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2006年08月25日
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テーマ: 吐息(401)
カテゴリ: Essay



 夏も終わりに近づいたようだ。

 それなのに、電車の中でふと……。
 夏の始まりに、いつもわくわくした夏蒲団を思い出した。
 タオルケットが主流ではなかった小学生の頃、薄い夏用の布団があった。
 いつもは妹と一緒にかけていたのだけれど、その年はそれぞれに一枚ずつ買ってくれたのだ。
 淡いピンクの、夢のような小花柄だった。

 家中の布団はすべて母の手作りだったのに、その夏蒲団は既製品だった。

 もしかしたら、母が多忙で縫う暇がなかったのかもしれない。
 けれどその夏蒲団は、今までとはがらりと違って、とてもきれいで可愛かった。
 わたしは大好きだった。
 化繊なので少しも肌に馴染まなかったのに、何故かわくわくするのだった。

 厚い冬布団と引き換えにこの夏蒲団が出てくると、わたしは今年も夏が来たのだと。
 そう思って嬉しくなるのだった。
 素敵な夢がたくさん見える気がしたりして……。

 夏も終わりに近づいて、唐突にこのピンクの夏蒲団が鮮明に浮かんだ。
 しかも通勤途上の電車の中で。
 つくつくぼうしも鳴いたというのに……。








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最終更新日  2006年08月25日 23時27分37秒
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