カイバーマンのお仕事2

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2008年10月18日

民放版かわせみ「卯の花匂う」感想

カテゴリ：御宿かわせみドラマ感想

原作で一番好きな話。好きすぎてドラマ版に100点つけたことがない。

8年前、父を殺され、母を奪われた少年。
家は親戚にいいようにされ、長じて2つ年上の女中とともに仇を探す旅に出る。
江戸に上り「かわせみ」に逗留するが、相思相愛(でも他人の中)の女中、ふみは予算を切り詰めるため黙って内職を始めるのだった。

いい年して年頃の娘たちに混じってお習字教室の東吾さん。
子供に混じってするのもおかしいが、ちょっと体裁をきにしなさすぎ。
書道教室をやっているのは初老の筆屋の夫婦、ちょっと足は萎えているが原作よりずっと元気。

喜一郎どのはあまり腕に自信がなく、宿の亭主だかの伝手を頼って狸穴の道場においてもらうことに。
それは、「目的を果たした後に、生きている保証がないのにふみと男女の仲になってはまずい」という男としてはまこと立派な理由だったが、女のほうにもそれなりの覚悟があるわけで。

でもさ。青春を捧げて、京から江戸までついてきたんだぜ……？

仇を討っても帰る家はない。
つか、仇討ち免状持ってない。
喜一郎は母が仇と暮らしていたら、母を殺して自害する覚悟だったが、……事情を聞いた源さんが二人を見つけ出してしまう。
それは例の筆やの夫婦だった。

前もってこの二人が討たれる身ですってやられると緊迫感が……。
だが、死んだ子の年を堂々数える母にはちょっとぞっとした。
恋人に「あの二人が討たれないよう、なんとかして」と言い含められた東吾さんは息子の存在をさんざ仄めかす。

妻は逃げましょうと主張するが、夫はこれまでどおりの生活を続けることを決断。(単に疲れたとも言う)
そして、とうとう両者は顔を合わせてしまうが……。

母が本音をぶちまけ、逆上した息子が剣を振り上げる。

自分の欲望に従って生きて、その代わり自分の子供の人生を歪ませたわけだから。

結局喜一郎は二人を斬れず、侍を辞めてくみと所帯を持つことに。
……ハッピーエンドなんだけど、このもやもや感はなんなんだ？
不義者が素晴らしい夫婦として褒め称えられたからか。
いや、大筋は原作と同じはずなんだけどな……。

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