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月升沧海 Love Like the Galaxy (第5話)第32話「予期せぬ波紋」文修君(ウェンシウジュン)が独断で息子に山賊の討伐を命じ失敗、全軍が捕虜となった。皇太子は凌不疑(リンブーイー)から身びいきを諌められたが結局、王淳(ワンチュン)を罷免できず、皇帝からも厳しく叱責されてしまう。これをきっかけににわかに廃太子の憶測が流れ、途端に小越(ユエ)侯に取り入ろうとする輩が増えた。皇后の寿誕の宴の差配を任された程少商(チォンシャオシャン)は東宮で皇太子妃の協力を仰いだ。何事もてきぱきこなせる少商だが、さすがに文武百官の家族の席順まで決めようがない。( ;∀;)<十一郎の妻になるのは驊(カ)県の管理より大変よ〜皇太子妃は思わず自分も夫が皇太子になるとは思わなかったと吐露した。実家の一族は娘を当てに出世を望むが、自分にそんな力などない。「祖先を捨てたと罵られようと、誰が私の苦しい胸の内を分かってくれるというの…」しかし少商は優しい皇太子夫婦をかばい、周りが欲深いだけだと慰めた。その時、東宮に五公主が現れる。実は昨夜、五公主は酒楼で偶然、小越侯と出くわした。小越侯は息子の未婚妻が幕僚と称する男たちと遊んでいる様子に眉をひそめたが、ふと思い立ち、番頭に頼んで廃太子の噂を吹き込むよう頼む。寝耳に水だった五公主は憤怒、早速、東宮へ駆けつけ、優柔不断な皇兄を厳しく追求した。「王隆(ワンロン)なんて死なせておけばいい!父皇を怒らせて廃されたいの?! 太子でなくなったら我ら長秋宮の子女は何を拠り所にしろと?! 私が男だった皇兄に役目は回ってこなかったのに!」皇太子は妹の暴言にも罰を与えることはなかったが、その代わり越氏に嫁ぐ時には嫁荷を奮発すると嫌味を言った。皇兄と話してもらちが明かない五公主は長秋宮で母后に不満をぶちまけた。これに皇后は激高、娘を追い出すと寝込んでしまう。駱済通(ルオジートン)が差し入れた粥にも口をつけず、翟(ジャイ)媪(ウバ)もお手上げだった。しかし東宮から戻った少商が事情を知り、一計を案じる。「皇后にお願いが…これは家で育ててみた胡瓜(キュウリ)です 胡瓜は西域の朝貢品、皇后なら味をご存知のはずです 西域の胡瓜と同じ味か比べてみてもらえませんか?」皇后は仕方なく一欠片だけ食べてみたが、塩気が強過ぎた。そこで少商は塩辛ければ粥で薄めるよう提案、見事に粥を食べさせることに成功する。「悪知恵が働く子ね…まだしょっぱいわ」皇后は少商の機転で笑顔になり、不思議と食欲が戻った。安堵した翟媪は駱済通を連れて寝殿を出た。「2人の邪魔をしないようにね、皇后が宮中で心を開ける人に出会えて良かった 十一郎も良い妻を選んだわね」嬉しそうに仕事へ戻った翟媪、しかし駱済通の侍女・春笤(チュンティアオ)は程娘子が主から皇后と凌将軍を奪ったと恨みを募らせた。駱済通も心中穏やかではないが噯(オクビ)にも出さず、これも運命だとなだめる。「実に幸運な人ね…想い人に嫁ぎ、帝后の庇護も得られるなんて」少商を幸運だと羨む者がいれば、皇后はどうすれば少商のような利口な子に育つか両親に教えて欲しいと羨んだ。すると少商はすぐ両親を呼び寄せ、2人の前で思い切り自分を褒めて欲しいと懇願する。「そうすれば悪いのは私ではなく、我が子を大切にせず他人の子を羨んでいると気づくはずです 皇后のように我慢強く諭すのがいい親だと知らしめなくては…」しかし皇后は少商も間違っていると諭した。「世の親は我が子が一番だと思うものよ、他の家の子を羨むのは教えの一環に過ぎない」親も当然、子から恨まれると分かっているが、人生に2度目はなく、やり直しができないという。「子が強くなる分、親も安心できるの、子に強いることは自分に強いることも同じなのよ」少商が寝殿を出ると皇太子が中庭で待っていた。皇太子は父皇を失望させて母后を傷つけたと意気消沈し、合わせる顔がないという。しかし少商は皇后が傷ついているのは自分が息子を守ってやれないためだと話した。「殿下は太子である前に陛下と皇后の息子です 太子として王将軍を助けるのではなく、子の立場で従兄の嘆願をすることはできます 確かに陛下は冷徹になれない太子に失望するでしょう でも父親なら情け深い子に失望するはずがない この件で両親と疎遠になれば、かえって子の指導が誤っていたと失望させるだけです」「…程娘子、ありがとう」朝臣たちは先走って後継者の交代を上奏し始めた。その夜、皇帝は野心をあらわにした臣下たちに怒り心頭だったが、そこへ皇太子がやって来る。皇帝は息子もようやく尻に火がついたと思ったが、皇太子は碁盤を運んできた。「寝付けないので一局どうかと…」すると皇帝はまだ幼い皇太子に碁を教え始めた頃を懐かしんだ。当時は皇太子が少しもじっとしておらず、碁盤のそばに貼り付けようと必死だったという。一方、少商を迎えに行った凌不疑は少商の様子がいつもと違うことに気づいた。「機嫌が良さそうだ、何か良いことでもあったか?」「そうでもないわ、ただ問題を解決できて痛快なの」すると不疑は三公主が禁足になったことも痛快かと聞いた。少商はやはり自分の仕業だとばれていたと知り、法事をぶち壊したことを謝罪する。「君は私が強引だと怒るが、君こそ独断で決める、あまり無茶をされると心配になる」「…怒らないの?」「私を信じるならやりたいことは私に任せて欲しい、敵への報復も…」確かに必ず守ると約束はしたが、不疑はせめて機会が欲しいという。そこで少商は皇后が廃太子の噂を聞いて心を痛めていたと報告し、雁回(ガンカイ)塔で皇太子を悪く言っていた人と関係があるのかと訝しんだ。不疑は驚き、皇太子に不満を抱く者も多く、広範囲に及ぶため関わるなと釘を刺す。「君も東宮へは行かないほうがいい…で、痛快だったとは何のことだ?」「ぁ…皇后が粥を食べてくれたの…」少商は皇太子に助言したことを言い出せなかった。皇太子は途中で手を緩め、わざと負けた。もちろん皇帝には見抜かれていたが、皇太子は囲碁を学び始めた当初、父も同じように手加減して負けてくれたという。「父皇は勝ち負けより私の気持ちを考えてくださった、今日の私も同じです」皇太子は勝敗より家族の気持ちが大切だと訴え、全てに負けたとしても我が手に悔いはないと言った。翌日、皇帝は朝儀の場で皇太子に虎符の管理を任せると宣言した。皇太子は事実上、全軍を動かすことが可能となり、皇帝は暗に廃太子の意思がないと示したことになる。結局、皇帝は大軍を危険にさらした王隆(ワンロン)を罷免するに留め、父の王淳には罪を問わなかった。匪賊の討伐については凌不疑と将軍たちに任せ、出征の時には皇太子が点将(テンショウ)台で将兵を遣わすよう指示する。しかし不疑はなぜ皇帝が急に譲歩したのか分からなかった。朝儀が散会、子晟(ズーション)を連れて東宮に戻った皇太子はようやく従兄を救出できると喜んだ。すると子晟が皇帝をどうやって説得したのかと訝しむ。皇太子は少商から助言されたことを明かし、昨夜、父皇と碁を打ちながら昔話をしたと教えた。「父皇は我ら父子の情に免じて王将軍と私に機会を与えてくれた お前たち夫婦は余(ヨ)の幸運の星だな」凌不疑は昨夜、少商の機嫌が良かった理由を知った。その夜、少商を迎えに行った凌不疑は改めて皇太子に助言したのかと確認する。少商は認めたが、皇太子を助けたのではなく、皇后の力になりたかったと説明した。しかし皇后のためを思ってしたことが、実は皇后と皇太子を追い込むことになると知る。「君の献策のおかげで陛下は王家を見逃した 少商、何度も言ったはずだ、宮中や朝廷の争いに巻き込まれるなと…なぜ耳を貸さない? もう一度だけ言っておく、宮中では少し触れても全体に及ぶ、簡単なことではない」不疑は厳しく戒めておいたが、少商は最も難儀なのは宮中ではなく凌不疑だと反発した。「あなたの計算や考えを何も教えないくせに何を気をつけろって言うの? そもそも私は関わる必要などなかった 普通の夫に嫁いで普通に暮らせるはずだったのに、あなたが引き入れたのよ? それでも一緒になると決めてから受け入れようとしてる でもあなたは複雑な世界に愚かな私は関与するなという」「君を思ってのことだ」「阿母からもよく言われたわ、あなたのだめだと…私が不十分だからそう言うのね?」少商はまた分からなくなった。ありのままの自分でいながら周りの期待に応えるためにはどうしたら良いのだろうか。「…失望させたわね」すると少商は不疑が引き止めるのも聞かず、独りで帰ってしまう。 屋敷に戻った少商は凌不疑の話を思い出し、悶々とした。…少商、自分は正しいとでも?…陛下が王家を追及しないことで朝臣らの恨みや不満が皇后と太子に向けられる…東宮位を狙う者がいる以上、君の行動は太子を助けるどころか不利にする…しかも皇后も巻き込む、彼らを生贄にするも同じだ「はあ〜凌不疑との成婚は面倒ね」つづく( ゚ェ゚)うむ、確かに少商の不満は分かるな
2023.09.30
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第4話)第31話「天下の母の苦悩」霍(フォ)将軍の命日。汝陽(ジョヨウ)王妃は愛孫を出家へ追い込んだ程少商(チォンシャオシャン)と凌不疑(リンブーイー)への腹いせに家族の宴へ乗り込んだが、皇帝の寵姫・越姮(ユエホン)から辛辣な言葉を浴びせられてしまう。「子晟(ズーション)、あなたの妻に難癖をつける者などくそ食らえよっ」文(ウェン)帝も子晟が望む者を娶れば良いとかばったが、汝陽の怒りは収まらない。「確かに陛下が決めた縁談なら誰も口を挟めません ただ淳于(チュンユー)氏にはしかるべき対応があっても…」すると越妃は急に話を遮り、子晟と少商だけを残して皇太子夫婦と皇子たちを下げた。汝陽は霍君華(フォジュンホワ)と因縁がある越妃がなぜ淳于氏の肩を持たないのか分からなかった。当時、霍君華は越妃を誘き出して匪賊(ヒゾク)に襲わせたことまであったという。しかし越姮は淳于氏も劣らずろくでもないと言い放った。「叔母、まだ淳于氏をかばうなら叔母の″功績″を評価させてもらいますよ?」すると頃合いを見ていた皇后・宣神諳(シュエンシェンアン)が助け舟を出した。「昔の出来事は私も口を挟めないわ…食事を中断したことだし、そろそろ奉先(ホウセン)殿へ…」こうして人騒がせな汝陽王妃も退散するしかなくなった。少商は祭壇に供物を並べながら霍将軍の絵姿に見入っていた。そこへ皇太子妃が薫物(タキモノ)を届けにやってくる。「子晟は霍将軍によく似ていますね…」「舅夫に似ることは珍しくないわ…すぐ気づくとは子晟と情が深いのね」「太子と太子妃には到底、及びません 殿下は朝臣から側妃を娶るよう進言されても応じないとか…」皇太子妃は愛想笑いで誤魔化したが、運悪く三公主が現れた。「皇兄が応じないのは夫婦の情が深いからではなく、″旧知″が忘れ難いからよ~」すると三公主は少商が持っている薫物に目をつけた。「母后は宮中の倹約を求めているけれど、儲妃の実家は普通の農民… 用度品を削られ困窮しているのでは? 供養向けのも薫物も安くはない、銭をかき集めても足りないかと心配したほどよ? 夫に嫌われているから助けてもらえないものね~」三公主は勝ち誇ったように偏殿へ向かうことにしたが、その時、少商が咄嗟に薫物を床にばら撒き、足を滑らせた三公主は転倒してしまう。その時、少商は三公主のめくれた裾の下からちらりとのぞく赤色を見逃さなかった。(´・ω・`)<三公主、お怪我はありませんか?(`ω´ )o<しらじらしい…程少商、いずれ片をつける!霍将軍の法要が始まった。皇帝は改めて今日の栄華を与えてくれたのが霍氏であると知らしめ、粛々と焼香が始まる。抹香(マッコウ)を渡す役目の少商は祭壇の横に控えていた。やがて三公主の順番になると、三公主は差し出された抹香にわざと息を吹きかけ、少商の顔に浴びせかける。「あら、少商妹妹、気をつけて〜粉は目に入りやすいわ」少商は黙って耐えたが、三公主が焼香している間にこっそり腰飾りの紐を燭台の足に絡ませておいた。すると焼香を済ませた三公主が立ち去ろうとしたその時、引っ張られた燭台が倒れ、衣に飛び火してしまう。火はすぐ消されたが、皇后は侍女たちに急いで三公主の上着を脱がせるよう指示した。しかし三公主は慌てふためき、自分に触るなと拒む。越妃は実は娘が着替えていなかったと気づいて激怒、すぐ上着を脱がせろと命じた。すると案の定、上着の下から赤い衣が現れる。五公主は犬猿の仲である三公主の失態を喜び、ここぞとばかりに追い詰めた。「父皇、三駙馬の表哥の俸禄は1年で300貫ほど、でもその身なりは百金は下らぬはず 最近の三姉は羽振りが良いようで、新品の装飾品も多いわ〜」金の出どころを怪しまれた三公主は酒楼を開いたと誤魔化した。しかし思いがけず同腹の三皇子に裏切られてしまう。「父皇…これは三妹の領地で流通した贋金(ガンキン)です」実は貨幣を運搬する者を捕らえて尋問したところ、贋金は寿春(ジュシュン)で鋳造されたものだと分かった。三公主は知らずに使ったと言い訳し、寿春は小乾安(ケンアン)王の封地で管理しているのも配下の彭坤(ポンクン)、つまり宣家の仕業だと訴える。すると皇帝は凌不疑に紀遵(ジーズン)と共に調査するよう命じ、小乾安王から鉱山を召し上げるよう指示した。「父皇!小乾安王を殺さないのは皇后の恩人だからですか?!」舅父から入知恵されて育った三公主は思わず口を滑らせた。「黙れ!この後に及んで反省もせず、他人を巻き込むとは…ワナワナワナ…」皇帝は激怒して三公主を引っ叩き、杖罰を命じた。小越侯は知らせを聞いて慌てて永安宮に駆けつけた。三公主は程少商が罠にはめたと泣きわめいたが、越姮は娘を心配するどころか、そのおかげで面汚しが止まったと感謝する。実は越姮は三公主が贋金を意図的に使ったと見抜き、愚かな娘が文修君(ウェンシウジュン)を利用して金を稼ぐ方法など思いつくはずないと分かっていた。「陛下が厳しく追及せぬのは私たち越氏の面目を残してくれたからよ」しかし小越侯は長秋宮の顔を立てて小乾安王を許した皇帝への不満を募らせた。当時、越氏が追随した時、皇帝は無一文で、挙兵した時も越氏が支えた。皇帝は妹に一目惚れして妻にすると誓ったが、幼馴染の情も天下の偉業には勝てず、宣氏の財を借りて兵馬を使うため宣神諳も娶ることになる。それだけならいざ知らず、天下平定後、皇帝は宣氏を立后し、妹は妃嬪に成り下がった。「不公平だ!」「…宣氏は陛下の覇業のため身代まで潰した、追随した霍氏も一族は死に絶えたわ でも越氏は我ら兄妹が残った それに陛下は私を慰めるため両宮を同位と命じたわ、天下の母である皇后にとって公平かしら? 錯乱した霍君華にとって公平だと思う?」越姮は自分の望みなら叶ったと話し、また面倒を起こせば兄妹の情を断ち切るとまで言い放った。一方、凌不疑は母が暮らす杏花(キョウカ)別院の祠堂にいた。母と越妃に因縁があると知った不疑は母に越氏を怒らせたのか聞いたが、霍君華は悪びれる様子もない。「越姮を襲わせたの、二兄と文兄が助けなければ終わりだったのに… でもあの日から文兄は私を避けるようになったわ」←当たり前w不疑は実は母が小越侯の恨みを買っていたと知り、顔を曇らせた。梁邱起(リャンチゥチー)と梁邱飛(リャンチゥフェイ)は庭で若主公を待ちながら、少商を絶賛していた。「程四娘子が暴いてくれて幸いだ」「こんな報復上手な若女君は実に痛快だ!」実は三皇子に贋金の情報を流したのは不疑だった。梁兄弟に調べさせたところ予想通り文修君は小越侯に利用され、小乾安王に貨幣を鋳造させるよう指示したと分かる。結局、皇帝は三公主、文修君、小越侯に関わることから公平さを鑑みて軽い処分に留め、小越侯を追い詰める事はできなかった。ただ乾安王の子女が死罪を免れたことを思えば、これで舅夫への恩は返せたことになる。しかし不疑は命拾いした文修君が全く懲りていないと知った。そんなある日、少商は皇后が皇帝と囲碁に興じている間、苦手な刺繍に手こずっていた。皇帝は皇后から自分の寿誕の宴の差配を少商に任せたいと聞いたが、嫁荷の刺繍さえままならない少商では心配になってしまう。「そんな手際で務まるのか?」「陛下、もちろん無理です! それに私は陛下の指導を毎日、胸に刻み、凌将軍とも愛を語り合いませんと…」少商はとても重積に耐えられないと訴えたが、かえって皇帝から責任逃れのために自分を言い訳にしたと叱られてしまう。「決めたぞ!嫌でもそなたに仕切らせる!」一方、梁兄弟から報告を聞いた凌不疑は皇太子を訪ねていた。実は文修君が息子・王隆(ワンロン)に名を上げさせるため勝手に山賊の討伐を命じ、全軍が捕虜になってしまったという。不疑はこの機に乗じ、車騎将軍・王淳(ワンチュン)に責任を取らせて辞官させるよう提案した。しかし皇太子は壮年の王将軍が官を辞するのは忍びないと難色を示し、不疑にこっそり救出して欲しいという。「殿下、独断で出征するのは君主を欺く大罪ですぞ?」「だが王将軍は親戚でもある」「殿下、天子は群臣を操るもの、操られてはなりません そもそも王淳は将の器ではなく、殿下が職位を与えねば遠く値しない 皇位を継ぐのなら、一家や一族だけ顧みるのではなく、天下の民を見なければ… 君主として身びいきは御法度です」少商は皇帝から差配を命じられ、慌てて辞退しようとした。すると皇后はいずれ凌府の差配を一手に担うことになり、避けて通れないと説得する。「あなたならできるわ、もう辞退しないで」(゚ェ゚(。_。(゚ェ゚(。_。*)コクコクその時、皇太子が駆けつけ、急用のため謁見したいと願い出た。皇后は少商と自分の寝殿に戻ったが、正殿から皇帝の怒鳴り声が聞こえてくる。心配そうに正殿を眺める皇后、実は皇帝の叱責は初めてではないと明かした。「太子は優柔不断で身内に甘く、母譲りの性分に育ってしまったわ」少商にはそれのどこが悪いのか分からなかったが、皇后はしみじみ普通の母子でいられたらどれだけ良いかとため息をついた。その夜、蕭元漪(シャオユエンイー)は宮中から戻った娘が回廊で物思いにふけっている姿を見かけた。「どうしたの?何も羽織らないで…」蕭元漪は娘に外套をかけた。すると少商は自分が産まれる前、娘がどんな子になるのか考えたことがあるかと聞いてみる。「急になぜそんなことを?」「皇后が言ったの、太子が普通の子ならたとえ凡庸でも、楽しく平穏に暮らせれば一番だって(あっ)阿母は堂姉のような物分かりのいい子が好きだったわ 阿母を失望させましたね…ではもう寝ます」程始(チォンシー)は回廊で物思いにふけっている夫人を見つけた。「どうした?こんなところで」蕭元漪は娘が皇后から聞いた話を伝え、嫋嫋(ニャオニャオ)もようやく親の苦労が分かるようになったと感慨深い。しかしその苦労が自分たちの苦労ではないと思うと複雑だった。「夫人?…親の苦労を感じ取らせた皇后に嫉妬しているのか?」すると図星だった蕭元漪は怒って寝殿に戻ってしまう。つづく( ˘ω˘ )皇后と少商のシーンはいいわ〜
2023.09.29
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第3話)第30話「招かれざる客」皇后をかばって手首を痛めた程少商(チォンシャオシャン)。帰りの車の中、凌不疑(リンブーイー)は少商を手当てしながら、今後は己の力の及ばぬことに首を突っ込まないよう釘を刺した。いくら文修君(ウェンシウジュン)が愚かでも限度はわきまえているはず、燭台を倒すにしても皇后に当たらない方向だったはずだ。「高貴な2人の争いに君の保護が必要だと思うか?」しかし少商はカチンと来てつい言い返してしまう。「つまり皇后は私の保護など必要としていないと?確かに皇后はこの上なく尊いわ でも彼女が文修君(ウェンシウジュン)に蔑まれていた時、あなたと陛下はどこにいたの? なぜ強い人は守る必要がないって思うの?」「では君はどうなんだ?少商、君のように強い人はなぜ私の保護など必要ないと思う?」その時、馬車が曲陵(キョクリョウ)侯府に到着した。少商は馬車を降りると、不貞腐れたまま門に向かった。すると不疑が少商を呼び止める。「君が私と話をする時の縛られぬ姿が好きだ、権勢も苦難も恐れぬ君が好きだ 覚えておいてくれ、君が先に仕掛けたと…」少商は慌てて言い訳しようとしたが不疑に遮られた。「私は簡単に真心を委ねぬ、だが一度、委ねたら撤回はしない だが君が私に真心を委ねることができないというなら、私の真心を引き払うこともできる」結局、翌日の朝、凌不疑は用事があって少商を迎えに来なかった。一方、三公主は舅父(キュウフ)・小越(ユエ)侯と酒楼で密談していた。何も知らず皇宮から逃げるように帰っていった文修君、まさか舅父の妙策で小乾安(ケンアン)王が鋳造(チュウゾウ)権に食いついたとも知らず皇后に無心に来たのだろう。実は舅父はすでに文修君の腹心も手なずけていた。「いずれ贋金(ガンキン)は安値で我らの手に入る、その際はお前も封地で使うがよい」貨幣の偽造は謀反と同罪だった。しかし鉱山があるのは寿春(ジュシュン)で鋳造するのは小乾安王、もし追求されても過って贋金を使ってしまったとごまかせば良いという。独りで参内した今日に限って少商は意地悪な三公主と遭遇した。少商は掟通り拝礼したが、三公主は自分の許可なく頭をあげたと難癖をつけ、ひざまずけと命じる。「私は身の程知らずが一番嫌いなの」すると侍女たちが少商を無理やり平伏させ手を踏みつけ、頬を引っ叩いた。しかし運良く皇太子妃が通りかかり、少商を助けてくれる。「宴が始まるのに程娘子(ニャンズー)がいないと母后が案じていたわ、何と説明するつもり?!」「それほど慌てること?ちょっとふざけていただけよ~」皇太子妃は東宮で少商の腫れた手首を冷やしてくれた。2度も同じ手を負傷した少商、しかし多忙な皇后を煩わせることはできず、かと言って凌不疑には意地でも頼りたくない。すると皇太子妃が三公主の性分を教えてくれた。三公主は皇帝の寵姫である越妃の娘で、兄の三皇子も有能なため長秋(チョウシュウ)宮も東宮も眼中にないという。小越侯のもとで育ったせいか贅沢を好み、傍若無人なのも仕方がないのだろう。幼い頃は子晟(ズーション)を見下していたが、功績を残すようになると急に気に留めるようになった。恐らく子晟を好きというより、容貌と権勢に執着しているだけだという。「子晟も宮中に入った時は蔑まれ、あなた以上に酷い目に遭ったのよ? ある時、川に突き落とされてね…幸い太子が助けたの その頃の子晟は宮女を連れて食事に付き合わせるのが好きだった 家族と座して食事をしたことがなかったから… 幼い頃は毎年、必ず灯会(トウエ)に出かけ、灯火の見える高台で世の人々の団らんを見渡していたわ」一方、皇太子は長秋宮での騒ぎを知り、凌不疑を呼び出していた。車騎(シャキ)将軍・王淳(ワンチュン)も凌不疑も大事な右腕、婦人の諍いで離間して欲しくないという。しかし不疑は恨みではなく、王淳の能力では任に耐えられないと諫言した。「後継者として親族を重用するのではなく、国事を第一にお考えください 太子妃の従兄も遊びにかまけ酒で事を誤る、東宮侍衛の首領など務まりません できるだけ早く最適な人選を…では他に用件もありますのでこれで」「あ、お前の未婚妻が東宮に来ているぞ?」皇太子妃の寝殿に侍女が礼品の受け取りにやって来た。皇太子妃はすでに準備していた礼品を渡したが、ふと思い立って自分のかんざしを外し、梁(リャン)夫人に渡すよう頼む。「太子妃、それは殿下への朝貢の品では?」「殿下の物なら功績ある大臣に与えるのが一番だわ」やり取りを見ていた少商はしみじみ皇家の妻を務めるのは至難の業だと漏らした。「確かに宮中など身を置かぬ方が良い、でも今となっては突き進むしかありません 彼がここで成長したのなら、私も同じ道を歩んでみたいのです」その話をちょうど皇太子と凌不疑が聞いていた。凌不疑は少商の言葉が内心、嬉しかった。そこで手を取って連れて帰ろうとしたが、少商は思わず顔を歪ませてしまう。驚いた不疑が袖をまくってみると、少商の手はひどく腫れていた。気が強い少商は相変わらずなぜ負傷したか言おうとしなかった。すると凌不疑は少商を欄干に座らせ、隠しても自分で調べれば分かることだという。「それからもうひとつ、少商、今後、東宮や太子妃とは距離を取れ」「なぜ?太子妃は威張らず、東宮では侮辱されたりしないわ」「参内して日の浅い君にはまだ分からないことがある 宮中の内情はそう簡単ではないし、心の善悪も一目では見抜けないものだ 利害がなければ誰もが善良だが、権勢が絡むとそうもいかない」東宮と言えば争いの渦中、雁回(ガンカイ)塔での一件もあり、不疑は宮中のもめ事から少商を遠ざけたいという。しかし少商は凌不疑の未婚妻になって遠ざけられるのかと聞いた。「あなたのために順応しているのよ?あなたの直面する全てに私も直面するのだから あなたが宮中で経験したことを私も少しずつ理解するつもり だって未来の夫がどんな人か知りたいから…」「それはつまり…全ては私のためだと?」「違う、自分のためってことよ」「分かった、望むままやってみればいい、私が守る」すると2人はわだかまりが解け、見つめ合った。( ๑≧ꇴ≦)アップデートしたアルソックw三公主が真紅の衣に豪華な装飾品で永楽宮に現れた。越姮(ユエホン)はつくづく皇帝に追随して出征するため娘を三舅母(キュウボ)に預けたことを後悔し、俗っぽく山猫のようだと揶揄する。「でもなぜ急に豊かになったの?」「ささやかな商売を始めただけ、都の酒楼よ」三公主は母に牡丹の金のかんざしを献上したが、越姮は全く興味がなかった。「今日は霍(フォ)将軍の命日よ、昼は長秋宮で宴があり、午後は陛下が弔いを行う お前も奉先(ホウセン)殿へ…」すると越姮は侍女に命じ、三公主を白い衣に着替えさせろと命じた。長秋宮での宴、少商も凌不疑の未婚妻として列席した。少商の斜め後ろには相変わらず風来坊のような五皇子がいる。当時、皇帝が酔った勢いで徐(シュ)美人を寵愛し産ませたのが五皇子、その過ちを深く反省した皇帝はそれ以来、后妃と曹(ツァオ)常侍(ジョウジ)しかそばに置かなくなった。他にも駙馬や皇子の夫人たちも顔を揃えていたが、気性の激しい三公主や五公主と違い、二公主や五皇子妃は穏やかで少商を家族として歓迎してくれる。しかしその様子を見た三皇子が思わず失笑した。「今や誰もが子晟に擦り寄るとはな…」皇帝は亡き義兄を思うと酒を飲む気分にもなれず、沈み込んでいた。そんな中、宴に招かれざる客が現れる。汝陽(ジョヨウ)王妃は家族の宴を理由に参内し、愛孫の裕昌(ユーチャン)を出家に追い込んだ少商と孫を捨てた凌不疑への鬱憤を晴らしにやって来た。そこで普段は宴に参加しない越妃の席に勝手に座ったが、珍しく越姮がやって来る。「叔母(シュームー)、そこは私の席です、空けていただけますか?」越姮は叔母の席を用意するよう命じ、汝陽王妃を移動させた。越姮は孫を甘やかす汝陽王妃を牽制するため、子女たちに厳しい戒めを与えた。三公主には騒ぎを起こせば食邑(ショクユウ)や奴婢を全て召し上げると脅し、二公主が妹をかばえば、女媧(ジョカ)に頼んで三妹のような愚かな娘を産ませると容赦ない。皇太子妃に至っては自分の手の内を管理しろと叱られ泣き出す始末、五公主はひどいクマができていると指摘され、今夜は独りで過ごしたらどうかと揶揄された。さすがに汝陽王妃は残酷過ぎると呆れたが、越姮は子女たちを教育しているだけだという。すると越姮は駙馬や公主たちを下げてから昔話を始めた。「当時、長公主は懐妊中で身体が弱るも、叔母は肉を買う金も貸さなかった 陛下は姉のために獲物を狩ろうと凍える雪の日、山に入るしかなかったのです 霍翀(フォチョン)兄が駆けつけた時、陛下は凍えていたとか その後、霍翀兄が金を出して長公主と凍傷の陛下を世話してくれました…」汝陽は慌てて皇帝が山に入ったことなど知らなかったと言い訳したが、皇子たちの目は冷たい。「…子晟、私と陛下はあなたの成婚を待ちわびてきた 子孫がいれば舅父一族を供養し、亡き彼らの魂が孤独にさまようこともない あなたの妻に難癖をつける者など、くそ食らえよっ」つづく( ;∀;)ずーしょん…やっぱり相当、拗らせてるね〜 ←そっちwそれにしてもこの手の長台詞は耳触りが合わないとキツいわ( ̄▽ ̄;)
2023.09.24
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第2話)第29話「偏愛される喜び」宮中での花嫁修行が決まった程少商(チォンシャオシャン)。皇后・宣神諳(シュエンシェンアン)は早速、長秋(チョウシュウ)宮に少商の部屋まで準備し、自ら案内してくれた。思わぬ厚遇に少商は母でもここまでしてはくれないと目を丸くしたが、皇后は女将軍として戦った母では子にも厳格になるものだとかばう。実は皇后は少商が凌不疑(リンブーイー)の未婚妻であること以外にも、その生い立ちに共感していた。皇后もかつて少商と同じような境遇に身を置いたことがあり、苦労が痛いほど分かるのだという。「だから哀れに思い大切にしたくなるの、たとえ言葉が過ぎたとしても無礼には感じないわ あなたを偏愛する余(ヨ)の心が分かる?」少商は皇后がなぜ一族の王姈(ワンリン)を訴えた自分に寛大なのか納得し、思わずひざまずいた。「ありがとうございます、皇后」日も暮れた頃、長秋宮を出た少商は凌不疑と一緒に城門へ向かっていた。実は不疑は少商が皇帝と皇后の出方を見ようと王姈を訴えたことに気づいていたという。まだ幼く怖いもの知らずの少商、不疑は危険を冒さず、2人の性分が知りたいのなら自分に聞けばいいと言った。しかし少商は例え殺し合いになろうとも座して死を待ったりしないと威勢が良い。「では私について何か聞きたいことはあるか? 私は長秋宮で育った、知りたくないか?私がどんな人間なのか…」そこで不疑は少商の手を引っ張って城楼へ連れて行った。凌不疑は幼い頃、何度もここに来ては眼下に広がる世の灯火と燦爛(サンラン)と輝く星を眺めた。「心から望んでいた、この灯火のうちわずかな光でもいい、自分のものであったならと…」それは一見、簡単なことのように見えて、不疑にとってはとても難しいことだった。実は従軍したのは皇帝の恩に報いるためだったが、戦場に身を置くことで、この世の星河を守りたかったという。すると少商は目を輝かせながら話す不疑の顔をまじまじと見つめた。「…どうした?」「見たいの…その瞳に映っている星が…」少商は思わず不疑の顔をのぞき込んだ。「もっと近づけばよく見えるだろう、私の瞳に映る一番、輝く星は君だ」不疑はふいに少商を抱き寄せ、おでこにそっと口づけした。その夜、少商は床に入っても不疑のことが頭から離れず、なかなか寝付けなかった。おかげで翌朝、蓮房(リエンファン)に叩き起こされ何とか迎えの馬車に乗り込んだが、護衛の梁邱飛(リャンチゥフェイ)もあくびが止まらない。「昨夜、月を眺めながら散歩する若主公にずっと付き添っていたんだ…眠いったらないよ~」「初めて口づけすれば興奮もするだろう」梁邱起(リャンチゥチー)は阿飛も口づけすれば同じようになるとなだめた。「今後も早起きは続くぞ、未婚妻を心配する方がいるからな…」( ;∀;)<誰か~助けてくれ~いつまで続くんだ~@飛凌不疑は眠い目をこすりながら毎日、少商を送迎していた。一方、少商は厳しい掟や難しい教えに戸惑い、身が入らず一向に進歩しない。確かに典籍など幼い少商が理解するには難しく、実際に役立つわけでもなかった。そこで皇后は試しに九連環を渡してみると、少商はあっという間に解いて見せる。皇后は誰にも得手不得手があるものだと考え、少商の長所を伸ばしながら、苦手な読み書きや掟は少しずつ学ばせることにした。少商は物作りの才能を伸ばし、そのおかげで詩や典籍も楽しく学べるようになった。「皇后、実は仕掛け作り以外にも得意なことがあるんです」門で控えていた皇后の側仕え・翟(ジャイ)媪(ウバ)は皇后の悲鳴を聞いて慌てて寝殿に飛び込んだ。「程娘子!なんたることです!皇后の背中を蹴るとは!」「ぁ…これは骨開きです、これで重かった腰や背中が軽くなるんです」すると皇后は確かに身体が楽になったと喜んだ。ちょうど菓子の差し入れに来た駱済通(ルオジートン)はやり方を教えて欲しいと頼んだが、翟媪から嫁ぎ先の夫のためかとからかわれてしまう。「許されるなら程娘子のように皇后にお仕えしたいわ、そうすれば遠くへ嫁がなくて済むのに… 幸運な程娘子が羨ましい」「幸運なんて初めて言われたわ」幸運とは最も縁遠い少商、まさかこれが凌不疑に未練が残る駱済通の本音だとは知る由もなかった。その時、突然、誰かのけたたましい声が聞こえてくる。「…あれは文修君(ウェンシウジュン)だわ」駱済通の言葉に皇后と翟媪の顔から急に笑顔が消えた。↓さすがにこれはダメだろうwww文修君が王姈(ワンリン)を連れて長秋宮に乗り込んできた。少商は自分が王姈を訴えたせいだと気づいて皇后を守ろうとしたが、宣神諳は人払いしてしまう。仕方なく部屋に戻った少商、すると後をつけてきた王姈が入ってきた。相変わらず傲慢な王姈だったが、少商は平然と王姈のことが好きだという。「だって愚かだから…」少商は王姈がその愚かさゆえ、口を開けば弱みを握られるのだと呆れた。文修君は宣神諳が程娘子を可愛がるのも無理はないと嘲笑った。「夫に愛されず、息子は無能、娘は良心もないと来てる… だから慈しみを他人に注ぐしかないものね」「妹妹、わざわざ余を辱めに来たの?」すると文修君は本題に入った。実は弟の小乾安(ケンアン)王から文があり、寿春(ジュシュン)での生活が苦しいため銭を鋳造したいという。宣神諳は相談する相手が違うと断ったが、突然、文洲君が怒鳴り始めた。「乾安王一族からの恩を忘れたの?!養ってやったでしょう?!」少商と王姈は文修君の怒号に驚き、寝殿に駆けつけた。外で控えていた翟媪は言い争いになっていると話したが、皇后から誰にも中に入れないよう命じられたという。しかし少商は激しく罵倒される皇后を案じて思わず中に飛び込んだ。その時、ちょうど文修君が怒って燭台を倒し、少商は咄嗟に皇后をかばって腕に怪我をしてしまう。興奮冷めやらぬ文修君は殿門を開いて恩知らずな皇后の過去を知らしめてやると叫んだ。少商は皇后が殿門を閉めたのは文修君を守るためだと言い返し、口汚い言葉が外に漏れたらただでは済まないはずだと牽制する。「…ふん、私が死を恐れるとでも?」「では直接、陛下に文句を言って死んではいかがですか?皇后は無関係です!」すると文修君はさすが凌不疑が選んだだけあって弁の立つ娘だと鼻で笑った。「程少商、何様のつもり?!お前の夫も離縁され錯乱した女の息子 宮中で育てられて皇子だと勘違いしている」「子晟(ズーション)の功績は戦場で命を懸けて勝ち取ったもの、陛下の偏愛ではないわ 一族の権勢を笠に長秋宮で無礼を働くよりはましです!」その話をちょうど長秋宮を訪ねた文(ウェン)帝と凌不疑が聞いていた。文修君は新参者の少商の無礼に激高し、掟を教えてやると手を振り上げた。しかし皇后に腕をつかまれ止められてしまう。「鋳造権も渡さず、小娘さえ懲らしめられないと?やはりあなたは恩義を忘れた裏切り者よ!」「もうよい」そこへ皇帝が凌不疑を連れて現れた。( ๑≧ꇴ≦)まさかのアルソック皇帝皇帝はなぜそこまで執拗に皇后へ恩を着せるのか理解に苦しんだ。確かに皇后の父が亡くなった時、乾安王が夫人を哀れんで母子を引き取ったが、そもそも文修君の祖父が難に遭った時に死線を潜り抜けられたのは宣氏全族の助けのおかげ、乾安王はその時の恩を返したに過ぎない。「奏上したければなぜ車騎(シャキ)将軍を通して朝堂で訴えぬ? 長秋宮で皇后を困らせるのは、皇后がそなたに寛容だと知っているからだ 今日の皇后への不遜、行き過ぎた言動と不敬の数々はどんな罪になる?」驚いた皇后はそれとなく不疑に助けを求めた。「では文修君、お選びください、ここで陛下の処罰を待つか、私と共に皇宮を出るか」文修君は凌不疑と宮中を出たが、全く懲りていないように見えた。しかし不疑は城門への道すがら思わぬ情報を得る。「あなたのように両親の情も解さず冷酷な者には私のやり方は理解できないでしょうね? 陛下が父を孤城へ救援に行かせねば、勝利する前に父が死んだと思う?」「文修君はご存知なのか?乾安王が亡くなった理由を…」「もちろんよ」文修君の話では小越(ユエ)侯が乾安王に先んじて瘴気(ショウキ)を調査させるも、調べた兵士が死んだので報告してきたという。それでも乾安王は孤城を救おうと危険を冒して瘴気の中へ入り、結局、命を落とした。「あなたの舅父(キュウフ)を助けるために父は荒れ地で死んでいったのね 父が生きていたら今頃、天下は誰の手にあったかしら」「この件には裏がありそうだ、これ以上、利用されぬことです 小越侯と宣氏は不仲、小越侯の言葉は鵜呑みにできない それに陛下は小乾安王に義理を尽くしている、鉱山があれば困らぬはずだ 過分な望みは持たず、一方だけの言葉を信じぬように…」しかし文修君は不機嫌そうに帰ってしまう。実は小越侯は宣氏が皇帝に嫁いだせいで妹が后位を逃し、乾安王を恨んでいた。「…小越侯を見張り、調査を続けよ」三公主はちょうど馬車に乗ろうとしていた文修君母娘を見かけた。「長秋宮を追い出されたのは文修君だったのね~ 鋳造権の件で嘆願に来たとか…よほど切羽詰まっているのかしらん」「三公主こそ足元を見られませんように」すると文修君は逃げるように帰ってしまう。その様子を城楼から凌不疑が見ていた。つづく( ゚ェ゚)え?ずーしょんのママは離縁されてたのか…今さら?w
2023.09.24
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※ネタバレご注意ください!长相思 lost you forever【何となく視聴した気分になれる長相思1季】※第1話はイントロダクションで紹介しています昔々、人、神、妖が共存していた頃母と西炎国に身を寄せていた女主・小夭(シャオヤオ)は戦乱で遺児となり、玉山へ修行に出されます幼馴染で王孫の哥哥こと玱玹(チァンシュエン)は必ず迎えに行くと誓いますが、小夭は行方知れずにそれから300年後、身分も本当の容貌さえも失った小夭は清水鎮で医者・小六(シャオリウ)として気ままに暮らしていました1~13話までは女主と彼女をとりまく男主たちとの出会いそしていよいよ小夭の身分が明かされ、父と再会を果たします第15話「小夭の母が生きていた?!」このシーンを見た時、まあまあ驚きました( ̄▽ ̄;)何しろ叫ぶ叫ぶ「にいやあ~」「ぐぁ~ぐぁ~」「ぐぉ~ぐぉ~」第22話「小夭、哥哥を守る」気を抜いていたらまた来ましたwww泣くわ叫ぶわでもうお腹いっぱいw第25話「禁断症状で暴れる哥哥」哥哥熱演?いや怪演?w第30話「まさかの女主死す!」なのにキリトルのが↓ここw第36話「失恋の末に…」最後はどんだけ盛大な泣き芸が来るのか?!と待ち構えていたら急にしおらしくなるという…ガガはそばにいてね・・・( ತ _ತ)知らんがなさて1季は小夭の後押しもあり玱玹が王位を継承したところで終わりました結局、このドラマって小夭が最終的に誰を選ぶのか?って話なのかな?そうなるとわりとどうでもいいような気がwww(ヾノ・∀・`)イヤイヤイヤイヤイヤ…楽しかったんですよ(←フォローになってないw果たして2季はいつになるのでしょうか?あのごたごた加減から、しばらくかかりそうですねそれともエンタメは関係なく、3季までまとめて公開!となりますか乞うご期待!(←何に?w
2023.09.21
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper最終話長意(チャンイー)は生きていた。天君・汝鈞(ジョキン)の菩提樹の実が凍結を解きながら経脈を修復、長意は鮫尾を取り戻し、霊力が回復したという。こうして危機一髪だった紀雲禾(ジーユンファ)を救った長意、しかし妖魔と化した汝菱(ジョリョウ)は不敵な笑みを浮かべた。「鮫尾が戻れば世間の邪念に勝てるとでも?!」すると邪念を操る鈴の音が北淵の地に鳴り響いた。その頃、洛錦桑(ルオジンサン)は蝶の姿で戦場を飛び回り、愛しい空明(コウメイ)を探していた。空明は操られた仲間たちに目を覚ますよう訴えていたが、突然、前方から我を失った姫成羽(キセイウ)が迫ってくる。弟弟子に手を出せず呆然と立ちすくむ空明、その時、洛洛が人像に戻って空明の盾となり、姫成羽に刺されてしまう。「…成羽uuuuuuuu!」空明は姫成羽を掌で吹き飛ばし、洛洛を抱き止めた。「あなたは私にとって霊石より大事だと分かったわ…」洛洛は最後にうっすら笑みを浮かべ、空明の腕の中でそっと目を閉じてしまう。驚いた空明は泣きながら霊力を与え続けたが、そんな2人に向かって敵兵の剣が飛んで来た。すると姫成羽が咄嗟に飛び出し、身を挺して師兄を守る。姫成羽は心魂を操られながらも師兄の怒号を聞いてわずかに良心を取り戻していた。( ๑≧ꇴ≦)るおるおーっ!って、姫成羽って生きてたの?!雲禾と長意は力を合わせ汝菱に挑んだ。激しい攻防が続く中、やがて雲禾は汝菱の鈴を取り上げ、目の前で粉々に砕いてみせる。すると操られていた弟子たちが一斉に我に返り、戦いは収束した。しかし目を覚ました思語(シギョ)が林昊青(リンコウセイ)の姿がないことに気づく。実は林昊青は別の場所にいた。「あはははは~!鈴を壊せば終わるとでも思ったの?!」高笑いした汝菱は別の鈴を招喚、合図を送ってしまう。「あの鈴が操るのは単なる傀儡(クグツ)、でも魔気で作った鈴は破壊できないわ 林昊青にぴったりでしょう?」「師兄?…長意、天君が危険だわ」雲禾は林昊青の狙いが天君だと気づき、長意に汝菱を任せた。汝菱に心魂を操られた林昊青は殞魔(インマ)陣を開こうとしている天君を背後から襲おうとしていた。しかし危ないところで雲禾が現れ、師兄を阻止する。「天君、ここは私にお任せ下さい!」一方、長意は汝菱を追い詰め、最後は鮫尾の一撃で陣の中に放り込んだ。その頃、天君を守っていた雲禾は師兄と差し違えていた。思わず顔を背けた雲禾、しかし刺されたのは林昊青だけで雲禾は無事だと気づく。「師兄っ…」「雲禾…私はこの巨大な碁盤の中に捕らわれてしまった… だが最後の力を大切な人のために使える…これで死んでも悔いはない… ″怖くはない、私が雲禾を守る″…」林昊青は幼い時に師妹に誓った約束を果たし、崖から身を投げた。( ๑≧ꇴ≦)師兄nnnnnnnnnnn!殞魔陣を開いた汝鈞は姉を封印するため、雲禾と一緒に駆けつけた。陣に捕らわれた汝菱は弟の仕打ちに激怒、恩知らずには天地を掌握する資格はないと暴言を吐く。「身は滅んでも術と魂は滅ばない!そうよ、風となって1人残らず殺す! この四海八荒(シカイハッコウ)を道連れにしてやる!」その時、汝菱は自ら身体を消散させ、魔気となって衆生に復讐しようとした。雲禾は咄嗟に長意を突き飛ばすと、その隙に九尾狐となって陣に飛び込んでしまう。「風になるというなら私が全て受け止める、共に滅ぼうとも構わない」雲禾は全ての魔気を自分の身体に取り込むと、琉璃心灯を封じた。「ごめんなさい長意、こうするしかないの」すると雲禾はどこかへ消えてしまう。雲禾は火口へやって来た。そして琉璃心灯を放り込み、心灯で天地の火をおこしてあらゆる悪を焼き尽くすと決める。すると長意が駆けつけ雲禾を引き止めた。「雲禾!悪を滅ぼすために、また犠牲になるつもりか?!」「順徳が死なないと平和は訪れない…」「なら私も飛び込む!」しかし雲禾は自分が飛び込んだ後、封印して噴火を防げるのは鮫族の権杖(ケンジョウ)を使える長意だけだという。「辛いでしょうけど、信頼できるのはあなただけなの…長意、これは私の選択よ 安心して、心灯が守ってくれるから私は死なない、魔気が消滅したら戻る方法を見つけ出すから… 将来はあらゆる困難を共に乗り越えましょう」「分かった、では約束してくれ」長意は雲禾に唇を重ね、再び鮫珠を渡した。「鮫珠があれば私を忘れない、私は永遠に君の大尾巴魚(ダーウェイバーユー)だ、帰りを待っている 鮫人は生涯、独りの相手と添い遂げる」「約束するわ、どんなことがあろうと必ず戻る道を見つけると… だって私の居場所はあなたのそばしかないんだもの でも私のために北淵に留まらないで、遊歴して世の中を見て欲しいから…いいわね」「分かった、約束するよ」こうして雲禾は長意から手を離し、火口へ身を投げた。北淵に平和が戻った。しかし空明はまだ洛洛を抱きしめたまま涙に暮れている。「私に責任を取りたくないのか?」「…高くつくの?」「洛洛?!」意識が戻った洛洛は晴れ渡る空を見上げ、すでに何もかもが終わったと気づいた。( ๑≧ꇴ≦)洛洛、生きてたのかーい@絶叫w長意は火口を氷で閉ざした。その場からなかなか離れることができない長意、そこへ天君がやって来る。「やっと分かった、父が遺した百万の神兵とは謎の部隊ではなかった 悪と戦うあらゆる者たち、つまりそなたたちだったのだな だが紀雲禾が犠牲になるとは思わなかった、すまない」「天君は関係ありません、雲禾がこうと決めたら誰も止められない だが彼女は必ず約束を守るでしょう」しかし魔気が消えるまで100年か1000年か、もしくは1万年か、天君にも分からないという。すると長意は東海の封印を解き、万花谷を見守って欲しいと頼んだ。「北淵なら卿瑤(ケイヨウ)がいれば安心でしょう」こうして長意は尊主の座を卿瑤に譲り、独り旅立った。洛洛は空明と結婚、その日、待ちきれずに仙師府を訪ねた。姫寧(キネイ)は天君が仙師と審議中だと止めたが、ちょうど2人が外へ出て来る。「洛洛?!」仙師府に復帰した空明は仙師として忙しい毎日を送っていた。すると洛洛が意味ありげに自分のお腹を指さしている。「空腹なら家に帰ろう」「私じゃない…ふふ、もう父親よ」喜んだ空明は人目もはばからず洛洛を抱き上げ、喜んだ。洛洛の慶事は北淵にも届いた。微妍(ビゲン)は尊主もそろそろ伴侶を見つけてはどうかと言ったが、卿瑤は北淵の平和だけで十分、心が満たされているという。その頃、天君は菩提樹を眺めながら姉を思い出していた。合虚(コウキョ)神君は未だ順徳のことが諦められないのだと分かったが、時には過去を振り返ることも必要だという。「今日はやけに機嫌が良いな、吉報か?」「飛廉(ヒレン)と雷沢(ライタク)が復活したと聞けば元気にもなります」「それは良かった!万花谷の雪(セツ)統領にも知らせよう! だが離殊(リシュ)世子の逝去が悔やまれるな…」すると合虚はここへ来る途中で月下(ゲッカ)仙君と出くわし、もう一つ朗報を聞いたという。「いや、やはり秘密にしましょう、相思相愛の者たちを驚かせてやりたい」三月(サンゲツ)は今日も離殊が遺したかんざしを髪に挿していた。するといつも遊びに来る黒猫が庭先に現れたが、今日に限ってどこかへ行ってしまう。三月は仕方なく干物を持ってあとを追いかけると、やがて大きな藤の木の下で猫を捕まえた。「今日はどうしたの?」「美しい毛並みにしなやかな体、大切に飼われていますね」「…誰なの?!」三月は勝手に入って来た男の声に腹を立てて振り返ったが、我が目を疑い呆然となった。「人間界から来た新弟子だ、なぜかここに迷い込んでしまって… 君も弟子だろう?万花谷で最強だという雪統領に憧れている 彼女の好みを知っているかい?歓心を買って気に入られたら感謝するよ」その新弟子は離殊とうり二つだった。( ๑≧ꇴ≦)てっきり黒猫が生まれ変わりだと思ってたー!思語は雪統領が無事に離殊の生まれ変わりと再会したのを見届け、谷主に報告した。「奴の絵姿を見た時、天の計らいだと思った、三月の弟子にしよう」崖から身を投げた林昊青は命拾いしていた。しかし重傷を負って歩けなくなり、かつての父のように車椅子での生活を余儀なくされている。思語は三月と離殊の幸せな結末を喜びながらも、そんな谷主の姿を見ると胸が痛んだ。「万花谷は残っているし、お前もいる、それで十分だ」「でも谷主ご自身は?」「私?歩けないが思うまま生きられている、本来の自分に戻れたのだ、お前も喜んでくれ それより雲禾と長意の新たな情報はあるか?」「火山に動きはありません、長意も人間界へ行ったきりです、探ってみますか?」「いや忘れてくれ」すると林昊青は良い天気なので散歩へ行こうと笑った。( ๑≧ꇴ≦)師兄、生きてたのかーい!@絶叫その2その頃、長意はかつて雲禾と一緒に人間界を眺めた崖の上に立っていた。あれは成婚の夜のこと、今でも昨日のことのように覚えている。雲禾は来世では尊主や護法ではなく、普通の夫婦として温かい家庭を築きたいと願い事をしていた。『春は夜桜、夏は満天の星、秋は満月、冬は初雪を楽しみたい 春夏秋冬ずっと一緒よ、けっしてそばを離れない』…雲禾、君は私の心に咲いた最も美しい花だ…私たちの過去は愛に満ちていた…2人で自由に憧れ、手を携えて逃げたが、お互いを誤解した…紆余曲折を経て再会し、君に私の烙印をつけた…1度ならずも2度も君を失い、そして1度ならずも2度も君を待った…私は信じていた、必ずまた会えると「チャンイー、私たちの馴れ初めはおとぎ話みたいね」長意と雲禾は再び巡り合い、東海を見渡す崖の上にいた。「それであなたの鮫尾は?」「君が初めて見た時とすっかり変わらないよ…でも君はまだ見たことがなかったね」「不思議だったの、あなたがなぜそんなに純粋で無邪気なのか… 確かに広大な海の前では全てが小さく見える、険しい道も波しぶきと同じ、すぐに過ぎ去るのね」「これからは大空の下で共に生きよう、雲禾…もう2度と離れない」「ねえ…どっちが早く泳げるか試してみない?」すると雲禾と長意は手をつないで東海に飛び込んだ。海面から飛び上がった2人の鮫尾は夕陽に照らされ、美しく輝いている。終わり( ๑≧ꇴ≦)終わったあぁぁぁぁぁぁぁ!配信当時はなぜ雲禾が生まれ変わったのか良く分からなかったけれど、ようやくこれで個人的にも完結できました!では次は安楽伝でお会いしましょう~(^ꇴ^)ノ″ ←勝手に決めているw
2023.09.18
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第19話ようやく結ばれた紀雲禾(ジーユンファ)と長意(チャンイー)、しかし幸せも束の間、長意は婚礼の午夜には凍結する運命だった。空明(コウメイ)から話を聞いた洛錦桑(ルオジンサン)は雪三月(セツサンゲツ)と一緒に雲禾の元へ行こうとしたが、空明が止める。実はこれが雲禾と長意の選択であり、最期の夜は2人だけで過ごさせたかった。一方、雲禾の幸せを祈って酔い潰れていた林昊青(リンコウセイ)は花海で朝を迎えた。すると妖魔と化した順徳(ジュントク)仙姫・汝菱(ジョリョウ)が現れ、雲禾への慕情を見抜かれてしまう。汝菱はそんな林昊青の心の隙間に目をつけ、呪術を放った。霊力を使い果たしていた林昊青は抵抗できず。汝菱に心魂を操られてしまう。↓白雪姫の魔女と化粧が濃くなった師兄翌朝、雲禾が寝殿を出ると洛洛たちが心配して回廊で待っていた。長意の件はすでに空明から聞いたという。「長意の身体は凍ったわ… 長意は私の縫った衣を着て一緒に天灯を眺め、歌も歌ってくれた、それで満足よ」すると雲禾は皆を心配させまいと笑顔を見せ、戦に向けた防備の確認へ足早に出かけてしまう。残酷な2人の運命に胸が痛む雪三月、しかし離殊(リシュ)は2人に自分たちの姿を重ねていた。天君・汝鈞(ジョキン)は琉璃心灯(ルリシントウ)の最後の破片が見つけられず、修復できずにいた。しかし琉璃心灯は上古の仙族が仙骨で作った神器、思いつめた汝鈞は雷沢(ライタク)神君と飛廉(ヒレン)神君の目を盗み、自分の仙骨で補おうとする。その時、飛廉と雷沢が現れ、止めた。実は新たな妖魔の正体が仙姫だと分かり、これは天君が乗り越えねばならない天劫だという。「ゆえに心灯の修復は我々にお任せください」すると2人は天君を陣に封じ、己の仙骨抜いて修為を使い果たし、琉璃心灯を修復した。雪三月と離殊が辺境にいた雲禾の元へやって来た。「皆を動揺させまいと耐えているのね、でも私に気遣いは無用よ」悲しみをこらえていた雲禾はついに涙があふれ出し、ようやく胸の内を明かした。「覚悟はできたつもりだった… でも一度、手にした幸せを失うのは辛過ぎる、痛くて胸が張り裂けそう」離殊は長意を連れて凍結を解く方法を探しに行くよう勧めたが、雲禾は長意から引き継いだ責任をまっとうしなければならないという。「北淵と衆生のため、私の命はとうに私のものじゃないの」その時、天君が現れた。天君は見事に琉璃心灯を直していたが、そのために飛廉、雷沢両神君が犠牲になったという。すると汝鈞は妖魔の正体が姉だと知った上で、自分が始末すると言った。雲禾は天君に凍結した長意を診せた。空明たちは回廊で待っていたが、寝殿を出てきた天君と雲禾の表情は険しい。「やはりもう誰も救えないのか…」落胆する空明、しかし雲禾はそれより今は明日にも北淵に到達しそうな順徳の大軍を心配した。卿瑤(ケイヨウ)は天君の琉璃心灯で制圧できると期待したが、実は琉璃心灯が直ったところで雷が生む天光がなければ殞魔(インマ)陣を開くことができないという。そこで三月が取りに行くと名乗りを上げたが、天君にも天光のある場所が分からなかった。離殊は独りで長意と会った。命を賭して戦を止めた雲禾、朱厭(シュエン)を始末するため命を投げ出した長意、琉璃心灯を修復するため犠牲となった神君たち、そして姉と戦わねばならない天君…。離殊は皆の潔さに敬服し、自分の宿命を受け入れると決めた。「次に英雄になるのは俺だな…行ってくる」離殊は高台へ登ると首飾りの鈴に呼びかけた。「祖父、天火はどこですか?!」すると鈴が天に舞い上がり、巨大な雷雲が現れる。見回り中だった雲禾たちは急な雷鳴に驚いたが、そこへ汝鈞が駆けつけた。実は琉璃心灯が急に何かに反応して熱を帯びたという。三月は何やら胸騒ぎがして洛洛に離殊を見たか聞いた。しかし洛洛は離殊が長意の寝殿から出たのを見たのが最後だという。三月たちは離殊を探した。するとどこからともなく天火が現れ、天君の琉璃心灯を照らしてくれる。「誰が取りに行ったの?」洛洛が困惑していると、何かに気づいた三月が急に飛び出した。離殊は使命を果たし、ついに琉璃心灯を天火で灯した。しかしついに身体が消え始めてしまう。「離殊っ!」三月は離殊の姿を見つけて走り出したが、あと一歩というところで離殊は消散した。すると雪の上にかんざしだけが落ちてくる。そのかんざしにはわずかに離殊の元神が留まっていた。「離殊…」…本当は愛する妻へと刻もうと思ったが、名だけにしておいた…別の男に嫁げなくと困るだろう?…君は己に厳しく生きづらいだろうが、もっと自由に生きて欲しい…大歓(タイカン)と小歓(ショウカン)に家を用意させてある…何もかも終わったらそこで思うまま生きて欲しい…先は長い、君を守ってくれる者を見つけたらいい…俺のように君に嘘をつかず、傷つけない者をな…だが俺は悔いていない、君の猫になれたことは1番の幸せだった離殊の残像が消えた。三月は離殊の形見となったかんざしを手にすると、そこに″愛する妻の三月″と彫られている。「私を騙して逃げるなんて…虫が良過ぎるわ」三月はしばし悲しみに暮れていたが、やがて涙を拭いてかんざしを髪に挿し、立ち上がった。「天君、この心灯で北淵を守り、順徳の成敗を…」「はお」一方、閬風巓(ロウフウテン)では合虚(コウキョ)神君が天をながめながら命数を数えていた。「天君、今、星が全て南を向き命宮に集まり、陽の気が最も盛んです 妖魔を退治するのに最も適しています、機を逃さぬように…」雲禾は凍結している長意に出発を伝え、寝殿を出た。凌霜(リョウソウ)台は卿瑤に任せたが、最後は天君にかかっている。「天君、ご覚悟は?」「…姐姐には何度も機会を与えたが顧みなかった、今こそ終わらせなければ」一方、洛洛は空明の居所に駆けつけ、自分も一緒に戦いたいと訴えた。空明は心配でかえって足手まといになるとなだめ、ここで待っていて欲しいという。その時、戦鼓が鳴り響いた。「言い争っている時間はない、いいな?」すると空明は洛洛のおでこに口づけして出て行ってしまう。雲禾たちは辺境に戦力を集め、敵を迎え撃つ準備は整った。その時、瞿暁星(クギョウセイ)が敵軍の中に思語(シギョ)や長老、万花谷の御霊師たちがいると気づく。空明は衝突しないよう攻撃はせず、何とか結界で持ち堪えることにした。すると高台で酒を飲みながら見物していた汝菱が結界に悪念の杖を放ち、ひびを入れる。雲禾は仲間たちと結界を守ったが、汝菱を倒さねばらちが明かなかった。「ここは任せたわ、順徳にお返しする」しかしついに結界に穴が開き、敵兵が北淵に雪崩れ込んでしまう。雲禾は高みの見物を決め込む順徳を挑発した。「遠路はるばる来たのに、手下に戦わせて自分は隠れているの?」「お前を早く殺しておくべきだった」「でもその願いは永遠に来ないわね…」雲禾は順徳を陣がある雪山まで誘き出し、2人は対峙した。鮫人(コウジン)の教化から始まった2人の因縁、ならば自分たちが決着をつけて終わらせるしかない。そんな2人の姿を高台の崖から汝鈞が見つめていた。…姐姐、今度こそこの手で阻止します…紀護法、殞魔陣が開くまで持ちこたえてくれしかし汝菱はあっさり雲禾を捕まえてしまう。汝菱は雲禾の首を締め上げ、高笑いした。「この程度でおしまい?哀願したら?そうすればひと思いに殺してあげる」「ぐっ…順徳、あなたは本当に哀れね…」「今や全能の私をお前が哀れむとは笑止!ふん、九尾を振って命乞いしたらどう?」その時、突然、凄まじい霊力が順徳を吹き飛ばした。_:(´ཀ`」∠):_ グハッ!雲禾を助けたのは長意だった。「長意、やっと目を覚ましたのね」「すまない、遅くなって…」「来ると信じていたわ」汝菱は長意の姿に呆然となった。「あり得ない…」「私が死ななければお前は油断しなかっただろう?」実はあの時、汝鈞は100年に一度だけ実る菩提樹の実で長意の凍結を解いていた…『この実は姐姐が私を育ててくれた菩提樹に実ったものなのだ これまで記念に持っていたが、ここで役に立つとはやはり縁なのだな…』2人は汝菱を油断させて勝機を確信させておくため、ひとまず秘密にしておいたしかし凍結を解いたと言っても、長意がいつ目覚めるのかまでは分からない『危険な賭けでは?』『必ず長意が来てくれると信じています』つづく( ๑≧ꇴ≦)分かってたーっwww
2023.09.18
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第1話)第28話「神像に嫁ぐ心得」自分の気持ちと向き合い、改めて凌不疑(リンブーイー)との婚姻を決めた程少商(チォンシャオシャン)。そうとは知らず、少商にこっ酷く追い返された不疑は城楼で独り、少商のために作った悪酔いしない酒をあおっていた。すると眼下で刺客から逃げ惑う韓武(ハンウー)の姿を見つける。不疑は急いで駆けつけ韓武を助けたが、刺客の最後の1人を始末しようとしたところで止められた。「生き証人にっ!」韓武は当時、小越(ユエ)侯の陣営にいた軍医を発見、接触していた。思った通り軍医は瘴気(ショウキ)を調査した将士の馬を陣営で目撃したという。瘴気を浴びて馬だけ無事とは考えられず調べを進めてみると、実は将兵たちが刀で斬られて死んでいたと分かった。恐れた軍医は名を隠して帰耕(キコウ)していたが、結局、若主公と会わせる前に殺されてしまう。「一体、何者だ?」韓武は若公主が踏みつけている刺客の覆面を外して顔を見た。その時、刺客が口に含んでいた毒針を放ち韓武の額に命中、不疑も驚いた一瞬の隙を突かれて足を斬られてしまう。しかし不疑は落ちていた剣を咄嗟に蹴り飛ばし、刺客を殺した。韓武は即死だった。刺客は身分を示す物を何も持っていなかったが、暗器の針には毒を入れる空洞があり、普通の鉄匠(テツショウ)が作れるとは思えない。「軍で使われる物だ…」当時、小越侯は瘴気が消えてから救援するよう乾安(ケンアン)王に提案していた。自軍の兵士を口封じしてまで瘴気があると主張したのは、孤城への救援を遅らせて陥落させるためだろう。「韓武が殺されたのも小越侯が察知したからだ、この先はあからさまに調査できなくなった さらに慎重を期さねば…」その夜、文(ウェン)帝は寵姫・越姮(ユエホン)の永楽宮で過ごしながら、怪我をした子晟(ズーション)を心配していた。いつも無駄口を叩かない子晟が驚くことに″落馬した″と見え見えの嘘をついたという。「6歳から自在に馬を走らせていた子晟が落馬だと? 実は負傷する前、程娘子(ニャンズー)に会っていたらしい」皇帝は怪我の原因が程娘子だと考え、自分が罰するのを恐れて子晟が程娘子をかばったのだと深読みした。「今や子晟の心には程娘子だけ…朕は排除された(ボソッ」するとは越妃はそれが若さだと懐かしんだ。かつて皇帝も首を蚊に刺されただけで、あらゆる手段を使って自分に知らせようとしたことがあったという。「でももし程娘子が何も知らないなら…子晟は負傷したかいがないですね」「( °◊° )ピコーン!なら朕が知らしめてやろう!」そこで皇帝は早速、少商と子晟を参内させることにした。「程娘子には朕と同じくらい子晟を愛おしんでもらわんとな!」参内した少商を案内してくれたのは五公主の伴読・駱済通(ルオジートン)だった。すると運悪く回廊で三公主と出くわしてしまう。「程娘子、また会ったわね、その顔で十一郎を誘惑したのね」「…誘惑とはどういう意味でしょうか?」掟を知らない少商はうっかり聞き返し、三公主を怒らせた。「口答えしたわね、誰か、頬を叩いて」「やめないか!」その声は凌不疑だった。アルソック不疑キタわ~!‹‹\(´ω` )/››‹‹\( ´)/››‹‹\( ´ω`)/››三公主は少商など十一郎の妻に相応しくないと訴え、人を惑わせ、足まで怪我をさせたと非難した。許嫁に因縁をつけられた不疑は嫌悪感をあらわにし、三公主こそ倹約する皇帝と皇后を顧みず強欲だと非難する。「私も今年で齢21、少商と出会ってやっと妻帯する気になった この生涯で少商以外の誰かに心が動くことはない」すると不疑は呆然と立ちすくんでいる少商の手をつかみ、連れて行ってしまう。凌不疑の仕打ちに憤慨する三公主、実は駱済通も人知れず深く傷ついていた。凌不疑は少商が縁談を辞退するつもりだと誤解していた。しかし少商は自分が足を怪我したと知って心配してくれる。「一応、未婚妻として気遣わないと陛下の怒りを買うでしょう?」少商の物言いは相変わらず容赦ない。「あなたは熱過ぎる、修造?…違う、神像みたい、畏怖され崇められる その神像と成婚して一緒に住むのよ?誰だって躊躇するわ」「少商、妻と決めた以上、私には君しかいない 破談にしたいなら陛下に申し出よ、だが私は決して応じない」すると少商はあっけらかんと破談にするつもりはないと言った。「幼い頃から愛されず、愛することも知らない、だから下心を疑ってしまうの でもあなたは私によくしてくれたわ」「…少商、君は私の妻、私の持つ全ては君のものだ…全力で君を守る、いずれ信じてもらえる」「信じるかどうかはあなた次第ね~」そこで不疑は少商の好物の焼餅(シャオビン)を出した。「今後は好きな時に食べるといい」皇帝と皇后は皇太子夫妻を同席させ、少商と引見した。すると心配した凌不疑が現れ、一緒に話を聞くという。皇帝は不疑を静養させるつもりで呼んだが、不疑は頑として動かず、仕方なく2人に足を崩すよう促した。皇帝は少商を皇后に預け、花嫁修行させることにした。しかし少商はうつむいたまま黙ってしまう。不疑は何でも正直に言えば良いと助言したが、少商は何を思ったのか急に訴えたい人がいると言い出した。朝廷では皇帝への諫言や上奏は大ごと、一つ間違えば重罪となる。「朝廷のことは分かりません、でも凌将軍は陛下が寛大で実父も同然だと… あ、礼に適っていないのなら言いません」すると不疑が大丈夫だと答えたため、皇帝も認めざるを得なかった。「…臣女が訴えたいのは車騎将軍・王淳(ワンチュン)の娘・王姈(ワンリン)です 楼(ロウ)家の婚礼で私を中傷したからです」皇太子妃は少商の思わぬ訴えに目を白黒させた。まさかよりによって皇后の従姉妹・文修君(ウェンシウジュン)の娘を訴えるとは。文修君と言えば、ちょうど屋敷を訪ねてきた寿春(ジュシュン)の使者から鋳造権を無心されていた。かつては権勢を誇った乾安王府も皇帝の天下取りで老王が亡くなり没落、弟の小王が地盤となる寿春で不遇の日々を送っているが、それを支えているのが使者の家主である彭坤(ポンクン)だった。「天下は本来、乾安文氏のものだった、なのに我ら姉弟がかくも苦労するとは…」そこへ客人とは知らず王姈が現れた。すると使者は美しい王姈を気に入り、父親ほど歳の離れた家主に嫁がせたいという。「…お忘れなきよう、家主がなぜあんな身体になったのか 家主が瘴気も顧みずに乾安王を背負って戻ったからでは?! ずっと子宝に恵まれぬのもそれが原因です!」少商は王姈たちから大勢の前で女狐だと中傷されたと訴えた。もし自分が訴え出なければ凌将軍は女狐に惑わされたとの名折れになるという。「陛下の家は国に関わる、家が乱れれば国も危うい、国のために訴えるのです 私も根に持ちたくはありませんが、王娘子は子晟のことで絡むのをやめません」すると皇太子も確かに王姈が人目もはばからず子晟の縁談に何度も憤慨していたようだと明かした。皇帝は更なる災いを防ぐため王姈に戒めを与えると言ってくれた。少商も皇后の長秋宮に住み込むことになったが、まだ幼い少商は戸惑いを隠せない。そこで不疑は少商がようやく両親と過ごせるようになったことから、自宅から通わせてはどうかと提案した。「また別れを経験させたくありません、私が毎日、送り迎えします」「子晟自ら送迎とは…」皇帝は仕方なく許可した。「では毎日、辰時前に長秋宮に入って申時末に皇宮を出る、10日に1日が休みよ」一方、王姈は母から舅父のいる寿春へ嫁げと言われ、号泣していた。「程少商は凌不疑に嫁ぐのに、なぜ私は未開の地の年寄りに嫁ぐのですか!」しかし彭坤は乾安王一族の恩人、無下にはできない。将軍は娘をかばい婚姻に反対したが、文修君は未だ自分の境遇に納得できなかった。「我ら乾安王一族がいなければ陛下は大軍を得て戾(レイ)帝を平定できたと思う? 皇后とて我が家に身を寄せたから今日があるのよ! 我が一族が犠牲となり、残っているのはお前の舅父だけ…天下が我が家に恩があるの!」その時、曹(ツァオ)常侍(ジョウジ)が皇帝の命を伝えにやって来た。気位の高い文修君は皇帝の言葉とは言え、決して宦官の前で跪こうとはしなかった。仕方なく曹常侍は程少商を辱めた王姈に父娘で自省するよう伝えたが、これに激怒した文修君は娘を引っ叩いてしまう。「横暴でも何でも良いが恥をさらすのだけは許さない!」文修君は程氏をかばった皇帝だけでなく、それを諌めない皇后への怒りが爆発した。「もし私と陛下が同族でなかったら、私が皇后だった!」つづく( ತ _ತ)文修君の金切り声でテンションが下がるわ___それにしてもずーしょん21歳なのか?!にゃおにゃおが15歳だから、せいぜい18歳くらいかと思ってたェェェェェ…( ̄◇ ̄)( ̄◇:;.:... ( ̄:;....::;.:. :::;…
2023.09.16
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第27話「本当の気持ち」凌不疑(リンブーイー)の権勢に反発しながらも聘礼(ヘイレイ)の儀を済ませた程少商(チォンシャオシャン)。すると不疑は程家も自分の家族だと言って黒甲衛(コクコウエイ)に曲陵(キョクリョウ)侯府を警固させた。「これからは私の親衛が毎日、出入りを調べて安全を守ります(キリッ!」(๑•̀ㅂ•́)و✧<お任せください!( ゚Д゚)゚Д゚)゚Д゚)アルソック?さらに翌日は早朝から屋敷の人間が中庭に集められ、厳しい訓練が始まった。2人の兄はもちろん、堂姉・程姎(チォンヤン)や侍女まで体力作りのためだと鍛錬を強いられてしまう。凌将軍の威光に程始(チォンシー)も逆らえず、穏やかな姎姎さえ生まれて初めて反抗したくなったと嘆いた。喉が渇いても身体が冷えるからと白湯しか飲ませてもらえず、夜になっても護衛の目が光り気が休まる時がない。やがて家族は限界に達し、凌将軍の対応を嫋嫋(ニャオニャオ)独りに任せると決めた。その夜、少商は塀をよじ登って脱出、万萋萋(ワンチーチー)と酒を飲んで憂さ晴らしした。「以前は書を読めと見張られたけど、今はみんな凌不疑から隠れるのに必死でそれどころじゃない 今や阿母の代わりに凌不疑が干渉するの、母の干渉なんて凌不疑に比べたら可愛いもんだったわ 鍛錬って…ケッ!屋敷中を集めて訓練を始めたのよ?!(# ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ バンバン!」しかし軍生活に慣れている萋萋は確かにその病弱で非力な姿を見れば鍛えるべきだと失笑した。少商は何も指図しなかった楼垚(ロウヤオ)を懐かしみ、食事にまで口を出す凌不疑への不満が爆発する。「あの笑い話、何なの?あれは嫁がなければ一家が死ぬっていうおどしよ!凌不疑は極悪非道!」「でも…凌不疑は色々と尽くしてる…で、あんたは凌不疑が好きなの?嫌いなの?」「好きってどんな感情?」「そうね〜たとえば目を閉じても顔が浮かんでくるとか…」少商は目を閉じて考えてみたが、ふと目を開けると凌不疑の顔があった。凌不疑が泥酔した少商を背負って帰って来た。家族は凌将軍が少商を酔わせたと誤解して非難したが、聞けば少商が屋敷を抜け出して萋萋と酒を飲んでいたという。「少商だけでなく馬車で万娘子が寝ています」すると驚いた程頌児(チォンソンアル)が馬車の様子を見に行った。蕭元漪(シャオユエンイー)はいくら許嫁とは言え成婚前だと指摘、ともかく夫に少商を渡すよう頼んだ。しかし凌不疑は無理だという。「離したくないわけではなく、ご覧ください」すると不疑は両手を離してみせた。どうやら少商は凌不疑を馬だと思い込んでいる様子、しがみついて離れようとしない。「程夫人、私が運びます」一方、馬車でも泥酔した萋萋が程頌児に絡んでいた。手を焼いた程頌児は萋萋を押さえつけ、静かにさせるため口づけしてしまう。↓(*≧∀≦)ノ<ジィァ! ヒッ!(゚ロ゚ノ)(゚ロ゚ノ)ノ翌朝、少商は蓮房(リエンファン)から凌不疑におぶさって帰って来たと聞いた。すると早速、凌不疑が酔い覚ましの汁物を届けに来る。「私が酒を止めるのが気に食わなくて痛飲したのか?」そこで凌不疑は宮中の医官に生薬で作らせた桃花釀(トウカジョウ)を差し入れた。「これなら悪酔いしない、酒を飲みたい時はこれを… 自由を奪う気はない、身体を大切にして欲しいだけだ」「これは嫌い…生薬配合なら養命酒の方が好き」←とは言ってないw「もしや嫌いなのは酒ではなく私か?…少商、私は努力している、なぜ避けるのだ?」蓮房は仕方なく女公子の代わりに酔い覚ましと桃花釀を受け取り、出て行った。少商は自分たちの住む世界が違うと訴えた。「こればかりはどうにもならないわ、それにここは私の家で私の家族、あなたのものじゃない」「確かに…」不疑は幼少より軍で育ったため、命令を第一に考えるきらいがあった。決して強制したり支配するつもりはなく、ただ相談する習慣がないという。不疑には長年、家族もおらず、誰かと打ち解ける機会もなかった。「だから学びたい、私が権勢で抑圧したと言うが、私も普通の人間だ 君と普通の暮らしを送りたいと願っている」「でも私にとっては抑圧なの、桃花釀もいらない、私や家族への過剰な気遣いも不要よ そもそもあなたは普通の人じゃないし、私たちは平等じゃなかった あなたは私の気持ちも確認せず陛下に婚姻を頼んだわ、私を尊重していると言える? あなたのやり方は息が詰まるの…」すると凌不疑は何より自分のことをどう思っているのか聞いた。「私を好きか?…好きではないのか?!」しかし少商はこれまでの不満が一気に爆発してしまう。「あなたの言う″好き″とはあなたに服従して監視されることなの? 行動や食べる物も管理され、朝から一家中で鍛錬を強いられ怯えることが? それが″好き″だと言うなら私には耐えられない!永遠に望まぬ日々よ!」「では君が望む日々とは?」「それはあなたのいなぃ…(はっ!)」「それが本音か…」「嘘偽りなくね…私の家から出て行って、ここで別れてお互いに別々の道を行きましょう」「…帰るよ」蓮房は女公子に朝餉を運んだ。「あれだけ吐いたらさすがに空腹でしょう?」聞けば凌不疑は昨夜から一睡もせず少商を介抱していたという。その上、少商は一晩中、笑ったり泣いたり、しまいには凌不疑を叩くは蹴るは噛みつくはで、蓮房は激怒した凌将軍に殺されやしないかと怖かったと笑った。少商は何も覚えていなかったが、ともかく両親の部屋を訪ねることにする。すると寝殿の前に新しい履き物が置いてあった。「あ、これは女公子の足が冷えないように凌将軍が大蛇の皮で作らせたそうです 熱がこもらず、四季を通して履けるとか」程始は凌不疑に何ら非はないとかばった。そもそも人生はままならぬもの、凌不疑に嫁がなくても自分の望むまま生きて行けるとは限らない。蕭元漪は自分で応じておきながら躊躇するのは君子の所業ではないと呆れたが、ただ娘の幸せのためなら全てを捨てて縁談を断る覚悟はあると言った。「だから阿母にあなたの本音を聞かせて。凌不疑が本当に嫌いなの? この世に完璧な人間などいない、好きになっても全て意に沿うとは限らないわ 阿母と阿父さえ、ぶつかり合いながら円満な夫婦になったの 心を動かせる人に嫁げることだけで貴重なのよ?ちゃんと考えてから決めなさい」すると最後に程始は嫋嫋がどんな結論を出そうと賛成すると言った。少商は部屋に戻り、初めて凌不疑とのことを真面目に考えた。やがて日も暮れ、蝋燭に火を灯す。確かに凌不疑は不器用だが常に自分を守り、尊重してくれた。あの優しいまなざしも大きな背中も、いつの間にか少商の心の中に深く刻み込まれている。すると少商は凌不疑への本当の気持ちに気づき、部屋を飛び出して母屋へ走って行った。「阿母、阿父!決めました!…嫁ぎます!」つづく( ;∀;)やっぱり親の愛を越える愛はないのね~
2023.09.15
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第18話妖魔と化した順徳(ジュントク)仙姫・汝菱(ジョリョウ)。北淵(ホクエン)では迫り来る戦に向けて準備が急がれたが、空明(コウメイ)は長意(チャンイー)を失ってしまう悲しみに打ちひしがれていた。そんな中、紀雲禾(ジーユンファ)と長意は3日後に婚礼を行うと発表する。卿瑤(ケイヨウ)は準備が間に合わないと心配したが、雲禾と長意は格式や慣習にこだわるつもりはないと言った。「親しい友と酒を飲めればそれでいいの」何も知らない洛錦桑(ラクジンサン)は2人の婚礼に諸手を挙げて喜んだが、空明だけは浮かない顔をしていた。雲禾は卿瑤にも招待状を渡した。しかし卿瑤は親しい友だけを呼ぶはずだと困惑する。「共に戦ったら友よ」一方、長意は空明に招待状を届けていた。空明は15話で自分が長意を巻き込んだせいでこんな運命になったと後悔を募らせる。すると長意は真実の友との出会いは何物にも代え難いと笑顔を見せた。「だから後悔はない」長意が寝殿に戻ると雲禾が針仕事に勤しんでいた。雲禾は長意に気づいて慌てて婚礼衣装を隠したが間に合わない。「あなたの好みを聞いて作りたかったけど、私は手仕事が苦手なの、一番簡単な様式しか作れない 法術は便利だけど婚姻は2人の誓約よ?誠意をもって臨みたくて…」すると長意は鮫族に婚礼衣装がないことから、どんな衣装でも嬉しいと言った。「今の君を見ていて分かった…これが″家″なんだな」長意は雲禾に口づけすると、そのまま寝台に連れて行った。翌朝、長意はそっと寝台を抜け出して空明の治療を受けた。凍結は予想より早く、長くもっても明日の午夜までだという。「婚礼の夜までか…」長意は身体の衰えをしばし抑える方法がないか聞いた。←あ、下ネタじゃないですwしかし寒気を抑えれば凍結の速度が上がり、寒さが骨を刺すという。「本気なのか?」「間もなく死ぬ身だ、雲禾には美しい記憶として残りたい」一方、天君・汝鈞(ジョキン)は雷沢(ライタク)、飛廉(ヒレン)両神君と共に琉璃心灯(ルリシントウ)の修復を急いでいた。しかしなぜか最後の破片が見つからず、行き詰まってしまう。雷沢と飛廉は思い詰める天君を心配し、自分たちに任せてしばし休息を取るよう勧めた。その頃、自分の使命を知った離殊(リシュ)は雪三月(セツサンゲツ)に打ち明けられないまま悶々としていた。すると情報を集めて来た大歓(タイカン)・小歓(ショウカン)が駆けつける。実は新たな妖魔の正体は順徳だった。三月はそれより雲禾が生まれ変わって戻ったことを喜んだが、なぜか離殊の様子がおかしい。しかし離殊は新たな戦いが始まると思うと長意が心配だとごまかした。「だから私たちが手伝うのよ、順徳を始末したら私たちも仙島に家を持てばいいわ …これでやっと私も普通の女子のように平凡な暮らしができるのね」三月の夢を聞いた離殊は胸が痛み、思わず三月を抱きしめた。「俺がどこかへ去ったら君はどうする?」「どうしたの?どこへ行くの?どこへ行こうと私たちは離れない、生きるも死ぬも一緒よ」結局、離殊は三月へ使命のことを告げられず、すぐ北淵へ出発しようと言った。大歓と小歓は世子が紆余曲折を経て三月と結ばれることを祝福した。そこで長老から預かった誓いの品を渡しておく。「妃を娶るにはこれが必要だそうです」化粧箱の中には美しいかんざしが入っていた。林昊青(リンコウセイ)は絵姿を焼くため霊力を使い果たし、万花谷で静養していた。思語(シギョ)の報告では仙師の死後、順徳が仙師府を牛耳り、山には黒い邪気が立ち込めているという。また瞿暁星(クギョウセイ)からも知らせが届いていた。北淵は紀雲禾と長意が結界を巡らせ警戒中、実は今夜、2人が婚礼を行うという。「雲禾の望みが叶ったのだな…」卿瑤は姑獲鳥(コカクチョウ)を呼び寄せ、雲禾の花嫁支度を任せた。「あなたは恩人よ、恩返ししなくちゃね」「私は身寄りがないから嬉しいわ」しかし姑獲鳥は紀雲禾が夫との未来を夢見る幸せな新婦に見えず、心配になる。雲禾は添い遂げるだけが本当の愛ではないと話し、たとえ一瞬でも一生の支えになると明かした。「苦しみ迷った時ほど愛は深い意味を持つわ…ありがとう、前輩、でも決して後悔しない」その日は美しい夜だった。雲禾と長意は婚礼衣装に身を包み、親しい仲間たちが集まる大殿に現れる。2人は夫婦の杯を交わし、仲間たちを媒酌として誓いの言葉を述べた。「私、紀雲禾は長意と夫婦となり、苦難を恐れず永遠に共にいると誓います」「私、長意は紀雲禾と夫婦となり、今を大切に生き、死んでも共に眠りたいと願う」すると北淵の民が尊主の婚礼を祝うために揚げた天灯が夜空を彩った。「家族だけが祝うものだと思っていた」「長意、皆も家族なのよ…」それはまるで辛酸を嘗めてきた長意への天からの償いのように見えた。しかし長意は雲禾とこの美しい天灯が自分にとって最高の贈り物だという。「長意…あなたは優しすぎる」一方、林昊青は花海で独り雲禾の婚礼を祝っていた。その手には大切に残しておいた思い出の花冠@11話参照がある。林昊青はついに花冠を手放し、雲禾の望みが全て叶うよう祈った。「望むものを手にし、災難とは無縁であるように…そしてもう何も失うな、喜び多く、長く幸あれ」( ;∀;)師兄nnnnnnnn!婚儀もお開きとなり、洛洛は空明と居所に戻った。「婚礼の時、どうして仏頂面だったの?教えて」「…間もなく午夜だ」「それが何?…隠し事なの?」その時、離殊と三月が現れた。「なぜ婚礼を知らせてくれなかった?」洛洛は空明の様子から雲禾に何かあったと誤解し、三月を連れて様子を見に行くことにした。しかし空明が止める。「洛洛!…もう話してもいい時分だ」その頃、雲禾と長意は床に入って仲良く手を繋いでいた。雲禾は唯一の後悔が長意に尾を失わせてしまったことだと言ったが、長意は雲禾と出会えただけで何の心残りもないという。すると長意は急に雲禾の手を強く握りしめ、その後そっと離した。「もう午夜だ、眠ろう」「まだ眠くない…もう少しだけ」「分かった、あちらを向いてくれないか、歌を聴かせてあげよう」「十方陣の中で聴かせてくれた歌がいいわ」昨日の朝、長意と空明の話を立ち聞きした雲禾はその時が来たことを知っていた。雲禾は背中で長意の歌を聞きながら声を殺して泣いた。次第に身体が凍り始めた長意、すると雲禾は眠くなって来たと告げる。「長意、とても素敵な夜だわ、ありがとう…」「雲禾…私は陸に上がったことを後悔していない… 順徳もひとつだけ正しいことをしてくれた…私を万花谷に送り…君に会わせた…」すると長意は愛する人の隣で永遠の眠りについた。つづく。゚(∩ω∩`)゚。 ちゃんいぃぃぃぃ…∩(∩ ゚ェ゚)ん?ちゃんいー凍ったってことは…離殊の炎で解凍できるんじゃ?!
2023.09.14
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第17話紀雲禾(ジーユンファ)は寧清(ネイセイ)の弱点が師匠の寧悉語(ネイシツギョ)だと分かった。そこで寧悉語に寧清の元神を導くので説き伏せて欲しいと頼み、単独で仙師府に乗り込む。寧清は雲禾が師匠と夢で会ったと聞いて激高、いきなり首を締め上げた。「この千年間、再会を待ち焦がれる私が夢でも会えぬというのに、なぜお前ごときが?!」しかしふいに風が吹き、寧悉語の呼ぶ声が聞こえる。「小清、私よ」「師父…?!」その時、長意(チャンイー)が現れ、一瞬の隙を突いて雲禾と寧清を陣に封じ込めた。寧清は雲禾を介し、寧悉語と感動の再会を果たした。しかし師匠は自分の復讐を喜ぶどころか、ここで終わりにしろという。すると寧悉語は寧清に過去の記憶を思い出させた。…あの時、寧若初(ネイジャクショ)は信頼する師匠と弟弟子だけに隠れ家を教えていたしかし寧清は巻き込まれることを恐れ、長老たちに師兄の居所を明かしてしまう寧清はこれで兄弟子も青姫と別れると思ったが、目論見は失敗寧若初は青姫をかばって万花谷と対立し、師匠は2人を守って追放されてしまう師匠と共に谷を出た寧清は後悔が募り、師匠を万花谷へ戻そうと過激な手段で御霊を行うようになったそして段々とたがが外れていく結局、それが凶獣の報復を招く結果になった寧清が長(オサ)を惨殺して追い詰めなければ、凶獣も寧悉語を襲ってくることはなかっただろう…敬愛する師匠を死に追いやったのは誰でもない寧清本人だった。寧清は絶望から現実逃避して全てを忘れ、誰かを恨むことで自分を欺き、正気を保ってきたのだろう。結局、これまでの虐殺は復讐ではなく、自分の記憶を塗り替えるための所業でしかなかった。『若初に気づかれることを恐れ、あなたは手を下したのね 良心の呵責に苦しみ、いくつもの罪を重ねるうち、引き返せなくなった あなたが憎んでいたのはこの世界ではない、自分自身だったのよ』寧清はなぜ師匠が夢にさえ出てきてくれなかったのか、その理由をようやく理解し泣き崩れた。一方、朱厭(シュエン)は汝菱(ジョリョウ)に助けを求めた。紀雲禾と鮫人が仙師府に乗り込み、寧清を追い詰めているという。まさに積年の恨みを晴らす千載一遇の機会。汝菱は仙姫府を飛び出したが、長意が必死に守っている陣をなかなか破れなかった。寧清は全ての過ちに気づいたが、今さら手を引くこともできなかった。「どうせ私など誰からも愛されぬ存在です…」『私は衆人だけでなくあなたを救いに来たのよ? …最も辛い時にそばにいてやれなかった、長い歳月を寂しく過ごさせてしまったわね あの頃、一緒に過ごした家に戻りたくない?私が連れて行きましょう、どう?」その時、長意の陣が突然、破れた。汝菱は師匠のもとへ駆け寄り、雲禾と長意を殺してくれと頼んだ。しかし寧清はこれまで犯してきた罪を償うと決め、朱厭との血の契りを反故にし、強引に指輪を引き抜いてしまう。「紀雲禾、あとはお前に任せる!」寧清はみるみる白髪になり、精気を失って膝をついた。寧清に裏切られた朱厭だったが、千年の間に蓄えてきた力があった。すると指輪から邪念があふれ出し、空に暗雲が立ち込める。長意は意を決し、雲禾を陣で封じて守ると、独りで飛び出した。「長意!ダメよ!」長意は心血鋳剣(シンケツチュウケン)で我が身を削り攻撃、ついに朱厭に止めを刺した。すると寧清は安堵し、そろそろ旅立つ時が来たと気づく。その時、独り悶々としていた汝菱は朱厭の一条の残魂に気づき、咄嗟にその力を吸収した。「このまま帰れると思うな!」汝菱はいきなり雲禾と長意に悪念を放ったが、寧清は最後の力を振り絞って結界を開き、2人を逃してしまう。汝菱は寧清を恨みながらも、師弟の深い絆を忘れられなかった。そこで自分に従うなら殺さないと言ったが、寧清は今さらながら正しい師弟のあり方や愛し方を教えられなかったと後悔する。「その手で殺すがいい、お前が道を誤らなければそれでいい」「…許さないわ!今度はあなたが私に従う番よ!」しかしその時、寧清の目に映っていたのは風に乗って現れた寧悉語の残像だった。すると寧清はまるで師匠に導かれるように呪符を描き、自ら止めを刺して消散してしまう。汝菱はしみじみ師匠には最初から自分に一片の情すらなかったのだと痛感した。深く傷ついた汝菱は激しい嫉妬と絶望から、この世界を恨み、復讐を誓う。↓ウェ〜ハッハハハハハ〜!その頃、無量山に閉じ込められた離殊(リシュ)は夢の中で祖父と会っていた。祖父は先帝と共に朱厭と戦い肉体は滅んだが、琉璃心灯(ルリシントウ)に留まった元神のかけらが無量山が開く機に乗じ、離殊を呼び寄せたという@14話。実は神獣陸吾(リクゴ)の末裔が他の者と違って9つの命を持つのには理由があった。『無量天火(ムリョウテンカ)は天上の雷海(ライカイ)で生まれる 最強の陸吾の末裔のみが蘇りの強みを生かして雷海を越え、天火を手にできるのだ』陸吾の末裔は天火のために生を授かり、心灯に火をつけることが使命、祖父が死んだのもこのためだという。『そんな…婚姻目前なのに!』『使命は巡り回ってくるものだ、時が来たら果たさねばならぬ、いずれお前にも分かる』『俺には分かりません…分かりたくもない!』その時、離殊は目が覚めた。すると同時にうなじに激痛が走った雪三月(セツサンゲツ)が思わず悲鳴を上げる。離殊は慌てて三月に駆け寄ると、驚いたことに寒花の印が消えていた。天君・汝鈞(ジョキン)は三月の寒霜が解けたことから、朱厭が滅んだと分かった。これで無量山の結界も壊れただろう。しかし飛廉(ヒレン)神君は寧清と朱厭が消えた代わりに別の妖魔が現れたと分かった。「邪気を吸収して強大化しています、このままでは朱厭に比肩(ヒケン)する力を得るかと…」汝鈞はひとまず山を離れ、琉璃心灯の修復に集中することにした。「雪統領は身体が弱っている、離殊、2人は英気を養っていてくれ、北淵で再会しよう」寧悉語はわずかに残っていた元神も消え、雲禾に別れを告げた。『もう会うことはないでしょう、順徳(ジュントク)が寧清と朱厭の力を我が物にしたわ 熾烈な戦いになる、でももう助けられない、この先は自分たちで…』雲禾が目を覚ますと洛錦桑(ルオジンサン)が付き添っていた。洛洛は雲禾に抱きついて再会を喜び、2人が凌霜台で倒れていたのを見つけた時は驚いたという。しかし長意は空明(コウメイ)の居所でこもったまま、洛洛にも状況が分からなかった。雲禾は空明の居所を訪ね、そこで偶然、2人の話を聞いた。実は長意は朱厭の残魂を砕いた時に逆襲され、もはや空明でも手の施しようがないという。雲禾は部屋に入り、長意の病状を包み隠さず教えて欲しいと頼んだ。すると空明は朱厭の寒気で長意の全身の骨と血が凍り始めていると教える。「…全身が凍れば命も尽きる」「長意の病状は誰にも知られてはならないわ」雲禾は長意と寝殿に戻り、婚礼を挙げようと言った。しかし長意は束縛したくないと拒否する。すると雲禾はかつて死にかけた時、何より時を無駄にしてしまったことを悔やんだと訴えた。「妻という名義はあなたが存在した証しになる、あなたが去ってもその証しが2人を繋いでくれる 長意、これは束縛ではなく成就なの…」雲禾は思わず長意に抱きついた。「大尾巴魚(ダーウェイバーユー)、私の想いを成就させて」「雲禾…私の想いはもう成就している」つづく( ;∀;)ああああ〜離殊〜
2023.09.13
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第16話凌霜台(リョウソウダイ)大殿。長意(チャンイー)は林昊青(リンコウセイ)にも雪三月(セツサンゲツ)から届いた伝令符を見せた。実は寒霜(カンソウ)は朱厭(シュエン)の実体である玄冰(ゲンヒョウ)が生んだもので、玄冰が死なねば寒霜も消えないという。その時、林昊青は急に寒霜の発作に襲われたが、何とかこらえてやり過ごした。「玄冰は上古の凶獣、先帝でも滅ぼせなかった、手ごわい相手だぞ?」しかし長意は天君からの依頼であり、紀雲禾(ジーユンファ)の願いでもあると教えた。長意は林昊青を寝殿に案内し、まだ昏迷している雲禾と会わせた。阿紀(アージー)のため好物の桂花糕(ケイカコウ)を持ってきた林昊青、しかし包みを開けてみるとすっかりつぶれている。「気をつけていたのだが…ふっ」林昊青は仕方なくそのまま枕元に菓子を置いた。「分かっている、阿紀は2度と戻らないのだろうな…決めるのはお前であって私ではない 幸せに生きられるなら邪魔はしない、自分の道を行け、師兄が守ってやる」すると林昊青はまたいつか再会できると信じて寝殿を出た。「奪われたくなければしっかり面倒を見てくれ」「見るとも、代償を惜しまず…」凌霜台を後にした林昊青は思語(シギョ)に寒霜の秘密を明かし、雲禾のためにも朱厭と戦うと決意した。思語は身体がもたないと反対したが、もし寧清(ネイセイ)と朱厭を引き離せることができれば残魂を破壊できるという。その話をちょうど北淵の危機を知って駆けつけた青羽鸞鳥(セイウランチョウ)・青(セイ)姫が聞いていた。「面白い話を聞かせてもらったわ、紀雲禾が言っていた寧清の背後の力とはあいつだったのね」青姫は恨みがある者同士で手を組まないかと提案した。「私が寧清、あなたは朱厭を始末するのはどう?」「…決まりだ」雲禾は再び夢の中で寧悉語(ネイシツギョ)と接触した。『やっと戻ったのね』『前輩、私は瀕死ではないのになぜ…』『一度、死んだ者は超越した存在なのよ…あなたと長意は今度こそ丸く収まるはずよ』一方、洛錦桑(ルオジンサン)は寝殿の外で雲禾が目覚めるのを今か今かと待っていた。すると急に長意の御水術の光が消え、ついに雲禾の意識が戻ったと気づく。待ちきれず寝殿に入ろうとした洛洛だったが、空明(コウメイ)が止めた。「久々の再会だ、2人きりにしてやろう」雲禾の意識が戻った。長意は空明に診てもらうことにしたが、雲禾が引き止める。「長意…長い間つらかったでしょう?」「いいさ、君が戻ったんだ」「…大尾巴魚(ダーウェイバーユー)、苦労をかけたわね」すると雲禾はまだ身体が思うように動かない中、外へ出たいと頼んだ。長意と雲禾は北淵を一望できる高台に立った。「なんて美しいのかしら…長意、山の向こうの景色はもっと美しいの?」長意はやはり雲禾がここを離れたいのだと気づいて落胆した。しかし雲苑(ウンエン)に閉じ込めてしまった過ちから、回復したら好きな場所へ行って構わないという。「引き留めないよ」「あなたは?」「私は尊主としての責任がある…」すると雲禾は自由とは遊歴することではなく、心のまま選択できることだと気づいたという。「私が望むのはどこへ行ったとしてもいつでも帰れる場所よ 天地広しと言えど私の居場所はあなたのそばしかない」長意は喜んで雲禾を抱きしめた。「長意…崖で何があったか聞いたでしょう?私は裏切っていない」「分かっていた、全ては私を助けるためだったと…」こうして雲禾と長意は長年のわだかまりが解け、変わらぬ愛を誓った。「雲禾、全てが片付いたら尊主の座を退き、君だけの大尾巴魚に戻るよ 君に付き添い、どこへでも好きな所へ行こう!」一方、空明の居所を訪ねた姫寧(キネイ)は師兄・姫成羽(キセイウ)を助けて欲しいと頼んだ。師兄は恩人の師匠をどうしても見放すことができず、不本意ながら命令に従っているという。「大師兄なら助けられませんか?!」しかし空明は自分の運命を決めるのは自分しかいないと教えた。「今の成羽を救えるのは本人だけだ」青姫は寧清を楽游(ラクユウ)山に誘き出した。「まさかあなたが同門の師兄を殺していたとはね 大事に思ってくれる人に手を下すとは…どこまで冷酷なの?!」「あの時、寧若初(ネイジャクショ)がお前を捨て我々の元に戻っていれば、師父の悲劇は起こらなかった」「寧悉語のことを分かっていないのね、だから人でなしの順徳(ジュントク)に面影を重ねていたんだわ」「ごぅら(够了)!」珍しく寧清は動揺、そこで師兄の最期の言葉が青姫を見逃してくれだったと明かした。実は青姫だけ生かしておいたのは愛する者を失った苦しみを味わわせるためだったという。その頃、林昊青は寧清の密室に忍び込み、薊柏(ケイハク)草で作った炎で姿絵を燃やすことに成功した。すると侵入者に気づいた姫成羽が現れる。姫成羽は師匠が絵姿に魔物を隠していたと知り呆然、良心に従い林昊青と思語を見逃すことにした。「いっそ私と一緒に…」「いや、師父を裏切ることはできない」楽游山に合図の照明弾が上がった。青姫は林昊青が朱厭の残魂を始末したと気づき、寧清が本領を発揮できなくなったところで攻撃を仕掛ける。こうしてついに寧清は消散、青姫は復讐を果たした。しかし死んだふりをして身を隠していた寧清が現れ、突然、背後から一撃を受けて激しく吹き飛ばされてしまう。姫成羽は師匠が戻ると自ら罰を請うた。「お前が青羽鸞鳥と林昊青を助けたのか?」「はい…悔いはありません」寧清は一瞬、ためらったが、結局、愛弟子に手をかけてしまう。しかし朱厭には姫成羽の霊力だけではまだまだ足りなかった。「異変を察知し、避難していて良かった…」実は朱厭は寧清の指輪に宿っていた。雲禾が眠っていると寧悉語が風に乗って青姫の危機を知らせに来た。『私の目を貸すわ…』すると従棘所(ジュウキョクショ)に閉じ込められた青姫の姿が見える。朱厭は鳳凰の強い霊力に目をつけ、寧清に内緒で青姫に手を組まないかと持ちかけた。もし青姫の肉体を譲ってくれるなら、青姫の姿になって敵討ちを手伝えるという。「いいわ…」青姫は自分の霊丹を差し出したが、それは罠だった。青姫は朱厭が霊丹に取り憑いたところで自ら霊丹を潰し、喀血して倒れた。その時、寧悉語が風の中に隠して送ってくれた雲禾の意識が現れる。『前輩?』「…朱厭と一体になった時、感じ取ったの、朱厭の残魂は寧清の指輪の中よ 重傷を負わせてやった、今は指輪に逃げ戻り、回復するまでどこにも移れないはず 始末するなら今のうちよ…機会を逃さないで」すると青姫は自分の役割を果たしたと満足し、愛しい寧若初の元へ旅立った。雲禾は長意の呼びかけで目を覚ました。「長意…青姫がようやく家に戻ったわ」青姫は紆余曲折を経て、思い出の山荘で待っていた寧若初と再会を果たした。『今までどこへ言っていた?』『ちょっと迷ったけれど、やっと辿り着いたわ』『これからどこへ行く?』『あなたと一緒ならどこへでも、さあ行きましょう』一方、深手を負った朱厭は慌てて寧清の指輪に飛び込んだ。「欲張ると痛い目に遭うと言っただろう?」寧清は朱厭が何を企んでいるのか知りたくて泳がせていたという。しかし結果的にうまく駒を進められたと満足した。「対局も終盤だ…」雲禾は長意に青姫の話を伝え、全てを終わらせる時だと覚悟を決めた。すると長意は一緒に立ち向かおうと約束、そこで雲禾は無謀な攻撃ではなく、知恵を働かせることにする。「敵の弱点は技ではなく心、どうやって操ればいいか分かった気がするの」翌朝、仙師府に紀雲禾が現れた。「紀雲禾、まだ生きていたとは…まあ良い、お前に何かあれば鮫人が暴れ出すはずだ」寧清はこれで北淵が挙兵すれば天庭が迎え撃ち、終わりなき乱が始まると喜んだ。すると雲禾が寧清を挑発する。「確かに身近な人の死で生きる意味を失うのは理解できる …でも寧悉語がそれを知ったら喜ぶかしら?」「その名前をどこで聞いた?!」「本人からよ」つづく( ゚ェ゚)皆様の熱いご要望にお応えし、洛洛と空明のイチャイチャシーンはカットですw
2023.09.12
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第15話長意(チャンイー)は外に出たいという阿紀(アージー)を連れて冰湖(ヒョウコ)にやって来た。阿紀は楽しそうに走り回ったが、なぜ急に尊主が優しくなったのか解せない。「もう何も強制しない、好きに過ごせばいい」…機嫌がころころ変わるなんて変、やっぱり早くここを離れよう…「なら師父が迎えに来たら出ていきます 閉じ込められるのは嫌なんです、もっと外の世界を見たい」尊主は考えておくと言ってくれたが、どこか寂しそうだった。一方、鹿台(ロクタイ)山に留まった林昊青(リンコウセイ)はついに寒霜(カンソウ)の解毒薬を完成させた。そこで早速、自らの身体で試してみたが、効果があったのは一瞬だけ、すぐ寒霜が復活してしまう。「…なぜだ」すると北淵(ホクエン)の瞿暁星(クギョウセイ)から伝令符が届いた。…北淵に現れた阿紀という狐狸が紀雲禾(ジーユンファ)を思わせます…今、長意といますが紀雲禾と関係が?生まれ変わっても再び巡り会った雲禾と長意、林昊青はこれが天意なのかとぼやいた。その頃、朱凌(シュリョウ)は仙姫に命じられ、北淵の雷火地脈(ライカチミャク)を探していた。すると偶然にも北淵を追放された奇鋒(キホウ)を捕まえる。もはや霊力のない奇鋒は抵抗できず命乞い、長意への恨みを晴らすため協力を申し出た。長意は阿紀を自由にしてやりたいと思う一方で、雲禾を手放すと思うと耐え難い苦しみに襲われた。すると空明(コウメイ)から戦が迫っていると知らされる。雪三月(セツサンゲツ)から届いた伝令符によれば天君・汝鈞(ジョキン)がついに仙師の秘密を突き止め、寧清(ネイセイ)の後ろに朱厭(シュエン)がいたと分かった。しかし仙師が天君たちを無量山に閉じ込め、この機に乗じて動く可能性がある。「そうなったら雲禾をどうしたい?」辺境の猿翼(エンヨク)営に戻った阿紀は北淵を発とうかどうか悩んでいた。すると瞿暁星と合流した林昊青と思語が迎えにやって来る。「師父!」阿紀は師父に抱きついて喜び、道中で人助けをしたところ仲間だと思われて連行されたと説明した。「でもここに夢の中で出会った鮫人がいました、鮫人に会うとドキがムネムネして…」「師父が何と教えた?」「振り返るなと…」「違う!言い間違えるな!」←とは言ってないwしかし侵入者の存在に気づいた護衛が凌霜台に急報を送っていた。奇鋒の案内で朱凌はついに雷火地脈を発見、法術により眠っていた地脈を復活させた。「これで山河の力がこの陣法を動かし、岩漿(ガンショウ)を全て流出させれば北淵は地火に包まれる」すると朱凌は用済みとなった奇鋒に斬りかかり、地脈へ突き落としてしまう。長意は林昊青が阿紀を連れ去ったと知り、矢も盾もたまらず飛び出した。ちょうど裏山で怪しい2人組を捕まえた長意、しかし外套をめくってみると、おとりになった思語と瞿暁星だと分かる。思語はこれも紀雲禾を守るためだと訴えたが、その時、急に地面が揺れた。すると空明が駆けつけ、雷火地脈が復活したと知らせる。このままでは地が裂け、川が煮えたぎり、溶岩が噴出して生類は絶滅するだろう。「空明は卿瑤(ケイヨウ)と協力して皆を逃がせ、私には東海の権杖(ケンジョウ)がある!」空明は長意が独り犠牲になる覚悟だと分かったが、仕方なく凌霜台へ戻った。焦った瞿暁星は谷主と阿紀にも避難を手伝ってもらおうと提案、しかし長意は必要ないという。「林昊青に遠くへ逃げろと伝えろ、北淵には2度と戻るなと…」その頃、林昊青は阿紀を連れて林を抜けていた。すると阿紀がふいに立ち止まり、北淵を離れると思うとなぜか胸が痛むという。「やはり私と鮫人には何か関係があるの?」その時、激しく山が揺れた。2人が呆然としていると、思語が戻ってくる。実は雷火地脈が再燃、このままでは火山が爆発して溶岩が噴出するという。「長意は炎洞に入るので阿紀を連れて逃げろと…」林昊青は長意が死を覚悟して地脈を鎮めるつもりだと分かった。阿紀は尊主や仲間たちが心配になり引き返すことにした。しかし林昊青が引き留め、戻れば全てが無駄になるという。「確かにお前と鮫人は過去に関わりがあった、お前たちには辛い過去がある お前は苦しみ抜いて、やっと自由になれたのだ、阿紀、北淵を出よう」「師父は言ったわ、いずれ必ずやりたい事が見つかると…見つけた、北淵を守りたい」阿紀はなぜか無性に鮫人を救わねばならない衝動に駆られた。そこへ運悪く朱凌が仙師府の弟子たちを連れて通りかかる。朱凌は紀雲禾が生きていたと知り、すぐ仙師府へ連行すると決めた。すると林昊青は朱凌に剣を突きつけ、その間に阿紀を逃がす。「阿紀、お前の好きにしろ…行け!」林昊青は寒霜で凍えた身体だったが、相手が朱凌なら事足りると強気だった。卿瑤は狐族を避難させ、長意が入った炎洞に駆けつけた。しかし洞窟の中は灼熱地獄、いくら長意が心配でも近づくことさえできない。侍女の微妍(ビゲン)は必死に少主を引き止めていたが、その時、突然、2人の横をすり抜け、紀雲禾が洞窟へ入っていた。「紀雲禾?!…なぜなの?!」長意は陣を敷いて氷を操り、溶岩を鎮めようとしていた。そこへ突然、阿紀が現れ、自分も協力するという。「ここは危険だ!去れっ!」長意は阿紀を逃がそうとしたが、その時、阿紀の首飾りの真珠が砕け散った。すると真珠に封印されていた紀雲禾の記憶が阿紀の中に戻り、阿紀はついに自分の過去を思い出す。「早く去れ!雲禾!」しかし阿紀は九尾狐の力で長意の陣に加勢した。「大尾巴魚(ダーウェイバーユー)!うぉらいらっ!」長意と雲禾は雷火地脈を爆発寸前で止めた。力尽きた雲禾は喀血、長意が慌てて抱き留める。「何もかも忘れたいと思っていたのに、阿紀になってもあなたを忘れられなかった あなたが心から離れない…」すると雲禾は昔のように長意の頭を撫でながら気を失った。林昊青は寒霜と霊力の消耗で満身創痍ながら、思語の協力で朱凌を始末した。そこで阿紀の無事を確かるべく炎洞に向かったが、ちょうど雲禾を抱いて出て行く長意の姿が見える。…生まれ変わりさえすれば過去は無縁と思っていたが、どうあがこうと阻めないことがあるようだ…雲禾は帰ってしまった一方、汝菱(ジョリョウ)は北淵の地火が消え、朱凌も行方不明だと聞いた。このままでは御霊師から霊力を奪えないと苛立つ汝菱、そこへ師匠がやって来る。寧清は最終段階の薬を飲むよう命じたが、恨みを募らせた汝菱は咄嗟に最強の力を持つ師匠の霊力を奪おうとした。しかし寧清にあっけなく跳ね返されてしまう。「薬を飲め」「…この顔のせい?自分に背いた弟子を殺しもしない、それほどこの顔が大事なの?! ならば私が師父の望みを奪ってやる!」汝菱は自ら顔を潰そうとしたが師匠に止められ、無理やり薬を飲まされてしまう。姫成羽(キセイウ)は仙姫を訪ね、師兄として互いに改心すべきだと諭した。かつては善良だった仙姫。姫成羽は自分も悪行の結果を負うつもりだと言ったが、お互いにまだ贖罪の機会が残されているのか定かでない。しかし汝菱はすでに魔道に落ち、師匠だけでなく全ての者を従わせると憎しみを募らせた。雲禾は熱毒で心脈を痛め、目覚めるまでには時間がかかりそうだった。そこで長意は寝殿にこもって御水術で雲禾を救うと決め、その間の政務を空明に任せる。いつもなら反対する空明だったが、北淵の恩人である雲禾のためにも了承した。すると卿瑤が雲禾へ霊薬の差し入れを持って来る。「心配しないで、私も先生に協力します」卿瑤は何のためらいもなく死地に赴いた雲禾に感服し、今や深く思い合う長意と雲禾を祝福したいと言った。林昊青が凌霜台に現れた。長意は林昊青を大殿に呼び、阿紀は記憶を取り戻して雲禾に戻ったと教える。「私が完治させる」「会うのを拒まれると思っていた、雲禾を連れ去った私を恨んでいるのかと…」「お前は雲禾を救ってくれた、それに朱凌を殺したと聞いた」長意はこの恩に必ず報いると約束したが、雲禾を返すとは言わなかった。「雲禾が引き返した時、よく分かったよ、記憶を失ってもやはり雲禾なんだと… 私には止められなかった」すると長意は林昊青に三月から届いた伝令符を渡した。実は寒霜は玄冰(ゲンヒョウ)が生み出すもので、玄冰がいる限り寒霜も消えないという。その時、急に林昊青が寒霜の発作に苦しみ出した。つづく( ๑≧ꇴ≦)チョコボール割れたぁぁぁ~色は関係なかったのかーいw
2023.09.11
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第14話符恒(フコウ)復活の儀式に乗り込んだ奇鋒(キホウ)。しかしそれは阿紀(アージー)が長意(チャンイー)に献策した罠だった。奇鋒はまんまと騙され馬脚を現したが、まだ奥の手があると不敵な笑みを浮かべる。実は奇鋒は長意が阿紀に紀雲禾(ジーユンファ)の面影を重ねていると気づき、配下に阿紀を捕らえるよう命じていた。その頃、阿紀はこの機に乗じ、姫寧(キネイ)と一緒に北淵を離れることにした。すると雪山で奇鋒の配下に阻まれ、迷煙のせいで霊力が弱まってしまう。反撃できないと知った阿紀は姫寧に目配せ、二手に別れて走り出した。しかし阿紀は追っ手が放った剣気で足を負傷してしまう。↓この人が奇鋒の方が良かったw奇鋒は自分に手出しすれば阿紀が死ぬことになると脅した。すると長意はいきなり仙縄を放って奇鋒を岩に縛り付けてしまう。「よく聞くがいい、私と交渉できると思うな」そこへ姫寧が逃げ込んできた。「尊主!尊主!阿紀が冰湖(ヒョウコ)で襲われて…」足を怪我した阿紀は転倒、そのまま動けなくなり、元の姿に戻った。…幻形術が保てない、だから師父は北淵に入るなと?私ここで死ぬの?…その時、首飾りの真珠が急に光を放った。すると長意が現れ、奇鋒の配下を一撃で退ける。長意は直ちに阿紀の元へ駆けつけたが、雪の中で倒れていたのは阿紀ではなく、夢にまで見た紀雲禾だった。「雲禾…」しかし阿紀は気を失ってしまう。阿紀は尊主の寝殿で目を覚ました。ちょうど鮫人に救われた夢を見ていたが、もしや過去にも助けてもらったことがあったのだろうか。すると尊主が現れた。阿紀は術が解けていることを思い出して慌てふためいたが、尊主は怒るどころか優しい。「幻形術を使っていたのか…やっと戻った、2度と会えぬと思ったぞ」「誤解です!私は散歩していただけで(汗)じゃあ私はこれで…」「まだ私のことを怒っているのか?今度こそ一緒にいて欲しい」「怒るなんて滅相もない、何か誤解があったのなら水に流して友だちになりましょう?」「友だち?!」長意は阿紀に昔の記憶がないと気づき、愕然となった。大殿では卿瑤(ケイヨウ)が長意から奇鋒の処分を任されていた。安堵する奇鋒だったが、卿瑤は狐族が見守る中、北淵が担う責務は狐族の栄誉より重いと糾弾する。ただし従兄の命までは奪えず、結局、奇鋒の全ての霊力を廃して北淵から追放した。長意は阿紀を自分の部屋に留め、独り冰湖にいた。すると空明(コウメイ)が現れる。「なぜ戻った?」「文を読んで奇妙に思ってな、古書を調べ回ったところ理由が分かった」実はあの時、紀雲禾は死んでいなかった。「紀雲禾の体内には林滄瀾(リンソウラン)が注入した両極の力が双脈を作っていた 御霊師としての心脈は尽きたが、九尾狐の霊丹は残っていたのだろう 事情を知る誰かが九尾狐に人像を与えたのだ」「それで…御霊師としての紀雲禾が死んだ時、記憶も消えてしまったのか 双脈の原理を知っているのは林昊青(リンコウセイ)、阿紀の師父とはあの者だな」空明は記憶を取り戻す方法を探してもいいと言ったが、長意は断った。「今の雲禾は明るく楽しそうだ、これは天からの恩情かもしれない、過去には戻って欲しくない」そこで長意は久しく封印していた雲苑(ウンエン)まで消した。洛錦桑(ルオジンサン)と瞿暁星(クギョウセイ)は羅策(ラサク)から思わぬ話を聞いた。長意が阿紀を抱いて凌霜台(リョウソウダイ)へ連れて帰り、自ら治療までしたという。「まるで阿紀が紀雲禾のように思える」洛洛は長意が長く思いつめたせいで狐狸を雲禾の身代わりにしたいのだと誤解した。すると瞿暁星はもし阿紀と紀雲禾が似ているのなら奇跡だと喜ぶ。「雲禾が阿紀となって戻って来たのかも!」「いい?雲禾はたった1人、誰も取って代われないの!」空明は居所に戻り、自分が帰ったことを知らない洛洛を驚かせようと考えた。その時、突然、洛洛が現れ、空明に気づかず薬材の棚をあさり始める。「何か探しているのか?」「毒薬を…ってえっ?!」空明は感動の再会を期待して両手を広げて待ったが、洛洛は一方的にまくし立てた。「長意が小狐狸にたぶらかされたの! 毒薬を盛ろうと思ったけど、ちょうどいいわ、一緒に追い出しましょう!」「長意が立ち直ったならいいじゃないか?」「はあ?!雲禾が死んだから野狐を後釜に据えてもいいの?! あたなも私が死んだらすぐ乗り換えるのね?! いい?あの狐狸を追い出さないならあなたを殴るから!」すると空明は話を聞こうとしない洛洛を抱き寄せ、口づけした。洛洛は急に頭がぼうっとして何を話していたのか忘れてしまう。「君の代わりなんていない、この世で誰より君が大切だ」一方、長意は阿紀の寝顔を眺めながら、今度こそ雲禾に何の憂いもなく幸せであって欲しいと願っていた。人間界では雪三月(セツサンゲツ)と離殊(リシュ)が山猫族の夫婦の家に身を寄せていた。山猫夫婦の幸せな様子を見た三月はこの平凡で単純な″家″こそが得難いものだと実感する。するとついに無名山を調べていた天君・汝鈞(ジョキン)たちが戻って来た。「やっと謎を突き止めたぞ」無名山は″朱厭(シュエン)の乱″で戦場となった無量山のことだった。当時、無量山に反乱軍が集まり、先帝が琉璃心灯(ルリシントウ)で鎮圧を試みたという。戦は数ヶ月続き、結局、先帝は自分の身を犠牲にして朱厭を滅ぼした。その時の凄まじい衝撃で無量山は天界と人間界の狭間に落下、それ以来、500年に一度だけ陰陽が交錯する時にしばし山が開くという。飛廉(ヒレン)神君の計算によれば、ここ数日内に山が開くはずだった。「早く行かなくては!」離殊が突然、立ち上がり、雷沢(ライタク)神君はなぜそんなに焦っているのかと驚いた。すると離殊は一刻も早く仙師を倒して三月と婚姻を挙げたいという。飛廉は自分の″贈り物″が功を奏したのだと気づき、思わず失笑した。天君たちは再び地図にあった無名山の場所へやって来た。しかし崖のどこが狭間なのか、いつ開くのかも定かでない。すると離殊は誰かが自分を呼ぶ声を聞いた。三月は崖から足を踏み外しそうになった離殊を止めたが、確かに前方から声がするという。「あなたを信じるわ」そこで三月と離殊は硬く手を繋ぎ、思い切って崖から一歩、踏み出した。驚いたことに2人は落下せず、宙に浮いている。その時、前方に無量山へ入る結界が現れた。道なき道を渡り無量山へ入った汝鈞、するとなぜか四方(シホウ)神君の識海(シキカイ)にいた。四方神君と言えば父と共に戦死したはず、しかし先帝がわずかな元神を守り、この日が来るのを待っていたという。実は朱厭は完全に滅びていなかった。朱厭は悪念の権化(ゴンゲ)、そのため悪念がある限り消滅しない。あの戦いで肉体と霊丹が滅ぼされたが一条の魂が残り、先帝はかろうじてこの山に封じていた。そんなある日、偶然にも寧悉語(ネイシツギョ)と寧清(ネイセイ)が山に迷い込む。汝鈞は四方神君が見せた当時の映像で寧悉語が姉にそっくりだと知った。この時、寧悉語は高潔ゆえ影響を受けなかったが、まだ幼い寧清は心に隙があったのだろう。寧清には朱厭の言葉が届いた。…いつかお前は戻ってくるだろう…朱厭の期待通り師匠を失った寧清が姿絵を持って無量山にやって来た。その日は無量山の陰の気が極まる日、四方神君も朱厭と寧清の接触を阻止できなかったという。朱厭は自分と血の契りを結べば禁術を授けるとそそのかし、寧清は復讐を果たすため取引に応じた。こうして寧清は絶大な霊力と権勢を手にし、朱厭は姿絵に取り憑いて山を出ることに成功する。寧清はあの密室で朱厭をかくまいながら、その肉体を再生させるため殺伐の気を集めていたのだ。実は朱厭の真の姿は永年の玄冰(ゲンヒョウ)だった。寒霜(カンソウ)とは玄冰が生み出すもので、玄冰がいる限り寒霜も消えないという。「先帝は仙令のみ遺して落命された 私はここを離れられず、真相を知らせるべくお待ちしておりました 使命を果たせば消えるまで…」すると四方神君は朱厭を制することができる″殞魔(インマ)陣″を入れた琉璃心灯を渡して消散した。汝鈞が目を覚ますと皆も同じ結界の中にいた。実は全員が四方神君の識海の中へ入って全てを見ていたという。しかし異変に気づいた寧清が無量山に結界を張り、神君たちでも破ることはできなかった。三月もせいぜい北淵に伝令符を送ることしかできないという。そこで汝鈞は琉璃心灯を出した。先帝が戦った際に破損していたが、汝鈞は自分で修復し、主になってみせるという。朱厭は天君が琉璃心灯を手に入れたと知り動揺を隠せなかった。しかし寧清は天君にはまだ修為が足りず、心灯の修復は無理だという。「お前の望みは間もなく叶う」すると寧清は弟子の姫成羽(キセイウ)を連れて仙姫府を訪ねた。汝菱(ジョリョウ)は師匠から霊力を集めていることを指摘されたが、咄嗟に傷を早く治したいからだとごまかす。そこで寧清は朱凌から″雷火地脈(ライカチミャク)″について聞くよう助言し、出て行った。寧清は姫成羽が空明と通じていることなどお見通し、改めて自分を失望させるなと釘を刺した。一方、汝菱は雷火地脈が北淵の地下にあり、燃え上がると爆発して北淵ごと吹き飛ぶと知る。「これなら逃げる御霊師を簡単に捕えられます」阿紀は長意の術のおかげですっかり元気になった。「傷も治ったし、鮫人もいない…今のうち逃げようかな」「何だと?」そこへちょうど阿紀の独り言を聞いた長意が入って来た。「その…ちょっと散歩したいだけなんです」「では一緒に行こう」長意は急に阿紀の手を取り冰湖へ連れて行った。阿紀は冰湖の冷たい風を全身に浴びて嬉しそうだった。「気に入ったか?」「うん、思い切り走ってみたい!(はっ)いえ、逃げません」「構わぬ、好きにせよ」すると阿紀は嬉しそうに氷の湖を走り出した。しかしふと自分を眺めている尊主に気づき、足を止める。…あの目、なぜか懐かしくて、それに胸が高鳴る…長意はここが好きなら毎日でも来ようと言った。驚いた阿紀は苦役に戻ると言ったが、長意は阿紀を働かせたのは間違いだったという。「もう何も強制しない、好きに過ごせばいい」つづく( ๑≧ꇴ≦)戻った〜!
2023.09.10
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第26話「縁談ぶち壊しのすゝめ」楼何(ローハー)両家の成婚の宴。凌不疑(リンブーイー)は掟を破って女家族の宴席に乗り込み、あらぬ中傷を受ける許嫁・程少商(チォンシャオシャン)を守った。凌将軍の権勢におののいて口をつぐむ招待客たち、そんな中、袁慎(ユエンシェン)だけは独り歯ぎしりしている。しかし少商もまた何とも言いようのない苛立ちを感じていた。帰りの馬車の中、凌不疑は浮かない顔をして押し黙っている少商を訝しんだ。「なぜ黙っている?」「…今日、権勢とは何かを見たわ」少商は何を言ってもしつこく絡んでくる令嬢たちに手を焼いていたが、凌将軍は一瞥をくれるだけで容易に黙らせることができた。「権勢は嫌いか?」「だってあなたの権勢だわ」「夫婦は一心同体、成婚後、私のものは君のものだ、それが悪いと?」確かに悪いとは言わないが、そんな風に夫に従い生きて行くなら、もはやそれは程少商ではない。少商は気を紛らせるため焼餅(シャオビン)を出して食べようとした。しかし不疑が腕をつかんで止める。「もう遅い、就寝前に食べるともたれる」少商は正論でねじ伏せる不疑に反感を抱き、例え自分のためであっても束縛されるのが一番嫌いだと訴えた。そこで焼餅を持ち替えて食べようとしたが、不疑が再び腕をつかんで制し、身体に悪いと知りながらなぜ食べるのか教えて欲しいという。「全てに理由があるわけじゃない、あなたが求婚したのも同じ、その理由は何?」不疑が言葉に詰まると、護衛の梁邱起(リャンチゥチー)が車に声をかけた。「若主公、西(サイ)村から急報です」不疑はそこで車を降りたが、少商は結局、焼餅を食べる気分ではなくなった。西村へ向かった韓武(ハンウー)が約束の3日を過ぎても戻らなかった。梁邱起が調査したところ、不審者の痕跡があったという。凌不疑はその足で西村へ行くことにしたが、明日は程家で聘礼(ヘイレイ)だった。「…私に考えがある」今日は凌家と程家の聘礼の儀。程老夫人董(ドン)氏は早朝から中庭を片付け、凌家から届く聘礼品を楽しみに待っていた。すると凌家から城陽(ジョウヨウ)侯夫人淳于(チュンユー)氏の体調が悪いため訪問できないと知らせが届く。ガーン!(꒪ꇴ꒪〣)<オワタ…せっかく決まった縁談がまた壊れるかも…私の聘礼品ががが…しかし老夫人の落胆を他所に蕭元漪(シャオユエンイー)は淳于氏の仮病だと気づいていた。案の定、その頃、淳于氏は汝陽(ジョヨウ)王府で子晟(ズーション)の縁談をいかに壊すか浅知恵を絞っていた。裕昌(ユーチャン)郡主は勅命では断りようがないと落胆したが、汝陽王妃は孫のため皇帝に直談判すると意気込む。すると侍女がやって来た。何でも凌不疑は自分に父がいないと称して皇帝に婚儀の進行を嘆願、皇帝も応じたという。「老王が礼官として明日、聘礼品を届けるとか…」( ゚Д゚)゚Д゚)゚Д゚)<何だって!汝陽王妃はよりによって夫が礼官として程家に行くと知り激怒した。「あなたと山に入り、田を耕してどれだけ苦労したか…私なくして夫と陛下を養えたと?! 朝臣も農民上がりの頃から知っています! 陛下とて私が米一口、水一口惜しんで立派に育てたのよ! 文(ウェン)家の男どもは良心もないのね!」悍婦(カンプ)に罵られ、孫娘からは出家すると脅され、汝陽王はやむなく縁談を壊すと安請け合いした。翌日、曲陵(キョクリョウ)侯府に城陽王がやって来た。婚姻に不満が募る少商は蓮房(リエンファン)を手伝いに行かせて大工仕事で鬱憤を晴らしていたが、そこへ汝陽王が現れる。汝陽王はまさか座卓を力任せに壊しているのが女公子だとは思わず、程少商がどこにいるのか聞いた。「孫娘は昨夜、夫を奪われ泣き腫らしておった、なぜ玉の輿に乗りたがるのか聞きたくてな」「誰もが凌不疑に嫁ぐのは玉の輿だと言う、でも私はこんな不公平な婚姻、惜しくもないわ!」実はその粗暴な娘が程少商だった。程少商は驚いたことに都中の女子が慕う子晟との縁談を自ら壊そうとしていた。何でも最初から不公平な婚姻で、平等に尊重し合えないのなら独りの方がましだという。そこで汝陽王は必ずしも平等とは限らないと諭した。「私と女房は成婚して50年だが少しも話が合わん、互いに敬いも尊重もせずだ ただ長年の修行で悟った、無為に争わぬ道を追究せよと…ゆえに耐えるしかない」「王爺、離縁できないのを修行のせいにしませんように 明らかに権勢が怖いだけでは?陛下のご不興を買うと…」「そなたこそ、不公平な婚姻だと思うなら、なぜ断らぬ?」「ゥッ…私も怖いのです、権勢が…(はっ!) 王爺?!郡主を助けたいなら聘礼品を全部、持ち帰っては? 婚姻はぶち壊しになり、どちらも満足です」しかし汝陽王は自分をそそのかして破談にさせようとしても無駄だと笑った。「私も子晟の成長を見て来た、婚姻を是非、実現させてやりたい」こうして汝陽王は無事に聘礼品を届け、皇宮へ報告に向かった。(; ゚ェ゚)<…まだ耄碌(モウロク)してないわ(ボソッ汝陽王妃は縁談を壊さなかった夫に激怒した。しかし少商の話を聞いて吹っ切れたのか、汝陽王はこれから自分のために生きたいと願い、離縁するという。もはや祖母の脅しさえ効かなくなったと知った裕昌は御前で首を吊ると言い出した。これに汝陽王は激高、始めて孫娘に手を挙げてしまう。「バカもん!両親が早世し哀れに思って甘やかして来たが、不満がある度に死ぬと騒ぐとは… 自分を大切にしなければ夫に尊重されるわけがない! 凌不疑のことはあきらめよ、程少商とは雲泥の差だ、勝てぬ!」思わぬ夫の反乱に汝陽王妃は呆然となった。そこで夫に殴りかかりながら、皇帝に恩を思い出させてやるとわめき散らす。「もうたくさんだ!何かにつけ一口、食わせて救ったと言うが、天地は知っているぞ? あれは腐っだ飯、お前も食わぬ飯だった! それと引き換えに十余年の栄華を得たなら元は取れたであろう?」すると汝陽王は裕昌に別の相手に嫁ぐか出家するか、自分で選べと言い放った。一方、西村に到着した凌不疑たちは依然、韓武の消息をつかめずにいた。しかし軍医の屋敷の周りには足跡どころか馬蹄の跡もない。不疑は短時間で跡形もなく片付けられるのは軍だと気づき、韓武が残した手がかりを探すことにした。その時、やけに土が柔らかい場所を見つける。「掘れ…」すると土に埋められた包みを発見、中から折れた枝が出て来た。「長短2本ずつ…つまり韓武は無事だ」不疑は追っ手に気づいた韓武が合図を残して逃げたと知り、安堵して急いで都へ引き返すことにした。「聘礼に伺えなかった詫びに行かねば…」「若主公…その殺気では詫びというより断罪に行くような…」梁邱起が申し訳なさそうに指摘すると、梁邱飛(リャンチゥフェイ)も思わず頷いてしまう。「もっと笑ってみては?」「…お前、笑い話はあるか?」翌朝、程家の食卓はどこか殺伐としていた。程頌児(チォンソンアル)と程少宮(チォンシャオゴン)は聘礼に凌不疑が来なかったせいで嫋嫋(ニャオニャオ)の機嫌が悪いと誤解している。「私のことなんてどうせ二の次よ、だから阿母は破談を口にもしなくなった ねえ、権勢がどんなものか分かる?!知らないでしょう?!」少商は今さら母に八つ当たりし、兄たちに噛みついた。驚いた程姎(チォンヤン)は伯母なら心配で眠れず食欲もないとかばったが、蕭元漪は話を止めただけでいつもの勢いはない。その時、突然、屋敷が黒甲衛(コクコウエイ)に包囲された。程家の食卓に凌不疑が現れた。その迫力に度肝を抜かれる程家の面々、すると不疑は軍務で聘礼に間に合わなかったと謝罪する。蕭元漪は青蓯(チンツォン)に九騅(キュウスイ)堂を片付けて凌将軍の食事を用意するよう命じたが、不疑はここで一緒に食べると座った。(  ̄꒳ ̄)<皆さん、どうぞ堅苦しくならず、子晟、こう見えて気さくなんです( ゚Д゚)゚Д゚)゚Д゚)ぉおうすると不疑は早速、阿飛から教えてもらった笑い話を披露した。全く面白くない上、落ちがない話、仕方なく少宮が切り出してみる。「で最後、舟に乗っていた書生はどうなったのです?」「もちろん溺死しました、わっはははは!」しかし笑ったのは不疑と梁邱飛だけだった。その時、唯一、凌不疑を恐れない強者が現れる。「アイヨー!あなたが凌家の郎君?!眉も目も鼻も口もやっぱり際立ってるわ~」老夫人は馴れ馴れしく不疑の隣に座って上機嫌、少商は目も当てられず、そっぽを向いた。「程老夫人はさすが叡智(エイチ)があります」「そう!そのエイチ~!ぶっははははは~♪」(・Д・)<…って何それ?美味しいの?少商は父や兄たちと買い物に出かけ、沢山の荷物を抱えて屋敷に戻った。すると突然、正門で門衛に止められ、包みを確認するという。困惑する少商たち、そこへ凌不疑が現れた。「少商と婚約したからには程家は私の家族です これからは私の親衛が毎日、出入りを調べて安全を守ります(キリッ!」つづく( ๑≧ꇴ≦)VIPアルソック!見ているこっちまで息苦しくなって来たわ…やっぱりルースー上手いね~
2023.09.09
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第25話「妻のお披露目」凌不疑(リンブーイー)の母・霍君華(フォジュンホワ)は孤城での凄まじい体験から正気を失い、今も少女時代を生きていた。「もし真相を伝えたら文(ウェン)家阿兄は我らの無念を晴らしてくれるかしら?」不疑は祠堂にいる母に外套をかけ、因果は応報するもの、いずれ画策した者に罰が下ると安心させる。「悪人はまだ世にのさばっている…逃がさないで」「阿母…妻を娶ることにしました」その時、回廊から招かれざる客の声が聞こえた。「子晟(ズーション)、縁談の話を阿父が最後に知るとは…まだ私を恨んでいるのか?」凌不疑が回廊へ出ると父がいた。護衛の梁(リョウ)兄弟が止めるのも聞かず上がり込んだ城陽(ジョウヨウ)侯・凌益(リンイー)は、今日になって夫人・淳于(チュンユー)氏から息子が程(チォン)娘子に求婚したと聞いたという。当然、何の権勢もない曲陵(キョクリョウ)侯の娘など反対、それより家柄も血筋も良い裕昌(ユーチャン)郡主を選ぶべきだと諭した。しかし不疑はとりつく島もなく、けんもほろろに追い返されてしまう。「阿母が言ったはずだ、己の視界の中に入ってくれるなと…お見送りを」その時、突然、母が祠堂から出てきた。すると霍君華は夫の前まで歩いて来たかと思うと、いきなり凌益を引っ叩いてしまう。「何様のつもり?!基盤もない無名の輩が求婚だなんて… 私は霍氏の一人娘、お前など私の履物取りにも値しない!懲らしめてやる!」凌益は興奮した霍君華に何度も殴られ、顔を真っ赤に腫らして帰って行った。その夜、凌不疑は霍家軍伝令官・韓武(ハンウー)を祠堂に案内した。「将軍…参上しました…15年も遅れて…」←見事なジャンピング土下座!韓武は位牌の前で泣き崩れたが、孤城の真相を突き止めることで亡魂の無念を晴らせという若主公の言葉で奮起する。あれから小越(ユエ)侯の麾下(キカ)の軍医を追っていた韓武、実は行方を突き止めていた。その軍医は早々に名を変え、都の郊外にある西(サイ)村で隠居中だという。不疑は配下を一緒に行かせると言ったが、韓武は慎重を期して独りで行くと断った。「3日以内に戻ります、しかし戦況は瞬時に変化するもの 霍将軍は身近な物で隠密裏に伝達させました 例えば枝を4本折り、そのうち1本だけ短ければ危険、長短2本ずつなら無事です」すると韓武はなぜ慌てて孤城の生き残りを探しているのか聞いた。不疑は孤城陥落に裏があると踏んでいたが、実は急ぐのには別の理由があるという。「慕う者ができた、調査から戻れば結納に間に合うだろう」「成婚なさると?…めでたい!将軍もあの世でお喜びでしょう」不疑は許嫁が普通の女子ではないと教えた。「私のように過去に縛られる人間は本来は孤独の身 だがもしこの苦難の道を共に歩める人がいるなら彼女だ…試す価値はある」但倘若一路艰辛里 同行之人是她( ;∀;)やだ、そうだったの〜って…イヤイヤイヤ~何も知らずに試される方の身にもなってよwその頃、蕭元漪(シャオユエンイー)はなかなか寝付けずにいた。すると少商(シャオシャン)が吹く笛の音が聞こえて来る。まさか娘が冷徹な凌将軍より母親である自分を何万倍も恐れていようとは…。親の苦心など子に分かるはずもないが、母娘ともに強情で一歩も引かず、最も人を傷つける物言いを選び、容赦がない。蕭元漪は娘を置き去りにしたことが全ての元凶だと分かっていたが、これも因果応報なのだろう。縁談が決まった以上、あとは娘が凌将軍と仲睦まじく、共に白髪になれるよう祈るしかなかった。( ゚ェ゚)うーん、どうもママンの心情がつかみ切れない言ってることも何となく的外れなような…字幕だと端折られちゃうせいかな~明日はいよいよ楼何(ローハー)両家の成婚、袁慎(ユエンシェン)は一緒に行かないかと母を誘った。すると袁夫人梁(リャン)氏は他家の縁談など興味ないという。「では私の婚姻は?」袁慎は程家のように干渉する親を羨んだ。そこで自ら縁談相手の絵姿を持って来たが、母は息子の婚姻にも無関心、自分で決めろと冷たく突き放されてしまう。( ゚ェ゚)そうか、善見も親が仮面夫婦で屈折してたっけ…ってだからって同情するかゴルァ!w翌朝、凌不疑はまだ寝ていた少商を起こし、楼何両家の成婚の宴に同行させた。久しぶりに顔を合わせた少商と楼垚(ローヤオ)、すると早速、袁慎がからんでくる。「少商も鞍替えが早い、たった数日で新しい相手とは… 怖いもの知らずの程娘子がついに権勢に屈する日が来るとはね〜「あなたには関係ない」すると不疑は少商から袁慎を遠ざけるため、席に案内して欲しいと頼んだ。( ๑≧ꇴ≦)殴ってくれ、頼む!w楼垚は凌将軍と善見(シャンジエン)を男家族の部屋に案内することにした。そこで安成(アンセイ)君・何昭君(ハージャオジュン)が少商を女家族の宴席に連れて行くことにしたが、少し話がしたいと回廊を遠回りする。「阿垚を返してくれたこと、感謝しているわ」かつては横暴でわがままだった何昭君、しかし馮翊(ヒョウヨク)郡での壮絶な体験で人を見る目もすっかり変わったという。「今なら分かる、男は性根が良く温厚な人がいい、あなたも…多少は誠実ね」「分かればいいの…今や阿垚は私の兄長、虐げたら許さないから」「私にとって弟を除けば阿垚だけが家族、うまくやっていける、あなたと凌不疑もね」すると何昭君は喪中のため宴席には顔を出せないと断り、そこで引き返した。一方、凌不疑は何かと突っかかる袁慎を警戒した。「今後、程家の家塾は私に任せよ、もし暇で仕方がないなら仕官に推薦しよう」「必要ない、すでに恩師・皇甫儀(ホワンフーイー)が推薦してくれた」/(^o^)\オワター!凌不疑と袁慎はこれから朝堂で顔を合わせることになった。不疑は少商との成婚には祝い酒を飲んで欲しいと優位に立ったが、袁慎は少商と楼垚が破談したことを持ち出し、成婚するまで何があるか分からないと牽制する。「袁公子は程氏で師を務め、今度は私と少商の縁談を聞きつけた… まさか私の妻に邪(ヨコシマ)な思いがあるのではあるまいな?」「ふっ、程少商に男女の情など分からぬ、計算ずくなだけ 私は婚姻に打算的な者が一番嫌いだ、程少商には何の私情もない」「と言うことは標的は私だけか?」「見てみたいだけだ、腹に一物ある女を好む男がどんな末路を辿るか…」「私と少商の心は一つ、末長く添い遂げる 袁公子のごとく狭量で口さがない者にそんな日は訪れまい」「凌将軍、私は文官、あなたより長生きだ、本当に添い遂げられるとでも?」一触即発の様相となる不疑と袁慎、そこで楼垚が割って入り話を止めた。(  ̄꒳ ̄)ここで一服の清涼剤少商は宴席に到着、万萋萋(ワンチーチー)や程姎(チォンヤン)と合流した。すると早速、王姈(ワンリン)と楼縭(ロウリー)が次の縁談が決まった少商を中傷、言い争いになってしまう。破談にしたそばから婚約なんて…>(*´・ω・)(・ω・`*)ネー( ತ _ತ)<お前は皇帝から賜った縁談を断れんのかバカ!一方、凌不疑は楼犇(ロウベン)と再会、改めて仕官を勧めた。しかし楼太傅が聞きつけ、楼垚が何昭君を娶れたことが皇帝の一番の恩寵だと圧力をかける。楼犇も伯父に反発できず、仕官は望んでいないと断るしかなかった。そこへ王延姫(ワンイエンジー)がやって来る。「阿延?なぜ男客の席へ?」「程四娘子に頼まれたの、凌将軍の馬車に外套を忘れたと…」不疑は大公子夫人の目配せで少商に助けが必要だと気づいた。王姈は萋萋から凌不疑に相手にもされないと馬鹿にされ、思わず少商を女狐と蔑んだ。その時、宴の席に突然、黒甲衛(コクコウエイ)が現れ、騒然となる。すると向かいの男客の宴席から凌不疑が出て来た。「恥を知り礼儀を知るは何か教えてやろう」男の客人たちは凌将軍に守られる程娘子は幸運だと噂した。しかしそれを聞いた袁慎は急に不機嫌になり、わざと料理をひっくり返して客人の衣を汚してしまう。(  ̄꒳ ̄)ホント、器の小さいヤツw凌不疑は男女の宴席を隔てる衝立を倒し、少商を女狐と呼んだ王姈を非難した。「そう言えば先月、五皇子に2人の美女を贈られてな 君の兄長王が羨んでいたため譲ったが、数日後、君の阿父が2人を受け取ったと聞いたよ 狐媚風情と言うならこの2人に使うべきでは? 私の妻を貶めようとする前に考えたらどうだ?その2人を阿嫂と呼ぶのか、阿母と呼ぶのか…」王姈は家族の恥を晒され笑い者になった。しかし少商は黙ったまま視線を落とし、不疑と目を合わせようとしない。そこで不疑は少商の杯を持ち、堂々と妻を紹介した。「私と程娘子の婚約の件は聞き及びのはず、成婚の暁にはどうか各位の来臨を賜りたい」( ๑≧ꇴ≦)アルソックの圧が強いのよwwwつづく
2023.09.08
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第13話北淵(ホクエン)で捕らわれの身となった阿紀(アージー)。しかし機転を利かせて脱獄し、姫寧(キネイ)を連れて南方へ向かうことにした。すると雪深い森の中で急に首飾りの真珠が光り出し、方角を示す。阿紀は念のため姫寧を待たせ、独りで先を探ってみることにした。阿紀はやがて凍った湖に出た。すると酔い潰れて眠っている男の姿が見える。阿紀は試しに男の元まで行ってみると、驚いたことに夢に出て来る変わった男とそっくりだった。…なぜこんな所に?…その時、ふいに阿紀の脳裏に紀雲禾(ジーユンファ)の記憶が蘇る。万花谷(バンカコク)に運び込まれたその男は美しく大きな尾ひれを持ち、助けてくれた御霊師に″長意(チャンイー)″と名乗った。「長…意?」長意は誰かが自分の名を呼んだと気づき、目を覚ますと同時に阿紀を法術で吹き飛ばした。「何者だ?!」尻餅をついた阿紀は立ち上がった男が紋様入りの黒い外套を着ていることから、高貴な位だと気づく。その時、阿紀を探しに来た姫寧が叫んだ。「早く逃げろ!そいつは北淵尊主・長意だぁぁぁぁ!」ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノしかし長意はあっという間に侵入者2人を拘束してしまう。「誰の差し金だ?!」激高した長意は阿紀を凍らせようとしたが、驚いた阿紀は無意識に叫んだ。「大尾巴魚(ダーウェイバーユー)!」長意はその名を久しぶりに耳にし、しばし茫然と立ちすくんでしまう。そこへ羅策(ラサク)が駆けつけ、狐狸が牢を破って仲間を連れて逃げたと報告した。するとちょうど尊主が狐狸を捕まえている。「あ…こりゃずい分と可愛い狐で…」阿紀が夢で見た男は北淵の尊主だった。師匠が北淵に行くなと言ったのは自分と何か因縁があり、恨まれているせいなのかもしれない。…師父のためにも正体を隠し通さなくては…一方、奇鋒(キホウ)は長意が盧瑾炎(ロキンエン)をなかなか処刑せず、苛立ちを募らせていた。すると配下が駆けつけ脱獄騒ぎがあったと報告、すでに全員が捕まって大殿に連れ戻されたという。奇鋒は卿瑤(ケイヨウ)と一緒に大殿に駆けつけ、脱獄した4人を即刻、処刑場へ連れて行くよう命じた。しかし阿紀が反発、尊主は誰一人殺せないはずだと訴える。「尊主は″北淵は争うより手を携えることを望む″と言ったわ!」「…なぜそれを?」長意はあの時の宣言をなぜ狐狸が知っているのか訝しむ。そこで阿紀は咄嗟に風の便りに聞いたと誤魔化した。「調べもせず俺たちを殺せば噂になる、北淵も仙師府と同じだとな」「お前の名は?」「阿紀」「アージー?」すると長意はなぜか4人の死罪を免じ、猿翼(エンヨク)営での苦役を課した。盧瑾炎と符超(フチョウ)は尊主と堂々と渡り合った阿紀に一目置いた。しかし阿紀は実は怖くて尻尾が出そうだったという。「俺が話したから助かったわけじゃないさ」「じゃあお前の名前で助かったとでも?」盧瑾炎はからかったつもりだったが、阿紀はまさに名前がきっかけかもしれないと感じていた。盧瑾炎は聡明で度胸もある阿紀に自分の無実を晴らして欲しいと頼んだ。早く北淵を離れたい阿紀は面倒ごとはごめんだと断ったが、そこへ突然、尊主が現れる。蜘蛛の子を散らすように逃げて行く仲間たち、すると阿紀はなぜか鮫人に罪悪感を感じ、やはり仇敵なのだと確信した。「お前を鍛えてくれた師父はどこの神仙だ?」「師父?…」阿紀は言葉につまり、咄嗟に厠へ行くと断って飛び出した。阿紀は元の姿に戻って侍女になりすまし、北淵から逃げることにした。そこで女の衣装を招喚したが、着替えに行こうとしたところで尊主に見つかってしまう。長意は阿紀がまた逃げるつもりだったと知り、再び無妄窟(ブボウクツ)で反省させると脅した。「また閉じ込めるのか?!…尾は大きいのに心はちっぽけだな!」その時、長意の顔色が一変する。実は紀雲禾も全く同じことを長意に言ったことがあった。阿紀はその隙に逃げようとしたが、あっさり捕まって衣装を落としてしまう。「女子の衣…お前は女子なのか?!大尾巴魚と呼んだな?なぜその名を?!何者だ?!」(´・_・`).oO(まずい、このままじゃ正体を暴かれる…「どんな衣を着ようと勝手だろ?!女だと疑うな調べろよ!ほら!男同士だ、気にするな!」すると阿紀に迫られた長意は呆れて帰ってしまう。一方、林昊青(リンコウセイ)は謁見を求めて仙姫府の前で嘆願を続けていた。やがて汝菱(ジョリョウ)は引見したが、例の謎の力を使って林昊青から霊力を奪おうとする。しかしなぜか林昊青の霊力は身体が受けつけなかった。林昊青は人間界で捕縛した御霊師の身柄を引き渡して欲しいと上奏した。しかし汝菱は長老から取り上げた薊柏(ケイハク)草を放り投げ、本当に欲しいのはこれかと迫る。「全てお見通しよ、薊柏草は寒気をしのぐ、最も冷たい寒霜(カンソウ)でさえもね」激怒した汝菱は御霊師を皆殺しにすると言ったが、林昊青は自分が罰を受けると泣きついた。「私をお使いください、私の霊力は朱凌より強い、必ず役に立つでしょう」「万花谷を救って欲しいなら忠心を証明してみせなさい」林昊青は薊柏草を諦めるしかなかった。その時、思語(シギョ)が落ちている薊柏草を招喚、後ろ手に隠してしまう。林昊青は思語を引っ叩いて薊柏草を取り返し、仙姫の目の前で粉々に破壊した。すると汝菱は喜び、人質は解放するという。林昊青は仙姫に従順なふりをして長老たちを無事に解放した。東濂は谷主が薊柏草と自分たちの命を引き換えにしたと知って自責の念に苛まれたが、実は消滅した薊柏草は偽物だという。あの時、思語は本物と偽物をすり替え、林昊青に返していた。林昊青は長老たちを先に万花谷へ帰した。思語は谷主がかつて情鏡をすり替えた紀雲禾と同じ手を使ったと気づいていたが、今はあの時とは違って危機にいても生き生きして見えるという。「私を待つ人がいると思うと希望が持てる、阿紀との約束は守らなくては」「再会できるよう私が2人をお守りします」「お前こそ気をつけろ、思語姐姐に何かあったら阿紀が泣くぞ?」「分かりました」しかし寧清(ネイセイ)と悪念は汝菱ほど簡単に騙せなかった。寧清と悪念は林昊青の企みを見抜いていた。自分たちに必死に抗おうとする勇気は称賛できるが、残念ながら結果はすでに出ている。「それだけだ…」寧清は冷静だったが、悪念は順徳(ジュントク)が大勢の弟子を駆り出したことはどう収拾をつけるのかと心配した。「望み通りでは?そのために夢で彼女と会ったのだろう?」悪念は結局、自分に協力してくれる寧清に安堵し、それより無名山が見つかることを恐れた。「すでに人間界に人を遣わしてある」雪三月(セツサンゲツ)と離殊(リシュ)は久しぶりに同じ寝床で眠った。しかし翌朝、三月が目を覚ますと、離殊は猫の姿ではなく人像のまま眠っている。三月は急に恥ずかしくなり、思わず離殊を寝台から突き落とした。どうやら子猫の誕生はまだまだ先のことになるらしい。その日も無名山を探しに向かった三月と離殊、すると2人の前に姫成羽(キセイウ)たちが現れた。「青羽鸞鳥(セイウランチョウ)を放った罪で捕縛する!」2人は反撃したが、離殊は三月をかばって姫成羽が放った呪詛で深傷を負ってしまう。「空明(コウメイ)はお前が悔い改めると信じているが、見誤っていたようだな」姫成羽は師兄の名を聞いて動揺、その隙に三月は離殊を連れて姿を消した。三月と離殊は思いがけず山猫族の夫婦に助けられた。山猫世子に恩がある夫婦は自分たちの家で静養するよう勧め、結界を張ってあると安心させる。一方、姫成羽は師匠に三月と離殊の捕縛に失敗したと報告していた。寧清は姫成羽が2人を見逃したと気づき、2度と失望させるなと釘を刺す。確かに姫成羽の手には師父からもらった呪詛がまだ残っていた。長意は阿紀に多くの監視をつけたが、特に変わった様子はなかった。しかしなぜか阿紀が気になり、ふと天君の言葉を思い出して空明に伝令付を送る。…先生、故人は本当にいつか戻って来るのだろうか?…阿紀は脱出する方法を思いつき、尊主に会いたいと頼んだ。尊主は通常、そんな些事に対応しないが、長意は阿紀だと聞くと大殿で会うという。すると阿紀は手柄を立てたら解放して欲しいと持ちかけた。「符恒(フコウ)を殺したのは盧瑾炎じゃない、尊主はどうせ分かっているんだろう? だから符恒を起こして聞いてみれば分かる 符恒は相柳(ソウリュウ)の末裔で9回、復活するんだ」阿紀は呪符を招喚し、この秘術を使えば生き返らせることができると言った。「やり方はここに記した…おっと、その前に約束してくれ、俺と姫寧を解放すると…」しかし長意はあっさり法術で呪符を奪い取ってしまう。「取引するなら品定めは欠かせぬ」長意は阿紀の妙案に内心、驚いた。そこでひとまず阿紀の苦役を解いて自由にし、沙汰は追って知らせるという。「秘術を得たんだ、裏切るなよ」阿紀は仕方なく大人しく戻った。すると長意は羅策に阿紀の計画を渡し、誰にも知られないよう密かに手配させる。しかしその話を奇鋒の配下が聞いていた。奇鋒は配下から報告を受け、羅策たちを追跡した。人目のない雪山ではすでに蛇族が棺を置いて待っている。羅策たちが早速、秘術を試すと、棺のふたが開いて亡骸が立ち上がる様子が見えた。驚いた奇鋒は口封じするため配下と共に駆けつけ、符超(フチョウ)たちも一緒に始末すると脅す。ついに馬脚を現した奇鋒、しかし棺の男が振り返って奇鋒の首に剣を突きつけた。「俺を陥れたのはお前か…」実は棺に入っていたのは盧瑾炎だった。そこへ長意が現れる。「復活の呪文などない」つづく( ๑≧ꇴ≦)モクモクさん!アクアクさんになったと思ったらいつの間にか手がある!
2023.09.07
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第12話成長するにつれて紀雲禾(ジーユンファ)の記憶を夢で見るようになった阿紀(アージー)。その日も阿紀はまた奇妙な夢を見て師父に相談したが、それは雲禾の身体が消散した時のことだった。阿紀は夢の中で美しい男に抱かれ、氷の上に横たわっていたという。「そうだ、その人は長くて大きな尾があったわ! 彼は悲しそうな顔をして、目から珠が落ちたの…あ、これと似てる!」すると阿紀は自分の首飾りの真珠に触れた。驚いた林昊青(リンコウセイ)は咄嗟に阿紀の好物・玉釀酥(ギョクジョウソ)を招喚、阿紀の興味をそらす。「良くある夢だろう…阿紀、実は師父もある夢を見た、好きな人と恨んでいる人が出てくる夢だ 好きな人が離れるのを命懸けで留めようとしたが、恨んでいる人が言ったんだ ″お前にはなすべきことがある、お前の命や心よりもずっと大切だ″と…」「うーん…阿紀には良く分からない」一方、北淵(ホクエン)では尊主・長意(チャンイー)に反発する狐族・奇鋒(キホウ)が深酒していた。そこへ狐族の駐屯地を分けてもらった蛇族・符恒(フコウ)が現れ、奇鋒をからかう。「お前の従妹は尊主に首ったけだが相手にされていないとか…なら従妹も俺に差し出すか?」激情に駆られた奇鋒は方術を放ち、符恒が避けた一瞬の隙を狙って湾刀で首を切り裂いた。駐屯地の件で蛇族と争った盧瑾炎(ロキンエン)が酔って符恒を殺害、凌霜(リョウソウ)台に連行された。盧瑾炎は酔い潰れて目が覚めたら凶手にされていたと釈明したが、符超(フチョウ)は弟の手に盧瑾炎の腰牌が握られていたと証言する。「無実の者がなぜ冰湖(ヒョウコ)まで逃げたのだ?!」冰湖と聞いた長意の顔色は一変、盧瑾炎と符超を無妄窟(ブボウクツ)へ収監するよう命じた。卿瑤(ケイヨウ)は早まって処断しないよう諫言したが、長意は命乞いなど無用だと一蹴する。「北淵の掟だ、騒ぎを起こした者は殺す」奇鋒はまんまと身代わりに罪をなすりつけほくそ笑んだが、実は長意が本当に疑っていたのは奇鋒だった。長意は羅策(ラサク)に奇鋒の監視を命じた。そもそも北淵に来て間もない盧瑾炎が符恒の居場所を探り当て、酩酊状態で音もなく侵入し殺害するとは到底、考えられない。駐屯地での騒ぎの時も現場には奇鋒がいて険悪になっていた。奇鋒の御霊師への憎しみが増す中、なぜか今日は珍しく長意の判断に反対していない。長意は2人を断罪したと見せかけ、奇鋒が尻尾を出すのを待つことにした。「どちらにしても冰湖の静けさを脅かす者は許さぬ、あの2人には教訓を与える」万花谷では阿紀がついに幻形術を習得、林昊青も寒霜(カンソウ)の解毒薬の完成が間近になった。「もうすぐ東濂(トウレン)長老が薬材を持って帰ってくる、解毒薬が完成したら阿紀と出発だ」しかし東濂から思いがけない伝令符が舞い込んだ。…谷主、朱凌(シュリョウ)の埋伏(マイフク)に遭いました、谷主はどうかご無事で…結局、最後の薬材は手に入らず、火を入れた丹炉も爆発してしまう。林昊青は長老たちを救うため仙師府へ向かうことにした。そこで阿紀に急用ができたと伝え、ひとまず先に遊歴に出すことにする。「お前の法術は未熟ゆえ法宝を用意した、明日、独りで発て 南方に元部下がいる、文を出したゆえそこで待っていてくれ」思語(シギョ)は谷主が自分の留守中に阿紀の存在を仙師府に勘づかれるのを恐れ、逃すのだと分かった。すると林昊青は思語も阿紀と共に発つよう命じる。「父の敷いた道は独りで歩み、独りで死ぬ…」林昊青は思語の霊丹を戻すことにしたが、思語が咄嗟に取り出すのを止めた。「谷主に追従することがただ一つの望み、こたびの命には従えません!」翌朝、林昊青は幻形術で少年になった阿紀を送り出した。「今日から自由だ、好きなことをしろ、私が来なくても探さなくていい 自分のしたいことが必ず見つかる、だが3つの約束は忘れるな」林昊青は必ず行くと約束はしたが、いつもの指切りはしなかった。師匠に背中を押されて出発した阿紀、ふと振り返るとすでに師父の姿はない。その時、林昊青は木の影に姿を隠していた。「阿紀…いいか、もう振り向くな」↓皆さん、お忘れなく、周りにはこの顔に見えていますw北淵を旅立った洛錦桑(ルオジンサン)は人間界にいた。しかし紀雲禾を失った今、独りで賑やかな市場を散策してもちっとも楽しくない。その時、ちょうど御霊師たちを連れて帰来(キライ)客桟へ入って行く瞿暁星(クギョウセイ)を見かけ、後を追った。瞿暁星は洛洛がてっきり空明(コウメイ)を探しに来たと誤解した。「空明先生なら上で診療中だ、すぐに来る」「あの人は関係ない!…良縁を探してブラブラしていただけ」その様子を上階から空明が見ていた。すると良縁と聞いた御霊師たちがクスクス笑い出し、その器量では難しいという。「このそばかすなら修練で美しくなれるわ!」憤慨した洛洛は瞿暁星に一緒に修練しようと迫ったが、その意味を知る瞿暁星は断った。「君はただの友だちだし無理だ」「大丈夫、責任は取るから!」しかし突然、空明が現れ止めた。「また″責任か?!」空明は洛洛を客室へ連れて行った。洛洛は腹いせに部屋にあった酒を飲み始めたが、空明に取り上げられてしまう。すると空明も酒をあおり、2人は酒の勢いそのままに言い争いになった。「酔って次は誰に責任を取る?!」「先に去ったのはあなたでしょう?!」「いいか!君は私だけに責任を取ればいい!」「取らせないのはあなたよ!あなたは逃げてばかり!」その時、空明が洛洛の口をふさぐように口づけし、そのまま寝台へ連れて行った。再び情を交わした洛洛と空明、するとついに洛洛の顔からそばかすが消える。「もしかして私が好きなの?」「今さら?!君にとって私は何なんだ?!」「あなたがいないと毎日が楽しくなかった…あなたがいい、あなただけよ」一方、阿紀は独り人間界を楽しんでいた。大道芸をながめ、美味しい物を食べ、色々な土産を買うと、その日の宿を取る。…何だか前にも人間界に来たような気がするわ、夢で見た大尾巴魚(ダーウェイバーユー)と何か関係が?…しかし阿紀は師父が夢の話を嫌っていることを思い出し、手紙には書かなかった。「あ、霊力を感じる…もう師父が来たのかも!」阿紀は喜んで帰来客桟を飛び出したが、そこに現れたのは御霊師に追われる仙師の弟子だった。仙師府の弟子・姫寧(キネイ)は客桟の前で転倒、仙姫の命令でやむを得ず来ただけだと命乞いした。「私は誰も傷つけてはいない!」阿紀は無抵抗の姫寧を見捨てられず、思わず飛び出して姫寧をかばってしまう。そこへ偶然、洛洛が現れた。洛洛は目の前の少年がまさか紀雲禾だと思わず、御霊師に英雄気取りの狐狸も一緒に北淵へ送るよう頼む。…北淵?師父から行くなと言われているわ…驚いた阿紀は咄嗟に仙縄で洛洛を捕縛、陣を敷いて姫寧と洛洛を連れて姿を消してしまう。山へ逃げた阿紀は洛洛を木に縛りつけた。姫寧は恩人に感謝し、自分たちは悪党ではなく、命じられて仕方なく働いていると釈明する。「ふ~ん、どうやら悪党は北淵のようだな?」そこで阿紀はわざと洛洛を怖がらせたが、結局、何もせず解放することにした。すると連絡を受けた空明が瞿暁星たちと駆けつけ、背後からいきなり2人に法術を放って眠らせる。「洛洛!大丈夫か?!」しかし空明は狐狸と一緒に倒れているのが姫成羽(キセイウ)の弟弟子だと気づいた。ともかく2人を北淵に連行させ、洛洛も一緒に帰すことにする。再び離れ離れになってしまう空明と洛洛、しかし空明は御霊師たちの治療が終わり次第すぐ戻ると安心させた。長意が冰湖で独り酒を飲んでいると青(セイ)姫が現れた。青姫は仙師の様子を聞きに来たが、今のところ何の動きもないという。すると長意がすでに酒を2瓶も空けていると気づいた。「酔い潰れたいのは夢の中で誰かに会うため?」長意は説教じみたことでも言われると思ったが、青姫は自分も十方陣に閉じ込められた当初、酒ばかり飲んでいたと笑う。「でももし紀雲禾が健在なら、魂が抜けたあなたを見たいかしら?」青姫が帰ると、長意はまた飲み始めた。…構わないさ、夢の中でひと目でも君に会えるなら…しかしどんなに酒を飲んでも長意の前に雲禾が現れることはなかった。阿紀は戦の夢を見ていた。それは紀雲禾と朱凌が戦う様子だったが、記憶がない阿紀には意味が分からない。すると姫寧に起こされ、阿紀はようやく自分が北淵の無妄窟に収監されたと知った。…どうしよう、師父に怒られる…阿紀は何とか脱獄できないかと牢を調べたが、同じく収監された盧瑾炎が自分も試したが無理だったと教える。しかし阿紀は隣の牢にいる符超が蛇族だと分かった。符超が法術で姿を消すと、阿紀は守衛に隣の蛇族が穴を掘って逃げたと知らせた。守衛は慌てて駆けつけたが牢はもぬけの殻、そこで阿紀たちを呼んで蛇が逃げた穴を教えろという。阿紀は適当に岩壁の穴を指差すと、守衛が穴の中をのぞき込んだところで背後から盧瑾炎たちが頭を殴って気絶させた。阿紀の機転で脱獄した4人は雪山へ出た。盧瑾炎と符超はひとまずお互いの怨讐を忘れ、助けてくれた阿紀に感謝して別れる。阿紀は姫寧を連れて南方へ行くことにしたが、その時、急に首飾りの真珠が輝き出した。つづく(  ̄꒳ ̄)この顔はいつまで続くのか…
2023.09.06
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第11話汝菱(ジョリョウ)の顔の治療に固執する仙師・寧清(ネイセイ)。そんな中、不思議な霊力を手に入れた汝菱は朱凌(シュリョウ)を呼びつけ、人間界に逃げた御霊師たちを捕らえるよう命じた。上仙・姫成羽(キセイウ)は師匠に汝菱をたしなめるよう嘆願したが、ちょうど碁譜を解いていた寧清から遠回しに脅されてしまう。「…碁石は従えば石だが、逆らえば敵となる」「弟子としての本分を忘れるところでした…」「この件は朱凌に任せよ」姫成羽は朱凌に令牌を渡したが、最後まで手を引くよう説得した。しかし功名を得たい朱凌は無視し、仙師府の弟子たちを連れて出発してしまう。その中には仲間を捕えるのは嫌だと訴えていた弟弟子・姫寧(キネイ)の姿もあった。姫成羽は恩を受けた師父に背くのは罪だと言い聞かせたが、後ろめたさに苛まれてしまう。その時、22話で長意(チャンイー)から聞いた空明(コウメイ)師兄の伝言を思い出した。…愚かさに気づいて己の道を歩め…一方、雪三月(セツサンゲツ)と離殊(リシュ)は天君・汝鈞(ジョキン)たちと合流、無名山を探していた。しかし広物集(コウブツシュウ)が示す場所に到着しても山は見当たらない。そこで汝鈞は一度、天庭に戻って古書の記録を調べることにした。三月と離殊はこのまま人間界に残って引き続き調査することになったが、別れ際、飛廉(ヒレン)神君が離殊に贈り物を用意しておくと悪戯っぽく笑う。「いずれ分かる…では」姫成羽は長意が伝言と一緒に返してくれた縫いぐるみを大切に持っていた。それはかつて姫成羽が空明の誕辰に贈ったお祝い、2人は親がないため玩具とは無縁に育っている。実は姫成羽は人間界で師兄が縫いぐるみを眺めていたのを偶然、見ていた。『人間界では魔除けの意味があり、平安と勇気を示す物だと…師兄に贈ります』姫成羽はあの時のことを思い出し、空明がなぜ縫いぐるみを返したのかその意味を察した。「平安と勇気か…」その夜、三月と離殊はふもとの町で宿を取った。しかしその日に限ってどの宿も満室、唯一この宿の1室だけが空いているという。「奇妙な話です…あ、ちなみに布団もその1組だけしかありませんから~」離殊は神君の言った贈り物がこれだと気づき、戸惑う三月を尻目にほくそ笑んだ。長意は紀雲禾(ジーユンファ)の死後、ほぼ不眠不休で政務に没頭していた。時折ふいに冰湖(ヒョウコ)へ行っては、ただ立ち尽くしている。羅策(ラサク)は鮫珠が戻って霊力が強くなっても、これでは身体が参ってしまうと心配していた。すると空明が現れ、姫成羽が仙師府の様子を伝えて来たと知らせる。「順徳(ジュントク)が仙師府の弟子に命じて人間界にいる御霊師を捕らえるそうだ」空明は御霊師を救えば仙師と順徳を見限って北淵に集まり、北淵の力も増すと期待した。「分かった、行ってくれ、私は残る」「…紀雲禾のこと、すまなかった」「雲禾が決めたことだ、誰も阻めない」「少し休むべきだ、こうなった今、自分を責めても仕方がない」空明は人間界へ出かける前に洛錦桑(ルオジンサン)に会いに行った。青(セイ)姫も三月も離殊もいなくなった屋敷に独り残された洛洛。実は霊石を貯めて雲禾と約束した通り常春の仙島を買うことにしたという。「ここを去るわ、嫌なことは全部、置いて行くの」「私も遠くへ行く、別れを伝えに来た」洛洛も空明も相手を思いやりながら、結局、素直な気持ちを伝えられず、離れ離れになった。その頃、万花谷では林昊青(リンコウセイ)に守られながら阿紀(アージー)がすくすくと育っていた。胸元には今も赤い真珠の首飾りがある。やがて阿紀は不思議な夢を見るようになった。これも外の世界を知らないせいだと考えた阿紀は結界から出たいと懇願、すると林昊青は護身の法術を覚えたら遊歴に連れて行くと約束する。「本当に?!やったー!早く行きたいわ!」そして阿紀は眠るたびに成長、あっという間に当時の紀雲禾とほぼ同じまでに戻った。阿紀はほとんどの法術を習得した。すると林昊青は最後に最強の法術を授けるという。それは外見を変える幻形術だった。「鏡を見よ」阿紀が鏡をのぞいてみると、驚いたことに見知らぬ少年の姿が映っている。実はこれは九尾狐だけが使える法術だった。林昊青はこの術を習得したら外へ連れて行くと約束したが、その代わり3つの条件を出す。「鹿台(ロクタイ)山へ行かないこと、元の顔を絶対にさらさないこと、そして北淵に入らないこと」「誓います!」北淵は御霊師や多くの仙友たちが集まり、今や人間界の町のように賑やかになった。しかしそのせいで思いがけず御霊師と地仙たちの間で諍いが起きてしまう。南方からやって来た盧瑾炎(ロキンエン)たちは仲間が多いので蛇族たちに駐屯地を譲れと迫った。双方は一触即発となったが、卿瑤(ケイヨウ)が駆けつけ、盧瑾炎たちに場所を譲る代わりに蛇族たちには狐族の駐屯地から3分の1も譲るという。蛇族は喜んで条件をのんだが、奇鋒(キホウ)は長意のために譲歩ばかりする卿瑤に不満を募らせた。卿瑤は長意の書斎を訪ね、騒ぎを収めたことを報告した。空明のおかげで仙師に不満を持つ御霊師は増える一方だったが、狐族の長老たちは尊主が御霊師ばかり厚遇していると誤解している。「尊主は有能な者を多く集めたい、全て北淵のためなのに…」卿瑤は批判されても釈明せず、黙々と政務を続ける長意の姿に胸が痛んだ。「まるで紀雲禾があなたをここに閉じ込めてしまったみたい」長意の書卓の上には今も雲禾からもらった貝殻があった。今日は紀雲禾の誕辰、思語(シギョ)は阿紀を起こし、師匠が花海(カカイ)で待っていると教えた。かつては政敵だった紀雲禾、当初は谷主のために世話を焼いていた思語だったが、無邪気に慕ってくれる阿紀に自然と顔がほころぶ。花海では林昊青が阿紀の生誕祝いに人間界から持ち帰らせた花火を見せた。阿紀は無邪気に喜んだが、なぜか見覚えがあると気づく。それは紀雲禾が人間界で長意と見た花火だった。しかし記憶がない阿紀は今は花火より菓子が食べたいと訴える。「幻形術は習得したか?」「…それが幻形術だけはなかなかうまくいかないの」すると林昊青は習得するまで食事抜きだと命じた。阿紀は謎の魚の幻影に悩まされ、訓練に身が入らなかった。そこへ林昊青が現れ、実は人間界の長寿麺を作ったという。「師父はやっぱり優しいのね!おいしい!」すると阿紀は修練を怠けているわけではなく、悪夢に心を乱されていると告白した。「なぜか氷の上に横たわっていて、雪も降っていて寒いの 誰かが私を抱いて、私は顔を見上げている 見たところかなりの美男よ、その人は長くて大きな尾があったわ!」つづく( ๑≧ꇴ≦)変なカツラキター!
2023.09.05
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第10話天君・汝鈞(ジョキン)は姉の不始末の責任を取るため北淵(ホクエン)を訪ねた。しかし長意(チャンイー)は紀雲禾(ジーユンファ)の亡骸のそばを離れられず、雲苑(ウンエン)に閉じこもったまま出てこようとしない。雪三月(セツサンゲツ)と離殊(リシュ)は説得に向かったものの、長意の気持ちを考えるとまだまだ時間がかかりそうだった。雲禾の死を受け入れられない長意。すると窓から吹き込んだ風で広物(コウブツ)集が転がり落ち、その衝撃で間に挟まっていた紙が飛び出した。そこには13話で2人が仲良く崖から人間界の町を眺めている様子が描かれている。裏には雲禾の遺書が残されていた。…風のように自由でいろと言ったわね…死んだ後も風に身を任せて世間を見ることができれば満足よ…私がいなくなったらあなたは悲しむかしら…この文を読んでもらえるかどうかは天意に任せるわ雲禾の手紙を読んだ長意は天君を雲苑に呼んだ。汝鈞は雲禾の死を悼み、北淵への謝罪と償いに来たという。そして力を合わせて仙師府を倒し、平和を取り戻そうと提案した。「尊主にも恨みがあろう、でも衆生への愛は消えていないはず… 返事は急がぬゆえ考えてみて欲しい」汝鈞は長意のやりきれない悲しみを思い、無理強いはせず戻った。長意は独り人間界へ出かけた。雲禾と中秋節を楽しんだ町も今夜は閑散としている。…雲禾、四海八荒(シカイハッコウ)の幸が永続するならどんなにいいだろう…すると長意はようやく雲苑の結界を解いた。洛錦桑(ルオジンサン)、三月、離殊、空明(コウメイ)が身守る中、長意は雲禾の亡骸を抱いて冰湖(ヒョウコ)に出た。そして雲禾が以前、脱走して倒れていた場所までやって来る。…覚えているか?ここは君が逃げてきた所だ…″心から幸せを感じた″と言っていたな…あの日、本当は早くから君を眺めていたんだ、君の本来の姿を見てすぐには止められなかった…あれは私が知る限り最も単純で幸せそうな君だった…実を言うと羨ましい、人生の最後に君は解き放たれた、私からもその時、長意の血の涙がこぼれ落ち、雲禾の手のひらで赤い真珠となった。ついに亡骸の封印を解いた長意。すると雲禾の身体が消散し、風に乗って舞い上がって行く。…雲禾、君はもう世界中を自由に飛び回れる、世界の争いや束縛は私が取り払うよ…同じ頃、凌霜(ヒョウソウ)台からも御霊師や地仙たちが北淵のために散った雲禾を見送っていた。長意はいくつか書物を持ち出してから雲苑を封印、氷で固く閉ざした。その時、偶然、羅策(ラサク)の腕から落ちた広物集が開き、雲禾が印をつけた頁が開く。小さく折り畳んだ頁の角には″寧清(ネイセイ)″とあった。「天君を大殿に呼んでくれ」長意は天君に雲禾が印をつけた広物集の頁を見せた。詳しいことは何も分からなかったが、そこへ空明がやって来る。すると天君はかつて遊歴で出会ったあの男だと気づいた。「そなたか?!」「あの時の?!」実は天君こそ空明が人間界で失意のどん底にいた時、救ってくれたあの神仙だった@15話。「全ては運命で繋がっていたのですね」死を覚悟した雲禾は戦場に赴く前、空明に寧悉語(ネイシツギョ)から聞いた話を明かしていた。「いつか天君に会えたら伝えて欲しいと…その書物の作者は寧悉語です」天君たちは寧清の悪行の全てが亡き師匠・寧悉語のためだと知る。当時、寧清は一介の御霊師に過ぎず、林(リン)氏より位が低かったが、ある時、瞬く間に目覚ましい進歩を遂げた。寧悉語の話では寧若初(ネイジャクショ)を殺してから寧清はしばらく万花谷を離れたという。風に乗って寧清を追跡してみたところ、行き先はかつて偶然に迷い込んだ奇妙な山だと分かった。しかしその時、寧悉語はなぜか山に入ることができなかったという。遊歴が好きな寧悉語は寧清と各地を巡っていた時、いつの間にかある荒れ山に足を踏み入れたことがあった。そこは最も憧れることと恐れることが幻覚となって現れる奇妙な山だったという。寧悉語は別世界に入ったと気づいて探ろうとしたが、気がつくとすでに外へ出ていた。戻ろうとしても2度と入れず、広物集に″無名山″と書き記しておいたという。寧清はその山を降りた時から不思議な力を身につけていた。その後、修為を伸ばして出世、御霊師の頭領となり、やがて寒霜(カンソウ)を作って万花谷を支配する。雲禾が19話で偶然にも密室を見つけたのは寧悉語が風で導いたからだった。『あの絵姿は妙よ、何か隠されているはず…』雲禾が印をつけたのはどうやら無名山の頁だった。その時、汝鈞は無名山の絵と砕けた仙令が示した図が似ていると気づき、2つを重ねてみる。すると無名山の絵と仙令の図がぴったり一致した。汝鈞は神君たちと早速、無名山を探しに行くことにした。そこで最後に長意に思わぬ言葉を残す。「尊主、朽ちた花は形をなくすが、息吹はまだ世間を漂っている、緑が絶えぬ限り流転する 数千年後、故人も戻るかもしれない」一方、狐族少主・卿瑤(ケイヨウ)は林昊青(リンコウセイ)と思語(シギョ)を解放していた。帰順した御霊師は北淵で受け入れるが、中には自由に生きたい者もいたという。どちらにしても空明の薬があり、命の危険はないと安心させた。思語は仙師の目が光る万花谷へ戻るより北淵に留まった方が安全だと進言した。しかし林昊青にとって万花谷は家、まだ谷に残っている力ない者たちを放っておけないという。何より寒霜を解毒する方法を必ず見つけねばならない。すると瞿暁星(クギョウセイ)と東濂(トウレン)長老たちが駆けつけ、谷主と一緒に帰ると言った。林昊青は感謝したが、瞿暁星には北淵に残って欲しいという。「お前は長意と親しいだろう?…北淵で仲間の面倒を見てくれないか」「分かりました…でも雲禾は本当に死んだのでしょうか?」「…生きていればいつか願いは叶う」長老は谷主に頼まれ、弟子を連れて寒霜の薬に必要な薬材を探しに出かけた。すると林昊青は万花谷ではなく山へ入り、やがてうずくまっている狐を見つける。「紀雲禾だ…」実は双脈の雲禾は元神が散っても卿舒(ケイショ)が授けた九尾狐の霊丹が残っていた。思語はようやく谷主が仙姫から雲禾を殺せと命じられても怯まなかったのは、雲禾が復活できることを知っていたからだと気づく。「彼女をどこへ?長意には?」「雲禾は北淵や万花谷のために犠牲を払い過ぎた…もう過去の苦しみを忘れさせてやりたい」林昊青は大事そうに狐を抱きあげると、万花谷に連れて帰った。一方、三月は志半ばで力尽きた雲禾のため、代わりに願いを叶えようと決めた。離殊はそんなことだろうとすでに飛廉(ヒレン)神君に後を追いかけると連絡しておいたという。こうしてそれぞれが前を向き始める中、洛洛だけは雲禾を失い途方に暮れていた。雪山で独り酒をあおる洛洛、そこへ空明が現れる。「身体を大切にしろ」「…独りで生きて何になるの?」雲禾は天敵に襲われ万花谷に落ちて来た洛洛を助け、いつもかばってくれた。「でも雲禾は死んだ…誰のために生きればいいの?」「私だって君を必要と…」空明は大義をなすため言葉を飲み込み、そっと外套を掛けた。「自分の道は必ず見つかる、それまでは身体を大切にするんだ」すると空明は帰ってしまう。林昊青は雲禾の生存を隠すため、かつての居所から雲禾の好きな花海(カカイ)まで結界で覆い隠した。そこで狐に自分の半生分の霊力を分け与え、千年の修為が必要とされる人像(ヒトガタ)を与えてやる。人間の姿になった狐は幼い頃の雲禾そのものだった。しかし雲禾は過去の記憶を失い、自分のことも林昊青のことも何も覚えていない。「生まれ変わったんだな…」すると雲禾は美しい真珠を一粒、大事そうに握りしめていた。思語は長意の涙だと気づいて回収しようとしたが、林昊青は持っていても構わないと許す。「君の名は″阿紀(アキ)″、私は君の師父だ」「師父!」北淵での戦が失敗に終わり、姿絵に封印される悪念は苛立ちを隠せなかった。しかし寧清は汝菱(ジョリョウ)の顔の傷を治すことに執着し、全く話を聞こうとしない。痺れを切らした悪念は寧悉語にとって最も大切な弟子は寧若初だけだと挑発したが、憤慨した寧清は出て行ってしまう。「好きにしろ!」悪念は汝菱の夢の中に入り込み、最も恐れる幻覚を見せた。…師父と弟に見捨てられ悲しみに暮れる汝菱、するとどこからともなく声が聞こえてくる『力を持たねば誰からも侮辱される、力こそが全てなのだ 踏みにじられる弱者のままでいるか?それとも万民に君臨する仙姫に戻るか?』『力をちょうだい、ここから出して!』『ここを出たいのなら他人の霊力を奪うのだ』すると汝菱の手の平に不思議な力が宿る…汝菱はそこで目を覚ました。夢を見ていたのだと分かったが、ふと手の平を見ると本当に力が宿っている。その時、仙娥が薬を持ってやって来た。汝菱は試しに手の平の力を使ってみると、驚いたことに本当に霊力を奪うことができる。つづく( ๑≧ꇴ≦)モクモクさん!まさかアクアクだったとは!w
2023.09.04
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第9話洛錦桑(ルオジンサン)に紀雲禾(ジーユンファ)を助けると約束した空明(コウメイ)。しかし北淵(ホクエン)と万花谷(バンカコク)の戦を止めたいという雲禾の強い意志に共感し、一度だけ霊力を奮起させる薬を渡した。「だが戦を阻む方法はあるのか?」「その前に会っておきたい人がいるの」その頃、父を弔った狐族少主・卿瑤(ケイヨウ)は位牌の前で敵討ちを誓っていた。すると空明が父を殺した紀雲禾を連れて現れる。興奮して今にも雲禾に掴みかかりそうな卿瑤、しかし空明が止めた。実は雲禾は狐王の霊を慰め、長意(チャンイー)を救う方法を伝えるために来たという。「従棘所(ジュウキョクショ)に捕らわれていた時、仙師から聞いたの、鮫族は霊力を回復できると… 鮫珠が長意の身体に戻れば、あるいは失う前より強い霊力を取り戻せる 私は争いを阻止したいだけ、この美しい北淵で皆に楽しく酒を飲んで欲しい」御霊師たちは自分たちが寒霜(カンソウ)で操られていると知り、そのせいで士気が下がっていた。両軍の共倒れを狙う朱凌(シュリョウ)は撤退させるつもりなど毛頭ないが、そんな敵軍の変化に長意が気づく。そこで兵を退く引くなら林昊青(リンコウセイ)を引き渡すと提案した。「長意!我々も不本意だが戦わざるを得ないのだ!」瞿暁星(クギョウセイ)はついに号令をかけ飛び出した。その時、雲禾が空明と卿瑤を連れて両軍の間に割って入る。「やめて!」長意は雲禾の元気な姿に驚き、急いで駆けつけた。雲禾は林昊青が北淵に進行した目的は仲間たちを帰順させるためだと明かした。仙師から寒霜を強制された時からすでに万花谷の負けは決まっていたという。「今後も支配され続けていいの?!」すると空明は自分が寒霜を抑える薬が作れると伝えた。実は以前、助けた御霊師たちは薬を飲んで健やかに暮らしているという。しかし長老は御霊師を恨んでいる地仙たちが自分たちを受け入れるとは思えなかった。そこで卿瑤が御霊師たちを安心させるため、自分たちの敵は父の霊丹を砕いた仙師であり、仙友たちを脅かしたのは順徳仙姫(ジュントクセンキ)だと伝える。「ここに誓う!北淵に帰順し、共に戦いたいと願う御霊師を快く受け入れ、決して傷つけないと!」雲禾は寒霜に侵されようと正義や希望まで失うわけではないと叱咤し、自分たちの魂は永遠に自由だと訴えた。(」゚ロ゚)」<自由だぁあ~~~~~~!!! ←違うw長意は尊主として争いより手を携えることを望み、北淵に加わる者を決して裏切らないと約束した。すると真っ先に瞿暁星が帰順を表明、御霊師たちは次々に剣を捨てて追従する。雲禾たちは平和的解決に安堵したが、そこへ仙姫の仙侍・朱凌(シュリョウ)が現れた。朱凌は投降した万花谷軍に激怒、仙姫から授かった術で御霊師たちの寒霜を発動させてしまう。「ぶっはははは~!薬があると言ったか?御霊師3000人を一度にどうやって救えるかな?」その時、意を決して雲禾が舞い上がった。雲禾は御霊師たちの暴走する寒霜を止めるため、霊力を全て使い果たした。驚いた長意は落下する雲禾を抱き止めたが、その隙に朱凌は逃げてしまう。「大尾巴魚(ダーウェイバーユー)…本当に風になれた…」「雲禾…暖かい雲苑(ウンエン)に戻ろう」その頃、無妄窟(ブボウクツ)にいた林昊青(リンコウセイ)と思語(シギョ)は戦鼓の音が止んだことを訝しんでいた。するとふいに風が舞い込み、林昊青は雲禾の散った霊力だと気づく。「まさか…」長意は雲禾を連れて湖心島に戻った。すると雲禾はこのまま外で雪が見たいという。「私は君を許していない、死なせないぞ!」しかし雲禾は激しく喀血した。必死に自分の霊力を送る長意、その悲痛な面持ちを見た雲禾は最後の力を振り絞って長意の頭に手を伸ばす。「なでると…楽に…なるわ…」その時、雲禾は心海の中で長意の幻影にようやく全てを明かした。…本当は言いたかった、私は裏切っていないと…でも言えなかったの、大局のため嘘をつき、自分の心も偽った…怖かったの、私のした事全てが誤りに思えて…あなたを騙し、去るよう仕向けたこと、崖であなたを刺して絶望させたこと…あなたの純粋な心を引き裂き、別人のように変えてしまった…今さら言っても無駄ね、私たちはもう戻れない『大尾巴魚、私を忘れてどうか楽になって欲しい』すると雲禾の手が力無くだらりと落ちた。空明は洛錦桑を連れて湖心島へ駆けつけた。するとちょうど雲禾の体内にあった鮫珠が長意へ戻る様子を目撃する。それは雲禾が息絶えたことを意味していた。「雲禾…目を開けて…起きるのよ…」洛洛は雲禾に呼びかけた。「騙しているんだ、いつも嘘ばかりつく、あの時も私を逃がそうと嘘をついて刺したんだ 今度は自由になるために死んだふりをしている」雲禾の死を受け入れられない長意、その時、激怒した洛洛が長意を突き飛ばして雲禾を奪った。「あなたのせいよ!全てあなたのためだと知っていたのに、なぜ雲禾を閉じ込めたりしたの?! 雲禾はあなたのことが一番好きだった、でもあなたは譲歩しなかった 雲禾は最後まであなたを助けたのに…」しかし長意は洛洛から雲霞を取り返し、黙って雲苑に入ってしまう。長意は雲禾を寝台に寝かせて結界で身体が消散しないよう守った。「過去の事などどうでもよかった…君をどうしても留めておきたくて 結局、どこへ閉じ込めようと君は離れて行ってしまうのか? …お願いだ、私をまた1人にしないでくれ」長意の涙は大きな真珠となり、床にこぼれ落ちた。長意は雲苑を封印、洛洛は中に入れなかった。空明は泣きじゃくる洛洛をなだめ、これも天意であり雲禾の願いだったと言い聞かせる。その時、洛洛はふと気づいて空明と距離を取った。「雲禾を守ってくれると約束したはずよ?…だましたのね?」「…すまない」「もう2度と会いたくない、責任も取らないから…」すると洛洛は逃げるように去ってしまう。洛洛は青(セイ)姫を頼ったが、すでに出立した後だった。…楽游山(ラクユウザン)にへ帰るわ、縁があればまた会いましょう…。゚( இωஇ )゚。<みんな去ったぁぁぁ~一方、卿瑤は父の位牌に雲禾が亡くなったと報告していた。最期まで北淵を案じていた雲禾。卿瑤は雲禾を誤解して偏見を持ち尊大だったと反省し、ようやく大局を理解できたという。「父王の仇敵は必ず討ちます、でもやはり自分の過ちが悔やまれます」雪三月(セツサンゲツ)と離殊(リシュ)が玉露霊芝(ギョクロレイシ)を手に入れて帰ってきた。しかし悲嘆に暮れる洛洛の様子で間に合わなかったと知る。一方、汝菱(ジョリョウ)は独りでのこのこ帰ってきた朱凌に激怒した。「またしても失敗するとは!」「仙姫!お待ちを!紀雲禾が死んだのです!それで急いで戻りました!」汝菱は急に機嫌を直したが、その時、三月から訃報を聞いた天君・汝鈞(ジョキン)たちが現れる。すると汝鈞は朱凌に最も重い罰を与え、姉を閬風巓(ロウフウテン)へ連れて行った。汝菱は両親が混沌へ戻った時、この菩提樹に弟の元神を入れて世話をした。「この中に肉親がいると思えば寂しさが紛れたわ」「そうだ、懸命に守ってくれた…だが過去の話だ」汝鈞は姉の堕落ぶりを嘆き、心を入れ替えて欲しいと訴えたが、その思いは届かなかった。「紀雲禾は私の顔を傷つけ、仙師は私を身代わりにした、私を侮辱したの 失った物を取り返して何がいけないの?」姉に全く悔いる気持ちがないと知った汝鈞は北淵の出兵が天道に背くとして姉の仙号を剥奪、禁足を命じた。汝菱は猛反発、しかし菩提樹が放った強力な霊力の仙縄で拘束されてしまう。「これは両親が植えた木、霊性の宿る木も姉上に怒っているようだ …また過ちを犯した時は姉上を捨てる」楽游山では青姫が独り酒に溺れていた。雲禾が亡くなってから届いた思わぬ知らせ、実は寧若初(ネイジャクショ)は約束を破ったわけではなく、寧清(ネイセイ)に殺されたという。…若初、寧清が弱りきった時を待つわ、その時、あなたと共に敵討ちをする…つづく( ;∀;)ぁぁぁぁぁ~
2023.09.03
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第24話「一世一代の決断」長秋(チョウシュウ)宮で五公主からいきなり罰を受けそうになった程少商(チォンシャオシャン)。すると駱済通(ルオジートン)が現れ、皇帝が程娘子を宴に呼んでいるため遅れてしまうととりなした。おかげで難を逃れた少商だったが、穏やかな皇帝や皇后を思うと五公主がなぜあれほど横暴なのか分からない。実は駱済通は長水校尉・駱住(ルオジュー)の娘で数年前から五公主の伴読だった。五公主は天下平定後に生まれた末娘のため兄姉ほど苦労を知らず、裕福に育ったせいでわがままなのだという。「宮中は掟に厳しい、貴人の噂話はこの辺で…家族にも災いが降りかかるわ」「ご教示ありがとうございます、でも幸い2度と宮中に来ることはありません」駱済通は少商を宴の席に案内して下がった。隣の席にはあの意地悪な王姈(ワンリン)が座っていたが、もはや少商にとって嫌味な王姈を負かすのは朝飯前。すると思いがけず犬猿の仲の五公主と三公主が舌戦になった。少商は手持ち無沙汰で隠し持っていた焼餅(シャオビン)を食べ始めたが、五公主に見つかり、焼瓶の盗み食いとは何事かと叱責されてしまう。これに乗じて王姈は出征した両親が娘を躾けず少商はただの野生児だと蔑み、初めての参内で宮中の掟など知らないと馬鹿にした。しかし少商は怯まず、開き直ってさらに焼瓶を頬張る。「これは瓶ではなく黍(キビ)ナンです、皇帝と皇后が倹約されているのにご存じないと? 確かに公主は驕(オゴ)り高ぶる尊い娘、毎日、宮中に閉じこもっていれば見識も狭くなりましょう(うっ)何だかお腹が痛くなって来た…失礼します」少商は公主をやり込め回廊へ出た。しかし後を追いかけて来た侍女が少商の履き物を取り上げ、放り投げてしまう。少商は相手にするまいと胸を張って堂々と取りに向かったが、侍女がさらに遠くへ投げた。すると前と後ろから現れた侍女がいきなり花瓶を放り投げ、少商の足元は割れた破片だらけになってしまう。その様子を公主たちが笑いながら見ていた。少商は破片を避けて行こうとしたが、突然、背後から侍女に蹴られてしまう。「あっ!」破片の上に顔から落ちていく少商、その時、凌不疑(リンブーイー)が現れ、危ないところで少商を抱き留めた。( ๑≧ꇴ≦)アルソック発動!凌不疑は少商を欄干に座らせ、自ら履き物を履かせた。思わぬ援軍の登場にざわつく公主たち、しかし偶然その様子を見ていた駱済通は心中おだやかでない。実は以前、皇后は駱済通を凌不疑に嫁がせたいと明かしたことがあった。凌不疑は悔しがる公主たちを尻目に少商を自分の横の席に座らせた。三皇子は皇太子のそばに若い娘を座らせるとは何事かと呆れたが、五皇子は愛らしい少商が気に入り、自分の妾にならないかという。「五殿下、ご心配なく、少商にはもう縁談話があります」「子晟(ズーション)偽るな、楼(ルオ)家とは破談になったであろう?」「そうです、つまり私が娶れるようになったのです」(´゚ω゚):;*.’:;.. ブハッ!<凌将軍、落ち着いて…少商は凌将軍の発言に思わず咳き込むと、ちょうどそこへ皇帝が両親や万(ワン)伯父たちを引き連れてやって来る。程始(チォンシー)と蕭元漪(シャオユエンイー)は娘の姿を見つけて仰天、少商も目で父に助けを求めたが、話は意外な方向へ進んだ。凌不疑は席を立っていきなり御前で跪くと、皇帝に嘆願した。「陛下、陛下は私の親代わり、程四娘子へ縁談の申し込みを…」( ゚Д゚)゚Д゚)゚Д゚)ジェットストリームポカーン@程家皇帝は意外にも早い展開に大喜びし、早速、程将軍に縁談を申し込んだ。言葉に詰まる程始、その時、蕭元漪が撤回を求めた。蕭元漪は夫と共に跪くと、若き英雄である凌将軍に娘は不釣り合いだと訴えた。「娘は幼少より躾に欠け、目も当てられません 私の帰還後も学問、練武、どれもだめで、女徳にかけ、口さがない 厳格にしたくとも目上の者に従おうとしません もし娘が他人なら、こんな嫁を程氏は決して迎えないでしょう 程氏の他の娘が陛下のご厚情を賜れば、我らは心から誇りに思います 陛下、少商は好戦的で容赦ありません もし凌将軍に嫁いだら大きな災いを起こし、程氏一家に累を及ぼすやも… 陛下、素晴らしい縁談でも少商にとっては身に余ります」程始はそもそも出征で娘の躾を疎かにした自分たちの責任だと少商をかばったが、蕭元漪は容赦無く娘を貶めた。「凌将軍は娘と出会って日も浅い、娘は聡明そうに見えて口八丁で軽率でもあります」傍観していた三皇子もさすがに驚きを隠せず、思わず口を挟んだ。「子晟に嫁がせまいとこれほど我が子を貶めるとは… 都中の女子が競って子晟に嫁ぎたがるが、程家だけが皇命に逆らってまで拒む 程夫人が悩み抜いたあげくか、子晟を恐れているからか」すると衆人の前で顔を潰された皇帝は憤慨、程始に罰を与えようとしたが、慌てて皇后と凌不疑が止めた。少商はこのままでは家族を巻き込んでしまうと焦った。「陛下、母の言うように私は問題児です、到底、従順な妻にはなれません 凌将軍、あなたは将来、私より何千倍も素敵な妻を娶れるはずです 私は強情で人の話に耳を貸さず、服従もしない、それでも妻にしたいと望みますか?」「もちろん、君にとって私がそんなに立派に見えていたとは…君とて同じ 私にとって程少商はこの都城で最も素晴らしい女子だ」不疑は少商が世間の理想の妻と違っても、自分にとっては誰より勝る女子だと訴えた。「君は純粋で果敢、感情を惜しみなく表し、唯一、自分と肩を並べて歩める女子だ この凌不疑、生涯、他の女子を娶ることはない」すると少商は一世一代の決断を下した。「臣女、厚かましくも凌将軍に応じます!」皇帝はすっかり機嫌を直し、これで誰も2人の縁談を反故にできないと釘を刺した。曲陵(キョクリョウ)侯府へ戻った少商、すると蕭元漪は勝手に縁談を承諾した娘への怒りがふつふつと沸き上がった。しかし少商は楼垚(ロウヤオ)との縁談を壊すため凌将軍を持ち出し、凌将軍が求婚すればまた不満なのかと呆れる。「不満なのは私が選んだ相手?それとも娘の私ですか?」蕭元漪は激高して机を叩いたが、程始が鎮めて代わりに説明した。実は凌不疑の実母・霍君華(フォジュンホワ)は霍翀(フォチョン)の妹として栄華を誇っていたが、哀れな末路を迎えていた。15年前、霍将軍は皇帝が危機の際、孤城で戾(レイ)帝の20万軍を足止めしたという。しかし城門が破られ霍家はほぼ全滅、霍夫人と凌不疑は行方不明になった。城陽(ジョウヨウ)侯は結局、寄宿中の母方の従妹・淳于(チュンユー)氏を後添えに迎えたが、成婚後1年も経たずに霍夫人が凌不疑を連れて戻って来たという。霍家の功績を思えば本来、離縁させるところだが、淳于氏が汝陽(ジョヨウ)王妃と昵懇(ジッコン)のためできなかった。蕭元漪は淳于氏という姑など心配の種の一つに過ぎないと言った。むしろ心配なのは凌不疑本人、楼垚と違って揺るがぬ意志を持ち、決めたことは貫くという。「あなたも強情なのに、頑固者同士で夫婦になれると思う?」確かに城陽侯府は虎穴なのだろう。しかし少商はあの時、他に選択肢などなかったと言った。「阿母は厄介な婿を拒みたいあまり、私を価値がないほどまでに貶めた でも私にも自尊心や誇りがあり、堂々と生きたい …阿母、縁談の相手が堂姉なら今日のように衆人の前で辱めましたか?」「ゥッ…姎姎(ヤンヤン)は心配する必要もない!」蕭元漪は自分でもやり過ぎだったと分かっていたが、娘に煽られやり返してしまう。そこで程始はこれも皇帝を説得するための苦肉の策だったと言い訳した。「いくら傷ついたからと言って意地になって応じるとは…」「意地じゃない、真剣に考えました」少商は例え誰に嫁ごうと母の心配が絶えないのなら、早く嫁いで憂いをなくしたいという。「嫁ぐ相手を間違えたら一生、不幸になるのよ?!」「皇命に背いて一門が没落するより私一人が不幸な方がましです …放置されたことを恨んだこともありました、でも分かったのです、私も孝行娘ではありません だからお互いに負い目はない、私を置き去りにして得た栄華を壊す必要はないわ それでは私が生まれたこと自体、滑稽に思えて来る…」少商の言葉を聞いた蕭元漪は何も言い返せなかった。「自分で決めた縁談に悔いはない、迷惑はかけません」「はお…はお!いいわ、凌不疑に嫁ぎたいなら希望を叶えましょう」つづく(´-ω-。` )おう…少商があまりに不憫で初めて挫折しそうになった…善見が出てこなかったのにwでも原作通り中身がタイムスリップ?した人だと思うと腑に落ちるわ
2023.09.02
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第23話「皇宮へ参上」療養中の凌不疑(リンブーイー)を見舞うため父と凌府を訪ねた程少商(チォンシャオシャン)。しかし広大な屋敷はいかつい黒甲衛(コクコウエイ)が警固し、殺伐とした正殿はさながら軍営のようだ。「女子の使用人もいない…」「君が女子では?」その時、ふいに凌不疑が現れ、程始(チォンシー)と少商は緊張のあまり身体を硬直させた。「…女子は君一人で十分だ」(°_°)ハイ?凌不疑は少商の来訪を喜んだが、程将軍を見ると不機嫌になった。少商は足が震えてどうにも落ち着かず、早々に引き上げようと父に目配せする。そこで程始はゆっくり静養するよう社交辞令でごまかし、娘を連れて逃げるように帰った。しかしあと少しで門というところで梁邱起(リャンチゥチー)に呼び止められてしまう。「これは女公子の落とし物ですか?半分が見つからぬため探して欲しいと…」少商は例の割れた玉佩だと気づき、仕方なく引き返した。すると父だけ黒甲衛に囲まれ、足止めされてしまう。「程将軍は怪力の持ち主で十人力だとか、教えを乞うても?」程始は自分が邪魔なのだと察し、家で用事があると断って娘を置き去りにした。(^ꇴ^)ノ″<嫋嫋(ニャオニャオ)~気をつけるんだぞ!(°_°).oO(そういう感じ?凌不疑は玉佩で少商を脅し、連れ戻した。「私が怖いのか?父親を連れて見舞いに来るとは…」少商は自分一人で来なかったことが不服なのだと気づき、うつむいてしまう。「古傷を痛めたのに見舞いも渋々か…」「…まだ痛みますか?」「武術に支障がないか聞かないのか?」「武術ができるかどうかは二の次でしょう?」凌不疑は驊(カ)県でも痛いかどうか聞いてくれたのは少商だけだったという。「君は特別だな」すると思いがけず皇太子が裕昌(ユーチャン)郡主たちを連れて見舞いにやって来た。少商はこの機に乗じて帰ろうとしたが、皇太子たちがすぐ正殿に到着し、逃げる機会を失ってしまう。袁慎(ユエンシェン)は皇太子をけしかけ、一緒に見舞いにやって来た。すると王姈(ワンリン)が皇太子に楼(ロウ)家と破談になった程四娘子だと紹介し、次の目当ては凌不疑かと毒づく。しかも自分の奴婢が程氏客桟のそばで少商と男が密会しているのを見たと辱めた。袁慎は自分のことだと思い出し、師匠の伝言を少商に託しただけで他意はないと釈明する。ただでさえ居心地が悪い中、王姈に侮辱され踏んだり蹴ったりの少商。「男女の卑猥なことしか頭にないから誰もが淫らだと思うのかしら? 袁公子とやましいことがあれば馬車にひかれて死ぬわ! 凌将軍、どうぞお大事に!失礼します!」袁慎も袁氏の栄誉に関わる流言だと憤慨、改めて説明を求めると言って帰ってしまう。不疑は少商との時間を邪魔され怒りが収まらず、王姈を節穴だと罵しり追い返した。その頃、凌府にちょうど三皇子と側近の小越(ユエ)侯が到着した。すると正門から皇太子が慌てて出て来る。「何かあったのですか?」「裕昌が子晟(ズーション)のことで傷ついてな…思い詰めるやもしれぬ」三皇子たちは皇太子を見送ったが、その間に医者らしき男が凌府へ入ったかと思うと正門が閉められてしまう。「若主公は休んだばかりのためお待ちを…」「ならば戻るとしよう、舅父が上等の薬を求めた、子晟に煎じてくれ」実はその医者は15年も行方知れずだった霍(フォ)家軍の伝令官だった。韓武(ハンウー)は凌不疑と面会、逃亡兵としてどんな罰でも受けると拝跪した。しかし逃げ回っていたわけではなく、同袍と接触すれば殺される危険があり、名を隠して市井に紛れていたという。「″凌 将 軍″…ご無事で何よりです」孤城が破られ霍家が全滅した時、韓武は救援を求め城外にいた。当時、孤城の兵器は劣悪な物にすり替えられ、抵抗するのも困難だったという。霍将軍は仕方なく伝令官を近くの越氏部曲と乾安(ケンアン)王の軍に派遣したが、結局、援軍は到着せず、孤城は陥落した。実はあの日、城外に瘴気(ショウキ)がこもり、越氏と乾安王が進軍不能となって3日遅れたという。確かに小越侯は一隊を率いて瘴気を探りに行くも全滅したと報告したが、韓武は後日、出動した戦馬が兵営にいたという目撃証言を得ていた。「瘴気に毒あらば、なぜ人は死に馬だけ無事だったのでしょうか?」妙なことはもう一つあった。瘴気が散ってから軍医たちが検視のため林に入ったが、なぜか軍医たちは全員、失踪したという。「私に軍医たちの捜索をお命じください」「許可しよう」少商と袁慎の噂は皇帝の耳にも届いていた。すると文(ウェン)帝は立ち話だけで噂になる袁公子に比べ、命を助けた子晟とはなぜ噂が立たないのかと苛立つ。( ゚ェ゚)<いやそこですか?@皇后「ようやく子晟の目に適う女子が現れたのだ、仲を取り持ちたい」そこで早速、程娘子に参内を命じ、接見することにした。翌朝、程始と蕭元漪(シャオユエンイー)は少商を連れて参内することになった。凌不疑を見舞ったと思えばいきなり皇帝との謁見、蕭元漪は嫋嫋が何かやらかしたのではないかと気が気でない。そんな母の心配などどこ拭く風、少商は馬車に揺られながらこっそり持って来た焼餅(シャオビン)をつまんでいた。皇帝と皇后は正直で素直な少商を気に入った。蕭元漪は出征している十数年の間、娘の躾けが疎かになったと謝罪したが、皇后は学業が疎かになっていても賢いのかと感心する。「お褒めに感謝します、皇后ってなんて美しいのかしら…」少商は母と違ってありのままの自分を受け入れてくれる皇后を敬愛し、思わず口を滑らせた。慌てる蕭元漪だったが、皇帝はならば母と皇后ではどちらが綺麗かと聞く。「皇后!」「なかなか面白い子だ」皇帝は喜び、一家を家族の昼餉に招いた。そこへ万(ワン)将軍が参内して崇徳(スウトク)殿で待機していると知らせが来る。皇帝は程始たちも同行するよう命じ、少商は皇后の長秋(チョウシュウ)宮で休むことになった。長秋宮の偏殿、少商は普通の民家とは全く違う造りの宮殿に興味津々だった。書卓はどうやら楡(ニレ)の木で作られているらしい。「皇后は倹約しているのね…」その時、五公主がすごい剣幕で皇后の寝殿に入って行った。五公主は父皇が決めた縁談に不満があり、母を訪ねた。「父皇は越姮(ユエホン)とその子供しか眼中にない、朝廷内外でも越姮が真の皇后だと噂してるわ」「ふぁんすー(放肆)!」皇后は思わず声を荒らげ、人払いした。「誰が離間させるようあなたをそそのかしたの?」実は自由奔放な五公主は幕僚と称してお気に入りの郎君の出入りさせており、何かと噂が耳に入って来るという。皇后は縁談が決まった娘が郎君たちと往来することを叱責したが、五公主は縁談を断ると言い出した。「越姮の甥は三公主の宣(シュエン)氏駙馬にも劣ります、私には放蕩息子をあてがうなんて…」皇帝は娘を皇后の宣氏と越妃の越氏に嫁がせることで帝家の結束を強めたいと願っていた。三公主は母の寝宮を訪ね、五公主が慌てて長秋宮に駆け込んだと失笑した。自分が子晟を慕いながら父皇に命じられ泣く泣く嫁いだ以上、当然、五公主も断って良いはずがない。しかし宣氏駙馬は功績もあり清く正しい家門で人柄も立派、三公主にはもったいない相手だった。片や小越侯の息子は四六時中、花街に入り浸り、五公主でなくても嫁ぎたくないだろう。越妃は五公主に同情し、舅父の家で育った三公主が長秋宮への恨み言を吹聴されたせいで敵対するのだと分かっていた。「私の願いは静かで平穏な日々よ、騒ぎを起こさないで…でないと守ってやれないわ」五公主は凌不疑も身を固めていないと訴え、不公平だと言い出した。「実の子以上に寛容なんて…もしや凌不疑は父皇が外に作った子なのでは?!」皇后は娘の妄言に激高したが、わがままな五公主の暴言は止まらない。「霍翀(フォチョン)はたかが舅父ですよ?大勢死んでもそれは母方 自分の両親は生きているのに近づこうともせず、宮中に居座って私の両親を奪うなんて…」「お黙り!本当に罰を与えるわよ!」少商が偏殿の装飾品を見ていると、急に皇后の寝殿の門が開いて大きな声が聞こえた。<私は男子のごとく功績を立て、大事を成し遂げたいのです!婚姻を強要するなら死にます!<何ですって?!少商は何事かと様子を見てみたが、ちょうど激怒した皇后が五公主を置いてどこかへ行ってしまう。すると五公主が偏殿にいる少商に気づいた。「ちょっと!盗み聞きしたわね!…無礼者!」五公主は見知らぬ娘に罰を与えようとしたが、そこへ五公主の伴読が現れ、とりなした。つづく( ๑≧ꇴ≦)あははははは~腹抱えて笑った!パパが好きだわ〜
2023.09.01
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