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セローも同じ方法でキャリパーのブリーダーバルブから注射器でフルードを押し込むと、かなりの抵抗がある。カップの底の小さな穴を良く見てみると詰まっているようにも見えるので、細い針金で穴を通すが良く分からない。更にフルードを押し込むとマスターカップに出て来たので、カップが一杯になるまでフルードを押し込んだ。もうタッチは戻っている筈であると思い、ブレーキレバーを握るとスカスカである。何で?エアーは嚙んでいない筈である。レバーを握って通常のエアー抜きを行うもエアーは出て来ない。カップの中を覗くと底の方に汚れが見えるし、フルードを吹き出す小さな穴の状態が気になる。
キャリパーは掃除をして新品シールを入れたので、不具合は無いと思う。バンジョーボルトの銅ワッシャーも確認して取り付けたので、残るはマスターシリンダーだ。しかし、シリンダーからはオイル漏れは確認できない。オイル漏れも無いのに不具合が起こるものだろうか。不思議だが、何かの原因が潜んでいるかも知れないと思いマスターシリンダーを分解する事にした。
ピストンを押さえているスナップリングを外すのが大変なのでやりたくはないのだが仕方が無い。ホームセンターで買ったスナップリングプライヤーは先が短いので狭いシリンダーの中に入れずらいのだ。ゼファーでも苦労した記憶がある。悪戦苦闘の末やっと外す事が出来、中を確認するも汚れも無く綺麗なものだ。ゴムのパッキン類の劣化も無い。何処にも異常は見当たらない。カップの小さな穴に極細の針金を通し貫通を確認し、洗浄の後組み立てる。SMにはスナップリングは再使用不可となっているが、変に曲げたりしていないので大丈夫と思い再使用した。
もう一度キャリパー側からフルードを注入し、マスターのエアー抜きを行うもタッチは戻らない。何処でエアーが嚙んでいるのか分からない。キャリパーのピストンかも知れないと思い、外して確認するもフルードの漏れは無く、動きも正常だ。バンジョーボルトに空気溜まりが有るのかも知れないので、レバーを握って一瞬だけボルトを緩めるもエアーは出て来ない。
押してもダメなら引いてみる事にした。カップにフルードを満杯にして注射器のホースをブリーダーバルブに取り付け、中のフルードを吸い出した。カップ2杯分ほど吸い出したのでこれで大丈夫と思い、レバーを握ってみるとやはりスカスカだ。
分からない。暗礁に乗り上げてしまった。エアーは何処にいるのか。それとも致命的なミスに気づいていないだけなのか?車体からブレーキラインを全て取り外し、水に沈めてみようかとも考えたが、後が大変なので思い直して、ブレーキホースを眺めていると曲がりが気になった。早速、留めている3箇所のクリップを外し、ホースを真っ直ぐに伸ばして、更にそのホースを叩いてみる。暫く放置して、レバーを握ったままマスター側のバンジョーボルトを一瞬緩めてみる。
するとシュッという音と共にエアーが抜け、タッチが戻った。やっとエアーの隠れ家を突き止めた。エアーはホースの曲がりに潜んでいたのだ。そう言えばセローは他のバイクに比べてホースの曲がりが大きいので、押したり引いたりしても、気泡が少し移動するだけで、ホースの中に残ってしまう事があるのだろう。カンシャクを起こして叩き壊してやろうかという衝動に駆られたが、また一つ良い勉強になった。ブレーキのエアー抜きをナメてはいけないのだ。
しかし、保管していて突然ブレーキのタッチが無くなる原因は分からず仕舞だ。トラックのアルミ荷台の中に保管していたために、夏の高温で、フルードが急激に劣化したか、フルードが湿気を吸って劣化したか。しかし何処も液漏れしておらず、フルードもタップリ入っていたブレーキラインにどうやって空気が混入したかは説明できない。
それでも長いトンネルを抜けたので気を良くして、3年前から買ってある新品のリアのブレーキパッドを取り付けて、フルードを入れ替えた。ピストンをを外してのオーバーホールはフロントブレーキのトラウマがあるので、今回はやらない臆病者の私がいる。
フロントの新旧ブレーキパッド
通常のエアー抜きを行うも気泡が出て来ないフロントブレーキキャリパー
分解したマスターシリンダー
マスターシリンダーカップの底にある2つの穴/右側の小さな穴が詰まりやすい
注射器を使ってのフルード注入も効果無し
3箇所の留め金具を外したブレーキホース
一瞬緩めたらエアーが抜けたマスター側のバンジョーボルト
エアー抜きが完了したフロントブレーキ/磨きが終わったディスクカバーを装着
3年前に買っておいたリアブレーキパッド
スパナを挿し込んで容易に押し戻す事ができるリアブレーキピストン
リアブレーキに取り付けた新品パッド
赤サビが出ていたナンバープレートステーを塗装
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