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それでもあの長い棒が気になるので、予備パーツの箱を漁り、リアブレーキアームを取り出してみると、アームを取り付けるシャフトの先端辺りに4ミリ程の穴が貫通している。現車を確認すると矢張り同じ箇所に穴が貫通している。シャフト抜けを防ぐ為の割ピン用の穴にしては位置が違うので、この穴にあの謎の棒を差し込むシュミレーションをしてみたら丁度スイッチの真下に来る事が分かった。
恐らく棒の取り付け方はこの方法で間違いないだろうが、確信が持てないので、カブで写真屋のTY125の現車を確認に出向いた。
写真屋のコンテナのシャッターを開けるとピカピカのTYが鎮座していた。早速シフトペダルのシャフトの奥を確認すると思った通り棒が刺さってその先端がブレーキスイッチのスプリングに連結してある。棒は刺さっているだけで割りピンなどで留められはいないようだ。よしよしこれで間違いない。
意気揚々と帰って来たのは良いが、さてこの棒をどうやって作るかが問題だ。4ミリ径の鉄棒を探すが丁度良い物はない。4ミリ径のアルミパイプはあったが、パイプなので強度が気になる。この穴に入るパイプは無いかと更に探すと3ミリ径のアルミパイプがキッチリ嵌まった。二重パイプになると強度も十分だ。しかも、スイッチを引っ張るだけなので、それ程の強度は必要ないだろう。アルミなのでスプリングの線が通る小さな穴開けも簡単だ。念のためにシャフト側も抜け防止の為の割ピンを通す穴を開けておいた。
自作したアルミロッドをシャフト穴に通し、ブレーキスイッチのロッドの穴に少しバネ力が強いブレーキシューを留めるスプリングを取り付けアルミロッドまでの長さが足りない部分は細い針金で延長してロッドの穴に取り付ける。
ブレーキレバーを押し下げながらスイッチが動くのを確認してやっと終了と思いきや、ブレーキスイッチの径が取り付けステーの径と合っていないのでグラグラだ。座金を探せねばならない。文房具を入れている雑箱を漁るとアルミのハトメが出て来た。以前ブルーシートのハトメを追加する時に買った余りだ。しかもスイッチのネジ径にピッタリだ。素晴らしい。スペーサー代わりにハトメを4枚使用し、下側から予備のスイッチから外したプラのワッシャで締め付ける。
これでガッチリと取り付け出来た。やれやれ今度こそ完成だと歓喜のブレーキテストを行ったらスイッチが殆ど動かない。何故だ?もしやと思ってアルミロッドに目をやると、曲がっている。二重パイプで完璧だと思えた自作ロッドがいとも簡単に曲がっているではないか。スプリングが強すぎたか。針金を付ける時に引っ張り過ぎたか。いずれにせよ甘っかった。撃沈である。
矢張りアルミなど「ヤワ」な物は使用出来ない。鉄だ。鉄棒だ。色々探していたら、台所の流しの戸棚に置く棚が出て来た。シャフトの穴径は4.2ミリ。棚の足は4.4ミリなので足をベンチグラインダーでシャフト穴の長さだけ削れば通る。早速グラインダーで解体して、適当な長さに切断して、穴開けに掛かる。ボール盤が無いので、万力に挟んで細い錐を使うのであるが、今度は鉄なので慎重に行う。細い錐に力を掛け過ぎると直ぐに折れてしまうので、CRCを吹きながら、慎重に穴を開けて行く。時間は掛かったが錐を折ること無く両端に何とか穴開けができたので、早速取り付ける。今度は抜群の強度で曲がる事も無くブレーキの踏みしろに応じてブレーキスイッチを動かす仕事をしている。リアブレーキスイッチ如きに時間と手間を取ってしまったが、何とか取り付ける事が出来た。
穴開け加工が完了したアルミのテンションロッド
ブレーキアームシャフトのスプリングの奥に顔を出した自作のテンションロッド
真下から見たアルミのテンションロッドとリアブレーキスイッチの連結
ハトメのスペーサーを嵌めたTLM50用のリアブレーキスイッチ
定位置に取り付けたTLM50用リアブレーキスイッチ
探し出したキッチン用の棚
穴開けが完了した鉄棒
アルミの曲がったロッドと鉄のロッド
抜け落ち留めのRピンを通したテンションロッド
針金でブレーキスイッチのスプリングに転結したテンションロッド
車体の真下から見たテンションロッド
やっちまった電装 2020.05.24
エンジンが掛からない訳 2020.05.22 コメント(6)