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2006年09月05日
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テーマ: 吐息(401)
カテゴリ: Essay


 たっぷりの大根おろしに、酢橘とポン酢をかけて。
 生秋刀魚は砕いた氷の中で、傷のない滑らかな姿をぴんと伸ばしていた。
 その姿の、美しいこと。

 わたしは秋刀魚の姿が、ことのほか好きなのだ。
 新鮮な秋刀魚には、どこか潔さがある。
 余談だけれど、娘の泳ぐ姿はこの秋刀魚に似ている。
 ひゅーん、ひゅーんと泳ぐ様には、ある種の潔さというか、美しさを感じる。


 「あなたの泳ぎは素敵だよ。まるで秋刀魚みたい」
 と言ったことがある。
 「えー!それってほめてるの?けなしてるの?」
 まんざらでもない顔はするけれど、いまひとつ承服しかねている。
 でも、わたしはほめているつもりなのだけれど。

 夕べ買った秋刀魚は、見た目に違わずものすごく美味しかった。
 「さんまー?やだー、食べたくなーい」
 とほざいていた娘も、じゅーじゅー音がする焼きたての秋刀魚を頬張った時、思わず顔をほこばせた。
 「美味しいー!最高!」
 「食べたくないって言ったじゃん」
 「そう思ったけど、すんごく美味しいよ」

 「旬が一番。今は秋刀魚が美味しい季節なのよ」

 わたしは、なんだか嬉しくなった。
 秋刀魚の気持ちになっていた。





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最終更新日  2006年09月05日 22時28分18秒 コメント(3) | コメントを書く
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