に決めてきた。ショウコはパンツスーツでキャリア風だ。「今日はね後輩一人連れてきちゃった。ジュンコちゃん、って言うの。こっちはマリね。」ショウコがお互いを軽く紹介した。「今日はね、歯科医と医者に青年実業家よ。」「でも、いつもどうやって集めてるの?」そこが謎なのである。「ふふふ。内緒よ。」この前はパイロットなんていう肩書きの人がいたし、そうそう、自衛隊って人のときもあった。幅が広いので、いつもびっくりさせられる。予約しておいたダイニング・バーに着くと、男性陣は2人、もうすでに来ていた。ショウコが手を振った。「こんばんは。もう来てらしたんですね。あと、お一人の方は?」「こんばんは。もうすぐ来ると思いますよ。さっき電話したら少し会議が長引いたそうです。」ショウコと知り合いなのであろう長身で顔立ちの整った男はそう答えた。「こちら、歯科医の奥田さんです。右がジュンコさん、左がマリさんです。今日はよろしくお願いします。」ショウコがそう挨拶すると男2人は微笑んだ。「こちらは林さん。眼科医をされています。」林も甘い感じでほどほどにいい男である。奥田が説明する。「もう一人はIT関連の会社を経営している方で日下部さんって言うんだけど、まだ来ていません。」「先に飲み物だけ頼んじゃいます?」ショウコが言う。店員に注文し終わった頃に日下部がやってきた。「すみません。遅れまして。」日下部は誰が見ても仕立てのいい上質のスーツを着ており、上品だが、どこかワイルドさも兼ね備えており魅力的な男だった。 <つづく>面白かったらクリックしてください → 人気blogランキング+ ちょっと一言 +どこまで妄想だけで書けれるんだろう・・・。書ききれるか心配になってきた。(笑)
2005/03/03
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私は深夜のファミレスにマサトと向かい合って座っていた。「なぁ、急にどうしたんだよ。別れたいだなんて。」「ごめんなさい・・・。」私にはそれしか言えない。「さっきから、そればっかじゃん。なんか理由があるんだろ?言ってみろよ。怒らないから。」理由?そんなこと、本当に言って欲しいの?「私、好きな人が(あなたに)出来たの。(飽きたの。)」そう言うと私はマサトの顔を見もせず席を立って小走りに去った。いや、逃げた。マサトは私の名前を呼んでいるようだった。その声は情けなく響いていた。マリ!マリ!!マリ!!!私はすぐにタクシーを拾いマンションへ向かった。そこは私だけの城。今まで男を入れた事など一度も無い。タクシーから降りると何故だか笑いがこみ上げてきた。深夜のマンションはしんと静まり返っており部屋までこみ上げてくる笑いを必死で抑えた。急いでバッグから鍵を取り出しやっと部屋に入る。ソファーに転がると吐き出すように笑った。そして机の鍵を開け皮のカバーのかかった赤い手帳を開く。マサトの名前の上に赤いペンでバツ印を打った。「49人か・・・。」私は本気で好きになった事がいまだ無い。自分から好きになった事も無い。待っていなくても相手から次々にやって来るし、やってくる男やってくる男みんな始めはいい男に見えてしまい直ぐ恋に落ちる。いや、錯覚をする。マサトはその内の49人目の男だった。始めは強引に迫ってきて、グイグイ引っ張る感じが良かったのだけど、すぐに立場が逆転して最後は私のいいなり状態になった。最初の強引さと、さっきの情けない声のギャップがあまりにもありすぎて可笑しくなってしまった。影で私の事を悪く言う声も耳にするが、結局はひがみが半分以上だ。自分で言うのもなんだが、私は美人だ。美人というかかわいい感じ?とにかく23の今までモテている。だけど、私だって本気で好きになれる人が現れて欲しいと思う。ただ、今まで現れなかっただけ、そう思う。もっと早く現れてくれれば、私だってこんな風に次々と男をかえたりしないと思うんだけど・・・。こんな風にゲームみたいな恋愛もしていないと思うのだ。携帯が鳴った。メールだ。マリ、急に別れたいだなんて言われてびっくりした。好きな人が出来たなら仕方ない。今までありがとう。 マサトメールを見るなり私はショウコに電話する。「もしもし、ショウコ?今、電話O.K.?今度の金曜合コンセッティングしてくれない?今日、マサトと別れたから。」私は少しも悪びれてなかった。 <つづく>面白かったらクリックしてください → 人気blogランキング+ ちょっと一言 +今回はこんな出だしです。ちょっと理解不可能な悪い女キャラです。
2005/03/03
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ハンドルネーム。ブログを始めるにあたって悩む要因の1つですね。だいたい、「これいいな☆」って思うものは誰かに使われていたりして、2度3度考えなきゃいけなくなっちゃったりすることないですか?さて、私は「Dionaea」って付けました。このブログは小説を書こう、って思ったのでハンドルネームがそのままペンネームみたいになっちゃうんだよね。どうしよう、どうしよう・・・。確かそんな事考えていたのは夜中の2時ごろでした。インターネットってこういう時、ほんと助かりますよね。いろいろ気の向くままに調べました。夜中だったのがいけないのか私はふと「食虫植物ってなんかいい!」って思っちゃったんです。(夜って危険ですね・・・)そしてその中からDionaeaを選んだわけです。なんで、こんなのにしたのか?形がいいじゃん。ちょっとホラーチックなこの形が。でも、日本名はちょっといただけないかも。(笑)でも、名前って不思議です。付けると何かが宿るような気がするんですよね。そんな気しませんか?あなたのHNの由来はどうなんでしょう?良かったら教えてくださいね。
2005/03/02
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昨日まで書いていた小説もどきが一段落ついたので、今日は中休みです。私には愉快な仲間達がいます。(笑)そんな方々のこと、ちょっとだけ教えちゃいます。その1:Sちゃん Sちゃんとの出会いは中学生の頃。同じクラスで仲良くなったCちゃんのお友達でSちゃんとも仲良くなりました。第一印象はちょっと変わった文学少女、って感じでした。私は地元の中学から地元の高校へ進学。だから、あんまり中学の時と変わり映えしない高校生活でした。高校でSちゃんと初めて同じクラスになり、ますます仲良くなりました。大学、社会人になっても連絡を取り合ったり、今でもお付き合いは続いています。親友って言っていい間柄です。そんなSちゃんなのですが、高校の時の面白いエピソードが・・・。うちの高校は夏休みの課題でなんと読書感想文の提出がありました。けっ、読書感想文なんて、もう、おさらばだとてっきり思っていたのに。なんてだるいんだろう・・・・。私は読書感想文は嫌い。感想、って言うかそれはあらすじだろ~~~!って言う風になるんです。でも、課題だったのでせっせと本を読んで一応出しましたよ。そして、校内で読書感想文の優秀賞が発表されました。3位にSちゃんが入っていました。ま、それを読んでみるとたしかに、ふむふむ・・・って感じでした。ある日Sちゃんと帰ってる時のことです。「あのさ~、読書感想文のあれさ、1位から3位まで全部私が書いたんだよねぇ。夏休みに入る前にクラスの子に代筆頼まれてさ~。一人500円で書いてあげたんだけど、なんで自分のが3位かなぁ。納得できんね。」あんた凄いよ。上位3位まで総なめだなんて。そかも、7人も代筆してあげたそうです。しめて¥3500の儲け。先生は気づかなかったのか?不思議に思いました。ではでは、不定期にまたお話しすることにします。今日はこの辺で。
2005/03/02
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電話は公衆電話からだった。こんな時間になんだろう?公衆電話からの電話に不審に思ったが、もし誰か事故にでもあったのかもしれないと思ってサトミは通話ボタンを押した。相手が話すまでサトミは無言でいた。「もしもし・・・。」相手はミケだった。「もしもし。あの・・・ミケだけど。こんな夜遅くにごめん。眠れなくて。」電話の向こうはしんと静まり返っており、時折ヒタヒタと足音が聞こえた。そして救急車のサイレンがだんだん近づいてくるのが聞こえる。「ミケ、今どこにいるの?もしかして病院?」「勘がいいね、アリスは。」と言うとミケはフフフと笑った。「俺、明日から治療を受ける。その前日に眠れなくて一番声を聞きたい相手に電話した。」「病気なの?」「・・・でも、今回の治療が終わればきっと完治するさ。」サトミは何がなんだか分らなかった。「アリス、また会ってくれる?いつになるかははっきり言えないけど。また、いつか会ってくれるかな。会ってくれるだけでいいんだ。顔を見て話をする、それ以上は望まないから。」「そうね。また、いつかね。」「ありがとう。」そう言うとミケは電話を切った。それ以降ミケとは繋がらなくなった。チャット部屋もピーターが代わりに代わりに管理人になっていた。ピーター:急にメールが来てね。俺の代わりに管理人をしてくれ、って言うから>アリス アリス:そうだったんだ>ピーターピーター:どうしたんだろうね?何か聞いてる?>アリス アリス:ううん>ピーターミケのHPも閉められ、教えあった携帯も繋がらなかった。半年経っても、一年経っても何も連絡は取れなかった。サトミは母からの久しぶりの電話に泣いた。そして大学からの独り暮らしにピリオドを付け実家に戻った。金魚鉢に太陽が当たって水が揺らめいているのをサトミはじっと見つめていた。あれから、もう3年の月日が過ぎていた。サトミはコウジでもなくミケでもない人と結婚していた。息子も一人もうけていた。息子は幸せに輝くようにと幸輝と名づけた。あの頃のような、心が揺らぐ事もなく、安定した静かで安らぎに満ちた生活をサトミは手に入れていた。波一つない穏やかな海を大きな船で進んでいるような生活。幸輝の寝顔を見ながら思う。それでいい、とサトミは満足していた。これが、私の選択。自宅の電話のベルが鳴った。「もしもし。」「渡辺さんのお宅でしょうか?」聞き覚えのない声だ。セールスだろうか?専業主婦になって初めて気づいた。セールスの電話の多い事。「脇坂探偵事務所のものですが、あの・・・サトミさんはいらっしゃいますでしょうか?」「え?私ですけど、何か。」「あの、後依頼主様から預かり物がございまして。後依頼主様は事情があってお届けにあがれないとの事ですので、私が代理をさせていただくことになりました。怪しい物ではありませんし、お時間も取りません。こちらからお伺いしますので、是非。」「でも、そんな・・・。」不安になった。「後依頼主様はミケ様です。覚えてらっしゃいますか?」「ミケ?!」衝撃が走った。待ち合わせはセントラルホテルのロビーだった。幸輝を連れて行った。窓側の席に腰掛けた。すると間もなく身なりのきちんとした男が現れた。「こんにちは。はじめまして。」と、男は名詞をサトミに差し出した。脇坂探偵事務所 佐藤行伸「よくおいで下さいました。サトミ様。いえアリス様と呼んだほうがよろしいかもしれません。では早速ご依頼の品をお渡しする事にしましょう。」佐藤はアタッシュケースから一枚の封筒を取り出し、サトミに渡した。「これは・・・どういうことでしょうか。」「ミケ様、相田幸輝様は生前私どもの会社にこの手紙を持ってこられました。4年間預かって欲しい、と。もし、治療に成功して戻ってこれたら自ら手紙は取りに来ます、しかし、4年経っても現れなかったら、この宛名の人物を探してこの手紙を届けて欲しい、と。私どもも、こんな依頼は初めてでしたし、お断りしようかと思ったのですが、あまりにも真剣なので熱意に打たれてお受けしたのです。」「もう、ミケ、いえ相田さんは・・・。」「残念ながら。慢性骨髄性白血病だったそうです。骨髄移植を受けられたそうです。しかし、強い拒絶反応が現れて・・・。ご家族の方のもお会いしてきました。是非に、息子の願いをかなえて欲しい、とおっしゃっていました。我々はサトミ様の事を4年間追跡してまいりました。お子様が生まれた誕生日、そしてお名前が相田様のと偶然にも一緒だったのをご家族にお話ししたところ、泣いておられました。私もびっくりいたしましたが。では、我々の受けた依頼はこれで終了させていただきます。どうぞ、サトミ様お幸せに。」佐藤はそう言うと会釈をし颯爽と去っていった。サトミは自宅のテーブルに手紙を置いて眺めていた。側には幸輝がスースーと寝息をたてて眠っている。アリスへ俺は社会人になってから初めての検診で慢性骨髄性白血病と診断された。ショックだった。今まで急性転化と寛解期を何度となく繰り返し、やっと待望のドナーが見つかった。これが上手く行けば俺は病気ともさよならできる。そしたら、アリス、君に一番に会いたい。可笑しいかもしれないけど、俺は君に惚れてしまった。初めて会ったあの日、俺は忘れない。もしも、君がコウジかそれとも他の誰かの物になっていたとしたら。それでアリスが幸せなら、俺は諦めるよ。だけど、もう一度、もう一度でいいから君の顔を見ながら話がしたい。あの日、行った海をまた君と一緒に眺めたい。この手紙を俺は絶対自分で取りに来るつもりだ。そうなる事を信じている。でも、もしそれが叶わなかったら・・・・。それでも、俺はきっとアリス君の側で君が悲しまないように見守っていたいよ。あの時、本名聞いておけばよかったな。どうしてもこの気持ちを届けておきたいと思う俺を許してください。 相田幸輝サトミは寝息をたてている幸輝の幸せそうな寝顔を何時までも何時までも眺めていた。 <終わり>面白かったらクリックしてください → 人気blogランキング+あとがき+病名を使わせていただき、読まれた方の中に不快感を与えていたら本当にすみません。すべてフィクションです。最後まで読んでくださった方、いつもながらの駄文でしたが、心から感謝します。感想など添えてくださったら嬉しく思います。みなさんがラストをどう思うか分りませんが、もともと書き始めた時にこうすると私自身決めていました。心が揺らいで苦しい気持ち、それぞれの本当の気持ちを書いてみたかったです。一応私的には大きな意味でのハッピーエンドのつもりです。ちょっと後味悪いって、言う声が聞こえそうです。(笑)書き始めた当初と設定を変えたのは探偵事務所の佐藤を起用した事です。本当はミケの両親が手紙を持ってやって来る、という設定にしようと思ったいましたが第三者が淡々と述べる方がいいかな~と思って・・・。次は何書こうかな~。書いてる時に聴いた曲マイケル・ナイマン ピアノレッスン(サントラ盤)サザンオールスターズバラッド3(2枚目)鈴木雅之マティーニ2スガシカオ甘い果実・AFFAIR・波光・サヨナラではでは、また~。
2005/03/01
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