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保険の異端児・オサメさんComments
山の天気はこと変わりやすいものだ。それをいい意味、意識させられたのも、上高地の朝の景色だ。前日、雲に隠れた穂高連峰を是非とも目にしたい一心で、つい外の明るさを感じると早くに目が覚めてしまう。
梓川の清流の流れ、その音は部屋の窓をキッカリ閉めると殆ど聞こえなくなるのだが、穂高から吹き降ろしてくる風のピューピューという音、そして屋根をたたく雨の音だか、それが時折聞こえると、つい窓越しに外の様子を確認する。朝5時半くらいには起きただろうか、穂高連峰には前日より低く雲が垂れ込め、一階部の屋根が雨に濡れている。そして、雨具に傘をさした重装備の登山客が早くも穂高へ向けてと歩み始めるのが見えてくる。
2泊3日の松本、上高地紀行。最終日となるこの日は、すでに10時40分の帰りバスを予約済。沢渡バスターミナルへのバスは7時ごろが始発。それに乗って大正池で下車し、河童橋まで歩いてきてから帰る。そんなシナリオを描いていたのだが、朝の雨に穂高も隠れる景色を見ては、仕方ないなあとまた布団に横になる。そして家内共々、最終的に起きたのは朝7時。そしてとりあえずは浴衣姿にて朝食へと向かったのである。朝食会場は朝6時から8時半だった。
案の定、混んではいたが、食事をしながら窓の外、穂高方面の景色を伺う。するとどうだろう、垂れ込めていた雲がだんだん晴れてきて、穂高の稜線が見えてくるではないか。日も差してくる。そして、穂高を臨むビューポイント、河童橋を上流にすぐ梓川が大きくカーブをきる地点で多くの観光客や登山者がカメラを穂高に向けている。朝食のペースを上げた。

そして浴衣のまま河童橋へ。さらに雲が晴れてくる。急にこの朝の行動がスピードアップする。朝7時半、まず大浴場に行って汗を流すと、部屋にもどってパッキング、そしてチェックアウトし、荷物を預ける。朝の天気を見誤った結果の大きなタイムロス。まだ焼岳には雲がかかっていたが、とにかく大正池へと向かうべく、上高地バスセンターへ。運よく発車間際の沢渡行きのバスがあり、乗り込む。8時40分だった。
大正池下車。正面に見上げる焼岳の山頂部にはまだ雲がかかっていたが、これもあっという間に切れてきたのは幸いだった。一方の穂高連峰にはまた雲がかかってきたりと目まぐるしい。そして朝の空気が気持ちいい。鳥たちのさえずり、鴨や緑豊かな浅瀬に餌を求め、川魚の稚魚が透き通った清流に気持ちよさげに泳いでいる。既に朝の遊歩道は、多くの人とすれ違い、たまに挨拶を交わすのがまた気持ちいい。


大正池~田代池~中の瀬園地~河童橋、と約3.5キロほどだったろうか。時間が許せば、途中で穂高の景色を見ながら、おにぎりの弁当を食べたりもしたかったのだが、時間も押していたので、前日同様に中の瀬園地で暫しベンチに寛ぐと、ゴール河童橋へと歩を急いだ。1時間を少し上回るほどの、ちょうどいい感じの時間。再び河童橋に到着したころには、今後は穂高が雲に隠れ始めていた。

おにぎりの代わりに河童橋たもとで、ソフトクリームをほうばると、穂高連峰にも最後のお別れ。帰りのバスの中で食べるために、"おやき"を買うと、予定通り、新島々行きのバスへと乗り込んだ。そしてバスが大正池にかかると、車窓に穂高を見納めした。25年ぶりの上高地で穂高連峰を拝むことが出来た達成感に浸っていた。
さて、家に帰りついたのは上高地を出発して、5時間後のことだった。上高地の涼しさから一気に喧騒の街に戻ってきたのだが、思ったほどの暑さではなかったのは意外であり、幸いだった。そして3連休の締めくくりは、前週死なせてしまった仔猫"まーる"の供養に、"まーる"の待つお寺へと行ったのであった。"まーる"の置物も置いてきた。
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